JP4249086B2 - 溶融炉の加熱手段出力制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は焼却灰の溶融炉について運転時の熱量を過不足なく設定するために当該溶融炉に対する加熱手段の出力を制御するための方法に関する。
都市ゴミで代表される廃棄物は焼却処理されるのが一般的となっている。そして、多くの場合、焼却処理に伴い発生する焼却灰は高温で溶融し減容固化(スラグ化)することで、これに含まれる重金属類・ダイオキシン類を不溶出化したり無害化し、得られた無害な減容固化物(スラグ)を再資源化している。
焼却灰を溶融するときの溶融炉内は約1200〜1400℃の高温とされる。炉内温度が必要以上に高温にすることは、炉内耐火材の寿命を短くし、また、ランニングコストのアップにつながる。逆に炉内温度が所定の高温に到達しないときは、焼却灰の溶融状況が悪くなり、それが原因で焼却灰が炉内に堆積するため、操業の継続が困難になる。従って、溶融炉内のガス相の温度を正確に把握することや、焼却灰の溶融状況を的確に把握することが重要となる。
この点、現状では、炉内温度を熱電対や監視カメラ等を使用して、溶融炉の状態を把握し、それに基づいて溶融炉へ投入する熱量の制御を行う技術が開発されている。
そのような先行技術情報としては、次のようなものがある。
再表WO98/54514号公報
しかし、炉内温度や焼却灰の溶融状態等は、以下にあげるような種々のファクターが関係するものであり、熱電対や監視カメラ等によるデータだけでは必ずしも十分でない場合もある。
すなわち、雑多な廃棄物の焼却処理で発生する焼却灰などは、性状が一定でなかったり未燃焼分が若干含まれていたりするから、同じ炉内温度でも溶融状態が同じとは限らない。
また、揮散成分も焼却灰の種類で異なる。とくに揮散成分比率の高い焼却排ガス中の煤塵などは、これの混入量で熱条件が変化したりする。
一方、溶融炉への焼却灰投入量を急激に増減し溶融スラグ量が変化する場合には、それに対応して入熱量の設定を変更しなければならないが、変更が炉運転に適切であったか否かを確認できるまでに数分〜数十分のタイムラグが生じるため、適切な入熱量になるまでの間、熱量の過不足が生じる。
さらに、溶融炉の内面を被覆している耐火材も、その熱容量が大きく、投入熱量を設定する上で無視できない。
また、耐火材の寿命延長のため炉壁を外部から水冷したりしているが、この冷却のための熱量も一定ではなく、耐火材の損耗の度合い、内部温度等によって変化する。
焼却灰の溶融炉についてさらにいうと、これは焼却炉の後段に設置して使用するのが一般である。その場合の溶融炉の処理能力は、焼却灰発生量の最大値に対し余裕をもたせて決定される。この関係を実際面からみると、溶融炉に供給される焼却灰の量は溶融炉の処理能力を下回ることが多く、したがって溶融炉は処理能力面で余力を残していることになる。他方で焼却炉には廃熱発電設備が設けられ、余剰電気を売電するようにする場合がある。この場合、溶融炉の熱源が電気式の場合に、廃熱の発電量から廃棄物処理施設内の電気使用量を差し引いたものが売電量になる。溶融炉の熱源として使用する電力は、通常、廃棄物処理施設内電気使用量の30〜40%を占めるため溶融炉への焼却灰供給量が容易に操作できるのであれば、売電量も一定の範囲内で加減できるようになる。電力需要の一般的傾向として、1日のうちでは、昼間電力需要が多くて夜間電力需要が少なく、従って、夜間電力の売電単価は低い。このような点からして、焼却灰の溶融炉においては、電力需要の多い昼間は焼却灰の溶融量を抑制することで廃棄物処理施設内での電力消費量を低くして売電量を多くし、夜間は溶融量を多くして廃熱エネルギを有効活用できるようにすることが望ましい。
本発明はこのような技術上の課題に鑑み、炉の安定運転・焼却灰供給量の変化に対する加熱量の高い応答性・廃熱エネルギの有効利用などを可能とする溶融炉の加熱手段の出力を制御するための方法を提供することを目的とする
すなわち、本発明は、
焼却灰を加熱溶融してスラグ化する溶融炉の加熱手段の出力を制御するための方法において、
加熱手段から溶融炉に出力される熱量と溶融炉内に供給された焼却灰に含まれる未燃の可燃物が燃焼することから生じる熱量に基づき入熱量を算定し、
焼却灰を加熱溶融しスラグとするための溶融スラグ熱量、排ガス搬出熱量、溶融炉の冷却熱量、溶融炉からの放散熱量、溶融炉内部の耐火材に蓄積される熱量及び熱源の冷却熱量に基づき出熱量を算定し、
前記入熱量と前記出熱量との熱収支を補正する熱量を算定し、
さらに、炉内のガス相温度の計測値と予め設定した同ガス相温度の設定値との差を計測し、該計測値から炉内温度を補正するための熱量を算定し、
該炉内温度を補正する熱量と上記入熱量と出熱量の熱収支を補正するための熱量とに基づき補正熱量を算定し、
該補正熱量に基づいて溶融炉の加熱手段の出力を制御することを特徴とする溶融炉の加熱手段出力制御方法を提供する。
熱収支補正は、投入焼却灰の投入量の増減に対して即座に熱源の出力を調整する役割を持ち合わせており、短時間の炉内の溶融状況の変化に対応することができる。しかしながら、熱収支補正だけで長時間の操業を行うと、計量および計算上の誤差が制御周期毎に蓄積されて、妥当な炉内温度が保てない場合がある。
本発明では、出熱制御をより的確にするために、上記のように、炉内のガス相温度の計測値と予め設定した同ガス相温度の設定値との差を計測し、それを上記入熱及び出熱の熱収支に加味して、当該溶融炉の加熱手段の出力を制御するようにするものである。
具体的には、溶融スラグ熱量は、焼却灰供給量から溶融により揮散する焼却灰の割合分を減じて求められる溶融スラグ量から溶融スラグ熱量を算定するようにすることができる。
また、この溶融スラグ熱量を、溶融炉から排出される溶融スラグ量を計測して得られる該溶融スラグ量から溶融スラグ熱量を算定するようにすることもできる。
前記補正熱量を算定するのに、炉内温度を補正する熱量と、前記入熱量と出熱量の熱収支を補正するための熱量とに、予め設定された溶融炉の運転状況に合わせて変化する係数をそれぞれ掛けて、それらを足し合わせた熱量を補正熱量とすることができる。
また、焼却灰は焼却主灰及び焼却飛灰からなるものとすることができる。
本発明に係る焼却灰溶融炉の熱量制御方法によるときは、つぎのような効果が得られる。
(1)入熱と出熱との熱収支に基づく炉の加熱手段を制御するから、従来の炉内温度や監視カメラ等による炉内の視覚的データにより制御を行っていたものに比べて、溶融炉に対する過不足のない熱量調整がより適正に行うことができる。
(2)また、焼却灰の供給量を大幅に変更する場合でも、迅速に対応することができる。
(3)従って、電力需要の多い昼間には焼却灰の溶融量を抑制することで余剰電力を生じ、これを売電し、夜間は昼間に焼却を控えた分を含めた大量の焼却灰を処理するなどといった、焼却灰処理量を大幅に切り換えて操業するような場合にも、当該溶融炉の加熱手段を適正に制御することを可能とする。
本発明に係る焼却灰溶融炉の熱量制御方法と熱量制御装置の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
図1において、11は炉本体、21は加熱手段、31・32は焼却灰の供給系、41は排ガス系、51は溶融スラグの送出系、61は冷却装置、71は制御盤をそれぞれ示す。
図1に例示された溶融炉の炉本体11は公知ないし周知のもので、内部空間12のある耐火構造物(炉殻)を主体にして構成されている。炉本体11は、焼却灰の供給口(導入口)13と排ガス口14と溶融スラグの流出口15とを備えており、内部空間12の壁面に耐火材が内張され、底壁部に炉底電極16が設けられている。さらに焼却灰の供給口13には、焼却灰の供給量を調整するための供給量設定器17が付設されている。
加熱手段21としては、電気式溶融炉の場合にはプラズマトーチが、燃焼式加熱手段21の場合にはガスバーナが代表的なものである。図1に例示された加熱手段21は二重管構造の水冷式プラズマトーチからなり、炉本体11の上部側から炉本体11内に挿入されている。この場合の加熱手段(水冷式プラズマトーチ)21はプラズマ発生手段としてプラズマ電源22やプラズマガス供給系23を備えるとともに、冷却水源に通じる冷却水往路系24や冷却水帰還用の冷却水復路系25が冷却手段として接続されている。図において、22はプラズマ電源、26は該電源に電力設定信号を送るための制御器、27は制御器26に接続された監視警報器である。プラズマ発生装置(プラズマトーチ)の形式として、他に黒鉛電極式、水冷電極ノントランスファ式、水冷電極トランスファ式があるが、どの方式においても適用可能である。また、電気式溶融炉の熱源として、他にアーク式、抵抗式などがあるが、熱源の形式が異なるだけで、炉廻りの機器の構成は変わらないので、即座に熱源の出力が変更できれば異なる熱源でも実施は十分に可能である。
焼却灰の一方の供給系31は焼却主灰(焼却灰の一種)を、他方の供給系32は焼却飛灰を、それぞれ、炉本体11内に供給するためのものである。これらの供給系31・32は、図示しない廃棄物焼却炉における焼却灰排出部に接続されるようにすることができる。両供給系31・32のいずれか一方だけが炉本体11の供給口13に接続され、他方が省略されることもある。
排ガス系41は、溶融炉11の排ガス口14に接続された排ガス流路に、排ガス冷却管42や集塵機43などを備えて構成されている。図示の例では、排ガス冷却管42には冷媒(冷却空気)供給系44が接続されている。
溶融スラグの送出系51は炉本体11の流出口15に接続されており、炉本体11内から自然流出または強制流出される溶融スラグを所定部へ送り出すための配管流路である。
冷却装置61はウォータジャケット62と冷却水往路管63と冷却水復路管64と冷却水源(図示せず)とを主要構成部材にしている。これらのうちでウォータジャケット62は、炉本体11においてその外部表面の主要部分を被覆している。冷却水往路管63や冷却水復路管64はそれぞれ、一端部がウォータジャケット62に接続され、他端部が冷却水源に接続されている。
図示のように、溶融炉には、つぎに述べる各種の検出手段が設けられている。
検出手段DM01は加熱手段21の出力を検出するためのものである。この検出手段DM01は、プラズマ電源22の電流及び電圧を検知するためのセンサS01・S02を備える。
検出手段DM02は、焼却灰導入にともなう可燃性未燃物(たとえば炭素)が溶融炉内で燃焼したときに発生する熱量を検出するためのものである。この検出手段DM02は、排ガス系41の流路において排ガス中の二酸化炭素濃度及び排ガス流量を測定するためのセンサS03・S04を備える。
検出手段DM03は溶融スラグ熱量を検出するためのものである。この検出手段DM03は、焼却主灰の供給系31において焼却主灰の供給量を検知するためのセンサS05と、焼却飛灰の供給系32において焼却飛灰の供給量を検知するためのセンサS06と、焼却灰の供給口13において総供給量(焼却主灰と焼却飛灰との合計供給量)を検知するためのセンサS07とを含む。
検出手段DM04は加熱手段21の冷却熱量を検出するためのものである。この検出手段DM04は、冷却水往路系24において往路冷却水の温度を検知するためのセンサS08と、冷却水復路系25において復路冷却水の温度及び流量を検知するためのセンサS09・S10とを含む。
検出手段DM05は排ガス搬出熱量を検出するためのものである。この検出手段DM05は、排ガス系41の流路において排ガス温度及び排ガス流量を検知するためのセンサS11・S04(センサS04は兼用)と、冷媒供給系44の冷媒温度を検知するためのセンサS12とを含むものである。
検出手段DM06は溶融炉すなわち炉本体11の冷却熱量を検出するためのものである。この検出手段DM06は、冷却水往路管63において往路冷却水の温度を検知するためのセンサS13と、冷却水復路管64において復路冷却水の温度及び流量を検知するためのセンサS14・S15とを含む。
検出手段DM07は溶融炉の放散熱量と溶融炉付帯装置の放散熱量とを検出するためのものである。この検出手段DM07は、炉本体11の外部(底部)表面温度を検知するためのセンサS16と前記センサS12とを含むものである。
検出手段DM08は耐火材など炉構成部材の蓄熱量を検出するためのものである。この検出手段DM08は、炉本体11の各部の温度を検知するためにそれぞれの内部に分散して配置された複数のセンサS16・S17・S18を含むものである。
検出手段DM09は炉内温度補正熱量を検出するためのものである。この検出手段DM09は、炉本体11内の温度を検知するためセンサS19を含むものである。
図1に略示された制御器(CPUその他を備えた電子計算機)26は、溶融炉制御系と各検出手段DM01〜DM09とを統合するものであり、各検出手段DM01〜DM09からのデータに基づいて必要な全ての演算処理をし、溶融炉を運転制御する上で必要な全ての指令信号を溶融炉の制御系へ出力して後述の入熱量制御を行うものであり、その具体的一例を以下に説明する。
図1において溶融炉が運転状態にあるときは、加熱手段21・供給系31・32・排ガス系41・冷却装置61などがすべて稼働していて各制御系統が制御器26の支配下にある。かかる運転状態において、焼却灰の両供給系31・32を介して炉本体11内に導入された焼却主灰や焼却飛灰などの灰は、加熱手段(プラズマトーチ)21からの熱エネルギを受けて溶融状態になり、それが溶融スラグとなって炉本体11内の底部に溜まる。これと同期して排ガス系41は、炉本体11内のガスを排ガス冷却管42で冷却したり排ガス中の煤塵を集塵機43で除去したりしながら排気を行う。冷却装置61は炉本体11をその外部から冷却している。焼却灰の溶融にともない炉本体11内の溶融スラグ量が所定量を超えるようになると、それが溶融スラグの送出系51を介して所定部へ送り出される。
本発明では、このようにして行われる焼却灰の溶融を適正に行うために、当該溶融炉に対する入熱及び出熱の熱収支を以下に述べる式に基づき算定し、該溶融炉に対する加熱手段からの入熱を制御するようにするものであり、図2はそのような制御のフローを示すものである。
[入熱に関して]
図示の実施形態においては、溶融炉に対する入熱として、加熱手段21から当該溶融炉に投入される熱量と、焼却灰とともに溶融炉内に供給される可燃性未燃物(炭素)が燃焼することにより発生する熱量として算定する。
(1) 加熱手段21が炉本体11内に投入した単位時間あたりの熱量Q1Aについては、下記演算式に基づき、図1の検出手段DM01で求める。
加熱手段21が電気式の場合
熱量Q1A=(電力kW)=(電圧V)×(電流A)
加熱手段21が燃料式の場合
熱量Q1A=(燃料供給量kl/h)×(単位発熱量kJ)
(2) 炉本体11内に投入された焼却灰中の炭素が炉内で単位時間あたり燃焼したときの熱量Q1Bについては、下記の演算式に基づき、図1の検出手段DM02で求める。
焼却灰中の可燃性未燃物が燃焼したときの熱量Q1B=(排ガス流量m3N/h)×(二酸化炭素濃度)÷(モル定数)×(単位炭素燃焼熱量)
[出熱に関して]
溶融炉に対する出熱については、以下の各出熱ファクターに基づき算定する。
(3) 溶融スラグ熱量Q1Dについては、下記の演算式に基づき、図1の検出手段DM03で求める。
溶融スラグ熱量Q1D=(焼却灰総供給量kg/h)×{(焼却主灰供給比率)×(1−焼却主灰揮散率)×(焼却主灰スラグ熱容量定数kJ/kg)+(焼却飛灰供給比率)×(1−焼却飛灰揮散率)×(焼却飛灰スラグ熱容量定数kJ/kg)}÷3600sec
上記における焼却主灰供給比率と焼却飛灰供給比率、焼却主灰スラグ熱容量定数と焼却飛灰スラグ熱容量定数はそれぞれ下記のとおりである
焼却主灰供給比率=(焼却主灰切出量計測値kg/h)÷{(焼却主灰切出量計測値kg/h)+(焼却飛灰切出量計測値kg/h)}
焼却飛灰供給比率=(焼却飛灰切出量計測値kg/h)÷{(焼却主灰切出量計測値kg/h)+(焼却飛灰切出量計測値kg/h)}
焼却主灰スラグ熱容量定数kJ/kg=(焼却主灰単独スラグ比熱kJ/kg・℃)×(想定溶融スラグ温度℃)
焼却飛灰スラグ熱容量定数kJ/kg=(焼却飛灰単独スラグ比熱kJ/kg・℃)×(想定溶融スラグ温度℃)
なお、炉の出口側での溶融スラグ発生量を用いて溶融スラグ熱量Q1Dを算出するときは下記のような演算式になる。
溶融スラグ熱量Q1D=(溶融炉出口スラグ発生量計測値kg/h)×{(焼却主灰供給比率)×(焼却主灰スラグ熱容量定数kJ/kg)+(焼却飛灰供給比率)×(焼却飛灰スラグ熱容量定数kJ/kg)}÷3600sec
(4) 排ガス搬出熱量Q1Fについては、下記の演算式に基づき、図1の検出手段DM05で求める。
排ガス搬出熱量Q1F=(排ガス流量m3N/h)×{(流路中の排ガス温度℃)×(流路中の排ガス温度における排ガス比熱kJ/m3N・℃)−(基準温度℃)×(基準温度における排ガス比熱kJ/m3N・℃)}÷3600sec
上記においては、熱量が基準温度との相対温度で求まるので、基準温度が必要になる。この基準温度については、一例として溶融炉が設置されている場の温度(室温)が適当である。
(5) 溶融炉の冷却熱量Q1Gについては、下記の演算式に基づき、図1の検出手段DM06で求める。
溶融炉の冷却熱量Q1G=(冷媒流量kg/h)×{(冷媒出口温度℃)−(冷媒入口温度℃)}×(冷媒比熱kJ/kg・℃)÷3600sec
(6) 溶融炉の放散熱量と溶融炉付帯装置の放散熱量との合算熱量Q1G’は、下記の演算式に基づき、図1の検出手段DM08で求める。
合算熱量Q1G’=(炉本体11または溶融炉付帯装置の表面温度℃)×(放熱温度係数)×(放熱温度面積)
(7) 炉構成部材の蓄熱量Q1Hは、下記の演算式に基づき、図1の検出手段DM08で求める。
炉構成部材の蓄熱量Q1H=(炉構成部材の一定時間あたりの温度変化量Δ℃/sec)×(炉構成部材重量あたりの比熱kJ/kg・℃)×(炉構成部材の重量kg)
(8) 加熱手段21の冷却熱量Q1Eは、下記の演算式に基づき、図1の検出手段DM04で求める。
加熱手段21の冷却熱量Q1E=(冷媒流量kg/h)×{(冷媒出口温度℃)−(冷媒入口温度℃)}×(冷媒比熱kJ/kg・℃)÷3600sec
本発明では、溶融炉の加熱手段の出力制御を上記入熱及び出熱ファクターから補正入熱量求め、これに基づき行うものである。すなわち、
補正入熱量=(溶融スラグ熱量Q1D+排ガス搬出熱量Q1F+溶融炉の冷却熱量Q1G+放熱合算熱量Q1G’+炉構成部材の蓄熱量Q1H+加熱手段冷却熱量Q1E)−(加熱手段出力熱量Q1A+可燃性未燃物燃焼熱量Q1B)
本実施形態においては、上記したすべての入熱及び出熱のファクターに基づき、補正入熱量を算定するようになっているが、必ずしも、すべてのファクターについての算定を行う必要はない。
図示の実施形態においては、入熱や出熱として求めた上記各熱量が制御器26に入力されると、ここで必要な演算処理が行われ、補正入熱量が求められる。制御器26は、こうして求めた補正熱量に基づいて加熱手段21の出力を適正に制御して、所要の溶融条件を整備する。このような制御操作は、定常的に行っても構わないが、通常は一定時間や任意時点で行うことで足りる場合もある。
図3は本発明によって得られた熱量、炉内温度、電流値(熱量の出力)設定の結果で、出熱量に応じて入熱量を調整することで、灰の投入量が大きく変わっているにも関わらず、炉内温度は安定しており、良好な溶融状況を維持することができたことを示す。
本発明では、更に、炉本体11内のガス相温度を、センサS19を備えた図1の検出手段DM04で計測することができるようにしており、その計測値と所定の設定温度値との差から追加的な補正入熱量を導き、上記入熱及び出熱の収支に対して、当該補正入熱量を加味して修正し、これに基づき加熱手段出力を制御することもできるようにしている。すなわち、熱収支補正は、投入焼却灰の投入量の増減に対して即座に熱源の出力を調整する役割を持ち合わせており、短時間の炉内の溶融状況の変化に対応することができるが、熱収支補正だけで長時間の操業を行うと、計量および計算上の誤差が制御周期毎に蓄積されて、妥当な炉内温度が保てない場合があるため、これを補正するためである。
また、本発明では、溶融炉への灰の投入量を変化させて操業している場合と灰の投入量を一定にして操業している場合とで、熱収支補正熱量と炉内温度補正熱量の荷重係数を予め設定されていたパターンにより変化させることで、より操炉安定性を持たせている。
焼却灰溶融を一定の定常状態で行う場合には、上述した演算式に基づき補正入熱量を求め、加熱手段出力を制御して、出熱量に見合った入熱量を生じるようにする。
これに対して、例えば、焼却灰の溶融炉への供給を低くする昼間から、供給を大きくする夜間に操業条件を変えるときには、夜間における焼却灰供給量として予め設定されている設定値を、前記の演算式で用いられる実際に測定された焼却灰供給量の値に代えて演算し、前述と同様の制御を行う。
図4は、そのような演算に基づく制御を行う場合のフローチャートを示している。
すなわち、この制御では、まず、一日の時間に応じ、予め設定していた灰供給量設定値を読み出し、該供給量設定値が当該溶融炉の溶融処理能力以上か否か(限界処理能力以下か否か)を判定する。
次に、該読み出された供給量設定値に対応する必要消費電力を算出する。
該必要消費電量が達成可能であるか否か(熱源の限界出力以下か否か)を、現時点における加熱手段の発生熱量および当該焼却灰溶融設備の特性に基づき判定する。
これらの判定においてNo(すなわち、処理能力以上若しくは達成不可能)とされた場合は、供給量設定値から所定パーセント減じた値を供給量設定値として、同様の判定処理をする。
その読み出された設定値の供給量が達成可能すなわちYesであるときは、これを次期設定時点の供給量設定値として決定し、
決定された供給量設定値を、前記溶融スラグ熱量の算定式における供給量設定値として、
前記算定式から補正熱量を計算し、
計算された補正熱量に基づき、熱源の出力を制御する。
本発明方法および本発明装置の一実施形態を略示した説明図である。 溶融炉に対する加熱手段からの入熱を制御するためのデータ処理のフロー図である。 出熱量に応じた入熱量の調整、灰投入量及び炉内温度の関係を示すグラフである。 灰投入量の変更及びそれに伴う投入熱量の制御のフローチャートである。
符号の説明
11 炉本体
12 炉本体の内部空間
13 焼却灰の供給口
14 排ガス口
15 溶融スラグの流出口
21 加熱手段
31 焼却灰の供給系
32 焼却灰の供給系
41 排ガス系
51 溶融スラグの送出系
61 冷却装置
71 制御盤
DM01 加熱手段出力検出手段
DM02 排ガス中の可燃性未燃物燃焼熱量検出手段
DM03 溶融スラグ熱量検出手段
DM04 加熱手段冷却熱量検出手段
DM05 排ガス搬出熱量検出手段
DM06 炉本体冷却熱量検出手段
DM07 溶融炉放散熱量と溶融炉付帯装置放散熱量の検出手段
DM08 炉構成部材蓄熱量検出手段
DM09 炉内温度補正熱量検出手段

Claims (5)

  1. 焼却灰を加熱溶融してスラグ化する溶融炉の加熱手段の出力を制御するための方法において、
    加熱手段から溶融炉に出力される熱量と溶融炉内に供給された焼却灰に含まれる未燃の可燃物が燃焼することから生じる熱量に基づき入熱量を算定し、
    焼却灰を加熱溶融しスラグとするための溶融スラグ熱量、排ガス搬出熱量、溶融炉の冷却熱量、溶融炉からの放散熱量、溶融炉内部の耐火材に蓄積される熱量及び熱源の冷却熱量に基づき出熱量を算定し、
    前記入熱量と前記出熱量との熱収支を補正する熱量(QC)を算定し、
    さらに、炉内のガス相温度の計測値と予め設定した同ガス相温度の設定値との差を計測し、該計測値から炉内温度を補正するための熱量(QTC)を算定し、
    該炉内温度を補正する熱量(QTC)と上記入熱量と出熱量の熱収支を補正するための熱量(QC)とに基づき補正熱量を算定し、
    補正熱量に基づいて溶融炉の加熱手段の出力を制御することを特徴とする溶融炉の加熱手段出力制御方法。
  2. 前記溶融スラグ熱量が、焼却灰供給量から溶融により揮散する焼却灰の割合分を減じて求められる溶融スラグ量から溶融スラグ熱量を算定する請求項1に記載の溶融炉の加熱手段出力制御方法。
  3. 前記溶融スラグ熱量が、溶融炉から排出される溶融スラグ量を計測して得られる該溶融スラグ量から溶融スラグ熱量を算定する請求項1に記載の溶融炉の加熱手段出力制御方法。
  4. 前記補正熱量を算定するのに、前記炉内温度を補正する熱量(QTC)と前記入熱量と出熱量の熱収支を補正するための熱量(QC)とに、予め設定された溶融炉の運転状況に合わせて変化する係数をそれぞれ掛けて、それらを足し合わせた熱量を補正熱量とする請求項1に記載の加熱手段出力制御方法。
  5. 前記焼却灰が焼却主灰及び焼却飛灰からなる請求項1乃至4のいずれかに記載の溶融炉の加熱手段出力制御方法。
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