JP4192790B2 - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の変速制御装置 Download PDF

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Description

本発明は車両用自動変速機の変速制御装置に係り、特に、手動切換モードで変速レンジやギヤ段を1つずつ切り換えたり一度に2つ以上ずつ切り換えたりすることができる変速制御装置の改良に関するものである。
(a) 自動的に変速が行われる変速範囲が異なる複数の変速レンジ、または変速比が異なる複数のギヤ段を、手動で切り換えるために、運転者によってON操作される第1シフトスイッチと、(b) 前記変速レンジまたはギヤ段を手動で切り換えるために、運転者によってON操作される第2シフトスイッチと、(c) 前記第1シフトスイッチがON操作される毎に前記変速レンジまたはギヤ段を電気的に1つずつ切り換え、前記第2シフトスイッチがON操作される毎にその変速レンジまたはギヤ段を電気的に2つ以上ずつ切り換える切換手段と、を有する車両用自動変速機の変速制御装置が、例えば特許文献1に記載されている。このような変速制御装置によれば、変速レンジやギヤ段を多様に切り換えることができるため、変速操作性が向上する。
特開平10−78116号公報
しかしながら、このような変速制御装置において第1シフトスイッチが故障すると、変速レンジやギヤ段を1つずつ段階的に切り換えることができなくなるため、所望の走行性能やエンジンブレーキ性能などが得られなくなる可能性があり、第1シフトスイッチが故障した場合の車両性能を確保する上で未だ改善の余地があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、変速レンジやギヤ段を1つずつ切り換える第1シフトスイッチと一度に2つ以上ずつ切り換える第2シフトスイッチとを備えている変速制御装置において、第1シフトスイッチが故障した場合でも、その第1シフトスイッチの操作で可能な所望の車両性能が得られるようにすることにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a) 自動的に変速が行われる変速範囲が異なる複数の変速レンジ、または変速比が異なる複数のギヤ段を、手動で切り換えるために、運転者によって共通のシフトレバーを用いて互いに排他的にON操作される第1シフトスイッチおよび第2シフトスイッチと、(b) 前記第1シフトスイッチがON操作される毎に前記変速レンジまたはギヤ段を電気的に1つずつ切り換え、前記第2シフトスイッチがON操作される毎にその変速レンジまたはギヤ段を電気的に2つ以上ずつ切り換える切換手段と、を有する車両用自動変速機の変速制御装置において、(c) 前記第1シフトスイッチの故障を検出するフェール検出手段と、(d) そのフェール検出手段によって前記第1シフトスイッチの故障が検出された場合は、前記第2シフトスイッチがON操作される毎に前記変速レンジまたはギヤ段を1つずつ切り換えるフェール時切換手段と、を有することを特徴とする。
このような車両用自動変速機の変速制御装置においては、通常は第1シフトスイッチがON操作されると変速レンジやギヤ段が1つずつ切り換えられ、第2シフトスイッチがON操作されると2つ以上ずつ切り換えられるため、変速レンジやギヤ段を多様に切り換えることが可能で優れた変速操作性が得られる一方、変速レンジやギヤ段を1つずつ切り換える第1シフトスイッチが故障した場合には、第2シフトスイッチがON操作された場合でも変速レンジやギヤ段が1つずつ切り換えられるようになるため、2つ以上ずつの切換操作は不可になるものの走行性能やエンジンブレーキ性能など車両性能については通常時と同様の性能が確保され、第1シフトスイッチの故障に拘らず変速レンジやギヤ段を1つずつ切り換えて所望の車両性能を得ることができる。
本発明の車両用自動変速機の変速制御装置は、例えば遊星歯車式や平行軸式等の有段の自動変速機に好適に適用されるが、変速範囲が異なる複数の変速レンジを有するベルト式、トロイダル型等の無段変速機にも適用され得る。無段変速機については、有段変速機と同様に複数の前進ギヤ段で段階的に変速比を変化させる態様で使用することも可能である。自動的に変速が行なわれる変速レンジの変速範囲は、通常は変速比が最も大きい最低速前進ギヤ段や最低速変速比は同じで、最高速前進ギヤ段や最高速変速比が異なるだけである。
有段変速機の場合、7段或いは8段以上の多段変速機に好適に適用されるが、6段以下の有段変速機に適用することもできる。また、一般には単一のギヤ列が設定されるが、少なくとも一部の変速比が異なる2種類以上のギヤ列や、ギヤ段の数が異なる2種類以上のギヤ列を成立させることが可能で、運転者の選択操作や車両の走行状態などに応じて自動的に所定のギヤ列が設定される有段変速機にも本発明は適用され得る。
手動切換制御としては、変速レンジを切り換えるレンジ切換タイプと、ギヤ段を直接切り換えるギヤ段切換タイプがあるが、本発明はそのどちらの切換タイプにも適用され得る。
第1シフトスイッチおよび第2シフトスイッチは、例えば運転席の横や運転席前方のインストルメントパネルなどに設けられたシフトレバー操作でON、OFFされるように設けられる。
第1シフトスイッチおよび第2シフトスイッチは、例えば変速比を大きくするダウンシフト用および変速比を小さくするアップシフト用の一対のスイッチをそれぞれ備えて構成されるが、ダウンシフトの時だけ1つずつ或いは2つ以上ずつ切り換え、アップシフトについては別のスイッチ等で一気に最上位の変速レンジまで切り換えるなど、アップシフトおよびダウンシフトの何れか一方のみを行うものでも良い。
第2シフトスイッチがON操作された場合の切換態様は、例えば変速レンジやギヤ段を1つ或いは2つ以上飛び越して切り換えるように構成されるが、複数の変速レンジやギヤ段を順番に2つ以上連続して切り換えるものでも良い。
変速レンジやギヤ段を切り換える切換手段は、切換後のエンジン回転速度や車両の挙動を安定させるように制御するVSC(Vehicle Stability Control)等の判断により、その切換或いは変速を制限する切換制限手段を備えていることが望ましい。切換制限手段は、ギヤ段切換えやレンジ切換えを完全に中止するものでも良いが、可能な範囲でギヤ段切換えやレンジ切換えを行なうものが望ましい。
フェール検出手段は、第1シフトスイッチのON、OFF切換が実質的に不可であることを検出するもので、第1シフトスイッチの機械的な故障だけでなく電気系統も含めて故障を検出するように構成され、例えば第1シフトスイッチから出力される電気信号のON、OFF状態から故障の有無を判定することができる。
フェール時切換手段は、前記切換手段に優先して第2シフトスイッチに基づいて変速レンジやギヤ段を1つずつ切り換えるものでも良いが、例えば第2シフトスイッチがON操作された場合でも変速レンジまたはギヤ段が1つずつ切り換えられるように前記切換手段による切換態様を変更する切換態様変更手段を有して構成され、その場合は、その切換態様変更手段および前記切換手段によってフェール時切換手段が構成される。
前記フェール検出手段によって第1シフトスイッチの故障が検出された場合は、その第1シフトスイッチによる切換が不可になるとともに第2シフトスイッチに従って変速レンジやギヤ段が1つずつ切り換えられるため、その旨を表示装置に表示することがが望ましい。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用される車両用自動変速機10の一例を説明する骨子図で、ダブルピニオン型の第1遊星歯車装置12を主体として構成されている第1変速部14と、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置16、ダブルピニオン型の第3遊星歯車装置18、シングルピニオン型の第4遊星歯車装置20、および第5遊星歯車装置22を主体として構成されている第2変速部24とを有し、入力軸26の回転を変速して出力歯車28から出力する。入力軸26は入力部材に相当するもので、トルクコンバータ32のタービン軸であり、走行用駆動源としてのエンジン(内燃機関)30のクランク軸31からトルクコンバータ32を介して回転が入力される一方、出力歯車28は出力部材に相当するもので、差動歯車装置などを介して左右の駆動輪を回転駆動する。なお、この車両用自動変速機10は中心線に対して略対称的に構成されており、図1では中心線の下半分が省略されている。
上記第1変速部14を構成している第1遊星歯車装置12のキャリアCA1は入力軸26に連結されて回転駆動され、サンギヤS1は回転不能にケース34に一体的に固定され、リングギヤR1は中間出力部材として入力軸26の回転を減速して第2変速部24へ出力する。このように入力軸26から第1遊星歯車装置12のキャリアCA1、そのキャリアCA1に配設されたピニオンギヤ、および中間出力部材としてのリングギヤR1を経て第2変速部24へ伝達する経路が第2入力経路PA2で、第1遊星歯車装置12のギヤ比(=サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)ρ1に応じて定められる一定の変速比1/(1−ρ1)で減速される。また、上記第2入力経路PA2とは別に、第1変速部14の第1遊星歯車装置12のキャリアCA1を経由して、入力軸26の回転を変速比1.0でそのまま第2変速部24へ伝達する第1入力経路PA1が設けられている。
前記第2変速部24は主変速部に相当するもので、第2遊星歯車装置16は、ピニオンギヤが大径部および小径部を有する段付ピニオン36にて構成されており、その小径部が第2遊星歯車装置16のピニオンギヤとして機能している一方、大径部には第5遊星歯車装置22のリングギヤR5が噛み合わされている。また、第2遊星歯車装置16、第3遊星歯車装置18のキャリアCA2およびCA3、サンギヤS2およびS3は、それぞれ共通の部材にて構成されているとともに、第2遊星歯車装置16のピニオンギヤ(段付ピニオン36の小径部)は第3遊星歯車装置18の第1ピニオンギヤ(サンギヤS3と噛み合うピニオンギヤ)を兼ねている。
そして、第2変速部24を構成している第2遊星歯車装置16、第3遊星歯車装置18、第4遊星歯車装置20、および第5遊星歯車装置22は、一部が互いに連結されることによって6つの回転要素RM1〜RM6が構成されており、具体的には、第4遊星歯車装置20のサンギヤS4によって第1回転要素RM1が構成され、第2遊星歯車装置16のリングギヤR2によって第2回転要素RM2が構成され、第5遊星歯車装置22のリングギヤR5によって第3回転要素RM3が構成され、第2遊星歯車装置16のキャリアCA2および第3遊星歯車装置18のキャリアCA3が互いに連結されて第4回転要素が構成され、第3遊星歯車装置18のリングギヤR3および第4遊星歯車装置20のキャリアCA4が互いに連結されて第5回転要素RM5が構成され、第2遊星歯車装置16のサンギヤS2、第3遊星歯車装置18のサンギヤS3、および第4遊星歯車装置20のリングギヤR4が互いに連結されて第6回転要素RM6が構成されている。
また、上記第1回転要素RM1(サンギヤS4)は第1ブレーキB1によってケース34に選択的に連結されて回転停止させられ、第2回転要素RM2(リングギヤR2)は第2ブレーキB2によってケース34に選択的に連結されて回転停止させられ、第4回転要素RM4(キャリアCA2、CA3)は第3ブレーキB3によってケース34に選択的に連結されて回転停止させられ、第6回転要素RM6(サンギヤS2、S3、およびリングギヤR4)は第1クラッチC1を介して中間出力部材である前記第1遊星歯車装置12のリングギヤR1すなわち第2入力経路PA2に選択的に連結され、第1回転要素RM1(サンギヤS4)は第2クラッチC2を介して同じくリングギヤR1すなわち第2入力経路PA2に選択的に連結され、第2回転要素RM2(リングギヤR2)は第3クラッチC3を介して第1入力経路PA1すなわち入力軸26に選択的に連結され、第3回転要素RM3(リングギヤR5)は第4クラッチC4を介して第1入力経路PA1すなわち入力軸26に選択的に連結され、第5回転要素RM5(リングギヤR3およびキャリアCA4)は前記出力歯車28に一体的に連結されて回転を出力するようになっている。第1ブレーキB1〜第3ブレーキB3、第1クラッチC1〜第4クラッチC4は、何れも油圧シリンダによって摩擦係合させられる多板式の油圧式摩擦係合装置である。
図2の(a) は、上記第1変速部14および第2変速部24の各回転要素の回転速度を直線で表すことができる共線図であり、下の横線が回転速度「0」で、上の横線が回転速度「1.0」すなわち入力軸26と同じ回転速度である。また、第1変速部14の各縦線は、左側から順番にサンギヤS1、リングギヤR1、キャリアCA1を表しており、それ等の間隔は第1遊星歯車装置12のギヤ比ρ1に応じて定められる。図は、ギヤ比ρ1=0.427の場合である。第2変速部24の6本の縦線は、左側から順番に第1回転要素RM1(サンギヤS4)、第2回転要素RM2(リングギヤR2)、第3回転要素RM3(リングギヤR5)、第4回転要素RM4(キャリアCA2、CA3)、第5回転要素RM5(リングギヤR3およびキャリアCA4)、第6回転要素RM6(サンギヤS2、S3、およびリングギヤR4)を表しており、それ等の間隔は第2遊星歯車装置16のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置18のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置20のギヤ比ρ4、第5遊星歯車装置22のギヤ比ρ5に応じて定められる。図は、ギヤ比ρ2=0.349、ρ3=0.419、ρ4=0.301、ρ5=0.262の場合である。なお、第2変速部24の丸付きの数字「1」〜「6」はそれぞれ第1回転要素RM1〜第6回転要素RM6を表している。
そして、この共線図から明らかなように、第1クラッチC1および第3ブレーキB3が係合させられて、第6回転要素RM6が第1変速部14を介して減速回転させられるとともに第4回転要素RM4が回転停止させられると、出力歯車28に連結された第5回転要素RM5は「1st」で示す回転速度で回転させられ、最も大きい変速比(=入力軸26の回転速度/出力歯車28の回転速度)の第1速前進ギヤ段「1st」が成立させられる。第1クラッチC1および第2ブレーキB2が係合させられて、第6回転要素RM6が第1変速部14を介して減速回転させられるとともに第2回転要素RM2が回転停止させられると、出力歯車28に連結された第5回転要素RM5は「2nd」で示す回転速度で回転させられ、第1速前進ギヤ段「1st」よりも変速比が小さい第2速前進ギヤ段「2nd」が成立させられる。第1クラッチC1および第1ブレーキB1が係合させられて、第6回転要素RM6が第1変速部14を介して減速回転させられるとともに第1回転要素RM1が回転停止させられると、第5回転要素RM5は「3rd」で示す回転速度で回転させられ、第2速前進ギヤ段「2nd」よりも変速比が小さい第3速前進ギヤ段「3rd」が成立させられる。第1クラッチC1および第2クラッチC2が係合させられて、第2変速部24が第1変速部14を介して一体的に減速回転させられると、第5回転要素RM5は「4th」で示す回転速度すなわち第1変速部14のリングギヤR1と同じ回転速度で回転させられ、第3速前進ギヤ段「3rd」よりも変速比が小さい第4速前進ギヤ段「4th」が成立させられる。
第1クラッチC1および第3クラッチC3が係合させられて、第6回転要素RM6が第1変速部14を介して減速回転させられるとともに第2回転要素RM2が入力軸26と一体回転させられると、第5回転要素RM5は「5th」で示す回転速度で回転させられ、第4速前進ギヤ段「4th」よりも変速比が小さい第5速前進ギヤ段「5th」が成立させられる。この第5速前進ギヤ段「5th」は、第1クラッチC1および第4クラッチC4を係合させて成立させることもできる。第3クラッチC3および第4クラッチC4が係合させられて、第2変速部24が入力軸26と一体回転させられると、第5回転要素RM5は「6th」で示す回転速度すなわち入力軸26と同じ回転速度で回転させられ、第5速前進ギヤ段「5th」よりも変速比が小さい第6速前進ギヤ段「6th」が成立させられる。この第6速前進ギヤ段「6th」の変速比は1.0である。第2クラッチC2および第3クラッチC3が係合させられて、第1回転要素RM1が第1変速部14を介して減速回転させられるとともに第2回転要素RM2が入力軸26と一体回転させられると、第5回転要素RM5は「7th」で示す回転速度で回転させられ、第6速前進ギヤ段「6th」よりも変速比が小さい第7速前進ギヤ段「7th」が成立させられる。第3クラッチC3および第1ブレーキB1が係合させられて、第2回転要素RM2が入力軸26と一体回転させられるとともに第1回転要素RM1が回転停止させられると、第5回転要素RM5は「8th」で示す回転速度で回転させられ、第7速前進ギヤ段「7th」よりも変速比が小さい第8速前進ギヤ段「8th」が成立させられる。
また、第2クラッチC2および第2ブレーキB2が係合させられると、第1回転要素RM1が第1変速部14を介して減速回転させられるとともに第2回転要素RM2が回転停止させられることにより、第5回転要素RM5は「Rev」で示す回転速度で逆回転させられ、後進ギヤ段「Rev」が成立させられる。なお、第2クラッチC2および第3ブレーキB3を係合させ、第1回転要素RM1を第1変速部14を介して減速回転させるとともに第4回転要素RM4を回転停止させることにより、上記後進ギヤ段「Rev」よりも変速比が大きい後進ギヤ段を成立させることも可能で、どちらの後進ギヤ段を採用しても良いし、必要に応じて2段で変速することも可能である。
図2の(b) は、上記各ギヤ段とクラッチC1〜C4、ブレーキB1〜B3の作動状態との関係をまとめて示す作動表で、「○」は係合、空欄は解放を表しており、クラッチC1〜C4およびブレーキB1〜B3の何れか2つを掴み替えるだけで、連続する各前進ギヤ段の変速を行うことができる。また、各前進ギヤ段の変速比は、第1遊星歯車装置12、第2遊星歯車装置16、第3遊星歯車装置18、第4遊星歯車装置20の各ギヤ比ρ1〜ρ4によって適宜定められ、例えばρ1=0.427、ρ2=0.349、ρ3=0.419、ρ4=0.301とすれば、図2(b) に示す変速比が得られ、変速比ステップが略一定で適切な値であるとともに、トータルの変速比幅(=4.169/0.602)も6.921程度と大きく、後進ギヤ段「Rev」の変速比も適当で、全体として適切な変速比特性が得られる。
なお、上記第7速前進ギヤ段「7th」および第8速前進ギヤ段「8th」は、第3クラッチC3を係合させる代わりに第4クラッチC4を係合させ、第3回転要素RM3を入力軸26と一体回転させることによっても成立させることが可能で、それ等の変速比は、図2(a) における第3回転要素RM3(リングギヤR5)の位置すなわち第5遊星歯車装置22のギヤ比ρ5に応じて適宜定められる。すなわち、上記車両用自動変速機10は、第7速前進ギヤ段「7th」および第8速前進ギヤ段「8th」の変速比が異なる2種類のギヤ列を成立させることが可能で、運転者の選択などで何れかのギヤ列が設定されるようになっている。
図3は、上記自動変速機10やエンジン30などを制御するために車両に設けられた制御系統の概略を説明するブロック線図で、アクセルペダル50の操作量Accがアクセル操作量センサ51により検出されるようになっている。アクセルペダル50は、運転者の出力要求量に応じて大きく踏み込み操作されるもので、アクセル操作部材に相当し、アクセル操作量Accは出力要求量に相当する。エンジン30の吸気配管には、スロットルアクチュエータ54によってアクセル操作量Accに応じた開き角(開度)θTHとされる電子スロットル弁56が設けられている。また、アイドル回転速度制御のために上記電子スロットル弁56をバイパスさせるバイパス通路52には、エンジン30のアイドル回転速度NEIDL を制御するために電子スロットル弁56の全閉時の吸気量を制御するISC(アイドル回転速度制御)バルブ53が設けられている。この他、エンジン30の回転速度NEを検出するためのエンジン回転速度センサ58、エンジン30の吸入空気量Qを検出するための吸入空気量センサ60、上記電子スロットル弁56の全閉状態(アイドル状態)およびその開度θTHを検出するためのアイドルスイッチ付スロットル弁開度センサ62、車速V(出力歯車28の回転速度Nout に対応)を検出するための車速センサ64、タービン回転速度NT(=入力軸26の回転速度Nin)を検出するためのタービン回転速度センサ66、常用ブレーキであるフットブレーキの操作の有無を検出するためのブレーキスイッチ68、シフトレバー72のレバーポジション(操作位置)PSHを検出するためのレバーポジションセンサ74、Mモードスイッチ76、第1シフトスイッチ80、第2シフトスイッチ82などから、エンジン回転速度NE、吸入空気量Q、スロットル弁開度θTH、車速V、タービン回転速度NT、ブレーキ操作の有無、シフトレバー72のレバーポジションPSH、Mモード(手動切換モード)の選択の有無を表す信号や、変速レンジのアップダウンを要求する第1シフト要求信号SR1、第2シフト要求信号SR2、などが電子制御装置90に供給されるようになっている。
電子制御装置90は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン30の出力制御や自動変速機10の変速制御などを実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用と変速制御用とに分けて構成される。電子制御装置90にはまた、インストルメントパネル等に設けられたMモードインジケータ100、レンジインジケータ102、ギヤ段インジケータ104が接続されており、Mモードインジケータ100に手動切換モードが選択されている旨を表示し、レンジインジケータ102に変速レンジを表示し、ギヤ段インジケータ104にギヤ段を表示する。
上記電子制御装置90によるエンジン30の出力制御は、スロットルアクチュエータ54により電子スロットル弁56を開閉制御する他、燃料噴射量制御のために燃料噴射装置92を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ等の点火装置94を制御し、アイドル回転速度制御のためにISCバルブ53を制御する。電子スロットル弁56の制御は、アクセル操作量Accに基づいてスロットルアクチュエータ54を駆動し、アクセル操作量Accが増加するほどスロットル弁開度θTHを増加させる。また、エンジン30の始動時には、スタータ(電動モータ)96によってエンジン30のクランク軸31をクランキングする。
自動変速機10の変速制御は、シフトレバー72のレバーポジションPSHに応じて行われる。シフトレバー72は運転席の近傍(実施例では左横)に配設され、図4に示すシフトパターン110に従って移動操作されるようになっており、シフトパターン110は、車両の前後方向と平行に略一直線に設けられた主レバー通路112と、その両側に略並列に設けられた一対の副レバー通路114および116とを備えている。主レバー通路112には5つのレバーポジション「P(パーキング)」、「R(リバース)」、「N(ニュートラル)」、「D(ドライブ)」、および「M(マニュアル)」が設けられており、シフトレバー72はその何れかのレバーポジションへ択一的に操作される。一対の副レバー通路114および116は、主レバー通路112の後端部すなわちレバーポジション「M」の両側に設けられているとともに、その両端すなわち車両の前後方向の両端部にはそれぞれ「+」位置および「−」位置が設けられている。また、それ等の副レバー通路114、116は、車両の幅方向に設けられた連通路118を介して略H形状を成すように接続されているとともに、その連通路118の中央部分で主レバー通路112に連結されており、シフトレバー72がそれ等の間を行き来できるようになっている。なお、図4の120は運転席シートで、122はステアリングホイールであるが、それ等の位置関係を正確に示したものではなく、右ハンドル車両の運転席シート120の左横にシフトレバー72が配置され、図の上方が車両の前方側であることを示すものである。
上記レバーポジション「P」は駐車位置で、自動変速機10は動力伝達遮断状態とされるとともに、例えばシフトレバー72の移動操作に従ってパーキングロック機構などにより機械的に出力歯車28、すなわち駆動輪が回転不能に固定される。レバーポジション「R」は後進走行を行なう後進走行位置で、例えばシフトレバー72の移動操作に従って油圧制御回路98(図3参照)のマニュアルバルブが機械的に切り換えられることにより、自動変速機10は前記後進ギヤ段「Rev」が成立させられる。レバーポジション「N」は動力伝達遮断位置で、例えばシフトレバー72の移動操作に従ってマニュアルバルブが機械的に切り換えられることにより、自動変速機10はクラッチC1〜C4、ブレーキB1〜B3の全部または一部が解放されて動力伝達遮断状態とされる。これらのレバーポジション「P」、「R」、「N」へシフトレバー72が操作されると、そのことがレバーポジションセンサ74によって検出され、レンジインジケータ102にそれ等のポジション「P」、「R」、「N」である旨が表示される。
レバーポジション「D」は、自動変速機10の前進ギヤ段を自動的に切り換えて前進走行する前進走行位置で、例えばシフトレバー72の移動操作に従ってマニュアルバルブが機械的に切り換えられることにより、総ての前進ギヤ段「1st」〜「8th」を成立させることが可能とされ、それ等の総ての前進ギヤ段「1st」〜「8th」を用いて自動的に変速する最上位のDレンジが成立させられる。すなわち、シフトレバー72がレバーポジション「D」へ操作されると、そのことをレバーポジションセンサ74の信号から判断してDレンジを電気的に成立させ、第1速前進ギヤ段「1st」〜第8速前進ギヤ段「8th」の総ての前進ギヤ段を用いて変速制御を行う。具体的には、油圧制御回路98に設けられた複数のソノレイド弁やリニアソレノイド弁のATソレノイド99の励磁、非励磁を制御することにより油圧回路を切り換え、図2(b) に示すようにクラッチC1〜C4およびブレーキB1〜B3の作動状態を変化させて、第1速前進ギヤ段「1st」〜第8速前進ギヤ段「8th」の何れかの前進ギヤ段を成立させるのである。この変速制御は、例えば車速Vおよびスロットル弁開度θTHをパラメータとして予め記憶された変速マップ(変速条件)に従って行われ、車速Vが低くなったりスロットル弁開度θTHが大きくなったりするに従って変速比が大きい低速側の前進ギヤ段を成立させる。このレバーポジション「D」では、レバーポジションセンサ74からの信号に基づいてDレンジであることがレンジインジケータ102に表示されるとともに、変速制御によって逐次切り換えられる実際の前進ギヤ段がギヤ段インジケータ104に表示される。
レバーポジション「M」は、図5に示す8つの変速レンジを手動操作で切り換えることができる手動切換ポジションで、シフトレバー72がそのレバーポジション「M」へ移動操作されたことをMモードスイッチ76からのON信号によって判断し、シフトレバー72が更に副レバー通路114または116の「+」位置または「−」位置へ操作されることにより変速レンジを電気的にアップダウンすることができる手動切換モードに設定するとともに、その旨を前記Mモードインジケータ100に表示する。図5は、本実施例で電気的に設定される変速レンジとその変速範囲を示した図で、ギヤ段の欄の数字「1」〜「8」は第1速前進ギヤ段「1st」〜第8速前進ギヤ段「8th」を表しており、変速比が最も大きい最低速前進ギヤ段は何れも第1速前進ギヤ段「1st」で、最高速前進ギヤ段が1つずつ変化している。また、各変速レンジでは、第1速前進ギヤ段「1st」からその最高速前進ギヤ段までの範囲で、前記Dレンジと同じ変速マップに従って自動的に変速が行なわれる。なお、レバーポジション「M」へ操作されて手動切換モードが設定された時の初期レンジは、本実施例ではレバーポジション「D」と同じDレンジであるが、レバーポジション「M」への操作は変速意思を表していると見做して、Dレンジより1つ低い7レンジを初期レンジとして設定することもできる。
前記「+」位置はアップシフト位置で、「−」位置はダウンシフト位置であり、シフトレバー72がそれ等の「+」位置または「−」位置へ移動操作されると、運転席シート120に近い副レバー通路114側では前記第1シフトスイッチ80によってその移動操作が検出され、第1シフト要求信号SR1が前記電子制御装置90に出力されるとともに、その第1シフト要求信号SR1に従って変速レンジが電気的に1つずつアップダウンされる。副レバー通路116側では、前記第2シフトスイッチ82によって上記移動操作が検出され、第2シフト要求信号SR2が電子制御装置90に出力されるとともに、その第2シフト要求信号SR2に従って変速レンジが電気的に一度に2つずつアップダウンされる。第1シフトスイッチ80、第2シフトスイッチ82は、それぞれ「+」位置に配置されたアップシフトスイッチ80a、82a、および「−」位置に配置されたダウンシフトスイッチ80b、82bを備えて構成されている。
上記「+」位置および「−」位置は何れも不安定位置で、シフトレバー72はばね等の付勢手段により自動的に中間位置124、126へ戻されるようになっている。また、前記Mモードスイッチ76は、シフトレバー72がレバーポジション「M」へ操作されている場合は勿論、副レバー通路114、116或いは連通路118内に位置している間もON信号を出力するようになっており、レバーポジション「D」へ戻されるまでON状態を継続して手動切換モードが維持される。
図6は、電子制御装置90によって行なわれる変速制御に関する一連の信号処理のうち、上記手動切換モードで実施される手動切換制御に関する部分を説明する機能ブロック線図で、レンジ切換手段130、変速手段132、フェール検出手段134、切換態様変更手段136を備えており、図7および図8に示すフローチャートに従って信号処理を行う。図7は手動切換制御の基本部分で、主としてレンジ切換手段130によって実行され、そのうちのステップS5、S10を実行する部分はエンジン30のオーバーランなどを防止するための切換制限手段として機能している。また、図8は、第1シフトスイッチ80や第2シフトスイッチ82の故障に伴って図7の手動切換制御を部分的に制限したり変更したりする部分で、ステップR2、R5、R9はフェール検出手段134によって実行され、ステップR3、R6、R7、R10は切換態様変更手段136によって実行される。レンジ切換手段130は切換手段に相当し、そのレンジ切換手段130および切換態様変更手段136によってフェール時切換手段が構成されている。
図7のステップS1では、Mモードスイッチ76がONの手動切換モードか否かを判断し、手動切換モードであればステップS2を実行する。ステップS2では第2シフトスイッチ82から第2シフト要求信号SR2が供給されているか否かを判断し、第2シフト要求信号SR2がアップダウン共にOFFの場合は、ステップS3において第1シフトスイッチ80から第1シフト要求信号SR1が供給されているか否かを判断する。そして、第1シフト要求信号SR1がアップダウン共にOFFの場合は、ステップS6を実行して現在の変速レンジをそのまま維持する。
第1シフトスイッチ80から第1シフト要求信号SR1が供給されている場合は、ステップS3に続いてステップS4を実行し、その第1シフト要求信号SR1がダウンシフトを要求するもの(ダウンシフトスイッチ80bからの信号)か否かを判断する。ダウンシフトを要求するものでない場合、すなわちアップシフトを要求するもの(アップシフトスイッチ80aからの信号)である場合は、ステップS8で1つだけ上位の変速レンジへ切り換えるとともに、前記変速マップのアップシフト条件に従って必要に応じて変速手段132により自動変速機10のギヤ段をアップシフトする。これにより、通常は変速レンジの切換に伴ってギヤ段が1つアップシフトされ、その切換後の変速レンジやギヤ段がレンジインジケータ102、ギヤ段インジケータ104に表示される。
上記第1シフト要求信号SR1がダウンシフトを要求するものである場合は、ステップS4に続いてステップS5を実行し、切換制限手段の機能により1レンジだけ下位の変速レンジへ切り換えることが可能か否かを判断する。具体的には、1レンジだけ下位の変速レンジへの切換に伴ってその変速範囲内の最高速ギヤ段(例えばLレンジの場合は第1速前進ギヤ段「1st」)へダウンシフトしても、エンジン30がオーバーランしたり車両の挙動が不安定になったりしないか否かを、その時の運転状態(エンジン回転速度NEなど)に基づいてVSC等を用いて判断する。そして、その下位レンジへの切換が可能であれば、ステップS7を実行してその下位レンジへ切り換えるとともに、必要に応じて変速手段132により自動変速機10のギヤ段をダウンシフトする。これにより、通常は変速レンジの切換に伴ってギヤ段が1つダウンシフトされ、その切換後の変速レンジやギヤ段がレンジインジケータ102、ギヤ段インジケータ104に表示される。下位レンジへの切換が不可の場合は、ステップS6を実行して現在の変速レンジをそのまま維持するとともに、その切換が不可である旨がレンジインジケータ102等に表示される。
一方、前記ステップS2の判断がYES(肯定)の場合、すなわち第2シフトスイッチ82から第2シフト要求信号SR2が供給されている場合は、ステップS2に続いてステップS9を実行し、その第2シフト要求信号SR2がダウンシフトを要求するもの(ダウンシフトスイッチ82bからの信号)か否かを判断する。ダウンシフトを要求するものでない場合、すなわちアップシフトを要求するもの(アップシフトスイッチ82aからの信号)である場合は、ステップS12で2つ上位の変速レンジになるように1レンジ飛び越して切り換えるとともに、前記変速マップのアップシフト条件に従って必要に応じて変速手段132により自動変速機10のギヤ段をアップシフトする。これにより、通常は変速レンジの飛越し切換に伴ってギヤ段が2つアップされ、その切換後の変速レンジやギヤ段がレンジインジケータ102、ギヤ段インジケータ104に表示される。
上記第2シフト要求信号SR2がダウンシフトを要求するものである場合は、ステップS9に続いてステップS10を実行し、切換制限手段の機能により2レンジだけ下位の変速レンジへ切り換えることが可能か否かを判断する。具体的には、2レンジだけ下位の変速レンジへの切換に伴ってその変速範囲内の最高速ギヤ段へダウンシフトしても、エンジン30がオーバーランしたり車両の挙動が不安定になったりしないか否かを、その時の運転状態に基づいてVSC等を用いて判断する。そして、その下位レンジへの切換が可能であれば、ステップS11を実行してその下位レンジへ1レンジ飛び越して切り換えるとともに、必要に応じて変速手段132により自動変速機10のギヤ段をダウンシフトする。これにより、通常は変速レンジの飛越し切換に伴ってギヤ段が1つ飛び越してダウンシフトされ、その切換後の変速レンジやギヤ段がレンジインジケータ102、ギヤ段インジケータ104に表示される。2レンジ下位の変速レンジへの切換が不可の場合は、前記ステップS5以下を実行し、ステップS7で1レンジだけ下位の変速レンジへ切り換えるとともに必要に応じてダウンシフトするか、ステップS6で現在の変速レンジをそのまま維持し、何れの場合も、要求通りの切換が不可である旨がレンジインジケータ102等に表示される。
次に、第1シフトスイッチ80や第2シフトスイッチ82の故障に伴って、上記図7の手動切換制御を部分的に制限したり変更したりする図8のフローチャートを説明する。図8のステップR1では、Mモードスイッチ76がONの手動切換モードか否かを判断し、手動切換モードの場合には、ステップR2において第1シフトスイッチ80、第2シフトスイッチ82が何れも故障か否かを判断する。この故障判断は、機械的な故障だけでなく電気系統も含めて判断できるように、例えば各シフトスイッチ80、82から出力される電気信号SR1、SR2のON、OFF状態から判定することができる。また、各シフトスイッチ80、82を構成している一対のアップシフトスイッチ80a、82aおよびダウンシフトスイッチ80b、82bのうち何れか一方でも故障の場合は、そのシフトスイッチ80または82は故障であると判断する。そして、第1シフトスイッチ80および第2シフトスイッチ82が何れも故障の場合はステップR3を実行し、前記図7のフローチャートによる手動切換制御を禁止するとともに、ステップR4で、前記Mモードインジケータ100或いは別個に設けられたフェール表示装置などに、手動切換制御が不可である旨を表示する。
前記ステップR2の判断がNO(否定)の場合には、ステップR5を実行し、第1シフトスイッチ80が故障か否かをステップR2と同様にして判断する。そして、第1シフトスイッチ80が故障の場合には、ステップR6を実行し、第2シフトスイッチ82については作動を継続するが第1シフトスイッチ80については作動を停止するとともに、ステップR7において、その第2シフトスイッチ82から供給される第2シフト要求信号SR2に基づいて、変速レンジが1つずつ切り換えられるように、前記図7の手動切換制御による変速レンジの切換態様を変更する。具体的には、図7のフローチャートにおいて、ステップS2の判断がYES(肯定)の場合、すなわち第2シフトスイッチ82から第2シフト要求信号SR2が供給されている場合には、そのステップS2に続いてステップS4以下の各ステップが実行されるようにする。これにより、第2シフトスイッチ82から第2シフト要求信号SR2が供給された場合でも、変速レンジが1つずつアップダウンされるようになり、続くステップR8では、第1シフトスイッチ80側すなわち運転席シート120に近い副レバー通路114内のシフトレバー操作による手動切換が不可で、反対側の副レバー通路116内のシフトレバー操作による手動切換のみが可能であり、且つ1回の操作で1つずつレンジ切換が行われる旨の表示を、Mモードインジケータ100或いは別個に設けられたフェール表示装置などに表示する。
前記ステップR5の判断がNO(否定)の場合には、ステップR9を実行し、第2シフトスイッチ82が故障か否かをステップR2と同様にして判断する。そして、第2シフトスイッチ82が故障の場合には、ステップR10を実行し、第1シフトスイッチ80については作動を継続するが第2シフトスイッチ82については作動を停止するとともに、ステップR11において、その第2シフトスイッチ82側すなわち運転席シート120から遠い副レバー通路116内のシフトレバー操作による手動切換が不可である旨の表示を、Mモードインジケータ100或いは別個に設けられたフェール表示装置などに表示する。また、上記ステップR9の判断がNO(否定)の場合、すなわち第1シフトスイッチ80および第2シフトスイッチ82が何れも正常の場合は、ステップR12を実行し、両シフトスイッチ80、82の作動を維持したまま図7のフローチャートに従って手動切換制御が行われることを許容する。
このように本実施例の変速制御装置においては、通常は第1シフトスイッチ80がON操作されると変速レンジが1つずつ切り換えられ、第2シフトスイッチ82がON操作されると一度に2つずつ切り換えられるため、変速レンジを多様に切り換えることが可能で優れた変速操作性が得られる一方、変速レンジを1つずつ切り換える第1シフトスイッチ80が故障した場合には、ステップR7で第2シフトスイッチ82から供給される第2シフト要求信号SR2に基づいて、変速レンジが1つずつ切り換えられるように図7の手動切換制御が変更され、第2シフトスイッチ82がON操作された場合でも変速レンジが1つずつ切り換えられるようになる。このため、一度に2つずつ切り換える操作は不可になるものの、走行性能やエンジンブレーキ性能など車両性能については通常時と同様の性能が確保され、第1シフトスイッチ80の故障に拘らず変速レンジを1つずつ切り換えて所望の車両性能を得ることができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
本発明が好適に適用される車両用自動変速機の一例を説明する骨子図である。 図1の車両用自動変速機の共線図および作動表を示す図である。 図1の自動変速機が備えている車両の制御系統の要部を説明するブロック線図である。 図3のシフトレバーの配設位置およびシフトパターンを説明する概略図である。 シフトレバー操作で切り換えられる変速レンジとその変速範囲を説明する図である。 変速レンジの手動切換換制御に関して、図3の電子制御装置が備えている機能を説明するブロック線図である。 図6のレンジ切換手段によって実施される基本的な手動切換制御を具体的に説明するフローチャートである。 図6のフェール検出手段および切換態様変更手段の処理内容を具体的に説明するフローチャートである。
符号の説明
10:車両用自動変速機 72:シフトレバー 80:第1シフトスイッチ 82:第2シフトスイッチ 90:電子制御装置 130:レンジ切換手段(切換手段、フェール時切換手段) 134:フェール検出手段 136:切換態様変更手段(フェール時切換手段)
ステップS1〜S12:レンジ切換手段
ステップR2、R5、R9:フェール検出手段
ステップR3、R6、R7、R10:切換態様変更手段

Claims (1)

  1. 自動的に変速が行われる変速範囲が異なる複数の変速レンジ、または変速比が異なる複数のギヤ段を、手動で切り換えるために、運転者によって共通のシフトレバーを用いて互いに排他的にON操作される第1シフトスイッチおよび第2シフトスイッチと、
    前記第1シフトスイッチがON操作される毎に前記変速レンジまたはギヤ段を電気的に1つずつ切り換え、前記第2シフトスイッチがON操作される毎に該変速レンジまたはギヤ段を電気的に2つ以上ずつ切り換える切換手段と、
    を有する車両用自動変速機の変速制御装置において、
    前記第1シフトスイッチの故障を検出するフェール検出手段と、
    該フェール検出手段によって前記第1シフトスイッチの故障が検出された場合は、前記第2シフトスイッチがON操作される毎に前記変速レンジまたはギヤ段を1つずつ切り換えるフェール時切換手段と、
    を有することを特徴とする車両用自動変速機の変速制御装置。
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