JP4190942B2 - カレンダー成形性を有するポリオレフィン系床材 - Google Patents

カレンダー成形性を有するポリオレフィン系床材 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はポリオレフィンからなる床材用シート、および長尺床材に関し、更に詳しくは従来の床材に比べ優れた柔軟性、施工性を有し、さらに良好なカレンダー成形性を有した床材用シート、およびこれを用いた長尺床材に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリ塩化ビニル(PVC)は成形が容易で多彩な着色および意匠が可能であり、これを床材とした場合、施工性、防汚性、加工性、耐薬品性が優れることなどから、屋内あるいは屋外の床材として広く用いられている。
【0003】
しかし近年、PVC系廃棄物の燃焼時に発生するハロゲン化水素ガスの問題や使用されるジオクチルフタレート等の可塑剤や残留モノマーの室内への飛散による人体に与える影響が憂慮されるようになり、ポリオレフィンを中心とする地球環境への付加が少ない床材の開発が進んでいる。ところが、通常のポリオレフィンによる床材の場合、樹脂の結晶化度が高いためPVC並の柔軟性、施工性を実現するのが非常に困難である。
【0004】
この点を解決するために極性コモノマーを有するポリオレフィン系床材が検討されている(例えば特開平5−9876号公報)が、この場合無機充填物との相互作用が強いため無機充填物の含有量が増加するとともに剛性が高く脆くなる。さらに、本発明人の評価においては、極性コモノマーが増加するとともにカレンダー成形時のバンク(カレンダーロール上の樹脂溜まり)が不安定となり、安定した製品が得られない傾向を確認している。(特許文献1)
【0005】
【特許文献1】
特開平5−9876号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ポリオレフィン系樹脂と無機充填剤を主成分とし、従来のポリオレフィン系床材に比べ優れた柔軟性、施工性を有し、さらにカレンダー成形性が良好となる床材用シート、およびこれを用いた長尺床材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の床材用シートは、下記特徴を有する1種または2種以上のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)から形成され、下記特徴を有するエチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)、高圧法低密度ポリエチレン(B)、および無機充填剤(C)50〜85重量%からなる。
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a):
(i)密度(ASTM 1505 23℃)が0.880〜0.900g/cm3
(ii)190℃で測定したメルトフローレート(ASTM D1238、2.16kg荷重)が0.3〜100g/10分
(iii)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A):
(i)密度(ASTM 1505 23℃)が0.880〜0.900g/cm3
(ii)190℃で測定したメルトフローレート(ASTM D1238、2.16kg荷重)が0.1〜8g/10分
高圧法低密度ポリエチレン(B):
(i)密度(ASTM 1505 23℃)が0.900〜0.930g/cm3
(ii)190℃で測定したメルトフローレート(ASTM D1238、2.16kg荷重)が0.5〜30g/10分
(iii)190℃で測定されたメルトテンション(mN at 190℃)(MT)とメルトフローレート(MFR)とが次式を満たしている。
40×(MFR)-0.67 ≦ MT ≦ 250×(MFR)-0.67
また本発明の床材用シートは、上記エチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)100重量部に対し、さらにステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カリウム等の金属脂肪酸塩、脂肪酸アミド、ポリエチレンワックス、その他滑剤等から選ばれる少なくとも1種の成分を計0.05〜5.0重量部添加して得られる。
【0008】
さらに本発明の長尺床材は、上記床材用シートを中間層(2)の少なくとも1層に用い、基材(1)および耐傷付き性に優れる単層または多層の層からなる表層(3)によって構成される。
【0009】
次にこれらの各構成について具体的に説明する。
【0010】
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(a)
本発明のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)は下記特徴を有するものである。
(i)密度(ASTM 1505 23℃)が0.850〜0.920g/cm3
(ii)190℃で測定したメルトフローレート(ASTM D1238、2.16kg荷重)が0.01〜150g/10分
(iii)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)の製造法については特に制限はないが、ラジカル重合触媒、フィリップス触媒、チーグラー・ナッタ触媒、あるいはメタロセン触媒を用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合することによって製造することができる。特にメタロセン触媒を用いて製造された共重合体は通常分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、本発明に好ましく利用できる。
【0011】
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)は、エチレンと少なくとも1種の炭素数3〜20のαオレフィン、好ましくは炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体であり、その分子構造は、直鎖状であってもよいし、長鎖または短鎖の側鎖を有する分岐状であってもよい。
【0012】
コモノマーとして使用される炭素数3から20のα−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンおよびそれらの組み合わせを挙げることができ、中でもプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。また、必要に応じて他のコノモマー、例えば1,6−ヘキサジエン、1,8−オクタジエン等のジエン類や、シクロペンテン等の環状オレフィン類等を少量含有してもよい。
【0013】
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)の密度(ASTM 1505 23℃)は0.850〜0.920g/cm3、好ましくは0.860〜0.910g/cm3、より好ましくは0.880〜0.900g/cm3である。
【0014】
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)のASTM D−1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重下で測定したメルトフローレート(以下、MFR(190℃)と略記する)は0.01〜150(g/10分)、好ましくは0.3〜100(g/10分)の範囲にある。エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.3以下である。
【0015】
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)
本発明のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)は、上記エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)1種または2種以上から形成される。複数のブレンド体場合、例えばヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、タンブラーミキサー、ロールや押出機等の混合機にて混錬したものを用いてもよく、またはこれらの混錬機を用いず、ペレット状態で直接配合(ドライブレンド)したものを用いてもよい。
【0016】
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)における密度(ASTM 1505 23℃)が0.860〜0.910g/cm3、好ましくは0.870〜0.905g/cm3、より好ましくは0.880〜0.900g/cm3にあると、柔軟性と耐熱性とを備えシート表面のベタツキが少なく、柔らかい感触の成形品が得られる。
【0017】
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)におけるMFR(190℃)が0.1〜10(g/10分)、好ましくは0.1〜8(g/10分)の範囲にあると、無機充填剤との混練性に優れ、かつ既存のカレンダー成形機による成形が可能となる。
【0018】
高圧法低密度ポリエチレン(B)
本発明の樹脂組成物における高圧法低密度ポリエチレン(B)としては、その密度が0.900〜0.940g/cm3、好ましくは0.900〜0.930g/cm3であり、MFR(190℃)は0.1〜50g/10分、好ましくは0.5〜30g/10分である。密度およびメルトフローレートがこの範囲にあると、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体の溶融張力を高め、その結果、樹脂組成物のシート成形加工性を助け、均一厚さに外観良好なシートが得られる。
【0019】
また、この低密度ポリエチレンの190℃で測定されたメルトテンション(mN at 190℃)(MT)とメルトフローレート(g/10分 at 190℃)(MFR)とが次式を満たしている。
【0020】
40×(MFR)-0.67 ≦ MT ≦ 250×(MFR)-0.67
この関係式を満たすことで、この低密度ポリエチレンを含有する樹脂組成物は、適度の溶融張力を有し、シート成形性が良好となる。ここで、メルトテンション(MT)は、溶融させた低密度ポリエチレンを一定速度で延伸したときの応力を測定することにより求められる値である。実際のメルトテンションの測定は、東洋整機製MT測定器を用い、樹脂温度190℃、押出速度15mm/分、巻取り速度15m/分、ノズル径2.09mmφ、ノズル長さ8mmの条件で行われる。
【0021】
このような特性を有する低密度ポリエチレンの好ましい具体例としては、ラジカル重合法によって得られる、いわゆる高圧法低密度ポリエチレンを挙げることができる。
【0022】
無機充填剤(C)
本発明で使用される無機充填剤(C)としては、特に制限はないが例えば、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、タルク、石英粉末、ガラス繊維、クレーまたはマイカなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができるが、好ましくは炭酸カルシウムである。その平均粒径は0.1〜100μmであり、好ましくは平均粒子径が0.1〜30μm以下、さらに好ましくは0.3〜15μmである微粒子状無機化合物である。ここで平均粒子径は、BET法による比表面積から求めることができる。また、本発明で使用される無機充填剤(C)は、ステアリン酸やオレイン酸等の脂肪酸等で表面化学処理されたものであっても好ましく利用でき、上記平均粒子径のもつ微粒子が凝集体を形成していてもよい。
【0023】
床材用シート
本発明における床材用シートは、前記エチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)、前記高圧法ポリエチレン(B)および前記無機充填剤(C)を必須成分とし、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)が15〜50重量%、好ましくは20〜45重量%、より好ましくは25〜40重量%、無機充填剤(C)が50〜85重量%、好ましくは55〜80重量%、より好ましくは60〜75重量%からなる。本発明における床材用シートは、上記の高圧法低密度ポリエチレン(B)を0を超えて〜20重量%、好ましくは0を超えて〜15重量%、より好ましくは0を超えて〜10重量%含む(ここで(A)、(B)および(C)の合計量を100重量%とする)。
【0024】
本発明における床材用シートは、さらに前記エチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)100重量部に対し、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カリウム等の金属脂肪酸塩、脂肪酸アミド、ポリエチレンワックス、その他滑剤等から選ばれる少なくとも1種の成分を計0.05〜5.0重量部添加したのもが好ましく、これをカレンダー成形して得られるものである。
【0025】
カレンダー成形とは、一般的に、2本以上のロール間で軟化した樹脂を圧延し、一定の厚みを有するフィルム状或いはシート状の成形体を成形する成形方法である。カレンダー成形法としては従来公知の装置及び成形条件を採用することができる。例えば、カレンダー成形の装置としては、直列型、L型、逆L型、Z型等が挙げられる。成形条件としては、樹脂温度が80℃〜300℃が挙げられるが、本発明の成形体としては、好ましくは樹脂温度が100℃〜300℃、さらに好ましくは120℃〜280℃にてカレンダー成形されたものであることが好ましい。
【0026】
本発明における床材用シートの厚みについて特に制限されるものではないが、例えば通常0.1mmから3mmの厚みを有する。
【0027】
本発明においては、本発明の樹脂組成物としての性能を損なわない範囲で、必要に応じて直鎖状低密度ポリエチレン、ビニルモノマーの含有率が5〜70重量%であるエチレン系共重合樹脂、および他の合成樹脂やゴムを含んでいても良く、例えば結晶性ポリオレフィンを添加する場合は上記(A)、(B)、(C)の合計100重量部に対して5重量部未満であることが好ましい。また、その他の重合体においては前記エチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)の合計100重量部に対して10重量部以下であることが好ましい。また、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、ワックス、可塑剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、結晶核剤等、顔料、塩酸吸収剤の添加物を含んでいてもよい。
【0028】
また、本発明に用いるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)と無機充填剤(C)およびその他成分からなる床材用シートは、これらの配合率がある条件を満たすとき、無機充填剤(C)配合率MBと23℃、厚み2.0mmで測定されたときのねじり剛性率TR(MPa)とが次の関係式
25×(MB)2.5≦TR≦70×(MB)1.6 (1)
ただし、(MB)=(無機充填剤(C)の重量)/(全配合物の重量)
を満たす(特願2002−359902参照)。上式を満たす床材用シートは無機充填剤(C)の配合用が増えても柔軟性が低下しないため、本発明の長尺床材への適用に非常に好ましい。
【0029】
長尺床材
本発明における長尺床材は、上記床材用シートを中間層(2)の少なくとも1層に用い、基材(1)および耐傷付き性に優れる単層または多層の層からなる表層(3)を有するものである。これらの構成を図1に示す。
【0030】
中間層(2)は、本発明の床材用シートを少なくとも1層に用いたものからなる。
基材(1)は、本発明の床材用シートからなる中間層(2)を保護する目的で張り合わされるものであり、通常不織布、ガラスフリース等が用いられる。
【0031】
表層(3)は、中間層の上面に張り合わされる耐傷付き性に優れる単層または多層のフィルムまたはシートであり、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アイオノマー樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
【0032】
ポリオレフィン系樹脂としては、特に制限はないがポリエチレン、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体、ポリプロピレン、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、オレフィンと極性モノマーとの共重合体(例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体)などが例示される。ポリ(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばポリメチルメタアクリレートなどが挙げられる。アイオノマー樹脂としては、従来公知のものが使用できる。ポリウレタン系樹脂としては従来公知のものが使用できる。また、ポリアミド系樹脂としては制限はないが例えば、ポリアミド6、ポリアミド66などが例示される。ポリエステル系樹脂としては特に制限はないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが例示される。なお、本発明の目的を損なわない範囲でこれらの樹脂に無機充填物およにその他添加剤を含んでもよい。
【0033】
表層(3)の厚みについては特に制限はないが、例えば1μm以上、好ましくは3μm以上であり、また例えば500μm以下であり、好ましくは200μm以下である。
【0034】
さらに床材用シートと上層の単層または多層のフィルム間には、意匠性を有する印刷層を設けることも可能である。さらにこの印刷層と下層の床材用シートおよび印刷層と上層フィルムとの間には、アクリル系あるいはウレタン系樹脂とポリオレフィン樹脂あるいはスチレン−オレフィン共重合体との複合樹脂からなるプライマーを用い、各層の接着強度を向上させることが可能である。
【0035】
【製造例】
特開2003−073494号公報実施例に準じた方法でメタロセン触媒を用いてエチレン・1−ブテン共重合体(EBR)を製造した。
【0036】
【実施例】
以下に実施例、比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
(1)MFR
MFRは、ASTM D1238記載の方法に従い、190℃、2.16kg荷重により求めた。
(2)密度
密度はASTM D1505記載の方法に従い求めた。
本実施例および比較例に用いた樹脂の特性を表.1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0004190942
【0038】
参考例1]
MFR(190℃)が3.6g/10分、密度が0.885g/cm3のエチレン・1−ブテンランダム共重合体(EBR−1)と、平均粒子径3.4μmの炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製 重質炭酸カルシウム)、およびステアリン酸亜鉛(栄伸化成製 SP−100ZB)からなる組成物をラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて混練し、6インチオープン2本ロールを用いてこの混錬物のロールバンク安定性を下記基準に従って評価した。
【0039】
◎:ロール間で一定形状(バンク幅一定)の樹脂溜まり(バンク)が安定して回転。
○:ロール間で樹脂溜まり(バンク)が回転するが、形状(バンク幅)がやや変化する。
△:バンクが少し波打ち、形状がやや不安定となる。
×:バンクが大きく波打ち、形状が不安定となる。
【0040】
評価条件を下記に、配合量および結果を表.2に示す。
ロール温度:140、150、160℃
ロールギャップ:1.0mm
ロール回転数:50rpm
混練物投入量:300g
評価時間:5分間(各評価条件に達してから10分間経過後)
また得られた床材用シートの厚み2.0mmで測定されたときのねじり剛性率TRは22Mpaであった。
【0041】
参考例2]
MFR(190℃)が1.2g/10分、密度が0.885g/cm3のエチレン・1−ブテンランダム共重合体(EBR−2)と、平均粒子径3.4μmの炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製 重質炭酸カルシウム)、およびステアリン酸亜鉛(栄伸化成製 SP−100ZB)からなる組成物をラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて混練し、参考例1と同じ条件でロールバンク安定性を評価した。配合量および結果を表.2に示す。また得られた床材用シートの厚み2.0mmで測定されたときのねじり剛性率TRは23Mpaであった。
【0042】
参考例3]
MFR(190℃)が0.5g/10分、密度が0.885g/cm3のエチレン・1−ブテンランダム共重合体(EBR−3)と、平均粒子径3.4μmの炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製 重質炭酸カルシウム)、およびステアリン酸亜鉛(栄伸化成製 SP−100ZB)からなる組成物をラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて混練し、参考例1と同じ条件でロールバンク安定性を評価した。配合量および結果を表.2に示す。また得られた床材用シートの厚み2.0mmで測定されたときのねじり剛性率TRは23Mpaであった。
【0043】
参考例4]
MFR(190℃)が1.2g/10分、密度が0.885g/cm3のエチレン・1−ブテンランダム共重合体(EBR−2)およびMFR(190℃)が3.6g/10分、密度が0.885g/cm3のエチレン・1−ブテンランダム共重合体(EBR−1)からなる組成物と、平均粒子径3.4μmの炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製 重質炭酸カルシウム)、およびステアリン酸亜鉛(栄伸化成製 SP−100ZB)からなる組成物をラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて混練し、参考例1と同じ条件でロールバンク安定性を評価した。配合量および結果を表.2に示す。また得られた床材用シートの厚み2.0mmで測定されたときのねじり剛性率TRは23Mpaであった。
【0044】
[実施例
MFR(190℃)が3.6g/10分、密度が0.885g/cm3のエチレン・1−ブテンランダム共重合体(EBR−1)およびMFR(190℃)が7.2g/10分、密度が0.917g/cm3、メルトテンション(MT)が 27.8mN(at 190℃)の高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)と、平均粒子径3.4μmの炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製 重質炭酸カルシウム)、およびステアリン酸亜鉛(栄伸化成製 SP−100ZB)からなる組成物をラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて混練し、参考例1と同じ条件でロールバンク安定性を評価した。配合量および結果を表.2に示す。また得られた床材用シートの厚み2.0mmで測定されたときのねじり剛性率TRは28Mpaであった。
【0045】
[比較例1]
MFR(190℃)が2.5g/10分、密度が0.950g/cm3、酢酸ビニル含量が25%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(三井・デュポンポリケミカル社製 商品名EV360)と、平均粒子径3.4μmの炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製 重質炭酸カルシウム)、およびステアリン酸亜鉛(栄伸化成製 SP−100ZB)からなる組成物をラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて混練し、参考例1と同じ条件でロールバンク安定性を評価した。配合量および結果を表.2に示す。
【0046】
【表2】
Figure 0004190942
【0047】
以上の結果から分かるように、本発明のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物、炭酸カルシウムおよび滑剤からなる組成物は、良好なバンク安定性を有しており、高速カレンダー成形性および良好な製品厚み精度を有する床材用シートが可能となる。この床材用シートからなる長尺床材は環境負荷が少ないオレフィン系材料でありながら、良好な品質を兼ね備えている。
【0048】
【図1】
Figure 0004190942
【0049】
図の説明:(1)基材、(2)中間層、(3)表層(耐傷付き性に優れる単層または多層)

Claims (3)

  1. 1種または2種以上のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)から形成されるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)15〜50重量%、高圧法低密度ポリエチレン(B)0を超えて〜20重量%、無機充填剤(C)50〜85重量%からなる床材用シートであって(ここで(A)、(B)および(C)の合計量を100重量%とする)
    エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a)が
    (i)密度(ASTM 1505 23℃)が0.880〜0.900g/cm3
    (ii)190℃で測定したメルトフローレート(ASTM D1238、2.16kg荷重)が0.3〜100g/10分
    (iii)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、
    エチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)が
    (i)密度(ASTM 1505 23℃)が0.880〜0.900g/cm3
    (ii)190℃で測定したメルトフローレート(ASTM D1238、2.16kg荷重)が0.1〜8g/10分であり、
    高圧法低密度ポリエチレン(B)が
    (i)密度(ASTM 1505 23℃)が0.900〜0.930g/cm3
    (ii)190℃で測定したメルトフローレート(ASTM D1238、2.16kg荷重)が0.5〜30g/10分
    (iii)190℃で測定されたメルトテンション(mN at 190℃)(MT)とメルトフローレート(MFR)とが次式を満たしている。
    40×(MFR)-0.67 ≦ MT ≦ 250×(MFR)-0.67
    であることを特徴とする床材用シート。
  2. エチレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物(A)100重量部に対し、さらにステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カリウム等の金属脂肪酸塩、脂肪酸アミド、ポリエチレンワックス、その他滑剤等から選ばれる少なくとも1種の成分を計0.05〜5.0重量部添加して得られる請求項1記載の床材用シート。
  3. 請求項1または2記載の床材用シートを中間層(2)の少なくとも1層に用い、基材(1)および単層または多層の層からなる表層(3)を有する長尺床材。
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