JP4190641B2 - エレベーター装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、かごに設けられた巻上機によりかご及びつり合おもりを連結した主索が駆動されるエレベーター装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13は、例えば実公平3−48142号公報に示された従来のエレベーター装置を概念的に示す縦断面図である。図において、1は昇降路、2は昇降路1の所定経路を昇降するかご、3はトラクション式の巻上機で、かご2の上枠の下側に装着されて駆動綱車4の回転軸線が水平に配置されている。
【0003】
5は昇降路1の他の所定経路を昇降するつり合おもりで、つり合おもり滑車6が設けられている。7は昇降路1の頂部に枢着されて回転軸線が水平方向に配置された頂部滑車、8は主索で、一端が引き止め具9によって昇降路1の上端部に連結されて下降しつり合おもり滑車6に巻掛けられて上昇し、頂部滑車7に巻掛けられて下降して駆動綱車4に巻掛けられ、上昇して他端は引き止め具10によって昇降路1の上端部に連結されている。
【0004】
従来のエレベーター装置は上記のように構成され、巻上機3が付勢されて駆動綱車4が回転して主索8を介してかご2及びつり合おもり3が互いに反対方向に昇降する。また、巻上機3がかご2に装着されて、昇降路1の上方に独立的に設けられる機械室を省略して建物(図示しない)におけるエレベーター装置用のスペースを節減するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のエレベーター装置において、巻上機3がかご2に装着されて駆動綱車4の回転軸線が水平に配置されている。このため、かご2の高さが増しかご2が建物の最上階に停止したときの昇降路1の頂部下面までのトップクリアランスを含めた距離が長くなる。このため、建物における最上階の階高よりも昇降路1の頂部下面を高くすることが必要になり、エレベーター装置の設置スペースを得るために建築費が嵩むという問題点があった。なお、駆動綱車4に対する主索8の巻掛け角度が90°を超えるので、駆動綱車4の直径寸法は主索8径の40倍以上とすることが好ましい。
【0006】
この発明は、かかる問題点を解消するためになされたものであり、かごに巻上機を装着し、かつ建物における最上階の階高に対応した高さの昇降路に設置できるエレベーター装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベーター装置においては、昇降路のそれぞれの所定経路を昇降するかご及びつり合おもりと、かごの下面に設けられ、回転軸線が鉛直方向に配置された駆動綱車が設けられた巻上機と、かごの下面に設けられた第一転向滑車及び第二転向滑車と、昇降路の頂部に設けられ、水平投影面においてかごと昇降路の壁面との間に配置された頂部滑車と、第一転向滑車、駆動綱車及び第二転向滑車に巻掛けられた懸架手段とが設けられる。
また、この発明に係るエレベーター装置においては、昇降路のそれぞれの所定経路を昇降するかご及びつり合おもりと、回転軸線が鉛直方向に配置された駆動綱車が設けられ、かごの所定経路に直交した面に設けられた巻上機と、かごの巻上機装着面に設けられて回転軸線が水平方向に配置され、外周の各一側が、水平投影面においてかごの同じ一側面から突出し、外周の各下端が、駆動綱車の外周の両側に対応して配置された第一転向滑車及び第二転向滑車の両者と、昇降路の頂部に配置された頂部滑車と、一端が昇降路の上端部に連結されてつり合おもりの滑車、頂部滑車、上記両者の一方、駆動綱車、上記両者の他方に巻き掛けられ、他端が昇降路の上端部に連結された懸架手段とが設けられる。
【0008】
また、この発明のエレベーター装置においては、昇降路のそれぞれの所定経路を昇降するかご及びつり合おもりと、回転軸線が鉛直方向に配置された駆動綱車が設けられ、かごの所定経路に直交した面に設けられた巻上機と、かごの巻上機装着面に設けられて回転軸線が鉛直方向に配置され、外周の一側が駆動綱車の外周の一側に対応して配置されたそらせ車と、かごの巻上機装着面に設けられて回転軸線が水平方向に配置され、外周の各一側が、水平投影面においてかごの側面から突出し、外周の各下端が、駆動綱車の外周の他側とそらせ車の外周の他側とに対応して配置された第一転向滑車及び第二転向滑車の両者と、昇降路の頂部に配置された頂部滑車と、一端が昇降路の上端部に連結されてつり合おもりの滑車、頂部滑車、上記両者の一方、駆動綱車及びそらせ車の一方、駆動綱車及びそらせ車の他方、上記両者の他方に巻き掛けられ、他端が昇降路の上端部に連結された懸架手段と、が設けられる。
【0009】
また、この発明に係るエレベーター装置においては、並列に配置された複数の懸架手段を巻掛けた駆動綱車が、回転軸線を傾斜させて配置され、垂直投影面において外周の他側が第一転向滑車の外周に対向し、外周の一側は第一転向滑車側よりもかごに接近した位置に配置され、またそらせ車が、回転軸線を傾斜させて配置され、垂直投影面において外周の一側が駆動綱車の反第一転向滑車側の外周に対向して配置され、外周の他側は第二転向滑車の外周に対向して配置される。
【0010】
また、この発明に係るエレベーター装置においては、第一転向滑車及び第二転向滑車が、かごと昇降路壁面の間に配置されて、その側面が垂直投影面においてかごの側面と重合状態に配置される。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1〜図3は、この発明の実施の形態の一例を示す図で、図1はエレベーター装置を概念的に示す縦断面図、図2は図1の要部横断平面図、図3は図1の要部斜視図である。図において、1は昇降路、2は昇降路1の所定経路を昇降するかご、3はトラクション式の巻上機で、かご2の下面すなわちかご2の所定経路に直交した面に設けられた取付腕11に装着され、回転軸線が鉛直方向に配置された駆動綱車4が設けられて駆動綱車4の直径寸法よりも少ない高さ寸法に構成されている。
【0012】
5は昇降路1の他の所定経路を昇降するつり合おもりで、つり合おもり滑車6が設けられている。7は昇降路1の頂部に枢着されて回転軸線が水平方向に配置された頂部滑車で、水平投影面において側面が昇降路1の壁面に沿って配置されてかご2と昇降路1の間に設けられている。12は第一転向滑車で、取付腕11に枢着されて回転軸線が水平方向に配置され、かつリム面がかご2の端部よりも突出して配置され駆動綱車4の外周の一側に対向して配置されている。
【0013】
13は第二転向滑車で、取付腕11に枢着されて回転軸線が水平方向に配置され、かつリム面がかご2の端部よりも突出して配置され駆動綱車4の外周の他側に対向して配置されている。14は主索で、一端が引き止め具15によって昇降路1の上端部に連結されて下降しつり合おもり滑車6に巻掛けられて上昇し、頂部滑車7に巻掛けられて下降し、第一転向滑車12に巻掛けられて駆動綱車4に巻掛けられ、次いで第二転向滑車13に巻掛けられ、上昇して他端は引き止め具16によって昇降路1の上端部に連結されている。
【0014】
上記のように構成されたエレベーター装置において、巻上機3が付勢されて駆動綱車4が回転して第一転向滑車12、第二転向滑車13、頂部滑車7、つり合おもり滑車6に巻掛けられた主索14を介してかご2及びつり合おもり3が互いに反対方向に昇降する。また、巻上機3がかご2の所定経路に直交した面に設けられ、駆動綱車4の回転軸線が鉛直方向に配置されて巻上機3が駆動綱車4の直径寸法よりも少ない高さ寸法に構成されている。
【0015】
したがって、かご2の高さが低くなって、かご2が建物の最上階に停止したときの昇降路1の頂部下面までのトップクリアランスを含めた距離が短くなる。このため、昇降路1の頂部下面を建物における最上階の階高以下にすることが可能になって、エレベーター装置の設置スペースを形成するために建築費が増すことを抑えることができる。
【0016】
なお、第一転向滑車12及び第二転向滑車13の両者における主索14の巻掛け角度が90°程度であるので、上記両者の直径寸法は主索14径の36倍程度とすることができ、上記両者の高さ方向寸法を短縮することができる。したがって、かご2全体における高さを低くすることができて、昇降路1の全高を短くすることができる。このため、上記両者の上下方向寸法が短縮されることによっても、エレベーター装置の設置スペース形成のために要する費用を節減することができる。
【0017】
実施の形態2.
図4及び図5は、この発明の他の実施の形態の一例を示す図で、図4はエレベーター装置を概念的に示す縦断面図、図5は図4の要部横断平面図である。図において、前述の図1〜図3と同符号は相当部分を示し、17はかご2の下面すなわちかご2の所定経路に直交した面に設けられたそらせ車で、取付腕11に装着されて回転軸線が鉛直方向に配置され、外周の一側が駆動綱車4の外周の一側に対応して配置されている。
【0018】
12は第一転向滑車で、取付腕11に枢着されて回転軸線が水平方向に配置され、かつリム面がかご2の端部よりも突出して配置され駆動綱車4の外周の他側に対向して配置されている。13は第二転向滑車で、取付腕11に枢着されて回転軸線が水平方向に配置され、かつリム面がかご2の端部よりも突出して配置されそらせ車17の外周の他側に対向して配置されている。
【0019】
14は主索で、一端が引き止め具15によって昇降路1の上端部に連結されて下降しつり合おもり滑車6に巻掛けられて上昇し、頂部滑車7に巻掛けられて下降し、第一転向滑車12に巻掛けられて駆動綱車4及びそらせ車17に巻掛けられて第二転向滑車13に巻掛けられ、上昇して他端は引き止め具16によって昇降路1の上端部に連結されている。
【0020】
上記のように構成されたエレベーター装置においても、巻上機3がかご2の所定経路に直交した面に設けられ、駆動綱車4の回転軸線が鉛直方向に配置されて巻上機3が駆動綱車4の直径寸法よりも少ない高さ寸法に構成されている。そして、巻上機3の付勢により主索14を介してかご2及びつり合おもり3が互いに反対方向に昇降する。
【0021】
したがって、詳細な説明を省略するが図4及び図5の実施の形態においても図1〜図3の実施の形態と同様な作用が得られる。
また、そらせ車17が設けられて主索14が巻掛けられた第一転向滑車12及び第二転向滑車13が、かご2の平面においてほぼ対称位置に配置される。このため、かご2の重心付近を吊持することができるので乗り心地を向上することができる。
【0022】
実施の形態3.
図6及び図7も、この発明の他の実施の形態の一例を示す図で、図6は前述の図5の要部正面図相当図、図7は図6の底面図である。なお、図6及び図7の他は前述の図4及び図5と同様にエレベーター装置が構成されている。図において、前述の図4及び図5と同符号は相当部分を示し、4は並列に配置された複数本の主索14が巻掛けられた駆動綱車で、かご2の下面に設けられて回転軸線が傾斜して配置され、垂直投影面において外周の一側が第一転向滑車12の外周の下側に対向し、外周の他側は第一転向滑車12側よりも上昇した位置に配置されている。
【0023】
17はそらせ車で、かご2の下面に設けられて回転軸線が傾斜して配置され、垂直投影面において外周の一側が駆動綱車4の反第一転向滑車12側の外周に対向して配置され、外周の他側は第二転向滑車13の外周の下側に対向して配置されている。
【0024】
上記のように構成されたエレベーター装置においても、巻上機3がかご2の所定経路に直交した面に設けられ、駆動綱車4の回転軸線が傾斜して配置されて巻上機3が駆動綱車4の直径寸法よりも少ない高さ寸法に構成されている。また、そらせ車17が設けられて主索14が巻掛けられた第一転向滑車12及び第二転向滑車13がかご2の平面においてほぼ対称位置に配置される。そして、巻上機3の付勢により主索14を介してかご2及びつり合おもり3が互いに反対方向に昇降する。
【0025】
したがって、詳細な説明を省略するが図6及び図7の実施の形態においても図4及び図6の実施の形態と同様な作用が得られる。
また、前述の図4及び図5の実施の形態において、第一転向滑車12と駆動綱車4の間、またそらせ車17と第二転向滑車13の間のリム面が、垂直投影面において互いに直交状態となり主索14のフリート角が大きくなる。しかし、図6及び図7の実施の形態では、駆動綱車4、そらせ車17が図6に示すように回転軸線を傾斜させて配置される。
【0026】
これによって、駆動綱車4とそらせ車17の間においてリム面が互いに60°の角度で交差して主索14にフリート角が形成されるものの、第一転向滑車12と駆動綱車4の間、またそらせ車17と第二転向滑車13の間においてリム面が互いに60°の角度で交差するので主索14のフリート角が減少する。このため、主索14の損耗が抑制されて主索14の寿命を延長することができる。
【0027】
実施の形態4.
図8及び図9も、この発明の他の実施の形態の一例を示す図で、図8は前述の図4相当図、図9は図8のの要部横断平面図である。なお、図8及び図9の他は前述の図4及び図5と同様にエレベーター装置が構成されている。図において、前述の図4及び図5と同符号は相当部分を示す。
【0028】
12は第一転向滑車で、取付腕11に枢着されて回転軸線が水平方向に配置され、かご2と昇降路1壁面の間に配置されて垂直投影面において側面がかご2の側面と重合状態に配置されている。13は第二転向滑車で、取付腕11に枢着されて回転軸線が水平方向に配置され、かご2と昇降路1壁面の間に配置されて垂直投影面において側面がかご2の側面と重合状態に配置されている。
【0029】
上記のように構成されたエレベーター装置においても、巻上機3がかご2の所定経路に直交した面に設けられ、駆動綱車4の回転軸線が傾斜して配置されて巻上機3が駆動綱車4の直径寸法よりも少ない高さ寸法に構成されている。また、そらせ車17が設けられて主索14が巻掛けられた第一転向滑車12及び第二転向滑車13がかご2の平面においてほぼ対称位置に配置される。そして、巻上機3の付勢により主索14を介してかご2及びつり合おもり3が互いに反対方向に昇降する。
【0030】
したがって、詳細な説明を省略するが図8及び図9の実施の形態においても図4及び図5の実施の形態と同様な作用が得られる。
また、図8及び図9の実施の形態において、第一転向滑車12及び第二転向滑車13の両者がかご2と昇降路1壁面の間に配置されて側面がかご2の側面と重合状態に配置される。
【0031】
これによって、上記両者のための上下方向のスペースを少なくすることができる。したがって、かご2全体における高さを低くすることができ、昇降路1の全高を短くすることができる。このため、上記両者による上下方向寸法の短縮によっても、エレベーター装置の設置スペースを形成するために要する建築費を節減することができる。
【0032】
実施の形態5.
図10〜図12も、この発明の他の実施の形態の一例を示す図で、図10はエレベーター装置を概念的に示す縦断面図、図11は図10の要部横断平面図、図12は図10の要部斜視図である。図において、前述の図1〜図3と同符号は相当部分を示し、3はトラクション式の巻上機で、かご2の上面すなわちかご2の所定経路に直交した面に設けられた取付腕11に装着され、回転軸線が鉛直方向に配置された駆動綱車4が設けられて駆動綱車4の直径寸法よりも少ない高さ寸法に構成されている。
【0033】
12は第一転向滑車で、取付腕11に枢着されて回転軸線が水平方向に配置され、かつリム面がかご2の端部に配置され駆動綱車4の外周の一側に対向して配置されている。13は第二転向滑車で、取付腕11に枢着されて回転軸線が水平方向に配置され、かつリム面がかご2の端部に配置され駆動綱車4の外周の他側に対向して配置されている。
【0034】
上記のように構成されたエレベーター装置において、巻上機3、第一転向滑車12及び第二転向滑車13がかご2の上面に配置されている。このような構成においても、巻上機3がかご2の所定経路に直交した面に設けられ、駆動綱車4の回転軸線が鉛直方向に配置されて巻上機3が駆動綱車4の直径寸法よりも少ない高さ寸法に構成されている。
【0035】
そして、巻上機3の付勢により主索14を介してかご2及びつり合おもり5が互いに反対方向に昇降する。
したがって、詳細な説明を省略するが図10〜図12の実施の形態においても図1〜図3の実施の形態と同様な作用が得られる。
なお、以上説明した本発明の各実施の形態においては、巻上機3の付勢によりかご2及びつり合おもり5を互いに反対方向に昇降させるために、かご2及びつり合おもり5を懸架する懸架手段の好適な一例として、主索14を用いた例を示している。しかしながら、本発明における懸架手段はこれに限定されるものではない。
【0036】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、昇降路のそれぞれの所定経路を昇降するかご及びつり合おもりと、かごの下面に設けられ、回転軸線が鉛直方向に配置された駆動綱車が設けられた巻上機と、かごの下面に設けられた第一転向滑車及び第二転向滑車と、昇降路の頂部に設けられ、水平投影面においてかごと昇降路の壁面との間に配置された頂部滑車と、第一転向滑車、駆動綱車及び第二転向滑車に巻掛けられた懸架手段とを設けたものである。
これによって、巻上機の駆動綱車の回転軸線が鉛直方向に配置されている。したがって、かごの高さが低くなってかごが建物の最上階に停止したときの昇降路の頂部下面までのトップクリアランスを含めた距離を短くすることができる。このため、昇降路の頂部下面を建物における最上階の階高以下にすることができて、エレベーター装置の設置スペースのために要する建築費を低減する効果がある。
また、この発明は以上説明したように、昇降路のそれぞれの所定経路を昇降するかご及びつり合おもりと、回転軸線が鉛直方向に配置された駆動綱車が設けられ、かごの所定経路に直交した面に設けられた巻上機と、かごの巻上機装着面に設けられて回転軸線が水平方向に配置され、外周の各一側が、水平投影面においてかごの同じ一側面から突出し、外周の各下端が、駆動綱車の外周の両側に対応して配置された第一転向滑車及び第二転向滑車の両者と、昇降路の頂部に配置された頂部滑車と、一端が昇降路の上端部に連結されてつり合おもりの滑車、頂部滑車、上記両者の一方、駆動綱車、上記両者の他方に巻き掛けられ、他端が昇降路の上端部に連結された懸架手段とを設けたものである。
【0037】
これによって、巻上機がかごの所定経路に直交した面に設けられ、駆動綱車の回転軸線が鉛直方向に配置される。したがって、かごの高さが低くなってかごが建物の最上階に停止したときの昇降路の頂部下面までのトップクリアランスを含めた距離を短くすることができる。このため、昇降路の頂部下面を建物における最上階の階高以下にすることができて、エレベーター装置の設置スペースのために要する建築費を低減する効果がある。
【0038】
また、この発明は以上説明したように、昇降路のそれぞれの所定経路を昇降するかご及びつり合おもりと、回転軸線が鉛直方向に配置された駆動綱車が設けられ、かごの所定経路に直交した面に設けられた巻上機と、かごの巻上機装着面に設けられて回転軸線が鉛直方向に配置され、外周の一側が駆動綱車の外周の一側に対応して配置されたそらせ車と、かごの巻上機装着面に設けられて回転軸線が水平方向に配置され、外周の各一側が、水平投影面においてかごの側面から突出し、外周の各下端が、駆動綱車の外周の他側とそらせ車の外周の他側とに対応して配置された第一転向滑車及び第二転向滑車の両者と、昇降路の頂部に配置された頂部滑車と、一端が昇降路の上端部に連結されてつり合おもりの滑車、頂部滑車、上記両者の一方、駆動綱車及びそらせ車の一方、駆動綱車及びそらせ車の他方、上記両者の他方に巻き掛けられ、他端が昇降路の上端部に連結された懸架手段と、を設けたものである。
【0039】
これによって、巻上機がかごの所定経路に直交した面に設けられ、駆動綱車の回転軸線が鉛直方向に配置される。したがって、かごの高さが低くなってかごが建物の最上階に停止したときの昇降路の頂部下面までのトップクリアランスを含めた距離を短くすることができる。このため、昇降路の頂部下面を建物における最上階の階高以下にすることができて、エレベーター装置の設置スペースのために要する建築費を低減する効果がある。
また、そらせ車が設けられることによって、懸架手段が巻掛けられた第一転向滑車及び第二転向滑車をかごの平面においてほぼ対称位置に配置することができる。このため、かごの重心付近を吊持することができ、乗り心地を向上する効果がある。
【0040】
また、この発明は以上説明したように、並列に配置された複数の懸架手段が巻掛けられた駆動綱車を、回転軸線を傾斜して配置し、垂直投影面において外周の他側が第一転向滑車の外周に対向し、外周の一側は第一転向滑車側よりもかごに接近した位置に配置し、またそらせ車を、回転軸線を傾斜して配置し、垂直投影面において外周の一側が駆動綱車の反第一転向滑車側の外周に対向して配置し、外周の他側は第二転向滑車の外周に対向して配置したものである。
【0041】
これによって、巻上機がかごの所定経路に直交した面に設けられ、駆動綱車の回転軸線が鉛直方向に配置される。したがって、かごの高さが低くなってかごが建物の最上階に停止したときの昇降路の頂部下面までのトップクリアランスを含めた距離を短くすることができる。このため、昇降路の頂部下面を建物における最上階の階高以下にすることができて、エレベーター装置の設置スペースのために要する建築費を低減する効果がある。
また、そらせ車が設けられることによって、懸架手段が巻掛けられた第一転向滑車及び第二転向滑車をかごの平面においてほぼ対称位置に配置することができる。このため、かごの重心付近を吊持することができ乗り心地を向上する効果がある。また、駆動綱車、そらせ車が回転軸線を傾斜させて配置されるので、第一転向滑車と駆動綱車の間、またそらせ車と第二転向滑車の間における懸架手段のフリート角が減少する。このため、懸架手段の損耗が抑制されて懸架手段の寿命を延長する効果がある。
【0042】
また、この発明は以上説明したように、第一転向滑車及び第二転向滑車を、かごと昇降路壁面の間に配置し、かつその側面を垂直投影面においてかごの側面と重合状態に配置したものである。
【0043】
これによって、巻上機がかごの所定経路に直交した面に設けられ、駆動綱車の回転軸線が鉛直方向に配置される。したがって、かごの高さが低くなってかごが建物の最上階に停止したときの昇降路の頂部下面までのトップクリアランスを含めた距離を短くすることができる。このため、昇降路の頂部下面を建物における最上階の階高以下にすることができて、エレベーター装置の設置スペースのために要する建築費を低減する効果がある。
また、そらせ車が設けられることによって、懸架手段が巻掛けられた第一転向滑車及び第二転向滑車をかごの平面においてほぼ対称位置に配置することができる。このため、かごの重心付近を吊持することができ乗り心地を向上する効果がある。また、第一転向滑車及び第二転向滑車の両者がかごと昇降路壁面の間に配置されて側面がかごの側面と重合状態に配置されるので、上記両者のための上下方向のスペースを少なくすることができる。したがって、かご全体における高さを低くすることができて昇降路の全高を短くすることができるので、上記両者による上下方向寸法の短縮によってもエレベーター装置の設置スペースのために要する建築費を低減する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す図で、エレベーター装置を概念的に示す縦断面図。
【図2】 図1の要部横断平面図。
【図3】 図1の要部斜視図。
【図4】 この発明の実施の形態2を示す図で、エレベーター装置を概念的に示す縦断面図。
【図5】 図4の要部横断平面図。
【図6】 この発明の実施の形態3を示す図で、前述の図5の要部正面図相当図。
【図7】 図6の底面図。
【図8】 この発明の実施の形態4を示す図で、前述の図4相当図。
【図9】 図8のの要部横断平面図。
【図10】 この発明の実施の形態5を示す図で、エレベーター装置を概念的に示す縦断面図。
【図11】 図10の要部横断平面図。
【図12】 図10の要部斜視図。
【図13】 従来のエレベーター装置を概念的に示す縦断面図。
【符号の説明】
1 昇降路、2 かご、3 巻上機、4 駆動綱車、5 つり合おもり、7 頂部滑車、12 第一転向滑車、13 第二転向滑車、14 主索、17 そらせ車。
Claims (5)
- 昇降路のそれぞれの所定経路を昇降するかご及びつり合おもりと、
上記かごの下面に設けられ、回転軸線が鉛直方向に配置された駆動綱車が設けられた巻上機と、
上記かごの下面に設けられた第一転向滑車及び第二転向滑車と、
上記昇降路の頂部に設けられ、水平投影面において上記かごと上記昇降路の壁面との間に配置された頂部滑車と、
上記第一転向滑車、上記駆動綱車及び上記第二転向滑車に巻掛けられた懸架手段と、
を備えたエレベーター装置。 - 昇降路のそれぞれの所定経路を昇降するかご及びつり合おもりと、
回転軸線が鉛直方向に配置された駆動綱車が設けられ、上記かごの上記所定経路に直交した面に設けられた巻上機と、
上記かごの上記巻上機装着面に設けられて回転軸線が水平方向に配置され、外周の各一側が、水平投影面において上記かごの同じ一側面から突出し、外周の各下端が、上記駆動綱車の外周の両側に対応して配置された第一転向滑車及び第二転向滑車の両者と、
上記昇降路の頂部に配置された頂部滑車と、
一端が上記昇降路の上端部に連結されて上記つり合おもりの滑車、上記頂部滑車、上記両者の一方、上記駆動綱車、上記両者の他方に巻き掛けられ、他端が上記昇降路の上端部に連結された懸架手段と、
を備えたエレベーター装置。 - 昇降路のそれぞれの所定経路を昇降するかご及びつり合おもりと、
回転軸線が鉛直方向に配置された駆動綱車が設けられ、上記かごの上記所定経路に直交した面に設けられた巻上機と、
上記かごの上記巻上機装着面に設けられて回転軸線が鉛直方向に配置され、外周の一側が上記駆動綱車の外周の一側に対応して配置されたそらせ車と、
上記かごの上記巻上機装着面に設けられて回転軸線が水平方向に配置され、外周の各一側が、水平投影面において上記かごの側面から突出し、外周の各下端が、上記駆動綱車の外周の他側と上記そらせ車の外周の他側とに対応して配置された第一転向滑車及び第二転向滑車の両者と、
上記昇降路の頂部に配置された頂部滑車と、
一端が上記昇降路の上端部に連結されて上記つり合おもりの滑車、上記頂部滑車、上記両者の一方、上記駆動綱車及び上記そらせ車の一方、上記駆動綱車及び上記そらせ車の他方、上記両者の他方に巻き掛けられ、他端が上記昇降路の上端部に連結された懸架手段と、
を備えたエレベーター装置。 - 並列に配置された複数の懸架手段を巻掛けた駆動綱車が、回転軸線を傾斜させて配置され、垂直投影面において外周の他側を第一転向滑車の外周に対向し、外周の一側を上記第一転向滑車側よりもかごに接近した位置に配置し、そらせ車が、回転軸線を傾斜させて配置され、垂直投影面において外周の一側を上記駆動綱車の反上記第一転向滑車側の外周に対向して配置し、外周の他側を第二転向滑車の外周に対向して配置したことを特徴とする請求項3に記載のエレベーター装置。
- 第一転向滑車及び第二転向滑車を、かごと昇降路壁面の間に配置すると共に、その側面を垂直投影面において上記かごの側面と重合状態に配置したことを特徴とする請求項4に記載のエレベーター装置。
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