JP4189768B2 - 撮像レンズ及び撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は新規な撮像レンズ及び撮像装置に関する。詳しくは、被写体の映像を固体撮像素子で取り込むデジタル入力機器(デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等)、特に、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)等の小型の電子情報機器のカメラ部に適した小型の撮像レンズ及びそれを用いた撮像装置に関するものである。
近年、パーソナルコンピュータ等の普及に伴い、手軽に画像情報をデジタル機器に取り込むことができるデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ、携帯電話用カメラモジュール等(以下単に「デジタルカメラ」という。)が個人ユーザーレベルで普及しつつある。このようなデジタルカメラは、今後も画像情報の入力機器として益々普及することが予想される。
また、デジタルカメラに搭載されるCCD(Charge Coupled Device)CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子の小型化が進展してきており、それに伴ってデジタルカメラにも一層の小型化が求められている。このため、デジタル入力機器において最大の容積を占める撮像レンズにも、コンパクト化が強く要望されている。撮像レンズを小型化するには固体撮像素子のサイズを小さくするのが最も容易な方法ではあるが、そのためには受光素子のサイズを小さくする必要があり、固体撮像素子の製造難易度が上がるとともに撮像レンズに要求される性能も高くなる。
一方、固体撮像素子のサイズをそのままにして撮像レンズのサイズを小さくすると、必然的に射出瞳位置が像面に近づいてしまう。射出瞳位置が像面に近づくと、撮像レンズから射出された軸外光束が像面に対して斜めに入射するため、固体撮像素子の前面に設けられているマイクロレンズの集光性能が十分に発揮されず、画像の明るさが画像中央部と画像周辺部とで極端に変化するという問題が生じることになる。この問題を解決するために撮像レンズの射出瞳位置を遠くに離そうとすると、どうしても撮像レンズ全体の大型化が避けられなくなる。
さらに、近年の低価格化競争のため、撮像レンズにも低コスト化の要望が強くなってきている。
以上のような要望に対し、レンズ3枚構成の撮像レンズが特許文献1〜3で提案されている。
特開2001−272598号公報 特開2005−309210号公報 特開2005−258181号公報
特許文献1に開示されているレンズ3枚構成の撮像レンズは、焦点距離に対して全長が約3倍程度であり、コンパクトになっていない。特許文献2に開示されている撮像レンズは、コンパクトではあるが、第一レンズと絞りとが密着しているために絞りを樹脂材料で形成しようとすると、先端形状を尖らせることが成形上困難でゴーストの発生原因となる。特許文献3に開示されている撮像レンズは、第2レンズのパワーが強いためにコンパクトにはできるが、組立て上の偏芯敏感度が高くなる。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、光学性能が良好で低コストかつコンパクトな固体撮像素子用の撮像レンズ及びそれを用いた撮像装置を提供することを課題とする。
本発明の一実施形態による撮像レンズは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正の第1レンズ、開口絞り、像側に凸面を向けた負の第2レンズ、像側に凹面を向けた正の第3レンズ及びIRカットフィルタを配置して構成し、前記3枚のレンズ、開口絞り及びIRカットフィルタが樹脂材料で形成され、前記IRカットフィルタを除いた全てのレンズ面が非球面で構成され、以下の条件式(A0)乃至(A2)及び(A5)を満足する。
(A0)0.3<f/f1<1.5
(A1)−9<f/|f2|×100<−0.9
(A2)0.3<D2/D3<0.5
(A5)0.05<f/f3<0.1
但し、
f:全系の焦点距離
f1:第1レンズの焦点距離
f2:第2レンズの焦点距離
D2:第1レンズから開口絞りまでの距離
D3:開口絞りから第2レンズまでの距離
f3:第3レンズの焦点距離
とする。
また、本発明の一実施形態による撮像装置は、撮像レンズと、該撮像レンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子を備え、前記撮像レンズは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正の第1レンズ、開口絞り、像側に凸面を向けた負の第2レンズ、像側に凹面を向けた正の第3レンズ及びIRカットフィルタを配置して構成され、前記3枚のレンズ、開口絞り及びIRカットフィルタが樹脂材料で形成され、前記IRカットフィルタを除いた全てのレンズ面が非球面で構成され、以下の条件式(A0)乃至(A2)及び(A5)を満足する。
(A0)0.3<f/f1<1.5
(A1)−9<f/|f2|×100<−0.9
(A2)0.3<D2/D3<0.5
(A5)0.05<f/f3<0.1
但し、
f:全系の焦点距離
f1:第1レンズの焦点距離
f2:第2レンズの焦点距離
D2:第1レンズから開口絞りまでの距離
D3:開口絞りから第2レンズまでの距離
f3:第3レンズの焦点距離
とする。
本発明にあっては、光学性能が良好で低コストかつコンパクトに構成することができる。
以下に、本発明撮像レンズ及び撮像装置を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
本発明撮像レンズは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正の第1レンズ、開口絞り、像側に凸面を向けた負の第2レンズ、像側に凹面を向けた正の第3レンズ及びIRカットフィルタを配置して構成し、前記3枚のレンズ、開口絞り及びIRカットフィルタが樹脂材料で形成され、前記IRカットフィルタを除いた全てのレンズ面が非球面で構成され、以下の条件式(A0)乃至(A2)及び(A5)を満足する。
(A0)0.3<f/f1<1.5
(A1)−9<f/|f2|×100<−0.9
(A2)0.3<D2/D3<0.5
(A5)0.05<f/f3<0.1
但し、
f:全系の焦点距離
f1:第1レンズの焦点距離
f2:第2レンズの焦点距離
D2:第1レンズから開口絞りまでの距離
D3:開口絞りから第2レンズまでの距離
f3:第3レンズの焦点距離
とする。
本発明撮像レンズは、物体側から順に正、負、正というパワー配分による構成とされ、第1レンズと第2レンズとの間に開口絞りが配されており、3枚構成の単焦点レンズとしては良好な光学性能を得るのに適した構成となっている。また、このような構成により、結像位置から射出瞳までの距離を長くとることができる。このことはレンズ系の最終面から射出する各光束の主光線と光軸とのなす角度が小さくなることであり、固体撮像素子への入射角度がきつくなることを防止し、良好な光学性能を得ることができる。
また、本発明撮像レンズは、3枚という少ない枚数の低廉で簡易なレンズ構成でありながら、非球面レンズを用いるとともにパワー配分を適切に設定することにより、十分に収差を補正した良好なものとし、高性能を達成している。
条件式(A0)は、レンズ全系の焦点距離と第1レンズの焦点距離の比を規定するものである。条件式(A0)の上限値を下回ることで、撮像レンズの光学全長を小型化すると共に第1レンズに必要な焦点距離を維持することができる。一方、下限値を上回ることで第1レンズの焦点距離が大きくなりすぎることがなく、高次のコマ収差を小さく押さえると共に、球面収差の補正がしやすくなる。
条件式(A1)は、レンズ全系の焦点距離と第2レンズの焦点距離の比を規定するものである。条件式(A1)の下限値を上回ることで必要な有効径を確保することができると共に製造敏感度を押さえることが可能となる。一方、上限値を下回ることで第2レンズに必要な焦点距離を維持することが可能となる。
条件式(A2)は、第2レンズの有効径を確保するとともに、迷光の補正を良好とする為の樹脂材料からなる開口絞りの最適な成形形状を確保する為に必要な開口絞りの位置を規定するものである。条件式(A2)の上限値を下回ることで、撮像素子への光線の入射角を低く押さえることが可能となる。一方、条件式(A2)の下限値を上回ることで第2レンズの有効径を小さく押さえることが可能になると共に樹脂材料からなる開口絞りの先端形状を鋭角に加工するための成形条件を確保することが可能となる。このとき開口絞りの形状は両側から傾斜面がある状態で先端部が成形されることで、成形時に樹脂が回りこみやすくし、且つ、先端を鋭角に形成することが可能となる。開口絞りの先端が鋭角になることで先端部の面積を小さくすることが可能になる為、反射面が小さくなり、反射による迷光の発生を少なくすることが可能となる。このとき開口絞りの第1レンズ側の傾斜面は第2レンズ側の面に対して光学軸を基準としたとき角度が大きい方が絞りの入射面側の傾斜部で反射する迷光が第2レンズ以降に到達しにくくなるので、迷光対策にはさらに良い。
本発明撮像レンズでは、開口絞りを挟んで物体側に第1レンズ、像面側に第2レンズ及び第3レンズが配置されており、樹脂材料からなる開口絞りの物体側と像面側とのパワーバランス条件と製造条件を共に満たす必要がある。条件式(A0)〜(A2)の上限値を上回ると高次のコマ収差との条件を満たすことが困難となり、この上限値を上回ると後者の条件を満たすことが困難となり像面湾曲の補正が困難となる。
前記した、開口絞りの形状の如何による迷光の発生について図5を参照して詳細に説明する。
開口絞りSが第1レンズに近くなると、図5に示すように、開口絞りSが形成される部材(カメラ筐体やレンズ鏡筒の一部)の物体側面aに傾斜面を形成することができず、物体側面aを平面とし、像側面bから傾斜面cを形成して開口絞りSのエッジを形成しなければならない。図5に示す形状になると、平面aと傾斜面cとが成す角度が鋭角(図6の破線部分参照)となり、射出成形時に樹脂材料が先端部分dまで回り込みにくく、所望のエッジによる開口絞りSを形成することができず、予定外の不整形な面eができてしまう。そして、前記不整形な面eで反射された光L(stray)が迷光となってしまう。従って、条件式(A2)の下限値を上回ることが必要である。
また、図7に示すように、物体側面a及び像側面bの双方から傾斜面を形成することができれば、成形時の樹脂材料の回り込み不足による不整形な面の発生は防ぐことができる。そして、図7に実線で示すように、物体側の傾斜面fの光学軸Xとの間に為す角度αが像面側の傾斜面gの光学軸Xとの間に為す角度βより大きい場合には、前記傾斜面fによって反射された光L(keep out)は、開口絞りSより像側に入っていくことがなく、光学像の形成に関して邪魔になることがない(図8参照)。しかしながら、図7に1点鎖線で示すように、物体側の傾斜面hの光学軸Xとの間に為す角度γが像面側の傾斜面iの光学軸Xとの間に為す角度σより小さい場合には、物体側の傾斜面hで反射した光L(stray)が像面側(第2レンズ側)に入りやすくなり迷光となりやすい。従って、条件式(A2)の上限値を下回ることが必要である。
本発明の一実施形態によるズームレンズにあっては、以下の条件式(A3)及び(A4)を満足することが望ましい。
(A3)f/D8<35
(A4)Nd4>1.6
但し、
D8:IRカットフィルタの厚み
Nd4:IRカットフィルタのd線での屈折率
とする。
条件式(A3)はIRカットフィルタの厚みを規定するものであり、条件式(A3)の上限値を上回ると、レンズ全長が大きくなってしまう。
条件式(A4)はIRカットフィルタの屈折率を規定するものであり、条件式(A4)の下限値を下回ると、IRカットフィルタが所定の機能を果たすためには、その厚みを条件式(A3)の上限値を超えて厚くしなければならず、レンズ全長が大きくなってしまう。
また、本発明の撮像レンズにあっては、偏芯や軸倒れに関する敏感度を下げて製造上安定した性能を維持し、また、像面湾曲を良好に補正するために、以下の条件式(A5)を満足する。
(A5)0.05<f/f3<0.1
但し、
f3:第3レンズの焦点距離
とする。
条件式(A5)はレンズ全系の焦点距離と第3レンズの焦点距離の比を規定するものである。条件式(A5)の上限値を下回ることで製造における光学軸ずれ偏芯による像面性能の敏感度を小さくすることができ、像面湾曲を小さくすることが可能となる。一方下限値を上回ることで第3レンズに必要な正の焦点距離を維持することが可能となる。 次に、本発明撮像レンズの具体的な実施の形態及び該実施の形態に具体的な数値を適用した数値実施例について図面及び表を参照して説明する。
なお、各実施の形態において非球面が導入されており、該非球面形状は、次の数1式によって定義されるものとする。
Figure 0004189768
なお、数1式において、Cは曲率、kは円錐定数、Yは光学軸からの高さ、Anはn次の非球面係数である。
図1は本発明撮像レンズの第1の実施の形態のレンズ構成を示す図である。撮像レンズ1は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズよりなる第1レンズL1、樹脂材料からなる開口絞りS、物体側に凹面を向けた負レンズよりなる第2レンズL2、物体側に凸面を向けた正レンズよりなる第3レンズL3、樹脂材料からなるIRカットフィルタL4が配列されてなり、IRカットフィルタを除く構成されるすべてのレンズ面が非球面で構成される。なお、図1においてPは撮像面の位置を示す。
下記表1上段に、第1の実施の形態に係る撮像レンズ1に具体的数値を適用した数値実施例1にかかる撮像レンズの焦点距離f、FナンバーFno.及び画角2ω、を示す。また、表1中段に、各レンズ面の曲率半径R、各レンズの中心厚及び各レンズ間の空気間隔(以下、これらを総称して軸上面間隔という)D、各レンズのd線における、屈折率Nd及びアッベ数νdの値を示す。なお、面番号(表1中段のSi、表1下段のi)の数字(i)は物体側からの順番を表すものである。また、表1下段には、上記非球面式に示される非球面の円錐定数K及び各非球面係数A4、A6、A8、・・・Anの値を示す。なお、表1下段及び以下の非球面係数を示す表において「E−i」は10を底とする指数表現、すなわち、「10−i」を表しており、例えば、「0.12345E-05」は「0.12345×10−5」を表している。
Figure 0004189768
図2は数値実施例1の諸収差(球面収差、非点収差及びディストーション)を示す収差図である。なお、球面収差図において、実線はd線に対する、点線はC線に対する、1点差線はg線に対する、破線はF線に対する、2点鎖線はe線に対する、各球面収差を示し、非点収差図において、実線はサジタル像面に対する、破線はタンジェンシャル像面に対する、各収差を示している。これらの収差図から明らかなように、数値実施例1に係る撮像レンズは、各収差が良好に補正された優れた光学性能を有することが分かる。
図3は本発明撮像レンズの第2の実施の形態のレンズ構成を示す図である。撮像レンズ2は、物体側より順に、物体側に凸面向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズよりなる第1レンズL1、樹脂材料からなる開口絞りS、物体側に凹面を向けた負レンズよりなる第2レンズL2、物体側に凸面を向けた正レンズよりなる第3レンズL3、樹脂材料からなるIRカットフィルタL4が配列されてなり、IRカットフィルタを除く構成されるすべてのレンズ面が非球面で構成される。なお、図3においてPは撮像面の位置を示す。
下記表2上段に、第2の実施の形態に係る撮像レンズ2に具体的数値を適用した数値実施例2にかかる撮像レンズの焦点距離f、FナンバーFno.及び画角2ω、を示す。また、表2中段に、各レンズ面の曲率半径R、各レンズの中心厚及び各レンズ間の空気間隔(以下、これらを総称して軸上面間隔という)D、各レンズのd線における、屈折率Nd及びアッベ数νdの値を示す。なお、面番号(表2中段のSi、表2下段のi)の数字(i)は物体側からの順番を表すものである。また、表2下段には、上記非球面式に示される非球面の円錐定数k及び各非球面係数A4、A6、A8、・・・Anの値を示す。
Figure 0004189768
図4は数値実施例2の諸収差(球面収差、非点収差及びディストーション)を示す収差図である。なお、球面収差図において、実線はd線に対する、点線はC線に対する、1点差線はg線に対する、破線はF線に対する、2点鎖線はe線に対する、各球面収差を示し、非点収差図において、実線はサジタル像面に対する、破線はタンジェンシャル像面に対する、各収差を示している。これらの収差図から明らかなように、数値実施例2に係る撮像レンズは、各収差が良好に補正された優れた光学性能を有することが分かる。
以下の表3に、前記数値実施例1及び数値実施例2に係る撮像レンズの前記条件式(A0)乃至(A5)対応値を示す。
Figure 0004189768
表3に示すように、数値実施例1、数値実施例2に係る撮像レンズ共に条件式(A0)乃至(A5)を満足し、また、前記各収差図に示すように、各収差とも良好に補正された優れた光学性能を有する。
次に、本発明撮像装置について説明する。
本発明撮像装置は、撮像レンズと、該撮像レンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子を備え、前記撮像レンズは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正の第1レンズ、開口絞り、像側に凸面を向けた負の第2レンズレンズ、像側に凹面を向けた正の第3レンズ及びIRカットフィルタを配置して構成され、前記3枚のレンズ、開口絞り及びIRカットフィルタが樹脂材料で形成され、前記IRカットフィルタを除いた全てのレンズ面が非球面で構成され、以下の条件式(A0)乃至(A2)及び(A5)を満足する。
(A0)0.3<f/f1<1.5
(A1)−9<f/|f2|×100<−0.9
(A2)0.3<D2/D3<0.5
(A5)0.05<f/f3<0.1
但し、
f:全系の焦点距離
f1:第1レンズの焦点距離
f2:第2レンズの焦点距離
D2:第1レンズから開口絞りまでの距離
D3:開口絞りから第2レンズまでの距離
f3:第3レンズの焦点距離
とする。
図9乃至図11に本発明撮像装置を携帯電話のカメラ部に適用した実施の形態を示す。
図9及び図10は携帯電話10の外観を示すものである。
携帯電話10は、表示部20と本体部30とが中央のヒンジ部で折り畳み可能に連結されて構成され、携行時には図9に示すように折り畳んだ状態とし、通話時等の使用時には図10に示すように表示部20と本体部30とを開いた状態とする。
表示部20の背面側の一側部に寄った位置には基地局との間で電波の送受信を行うためのアンテナ21が出し入れ自在に設けられ、また、表示部20の内側面には該内側面のほぼ全体を占める大きさの液晶表示パネル22が配置され、該液晶表示パネル22の上方にはスピーカ23が配置されている。さらに、この表示部20にはデジタルカメラ部の撮像ユニット1Aが配置されており、該撮像ユニット1Aの撮像レンズ1(又は撮像レンズ2)が表示部20の背面に形成された臨ませ孔24を介して外方に臨んでいる。なお、ここで撮像ユニットの用語は、撮像レンズ1と撮像素子4とによって構成されるものとして使用している。すなわち、撮像レンズ1と撮像素子4とは同時に表示部20内に設けられる必要があるが、デジタルカメラ部を構成するその他の部分、例えば、カメラ制御部や記録媒体等は本体部30に配置されても良いことを明確にするために用いたのが撮像ユニットなる概念である。なお、上記撮像素子4としては、例えば、CCDやCMOS等の光電変換素子を使用したものが適用可能である。また、撮像レンズ1や2としては、前記した本発明撮像レンズ1や2が使用可能であり、さらに、前記した実施形態以外の形態で実施される本発明撮像レンズを使用することができる。
さらにまた、表示部20の先端部には赤外通信部25が配置され、該赤外通信部25には、図示しないが、赤外線発光素子と赤外線受光素子を備えている。
本体部30の内側面には「0」乃至「9」の数字キー、発呼キー、電源キー等の操作キー31、31、・・・が設けられており、操作キー31、31、・・・が配置された部分の下方にはマイクロフォン32が配置されている。また、本体部30の側面にはメモリカードスロット33が設けられ、該メモリカードスロット33を介してメモリカード40を本体部30に挿脱することができるようになっている。
図11は携帯電話10の構成を示すブロック図である。
携帯電話10はCPU(Central Processing Unit)50を備え、該CPU50が携帯電話10の全体の動作を制御する。すなわち、CPU50はROM(Read Only Memory)51に記憶されている制御プログラムをRAM52(Random Access Memory)に展開し、バス53を介して携帯電話10の動作を制御する。
カメラ制御部60は撮像レンズ1と撮像素子4から成る撮像ユニット1Aを制御して静止画及び動画等の画像の撮影を行うもので、得られた画像情報に関してJPEG、MPEG等への圧縮加工等を行った後、バス53に載せる。バス53に乗せられた画像情報は、上記RAM52に一時的に保存され、必要に応じてメモリカードインターフェース41に出力され、メモリカードインターフェース41によってメモリカード40に保存されたり、或いは、表示制御部54を介して液晶表示パネル22に表示される。また、撮影時に同時にマイクロフォン32を通じて収録された音声情報も音声コーデック70を介して画像情報と共にRAM52へ一時的に保存されたり、メモリカード40へ保存され、また、液晶表示パネル22への画像表示と同時に音声コーデック70を介してスピーカ23から出力される。さらに、上記画像情報や音声情報は、必要に応じて、赤外線インターフェース55に出力され、該赤外線インターフェース55によって赤外線通信部25を介して外部に出力され、同じような赤外線通信部を備えた機器、例えば、携帯電話、パーソナルコンピュータ、PDA等の外部の情報機器へ伝達される。なお、RAM52やメモリカード40に保存されている画像情報に基づいて液晶表示パネル22に動画あるいは静止画を表示するときには、カメラ制御部60において、RAM52やメモリカード40に保存されているファイルのデコードや解凍を行った後の画像データがバス53を介して表示制御部54に送られる。
通信制御部80はアンテナ21を介して基地局との間で電波の送受信を行い、音声通話モードにおいては、受信した音声情報を処理した後音声コーデック70を介してスピーカ23に出力し、また、マイクロフォン32が集音した音声を音声コーデック70を介して受領して所定の処理を施した後送信する。
上記した撮像レンズ1(又は撮像レンズ2)は奥行を短く構成することが出来るので、携帯電話10のように厚さに制約のある機器にも容易に搭載することが出来、携帯型情報機器である携帯電話の撮像レンズとして好適である。
なお、上記実施の形態では、本発明撮像装置を携帯電話に適用した例を示したが、本発明撮像装置は、その他の情報機器、例えば、パーソナルコンピュータ、PDA等にも適用することができることは勿論であり、また、これら情報機器に適用して大きな利点を有する。
なお、上記した実施の形態及び数値実施例において示した具体的な構造及び形状並びに数値は、本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
本発明撮像レンズの第1の実施の形態のレンズ構成を示す図である。 第1の実施の形態に具体的数値を適用した数値実施例1の球面収差、非点収差及びディストーションを示す図である。 本発明撮像レンズの第2の実施の形態のレンズ構成を示す図である。 第2の実施の形態に具体的数値を適用した数値実施例2の球面収差、非点収差及びディストーションを示す図である。 図6と共に条件式(A2)の下限値を下回る場合の問題点を説明する図であり、本図は開口絞りの概略拡大断面図である。 図5のVIで示す部分の拡大図である。 図8と共に条件式(A2)の上限値を上回る場合の問題点を説明する図であり、本図は開口絞りの要部概略拡大断面図である。 図7の要部をさらに拡大して示す図である。 図10及び図11と共に本発明撮像装置を携帯電話のカメラ部に適用した実施の形態を示すものであり、本図は非使用状態又は待ち受け状態を示す斜視図である。 使用状態を示す斜視図である。 内部構成を示すブロック図である。
符号の説明
1…撮像レンズ、2…撮像レンズ、L1…第1レンズ、L2…第2レンズ、L3…第3レンズ、L4…IRカットフィルタ、S…開口絞り、10…携帯電話(撮像装置)、4…撮像素子

Claims (3)

  1. 物体側から順に、物体側に凸面を向けた正の第1レンズ、開口絞り、像側に凸面を向けた負の第2レンズ、像側に凹面を向けた正の第3レンズ及びIRカットフィルタを配置して構成し、
    前記3枚のレンズ、開口絞り及びIRカットフィルタが樹脂材料で形成され、
    前記IRカットフィルタを除いた全てのレンズ面が非球面で構成され、
    以下の条件式(A0)乃至(A2)及び(A5)を満足する撮像レンズ。
    (A0)0.3<f/f1<1.5
    (A1)−9<f/|f2|×100<−0.9
    (A2)0.3<D2/D3<0.5
    (A5)0.05<f/f3<0.1
    但し、
    f:全系の焦点距離
    f1:第1レンズの焦点距離
    f2:第2レンズの焦点距離
    D2:第1レンズから開口絞りまでの距離
    D3:開口絞りから第2レンズまでの距離
    f3:第3レンズの焦点距離
    とする。
  2. 以下の条件式(A3)及び(A4)を満足する請求項1に記載の撮像レンズ。
    (A3)f/D8<35
    (A4)Nd4>1.6
    但し、
    D8:IRカットフィルタの厚み
    Nd4:IRカットフィルタのd線での屈折率
    とする。
  3. 撮像レンズと、該撮像レンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子を備え、
    前記撮像レンズは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正の第1レンズ、開口絞り、像側に凸面を向けた負の第2レンズ、像側に凹面を向けた正の第3レンズ及びIRカットフィルタを配置して構成され、
    前記3枚のレンズ、開口絞り及びIRカットフィルタが樹脂材料で形成され、
    前記IRカットフィルタを除いた全てのレンズ面が非球面で構成され、
    以下の条件式(A0)乃至(A2)及び(A5)を満足する撮像装置。
    (A0)0.3<f/f1<1.5
    (A1)−9<f/|f2|×100<−0.9
    (A2)0.3<D2/D3<0.5
    (A5)0.05<f/f3<0.1
    但し、
    f:全系の焦点距離
    f1:第1レンズの焦点距離
    f2:第2レンズの焦点距離
    D2:第1レンズから開口絞りまでの距離
    D3:開口絞りから第2レンズまでの距離
    f3:第3レンズの焦点距離
    とする。
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