JP4191885B2 - プラズマ式灰溶融炉及びその運転方法 - Google Patents

プラズマ式灰溶融炉及びその運転方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ごみ等の焼却灰を溶融処理してスラグ化した焼却灰を、資源化若しくは減量化するプラズマ式の灰溶融炉において、灰炉本体を焼却灰量に対応させて安定して運転することができるプラズマ式灰溶融炉及びその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
灰溶融炉は、ごみ焼却灰の有効利用を図るためのものであり、灰溶融炉により溶融した焼却灰は、低沸点の揮散物や、金属類及びその他成分のスラグに分け、無害化するとともに、そのリサイクルを図っている。こうした焼却灰の溶融炉のニーズが増加してきている。これらの灰溶融炉には、焼却灰の溶融のために重油等を燃料にするバーナ式灰溶融炉や、電気抵抗式灰溶融炉及びプラズマ式灰溶融炉等のように電気を熱源として灰を溶融するものが知られている。
【0003】
図10は従来のプラズマアーク式灰溶融炉51を示し、灰溶融炉51には、溶融炉本体52に囲まれた炉室56を設けている。灰溶融炉51には、主電極54、炉底電極57及び直流電源58等を備えたプラズマ装置が設けられ、主電極54は、溶融炉本体52の天井壁53を貫通して配設されるとともに、昇降装置65に支持されることにより炉室56を上下動できるように構成されている。主電極54の下端部には、その先端と対向する炉底壁55に炉底電極57を設置し、これらの電極54,57間に、プラズマ発生用の直流電源58を接続している。
溶融炉本体52は、外壁を鉄皮60で覆い、内壁61はレンガ等の耐火材で形成し、溶融炉本体52の周壁部には、溶融スラグ63の排出口である出滓口68が配設され、出滓口68には出滓樋69に接続されている。そして、出滓樋69の先端部の下方には出滓コンベア70上に載置されているモールド71が配設されている。
【0004】
このような構成により、灰溶融炉51の炉室56には、図示しない焼却灰の投入口から炉底壁上に焼却灰が投入され、灰溶融炉51の炉室56を還元雰囲気にした状態で、直流電源58により電圧を電極54,57間に印加する。すると、該電極54,57間にプラズマアークが発生し、焼却灰は加熱されて溶融してスラグ63となり、焼却灰中に含まれているメタル成分が溶融して溶融メタル64となり炉底に沈む。溶融スラグ63が炉底に溜まり出滓口68の高さに達すると、スラグ63が出滓口68から溢れでて出滓樋69を通って、モールド71に供給され、スラグ63は冷却処理される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
灰溶融炉の運転中は、プラズマ電極の主電極が消耗することから、その消耗量だけ、昇降装置を用いて、主電極を一定速度で下降する必要がある。そのため、炉室内のプラズマアークのアーク長を可視カメラ等で計測しようとしても、プラズマアークが発生する光により炉内に浮遊する煤塵に遮られプラズマアークのアーク長を運転中に把握することができない。
したがって、経験値に基づいて電極消耗量を判断することとなるが、これは個人差や精度に問題があり、長時間連続運転してアーク長が長くなると、天井耐火物の高温化やスラグへの入熱効率の低下が生じたりする。反対に主電極がスラグ面より下に沈むと、液面が低温となりスラグの出滓不良が生じる。
【0006】
また、灰溶融炉の炉室に投入される焼却灰の量が異なるような場合は、それに応じてプラズマ電極の出力を調整する必要があるが、処理物である焼却灰の性状変化や供給装置の不具合などにより電力が過剰となったときは、高温運転となり炉室を形成する耐火材の寿命が低下する。反対に、電力が不足したときは、低温運転となり、スラグが出滓口を閉塞して、灰溶融炉が運転不能になる。
【0007】
溶融炉本体の出滓樋から排出された出滓スラグを監視カメラの映像より、溶融スラグの色、粘度を経験的に判断する方法もある。すなわち、溶融スラグの色が白ければ炉室の温度が高いと判断して炉室の温度を下げ、溶融スラグの温度が赤ければ炉室の温度が低いと判断して炉室の温度を高くする。また、溶融スラグの粘性が大きいときは温度が低いことから炉室の温度を高くし、溶融スラグの粘性が小さいときは温度が高いことから炉室の温度を低くするようなことが、作業者の経験により行われてきた。この方法についても、主として作業者の経験に基づいているため、個人差があり、灰溶融炉を一定運転することができない。さらには、出滓スラグの温度を放射温度計で計測することができるが、出滓樋から流下しているスラグを計測していることから、その時のスラグの状態で性状が異なりスラグの流路が変動し、放射温度計の計測ポイントがずれることが多い。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、焼却灰を溶融してスラグ化するために、過電力や電力不足がないように、一定条件すなわちプラズマ電極を一定電圧(一定アーク長)で運転することにより、各部温度を変えることなく該電圧を基準として溶融温度が低ければプラズマ電極に電流を多く流すことによりスラグの溶融温度を高くし、溶融温度が高ければプラズマ電極に電流を少なく流すことによりスラグの溶融温度を低くすることができるプラズマ式灰溶融炉及びその運転方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、炉室底部に配設された炉底電極と、炉室天井部を貫通して前記炉底電極と対向配置された主電極と、前記主電極を上下動させる昇降装置とを備え、前記電極間に発生するプラズマアークにより、炉室内に投入された焼却灰を加熱して溶融させることにより溶融スラグを生成するプラズマ式灰溶融炉において、
前記炉室内のプラズマアークを監視する8μm以上の波長の赤外線カメラと、該赤外線カメラに得られる赤外画像より前記主電極の下端部から溶融スラグ面までのプラズマアーク長を取得可能にする画像表示装置とを備え、前記プラズマアーク長が一定値または所定範囲内となるように、前記昇降装置で前記主電極の位置を調整可能としたことを特徴とする。
【0010】
本発明に係るプラズマ式灰溶融炉は、前記炉室内を監視する可視カメラをさらに備え、前記可視カメラの画像上で、前記炉室の炉壁目盛りまたは該炉壁の耐火レンガの位置から前記溶融スラグ面の高さを取得可能であることが好ましい。また、前記炉室内のスラグの温度を測定する放射温度計をさらに備えていてもよい。前記放射温度計が、3μm以上の2波長で前記溶融スラグの温度を計測する2色式放射温度計であることが好ましい。また、前記放射温度計が、前記炉室の外部に配設されていてもよい。
【0011】
また、本発明は上記目的を達成するために、炉室底部に配設され炉底電極と、炉室天井部を貫通して前記炉底電極と対向配置された主電極と、前記主電極を上下動させる昇降装置とを備え、前記電極間に発生するプラズマアークにより、炉室内に投入された焼却灰を加熱して溶融させることにより溶融スラグを生成するプラズマ式灰溶融炉の運転方法において、
前記炉室内のプラズマアークを 8 μ m 以上の波長の赤外線カメラで監視し、該赤外線カメラに得られる赤外画像より前記主電極の下端部から溶融スラグ面までのプラズマアーク長を求め、該プラズマアーク長が一定値または所定範囲内となるように、前記昇降装置で前記主電極の位置を調整するとともに、前記炉室内のスラグの温度を放射温度計で測定し、前記スラグの温度設定値または所定範囲より低い場合は、前記電極へ流す電流及び電力量を大きくし、記スラグの温度設定値または所定範囲より高い場合は、前記電極へ流す電流及び電力量を小さくする運転方法を採用したことにある
また、本発明は上記目的を達成するために、炉室底部に配設された炉底電極と、炉室天井部を貫通して前記炉底電極と対向配置された主電極と、前記主電極を上下動させる昇降装置とを備え、前記電極間に発生するプラズマアークにより、炉室内に投入された焼却灰を加熱して溶融させることにより溶融スラグを生成するプラズマ式灰溶融炉の運転方法において、
前記炉室内のプラズマアークを 8 μ m 以上の波長の赤外線カメラで監視し、該赤外線カメラに得られる赤外画像より前記主電極の下端部から溶融スラグ面までのプラズマアーク長を求め、該プラズマアーク長が一定値または所定範囲内となるように、前記昇降装置で前記主電極の位置を調整するとともに、
前記炉室外部のスラグの温度を放射温度計で測定し、前記スラグの温度が設定値または所定範囲より低い場合は、前記電極へ流す電流及び電力量を大きくし、前記スラグの温度が設定値または所定範囲より高い場合は、前記電極へ流す電流及び電力量を小さくする運転方法を採用したことにある。
【0012】
また、本発明は上記目的を達成するために、炉室底部に配設された炉底電極と、炉室天井部を貫通して前記炉底電極と対向配置された主電極と、前記主電極を上下動させる昇降装置とを備え、前記電極間に発生するプラズマアークにより、炉室内に投入された焼却灰を加熱して溶融させることにより溶融スラグを生成するプラズマ式灰溶融炉において、
前記炉室内のプラズマアークを監視する8μm以上の波長の赤外線カメラと、該赤外線カメラに得られる赤外画像より前記主電極の下端部から溶融スラグ面までのプラズマアーク長を取得可能にする画像表示装置とを備え、前記プラズマアーク長が一定値または所定範囲内となるように、前記昇降装置で前記主電極の位置を調整可能であるとともに、
前記炉室内のスラグの温度を測定する放射温度計と、該放射温度計に測定されるスラグ温度が設定値または所定範囲より低い場合には前記電極へ流す電流及び電力量を大きくし、前記スラグ温度が設定値または所定範囲より高い場合には前記電極へ流す電流及び電力量を小さくすることにより、炉室内のスラグ温度を設定値または所定範囲内に維持する炉内温度制御装置とをさらに備えたことを特徴とする。
上記本発明において、上記炉内温度制御装置が、前記スラグ温度の変化傾向に着目した先行信号を算出し、該信号を用いて、前記電極の電流及び電力量を変更し炉室内スラグ温度の変動幅を小さくする制御部を備えることが好ましい。また、上記炉内温度制御装置が、前記炉室内のスラグ温度の時系列データから一定時刻先のスラグ温度を予測するモデルを作成し、該モデルの予測値を用いて前記電極の電流及び電力量を変更して炉室内スラグ温度の変動幅を小さくする制御部を備えていてもよい。また、前記炉室外部に配設された放射温度計により、前記スラグの出滓口を流れるスラグ温度を検出可能であり、該出滓口スラグ温度が設定値よりも低い場合に、プラズマ電流を増加させる制御部を備えていてもよい。また、上記炉内温度制御装置が、前記炉室内への灰投入量を変更する際に、変更した処理量に応じてプラズマ電流及び電力量を調整する制御部を備えていてもよい。また、上記炉内温度制御装置が、前記炉室内への灰投入量を変更する際に、予め溶融スラグの温度を上昇させるように前記プラズマ電流及び電力量を調整する制御部を備えることができる。さらに、上記炉内温度制御装置は、上記各制御部を各々組み合わせて用いることができる。
【0013】
また、本発明は上記目的を達成するために、炉室底部に配設された炉底電極と、炉室天井部を貫通して前記炉底電極と対向配置された主電極と、前記主電極を上下動させる昇降装置とを備え、前記電極間に発生するプラズマアークにより、炉室内に投入された焼却灰を加熱して溶融させることにより溶融スラグを生成するプラズマ式灰溶融炉において、
前記炉室内のプラズマアークを監視する8μm以上の波長の赤外線カメラと、該赤外線カメラに得られる赤外画像より前記主電極の下端部から溶融スラグ面までのプラズマアーク長を取得可能にする画像表示装置とを備え、前記プラズマアーク長が一定値または所定範囲内となるように、前記昇降装置で前記主電極の位置を調整可能であるとともに、
前記炉室内のスラグの温度を測定する放射温度計と、該放射温度計に測定されるスラグ温度が設定値または所定範囲より低い場合には前記電極へ流す電流及び電力量を大きくし、前記スラグ温度が設定値または所定範囲より高い場合には前記電極へ流す電流及び電力量を小さくすることにより、炉室内のスラグ温度を設定値または所定範囲内に維持する炉内温度制御装置とをさらに備え、
前記炉内温度制御装置が、前記スラグ温度の変化傾向に着目した先行信号を算出し、該信号を用いて、前記電極の電流及び電力量を変更し炉室内スラグ温度の変動幅を小さくする制御部と、前記炉室内のスラグ温度の時系列データから一定時刻先のスラグ温度を予測するモデルを作成し、該モデルの予測値を用いて前記電極の電流及び電力量を変更して炉室内スラグ温度の変動幅を小さくする制御部と、前記炉室内への灰投入量を変更する際に、変更した処理量に応じてプラズマ電流及び電力量を調整する制御部と、前記炉室内への灰投入量を変更する際に、予め溶融スラグの温度を上昇させるように前記プラズマ電流及び電力量を調整する制御部と、を備えている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による灰溶融炉の運転方法について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るプラズマアーク式灰溶融炉1を示し、この灰溶融炉1は内壁11に囲まれた炉室6を設け、内壁11は耐熱レンガ等の耐熱材により形成されている。また、灰溶融炉1には、炉室6側に配設される主電極4、炉室6の炉底壁5に配設される炉底電極7及び直流電源8等を備えたプラズマ装置が設けられている。主電極4は、溶融炉本体2の天井壁3を貫通して垂下されて配設されるとともに、昇降装置15に支持されることにより炉室6内を上下動できるように構成されている。主電極4は、金属または黒鉛製であり、内部にプラズマ用ガスを発生させる通路を形成した円筒形状のものを用いている。主電極4の下端部対向する炉底壁5に炉底電極7を設置し、これらの電極4,7間に、プラズマ発生用の直流電源8を接続している。直流電源8は、炉底電極7側に+を接続し、主電極4側に−を接続している。
【0015】
溶融炉本体2の壁部には覗き窓12が設けられ、覗き窓2の近傍には、可視カメラ3が配設され、内壁11には該内壁11の高さ位置を計測するための目盛りが表示されている。可視カメラ13は目盛りを視ることによりスラグの液面高さを計測することができる。図2は、図1の溶融炉本体2を別角度から見た断面図である。図2に示すように、溶融炉本体2には内壁11及び鉄皮10を貫通する覗き窓16を設け、覗き窓16の外側には、赤外線カメラ17を配設している。赤外線カメラ17の波長は、3μm以上のものが使用できるが、8μm以上のものが好ましい。この赤外線カメラ17は、主電極4の先端部に向けて配設され、覗き窓16を介してプラズマアークのアーク長をモニターを介して観察することができる。図3に示すように、溶融炉本体2の天井壁3には覗き窓2が設けられ、覗き窓2は、ほぼ出滓口18の入口側上部の直上方に配設されている。覗き窓2の上部には、放射温度計3が配設され、波長が3μm以上の長波長のものが使用でき、本実施の形態では、2波長で温度を検出する2色式放射温度計を用いている。この放射温度計3は、出滓口18の入口付近の温度を計測することができる。
【0016】
溶融炉本体2の内壁11の周りには、図示しない冷却ジャケットを配設し、溶融炉本体2の下壁部には、溶融スラグ23の排出口である出滓口18が配設され、出滓口18には、出滓樋19が接続されている。この出滓口18及び出滓樋19は、耐火材で形成されている。出滓樋19の先端部の直下には出滓コンベア21上に載置されているモールド22を配設している。モールド22は、出滓樋19から流下する溶融スラグ23を回収する。
【0017】
図4に示すように、出滓樋19の先端部の近傍、すなわち出滓コンベア21の両壁部25,26には、出滓樋19から流下した溶融スラグ23を回収するモールド22のスラグ回収面を見通せる位置に、複数の覗き窓27,28を設け、各覗き窓27,28には、放射温度計29,30が配設され、この放射温度計は、2波長で温度を検出する2色式温度計を用いている。放射温度計29,30は、上記したモールド22のスラグ回収面の温度を検出する。
【0018】
図5は、灰溶融炉1を制御する炉内温度を制御する制御システムの一例を示す。灰溶融炉1に設けられている炉内温度制御装置35は、出滓口18のスラグ温度を計測する放射温度計29,30から計測値が入力され、また赤外線カメラ17及び可視カメラ3等で計測した炉室内スラグの温度の実測値が入力される他、図示しないホッパの制御部から、炉室6への灰の投入量の情報が入力されるように構成されている。なお、この灰溶融炉1には、その他、説明されていない灰投入用のホッパ等の装備や、プラズマ等を制御する制御装置等が多数配設されているが、それらの詳細な説明は省略する。
【0019】
次に、本発明の実施の形態の作用について説明する。
図1に示すように、灰溶融炉1の炉室6には、焼却灰の図示しない投入口から炉底壁上に焼却灰が投入され、灰溶融炉1の炉室6を還元雰囲気にした状態で、直流電源8により電圧を電極4,7間に印加する。すると、該電極4,7間にプラズマアークが発生し、炉室6内が1000℃以上の雰囲気となり、焼却灰が溶融する。焼却灰は溶融してスラグ23となり、焼却灰中に含まれているメタル成分が溶融して溶融メタル24となり炉底に沈む。その上澄みの溶融スラグ23が炉底に溜まり出滓口18の高さに達すると、スラグ23が出滓口18から溢れでて出滓樋19を通って、出滓コンベア21に配設されている回収容器であるモールド22に供給され、スラグ23は空冷処理される。
【0020】
この灰溶融炉1の運転中では、図2に示す赤外線カメラ17が、プラズマ電極の主電極4の先端部を撮影している。赤外線カメラ17はプラズマアークの形状を撮影するものであり、プラズマアークの形状をモニターで視ることができる。よって、赤外線カメラ17が撮影した映像をモニターが写し出し、そのアーク形状を画像解析して、アーク長を導き出す。そして、焼却灰の溶融中は、主電極4を昇降装置により上下動させることにより、常時アーク長の長さを一定長さに維持するようにして主電極4の位置(スラグ面上の高さ)、及びこれにより各部温度を一定にする。このように、主電極4のスラグ面上の高さを一定にすることにより、プラズマアークのアーク長を一定の長さに維持することができる。
【0021】
なお、スラグ23が出滓口18から排出されるようになった場合は、スラグ23の液面高さが出滓口18の高さとなるのでスラグ23の液面高さが分かり、また、主電極4の下端部の高さは赤外線カメラ17で視ることができ、赤外線カメラ17の取付角度と主電極4の位置を割り出すことにより、プラズマアークの形状を解析しなくとも正確にアーク長を求めることができる。図1に示す、可視カメラ3は、溶融スラグ23の内壁11に表示した目盛りを視ることができるので、スラグ23の液面高さを計測することができる。よって、上記のように主電極4の下端部の高さを赤外線カメラ17で計測することができ、この方法でも、プラズマアークを解析することなく、アーク長を求めることができる。
【0022】
このように、主電極4とスラグ23面の距離、すなわちプラズマアークのアーク長を一定にすることにより、プラズマ電極4,7の電圧を一定に維持することができ、スラグ23の溶融温度が設定値よりも低いと判断すれば、溶融スラグ23の温度を上昇させて、制御装置等を介してプラズマ電極4,7の電流量を大きくしてプラズマ電極4,7の発熱量を増加し、焼却灰若しくは溶融スラグ23を加熱することができる。
また、スラグ23の溶融温度が設定値よりも高いと判断すれば、制御装置等を介してプラズマ電極の電流量を減らすことにより発熱量を減少し、溶融スラグ23の溶融温度を下げることができる。
【0023】
この灰溶融炉1の運転中では、図2に示す赤外線カメラ17が、プラズマ電極の主電極4の先端部を撮影している。赤外線カメラ17はプラズマアークのアーク長、すなわち主電極4と溶融スラグ23の表面との距離を測定するものであり、赤外線カメラ17が撮影した映像をモニター20が写し出すことにより、アーク長を画像解析する。そして、焼却灰の溶融中は、主電極4を昇降装置により上下動させることにより、常時アーク長の長さを一定長さに維持するようにする。このように、プラズマアークのアーク長を一定の長さに維持することにより、プラズマ電極4,7の電圧を一定に維持することができる。なお、灰溶融炉1の炉室6内の雰囲気中では、浮遊物や低沸点蒸気が発生しているが、赤外線カメラ17の波長がそれらの影響を受けにくく、アーク長を測定することができる。
【0024】
図1に示す、放射温度計33は、溶融スラグ23の溶融面温度を計測することができる。スラグ23の溶融温度が設定値または所定範囲内よりも低ければ、溶融スラグ23の温度を上昇させるため、制御装置31を介してプラズマ電極4,7の電流量を大きくすることにより、プラズマ電極4,7への電流量を大きくして発熱量を増加し、焼却灰若しくは溶融スラグ23を加熱することができる。なお、この時のプラズマ電極4,7の電圧は一定である。
また、スラグ23の溶融温度が設定値または所定範囲内よりも高ければ、制御装置31を介してプラズマ電極の電流量を減らすことにより発熱量を減少し、溶融スラグ23の溶融温度を下げることができる。放射温度計33は、灰溶融炉1の炉室6内の浮遊物や低沸点蒸気の影響を受けにくく、溶融スラグ23の温度を計測することができる。特に、本実施の形態では、2色式放射温度計33を用いているので、より正確なスラグの溶融温度を計測することができる。
【0025】
図4に示すように、出滓樋19から流下した出滓スラグ23は、モールド22に回収され、モールド22上を落下点の周りに広がる。壁部25,26に配設した放射温度計29,30はモールド22面上に広がってスラグの温度を計測しているので、計測しようとする出滓スラグ23が計測する箇所に存在しないような状態がなくなる。すなわち、従来のように出滓スラグの流路が変わり、放射温度計の出滓スラグの計測ポイントがずれるようなことがなくなる。
本実施の形態では、放射温度計29,30により出滓スラグ23の最も高い温度の箇所を測定する。これらの放射温度計29,30は補助的に用いるものであり、測定値が一定温度以下の場合(例えば、スラグの出滓に支障がある温度)に、プラズマ電極4,7の電流値を大きくするようにして、スラグの出滓を確実に行う。これらの放射温度計29,30は、出滓コンベア21近傍の浮遊物や低沸点蒸気の影響を受けにくく、溶融スラグ23の温度を計測することができる。また、2色式放射温度計29,30を用いているので、より正確なスラグの溶融温度を計測することができる。なお、赤外線カメラでモールド22内のスラグの最も高い部位を解析し、この高い部位のスラグ温度を放射温度計により測定すればより正確な温度を割り出すことができる。
【0026】
次に、この灰溶融炉1のスラグ温度の制御方法について具体的に説明する。
炉内温度制御装置35は、予め設定されているスラグ温度設定値を基準として、制御器36が制御対象37であるプラズマ電極4,7の電流及び電力量を操作する。一例として、制御器41bにより炉内のスラグ温度の位相を進めた信号を用いて制御対象37を制御する方法を図6に示す。
図6のAに示す線図は縦軸に温度Tを示し、横軸に時間を示し、曲線はスラグ温度Tの変動であり、スラグ温度Tは、最大設定温度aまで上昇した場合に、プラズマ電極4,7の電流及び電力量を小さくし、最小設定温度bまで下降した場合にプラズマ電極4,7の電流及び電力量を大きくしている。図6のBは、その時におけるプラズマ電極4,7の電流設定値である。従来における電流設定値は、スラグ温度Tが最小設定温度bより低い場合はUP(大)状態とし最大設定温度aより高い場合はDOWN(小)状態とし、設定温度aとbの間にある状態ではMIDL(基準)状態とし、3段階で制御している。
【0027】
しかしながら、この制御方法では、設定範囲a〜bの範囲を超えてから電流設定値を変えるので、スラグ温度の変動幅が大きくなってしまう。
そこで、スラグ温度Tが示す温度と時間の関係を関数として、これを図6のCの実線T’に示すように、温度Tの傾きをとるためにTを微分し、図6のDのT+kT’に示すように、温度Tの位相を進めた波形(曲線)により、プラズマ電極4,7の電流設定値を変えることを行う。それを図6のEに示す。この電流設定値によりプラズマ電極4,7を制御することにより、スラグ温度の変動の幅を小さくすることができる。
【0028】
出滓樋19から流下するスラグの温度を検知する放射温度計29,30は、炉内温度制御装置35の制御器38と接続され、制御器38は出滓樋19の実際のスラグ温度とその設定値と比較し、その変動分だけ電流補正値としてプラズマ電極4,7の電流及び電力量を変動させるが、リミッタ39を設けていることから、一定電流量以下は制限され、出滓樋19にスラグが固化するおそれがあるような場合のみ、電流補正分としてプラズマ電極4,7の電流及び電力量を増加させるように構成している。したがって、スラグが出滓樋19から通常に流下しているような場合は、リミッタ30に制限されて作動しない。
【0029】
図7及び図8は、図5に示す灰投入時におけるプラズマ電極4,7の電流補正用の制御器40の詳細を示す。この制御器40を必要とするのは、灰溶融炉1への焼却灰の投入量を増したときは、スラグ温度が下がるので、その分だけプラズマ電極4,7の電流量を増加しなければならないからである。
この制御方法の特徴は、灰投入量が増量される前に、予め溶融スラグの温度を上昇させてから、炉室6に灰投入を行うことにある。すなわち、制御器40に遅延回路を設けたことにある。図7のフロー及び図8のタイミングチャートに示すように、灰投入量の変更があった場合、その増加分に見合うだけプラズマ電極4,7の電流量を増加させる。その際、タイマーがセットされ、炉内スラグ温度が所定値(上限値)より大きく、かつ所定時間を超えたときは、ホッパーを制御して灰の供給量の変更を行うようにしている。図8の炉内スラグ温度にあるように、本ロジック無しの場合は、灰投入と同時にスラグ温度が大きく変動するが、本ロジック有りのように、炉内スラグ温度の変動幅が小さくなる。
【0030】
図5に示す予測モデル制御器41aは、過去の灰溶融炉1の運転状態からスラグ温度を予測する回路であり、上述した制御器36,38,40を踏まえてスラグ温度を予測しながら、プラズマ電極4,7の電流及び電力量を調整する予測制御である。
図9のAに示すように、通常のフィードバック制御では、現在値と設定値との差(偏差)に応じて制御出力を決定している。予測制御では、図9のBに示すように、過去の時系列データから一定時刻先の値を予測する予測モデルを作成しておき、そのモデルの出力値(予測値)と設定値の差に応じてプラズマ電極4,7の制御出力を決定する方法である。この方法により、状態量に変化が現れる前に先行して操作を行うことができるので、変動周期が短くなり、スラグ温度の変動幅も小さくすることが可能となる。
【0031】
この予測モデルには、例えば、自己回帰モデルを用いる。
自己回帰モデルとは、状態量(本発明では温度偏差=スラグ温度の設定値−スラグ温度の実測値)X(t)を、これより以前の状態量X(t−τ),X(t−2τ),・・・・・,X(t−nτ)の線形結合で表したものであり、次式で表される。
【0032】
【数1】
Figure 0004191885
n:次数、τ:計測周期、ak(k=1,・・・・,n),d:モデルパラメータ
このモデルを用いると、現時刻から時刻t−(n−1)×τまでの値が得られたとき、1ステップ先の時刻t+τの温度偏差X(t+τ)を次式で表すことができる。
【0033】
【数2】
Figure 0004191885
この式より、過去の時系列データより1ステップ先の値を予測することが可能であることが分かる。
モデルパラメータak(k=1,・・・・,n),dは、過去の実験データを用いて最小二乗法等により誤差が最小になるような値を求める。運転中にモデルパラメータが変わるような場合には、オンラインで逐次変更できるようにしておく。
【0034】
このように、本実施の形態では、赤外線カメラ17、放射温度計29,30,33を用いてプラズマアークのアーク長を計測、溶融スラグの温度を実測するとともに、予測モデルを用いることにより、炉室6内の溶融スラグ23の温度を必要以上に高くすることがないので、内壁11の耐火材の寿命を長くすることができるとともに無駄な電力消費を防止することができる。反対に溶融スラグ23の温度が低くなって、溶融スラグ23の出滓が阻害されるのを防止し、スラグ23が出滓口18を閉塞するようなことがなくなる。
【0035】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく本発明の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。
上記実施の形態では、2色式放射温度計を使用してスラグ23の温度を計測したが、温度計は通常の放射温度計であってもよい。
また、灰溶融炉1に赤外線カメラ、放射温度計を併せて使用したが、赤外線カメラまたは放射温度計のみを使用して、灰溶融炉を運転するようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、赤外線カメラを介して、プラズマアークのアーク長を解析しているので、一定長さのアーク長にすることにより、炉内の各部温度を一定に維持することができる。すなわち、アーク長の変動がないので、プラズマ電極の電圧を一定に維持し、過電力や電力不足を防止でき、このような運転により、炉室内の溶融スラグの温度を必要以上に高くすることがなく、内壁の耐火材の寿命を長くするとともに無駄な電力消費を防止し、反対に溶融スラグの温度が低く出滓口を閉塞することもなくなる。予測モデルを用いることにより、炉室内の溶融スラグの温度を予測しながら灰溶融炉を運転しているので、溶融スラグの温度変動幅を小さくできるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるプラズマアーク式灰溶融炉の可視カメラを配置している部位の概略断面図である。
【図2】図1の灰溶融炉の赤外線カメラ配置している部位の概略断面図である。
【図3】図1の灰溶融炉の他の赤外線カメラ配置している部位の概略断面図である。
【図4】図1の灰溶融炉の出滓樋近傍の拡大断面図である。
【図5】図1の灰溶融炉の炉内温度制御装置のブロック図である。
【図6】図5の炉内温度制御装置のスラグ温度の位相を進めることにより、スラグ温度の変動幅を小さくする方法を説明するための線図である。
【図7】図1の灰溶融炉の灰投入量変更ロジックを説明するためのフロー図である。
【図8】図1の灰溶融炉の灰投入量変更のタイムチャートを示す線図である。
【図9】図9のAは、通常のフィードバック制御のブロック図であり、図9のBは、本実施の形態の予測制御のブロック図である。
【図10】従来のプラズマアーク式灰溶融炉の出滓口の断面を通る概略断面図である。
【符号の説明】
1 プラズマアーク式灰溶融炉
2 溶融炉本体
3 天井壁
4 主電極
5 炉底壁
6 炉室
7 炉底電極
8 直流電源
10 鉄皮
11 内壁
12,16,27,28,32 覗き窓
13 可視カメラ
15 昇降装置
17 赤外線カメラ
18 出滓口
19 出滓樋
21 出滓コンベア
22 モールド
23 溶融スラグ
24 メタル
25,26 壁部
33 放射温度計
35 炉内温度制御装置
36,38,40 制御器
37 制御対象
39 リミッタ
41a 予測モデル制御器
41b 位相進み制御器
41c 切替スイッチ

Claims (14)

  1. 炉室底部に配設された炉底電極と、炉室天井部を貫通して前記炉底電極と対向配置された主電極と、前記主電極を上下動させる昇降装置とを備え、前記電極間に発生するプラズマアークにより、炉室内に投入された焼却灰を加熱して溶融させることにより溶融スラグを生成するプラズマ式灰溶融炉において、
    前記炉室内のプラズマアークを監視する8μm以上の波長の赤外線カメラと、該赤外線カメラに得られる赤外画像より前記主電極の下端部から溶融スラグ面までのプラズマアーク長を取得可能にする画像表示装置とを備え、前記プラズマアーク長が一定値または所定範囲内となるように、前記昇降装置で前記主電極の位置を調整可能としたことを特徴とするプラズマ式灰溶融炉。
  2. 前記炉室内を監視する可視カメラをさらに備え、前記可視カメラの画像より前記炉室の炉壁目盛りまたは該炉壁の耐火レンガの位置から前記溶融スラグ面の高さを取得可能としたことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ式灰溶融炉。
  3. 前記炉室内のスラグの温度を測定する放射温度計をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ式灰溶融炉。
  4. 前記放射温度計が、3μm以上の2波長で前記溶融スラグの温度を計測する2色式放射温度計であることを特徴とする請求項3に記載のプラズマ式灰溶融炉。
  5. 炉室底部に配設された炉底電極と、炉室天井部を貫通して前記炉底電極と対向配置された主電極と、前記主電極を上下動させる昇降装置とを備え、前記電極間に発生するプラズマアークにより、炉室内に投入された焼却灰を加熱して溶融させることにより溶融スラグを生成するプラズマ式灰溶融炉の運転方法において、
    前記炉室内のプラズマアークを8μm以上の波長の赤外線カメラで監視し、該赤外線カメラに得られる赤外画像より前記主電極の下端部から溶融スラグ面までのプラズマアーク長を求め、該プラズマアーク長が一定値または所定範囲内となるように、前記昇降装置で前記主電極の位置を調整するとともに、
    前記炉室内のスラグの温度を放射温度計で測定し、前記スラグの温度が設定値または所定範囲より低い場合は、前記電極へ流す電流及び電力量を大きくし、前記スラグの温度が設定値または所定範囲より高い場合は、前記電極へ流す電流及び電力量を小さくすることを特徴とするプラズマ式灰溶融炉の運転方法。
  6. 前記放射温度計が、前記炉室の外部に配設されていることを特徴とする請求項3または4に記載のプラズマ式灰溶融炉。
  7. 炉室底部に配設された炉底電極と、炉室天井部を貫通して前記炉底電極と対向配置された主電極と、前記主電極を上下動させる昇降装置とを備え、前記電極間に発生するプラズマアークにより、炉室内に投入された焼却灰を加熱して溶融させることにより溶融スラグを生成するプラズマ式灰溶融炉の運転方法において、
    前記炉室内のプラズマアークを8μm以上の波長の赤外線カメラで監視し、該赤外線カメラに得られる赤外画像より前記主電極の下端部から溶融スラグ面までのプラズマアーク長を求め、該プラズマアーク長が一定値または所定範囲内となるように、前記昇降装置で前記主電極の位置を調整するとともに、
    前記炉室外部のスラグの温度を放射温度計で測定し、前記スラグの温度が設定値または所定範囲より低い場合は、前記電極へ流す電流及び電力量を大きくし、前記スラグの温度が設定値または所定範囲より高い場合は、前記電極へ流す電流及び電力量を小さくすることを特徴とするプラズマ式灰溶融炉の運転方法。
  8. 炉室底部に配設された炉底電極と、炉室天井部を貫通して前記炉底電極と対向配置された主電極と、前記主電極を上下動させる昇降装置とを備え、前記電極間に発生するプラズマアークにより、炉室内に投入された焼却灰を加熱して溶融させることにより溶融スラグを生成するプラズマ式灰溶融炉において、
    前記炉室内のプラズマアークを監視する8μm以上の波長の赤外線カメラと、該赤外線カメラに得られる赤外画像より前記主電極の下端部から溶融スラグ面までのプラズマアーク長を取得可能にする画像表示装置とを備え、前記プラズマアーク長が一定値または所定範囲内となるように、前記昇降装置で前記主電極の位置を調整可能であるとともに、
    前記炉室内のスラグの温度を測定する放射温度計と、該放射温度計に測定されるスラグ温度が設定値または所定範囲より低い場合には前記電極へ流す電流及び電力量を大きくし、前記スラグ温度が設定値または所定範囲より高い場合には前記電極へ流す電流及び電力量を小さくすることにより、炉室内のスラグ温度を設定値または所定範囲内に維持する炉内温度制御装置とをさらに備えたことを特徴とするプラズマ式灰溶融炉。
  9. 前記炉内温度制御装置が、前記スラグ温度の変化傾向に着目した先行信号を算出し、該信号を用いて、前記電極の電流及び電力量を変更し炉室内スラグ温度の変動幅を小さくする制御部を備えたことを特徴とする請求項8に記載のプラズマ灰溶融炉。
  10. 前記炉内温度制御装置が、前記炉室内のスラグ温度の時系列データから一定時刻先のスラグ温度を予測するモデルを作成し、該モデルの予測値を用いて前記電極の電流及び電力量を変更して炉室内スラグ温度の変動幅を小さくする制御部を備えたことを特徴とする請求項8に記載のプラズマ式灰溶融炉。
  11. 前記炉室外部に配設された放射温度計により、前記スラグの出滓口を流れるスラグ温度を検出可能であり、該出滓口スラグ温度が設定値よりも低い場合に、プラズマ電流を増加させる制御部を備えたことを特徴とする請求項6に記載のプラズマ式灰溶融炉。
  12. 前記炉内温度制御装置が、前記炉室内への灰投入量を変更する際に、変更した処理量に応じてプラズマ電流及び電力量を調整する制御部を備えたことを特徴とする請求項8に記載のプラズマ式灰溶融炉。
  13. 前記炉内温度制御装置が、前記炉室内への灰投入量を変更する際に、予め溶融スラグの温度を上昇させるように前記プラズマ電流及び電力量を調整する制御部を備えたことを特徴とする請求項12に記載のプラズマ式灰溶融炉。
  14. 炉室底部に配設された炉底電極と、炉室天井部を貫通して前記炉底電極と対向配置された主電極と、前記主電極を上下動させる昇降装置とを備え、前記電極間に発生するプラズマアークにより、炉室内に投入された焼却灰を加熱して溶融させることにより溶融スラグを生成するプラズマ式灰溶融炉において、
    前記炉室内のプラズマアークを監視する8μm以上の波長の赤外線カメラと、該赤外線カメラに得られる赤外画像より前記主電極の下端部から溶融スラグ面までのプラズマアーク長を取得可能にする画像表示装置とを備え、前記プラズマアーク長が一定値または所定範囲内となるように、前記昇降装置で前記主電極の位置を調整可能であるとともに、
    前記炉室内のスラグの温度を測定する放射温度計と、該放射温度計に測定されるスラグ温度が設定値または所定範囲より低い場合には前記電極へ流す電流及び電力量を大きくし、前記スラグ温度が設定値または所定範囲より高い場合には前記電極へ流す電流及び電力量を小さくすることにより、炉室内のスラグ温度を設定値または所定範囲内に維持する炉内温度制御装置とをさらに備え、
    前記炉内温度制御装置が、前記スラグ温度の変化傾向に着目した先行信号を算出し、該信号を用いて、前記電極の電流及び電力量を変更し炉室内スラグ温度の変動幅を小さくする制御部と、前記炉室内のスラグ温度の時系列データから一定時刻先のスラグ温度を予測するモデルを作成し、該モデルの予測値を用いて前記電極の電流及び電力量を変更して炉室内スラグ温度の変動幅を小さくする制御部と、前記炉室内への灰投入量を変更する際に、変更した処理量に応じてプラズマ電流及び電力量を調整する制御部と、前記炉室内への灰投入量を変更する際に、予め溶融スラグの温度を上昇させるように前記プラズマ電流及び電力量を調整する制御部と、を備えたことを特徴とするプラズマ式灰溶融炉。
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