JP4186377B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4186377B2
JP4186377B2 JP2000079357A JP2000079357A JP4186377B2 JP 4186377 B2 JP4186377 B2 JP 4186377B2 JP 2000079357 A JP2000079357 A JP 2000079357A JP 2000079357 A JP2000079357 A JP 2000079357A JP 4186377 B2 JP4186377 B2 JP 4186377B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
air
surface temperature
signal
solar radiation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000079357A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001199217A (ja
Inventor
昭 山口
辰己 熊田
茂樹 原田
冨田  浩幸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2000079357A priority Critical patent/JP4186377B2/ja
Priority to US09/633,426 priority patent/US6397615B1/en
Priority to DE10041598A priority patent/DE10041598B4/de
Publication of JP2001199217A publication Critical patent/JP2001199217A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4186377B2 publication Critical patent/JP4186377B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車室内の温度を乗員が希望する設定温度に自動制御する車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平5−178064号公報に示された従来の車両用空調装置は、乗員が希望する室内温度を設定する温度設定手段、室内の実際の温度(内気温)を検出する内気温センサ、室外の温度(外気温)を検出する外気温センサ、室内への日射量を検出する日射センサ、さらには乗員の皮膚温を検出する皮膚温センサ(非接触温度センサ)を備え、温度設定手段や上記各センサからの信号に基づいて、吹出空気温度の目標値(目標吹出空気温度)や送風用ブロワの制御目標電圧を算出している。そして、乗員の温感にマッチした制御を行うために設けられた上記皮膚温センサは、皮膚温のみを正確に検出できるように、乗員の頭部のみを測定対象にしている。
【0003】
上記のように、多数のセンサを用いてきめ細かな制御を行う要求がある一方で、コスト低減のためにセンサ数を減らすことも望まれている。そして、例えば特開平7−179119号公報には、エバポレータよりも空気流れ上流側に設置された空気温センサの信号を外気温信号として空調制御に用いることにより、外気温センサを廃止した車両用空調装置が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のいずれの従来装置でも、多数のセンサを用いているためコストを充分低減できないという問題がある。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、1つの非接触温度センサを有効に利用することにより、内気温センサ、外気温センサおよび日射センサを廃止可能にして、低コスト化を図ることを目的とする。また、内気温センサ、外気温センサおよび日射センサの廃止に伴う制御上の問題を未然に解決することを他の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、乗員が希望する室内の温度を設定するための温度設定手段(35)と、室内の所定の部位の表面温度を検出して表面温度信号を出力する非接触温度センサ(31)と、表面温度を周期的にサンプリングして読み込む表面温度読込手段(S200)と、表面温度読込手段(S200)のサンプリング値から求めた表面温度信号の変化量が第1設定増加値を超え且つ第2設定増加値以下のときは日射無しから有りに変わったと判定するとともに、表面温度信号の変化量が第2設定増加値を超えたときは表面温度信号が外乱の影響を受けていると判定する日射・外乱判定手段(S300)とを備え、非接触温度センサ(31)により、室内の温度に略対応して表面温度が変化する内気温対応部位(43)、室外の温度の影響を受けて表面温度が変化する外気温対応部位(44a、45)、および日射の影響を受けて表面温度が変化する日射対応部位(42a、46)の表面温度を検出し、温度設定手段(35)による設定温度信号および表面温度信号を入力として目標吹出空気温度を算出し、日射・外乱判定手段(S300)にて日射無しから有りに変わったと判定されたときは、表面温度信号の変化量に応じて空調制御状態を変更し、日射・外乱判定手段(S300)にて表面温度信号が外乱の影響を受けていると判定されたときは、外乱の影響を受けていると判定される直前にサンプリングされた表面温度信号に基づいて空調制御を行うことを特徴とする。
【0007】
これにより、1つの非接触温度センサで、内気温、外気温、および日射量の環境情報を取り込んだ表面温度信号を出力することができるため、表面温度信号に基づいて、内気温、外気温、および日射量に応じた適切な室温制御を行うことができる。従って、室温制御性の低下を少なくしつつ、内気温センサ、外気温センサ、および日射センサを廃止し、低コスト化を図ることができる。
【0008】
また、日射・外乱判定手段(S300)にて日射無しから有りに変わったと判定されたときは、表面温度信号の変化量に応じて空調制御状態を変更するようにしているため、日射無しから有りに変わったときにはそれに適した空調制御を行うことができる。さらに、日射・外乱判定手段(S300)にて表面温度信号が外乱の影響を受けていると判定されたときは、外乱の影響を受けていると判定される直前にサンプリングされた表面温度信号に基づいて空調制御を行うようにしているため、外乱の影響を排除して、外乱の空調への悪影響を防止することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車両用空調装置において、エアダクト(5)から室内へ吹き出す空気の量を調節する風量調節手段(21、23)を備え、エアダクト(5)からの吹出風量が目標風量となるように風量調節手段(21、23)を制御する車両用空調装置であって、日射・外乱判定手段(S300)にて日射無しから有りに変わったと判定されたときは、目標風量を補正することを特徴とする。
【0010】
これにより、日射無しから有りに変わったと判定されたときには吹出空気量を増加させるように目標風量を補正(ブロワステップアップ制御)することにより、乗員の快適感を向上することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、乗員が希望する室内の温度を設定するための温度設定手段(35)と、室内の所定の部位の表面温度を検出して表面温度信号を出力する非接触温度センサ(31)と、表面温度を周期的にサンプリングして読み込む表面温度読込手段(S200)と、前席ドア(44)またはサイドガラス(44a)が開かれたときに外乱の影響有りと判定する外乱判定手段(S251)とを備え、非接触温度センサ(31)により、室内の温度に略対応して表面温度が変化する内気温対応部位(43)、室外の温度の影響を受けて表面温度が変化する外気温対応部位(44a、45)、および日射の影響を受けて表面温度が変化する日射対応部位(42a、46)の表面温度を検出し、温度設定手段(35)による設定温度信号および表面温度信号を入力として目標吹出空気温度を算出し、外乱判定手段(S251)にて外乱の影響有りと判定されたときは、外乱の影響有りと判定される直前にサンプリングされた表面温度信号に基づいて空調制御を行い、外乱判定手段(S251)にて外乱の影響無しと判定されたときは、最新にサンプリングされた表面温度信号に基づいて空調制御を行うことを特徴とする。
【0012】
これにより、外乱の影響を排除して、外乱の空調への悪影響を防止することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明では、乗員が希望する室内の温度を設定するための温度設定手段(35)と、室内の所定の部位の表面温度を検出して表面温度信号を出力する非接触温度センサ(31)とを備え、
非接触温度センサ(31)により、室内の温度に略対応して表面温度が変化する内気温対応部位(43)、室外の温度の影響を受けて表面温度が変化する外気温対応部位(44a、45)、および日射の影響を受けて表面温度が変化する日射対応部位(42a、46)の表面温度を検出し、温度設定手段(35)による設定温度信号および表面温度信号を入力として目標吹出空気温度を算出し、空調開始から所定の時間が経過するまでは、空調開始時の設定温度信号および空調開始時の表面温度信号に基づいて空調制御を行うことを特徴とする。
【0021】
ところで、非接触温度センサの温度検出対象として、例えば乗員の着衣部が含まれている場合、着衣部表面温度が空調開始初期の冷風(または温風)により急激に変化するため、非接触温度センサにて検出された表面温度が、実際の室温(雰囲気温度)よりも冷房時には低めに(暖房時には高めに)なってしまう。これにより、空調が安定するまでの過渡状態においては、室温が下がりきっていない(または上がりきっていない)のに風量が低下してしまい、冷房感(または暖房感)が不足するという問題が発生する。
【0022】
これに対し、請求項4に記載の発明によれば、空調開始から所定の時間が経過するまでは、空調開始時の設定温度信号および空調開始時の表面温度信号に基づいて空調制御を行うようにしているため、非接触温度センサにて検出された表面温度と実際の室温とのずれによる、冷房感(または暖房感)不足を解消することができる。
【0023】
請求項5に記載の発明では、乗員が希望する室内の温度を設定するための温度設定手段(35)と、室内の所定の部位の表面温度を検出して表面温度信号を出力する非接触温度センサ(31)と、運転者が乗車しているか下車しているかを判定する着座判定手段(S261)とを備え、非接触温度センサ(31)により、室内の温度に略対応して表面温度が変化する内気温対応部位(43)、室外の温度の影響を受けて表面温度が変化する外気温対応部位(44a、45)、および日射の影響を受けて表面温度が変化する運転者の着衣部を含む日射対応部位(42a、46)の表面温度を検出し、温度設定手段(35)による設定温度信号および表面温度信号を入力として目標吹出空気温度を算出し、着座判定手段(S261)にて運転者が下車していると判定されたときは、表面温度信号に所定の補正量(α)を加算することを特徴とする。
【0024】
ところで、非接触温度センサの温度検出範囲に運転者の着衣部を含んでいるため、運転者が乗車(着座)しているか下車しているかによって、非接触温度センサの検出対象が変化して表面温度信号が急変し、それにより目標吹出空気温度が変化し、吹出空気温度や吹出空気量が急変する。そのため、例えば運転者が一時的に下車した場合、車内にいる乗員が違和感や不快感を感じてしまう。
【0025】
これに対し、請求項5に記載の発明によれば、運転者が下車していると判定されたときは表面温度信号に所定の補正量を加算しているため、運転者の乗降による目標吹出空気温度の急変および吹出空気温度等の急変を防止し、違和感や不快感を防止することができる。
【0026】
請求項9に記載の発明では、乗員が希望する室内の温度を設定するための温度設定手段(35)と、室内の所定の部位の表面温度を検出して表面温度信号を出力する非接触温度センサ(31)と、運転者が乗車しているか下車しているかを判定する着座判定手段(S271)とを備え、非接触温度センサ(31)により、室内の温度に略対応して表面温度が変化する内気温対応部位(43)、室外の温度の影響を受けて表面温度が変化する外気温対応部位(44a、45)、および日射の影響を受けて表面温度が変化する運転者の着衣部を含む日射対応部位(42a、46)の表面温度を検出し、設定温度信号の出力値と第1定数の乗算結果と、表面温度信号の出力値と第2定数の乗算結果とを用いて、目標吹出空気温度を算出し、着座判定手段(S271)にて運転者が乗車していると判定されたときと運転者が下車していると判定されたときとで、第1および第2定数を変更することを特徴とする。
【0027】
ところで、非接触温度センサの温度検出範囲に運転者の着衣部を含んでいるため、運転者が乗車(着座)しているか下車しているかによって、非接触温度センサの検出対象が変化して表面温度信号が急変し、それにより目標吹出空気温度が変化し、吹出空気温度や吹出空気量が急変する。そのため、例えば運転者が一時的に下車した場合、車内にいる乗員が違和感や不快感を感じてしまう。
【0028】
これに対し、請求項9に記載の発明によれば、目標吹出空気温度を算出する際の第1および第2定数を、運転者が乗車していると判定されたときと運転者が下車していると判定されたときとで変更するため、運転者の乗降による目標吹出空気温度の急変および吹出空気温度等の急変を防止し、違和感や不快感を防止することができる。
【0029】
請求項10に記載の発明では、着座判定手段(S271)の判定結果が反転した際、目標吹出空気温度を徐々に変化させることを特徴とする。
【0030】
これにより、着座判定手段(S271)の判定結果に基づいて第1および第2定数を変更しただけでは運転者乗降前後の目標吹出空気温度が一致しないという条件下でも、目標吹出空気温度の急変を防止することができる。
【0031】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
【0033】
(第1実施形態)
図1は第1実施形態の通風系と制御系を表す概略構成図である。図に示す如く本実施形態の車両用空調装置1は、車室3の前方部に配置されたエアダクト5内に所謂空調ユニットを設けたものであり、エアダクト5の空気流れ上流側から順に配設された、内外気切換ダンパ7,ブロワ9,エバポレータ(冷房用熱交換器)11,エアミックスダンパ13,ヒータコア(暖房用熱交換器)15,及び吹出口切換ダンパ17を備えている。
【0034】
ここで内外気切換ダンパ7は、サーボモータ19による駆動のもとに第1切換位置(図に実線で示す位置)に切り替えられて、エアダクト5内にその外気導入口5aから外気を流入させ、一方第2切換位置(図に破線で示す位置)に切り替えられて、エアダクト5内にその内気導入口5bから車室3内の空気(内気)を流入させる。
【0035】
またブロワ9は、駆動回路21により駆動されるブロワモータ23の回転速度に応じて、外気導入口5aからの外気又は内気導入口5bからの内気を空気流としてエバポレータ11に送風し、エバポレータ11は、そのブロワ9からの空気流を、空調装置の冷凍サイクルの作動によって循環する冷媒により冷却する。ここで、駆動回路21とブロワモータ23により、車室3内に吹き出す空気の量を調節する風量調節手段を構成する。
【0036】
次にエアミックスダンパ13は、サーボモータ25により駆動され、その開度に応じて、エバポレータ11からの冷却空気流をヒータコア15に流入させると共に、残余の冷却空気流を、ヒータコア15をバイパスして吹出口切換ダンパ17に向けて流動させる。ここで、エアミックスダンパ13とサーボモータ25により、車室3内に吹き出す空気の温度を調節する温度調節手段を構成する。
【0037】
一方、吹出口切換ダンパ17は、サーボモータ27による駆動のもとに、当該装置のフェイスモード時に第1切換位置(図に二点鎖線で示す位置)に切り換えられて、エアダクト5の吹出口5cから車室3の乗員上半身に向けて空気を吹き出させ、当該装置のフットモード時に第2切換位置(図に破線で示す位置)に切り換えられて、エアダクト5の吹出口5dから車室3の乗員足元に向けて空気を吹き出させ、また当該装置のバイレベルモード時に第3切換位置(図に実線で示す位置)に切り換えられて、両吹出口5c,5dから空気を吹き出させる。
【0038】
次に内外気切換ダンパ7,ブロワ9,エアミックスダンパ13,及び吹出口切換ダンパ17を夫々駆動するサーボモータ19,駆動回路21,サーボモータ25及び27は、電子制御装置(ECU)30からの制御信号を受けて上記各部を駆動する。
【0039】
ECU30は、車室3内の所定の部位の表面温度Tirを非接触で検出する表面温度センサ(非接触温度センサ)31,エンジン冷却水の温度Twを検出する水温センサ32,エバポレータ11通過直後の冷風の温度(出口温度)Teを検出するエバポレータ出口温センサ33,サーボモータ25に内蔵されてエアミックスダンパ13の実際の開度θを検出するエアミックスダンパ開度センサ(以下、A/M開度センサという)34,制御目標となる車室内の設定温度Tsetを乗員が外部から設定するための温度設定器(温度設定手段)35,等からの出力信号をA/D変換器30eを介して読み込む。
【0040】
なお、温度設定器35は、上記のように乗員が設定温度を設定する形式でもよいし、或いは、暑いか寒いかを入力する温感入力形式であってもよい。この温感入力形式の場合、暑いまたは寒いという入力に応じて、制御目標となる車室内の設定温度TsetをECU30が設定する。
【0041】
ECU30は、上記の各種信号に基づいて空調制御を実行するためのものであり、A/D変換器30eからの信号を受けて上記各部の操作量を算出する中央処理装置(以下、CPUという)30aと、後述するフローチャ−トの実行命令を記憶するROM30bと、CPU30aで算出された操作量に応じた制御信号を上記各部へ出力する出力部30cと、数MHzの基準クロックを発振してCPU30aにソフトウェアのデジタル演算処理を実行させる水晶振動子30dとにより構成されている。
【0042】
そして、ECU30は、イグニッションスイッチIGのON時にバッテリBから電源供給を受けて動作可能状態となり、空調装置の運転、停止を制御するための操作スイッチ36がON状態に操作されることにより空調制御を開始する。
【0043】
次に、上記した表面温度センサ31について詳細に説明する。本実施形態の表面温度センサ31は、被検温体の表面温度を非接触で検出する赤外線センサであり、より具体的には、被検温体の温度変化に伴う赤外線量の変化に対応して、赤外線量に比例した起電力を発生するサーモパイル型検出素子を用いた赤外線センサである。
【0044】
計器盤(図示せず)の車両左右方向の中央部には空調装置の操作パネルが設置されており、この操作パネルに温度設定器35や操作スイッチ36等とともに表面温度センサ31が設置されている。なお、表面温度センサ31の上下方向の位置は、運転者の腹部ないしは胸部と略等しくしている。
【0045】
図2は表面温度センサ31による表面温度の検出範囲を示すもので、破線で示す検出範囲Aの表面温度を検出するために、表面温度センサ31は運転者42側に傾けられるとともにやや上方側に傾けられ、そのうえで温度検出範囲が適宜に調整されている。検出範囲Aには、運転者42の上半身(着衣部)42a、運転者42の頭部42b、天井43の一部、前席ドア44のサイドガラス(窓)44aの一部、リヤガラス45の一部が含まれている。なお、図2において、46は前席シート、47は後席シートである。
【0046】
ここで、検出範囲Aにおいて、天井(内気温対応部位)43は日射が当たらず、また断熱材によって外気温の影響を受けにくいため、内気温に略対応して表面温度が変化する。また、サイドガラス44aやリヤガラス45のガラス部(外気温対応部位)は内気温とともに外気温の影響を受けて表面温度が変化し、上半身(日射対応部位)42aは日射の影響を受けて表面温度が変化する。従って、表面温度センサ31は、内気温、外気温、および日射量の環境情報を取り込んだ表面温度信号を出力する。なお、シート46、47も日射の影響を受けて表面温度が変化するため、シート46、47も検出範囲Aに含ませてもよい。
【0047】
次に、ECU30が実行する空調制御について、図3に示すフローチャートに沿って説明する。図に示す如く空調制御を開始すると、まずステップS100にて、以降の処理の実行に使用するカウンタやフラグを初期設定する初期化の処理を実行する。
【0048】
次に、ステップS200に移行して、温度設定器35を介して入力された設定温度Tsetを読み込み、また表面温度センサ31にて検出された表面温度Tir、さらにはその他のセンサ32〜34の信号を読み込む。
【0049】
ここで、図4は表面温度Tir信号の出力例を示すもので、表面温度センサ31の出力を250msec毎に16回サンプリングし、その平均値を表面温度Tirとして4sec毎に出力して制御に用いている。この図4において、B部は日射無しから有りに変わって、日射が運転者42の上半身(着衣部)42aに当たって表面温度Tirが上昇した状態であり、またC部およびD部は外乱(例えば、たばこ等の高温物やジュース等の低温物)が表面温度センサ31の温度検出範囲内に入って、表面温度Tirが急変した状態である。
【0050】
そして、ステップS300では、今回サンプリングした新表面温度Tirnewと1つ前のサンプル時間にサンプリングした旧表面温度Tiroldから、表面温度の変化量ΔTirを求め、その変化量ΔTirから日射の有無や表面温度Tirが外乱の影響を受けているか否かを判定する。なお、本実施形態では、ステップS300が温度変化量判定手段、および外乱判定手段をなしている。
【0051】
図5はステップS300の具体的な制御処理を示すもので、ステップ301で表面温度の変化量ΔTir(ΔTir=Tirnew−Tirold)を演算する。そして、日射が無くかつ表面温度Tirが外乱の影響を受けていない場合は、ステップ302から305にて最も一般的な制御が行われる。すなわち、この場合、表面温度Tirが安定していて表面温度の変化量ΔTirが第1設定増加値Tup1以下であるためステップS302はNOとなり、また日射有り時のブロワステップアップ制御(詳細後述)は行われていないためステップS303もNOとなり、さらに外乱の影響を受けていないためステップS304もNOとなり、従って、ステップS305で新表面温度Tirnewが表面温度Tirとして設定される。
【0052】
次に、外乱の影響を受けて表面温度Tirが急上昇した場合は、以下の制御が行われる。すなわち、この場合、図4のC部のように表面温度Tirが急上昇して表面温度の変化量ΔTirは正の値となり、しかも変化量ΔTirが第1設定増加値Tup1を超えるためステップS302はYESとなり、ステップS306へ進む。また、表面温度の変化量ΔTirは第2設定増加値Tup2(ただし、Tup1<Tup2)も超えるためステップS306はYESとなり、ここで表面温度Tirが外乱の影響を受けていると判断され、ステップS307で旧表面温度Tiroldが表面温度Tirとして設定される。
【0053】
次に、日射無しから有りに変わった場合は、以下の制御が行われる。すなわち、この場合、図4のB部のように表面温度Tirが上昇して表面温度の変化量ΔTirは正の値となり、しかも変化量ΔTirが第1設定増加値Tup1を超えるためステップS302はYESとなり、ステップS306へ進む。日射による表面温度の変化量ΔTirは第2設定増加値Tup2を超える程ではないため、ステップS306はNOとなり、ここで日射有りと判断される。そして、ステップS308で、ROM30b内に予め記憶されている図6の特性図に基づいて、表面温度変化量ΔTirの変化度合に応じてブロワステップアップレベル(ブロワ電圧補正量)が算出され、ステップ500(図3)等にて後述するブロワステップアップ制御が実行される。
【0054】
次に、日射有りの状態が続く場合は以下の制御が行われる。すなわち、表面温度Tirは安定しているためステップS302はNOとなり、またブロワステップアップ制御が実行されているためステップS303はYESとなり、ステップS309へ進む。そして、表面温度の変化量ΔTirが正の値のときはステップS309はNOとなり、また、変化量ΔTirが負の値であっても変化量ΔTirの絶対値(|ΔTir|)が第1設定減少値Tdown1以下であるためステップS309はNOとなり、ここで日射有り状態が続いていると判断され、ステップS400に進んでブロワステップアップ制御が継続される。
【0055】
一方、日射有りから無しに変わった場合は、以下の制御が行われる。すなわち、この場合、表面温度Tirが低下して表面温度の変化量ΔTirは負の値となり、しかも、その変化量ΔTirの絶対値(|ΔTir|)が第1設定減少値Tdown1を超えるためステップS309はYESとなり、ここで日射有りから無しに変わったと判断され、ステップS310へ進んで、ブロワステップアップ制御が解除される。
【0056】
次に、表面温度Tirに対する外乱の影響が続く場合は以下の制御が行われる。すなわち、表面温度Tirは安定しているためステップS302はNOとなり、またブロワステップアップ制御は実行されていないためステップS303もNOとなり、ステップS304はYESとなってステップS311へ進む。そして、表面温度の変化量ΔTirが正の値のときはステップS311はNOとなり、また、変化量ΔTirが負の値であっても変化量ΔTirの絶対値が第2設定減少値Tdown2(ただし、Tdown1<Tdown2)以下であるためステップS311はNOとなり、ここで外乱の影響が続いていると判断され、ステップS400に進む。従って、外乱の影響が続く場合は、ステップS307ですでに設定された旧表面温度Tiroldに基づいて空調制御が行われる。
【0057】
一方、表面温度Tirに対する外乱の影響が無くなった場合は、以下の制御が行われる。すなわち、この時点では外乱の影響有りと判断されているためステップS304はYESとなり、ステップS311へ進む。そして、表面温度Tirが急低下して表面温度の変化量ΔTirは負の値となり、その変化量ΔTirの絶対値が第2設定減少値Tdown2を超えるためステップS311はYESとなり、ここで外乱の影響が無くなったと判断され、ステップS305に進んで新表面温度Tirnewが表面温度Tirとして設定される。
【0058】
なお、第1設定増加値Tup1≒第1設定減少値Tdown1、第2設定増加値Tup2≒第2設定減少値Tdown2である。
【0059】
次に、図3に戻って、ステップS400では、設定温度Tsetと表面温度Tirとに基づき、ROM30b内に予め記憶されている下記数式1を用いて目標吹出空気温度(以下TAOという)を算出する。
【0060】
【数1】
TAO=Kset×Tset−Kir×Tir+C
ここで、Kset、Kir、Cは定数である。また、数式1で用いる表面温度Tirは、図5のステップS305で設定された新表面温度TirnewまたはステップS307で設定された旧表面温度Tiroldである。
【0061】
次にステップS500では、ROM30b内に予め記憶されている図7の特性図より、目標風量に対応するブロワモータ23への印可電圧(ブロワ電圧)を決定する。基本的には、目標吹出空気温度TAOに基づき、図7の実線の特性線よりブロワ電圧を決定する。また、日射有りの状態で、かつ目標吹出空気温度TAOが中間領域にあるときには、ステップS308にて算出したブロワステップアップレベルに応じて、図7の破線の特性線a〜cのようにブロワ電圧が高めに補正され、吹出空気量が増加される。すなわち、日射に応じたブロワステップアップ制御が行われる。
【0062】
また、続くステップS600では、目標吹出空気温度TAOとエンジン冷却水温Twと出口温度Teとに基づき、ROM30b内に予め記憶されている下記数式2を用いて、エアミックスダンパ13の目標開度θoを算出する。
【0063】
【数2】
θo={(TAO−Te)/(Tw−Te)}×100(%)
次にステップS700では、目標吹出空気温度TAOに基づき、ROM30b内に予め記憶されている特性図より、内気導入にするか、外気導入にするか、或いは、内外気併用(半内気)にするかを決定する。
【0064】
次にステップS800では、目標吹出空気温度TAOに基づいて、ROM30b内に予め記憶されている特性図より、吹出モードをフェイスモード(FACE)、バイレベルモード(B/L)、およびフットモード(FOOT)のいずれにするかを決定する。
【0065】
そしてステップS900では、上記ステップS500〜ステップS800による演算結果に応じて、駆動回路21、サーボモータ25、サ−ボモ−タ19、及びサーボモータ27に、ブロワ電圧制御信号、エアミックスダンパ開度制御信号、内外気導入モード制御信号、および吹出モード制御信号を夫々出力する。そして、ステップS1000へ進み、周期時間t秒経過したか否かを判定し、NOの場合はステップS1000で待ち、YESの場合はステップS200へ戻る。
【0066】
本実施形態では、表面温度センサ31によって、室内の温度に略対応して表面温度が変化する天井43と、外気温の影響を受けて表面温度が変化するサイドガラス44aやリヤガラス45と、日射の影響を受けて表面温度が変化する上半身42aの、表面温度を検出しているので、表面温度センサ31は、内気温、外気温、および日射量の環境情報を取り込んだ表面温度信号を出力する。従って、内気温、外気温、および日射量に応じた適切な室温制御を行うことができるため、室温制御性の低下を少なくしつつ、内気温センサ、外気温センサ、および日射センサを廃止して、センサコストおよびセンサ組み付けコストの低減を図ることができる。
【0067】
また、表面温度の変化量ΔTirを各設定値Tup1、Tup2、Tdown1、Tdown2と比較して日射の有無を判定し、日射有りのときには吹出空気量を増加させる制御(ブロワステップアップ制御)を行っているため、乗員の快適感を向上することができる。
【0068】
また、表面温度の変化量ΔTirを第2設定値Tup2、Tdown2と比較して、表面温度Tirに対する外乱の影響を判定し、外乱の影響があるときには外乱の影響を受ける前の表面温度(旧表面温度Tirold)を用いて目標吹出空気温度TAOを算出し、その目標吹出空気温度TAOに基づいて空調制御を行うようにしているため、外乱の影響を排除して、外乱の空調への悪影響を防止することができる。
【0069】
(第2実施形態)
次に、図8に示す第2実施形態について説明する。本実施形態は、図4のD部のように表面温度Tirが急低下した場合、それが外乱(例えば、ジュース等の低温物)の影響であるか否かを判定するようにしたもので、図5のフローチャートにステップS321およびステップS322を追加している。
【0070】
まず、外乱(低温物)の影響を受けて表面温度Tirが急低下した場合は、ステップS302はNOとなってステップS321へ進み、表面温度の変化量ΔTirの絶対値が第3設定減少値Tdown3(ただし、Tdown1<Tdown3)を超えるためステップS321はYESとなり、ここで表面温度Tirが外乱(低温物)の影響を受けていると判断され、ステップS307で旧表面温度Tiroldが表面温度Tirとして設定される。
【0071】
次に、この外乱の影響が続く場合は、表面温度Tirは安定しているためステップS302およびステップS321はNOとなり、またブロワステップアップ制御は実行されていないためステップS303もNOとなり、ステップS304はYESとなってステップS311へ進む。
【0072】
そして、表面温度の変化量ΔTirが正の値のときはステップS311はNOとなり、また、変化量ΔTirが負の値であっても変化量ΔTirの絶対値が第2設定減少値Tdown2(ただし、Tdown1<Tdown2)以下であるためステップS311はNOとなり、ステップS322へ進む。そして、表面温度の変化量ΔTirが負の値のときはステップS322はNOとなり、また、変化量ΔTirが正の値であっても変化量ΔTirが第3設定増加値Tup3(ただし、Tup1<Tup3)以下であるためステップS322はNOとなり、ここで外乱の影響が続いていると判断され、ステップS400に進む。従って、外乱の影響が続く場合は、ステップS307ですでに設定された旧表面温度Tiroldに基づいて空調制御が行われる。
【0073】
一方、外乱(低温物)の影響が無くなった場合は、以下の制御が行われる。すなわち、この時点では外乱の影響有りと判断されているためステップS304はYESとなり、表面温度Tirが急上昇して表面温度の変化量ΔTirは正の値となるためステップS311はNOとなり、ステップS322へ進む。そして、変化量ΔTirが第3設定増加値Tup3を超えるためステップS322はYESとなり、ここで外乱の影響が無くなったと判断され、ステップS305に進んで新表面温度Tirnewが表面温度Tirとして設定される。
【0074】
本実施形態によれば、高温物および低温物のいずれの外乱の影響も判定し、外乱の影響があるときには外乱の影響を受ける前の表面温度(旧表面温度Tirold)を用いて目標吹出空気温度TAOを算出し、その目標吹出空気温度TAOに基づいて空調制御を行うようにしているため、外乱の影響を排除して、外乱の空調への悪影響を確実に防止することができる。
【0075】
(第3実施形態)
次に、図9に示す第3実施形態について説明する。表面温度センサ31の検出範囲A(図2参照)内に位置する前席ドア44やサイドガラス44aが開かれた場合、表面温度センサ31の検出対象が変化して表面温度Tirも変化し、空調制御に悪影響を与える。そこで本実施形態は、表面温度センサ31の検出範囲内に位置する前席ドア44やサイドガラス44aが開かれた場合は、表面温度Tirに対する外乱の影響有りと判定するようにしたものである。
【0076】
図9において、ステップS200では、温度設定器35や各センサ31〜34からの信号を読み込むとともに、前席ドア44の開閉に伴ってオンオフするドアスイッチ信号、および、サイドガラス44aを開閉するためのパワーウインドスイッチの信号を読み込む。
【0077】
次にステップS251(外乱判定手段)に進み、ステップS251では、ドアスイッチ信号およびパワーウインドスイッチ信号により、前席ドア44またはサイドガラス44aが開かれたか否かを判定する。それらが閉じられている場合はステップS251はNOとなり、ステップS252で新表面温度Tirnewが表面温度Tirとして設定される。
【0078】
一方、前席ドア44またはサイドガラス44aが開かれた場合はステップS251はYESとなり、ここで外乱の影響有りと判断され、ステップS253で旧表面温度Tiroldが表面温度Tirとして設定される。従って、前席ドア44またはサイドガラス44aが開かれた場合は、ステップS400では、設定温度Tsetと旧表面温度Tiroldとに基づき目標吹出空気温度TAOが算出される。
【0079】
このように、表面温度センサ31の検出範囲内に位置する前席ドア44やサイドガラス44aが開かれた場合、外乱の影響有りと判定して、外乱の影響を受ける前の表面温度(旧表面温度Tirold)を用いて目標吹出空気温度TAOを算出し、その目標吹出空気温度TAOに基づいて空調制御を行うようにしているため、外乱の影響を排除して、外乱の空調への悪影響を防止することができる。
【0080】
(第4実施形態)
次に、図10、11に示す第4実施形態について説明する。ところで、空調開始初期には、表面温度センサ31の温度検出対象となる運転者42の上半身(着衣部)42aや頭部42bの表面温度が、空調開始初期の冷風(または温風)により急激に変化するため、表面温度センサ31にて検出された表面温度Tirが、実際の室温(雰囲気温度)よりも冷房時には低めに(暖房時には高めに)なってしまう。これにより、空調が安定するまでの過渡状態においては、室温が下がりきっていない(または上がりきっていない)のに風量が低下してしまい、冷房感(または暖房感)が不足するという問題が発生する。
【0081】
本実施形態は、空調開始から所定の時間が経過するまでは、空調開始時の設定温度信号および空調開始時の表面温度信号に基づいて空調制御を行うことにより、上記した空調開始直後の冷・暖房感不足の問題を解消するものである。
【0082】
本実施形態では、第1実施形態における図3のフローチャートのうち、ステップ500の制御処理を一部変更しており、図10にその変更したステップS500’の具体的な制御処理を示している。
【0083】
図10において、ステップS501では、操作スイッチ36(図1)が空調停止要求状態(空調OFF)から空調作動要求状態(空調ON)に操作されたか否かを判定し、空調OFFから空調ONに操作された場合はステップS501がYESとなり、ステップS502に進む。ステップS502がNOの場合にはステップS503に進み、このステップS503では、空調開始時の熱負荷(Tset−Tir)に基づき、その熱負荷が大きいほど風量大となるように、空調開始時のブロワ電圧を決定する。
【0084】
次に、ステップS504に進み、ステップS503で決定したブロワ電圧を固定(維持継続)する時間(第1設定時間)T1を、空調開始時の熱負荷(Tset−Tir)に基づき図11の特性線より決定する。そして、ステップS600に進み、以下図3のステップS900まで進んで、ステップS900では、上記ステップS503、ステップS504による演算結果に応じて、ブロワ電圧制御信号を出力する。
【0085】
次に、空調ONが継続されている場合は、ステップS501がNOとなってステップS505に進み、このステップS505では、空調開始後第1設定時間T1経過したか否かを判定する。そして、空調開始後第1設定時間T1が経過するまでは、ステップS505はNOとなり、ステップS600に進む。
【0086】
次に、空調開始後第1設定時間T1が経過するとステップS505はYESとなり、ステップS506に進む。そして、第1設定時間T1経過後、さらに第2設定時間T2が経過するまでは、ステップS506はNOとなり、ステップS507に進む。ステップS507では、時間経過に伴ってブロワ電圧が徐々に低下するようにブロワ電圧を決定する。
【0087】
ここで、第2設定時間T2は一定でもよいし、あるいは、空調開始時に決定したブロワ電圧と、第1設定時間T1経過後の目標吹出空気温度TAOによるブロワ電圧との差に応じて変化させてもよい。
【0088】
次に、第2設定時間T2が経過するとステップS506はYESとなり、ステップS508に進む。ステップS508では、通常通り、目標吹出空気温度TAOに基づきブロワ電圧を決定する。
【0089】
従って、本実施形態によれば、空調開始後第1設定時間T1が経過するまでは、空調開始時の熱負荷に基づいてステップS503にて決定されたブロワ電圧が維持継続される。これにより、運転者42の上半身(着衣部)42aや頭部42bの表面温度が、空調開始初期の冷風(または温風)により急激に変化しても、空調開始後第1設定時間T1が経過するまでは吹出空気量は減少しないので、冷房感(または暖房感)不足を解消することができる。
【0090】
また、第1設定時間T1が経過後は、ブロワ電圧を徐々に低下させる制御を実行した後、通常のブロワ制御を行うようにしているため、この間の吹出空気量の変化を滑らかにすることができる。
【0091】
(第5実施形態)
次に、図12〜図14に示す第5実施形態について説明する。上記各実施形態では、表面温度センサ31の温度検出範囲として運転者42を含んでいるため、運転者42が乗車(着座)しているか下車しているかによって表面温度センサ31の検出対象が変化し、従って図12に示すように表面温度Tirがαだけ変化し、それにより目標吹出空気温度TAOが変化し、吹出空気温度や吹出空気量が急変する。
【0092】
そのため、運転者42が一時的に下車した場合、車内にいる乗員が違和感や不快感を感じてしまう。また、例えば車内暖気の際運転者42が一時的に下車し、しばらくして乗車した場合も、表面温度Tirが変化して吹出空気温度等が急変するため、違和感や不快感を感じてしまう。
【0093】
そこで本実施形態は、表面温度センサ31の検出対象となっている運転者42が乗車していない場合には表面温度Tirの信号を補正して、上記の問題を未然に防止するようにしたものである。
【0094】
本実施形態では、図13に示すように、運転者42が乗車しているか否かを検出するために、運転席シートの座面部に着座センサ(着座検知手段)37を設けている。そして、図14のフローチャートにおいて、ステップS261(着座判定手段)では上記の着座センサ37の信号に基づいて運転者42が乗車しているか否かを判定する。なお、空調装置1の構成は、着座センサ37を設けた点を除き第1実施形態と同じである。また、図14のフローチャートのステップS261〜ステップS263の処理は、図3のフローチャートのステップS200とステップS400の間で実行される。
【0095】
図14において、運転者42が乗車している場合はステップS261がNOとなり、ステップS262に進み、ステップS262では、乗車時の表面温度Tirinが表面温度Tirとして設定される。次に、ステップS400(図3)に進み、設定温度Tsetと表面温度Tirとに基づき目標吹出空気温度TAOが算出される。
【0096】
一方、運転者42が下車している場合はステップS261がYESとなり、ステップS263に進み、ステップS263では、下車時の表面温度Tiroutに補正量αを加算した値が表面温度Tirとして設定される。次に、ステップS400に進み、設定温度Tsetと補正された表面温度Tirとに基づき目標吹出空気温度TAOが算出される。ここで、補正量αは、図12に示すように、運転者下車と判定する直前(すなわち、運転者乗車時)の表面温度と運転者下車と判定した直後の表面温度との差である。
【0097】
なお、運転者42が再び乗車した場合はステップS261がNOとなり、ステップS262で乗車時表面温度Tirinが表面温度Tirとして設定される。
【0098】
このように、表面温度センサ31の検出対象となっている運転者42が乗車していない場合には表面温度Tirの信号を補正することにより、運転者42の乗降による目標吹出空気温度TAOの急変および吹出空気温度等の急変を防止し、違和感や不快感を防止することができる。
【0099】
なお、車両セキュリティシステム用として、人が乗車しているか否かを検出する赤外線センサを備えている車両では、その赤外線センサを着座センサ37の代わりに用いてもよい。
【0100】
また、補正量αは以下のように決定してもよい。まず、運転者42の下車により、運転者42の頭部42bや手等の皮膚露出部が、表面温度センサ31の温度検出対象外となり、それによって表面温度Tirの値が変化するため、この点を考慮して決定する。また、夏と冬では皮膚の露出面積に差があるのでこの点も考慮する。なお、運転者42の上半身(着衣部)42aが温度検出対象外となる代わりに、シート46が温度検出対象となるが、それらの温度差は小さいためここでは考慮しない。
【0101】
そして、運転者42の露出部皮膚温を30℃、表面温度センサ31の温度検出範囲にしめる皮膚の露出面積割合を、夏場は15%、冬場は5%と仮定すると、夏場の補正量αは、α=0.15×(30−Tirin)となる。一方、冬場の補正量αは、α=0.05×(30−Tirin)となる。
【0102】
ここで、夏か冬かの判定は、エンジン始動後に最初に算出した目標吹出空気温度TAO、あるいは、エンジン始動後に最初に検出した表面温度Tirにて行うことができる。また、よりきめ細かな空調制御を行うために外気温センサを併用する場合は、外気温にて夏か冬かの判定を行ってもよい。
【0103】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。この第6実施形態は、第5実施形態における、運転者42が乗車しているか否かの判定方法と、表面温度Tirの信号の補正方法を、変更したものである。
【0104】
すなわち、本実施形態では、車速=0(停車)で、かつ運転席シートベルトが非着用状態にて、運転席ドアスイッチ信号が閉→開→閉となった場合に、運転者42が一時的に下車したと判定する。
【0105】
この時、図15に示すように運転席ドアが開の間は表面温度Tirの変動が大きいため、運転席ドアが開の間は、運転席ドアが開かれる直前の乗車時表面温度Tirinを表面温度Tirとして、目標吹出空気温度TAOを算出する。その後、運転席ドアが閉となって運転者下車と判定した時点で、運転席ドアが開かれる直前の乗車時表面温度Tirinと、運転者下車と判定した時点の下車時表面温度Tiroutとの差αを求め、それ以後は下車時表面温度Tiroutに検出温度の変化分(補正量)αを加算した値を表面温度Tirとして、目標吹出空気温度TAOを算出する。
【0106】
これにより、運転者42の乗降による目標吹出空気温度TAOの急変および吹出空気温度等の急変を防止し、違和感や不快感を防止することができる。
【0107】
なお、運転者42が乗車しているか否かを判定する際、第5実施形態のように運転者42が乗車しているか否かを直接的に検出するセンサ信号に基づく場合は誤判定はないが、本実施形態のように運転席ドアスイッチ信号等に基づいて判定する場合は、例えばドアを開けただけで下車しなかった場合でも、下車したと判定してしまう。そこで、運転者下車との判定に基づいて表面温度Tirの信号の補正を行っていても、車速>0、あるいは運転席シートベルトが着用状態となって、運転者乗車と判断される状況になったら、表面温度Tirの信号の補正を中止する。この時、補正中止によって目標吹出空気温度TAOが急変する恐れがあるので、目標吹出空気温度TAOを徐々に変化させるのが望ましい。
【0108】
また、本実施形態の補正量αは、前述したように、運転者42の露出部皮膚温や、表面温度センサ31の温度検出範囲にしめる皮膚の露出面積割合等から、算出してもよい。
【0109】
さらに、車速信号にて車速=0(停車)を判定する変わりに、駐車ブレーキ信号や、シフトレバーのPレンジ位置信号にて停車を判定してもよい。
【0110】
(第7実施形態)
次に、図16に示す第7実施形態について説明する。第5実施形態では、表面温度センサ31の検出対象となっている運転者42が乗車していない場合には表面温度Tirの信号を補正することにより、運転者42の乗降による目標吹出空気温度TAOの急変を防止するようにしたが、この第7実施形態では、目標吹出空気温度TAOの算出式(第1実施形態の数式1参照)の各定数Kset、Kir、Cを、運転者乗車時と下車時とで変更することにより、運転者42の乗降による目標吹出空気温度TAOの急変を防止するようにしたものである。
【0111】
なお、空調装置1の構成は第5実施形態と同じである。また、図16のフローチャートのステップS271〜ステップS273の処理は、図3のフローチャートのステップS200とステップS500の間で実行される。
【0112】
本実施形態を、図16のフローチャートに基づいて説明する。ステップS271(着座判定手段)では第5実施形態のステップS261と同様にして運転者42が乗車しているか否かを判定する。運転者42が乗車している場合はステップS271がNOとなり、ステップS272に進み、ステップS272では、乗車時に車室内が快適になるようにチューニングされた乗車時定数Kset1、Kir1、C1を用いて、目標吹出空気温度TAOが算出される。次に、ステップS500(図3)に進み、ステップS272で算出した目標吹出空気温度TAOに基づきブロワモータ23への印可電圧(ブロワ電圧)が決定される。
【0113】
一方、運転者42が下車している場合はステップS271がYESとなり、ステップS273に進み、ステップS273では、下車時に車室内が快適になるようにチューニングされた下車時定数Kset2、Kir2、C2を用いて、目標吹出空気温度TAOが算出される。次に、ステップS500(図3)に進み、ステップS273で算出した目標吹出空気温度TAOに基づきブロワモータ23への印可電圧(ブロワ電圧)が決定される。
【0114】
このように、本実施形態においては、設定温度Tsetとその定数(第1定数)Ksetの乗算結果と、表面温度Tirとその定数(第2定数)Kirの乗算結果とを用いて、目標吹出空気温度TAOを算出するものにおいて、運転者乗車時と下車時とでそれらの定数を変更することにより、運転者42の乗降による目標吹出空気温度TAOの急変および吹出空気温度等の急変を防止し、違和感や不快感を防止することができる。
【0115】
なお、本実施形態においては、運転者42の乗降による目標吹出空気温度TAOの急変を防止するようにしたが、例えばクールダウンやウォームアップ等の過渡時を含めあらゆる条件下で運転者乗降前後の目標吹出空気温度TAOを一致させようとすると、制御が複雑になりすぎる恐れがある。
【0116】
そこで、図17のE部に示すように、運転者乗車時のTAOから下車時のTAO(または、下車時のTAOから乗車時のTAO)に徐々に変わるように、所定の時定数で変化させたり、あるいは1℃/4秒というような時間あたりの温度変化量の制限を設けてもよい。
【0117】
また、車両セキュリティシステム用として、人が乗車しているか否かを検出する赤外線センサを備えている車両では、その赤外線センサの信号に基づいて、ステップS271で運転者42が乗車しているか否かを判定してもよい。
【0118】
さらに、第6実施形態のように、車速=0(停車)で、かつ運転席シートベルトが非着用状態にて、運転席ドアスイッチ信号が閉→開→閉となった場合に、運転者42が一時的に下車したと判定してもよい。
【0119】
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、表面温度センサ31として、サーモパイル型検出素子を用いた赤外線センサを例示したが、温度係数の大きな抵抗で構成されたボロメータ型検出素子を用いた赤外線センサや、他の形式の赤外線センサを用いることもできる。さらに、赤外線センサに限らず、被検温体の表面温度を非接触で検出する他の形式の表面温度センサ(非接触温度センサ)を用いることもできる。
【0120】
また、第4実施形態では、空調開始時の熱負荷(Tset−Tir)に基づき、空調開始から所定の時間が経過するまで(空調開始初期)のブロワ電圧を決定するようにしたが、空調開始初期の、ブロワ電圧、エアミックスダンパの目標開度θo、吸込口モードおよび吹出口モードの全部または一部を、空調開始時の熱負荷(Tset−Tir)に基づき決定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の全体構成を表す概略構成図である。
【図2】図1の表面温度センサの検出範囲を示す車室の斜視図である。
【図3】図1のECUにて実行される空調制御処理を表すフローチャートである。
【図4】図1の表面温度センサの信号出力例を示すタイムチャートである。
【図5】図3のステップ300における制御処理を表すフローチャートである。
【図6】ステップアップレベルの制御特性図である。
【図7】ブロワの制御特性図である。
【図8】本発明の第2実施形態を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第3実施形態を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第4実施形態を示すフローチャートである。
【図11】空調開始初期のブロワの制御特性図である。
【図12】本発明の第5実施形態の作動説明に供する表面温度センサの信号出力例を示すタイムチャートである。
【図13】本発明の第5実施形態の全体構成を表す概略構成図である。
【図14】本発明の第5実施形態を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第6実施形態の作動説明に供する表面温度センサの信号出力例を示すタイムチャートである。
【図16】本発明の第7実施形態を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第7実施形態の作動説明に供する表面温度センサの信号出力例を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
5…エアダクト、11…エバポレータ(冷房用熱交換器)、
13、25…温度調節手段をなすエアミックスダンパおよびサーボモータ、
15…ヒータコア(暖房用熱交換器)、
31…表面温度センサ(非接触温度センサ)、
35…温度設定器(温度設定手段)、42a…乗員着衣部(日射対応部位)、
43…天井(内気温対応部位)、44a、45…ガラス部(外気温対応部位)、
46…シート(日射対応部位)、S300…温度変化量判定手段兼外乱判定手段。

Claims (10)

  1. エアダクト(5)内に配設されて、空気と熱交換を行う熱交換器(11、15)と、
    前記エアダクト(5)から室内へ吹き出す空気の温度を調節する温度調節手段(13、25)とを備え、
    前記エアダクト(5)からの吹出空気温度が目標吹出空気温度となるように前記温度調節手段(13、25)を制御する車両用空調装置において、
    乗員が希望する室内の温度を設定するための温度設定手段(35)と、
    室内の所定の部位の表面温度を検出して表面温度信号を出力する非接触温度センサ(31)と、
    前記表面温度信号を周期的にサンプリングして読み込む表面温度信号読込手段(S200)と、
    前記表面温度読込手段(S200)のサンプリング値から求めた表面温度信号の変化量が第1設定増加値を超え且つ第2設定増加値以下のときは日射無しから有りに変わったと判定するとともに、前記表面温度信号の変化量が前記第2設定増加値を超えたときは表面温度信号が外乱の影響を受けていると判定する日射・外乱判定手段(S300)とを備え、
    前記非接触温度センサ(31)により、室内の温度に略対応して表面温度が変化する内気温対応部位(43)、室外の温度の影響を受けて表面温度が変化する外気温対応部位(44a、45)、および日射の影響を受けて表面温度が変化する日射対応部位(42a、46)の表面温度を検出し、
    前記温度設定手段(35)による設定温度信号および前記表面温度信号を入力として前記目標吹出空気温度を算出し、
    前記日射・外乱判定手段(S300)にて日射無しから有りに変わったと判定されたときは、前記表面温度信号の変化量に応じて空調制御状態を変更し、
    前記日射・外乱判定手段(S300)にて表面温度信号が外乱の影響を受けていると判定されたときは、外乱の影響を受けていると判定される直前にサンプリングされた前記表面温度信号に基づいて空調制御を行うことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記エアダクト(5)から室内へ吹き出す空気の量を調節する風量調節手段(21、23)を備え、前記エアダクト(5)からの吹出風量が目標風量となるように前記風量調節手段(21、23)を制御する車両用空調装置であって、
    前記日射・外乱判定手段(S300)にて日射無しから有りに変わったと判定されたときは、前記目標風量を補正することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. エアダクト(5)内に配設されて、空気と熱交換を行う熱交換器(11、15)と、
    前記エアダクト(5)から室内へ吹き出す空気の温度を調節する温度調節手段(13、25)とを備え、
    前記エアダクト(5)からの吹出空気温度が目標吹出空気温度となるように前記温度調節手段(13、25)を制御する車両用空調装置において、
    乗員が希望する室内の温度を設定するための温度設定手段(35)と、
    室内の所定の部位の表面温度を検出して表面温度信号を出力する非接触温度センサ(31)と、
    前記表面温度信号を周期的にサンプリングして読み込む表面温度読込手段(S200)と、
    前席ドア(44)またはサイドガラス(44a)が開かれたときに外乱の影響有りと判定する外乱判定手段(S251)とを備え、
    前記非接触温度センサ(31)により、室内の温度に略対応して表面温度が変化する内気温対応部位(43)、室外の温度の影響を受けて表面温度が変化する外気温対応部位(44a、45)、および日射の影響を受けて表面温度が変化する日射対応部位(42a、46)の表面温度を検出し、
    前記温度設定手段(35)による設定温度信号および前記表面温度信号を入力として前記目標吹出空気温度を算出し、
    前記外乱判定手段(S251)にて外乱の影響有りと判定されたときは、外乱の影響有りと判定される直前にサンプリングされた前記表面温度信号に基づいて空調制御を行い、
    前記外乱判定手段(S251)にて外乱の影響無しと判定されたときは、最新にサンプリングされた前記表面温度信号に基づいて空調制御を行うことを特徴とする車両用空調装置。
  4. エアダクト(5)内に配設されて、空気と熱交換を行う熱交換器(11、15)と、
    前記エアダクト(5)から室内へ吹き出す空気の温度を調節する温度調節手段(13、25)とを備え、
    前記エアダクト(5)からの吹出空気温度が目標吹出空気温度となるように前記温度調節手段(13、25)を制御する車両用空調装置において、
    乗員が希望する室内の温度を設定するための温度設定手段(35)と、
    室内の所定の部位の表面温度を検出して表面温度信号を出力する非接触温度センサ(31)とを備え、
    前記非接触温度センサ(31)により、室内の温度に略対応して表面温度が変化する内気温対応部位(43)、室外の温度の影響を受けて表面温度が変化する外気温対応部位(44a、45)、および日射の影響を受けて表面温度が変化する日射対応部位(42a、46)の表面温度を検出し、
    前記温度設定手段(35)による設定温度信号および前記表面温度信号を入力として前記目標吹出空気温度を算出し、
    空調開始から所定の時間が経過するまでは、空調開始時の前記設定温度信号および空調開始時の前記表面温度信号に基づいて空調制御を行うことを特徴とする車両用空調装置。
  5. エアダクト(5)内に配設されて、空気と熱交換を行う熱交換器(11、15)と、
    前記エアダクト(5)から室内へ吹き出す空気の温度を調節する温度調節手段(13、25)とを備え、
    前記エアダクト(5)からの吹出空気温度が目標吹出空気温度となるように前記温度調節手段(13、25)を制御する車両用空調装置において、
    乗員が希望する室内の温度を設定するための温度設定手段(35)と、
    室内の所定の部位の表面温度を検出して表面温度信号を出力する非接触温度センサ(31)と、
    前記運転者が乗車しているか下車しているかを判定する着座判定手段(S261)とを備え、
    前記非接触温度センサ(31)により、室内の温度に略対応して表面温度が変化する内気温対応部位(43)、室外の温度の影響を受けて表面温度が変化する外気温対応部位(44a、45)、および日射の影響を受けて表面温度が変化する運転者の着衣部を含む日射対応部位(42a、46)の表面温度を検出し、
    前記温度設定手段(35)による設定温度信号および前記表面温度信号を入力として前記目標吹出空気温度を算出し、
    前記着座判定手段(S261)にて前記運転者が下車していると判定されたときは、前記表面温度信号に所定の補正量(α)を加算することを特徴とする車両用空調装置。
  6. 前記補正量(α)は、前記運転者が下車していると判定される直前の前記表面温度信号と前記運転者が下車していると判定された直後の前記表面温度信号との差であることを特徴とする請求項5に記載の車両用空調装置。
  7. 前記補正量(α)は、前記非接触温度センサ(31)の温度検出範囲に占める前記運転者の面積割合に基づいて算出されることを特徴とする請求項5に記載の車両用空調装置。
  8. 前記補正量(α)は、季節によって変更されることを特徴とする請求項7に記載の車両用空調装置。
  9. エアダクト(5)内に配設されて、空気と熱交換を行う熱交換器(11、15)と、
    前記エアダクト(5)から室内へ吹き出す空気の温度を調節する温度調節手段(13、25)とを備え、
    前記エアダクト(5)からの吹出空気温度が目標吹出空気温度となるように前記温度調節手段(13、25)を制御する車両用空調装置において、
    乗員が希望する室内の温度を設定するための温度設定手段(35)と、
    室内の所定の部位の表面温度を検出して表面温度信号を出力する非接触温度センサ(31)と、
    前記運転者が乗車しているか下車しているかを判定する着座判定手段(S271)とを備え、
    前記非接触温度センサ(31)により、室内の温度に略対応して表面温度が変化する内気温対応部位(43)、室外の温度の影響を受けて表面温度が変化する外気温対応部位(44a、45)、および日射の影響を受けて表面温度が変化する運転者の着衣部を含む日射対応部位(42a、46)の表面温度を検出し、
    前記設定温度信号の出力値と第1定数の乗算結果と、前記表面温度信号の出力値と第2定数の乗算結果とを用いて、前記目標吹出空気温度を算出し、
    前記着座判定手段(S271)にて前記運転者が乗車していると判定されたときと前記運転者が下車していると判定されたときとで、前記第1および第2定数を変更することを特徴とする車両用空調装置。
  10. 前記着座判定手段(S271)の判定結果が反転した際、前記目標吹出空気温度を徐々に変化させることを特徴とする請求項9に記載の車両用空調装置。
JP2000079357A 1999-08-26 2000-03-16 車両用空調装置 Expired - Fee Related JP4186377B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000079357A JP4186377B2 (ja) 1999-11-10 2000-03-16 車両用空調装置
US09/633,426 US6397615B1 (en) 1999-08-26 2000-08-07 Vehicle air conditioner with non-contact temperature sensor
DE10041598A DE10041598B4 (de) 1999-08-26 2000-08-24 Fahrzeug-Klimaanlage mit kontaktfreiem Temperatursensor

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32019499 1999-11-10
JP11-320194 1999-11-10
JP2000079357A JP4186377B2 (ja) 1999-11-10 2000-03-16 車両用空調装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001199217A JP2001199217A (ja) 2001-07-24
JP4186377B2 true JP4186377B2 (ja) 2008-11-26

Family

ID=26569996

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000079357A Expired - Fee Related JP4186377B2 (ja) 1999-08-26 2000-03-16 車両用空調装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4186377B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004168282A (ja) * 2002-10-30 2004-06-17 Denso Corp 車両用空調装置
JP3938138B2 (ja) * 2003-11-10 2007-06-27 日産自動車株式会社 車両用空気調和装置
JP2006240609A (ja) * 2005-02-07 2006-09-14 Denso Corp 車両用空調装置
JP2006248352A (ja) * 2005-03-10 2006-09-21 Denso Corp 車両用温度検出装置および車両用空調装置
JP4832888B2 (ja) * 2005-12-27 2011-12-07 スタンレー電気株式会社 車両用空調装置
JP4518035B2 (ja) * 2006-03-28 2010-08-04 株式会社デンソー 車両用空調装置
JP2007302021A (ja) * 2006-05-08 2007-11-22 Denso Corp 車両用空調装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001199217A (ja) 2001-07-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6827284B2 (en) Vehicle air conditioner with automatic air-conditioning control
JP2006001310A (ja) 車両用内外気切替制御装置
JPH0885333A (ja) 車両用空気調和装置
JP3861797B2 (ja) 車両用空調装置
JP4543954B2 (ja) 車両用空調装置
JP4186377B2 (ja) 車両用空調装置
JP4457922B2 (ja) 車両用空調装置
JP4353053B2 (ja) 車両用空調装置
JPH05178064A (ja) 空気調和制御装置
JP4501643B2 (ja) 車両用空調装置および車両用空調制御方法
JPH05243B2 (ja)
JP3169063B2 (ja) 車両用空調装置
JP4259258B2 (ja) 車両用空調装置
JP3627580B2 (ja) 車両用空調装置
JP3493895B2 (ja) 自動車用空調制御装置
JP2004042706A (ja) 車両用空調装置
JP4458908B2 (ja) 車両用空調装置
JP3823800B2 (ja) 車両用空調装置
JPH0213203Y2 (ja)
JP2506430Y2 (ja) 自動車用空気調和装置
JP3721665B2 (ja) 車両用空調装置
JP3213331B2 (ja) 自動車用オートエアコン装置の制御方法
JP2002225534A (ja) 車両用空調装置
JP4123687B2 (ja) 車両用空調装置
JPH0367718A (ja) 車両用空調制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060622

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080318

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080516

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080819

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080901

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110919

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110919

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120919

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120919

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130919

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees