JP4189521B2 - 縫いずれ防止装置付き裾引き縫い用偏平縫ミシン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は縫いずれ防止装置付き裾引き縫い用偏平縫ミシンに関するもので、詳しくは、Tシャツや肌着などの丸物生地の裾引き縫い縫製時に生地端部の折返しにより上下に重なり合った生地部分のうち下側生地部分がずれたり、裁断ミスに起因して下側生地部分の端縁に局所的な変形部分が存在したりする場合に発生しやすい縫いずれを防止するように構成されている縫いずれ防止装置付き裾引き縫い用偏平縫ミシンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図11は従来から一般的に用いられている裾引き縫い用3本針偏平縫ミシンの主要部を示す。この裾引き縫い用3本針偏平縫ミシンは、ミシンベッド1の上面に取り付けられた針板2の下部に、丸物縫製生地Wを矢印Yで示す縫い方向に向けて送る前後一対の送り歯(公知であるため、図示は省略する)が設けられているとともに、針板2上部のミシンアーム5には、縫製生地Wを針板2の上面に押圧する押え金3及び上下に往復運動自在な3本の針4が支持されている。上記押え金3及び針板2に形成されている針落ち部6の手前箇所には、縫製生地Wの端部の下方への折返し幅hを規定し、かつ、その折返し下側生地部分W1及びそれの上部に重なる上側生地部分W2の折曲部W2aに当接して該折曲部W2aの縫い方向Yへの送りを案内する折幅ガイド7と、折返し下側生地部分W1の端縁W1aに当接して該端縁W1aの縫い方向Yへの送りを案内する生地端縁ガイド8とが縫い方向Yに直交する方向に相対向して配置されている。
【0003】
上記構成の裾引き縫い用3本針偏平縫ミシンにおいては、縫製作業者が縫製生地Wの端部を折幅ガイド7を介してほぼ一定の折返し幅hになるように下方へ折返しながら縫製生地Wをミシンベッド1及び針板2の上面にセットしたうえで、偏平縫ミシンの回転を開始する。この偏平縫ミシンの回転に伴い、端部折返しで上下に重なり合った生地部分W2,W1が前後一対の送り歯の上下運動とこれに同調して作動する押え金3により針板2の上面に沿って縫い方向Yに順次送られつつ、針落ち部6に達したところで3本の針4と図示省略したルーパとの協働作用によって、図12に示すように、重なり合った上下の生地部分W2,W1が縫い方向Yに直交する方向に幅のある縫い目Waを形成して所定の裾引き縫いが行われる。
【0004】
上記のような裾引き縫い縫製時において、上下に重なり合った生地部分W2,W1は、図11の仮想線に示すように、上側生地部分W2の折曲部W2aが折幅ガイド7に、かつ、下側生地部分W1の端縁W1aが生地端縁ガイド8にそれぞれ当接して縫い方向Yへの送りが案内されることになり、従来の裾引き縫い用偏平縫ミシンは、針落ち部6の手前箇所に対向して配置された折幅ガイド7及び生地端縁ガイド8による上下重なり生地部分両端(折曲部W2a及び端縁W1a)の摺接案内作用のみによって、下側生地部分W1の折返し幅hを一定に保った裾引き縫い縫製を行なうように構成されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来の裾引き縫い用偏平縫ミシンにおいて、生地端部の折返しにより上下に重なり合った生地部分W2,W1のうち、下側生地部分W1は縫製作業者が視覚的に非常に見づらい状況にある。そのため、折幅ガイド7及び生地端縁ガイド8が存在するだけでは、生地端部の下方への折返し幅を常に一定に保つ作業が困難であり、かつ、送りの途中での折返し修正も非常に難しいために下側生地部分W1の端縁W1aの位置がずれたままで針落ち部6にまで送り案内されて縫いずれを生じやすい。また、裁断ミスなどに起因して生地端部、つまり、下側生地部分W1の端縁W1aに局所的な変形部分が存在していても、それを縫製作業時に視覚的に確認することが難しいために、変形部分が縫い方向に大きいような場合、縫いずれなどの縫製不良を発生しやすいという問題があり、従来では、縫製終了後に縫いずれなどの縫製不良発生の有無を目視により検査する製品検査が必要不可欠であった。
【0006】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、下側生地部分の位置ずれや裁断ミスなどに起因する縫いずれなど縫製不良の発生要因を事前に検知して縫いずれなどの縫製不良の発生を確実に予防することができる縫いずれ防止装置付き裾引き縫い用偏平縫ミシンを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る縫いずれ防止装置付き裾引き縫い用偏平縫ミシンは、針落ち部の手前箇所に、生地端部の下方への折返し幅を規定し、かつ、その折返し下側生地部分及びそれに連なる上側生地部分の折曲部に当接して該折曲部の縫い方向への送りを案内する折幅ガイドと、折返し下側生地部分の端縁に当接して該端縁の縫い方向への送りを案内する生地端縁ガイドとが縫い方向に直交する方向で相対向して配置されているとともに、上記生地端縁ガイドの垂直ガイド面より上記折幅ガイド側に寄った針板部分には、上記生地端縁ガイドの垂直ガイド面に当接して縫い方向への送りが案内される折返し下側生地部分の端縁の位置を検出して上下重なり生地部分の縫いずれの有無を検出する縫いずれ検出センサーが設けられ、この縫いずれ検出センサーによる縫いずれ検出信号の入力時間に相当する検出運針数と予め設定されている許容縫いずれ量としての許容運針数とを比較して、検出運針数が許容運針数を越えたとき、縫いずれの可能性ありと判断して信号を出力する制御部とこの制御部から出力される信号により報知動作される報知手段とが設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
上記のような構成の本発明によれば、生地端部の下方への折返しによって重なり合った上下生地部分の両端である上側生地部分の折曲部及び下側生地部分の端縁の縫い方向への送りを摺接案内する折幅ガイドと生地端縁ガイドが針落ち部の手前箇所に配置され、かつ、その生地端縁ガイドの垂直ガイド面より折幅ガイド側に寄った針板部分に折返し下側生地部分の端縁の位置を検知する縫いずれ検出センサーが設けられているから、縫製作業者は折幅ガイドを介して生地端部をほぼ一定の折返し幅になるように下方へ折返しつつ、見にくい状況にある折返し下側生地部分の端縁の位置をセンサーで検知して縫いずれが発生するような位置ずれのある状態で生地がセットされたとき、および、生地セット後の縫い方向への送り時に縫いずれを招くような位置ずれが発生したとき、さらには裁断ミスなどに起因して下側生地部分の端縁に大きな局部的変形部分があるときなど縫製不良発生の可能性ありの状態をセンサーが検知して報知手段を報知動作させ作業者にその事実を縫製前に知らせることが可能である。これによって、上下重なり生地部分が針落ち部に至る前に縫製不良発生要因を取り除き、所定幅の重なり代を確保した状態で重なり生地部分を縫製して縫いずれなどの縫製不良の発生を予防し、縫製終了後における目視による製品検査工程を省くことができる。
【0009】
上記構成の縫いずれ防止装置付き裾引き縫い用偏平縫ミシンにおいて、請求項2に記載のように、上記生地端縁ガイドの手前箇所に、折返し下側生地部分の縫い方向への送りを摺接案内する遮光板を設けるとともに、この遮光板の下部に上向きに投光して折返し下側生地部分を照明する発光源を設けるという構成を付加する場合は、折幅ガイド及び生地端縁ガイドの手前箇所で下側生地部分を下方から照明することにより、作業者が下側生地部分の端縁位置を上方からの視覚であっても容易に確認することが可能となり、これによって、端縁の位置ずれや裁断ミスによる局部的変形部分の存在などによる縫いずれの発生の可能性を逸早く知り、それら縫製不良発生要因を早期のうちに取り除いて報知手段の不用な動作に伴う作業の中断などを無くし、高い縫製能率を保ちつつ、縫製不良の発生のない良好な裾引き縫い縫製を行なうことができる。
【0010】
特に、上記遮光板として、請求項3に記載のように、蛍光色に着色されたものを用いるときは、白色あるいは白色系の生地を縫製対象とする場合でも、遮光板下部から投光される光が生地に吸収されることなく、遮光板上に下側生地部分の端縁位置に沿う影を明瞭に写し出して作業者の視覚による端縁位置の確認を明確なものとすることが可能で、生地の色系にかかわらず縫製不良発生要因を早期に取り除いて高効率で、かつ縫製不良の発生のない良好な裾引き縫い縫製を確実に行なうことができる。
【0011】
また、上記請求項2または3の構成を有する縫いずれ防止装置付き裾引き縫い用偏平縫ミシンにおいて、請求項4に記載のように、上記遮光板に、先端部が生地端縁ガイドの縫い方向に平行な延長線上に位置し、かつ、後端部に至るほど上記延長線から漸次遠ざかるように傾斜させて折返し下側生地部分の端縁との合マークを付す構成を採用することによって、折返し下側生地部分の端縁と合マークとの間に三角形状の空白部を作り、この三角形状の空白部を通して下側生地部分の端縁を透かし見ながら、その端縁位置が合マークの先端部に揃うように調整することで、下側生地部分の端縁を生地端縁ガイドに合わせて位置ずれによる縫いずれ予防効果を一層高めることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は本発明に係る縫いずれ防止装置付き裾引き縫い用3本針偏平縫ミシンの要部の斜視図、図2は同ミシンの主要部の構成を示す斜視図であり、これらの図に示された裾引き縫い用3本針偏平縫ミシンの基本的な構成は、図11に示す従来のミシンと同一であるため、該当する構成要素、即ち、ミシンベッド1、針板2、押え金3、針4、ミシンアーム5、針落ち部6、折幅ガイド7、生地端縁ガイド8には、それぞれ同一の符号を付してそれらの詳しい説明は省略する。
【0013】
図3に明示するように、上記生地端縁ガイド8の垂直ガイド面8aより僅かに折幅ガイド7側に寄った針板2部分には上下方向の貫通部9が形成され、この貫通部9の直上方部のミシンアーム5部分及び貫通部9内には、上記生地端縁ガイド8の垂直ガイド面8aに当接して縫い方向Yへの送りが案内される折返し下側生地部分W1の端縁W1aの位置を検知して上下の重なり生地部分W2,W1の縫いずれの有無を検出する投光器10A(図2参照)及び受光器10Bからなる光透過型の縫いずれ検出センサー10が設けられている。この縫いずれ検出センサー10は、受光器10Bによる受光量の増減によって、上下生地部分W2,W1の重なり枚数が1枚であるか、2枚であるかを検知して縫いずれの可能性の有無を検出するように構成されている。
【0014】
上記のような縫いずれ検出センサー10のほかに、折幅ガイド7及び生地端縁ガイド8の手前箇所には、針板2の上面と面一の上面を持つ板状ホルダー11を介して上記折幅ガイド7と生地端縁ガイド8による規定折返し幅hよりも幅広で折返し下側生地部分W1の縫い方向Yへの送りを摺接案内する透明樹脂製の透光板12がミシンベッド1から手前側に張り出し状態に設けられている。この透光板12には、図4に明示するように、その先端部13aが上記生地端縁ガイド8の垂直ガイド面8aの縫い方向Yに平行な延長線上に位置し、かつ、その後端部13bに至るほど上記延長線から漸次遠ざかるように傾斜して下側生地部分W1の端縁W1aと生地端縁ガイド8の垂直ガイド面8aとの位置合わせを可能にする線状の合マーク13が付設されている。
【0015】
また、上記透光板12の下部には、上向きに投光して折返し下側生地部分W1を照明する発光源として発光ダイオード(LED)14が固定設置されており、このLED14から投光して折幅ガイド7及び生地端縁ガイド8の手前箇所に位置する下側生地部分W1を下方から照明することにより、透光板12上に下側生地部分W1の端縁W1a位置に沿う影を写し出して下側生地部分W1の端縁位置を上方から視認可能としている。
【0016】
図5は上記縫いずれ検出センサー10を含む縫いずれ防止装置の回路構成を示すブロック図であり、縫いずれ検出センサー10による検出信号S1は増幅器15で増幅された後、制御部16に入力される。この制御部16には、縫いずれ検出信号S1のほかに、偏平縫ミシンに取り付けられて回転の有無を検出する回転検出器9からの検知信号S2及び縫い方向Yに沿う長さの許容縫いずれ量としての運針数を予め設定入力する許容縫いずれ量設定器17からの許容縫いずれ量(運針数)設定信号S3がそれぞれ入力されている。また、制御部16にはランプ、ブザーまたは表示画面などの報知手段18が接続されており、制御部16において縫いずれ検出信号S1の入力継続時間に相当する運針数と設定信号S3の許容運針数との比較の結果、検出運針数が許容運針数を越えたとき、縫いずれの可能性ありと判断して信号S4を出力し、その出力信号S4が報知手段18に入力されることによって該報知手段18が報知動作、つまり、ランプの点灯、ブザーの鳴動または画面表示して作業者に縫いずれの可能性があることを知らせるように構成されている。
【0017】
次に、上記のような構成の縫いずれ防止装置付き裾引き縫い用偏平縫ミシンによる裾引き縫い縫製及びその縫製時の縫いずれ防止動作について、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0018】
縫製作業者の手作業によって、Tシャツなどの丸物縫製生地Wの端部を折幅ガイド7を介してほぼ一定の折返し幅hになるように下方へ折返しながら縫製生地Wをミシンベッド1及び針板2の上面にセットしたうえで、偏平縫ミシンの回転を開始する。この偏平縫ミシンの回転に伴い、端部折返しで上下に重なり合った生地部分W2,W1が前後一対の送り歯の上下運動とこれに同調して作動する押え金3により針板2の上面に沿い縫い方向Yに順次送られる。このとき、上側生地部分W2の折曲部W2a及び下側生地部分W1の端縁W1aは折幅ガイド7及び生地端縁ガイド8の垂直ガイド面8aにそれぞれ当接して縫い方向Yへの送りが摺接案内される。そして、上下の重なり生地部分W2,W1が針落ち部6に達したところで3本の針4と図示省略したルーパとの協働作用によって、図12に示したような縫い目Waを形成して所定の裾引き縫いが行なわれる。
【0019】
このような裾引き縫い縫製時において、折幅ガイド7及び生地端縁ガイド8の手前箇所に設置されている透光板12下部のLED14から上向きに投光して折幅ガイド7及び生地端縁ガイド8の手前箇所に位置する下側生地部分W1を照明することにより、透光板12上には下側生地部分W1の端縁W1a位置に沿う影が写し出され、この影を見ることによって作業者は自然な縫製姿勢のままで下側生地部分W1の端縁位置を上方から視認することが可能であり、この視認に基づいて縫いずれの要因である下側生地部分W1の端縁W1aの位置ずれを逸早く知ってそのずれを修正することができる。
【0020】
また、位置ずれ修正がなされなかったり、位置ずれを見過ごしたりして上下の重なり生地部分W2,W1が折幅ガイド7及び生地端縁ガイド8の位置に達した時点で下側生地部分W1の端縁W1aが縫いずれの要因となるように位置ずれしているか否かが、縫いずれ検出センサー10によって検出される。すなわち、縫いずれ検出センサー10の受光器10Bによる受光量の増減によって、上下生地部分W2,W1の重なり枚数が1枚であるか、2枚であるかを検知して縫いずれの要因となる位置ずれの有無が検出される(ステップS31,S32)。
【0021】
その検出結果において、縫いずれの要因となる位置ずれが無くて重なり枚数が2枚の場合はそのままの状態で縫い方向Yに送られて所定の裾引き縫いが続行される一方、図7に示すように、下側生地部分W1の端淵W1aが生地端縁ガイド8の垂直ガイド面8aから離れるような位置ずれや、図8に示すように、生地Wの裁断ミスなどに起因して下側生地部分W1の端縁W1aに局部的な凹入変形部分Wbが有って重なり枚数が1枚の場合は縫いずれ検出センサー10による検出信号S1が制御部16に入力される。
【0022】
この制御部16には、縫製作業者などによって許容縫いずれ量設定器17に予め設定されている縫い方向Yに沿う長さの許容縫いずれ量としての運針数設定信号S3が入力されており、この設定信号S3の許容運針数と上記検出信号S1の検出運針数とが比較され(ステップS33)、検出運針数≦許容運針数の場合は信号S4が出力されず、検出運針数>許容運針数の場合は縫いずれの可能性ありと判断して制御部16から出力された信号S4が報知手段18に入力され所定の報知動作が行われる(ステップS34)。
【0023】
この報知手段18からの報知動作により縫製作業者は縫いずれの可能性があることを知り、図7のような位置ずれの場合はその位置ずれ箇所が針落ち部6に至る前の段階で位置ずれを修正し、また、図8のような裁断ミスにより生じた局部的な凹入変形部分Wbが縫い方向Yに一定長さ以上にも及びそのまま縫製したのでは不良縫製品の発生が避けられない場合は縫製作業を停止してその生地Wを取り除くことにより、最終的に縫いずれなどによる縫製不良の発生を予防でき、これによって、縫製終了後における目視による製品検査工程を省くことが可能となる。
【0024】
また、図7のような位置ずれの検出に伴う上記報知手段18からの報知動作に応じてその位置ずれを修正する際、遮光板12には、図4に示したように傾斜した線状の合マーク13が付設されているとともに、上方からは見にくい状況にある下側生地部分W1の端縁W1a位置の影が写し出されているので、作業者は折返し下側生地部分W1の端縁W1aと合マーク13との間に作られる三角形状の空白部aを通して下側生地部分W1の端縁W1aの影を透かし見ながら、その端縁W1a位置が合マーク13の先端部13aに揃うように調整することによって、下側生地部分W1の端縁W1aを生地端縁ガイド8の垂直ガイド面8aに合わせて位置ずれを容易に修正し、縫いずれ予防効果を一段と高めることができる。
【0025】
なお、遮光板12に付設する合マークとして、上記実施の形態では、図4に明示したように、縫い方向Yに沿って傾斜した線状の合マーク13を用いたが、これに代えて、その右端縁が縫い方向Yに沿って傾斜したものであれば、図9に示すように、遮光板12の左側部分全域を非透光色に着色して付設された台形状の合マーク13´であってもよい。
【0026】
また、上記実施の形態では、センサー10によって上下生地部分W2,W1の重なり枚数が1枚であるか、2枚であるかを検知して図7のような縫いずれの要因となる位置ずれや図8のような局部的変形部分の有無だけを検出するように構成したが、図10に示すように、下側生地部分W1の端部にカールが発生し、このカールの発生による縫製不良を予防するために、センサー10における受光器10Bの感度をカール部Wkも含めて重なり枚数が3枚以上になったことも検出できるように設定して構成してもよい。この場合は、特に薄い生地のように、カールを発生しやすい性状の生地を対象として裾引き縫いを行なう場合に好適である。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、所定の裾引き縫い縫製時において作業者が非常に見にくい状況にある折返し下側生地部分の端縁の位置がそのままでは縫いずれを発生するようにずれてセットされたり、セット後の縫い方向への送り時に縫いずれを招くような位置ずれが発生したり、さらには裁断ミスなどに起因して下側生地部分の端縁に大きな局部的変形部分があったりしたときなどは、それら縫製不良発生要因の存在をセンサーが検出し報知手段を動作させて作業者にその事実を縫製前に知らせることができる。したがって、上下重なり生地部分が針落ち部に至る前に縫製不良発生要因を取り除き、所定幅の重なり代を確保した状態で重なり生地部分を縫製し縫いずれなどの縫製不良の発生を確実に予防し、製品歩留まりの向上ならびに縫製終了後における目視による製品検査工程の省略による省力化を達成することができるという効果を奏する。
【0028】
特に、請求項2または請求項3に記載の構成を採用する場合は、作業者の上方からの視覚によって下側生地部分の端縁位置を容易かつ明確に確認して位置ずれや裁断ミスによる局部的変形部分の存在により縫いずれの可能性があることを逸早く知り、縫製不良発生要因を早期のうちに取り除き報知手段の不用な動作に伴う作業の中断などを無くし、高い縫製能率を保ちつつ、縫製不良の発生のない良好な裾引き縫い縫製を行なうことができる。
【0029】
また、請求項4に記載のような構成を採用することによって、折返し下側生地部分の端縁と合マークとの間に作られる三角形状の空白部を通して下側生地部分の端縁を透かし見ながら、その端縁位置を合マークの先端部に揃うように調整することにより、下側生地部分の端縁を生地端縁ガイドに合わせて位置ずれによる縫いずれ予防効果を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る縫いずれ防止装置付き裾引き縫い用3本針偏平縫ミシンの要部の斜視図である。
【図2】 同上3本針偏平縫ミシンの主要部の構成を示す斜視図である。
【図3】 同上3本針偏平縫ミシンの要部の拡大一部断面正面図である。
【図4】 同上3本針偏平縫ミシンの要部の拡大平面図である。
【図5】 同上3本針偏平縫ミシンにおける縫いずれ検出センサーを含む縫いずれ防止装置の回路構成を示すブロック図である。
【図6】 裾引き縫い縫製及びその縫製時の縫いずれ防止動作を説明するフローチャートである。
【図7】 裾引き縫い縫製時の縫いずれ要因の一つである位置ずれ状態を説明する要部の平面図である。
【図8】 裾引き縫い縫製時の縫いずれ要因の一つである変形部分の存在状態を説明する要部の平面図である。
【図9】 図4の合マークの変形例を示す要部の拡大平面図である。
【図10】 裾引き縫い縫製時の縫いずれ要因として考えられるカールの発生状態を示す要部の拡大一部断面正面図である。
【図11】 従来の裾引き縫い用3本針偏平縫ミシンの主要部の構成を示す斜視図である。
【図12】 所定の裾引き縫い縫製が完了した縫製品の要部の拡大斜視図である。
【符号の説明】
2 針板
6 針落ち部
7 折幅ガイド
8 生地端縁ガイド
10 縫いずれ検出センサー
12 遮光板
13,13´ 合マーク
14 LED(発光源)
18 報知手段
W 縫製生地
W1 下側生地部分
W1a 下側生地部分の端縁
W2 上側生地部分
W2a 折曲部
Y 縫い方向
Claims (4)
- 針落ち部の手前箇所に、生地端部の下方への折返し幅を規定し、かつ、その折返し下側生地部分及びそれに連なる上側生地部分の折曲部に当接して該折曲部の縫い方向への送りを案内する折幅ガイドと、折返し下側生地部分の端縁に当接して該端縁の縫い方向への送りを案内する生地端縁ガイドとが縫い方向に直交する方向で相対向して配置されているとともに、
上記生地端縁ガイドの垂直ガイド面より上記折幅ガイド側に寄った針板部分には、上記生地端縁ガイドの垂直ガイド面に当接して縫い方向への送りが案内される折返し下側生地部分の端縁の位置を検出して上下重なり生地部分の縫いずれの有無を検出する縫いずれ検出センサーが設けられ、
この縫いずれ検出センサーによる縫いずれ検出信号の入力時間に相当する検出運針数と予め設定されている許容縫いずれ量としての許容運針数とを比較して、検出運針数が許容運針数を越えたとき、縫いずれの可能性ありと判断して信号を出力する制御部とこの制御部から出力される信号により報知動作される報知手段とが設けられていることを特徴とする縫いずれ防止装置付き裾引き縫い用偏平縫ミシン。 - 上記生地端縁ガイドの手前箇所には、折返し下側生地部分の縫い方向への送りを摺接案内する遮光板が設けられているとともに、この遮光板の下部に上向きに投光して折返し下側生地部分を照明する発光源が設けられている請求項1に記載の縫いずれ防止装置付き裾引き縫い用偏平縫ミシン。
- 上記遮光板が、蛍光色に着色されている請求項2に記載の縫いずれ防止装置付き裾引き縫い用偏平縫ミシン。
- 上記遮光板には、先端部が上記生地端縁ガイドの縫い方向に平行な延長線上に位置し、かつ、後端部に至るほど上記延長線から漸次遠ざかるように傾斜させて折返し下側生地部分の端縁との合マークが付されている請求項2または3に記載の縫いずれ防止装置付き裾引き縫い用偏平縫ミシン。
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