JP2004168282A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インストルメントパネル50に装着したスイッチを乗員が操作しても安定した空調制御を行うことができる車両用オートエアコンAの提供。
【解決手段】車両用オートエアコンAは、空調設定温度スイッチである運転席側温度設定スイッチ62、助手席側温度設定スイッチ63、および風量操作スイッチであるブロワ風量切替スイッチ58よりも上方位置のインストルメントパネル50にIRセンサ70を配設している。これにより、乗員の手をIRセンサ70の検出範囲に入り難くすることができ、安定した空調制御を行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、非接触温度センサの検出温度に基づいて、車室内に吹き出す空調風の温度を制御部が制御する車両用空調装置に関する。
特許文献1には、赤外線センサを用いた車両用空調装置が記載されており、乗員周りの温度を赤外線センサで検出し、その検出値を用いて制御装置が空調制御を行っている。
特開2002−172926号公報 (第7頁−第9頁、図1)
上記特許文献1のオートエアコンは、下記に示す課題を有する。
非接触温度センサ(赤外線センサ)をインストルメントパネルの中央部に配設しているので、インストルメントパネルに装着したスイッチを操作した場合には、乗員の手が非接触温度センサの検出範囲70b(図7参照)を覆ってしまう。
このため、乗員周りの温度を非接触温度センサが正確に検出できず、快適な空調制御を行えなくなる。
本発明の第1の目的は、インストルメントパネルに装着したスイッチを乗員が操作しても、安定した、空調風の温度制御を行うことができる車両用空調装置の提供にある。
本発明の第2の目的は、非接触温度センサの温度感知窓が汚れ難く、車室内の乗員または乗員周りの温度を高精度に検出できる車両用空調装置の提供にある。
〔請求項1について〕
車両用空調装置は、車両の乗員または乗員周りの温度を非接触温度センサで検出し、この非接触温度センサの検出温度に基づいて車室内に吹き出す空調風の温度を制御する制御部を有する。
また、非接触温度センサが設けられる車両のインストルメントパネルには、温度設定スイッチ、風量操作スイッチ、オーディオスイッチ、およびナビゲーションスイッチが設けられている。
乗員の手が非接触温度センサの検出範囲を覆ってしまうと、乗員または乗員周りの温度を非接触温度センサが正常に検出できなくなり、安定した、空調風の温度制御を行えなくなる。
しかし、本発明の車両用空調装置は、温度設定スイッチ、風量操作スイッチ、オーディオスイッチ、およびナビゲーションスイッチの内、何れか一つのスイッチよりも車両天井側である上方に非接触温度センサを配設している。
このため、好みの状態に設定するのに時間がかかる、温度設定時または風量操作時であっても、乗員の手を非接触温度センサの検出範囲に入り難くすることができる。また、操作頻度が高いオーディオスイッチまたはナビゲーションスイッチの操作時であっても、乗員の手を非接触温度センサの検出範囲に入り難くすることができる。
これにより、安定した、空調風の温度制御を行うことができる。
また、インストルメントパネルに非接触温度センサを設けるので、モジュールとして車両メーカーに納入し易く、車両メーカーの組付費を低減できる。また、マイクロコンピュータとの距離が近づくので、電気接続するための配線が短くて済みノイズに強くなって制御が安定するとともに、コストを安価にできる。
〔請求項2について〕
乗員の手が非接触温度センサの検出範囲を覆ってしまうと、乗員または乗員周りの温度を正常に検出できなくなり、安定した空調制御を行えなくなる。
しかし、本発明の車両用空調装置は、温度設定スイッチ、風量操作スイッチ、オーディオスイッチ、およびナビゲーションスイッチの全てよりも車両天井側である上方に非接触温度センサを配設している。
このため、温度設定時、風量操作時、オーディオスイッチの操作時、またはナビゲーションスイッチの操作時であっても、乗員の手を非接触温度センサの検出範囲に入り難くすることができる。これにより、安定した、空調風の温度制御を行うことができる。
〔請求項3について〕
制御部は、温度設定スイッチ、風量操作スイッチ、オーディオスイッチ、およびナビゲーションスイッチの内、何れか一つのスイッチが操作されたか否かを検知する。
何れかのスイッチへ手を伸ばして乗員が操作する際には、非接触温度センサの検出範囲に入る手の面積が通常と異なるので、その検出値に基づいて空調風の温度制御を行うと風量ハンチング等が発生して、安定した空調制御を行うことができない。
しかし、本発明の車両用空調装置は、検知から所定時間前に非接触温度センサで検出され記憶されていた検出値に基づいて空調風の温度制御を行うので、安定した、空調風の温度制御を行うことができる。
〔請求項4について〕
制御部は、温度設定スイッチ、風量操作スイッチ、オーディオスイッチ、およびナビゲーションスイッチの内、何れか一つのスイッチが操作されたか否かを検知する。
何れかのスイッチへ手を伸ばして乗員が操作する際には、非接触温度センサの検出範囲に入る手の面積が通常と異なるので、その検出値に基づいて空調風の温度制御を行うと風量ハンチング等が発生して、安定した空調制御を行うことができない。
しかし、本発明の車両用空調装置は、検知から所定時間前に非接触温度センサで検出され記憶されていた複数の検出値を実質的に平均化した検出値に基づいて空調風の温度制御を行うので、安定した、空調風の温度制御を行うことができる。
〔請求項5について〕
非接触温度センサの配設位置は、車両中心軸より助手席側である。
乗員の手が非接触温度センサの検出範囲を覆ってしまうと、乗員または乗員周りの温度を正常に検出できなくなり、安定した空調制御を行えなくなる。しかし、非接触温度センサの配設位置が車両中心軸より助手席側であるので、何れかのスイッチを運転者が操作する際に、運転者の手が非接触温度センサの検出範囲に入り難くすることができる。これにより、安定した、空調風の温度制御を行うことができる。
また、非接触温度センサの検出範囲をステアリングが覆う割合を低減することができるので、乗員または乗員周りの温度を非接触温度センサが効率良く検出することができる。
〔請求項6について〕
非接触温度センサは赤外線温度センサであり、赤外線温度センサを配設している旨を配設箇所近傍に表示している。
乗員の手が非接触温度センサの検出範囲を覆ってしまうと、乗員または乗員周りの温度を正常に検出できなくなり、安定した、空調風の温度制御を行えなくなる。しかし、赤外線温度センサを配設している旨を配設箇所近傍に表示しているので、乗員の手が赤外線温度センサの検出範囲に入り難くなる。これにより、安定した、空調風の温度制御を行うことができる。
〔請求項7について〕
車両用空調装置は、パネル前端から奥に向かって断面積が徐々に小さくなっていく様に、円錐台状または角錐台状の窪みがインストルメントパネルの表面側に形成されている。また、窪みの奥に非接触温度センサの温度感知窓を有する。なお、インストルメントパネル自体に窪みを形成しても良く、窪みを形成した別体とインストルメントパネルとを一体化させても良い。
窪みの奥に非接触温度センサの温度感知窓が位置しているので、乗員の指等が温度感知窓に触れることを防止でき、指の油や垢等が温度感知窓に付着し難く汚れ難い。このため、車両用空調装置は、車室内の乗員または乗員周りの温度を高精度に検出できる。
窪みが円錐台状や角錐台状であるので、窪み内に塵や埃が入っても、滑って窪み外へ落ちるので窪み内に付着し難く、非接触温度センサの温度感知を妨げない。
窪みの奥に位置する温度感知窓から車室内を見れば、パネル奥からパネル前端に向かって窪みの断面積が徐々に大きくなっていくので、非接触温度センサの温度感知エリアを妨げない。
温度感知窓が窪みの奥に位置する様に非接触温度センサをインストルメントパネル内へ配設する構成であるので、温度感知窓以外からの熱を遮断する遮熱手段(塗装等)を非接触温度センサに施す必要がないのでコストを低減できる。
〔請求項8について〕
窪みは車室内の乗員方向に開口しているとともに、窪みの下側内面は車室側に向かって下方に傾斜している。
窪みの入り口から窪み内に入り、窪みの下側内面に落下した塵や埃は、下側内面から滑って窪み外の車室内へ落ちるので窪み内に付着し難く、非接触温度センサの温度感知を妨げない。また、窪みの奥に位置する温度感知窓から乗員が見通せるので、車室内の乗員または乗員周りの温度を高精度に検出できる。
〔請求項9について〕
円錐台状または角錐台状の窪みは、インストルメントパネルの一部であるパネル意匠部材に直接形成されている。
インストルメントパネルの一部であるパネル意匠部材に直接、窪みを形成する構成であるので、部品点数を減らすことができ、組み付けに要するコストを低減できる。
〔請求項10について〕
非接触温度センサは、温度検出素子を収納するセンサ容器と、センサ容器を包囲するセンサハウジングとを有し、温度感知窓をレンズとフィルタで形成してセンサ容器の前側に設け、センサ容器の奥方に温度検出素子を成す熱電対を配置してなる。センサハウジングの前端面を円錐台状または角錐台状に形成して窪みとしている。
車室内の乗員または乗員周りの熱を、センサハウジングの前側に設けたレンズで集めて熱電対に効果的に送ることができる。また、熱電対の劣化の原因となる波長の熱や光をフィルタでカットすることができる。
センサ容器を包囲するセンサハウジングの前端面を、前もって円錐台状または角錐台状に形成して窪みとすることができるので、窪みの形成に手間がかからない。
〔請求項11について〕
インストルメントパネルの一部であるパネル意匠部材に配設孔を形成して、非接触温度センサを配設孔内に設けている。
センサ容器を包囲するセンサハウジングの前端面を、前もって円錐台状または角錐台状に形成して窪みにしておけば、インストルメントパネルの一部であるパネル意匠部材に形成した配設孔内に、非接触温度センサを容易に配設することができる。
温度感知窓を前側に設け、奥方に熱電対を配置したセンサ容器と、前端面に円錐台状の窪みを設け、センサ容器を凹所内へ配設したセンサハウジングとを備えた非接触温度センサを、パネル意匠部材に配される空調設定温度スイッチや風量操作スイッチに対して、車両天井側である上方位置に形成した配設孔内へ配設しているので、温度感知窓の汚れ防止が図れるとともに、乗員の手が非接触温度センサの温度検出範囲に入り難くすることができる。
これにより、車両用空調装置は、安定した、空調風の温度制御を行うことができ、且つ、車室内の乗員または乗員周りの温度を高精度に検出できる。
本発明の実施例1に係る車両用オートエアコンAを、図1〜図8に基づいて説明する。 図1の(a)はインストルメントパネル50周りの斜視図であり、(b)はエアコン操作パネルの説明図である。
図2は、車両用オートエアコンAの全体構成を示す説明図である。
図3は、車両のインストルメントパネル50周りを示す説明図である。
図7は、非接触温度センサを成す赤外線(IR)センサ70の検出範囲を示す説明図である。
車両用オートエアコンAは、走行用エンジンを搭載した自動車の車室内を空調するためのものであり、空調ユニット1の空調用アクチュエータ(図示せず)を、エアコンECU10が制御している。
空調ユニット1は、車室内の運転席側空調ゾーン(車両右側の後部座席を含む)と、助手席側空調ゾーン(車両左側の後部座席を含む)との温度調節および吹出口モードの変更等を互いに独立して行う。
空調ユニット1は、車両の車室内の前方に配置された空調ダクト2を備えている。この空調ダクト2の上流側には、内外気切替ドア3およびブロワ4とが設けられている。内外気切替ドア3は、サーボモータ5等のアクチュエータにより駆動されて内気吸込口6と外気吸込口7との開度(吸込口モード)を変更する。
ブロワ4は、ブロワ駆動回路8によって制御されるブロワモータ9により回転駆動されて空調ダクト2内に車室内へ向かう空気流を発生させる遠心式送風機である。
空調ダクト2の中央部には、空調ダクト2内を通過する空気を冷却するエバポレータ41が設けられている。また、そのエバポレータ41の空気下流側には、第1、第2空気通路11、12を通過する空気をエンジンの冷却水と熱交換して加熱するヒータコア42が設けられている。
この第1、第2空気通路11、12は、仕切り板14により区画されている。なお、電気自動車用の空調装置では、エバポレータ41をペリチェ素子に変更しても良い。
ヒータコア42の上流側には、車室内の運転席側空調ゾーンと助手席側空調ゾーンとの温度調節を互いに独立して行うための運転席側、助手席側エアミックスドア15、16が設けられている。
そして、運転席側、助手席側エアミックスドア15、16は、サーボモータ17、18等のアクチュエータによりそれぞれ駆動されて、後記する運転席側、助手席側の各吹出口から車室内の運転席側、助手席側空調ゾーン(特に運転席側、助手席側フロントウインドウの内面)に向けてそれぞれ吹き出される空調風の吹出温度を変更することができる。
エバポレータ41は、以下に示す冷凍サイクルの一構成部品である。
冷凍サイクルは、エンジン出力軸により駆動されて冷媒を圧縮して吐出するコンプレッサ(図示せず)と、このコンプレッサより吐出される冷媒を凝縮液化させるコンデンサ(図示せず)と、このコンデンサから流入した液冷媒を気液分離するレシーバ(図示せず)と、このレシーバから流入する液冷媒を断熱膨張させるエキスパンション・バルブ(図示せず)と、このエキスパンション・バルブから流入する気液二相状態の冷媒を蒸発気化させるエバポレータ41とにより構成されている。
エアコンECU10により制御される電磁クラッチ(図示せず)によって、エンジンからの回転動力がコンプレッサへ断続して伝わる。
電磁クラッチがONしてコンプレッサが起動し、エバポレータ41が空調ダクト2内を通過する空気を冷却して除湿することで、車室内湿度が下がり、フロントウインドウを含むウインドウの内面が曇り難くなる。
本実施例では、エバ後温度センサ74の検出値であるエバ後温度TEと、目標エバ後温度TEOとの比較結果に応じて出力される制御信号に基づいて容量可変制御を行う電磁式容量制御弁を有する容量可変型コンプレッサを採用している。
そして、第1空気通路11の空気下流側に連通する各吹出ダクトの空気下流端では、図2に示す様に、運転席側デフロスタ吹出口20、運転席側センタフェイス吹出口21、運転席側サイドフェイス吹出口22および運転席側フット吹出口23が開口している。
また、第2空気通路12の空気下流側に連通する各吹出ダクトの空気下流端では、図2に示す様に、助手席側デフロスタ吹出口30、助手席側センタフェイス吹出口31、助手席側サイドフェイス吹出口32、および助手席側フット吹出口33が開口している。
なお、運転席側、助手席側デフロスタ吹出口20、30は、フロントウインドウへ空調風(主に温風)を吹き出すための吹出口を構成し、運転席側、助手席側サイドフェイス吹出口22、32は、サイドウインドウへ空調風(主に温風)を吹き出すための吹出口を構成する。
そして、第1、第2空気通路11、12内には、車室内の運転席側と助手席側との吹出口モードの設定を互いに独立して行う運転席側、助手席側吹出口切替ドア24〜26、34〜36が設けられている。
そして、運転席側、助手席側吹出口切替ドア24〜26、34〜36は、サーボモータ28、29、38、39等のアクチュエータにより駆動されて運転席側、助手席側の吹出口モードをそれぞれ切り替えるモード切替ドアである。
ここで、運転席側、助手席側の吹出口モードとしては、FACEモード、B/Lモード、FOOTモード、F/Dモード、DEFモード等がある。
なお、運転席側、助手席側吹出口切替ドア24、34は、運転席側、助手席側デフロスタ吹出口20、30を互いに独立して開閉することが可能な運転席側、助手席側デフロスタドアである。
エアコンECU10は、エンジンの始動および停止を司るイグニッションスイッチを投入(IG・ON)してバッテリー(図示せず)から直流電源が供給されると、演算処理や制御処理を開始する。
エアコンECU10は、インストルメントパネル50の配設穴(図示せず)に装着されるエアコン操作パネル51に取り付けられる各種操作スイッチからスイッチ信号が入力される。
このエアコン操作パネル51には、図1に示す様に、液晶ディスプレイ52、内外気切替スイッチ53、フロントデフロスタスイッチ54、リヤデフロスタスイッチ55、DUALスイッチ56、吹出口モード切替スイッチ57、ブロワ風量切替スイッチ58、A/Cスイッチ59、AUTOスイッチ60、オフスイッチ61、運転席側温度設定スイッチ62、および助手席側温度設定スイッチ63等が取り付けられている。
DUALスイッチ56は、運転席側空調ゾーン内の温度調節と助手席側空調ゾーン内の温度調節とを互いに独立して行うためのスイッチである。
また、フロントデフロスタスイッチ54は、フロントウインドウの防曇の能力を上げるか否かを指令するものであり、吹出口モードをDEFモードに設定するためのものである。
吹出口モード切替スイッチ57は、乗員の手動操作に応じて、吹出口モードを、FACEモード、B/Lモード、FOOTモード、またはF/Dモードの内の何れかに設定するためのものである。
液晶ディスプレイ52には、運転席側、助手席側空調ゾーンの設定温度を数字で表示する設定温度表示部、吹出口モードを図形で表示する吹出口モード表示部、およびブロワ風量を図形で表示する風量表示部等が設けられている。
また、外気温、吸込口モード、時刻等を、液晶ディスプレイ52に表示させても良い。更に、各操作スイッチをタッチ式にして、液晶ディスプレイ52の所定部位で機能する様にしても良い。
A/Cスイッチ59は、冷凍サイクルのオン・オフ(コンプレッサのオン・オフ)を指示するスイッチである。
このA/Cスイッチ59を操作してコンプレッサをオフにすると、冷凍サイクルがオフになるが、エンジンの回転動力が減って燃費が向上する。
このA/Cスイッチ59は、一度、押圧するとオン状態になり、LED59aが点灯する。そして、もう一度、押圧すると、オフ状態になり、LED59aが消灯する。
また、ブロワ風量切替スイッチ58(風量操作スイッチ)をオフ位置に設定するか、オフスイッチ61を押圧してもA/Cスイッチ59がオフ状態になってLED59aが消灯し、コンプレッサがオフする。
運転席側温度設定スイッチ62は、運転席側空調ゾーン内の温度を設定するためのスイッチであり、アップスイッチ62aとダウンスイッチ62bとからなる。
また、助手席側温度設定スイッチ63は、助手席側空調ゾーン内の温度を設定するためのスイッチであり、アップスイッチ63aとダウンスイッチ63bとからなる。
エアコンECU10の内部には、CPU、ROM(EEPROM)、RAM、およびI/Oポート等が設けられている。
そして、各種センサからのセンサ信号がI/Oポートを介して入力され、A/D変換回路によってA/D変換された後にCPUに入力される。
具体的には、乗員または乗員周りの温度を非接触状態で検出するIRセンサ70(非接触温度センサ)、および車室外温度を検出する外気温センサ72がエアコンECU10に電気接続されている。
内気温センサを兼ねるIRセンサ70は、温度設定スイッチを成す運転席側温度設定スイッチ62、助手席側温度設定スイッチ63、および風量操作スイッチであるブロワ風量切替スイッチ58よりも車両天井側、つまり、上方位置のインストルメントパネル50内に配設(下記に詳述する)されている。また、IRセンサ70を配設している旨を、配設箇所の図示右側に『IR SENSOR』という文字で表示している。
図1、図3のIRセンサ70は、図13に示す様に、インストルメントパネル50の意匠面を構成する樹脂製ボード50aの内穴に挿入されて固定されており、樹脂製のセンサケース701の内部空間706に、レンズ兼フィルタとなるフィルタ部材として構成された透過膜702と赤外線検出素子703とが取り付けられている。
センサケース701の前面は円錐台状の斜面(またはスロープ)704を持っており、すり鉢形状の底に透過膜702が位置する構成となっている。
θはIRセンサ70の視野角であり、この視野角θ内の物体の表面から反射した赤外線が透過膜702を通過した赤外線検出素子703に入射する様になっている。
上記の如く、円錐台状の構成とすることにより、斜面704で異物等が滑落して除去されるので、フィルタ部材またはレンズ部材からなる透過膜702の前にゴミ等の異物が溜まり難くなり、検出したい赤外線がゴミ等で遮断されてしまうことを防止することができる。
更に、IRセンサ70の視野角θを遮ることが無い様に、インストルメントパネル50の意匠面を構成する樹脂製ボード50aの空洞705の奥にIRセンサ70を設けることができるので、乗員が透過膜702の表面を触れ難く、表面が指等の脂等で汚れるのを防止できる。
つまり、乗員や窓の車室内表面から赤外線を測定することにより車室内物体の表面温度を測定して車室内の空調温度を制御するIRセンサ70の取り付けにおいて、IRセンサ70は、少なくとも赤外線検出素子703と、赤外線検出素子703の前面を覆う透過膜702とを有し、透過膜702をIRセンサ70に取り付ける部材の表面から奥に入った空洞705内に設けられている。
この様に、空洞705の奥にIRセンサ70を設けることによって、指等で汚れることがない。また、空洞705の一部を斜面704として形成することにより異物を滑落させて除去できる。また、空洞705の形状は、視野角θを確保できる円錐台の形にすることが望ましい。
また、エバポレータ41を通過した直後の空気温度(以下エバ後温度と言う)を検出するエバ後温度センサ74、車両のエンジン冷却水温を検出する冷却水温センサ75、車室内の相対湿度を検出する湿度センサ76、および車速を検出する車速センサ(図示せず)もエアコンECU10に電気接続されている。
湿度センサ76は、運転席近傍のインストルメントパネル50の前面に形成された凹所内に収容されている。
これらセンサの内、外気温センサ72、エバ後温度センサ74、およびエンジン冷却水温センサ75は、サーミスタ等の感温素子を使用している。
また、77は、冷凍サイクルの高圧側圧力を検出する冷媒圧力センサであり、レシーバとエキスパンション・バルブとの間に配されている。
つぎに、本実施例の車両用オートエアコンAの作動を図4〜図8に基づいて説明する。 図4は、エアコンECU10の制御プログラムを示すフローチャートである。 図8は、IRセンサ70が出力するセンサ出力から乗員周り温度TIRを算出し、目標吹出口温度TAOを演算するフローチャートである。
イグニッションスイッチがオンになると、エアコンECU10に直流電源が供給され、ROMに格納されている制御プログラム(図4のフローチャート)に従ってCPUが動作する。
図4のステップS1において、データ処理用のメモリである、エアコンECU10のRAMの記憶内容を初期化する。
ステップS2において、エアコン操作パネル51の各種操作スイッチからのスイッチ信号や、下記に示す各データ(検出値)をRAMに読み込む。
エバ後温度センサ74のセンサ出力をA/D変換し、このデジタル値を温度に換算して得られたエバ後温度TEを記憶する。
冷却水温センサ75のセンサ出力をA/D変換し、このデジタル値を温度に換算して得られたエンジン冷却水温TWを記憶する。
図8のフローチャートのステップs3で得られた平均の乗員周り温度TIR(16)を記憶する。
以下に示す、図8のステップs1〜ステップs4の処理は、図4のステップS1〜ステップS10の処理とともに実施される。
図8のステップs1において、乗員周り温度を検出するIRセンサ70の検出値を250ms毎に入力する。
ステップs2において、検出乗員周り温度を乗員周り温度TIR(1)とする。
ステップs3において、TIR16回分を平均し、TIR(16)とする。
ステップs4において、以下に示す演算式に基づいて、運転席側の目標吹出口温度TAODr、および助手席側の目標吹出口温度TAOPaを演算する。
TAODr=Kset×TSETDr−KIR×TIR(16)
−Kam×TAMdisp+C

TAOPa=Kset×TSETPa−KIR×TIR(16)
−Kam×TAMdisp+C

但し、運転席側空調ゾーン内の設定温度TSETDr
助手席側空調ゾーン内の設定温度TSETPa
設定温係数Kset=7.0
IR係数KIR=5.1
IRセンサの検出値:TIR(℃)
外気温係数Kam=1.0
外気温TAMdisp(℃)
補正定数C=−45
図4のステップS3において、図8のステップs4で演算した各目標吹出口温度TAOを取り込む。
ステップS4において、運転席側の目標吹出口温度TAODr、助手席側の目標吹出口温度TAOPaに基づいてブロワ風量{ブロワモータ9に印加するブロワ制御電圧VADr、VAPa}を演算する。
具体的には、上記の各ブロワ制御電圧VAを以下の様に求める。
図5の特性図に基づいて、運転席側の目標吹出口温度TAODr、助手席側の目標吹出口温度TAOPaに適合する、ブロワ制御電圧VADr、ブロワ制御電圧VAPaを求める。
つぎに、ブロワ制御電圧VADr、ブロワ制御電圧VAPaを平均化処理する。
ステップS5において、下記に示す演算式に基づいて、運転席側エアミックスドア15のA/M開度SWDr(%)、および助手席側エアミックスドア16のA/M開度SWPa(%)を演算する。
SWDr={TAODr−TE}×{100/(TW−TE)}
SWPa={TAOPa−TE}×{100/(TW−TE)}
但し、TAODrは運転席側の目標吹出口温度、TAOPaは助手席側の目標吹出口温度、TEはエバ後温度センサ74が検出するエバ後温度、TWは冷却水温センサ75が検出するエンジン冷却水温である。
ステップS6において、目標エバ後温度TEOと、エバ後温度センサ74が検出する実際のエバ後温度TEとが一致するように、フィードバック制御(PI制御)を行ってコンプレッサの目標吐出容量を決定する。
具体的には、コンプレッサに付設された電磁式容量制御弁の電磁ソレノイドに供給する制御電流の目標値となるソレノイド電流(制御電流:In )を下記の演算式に基づいて決定する。
n =TE−TEO
n =In-1 −Kp{(En −En-1 )+(θ/Ti)×En
ここで、TEはエバ後温度センサ74が検出する実際のエバ後温度、TEOは目標エバ後温度、Kpは比例定数(例えば0.03)、θはサンプリング時間(例えば1秒間)、Tiは積分定数(例えば1000)、En は今回の温度偏差(℃)、En-1 は前回の温度偏差(℃)、In は今回の制御電流(A)、In-1 は前回の制御電流(A)である。
ステップS7において、ステップS4で決定されたブロワ制御電圧VADr、ブロワ制御電圧VAPaとなるようにブロワ駆動回路8に制御信号を出力する。ステップS8において、ステップS5で決定されたA/M開度SWDr、A/M開度SWPaとなる様に、サーボモータ17、18に制御信号を出力する。
ステップS9において、図6の特性図に基づいて、運転席側の目標吹出口温度TAODr、助手席側の目標吹出口温度TAOPaに適合する吹出口モードをそれぞれ決定し、出力する。
ステップS10において、ステップS6で決定したソレノイド電流In を、コンプレッサに付設された電磁式容量制御弁の電磁ソレノイドに出力し、ステップS2に戻る。
つぎに、本実施例の車両用オートエアコンAの利点を述べる。
運転席側温度設定スイッチ62、助手席側温度設定スイッチ63、および風量操作スイッチであるブロワ風量切替スイッチ58よりも上方位置のインストルメントパネル50にIRセンサ70を配設している。
このため、乗員(運転手や同乗者)が、運転席側温度設定スイッチ62や助手席側温度設定スイッチ63を手で操作(温度設定や風量設定)する際に、IRセンサ70の検出範囲70aに入ってしまうことを防止できる(図7参照)。
このため、乗員または乗員周りの温度をIRセンサ70が正確に検出でき、風量ハンチング等を起こさず、快適に空調制御が行われる。
IRセンサ70を配設している旨を、配設箇所の図示右側に『IR SENSOR』という文字で表示している。
このため、乗員がIRセンサ70の存在を認識して、運転席側温度設定スイッチ62、助手席側温度設定スイッチ63、およびブロワ風量切替スイッチ58を操作する際にIRセンサ70の近傍に手を近づけない様になるため、IRセンサ70の検出範囲70a内に手が入ってしまうことを確実に防止できる。
インストルメントパネル50にIRセンサ70を設けているので、モジュールとして車両メーカーに納入し易く、車両メーカーの組付費を低減できる。また、マイクロコンピュータとの距離が近づくので、電気接続するための配線が短くて済みノイズに強くなって制御が安定するとともに、コストを安価にできる。
つぎに、本発明の実施例2に係る車両用オートエアコンBを、図9、図10に基づいて説明する。
車両用オートエアコンBの基本的な構成は、車両用オートエアコンAと同様である。なお、車両用オートエアコンBのエアコン操作パネルは、アームレスト81内に配設されている。
本実施例では、複数のオーディオスイッチ82やナビゲーションスイッチ83を配した、オーディオ兼ナビゲーションシステム84の操作パネル80がインストルメントパネル50に配設されている。なお、空調用の各種スイッチ(温度設定スイッチ、風量操作スイッチ)は、操作パネル80内に収納されている。
そして、オーディオスイッチ82やナビゲーションスイッチ83より上方位置のインストルメントパネル50にIRセンサ70を配設している。
つぎに、本実施例の車両用オートエアコンBの作動を、図4および図10に基づいて説明する。
図4は、エアコンECU10の制御プログラムを示すフローチャートである。 図10は、IRセンサ70が出力するセンサ出力から乗員周り温度TIRを算出し、目標吹出口温度TAOを演算するフローチャートである。
イグニッションスイッチがオンになると、エアコンECU10に直流電源が供給され、ROMに格納されている制御プログラム(図4のフローチャート)に従ってCPUが動作する。
図4のステップS1において、データ処理用のメモリである、エアコンECU10のRAMの記憶内容を初期化する。
ステップS2において、エアコン操作用の各種操作スイッチからのスイッチ信号や、下記に示す各データ(検出値)をRAMに読み込む。
エバ後温度センサのセンサ出力をA/D変換し、このデジタル値を温度に換算して得られたエバ後温度TEを記憶する。
冷却水温センサのセンサ出力をA/D変換し、このデジタル値を温度に換算して得られたエンジン冷却水温TWを記憶する。
図10のフローチャートのステップst5で得られた平均の乗員周り温度TIR(16)を記憶する。
以下に示す、図10のステップst1〜ステップst6の処理は、図4のステップS1〜ステップS10の処理とともに実施される。
図10のステップst1において、オーディオスイッチ82やナビゲーションスイッチ83の操作検知から5秒以内か否かを判別し、操作検知から5秒を超えている場合(NO)にはステップst2に進み、操作検知から5秒以内の場合(NO)にはステップst4に進む。
ステップst2において、検出乗員周り温度を検出するIRセンサ70の検出値を250ms毎に入力する。
ステップst3において、検出乗員周り温度を乗員周り温度TIR(1)とする。
ステップst4において、メモリに格納されている、操作検知から10秒前のIRセンサ70の検出値を読み出して用い、乗員周り温度TIR(1)とする。なお、乗員周り温度TIR(2)、TIR(3)…は、操作検知から10秒前+250ms、500ms経過時のIRセンサ70の検出値である。
ステップst5において、250ms毎に得られるTIR16回分を平均し、TIR(16)とする。
ステップst6において、以下に示す演算式に基づいて、運転席側の目標吹出口温度TAODr、および助手席側の目標吹出口温度TAOPaを演算する。
TAODr=Kset×TSETDr−KIR×TIR(16)
−Kam×TAMdisp+C

TAOPa=Kset×TSETPa−KIR×TIR(16)
−Kam×TAMdisp+C

但し、運転席側空調ゾーン内の設定温度TSETDr
助手席側空調ゾーン内の設定温度TSETPa
設定温係数Kset=7.0
IR係数KIR=5.1
IRセンサの検出値:TIR(℃)
外気温係数Kam=1.0
外気温TAMdisp(℃)
補正定数C=−45
図4のステップS3において、ステップst6で演算した各目標吹出口温度TAOを取り込む。
以下、図4のステップS4〜S10迄の制御は、車両用オートエアコンAに準じる。
本実施例の車両用オートエアコンBは、上記効果以外に、以下に示す利点を有する。
オーディオスイッチ82やナビゲーションスイッチ83より上方位置のインストルメントパネル50にIRセンサ70を配設している。
このため、乗員(運転手や同乗者)が、オーディオスイッチ82やナビゲーションスイッチ83を手で操作(音量調節、ナビ操作等)する際に、IRセンサ70の検出範囲70a外で操作を行うことができる。
このため、乗員または乗員周り温度をIRセンサ70が正確に検出でき、風量ハンチング等を起こさず、快適に空調制御が行われる。
つぎに、本発明の実施例3に係る車両用オートエアコンDに用いる車両用温度検出装置Eを、図2、図4、図8、および図14に基づいて説明する。
本実施例の車両用オートエアコンDは、エアコン操作パネル51が、タッチ操作式の液晶モニター85に変更されている以外は、実施例1の車両用オートエアコンA(図2参照)と同じである。なお、液晶モニター85は、エアコン以外に、オーディオ、およびナビゲーションの操作を兼用している。
そして、車両用オートエアコンDは、車両用温度検出装置Eが検出する乗員周り温度(図8参照)に基づいて目標吹出口温度TAOを求め、この目標吹出口温度TAOに基づいて各空調用アクチュエータを制御(図4参照)している。
車両用温度検出装置Eは、カバー91(亜鉛合金製)と、非接触温度センサ92とを備え、パネル意匠であるプラスチック製ボード50bの配設孔86内に装着されている。なお、配設孔86の形成位置は、車両中心軸より若干、助手席側であり、液晶モニター85より上方である。また、配設孔86の形状は開口部が長方形の連通孔である。
カバー91は、外形が四角柱状を呈し、前面にすり鉢状の窪み90を形成し、窪み90と連通する凹所90bを後部に形成している。この凹所90b内には、非接触温度センサ92が配設されている。
プラスチック製ボード50bは、インストルメントパネル50(ABS製)の一部であり、インストルメントパネル50の装着穴500に嵌め込まれて、インストルメントパネル50と一体化している。
非接触温度センサ92は、センサ容器である缶93(プラスチック製)の前側に、ゲルマニウムコーティング(フィルタとして機能)したシリコンレンズを配設して温度感知窓94を形成し、熱電対であるIRセンサ素子95を缶93の奥方に配置している。また、缶93内部に不活性ガス96(窒素)を封入している。
窪み90は、前端から奥部に向かって断面積が徐々に小さくなっていく略円錐台状を呈する。この窪み90は、車室内の乗員方向に開口しているとともに、その下側内面は車室側に向かって下方に傾斜している。この窪み90の奥に温度感知窓94が位置し、これにより、90°の視野角を確保している。
本実施例は、以下に示す利点を有する。
車両用オートエアコンDは、エアコン、オーディオ、およびナビゲーションのタッチ式操作を行う液晶モニター85の上方に車両用温度検出装置Eの窪み90を設けている。
このため、乗員(運転手や同乗者)が、エアコン、オーディオ、またはナビゲーションの操作を液晶モニター85にタッチして行う際に、車両用温度検出装置Eの検出範囲に手が入ってしまうことを防止できる。
これにより、乗員周り温度を車両用温度検出装置Eが正確に検出でき、風量ハンチング等を起こさず、快適に空調制御が行われる。
非接触温度センサ92の温度感知窓94が窪み90の奥に位置しているので、乗員の指等が温度感知窓94に触れることを防止でき、指の油や垢等が温度感知窓94に付着し難く汚れ難い。このため、車両用温度検出装置Eは、車室内の乗員または乗員周りの温度を高精度に検出できる。
これに対し、図18に示す、すり鉢状の窪みを持たない比較品の車両用温度検出装置Xでは、乗員の指がレンズ面901に触れ易く、レンズ面901に指の油や垢等が付着し易い。
また、車室内のインストルメントパネル50等を清掃する洗剤液等もレンズ面901に付着し易い。なお、レンズ面901が汚れると、乗員周りの温度の検出精度が低下する。
窪み90がすり鉢状であり、下側斜面が車室側に向かって下方に傾斜しているので、窪み90の入り口から塵や埃が窪み90内に入っても、窪み90の下側内面に落下して下側内面から滑って窪み90外の車室内へ落ちるので、窪み90内に付着し難く、車両用温度検出装置Eの温度感知を妨げない。
これに対し、図18に示す、すり鉢状の窪みを持たない比較品の車両用温度検出装置Xでは、車室側に向かって下方に傾斜する斜面が無いので塵や埃が凹部902内に堆積し易い。
窪み90の奥に位置する温度感知窓94から車室内を見れば、奥部から前端に向かって窪み90の断面積が徐々に大きくなっていくので、非接触温度センサ92の温度感知エリアを広く(視野角約90°)確保できる。また、車室内の乗員方向に窪み90が開口しているので、乗員周りの温度を高精度に検出できる。
窪み90の奥に温度感知窓94が位置する様に、非接触温度センサ92を凹所90b内に配設しているので、温度感知窓94以外からの熱を遮断する遮熱手段(塗装等)を非接触温度センサ92に施す必要がなく、コストを低減できる。
乗員周りの熱を、缶93の前側に設けたシリコンレンズで集めてIRセンサ素子95に効率良く送ることができる。また、非接触温度センサ92の劣化の原因となる波長の熱や光をゲルマニウムコーティングによるフィルタでカットすることができる。
カバー91の前端面を、前もって円錐台状に整形して窪み90にすることができるので、窪み90の形成に手間がかからない。
また、カバー91に窪み90が形成されているので、非接触温度センサ92を配設孔86内に装着するだけで良い。
つぎに、本発明の実施例4に係る車両用温度検出装置Fを、図14の(b)および図15に基づいて説明する。
車両用温度検出装置Fは、すり鉢状の窪み90を前端面に形成したカバー91(亜鉛合金製)と、非接触温度センサ92とを備え、パネル意匠であるプラスチック製ボード50bの配設孔87内に装着されている。なお、非接触温度センサ92の構造は、実施例3のものと同じである。
カバー91は、外形が四角柱状を呈し、前面にすり鉢状の窪み90を形成し、窪み90の底に連通する凹所90bを後部に形成している。この凹所90b内には、非接触温度センサ92が配設されている。また、カバー91の上下左右の各外壁には、配設用の爪97が形成されている。
プラスチック製ボード50bは、インストルメントパネル50の装着穴500に嵌め込まれ、インストルメントパネル50と一体化している。このプラスチック製ボード50bの所定位置には、開口が長方形で、ボード内に延びる筒状部を有する配設孔87が形成されている。
この配設孔87には、爪97を係止して非接触温度センサ92を配設孔87内に固定するための係着孔(図示せず)が形成されている。なお、非接触温度センサ92は、カバー91の前端面98と、プラスチック製ボード50bの前面とが面一になる様に、配設孔87内に装着されている。
窪み90は、前端から奥部に向かって断面積が徐々に小さくなっていく略円錐台状を呈する。この窪み90は、車室内の乗員方向に開口しているとともに、その下側内面は車室側に向かって下方に傾斜している。この窪み90の奥に温度感知窓94が位置する様に、非接触温度センサ92がカバー91に包囲されている。これにより、車両用温度検出装置Fは、90°の視野角を確保している。
本実施例は、上記効果以外に、以下に示す利点を有する。
車両用温度検出装置Fは、カバー91の上下左右の外壁に配設用の爪97を形成し、係着孔を配設孔87の筒状部に形成しているので、非接触温度センサ92を配設孔87の外側から配設孔87内に押し込むことにより、簡単に配設孔87に固定することができる。
つぎに、本発明の実施例5に係る車両用温度検出装置Gを、図14の(b)および図16に基づいて説明する。
車両用温度検出装置Gは、窪み90を前端面に形成したカバー91(亜鉛合金製)と、非接触温度センサ92とを備え、パネル意匠であるプラスチック製ボード50bの配設孔87内に装着されている。なお、非接触温度センサ92の構造は,実施例3のものと同じである。
カバー91は、外形が四角柱状を呈し、窪み90を前面に形成し、窪み90の底に連通する凹所90bを後部に形成している。この凹所90b内には、非接触温度センサ92が配設されている。また、カバー91の上下左右の各外壁には、配設用の爪97が形成されている。
配設孔87は、ボード内に延びる筒状を呈し、開口部が長方形である。この配設孔87には、爪97を係止して非接触温度センサ92を配設孔87内に固定するための係着孔(図示せず)が形成されている。なお、非接触温度センサ92は、カバー91の前端面98と、プラスチック製ボード50bの前面とが面一になる様に、配設孔87内に装着されている。
プラスチック製ボード50bは、インストルメントパネル50の装着穴500に嵌め込まれ、インストルメントパネル50と一体化している{図14の(b)参照}。このプラスチック製ボード50bの所定位置には、配設孔87が形成されている。
窪み90は、前端から奥部に向かって断面積が徐々に小さくなっていく略四角錐台状を呈する。この窪み90は、車室内の乗員方向に開口しているとともに、その下側内面は車室側に向かって下方に傾斜している。この窪み90の奥に温度感知窓94が位置する様に、非接触温度センサ92がカバー91に包囲されている。これにより、車両用温度検出装置Gは、90°の視野角を確保している。
本実施例の車両用温度検出装置Gは、窪み90が略四角錐台状を呈するので、車室内の乗員または乗員周りの温度の検出領域を四角形にすることができる。
本発明は、上記実施例以外に、以下の実施態様を含む。
a.図11に示す様に、IRセンサ70を、車両中心軸より助手席寄りのインストルメントパネル50に配設しても良い。
この構成の車両用オートエアコンCでは、運転手がオーディオスイッチ、ナビゲーションスイッチ、ブロワ風量切替スイッチ、または温度設定スイッチを手で操作する際に、確実にIRセンサ70の検出範囲外で操作を行うことができる。また、ハンドルの影響も回避できる。
このため、乗員または乗員周り温度をIRセンサ70が正確に検出でき、快適に空調制御が行われる。
b.オーディオスイッチ82、ナビゲーションスイッチ83、ブロワ風量切替スイッチ58、または温度設定スイッチ62、63が操作されたことを検知すると、現在または所定時間前のIRセンサ70の検出値を略維持する構成であっても良い。
c.図12に示す様に、外気温やIRセンサ70が検出した温度を液晶ディスプレイ52に表示する様にしても良い。
d.造形物、デザイン、または模様の一部に窪みを形成しても良い。
例えば、図17に示す如く、文字99の一部を窪み90として利用する。こうすれば、乗員が文字の一部として窪み90を視認し、窪み90を窪みと意識しないので、見栄えが良い。
e.インストルメントパネル50や、パネル意匠であるプラスチック製ボード50bに直接、窪み90を形成しても良い。
(a)はインストルメントパネル周りの斜視図であり、(b)はエアコン操作パネルの説明図である。 本発明の実施例1に係る車両用オートエアコンの全体構成を示す説明図である。 車両のインストルメントパネル周りを示す説明図である。 エアコンECUの制御プログラムを示すフローチャートである。 目標吹出口温度に対するブロワ制御電圧特性を示す特性図である。 目標吹出口温度に対する吹出口モード特性を示す特性図である。 各配設位置におけるIRセンサの検出範囲の説明図である。 IRセンサが出力するセンサ出力から乗員周り温度TIRを算出し、目標吹出口温度TAOを演算するフローチャートである。 本発明の実施例2に係る車両用オートエアコンのインストルメントパネル周りの斜視図である。 IRセンサが出力するセンサ出力から乗員周り温度TIRを算出し、目標吹出口温度TAOを演算するフローチャートである。 他の実施例に係る車両用オートエアコンのインストルメントパネル周りの斜視図である。 (a)は他の実施例に係るエアコン操作パネルの説明図であり、(b)はそのインストルメントパネル周りの斜視図であり、(c)はIRセンサが出力するセンサ出力から乗員周り温度TIRを算出し、目標吹出口温度TAOを演算するフローチャートである。 IRセンサをインストルメントパネルに配設した部位の説明図である。 (a)は本発明の実施例3に係る車両用オートエアコン用の車両用温度検出装置を装着したプラスチック製ボード周りの断面図であり、(b)は車両用オートエアコンを装着した車両のインストルメントパネル周りの斜視図である。 本発明の実施例4に係る車両用温度検出装置を装着したプラスチック製ボード周りの断面図である。 本発明の実施例5に係る車両用温度検出装置を装着したプラスチック製ボード周りの断面図である。 窪みの変形例を示す説明図である。 比較品の車両用温度検出装置を装着したプラスチック製ボード周りの断面図である。
符号の説明
A、B、D 車両用オートエアコン(車両用空調装置)
10 エアコンECU(制御部)
50 インストルメントパネル
50b プラスチック製ボード(パネル意匠部材)
58 ブロワ風量切替スイッチ(風量操作スイッチ)
62 運転席側温度設定スイッチ(温度設定スイッチ)
63 助手席側温度設定スイッチ(温度設定スイッチ)
70 IRセンサ(非接触温度センサ)
82 オーディオスイッチ
83 ナビゲーションスイッチ
84 オーディオ兼ナビゲーションシステム
86、87 配設孔
90 窪み
91 カバー(センサハウジング)
92 非接触温度センサ
93 缶(センサ容器)
94 温度感知窓
95 IRセンサ素子(熱電対)

Claims (11)

  1. 車両の乗員または乗員周りの温度を非接触温度センサで検出し、
    該非接触温度センサの検出温度に基づいて車室内に吹き出す空調風の温度を制御する制御部を有する車両用空調装置であって、
    前記非接触温度センサを前記車両のインストルメントパネルに設け、且つ、該インストルメントパネルに設けられた、温度設定スイッチ、風量操作スイッチ、オーディオスイッチ、およびナビゲーションスイッチの内、何れか一つのスイッチよりも車両天井側である上方に前記非接触温度センサを配設したことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記温度設定スイッチ、前記風量操作スイッチ、前記オーディオスイッチ、および前記ナビゲーションスイッチの全てよりも車両天井側である上方に前記非接触温度センサを配設したことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記制御部は、前記温度設定スイッチ、前記風量操作スイッチ、前記オーディオスイッチ、および前記ナビゲーションスイッチの内、何れか一つのスイッチが操作されたか否かを検知し、
    操作を検知すると、該検知から所定時間前に前記非接触温度センサで検出され記憶されていた検出値に基づいて前記空調風の温度制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記制御部は、前記温度設定スイッチ、前記風量操作スイッチ、前記オーディオスイッチ、および前記ナビゲーションスイッチの内、何れか一つのスイッチが操作されたか否かを検知し、
    操作を検知すると、該検知から所定時間前に前記非接触温度センサで検出され記憶されていた複数の検出値を実質的に平均化した検出値に基づいて前記空調風の温度制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置。
  5. 前記非接触温度センサの配設位置は、車両中心軸より助手席側であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置。
  6. 前記非接触温度センサは赤外線温度センサであり、
    該赤外線温度センサを配設している旨を配設箇所近傍に表示したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置。
  7. パネル前端から奥に向かって断面積が徐々に小さくなっていく様に、円錐台状または角錐台状の窪みが前記インストルメントパネルの表面側に形成され、
    前記窪みの奥に前記非接触温度センサの温度感知窓を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置。
  8. 前記窪みは車室内の乗員方向に開口しているとともに、前記窪みの下側内面は車室側に向かって下方に傾斜していることを特徴とする請求項7に記載の車両用空調装置。
  9. 前記窪みは、前記インストルメントパネルの一部であるパネル意匠部材に直接形成されていることを特徴とする請求項7に記載の車両用空調装置。
  10. 前記非接触温度センサは、温度検出素子を収納するセンサ容器と、該センサ容器を包囲するセンサハウジングとを有し、前記温度感知窓をレンズとフィルタで形成して前記センサ容器の前側に設け、前記センサ容器の奥方に前記温度検出素子を成す熱電対を配置してなり、
    前記センサハウジングの前端面を円錐台状または角錐台状に形成して前記窪みとしたことを特徴とする請求項7に記載の車両用空調装置。
  11. 前記インストルメントパネルの一部であるパネル意匠部材に配設孔を形成して、前記非接触温度センサを前記配設孔内に設けたことを特徴とする請求項7に記載の車両用空調装置。
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