JP4188503B2 - 板材切断機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板等の板材を厚さ方向に押圧して切断する板材切断機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属板等の板材を厚さ方向に押圧して切断する板材切断機が知られている。従来の一般的な2種の板材切断機を図6及び図7に示す。図6に示す従来の板材切断機100は、上刃101が設けられた昇降板102を下方に移動させ、上刃101と下刃109とを用いて加工台110に載置された板材111を切断する。加工台110は両側の側面フレーム104に架設され、両端が側面フレーム104によって下方から支えられている。上刃101と下刃109とを用いて切断された板材105は滑り台106上に落下し滑り台106の傾斜面107を滑り落ちて加工台110下方に排出される。
【0003】
図7に示す従来の板材切断機200は、加工台210全体を下部フレーム208で下方から支える構造になっている。上部フレーム203と下部フレーム208とは側面フレーム212によって結合されている。上刃201と下刃209とを用いて切断された板材205は、排出トレイ206上に落下する。切断された板材205は、加工台210の反対側に設けられる取り出し口204から取り出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、板材切断機100においては、加工台110下方に板材を排出する空間を確保しているため、加工台110の中央部を下方から支えることができない。したがって、板材111の上方から上刃101を押し当てて板材111を切断するとき下刃109を通じて加工台110に下向きの力が作用すると、加工台110がたわみやすいという問題があった。すなわち、板材切断機100は板材切断機200に比べ切断することができる板材の最大厚が小さく切断能力が劣っていた。
【0005】
一方、板材切断機200においては、取り出し口204が加工台210の反対側に設けられているため、板材切断機200の加工台210側からその反対側に回って板材を取り出さなければならず作業効率が低いという問題があった。また、取り出し口204側に作業スペースを空けて板材切断機200を設置しなければならないため、広い設置面積を必要とするという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するために創作されたものであって、加工台のたわみを防止するとともに、切断された板材を容易に取り出すことができ、作業効率の高い板材切断機を提供することを目的とする。
本発明の別の目的は、設置面積が小さい板材切断機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の板材切断機によると、排出手段は、加工台から遠い側の端部が本体に回動自在に支持され、切断手段に切断されて加工台から落下する板材を受け止める。可動の支持手段は、排出手段の加工台に近い側の端部を支持するとともに加工台を下方から支える。駆動手段は、支持手段の上端部を下方に移動させることによって排出手段を傾斜させる。
【0008】
加工台を下方から支える支持手段の上端部が下方に移動し排出手段の加工台に近い側の端部が下方に移動することによって、切断された板材が加工台の下方に滑り落ちる。このため、切断された板材を加工台側から取り出すことができる。したがって、加工台のたわみを防止するとともに切断された板材の取り出しが容易であり、また、設置面積を小さくすることができる。さらに、切断時に排出手段を加工台上面に近い高さで水平に支持し、切断後に排出手段を傾斜させて板材を取り出すことによって板材加工中の材料の損傷を防止することができる。
【0009】
本発明の請求項2記載の板材切断機によると、排出手段の加工台に近い側の端部は加工台の下方に位置している。支持手段は、上端部が互いに回動自在に連結される2本の支柱を有している。駆動手段は、2本の支柱のそれぞれの下端部を互いに遠ざけることによって2本の支柱の上端部を下方に移動させ、2本の支柱のそれぞれの下端部を互いに近づけることによって2本の支柱の上端部を上方に移動させる。2本の支柱を近づけ支柱の上端部を上方に移動させると、支柱を起立させることができる。支持手段の下端部が水平に移動することにより支持手段の上端部が鉛直方向に移動させることができるため、排出手段を傾斜させる機構を設けるために必要な高さを低くすることができる。
【0010】
本発明の請求項3記載の板材切断機によると、駆動手段は、互いに逆方向の2種のねじ山が形成されている駆動シャフトと、駆動シャフトを回転させる駆動源と、駆動シャフトの一方のねじ山にねじ合い駆動シャフトの回転によって往復移動する第一スライド部材と、駆動シャフトの他方のねじ山にねじ合い駆動シャフトの回転によって第一スライド部材と逆方向に往復移動する第二スライド部材とを有する。2本の支柱の下端部は、それぞれ第一スライド部材または第二スライド部材に回動自在に支持される。このため、簡便な構造によって2本の支柱を開閉し支柱の上端部を上下に往復移動させることができる。
【0011】
本発明の請求項4記載の板材切断機によると、支持手段は、2本の支柱の上端部をそれぞれ回動自在に支持する2つの軸を有する連結部を有し、2本の支柱が直立した状態で加工台を下方から支える。加工台から支柱が受ける力の方向と支柱の方向を完全に一致させることができるため、支柱が挫屈しにくい構造である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す一実施例につき図面に基づいて説明する。
図1〜図3に本発明の一実施例による板材切断機1を示す。
本体は、上部フレーム11、背面フレーム12、側面フレーム13、及び下部フレーム14から構成されている。
【0013】
上部フレーム11に図示しない駆動機構によって鉛直方向に往復移動する昇降板50が備えられている。昇降板50の端部に切断手段としての上刃51が備えられている。図3に示すように、上刃51は水平からやや傾いて昇降板に取り付けられている。両側の側面フレーム13に加工台60が架設されている。図1に示すように、加工台60の端部に下刃61が備えられている。上刃51と下刃61は、昇降板50が下死点位置まで下降したとき上刃51と下刃61とが摺接する位置関係にある。
【0014】
加工台60下面の高さに合わせて背面フレーム12に排出手段20の一端部が回動自在に支持されている。排出手段20は板状の部材である。排出手段20は他端部が加工台60下面に当接する状態で水平になる。
【0015】
排出手段20の下方に加工台60及び排出手段20を下方から支えるための支持手段30が備えられている。支持手段30は、図3に示すように加工台60及び排出手段20を3箇所で支えるように3つ備えられている。
【0016】
それぞれの支持手段30は、図4及び図5に示すように、連結部31、第一支柱32、第二支柱33から構成されている。第一支柱32及び第二支柱33の上端部はともに連結部31に回動自在に連結されている。連結部31は第一支柱32と第二支柱33とを離間させて支持している。連結部31の上端部は、加工台60下面に設けられている軸受け62によって回動自在に支持されている。軸受け62が連結部31を支持する軸穴は長穴になっている。第一支柱32及び第二支柱33の下端部にそれぞれ車輪35が設けられている。車輪35は下部フレーム上を転がる。第一支柱32及び第二支柱33が直立し互いに平行になると、連結部31が上死点位置に移動して排出手段20は水平になり加工台60に当接する。支持手段は上述の構成に限らず、例えば、鉛直方向に往復運動する油圧シリンダを用いたものであってもよい。このような油圧シリンダで支持手段を構成した場合、油圧シリンダは後述の駆動手段の機能を兼ね備えたものとなる。このような油圧シリンダを用いた場合、支持手段および駆動手段全体の体格が大きくなるという欠点がある一方、大きな出力トルクを生み出すことができるという利点がある。
【0017】
図1に示すように、下部フレーム14に支持手段30を駆動するための駆動手段40が備えられている。駆動手段40は、駆動シャフト42、駆動シャフト42を回転させるモータ41、並びに、駆動シャフト42にねじ合う第一スライド部材44及び第二スライド部材45から構成されている。
【0018】
駆動シャフト42は、一端が下部フレーム14に回転自在に支持され、下刃61と垂直な方向に設けられている。駆動シャフト42の両端部下方にそれぞれストッパ48が下部フレーム14に固定されている。駆動シャフト42の中央から両端部にかけて図4に示すように逆方向のねじ山43、46が形成されている。ねじ穴が形成された第一スライド部材44及び第二スライド部材45が駆動シャフト42の両端からねじ合わされている。モータ41は、反抗トルクに限界を設け限界以上のトルクがかかったとき停止するように図示しない制御手段によって制御される。モータ41には電気モータまたは油圧モータを用いる。電気モータを用いた場合、モータの体格を小さくすることができる。油圧モータを用いた場合大きな出力トルクを生み出すことができる。第一スライド部材44と第二スライド部材45とは、モータ41が正転すると互いに離間する方向に移動し、モータ42が逆転すると互いに接近する方向に移動する。第一スライド部材44及び第二スライド部材45は、それぞれ第一支柱32及び第二支柱33の下端部に形成されている長穴34にシャフト47によって係止されている。
【0019】
上述のように第二スライド部材44および第二スライド部材45をねじの回転運動によって往復移動させる駆動方式の他、例えば水平方向に往復運動する油圧シリンダによって第二スライド部材44および第二スライド部材45を往復移動させてもよい。
【0020】
加工台60の下方に所定の角度で傾斜した排出用トレイ70が下部フレーム14の片側に設けられている。排出トレイ70は、支持手段20の上端部が下死点位置に移動したとき排出トレイ70の上面と排出手段20の上面とが一平面をなすように設けられている。排出トレイ70の下端部はL字状に屈曲している。
【0021】
以下、板材切断機1を用いて板材を切断するときの作動について説明する。板材の切断中、第一支柱32及び第二支柱33は図1に示すように互いに平行で直立した状態にある。このとき、連結部31は上死点位置にあり排出手段20上面と加工台60下面が当接している。板材は加工台60上に載置されて切断される。上刃51は水平からやや傾いて設けられているため、駆動手段によって昇降板50を下降させると、板材の一端側から他端側に切断が徐々に進行する。板材の一端側から切断が進行すると、板材は加工台60からはみ出した部分の切断された部位が重力によって鉛直下向きにたわむ。昇降板50が下死点位置まで移動し板材が完全に切断されると、切断された板材は水平から傾いて排出手段20上に落下する。
【0022】
板材の切断中、上刃51が板材に押し当てられるため下刃61を通じて加工台60に下向きの力が作用する。排出手段20が加工台60に当接し排出手段20は支持手段30によって下から支えられているため、加工台60に上向きの効力が作用する。加工台60に作用する下向きの力は、排出手段20及び支持手段30を通じて車輪35から下部フレーム14に作用する。このとき、第一支柱32及び第二支柱33は長穴34によってそれぞれ第一スライド部材44または第二スライド部材45のシャフト47に係止されているため、第一スライド部材44、第二スライド部材45、及び駆動シャフト42に下向きの力が作用することがない。
【0023】
次に、排出手段20上に落下した板材が所定数量になった時点で排出手段20を傾斜させ排出トレイ70に切断された板材を排出させる作動について説明する。モータ41を駆動し駆動シャフト42を正転させることによって第一スライド部材44と第二スライド部材45とを互いに離間する方向に移動させると、図2に示すように第一支柱32及び第二支柱33が傾斜することによって連結部31が下降し、これにともなって排出手段20が傾斜する。車輪35がストッパ48に当接するとモータ41がトルク制御によって停止する。モータ41が停止し、連結部31が下死点位置にあるとき、排出手段20上面と排出トレイ70上面は同一平面上に位置するようになる。排出手段20が傾斜すると、排出手段20上に積載された板材が排出トレイ70に滑り落ちる。排出トレイ70に滑り落ちた板材は加工台60の下方から取り出される。再度板材の切断を開始するときは、モータ41を駆動し駆動シャフト42を逆転させることによって第一スライド部材44及び第二スライド部材45を互いに接近する方向に移動させ、排出手段20を押し上げ水平位置に戻す。排出手段20が水平位置に移動すると、加工台60下面に排出手段20が当接するため、モータ41はトルク制御によって停止する。
【0024】
板材切断機1は、板材の切断時に支持手段30によって下方から加工台60を支えることができるため、加工台60のたわみが小さい。また、切断された板材は加工台60下方に排出されるため、切断された板材を取り出すことが容易である。さらに、切断作業時には加工台60側からすべての操作を行えるため、背面フレーム12側に作業スペースを必要としない。また、切断された板材が落下する距離が小さく水平な排出手段20に落下するため、切断された板材同士が激しく衝突することがない。
【0025】
以上説明されたように、本発明の一実施例による板材切断機1は、加工台60のたわみが小さいため厚い板材を切断することができる。また、切断された板材を容易に取り出すことができるため作業効率が高い。また、背面フレーム12側に作業スペースを必要としないため、小さい面積に設置することが可能である。また、連続的に切断を行ったとき、切断された板材同士が激しく衝突することがないため、板材の損傷が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による板材切断機を示す模式的な断面図である。
【図2】本発明の一実施例による板材切断機を示す模式的な断面図である。
【図3】本発明の一実施例による板材切断機を示す正面図である。
【図4】本発明の一実施例における支持手段を示す側面図である。
【図5】本発明の一実施例における支持手段を示す正面図である。
【図6】従来の板材切断機を示す模式的な断面図である。
【図7】従来の板材切断機を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
1 板材切断機
11 上部フレーム(本体)
12 背面フレーム(本体)
13 側面フレーム(本体)
14 下部フレーム(本体)
20 排出手段
30 支持手段
31 連結部
32 第一支柱
33 第二支柱
40 駆動手段
42 駆動シャフト
43 ねじ山
44 第一スライド部材
45 第二スライド部材
46 ねじ山
51 上刃(切断手段)
60 加工台

Claims (4)

  1. 板材を載置する加工台と、前記加工台の端辺に沿って前記板材を上方から厚さ方向に押圧して切断する切断手段と、前記加工台及び切断手段が設けられる本体とを備える板材切断機であって、
    前記加工台から遠い側の端部が前記本体に回動自在に支持され、前記切断手段に切断されて前記加工台から落下する板材を受け止める排出手段と、
    前記排出手段の前記加工台に近い側の端部を支持するとともに前記加工台を下方から支える可動の支持手段と、
    前記支持手段の上端部を下方に移動させることによって前記排出手段を傾斜させる駆動手段と、
    を備えることを特徴とする板材切断機。
  2. 前記排出手段の前記加工台に近い側の端部は前記加工台の下方に位置し、
    前記支持手段は、上端部が互いに回動自在に連結される2本の支柱を有し、
    前記駆動手段は、前記2本の支柱のそれぞれの下端部を互いに遠ざけることによって前記2本の支柱の上端部を下方に移動させ、前記2本の支柱のそれぞれの下端部を互いに近づけることによって前記2本の支柱の上端部を上方に移動させることを特徴とする請求項1記載の板材切断機。
  3. 前記駆動手段は、互いに逆方向の2種のねじ山が形成されている駆動シャフトと、前記駆動シャフトを回転させる駆動源と、前記駆動シャフトの一方のねじ山にねじ合い前記駆動シャフトの回転によって往復移動する第一スライド部材と、前記駆動シャフトの他方のねじ山にねじ合い前記駆動シャフトの回転によって前記第一スライド部材と逆方向に往復移動する第二スライド部材とを有し、
    前記2本の支柱の下端部は、それぞれ前記第一スライド部材または前記第二スライド部材に回動自在に支持されることを特徴とする請求項2記載の板材切断機。
  4. 前記支持手段は、前記2本の支柱の上端部をそれぞれ回動自在に支持する2つの軸を有する連結部を有し、前記2本の支柱が直立した状態で前記加工台を下方から支えることを特徴とする請求項2または3記載の板材切断機。
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