JP2001097019A - 空調装置 - Google Patents

空調装置

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JP2001097019A
JP2001097019A JP27472699A JP27472699A JP2001097019A JP 2001097019 A JP2001097019 A JP 2001097019A JP 27472699 A JP27472699 A JP 27472699A JP 27472699 A JP27472699 A JP 27472699A JP 2001097019 A JP2001097019 A JP 2001097019A
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air conditioner
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air
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JP27472699A
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Yoshinori Isshi
好則 一志
Yuichi Kajino
祐一 梶野
Takamasa Kawai
孝昌 河合
Toshifumi Kamiya
敏文 神谷
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外線カメラ等の非接触温度検出手段の誤検
出による温感に合わない空調制御を改善する。 【解決手段】 室内の対象物の温度を検出する非接触温
度検出センサ90、91により検出される検出温度T
(i)の平均値を人員温度TI(i)として算出して所定時間
間隔毎に更新し、続いて、この人員温度TI(i)の偏差
が時定数τをもって変化するように人員温度TI(i)の
値を補正し、この補正された人員温度TI(i)に基づい
て、車両用空調装置1を制御する。これにより、人員温
度TI(i)の更新には時定数がかけられ、変化しにくく
なるように補正が加えられるので、誤検出による温度変
化を制御に反映されにくくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線カメラ等の
非接触温度検出手段により検出される室内の対象物温度
に基づいて制御される空調装置に関するもので、特に車
両用空調装置の制御に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開平7−243687号公報
に記載の発明では、赤外線カメラのごとく、人員(対象
物)に直接に接触することなく人員の(皮膚)温度を検
出する非接触温度センサを用いて空調装置を制御してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、人員が、熱
い飲み物又は冷たい飲み物を飲んだときや、喫煙又は使
い捨て冷却剤を使用するなどして、赤外線カメラの温度
検出範囲に実際の皮膚温度とは異なる温度の物が入る場
合、赤外線カメラは実際の皮膚温度とは異なる温度を誤
って検出してしまう(以下、このように、実際と異なる
温度を検出することを誤検出と呼ぶ。)。よって、例え
ば、図13に示すように、温感が寒く、暖房運転中に、
実際の人員皮膚温度(27℃)ではなく、缶コーヒーの
温度(70℃)を誤検出してしまい、過剰に暖房してい
ると誤判断し、暖房が弱められてしまう等の温感に合わ
ない空調制御が行われてしまうという問題が発生する。
【0004】特に、空調装置の運転始動直後等、室内温
度と皮膚温度との差が大きい場合には、温感に合わない
空調制御によって著しく空調フィーリングを悪化させ、
また、瞬時に快適な温感にする応答性を妨げていた。
【0005】本発明は上記点に鑑みて、誤検出による温
感に合わない空調制御を改善することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、請求項1に記載の発明では、空調手段
(1)と、対象物温度(TI(i))を検出する非接触温
度検出手段(90、91、S120)と、対象物温度
(TI(i))に基づいて空調手段(1)を制御する空調
制御手段(S130)と、空調制御手段(S130)に
向けて対象物温度(TI(i))を出力する出力タイミン
グを制御する出力制御手段(S1242、S1272)
とを有し、出力制御手段(S1242、S1272)
は、対象物温度(TI(i))の変化に応じて、出力タイ
ミングを変化させることを特徴としている。
【0007】これにより、対象物温度(TI(i))が変
化した場合に、対象物温度(TI(i))を出力する出力
タイミングを変化させることができる。
【0008】よって、対象物温度(TI(i))の変化が
誤検出による場合において、室内温度と対象物温度(T
I(i))との差が小さくなったときに、誤検出による対
象物温度(TI(i))を空調制御手段(S130)に向
けて出力すれば、誤検出による空調フィーリングの悪化
を抑制することができ、温感に即した空調制御を行うこ
とが可能となる。
【0009】また、請求項2に記載の発明では、出力制
御手段は、対象物温度(TI(i))の変化に応じて、空
調制御手段(S130)に向けて出力した出力タイミン
グから次回の出力タイミングまでの出力タイミング間隔
(L)を変化させることを特徴としている。
【0010】これにより、対象物温度(TI(i))が変
化した場合に、出力タイミング間隔(L)を変化させる
ことができる。
【0011】よって、対象物温度(TI(i))の変化が
誤検出による場合において、出力タイミング間隔(L)
を長くして、室内温度と対象物温度(TI(i))との差
が小さくなったときに、誤検出による対象物温度(TI
(i))を出力すれば、誤検出による空調フィーリングの
悪化を抑制することができ、温感に即した空調制御を行
うことが可能となる。
【0012】ところで、対象物温度変化のうち、誤検出
による温度変化は実際の温度変化に比べて大きく変化す
る。そこで、請求項3に記載の発明のように、出力タイ
ミング間隔(L)を対象物温度変化量が大きければ大き
いほど長くさせれば、対象物温度変化のうち、誤検出に
よる対象物温度変化に対して、請求項1または2に記載
の発明の効果をより正確に発揮することができ、誤検出
による空調フィーリングの悪化を抑制することができ
る。
【0013】ところで、対象物温度(TI(i))より室
内温度が特に低く、瞬時に暖房して快適な温感にしたい
場合のごとく空調手段(1)の応答性が要求される場合
に、単純に、対象物温度(TI(i))の出力タイミング
間隔(L)を長くさせると、前記応答性を悪化させてし
まうおそれがある。
【0014】これに対して、請求項4に記載の発明で
は、空調手段(1)の熱負荷が増加するように対象物温
度(TI(i))が変化した場合には、出力タイミング間
隔(L)は、熱負荷が減少するように対象物温度(TI
(i))が変化した場合に比べて、短くされることを特徴
としているので、暖房を弱める誤検出よりも暖房を強め
る誤検出による対象物温度(TI(i))の出力タイミン
グ間隔(L)を短くさせることができ、上述の空調手段
(1)の応答性の悪化を抑制できる。なお、冷房運転中
においても上述の暖房運転と同様の効果が得られる。
【0015】また、請求項5に記載の発明では、対象物
温度(TI(i))の対象物温度変化量に基づいて空調手
段(1)を制御する空調制御手段(S130)と、空調
制御手段(S130)に向けて対象物温度変化量を出力
する出力制御手段とを有し、出力制御手段は、対象物温
度(TI(i))の変化に応じて、対象物温度変化量の出
力を遅らせることを特徴としている。
【0016】これにより、対象物温度(TI(i))が変
化した場合に、対象物温度変化量の出力を遅らせること
ができる。
【0017】よって、対象物温度(TI(i))の変化が
誤検出による場合において、室内温度と対象物温度(T
I(i))との差が小さくなったときに、誤検出による対
象物温度(TI(i))の対象物温度変化量を出力すれ
ば、誤検出による空調フィーリングの悪化を抑制するこ
とができ、温感に即した空調制御を行うことが可能とな
る。
【0018】また、請求項6に記載の発明では、出力制
御手段は、対象物温度変化量の出力を遅らせる時間長さ
(L)を、対象物温度(TI(i))の変化に応じて変化
させることを特徴としているので、請求項2に記載の発
明と同様の効果が得られる。
【0019】また、請求項7に記載の発明では、対象物
温度変化量の出力を遅らせる時間長さ(L)は、対象物
温度変化量が大きければ大きいほど長くされることを特
徴としているので、請求項3に記載の発明と同様の効果
が得られる。
【0020】また、請求項8に記載の発明では、空調手
段(1)の熱負荷が増加するように、対象物温度変化量
が変化する場合には、対象物温度変化量の出力を遅らせ
る時間長さ(L)は、熱負荷が減少するように、対象物
温度変化量が変化する場合に比べて、短くされることを
特徴としているので、請求項4に記載の発明と同様の効
果が得られる。
【0021】また、請求項9に記載の発明では、空調手
段(1)と、室内の対象物の温度を検出する非接触温度
検出センサ(90、91)と、非接触温度検出センサ
(90、91)により検出される検出温度(T(i))を
対象物温度(TI(i))に補正して出力する補正手段
(S120)と、対象物温度(TI(i))に基づいて、
空調手段(1)を制御する空調制御手段(S130)と
を有することを特徴としている。
【0022】これにより、検出温度(T(i))が変化し
た場合に、検出温度(T(i))を対象物温度(TI(i))
に補正することができる。
【0023】よって、検出温度(T(i))の変化が誤検
出による場合において、検出温度(T(i))を対象物温
度(TI(i))に補正すれば、誤検出による空調フィー
リングの悪化を抑制することができ、温感に即した空調
制御を行うことが可能となる。
【0024】また、請求項10に記載の発明では、空調
手段(1)と、室内の対象物の温度を検出する非接触温
度検出センサ(90、91)と、非接触温度検出センサ
(90、91)により検出される検出温度(T(i))の
補正温度(TI(i))を出力する補正手段(S120)
と、補正温度(TI(i))に基づいて、空調手段(1)
を制御する空調制御手段(S130)とを有することを
特徴としている。
【0025】これにより、検出温度(T(i))が変化し
た場合に、検出温度(T(i))を補正温度(TI(i))に
補正することができる。
【0026】よって、検出温度(T(i))の変化が誤検
出による場合において、検出温度(T(i))を補正温度
(TI(i))に補正すれば、誤検出による空調フィーリ
ングの悪化を抑制することができ、温感に即した空調制
御を行うことが可能となる。
【0027】また、請求項11に記載の発明では、補正
手段(S120)は、N回の検出温度(T(i))から平
均値を算出して、この平均値を補正温度(TI(i))と
して空調制御手段(S130)に出力することを特徴と
している。
【0028】これにより、誤検出によって大きく変化し
た検出温度(T(i))は、他の検出温度(T(i))との平
均により均されるので、誤検出による空調フィーリング
の悪化を抑制することができ、温感に即した空調制御を
行うことが可能となる。
【0029】ところで、補正手段(S120)によっ
て、誤検出による検出温度(T(i))を誤検出によらな
い検出温度(T(i))と平均化させて補正温度(TI
(i))を算出する場合に、誤検出によらない検出温度
(T(i))の数(回数)が多い方が補正温度(TI(i))
を正確に算出することができる。
【0030】上記点に着目し、請求項12に記載の発明
では、空調手段(1)の熱負荷が減少するように検出温
度(T(i))が変化した場合には、N回の回数は、熱負
荷が増加するように検出温度(T(i))が変化した場合
に比べて、多くされることを特徴としている。
【0031】これにより、例えば室内温度が補正温度
(TI(i))より特に低く、瞬時に暖房して快適な温感
にしたい場合のごとく空調手段(1)の応答性が要求さ
れる場合に、暖房を弱めるように変化した補正温度(T
I(i))は、暖房を強めるように変化した補正温度(T
I(i))よりも正確に補正温度(TI(i))を算出するこ
とができるので、空調手段(1)の応答性の悪化を抑制
できる。なお、冷房運転中においても上述の暖房運転と
同様の効果が得られることはもちろんである。
【0032】ところで、仮に、N回の検出温度(T
(i))のうち、全ての検出温度(T(i))を補正温度(T
I(i))に補正して空調制御手段(S130)に出力す
ると、N回の検出温度(T(i))の中に誤検出による検
出温度(T(i))が存在する場合には、誤検出による検
出温度(T(i))が補正温度(TI(i))に影響を与え
る。
【0033】これに対し、請求項13に記載の発明で
は、補正手段(S120)は、N回の検出温度(T
(i))のうち、N回よりも少ないN−k回の検出温度
(T(i))を補正温度(TI(i))に補正して空調制御手
段(S130)に出力することを特徴としているので、
N回の検出温度(T(i))の中に誤検出による検出温度
(T(i))が存在する場合でも、誤検出による検出温度
(T(i))が補正温度(TI(i))に影響を与えることを
未然に防止できる。
【0034】ところで、N回の検出温度(T(i))のう
ち、補正温度(TI(i))に補正して空調制御手段(S
130)に出力するN−k回の検出温度(T(i))の、
回数が少ないほど誤検出による補正温度(TI(i))へ
の影響は小さくなることに着目し、請求項14に記載の
発明では、空調手段(1)の熱負荷が減少するように補
正温度(TI(i))が変化した場合には、N−k回の回
数は、熱負荷が増加するように補正温度(TI(i))が
変化した場合に比べて、少なくされることを特徴として
いる。
【0035】これにより、熱負荷が減少するように検出
温度(T(i))が変化した場合には、熱負荷が増加する
ように変化した場合に比べて、誤検出による補正温度
(TI(i))への影響をは小さくすることができるの
で、前述のように空調手段(1)の応答性が要求される
場合に、前記応答性の悪化を抑制できる。
【0036】また、請求項15に記載の発明では、空調
手段(1)と、非接触温度検出手段(90、91、S1
20)から出力される補正温度(TI(i))に基づい
て、空調手段(1)を制御する空調制御手段(S13
0)とを有し、非接触温度検出手段(90、91、S1
20)は、N回の補正温度(TI(i))のうち、N回よ
りも少ないN−k回の補正温度(TI(i))を空調制御
手段(S130)に出力することを特徴としている。
【0037】これにより、請求項13に記載の発明と同
様の理由により、誤検出による補正温度(TI(i))が
空調制御手段(S130)に影響を与えることを未然に
防止できる。
【0038】また、請求項16に記載の発明では、補正
手段(S120)は、検出温度(T(i))の検出温度偏
差が小さくなるように、検出温度(T(i))を補正する
ことを特徴としている。
【0039】これにより、検出温度(T(i))の変化が
誤検出による場合に、この検出温度偏差が小さくなるよ
うに検出温度(T(i))を補正すれば、検出温度(T
(i))は誤検出によって大きく変化しにくくなるので、
誤検出による空調フィーリングの悪化を抑制することが
できる。
【0040】また、請求項17に記載の発明では、補正
手段(S120)は、検出温度(T(i))の検出温度偏
差が時間とともに小さくなるように、検出温度(T
(i))を補正することを特徴としている。
【0041】これにより、検出温度(T(i))の変化が
誤検出による場合に、この検出温度偏差が時間とともに
小さくなるように検出温度(T(i))を補正すれば、検
出温度(T(i))は誤検出によって短時間で大きく変化
しにくくなり、時間とともに徐々に変化するので、誤検
出による空調フィーリングの悪化を抑制することができ
る。
【0042】また、請求項18に記載の発明では、補正
手段(S120)は、検出温度(T(i))の検出温度偏
差が所定の時定数(τ)をもって変化するように、検出
温度(T(i))を補正することを特徴としている。
【0043】これにより、検出温度(T(i))は変化し
にくくなるように補正されるので、誤検出による検出温
度(T(i))の温度変化が空調制御手段(S130)の
制御に反映されにくくなり、暖房が弱くなる不具合を防
止することができる。
【0044】ところで、人員温度変化のうち、誤検出に
よる温度変化は実際の温度変化に比べて大きく変化す
る。ここで、請求項19に記載の発明では、時定数
(τ)の大きさは、検出温度(T(i))の変化量に応じ
て変化されることを特徴としている。
【0045】これにより、人員温度変化のうち、誤検出
によらない人員温度変化よりも、誤検出による人員温度
変化に対して時定数τを大きくすることができる。よっ
て、人員温度変化が誤検出による場合において、時定数
τを長くすれば、より正確に誤検出による空調フィーリ
ングの悪化を抑制することができる。
【0046】また、検出温度変化のうち、誤検出による
温度変化は実際の温度変化に比べて大きく変化すること
に着目し、請求項20に記載の発明では、補正手段(S
120)は、所定温度範囲(A)外の温度である検出温
度(T(i))のみを補正することを特徴としているの
で、変化した検出温度(T(i))のうち、所定温度範囲
(A)外になるように大きく変化した誤検出による検出
温度(T(i))のみを補正することができ、誤検出によ
る空調フィーリングの悪化を抑制することができる。
【0047】また、請求項23に記載の発明では、補正
手段(S120)は、検出温度(T(i))の検出温度変
化量が所定温度変化量より多くなるように変化した検出
温度(T(i))のみを補正することを特徴としている。
【0048】また、請求項25に記載の発明では、補正
手段(S120)は、複数の検出温度(T(i))をそれ
ぞれ比較して、所定温度偏差より大きい偏差の検出温度
(T(i))のみを補正することを特徴としている。
【0049】なお、補正手段(S120)は、検出温度
(T(i))を補正温度(TI(i))に補正するが、請求項
21〜26に記載の補正手段(S120)には、検出温
度(T(i))をキャンセルするように補正する場合も含
む。
【0050】さらにまた、請求項20、22、24、2
6に記載の発明のように、請求項16〜19に記載の補
正手段(S120)により補正する補正量または、請求
項21に記載の所定温度範囲(A)または、請求項23
に記載の所定温度変化量または、請求項25に記載の所
定温度偏差を、前記室内の外部の温度(Tam)に応じ
て変化させれば、検出温度(T(i))の変化のうち、誤
検出により大きく変化した場合の検出温度(T(i))の
みを補正することを確実にできる。
【0051】また、請求項27に記載の発明では、空調
手段(1)の熱負荷が減少するように検出温度(T
(i))が変化した場合には、補正手段(S120)によ
り補正される補正量は、熱負荷が増加するように検出温
度(T(i))が変化した場合に比べて、多くされること
を特徴としているので、前述のように空調手段(1)の
応答性が要求される場合に、前記応答性の悪化を抑制で
きる。
【0052】さらにまた、請求項28、29、30に記
載の発明によれば、複数の空調範囲または、複数の対象
物または、複数の非接触温度検出センサ(90)、(9
1)に対してそれぞれの補正温度(TI(i))を検出で
きる。
【0053】因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後
述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す
一例である。
【0054】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)本実施形態は、
自動車用空調装置に本発明の空調装置を適用したもので
あり、以下、図1〜6により説明する。
【0055】図1は車室内のドライバー側への空調とパ
ッセンジャー側への空調とを独立制御するようにした左
右独立温度制御方式の車両用空調装置の全体構成図であ
り、車両用空調装置1(空調手段)は、車室内へ空調空
気を送るための送風ダクト2を備え、この送風ダクト2
の上流側にはブロワ3が配設され、その上流には、車室
内空気(内気)を導入するための内気導入口4、およ
び、車室外空気(外気)を導入するための外気導入口5
を有する内外気切替箱6が接続されている。
【0056】内外気切替箱6には、内気導入口4と外気
導入口5とを選択的に切り替えるための内外気切替ドア
7が回動自在に配設され、この内外気切替ドア7は、サ
ーボモータ等のアクチュエータ8は後述するエアコン制
御装置(以下ECU9と呼ぶ)により通電制御される。
【0057】ブロワ3は、送風ダクト2の上流側に設け
られたファンケース10内に収納され、ファン11とフ
ァンモータ12とからなる。このファンモータ12は、
モータ駆動回路13を介して通電制御され、ファンモー
タ12への印加電圧に応じてファン11が回転する。
【0058】送風ダクト2内には、ブロワ3より送られ
た空気を冷却するための冷却用熱交換器14(例えば冷
凍サイクルのエバポレータ)が配され、この冷却用熱交
換器14より下流側には、送風空気を加熱するための加
熱用熱交換器15(例えば温水式のヒータコア)が配設
されている。
【0059】また、送風ダクト2は、冷却用熱交換器1
4より下流側が仕切板16によって第1空気通路17
(ドライバーに空調空気を送るもの)と、第2空気通路
18(パッセンジャーに空調空気を送るもの)とに区画
されている。なお、冷却用熱交換器14は、送風ダクト
2の断面全部にわたって配され、加熱用熱交換器15
は、仕切板16を貫通して、第1空気通路17内と、第
2空気通路18内とにまたがって配設されている。
【0060】第1空気通路17には、加熱用熱交換器1
5を迂回する第1バイパス通路19と、第1空気通路1
7を流れる空気量を調整するための第1エアミックスド
ア20とが設けられている。この第1エアミックスドア
20は、第1バイパス通路19を通過する空気量と、第
1空気通路17に配された加熱用熱交換器15を通過す
る空気量との割合を調節するものである。そして、第1
エアミックスドア20は、ECU9により通電制御され
るサーボモータ等のアクチュエータ21により駆動され
る。また、第2空気通路18にも、第1空気通路17と
同様の第2バイパス通路22およびアクチュエータ24
により駆動される第2エアミックスドア23が設けられ
ている。
【0061】ドライバー側(以下、Drと称す)フェイ
スダクト25は、ドライバーの上半身に向けて空調風を
吹き出すための通路であり、途中から二つに分岐してい
る。そして、一方が車室内の全面に位置するダッシュボ
ードの略中央部に開口するDrセンタフェイス吹出口3
1に接続され、他方がダッシュボードの運転席側端部に
開口するDrサイドフェイス吹出口32に接続されてい
る。
【0062】Drフットダクト27は、ドライバーの足
元に向けて空調風を吹き出すための通路であり、ドライ
バーの足元近傍に開口するDrフット吹出口34に接続
されている。
【0063】また、Drフェイスダクト25は、Drセ
ンタフェイス吹出口31と、Drサイドフェイス吹出口
32とを選択的に開閉できるモード切替ドア35が設け
られ、デフロスタダクト26とDrフットダクト27の
上流側開口部には、それぞれの開口部を開閉するモード
切替ドア36、37が設けられている。そして、これら
モード切替ドア35〜37は、サーボモータ等のアクチ
ュエータ38、39により駆動され、そのアクチュエー
タ38、39は、ECU9により通電制御される(図1
参照)。
【0064】一方、パッセンジャー側(以下、Paと称
す)フェイスダクト28には、Paセンタフェイス吹出
口40と、Paサイドフェイス吹出口41とを選択的に
開閉するためのモード切替ドア43が設けられ、Paフ
ットダクト29の上流側開口部には、その開口部を開閉
するモード切替ドア44が設けられている。そして、こ
れらモード切替ドア43、44は、前述のモード切替ド
ア35〜37と同様にアクチュエータ45により駆動さ
れる。
【0065】これら、モード切替ドア35〜37、4
3、44の開閉状態に応じて、フットモード、B/Lモ
ード、フェイスモード等の周知の各吹出口モードを第
1、第2空気通路17、18毎に独立して設定し得るよ
うになっている。なお、Dr、Paフェイスダクト2
5、28にそれぞれ設けられたモード切替ドア35、4
3は、フットモードまたはフット・デフモードが選択さ
れたときに、センタフェイス吹出口31、40側を閉
じ、サイドフェイス吹出口32、41側を開くように作
動する。
【0066】次に、上記した車両用空調装置1を制御す
るための制御系を説明する。
【0067】ECU9は、空調制御に係わる制御プログ
ラムや各種の演算式を記憶させたマイクロコンピュータ
を内蔵し、ダッシュボード内に組み込まれるエアコン操
作パネル63(図2参照)での各種操作に基づいて送出
される操作信号や、空調制御に係わる各種センサからの
センサ信号が入力される。そして、ECU9は、これら
の入力信号を制御プラグラムに従って演算処理を行い、
その演算結果に基づいて各種アクチュエータ8、21、
24、38、39、45およびモータ駆動回路13を通
電制御する。
【0068】次に、前記各種センサをそれぞれ説明する
と、内気センサ64は、車室内のDr内気温度Tr(D
r)、およびPa内気温度Tr(Pa)を検出する。外気温セ
ンサ65は、車外(室内の外部)の外気温度Tamを検
出する。日射センサ66は、車室内のDr日射量Ts(D
r)、およびPa日射量Ts(Pa)を検出する。エバ後温度
センサ67は、エバポレータ14を通過した空気の温度
Teを検出する。水温センサ68は、ヒータコア15に
供給される冷却水温度Twを検出する。なお、内気セン
サ64のうちPa内気温度Tr(Pa)を検出するセンサを
設けず、Dr内気センサが検出するDr内気温度Tr(D
r)と、(Tset(Dr)−Tset(Pa))とから求めても
よい。
【0069】さらに、エアコン操作パネル63にはDr
赤外線センサ搭載部80およびPa赤外線センサ搭載部
81が設けられており、それぞれの搭載部80、81に
は、車室内の人員(対象物)の人員温度TI(Dr)、TI
(Pa)を検出するDr赤外線センサ90およびPa赤外線
センサ91(非接触温度検出センサ)が各人員に向かう
ように組み込まれている。
【0070】この赤外線センサ90、91には、赤外線
の量に応じて受光電圧を発する1つの受光素子が備えら
れており、赤外線センサ90、91は、人員から発する
赤外線を受光し、受光素子により発せられる受光電圧に
より検出温度T(Dr)、T(Pa)を検出して、ECU9に出
力する。
【0071】次に、エアコン操作パネル63に組み込ま
れる各種スイッチを列記すると、Dr温度設定スイッチ
69、Pa温度設定スイッチ70、自動制御の開始を指
示するAUTOスイッチ71、空調停止を指示するOF
Fスイッチ72、ブロワ3の風量レベルを設定するブロ
ワスイッチ73、Dr、Pa温度制御をそれぞれ独立し
て行わせるDUALスイッチ74、吹出口モードを切り
替えるMODEスイッチ75、運転開始と停止を指示す
るためのA/Cスイッチ76、吸込口モードを切り替え
るR/Fスイッチ77、フロントウインドウの曇りを防
止するためのFrDEFスイッチ78、リアウインドウ
の曇りを防止するためのRrDEFスイッチ79等。な
お、上記各種スイッチ類は、遠隔操作を行うリモートコ
ントローラ(図示せず)に設ける構成でもよい。
【0072】次に、ECU9による空調制御の内容につ
いて説明する。
【0073】図3はECU9の制御プログラムの一例を
示すフローチャートであり、ECU9は、エアコン操作
パネル63のAUTOスイッチ71がオン操作される
と、図3のフローチャートに基づいて空調制御を実行す
る。
【0074】初めに、ステップS100では、データ処
理用メモリ(RAM)の記憶内容を初期化し、ステップ
S110では、エアコン操作パネル63の温度設定スイ
ッチ69、70で設定されたDr、Pa設定温度、およ
び前述の各種センサのセンサ信号を読み込んでデータ処
理用メモリに記憶する。そして、各種センサ信号のう
ち、赤外線センサ90、91の検出温度T(Dr)、T(Pa)
は所定周期(例えば250ms)でECU9に向けてそ
れぞれ出力される。
【0075】続いて、ステップS120(図4のステッ
プS121〜S128)では、検出温度T(Dr)、T(Pa)
を人員温度(対象物温度または補正温度)TI(Dr)、T
I(Pa)に補正して、この人員温度TI(Dr)、TI(Pa)を
ステップS130(空調制御手段)に向けてそれぞれ出
力する。
【0076】なお、これらの人員温度TI(Dr)、TI(P
a)はそれぞれ独立してフローチャートを流れ、Drおよ
びPa人員への空調を独立制御する。上述のステップS
120における補正、出力の詳細(ステップS121〜
S128)については後述する。
【0077】続いて、ステップS130では、人員温度
TI(Dr)、TI(Pa)等の各データと下記の数式1とに基
づき、Dr目標吹出温度TAO(Dr)とPa目標吹出温度
TAO(Pa)とを演算する。
【0078】
【数1】TAO(i)=Kset×Tset(i)−Kr×T
r(i)−Kam×Tam−Ks×Ts(i)+Kd(i)×
{Cd(i)+Ka(i)×(10−Tam)}−KIR×T
I(i)+C(i) なお、i=Dr or Paである。また、各パラメータを以
下に示すと、Tset(i)は、それぞれDr、Pa温度
設定スイッチ69、70で設定された設定温度。Kse
t、Kr、Kam、Ks、Kd(i)、KIRは、それぞ
れ、温度設定ゲイン、内気温度ゲイン、外気温度ゲイ
ン、日射量ゲイン、Dr、Pa温度差補正ゲイン、人員
温度補正ゲインを表す。
【0079】Ka(i)は、それぞれ外気温度TamがD
r、Pa空調温度に及ぼす影響度合いを補正するゲイ
ン、Cd(i)は、上記影響度合いに応じた定数、C(i)
は、補正定数を表す。但し、Ka(i)、Cd(i)の各値
は、車両の形状や大きさ、各吹出口より吹き出される空
調風の風向等、様々な条件により変化する。
【0080】続いて、ステップS140では、ステップ
S130で演算されたTAO(i)に基づいて、ブロワ3
の制御電圧VA(ファンモータ12への印加電圧)を演
算する。この制御電圧VAは、TAO(Dr)、TAO(Pa)
にそれぞれ適合した制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)を図6
に示すブロワ特性図により求め、それらの制御電圧VA
(Dr)、VA(Pa)を平均することにより得られる。
【0081】続いて、ステップS150では、TAO
(i)に基づき図7に示す吹出口モード特性図より、それ
ぞれ、Dr吹出口モードおよびPa吹出口モードを決定
し、ステップS160では、Dr目標吹出温度TAO(D
r)およびPa目標吹出温度TAO(Pa)をそれぞれ実現す
るために、下記の数式2に基づいて第1、第2エアミッ
クスドア20、23の目標開度SW(Dr)%、SW(Pa)%
を演算する。
【0082】
【数2】SW(i)=(TAO(i)−Te)×100/(T
w−Te) 続いて、ステップS170では、ステップS140で求
めた制御電圧VAがブロワ3に印加されるように、モー
タ駆動回路13へ制御信号を出力する。
【0083】続いて、ステップS180では、ステップ
S160で演算した目標開度SW(i)が得られるよう
に、各エアミックスドア20、23を駆動するアクチュ
エータ21、24へ制御信号を出力する。
【0084】続いて、ステップS190では、ステップ
S150で決定したDr吹出口モードおよびPa吹出口
モードが得られるように、アクチュエータ38、39へ
制御信号を出力する。
【0085】続いて、ステップS200では、図2に示
すエアコン操作パネル63に組み込まれたディスプレイ
630に、送風量をバーで表示し、吹出口モードを矢印
で表示し、Dr、Pa設定温度をそれぞれ数値で表示し
ている。
【0086】次に、ステップS120の詳細(ステップ
S121〜S128)を図4により説明すると、ステッ
プS121では、ステップS110から250ms毎の
所定周期で入力される検出温度T(i)をN回(例えば1
6回)記憶し、この16回分の検出温度T(i)の平均値
を算出して、この平均値を人員温度TI(i)としてい
る。さらに、次の17回目から32回目に入力される1
6回分の検出温度T(i)も同様に人員温度TI(i)として
算出する。
【0087】そして、上述の人員温度TI(i)算出を所
定時間間隔(例えば4秒)毎に行って更新する。なお、
最も新しく出力された人員温度TI(i)をTI(i)NEWと
定義し、TI(i)NEWの前回(4秒前)に出力された人員
温度TI(i)をTI(i)OLDと定義する。
【0088】続いて、ステップS122では、現在の空
調制御が暖房中であるか、冷房中であるかを判定する。
暖房中と判定された場合には、ステップS123へ進
み、冷房中と判定された場合には、ステップS126へ
進む。
【0089】続いて、ステップS123では、暖房不足
か暖房過剰かを判定し、TI(i)NEW>TI(i)OLDと判定
された場合、すなわち、暖房過剰と判断して暖房を弱め
る場合には、ステップS124へ進み、一方、TI(i)N
EW>TI(i)OLDと判定されなかった場合、すなわち、暖
房不足と判断して暖房を強める場合には、ステップS1
30へ進む。
【0090】ステップS124では、人員温度TI(i)o
ldに図5に示す飽和曲線(後述)のうち4秒に相当する
温度偏差を加えた値を補正後のTI(i)newとしてステッ
プS130へ出力している。よって、人員温度TI(i)N
EWの値は、人員温度TI(i)NEWの偏差の絶対値(|TI
(i)NEW−TI(i)OLD|)が所定の時定数τ(例えば30
秒)をもって変化するように、補正されている。
【0091】ここで、図5を用いてステップS124で
の補正内容を具体的数値により説明する。図5は、補正
後の人員温度TI(i)NEWの偏差Xと時間tとの関係を示
す図であり、X=A(1−e(-t/τ))で表される飽和
曲線である。なお、式中のAは飽和曲線の飽和値であ
り、補正前の人員温度偏差の値である。また、τは時定
数であり、本実施形態ではτ=30秒に設定されてい
る。
【0092】例えば、暖房時に25℃であった人員温度
TI(i)OLDが誤検出によりTI(i)NEW=50℃となった
場合には、50℃−25℃よりA=25℃である。そし
て、例えば時間t=4秒で人員温度TI(i)NEWの値を補
正すると、X≒3.1℃となる。よって、補正前の人員
温度TI(i)NEWの値50℃は、TI(i)OLDの値25℃に
偏差Xの値3.1℃を加えた値28.1℃(補正温度)
に補正される。
【0093】そして、このように補正された後も引き続
き誤検出によりTI(i)NEW=50℃であれば、次回のT
I(i)newの偏差は、次回のTI(i)new−TI(i)old(上
記補正後のTI(i)new(25.33℃))として算出し
ている。具体的には、50℃−28.1℃によりA=2
1.9℃であり、τ=30秒である飽和曲線のうち時間
t=4秒の値2.7℃が求められ、補正前の人員温度T
I(i)NEWの値50℃は、TI(i)OLDの値28.1℃に、
前記2.7℃を加えた値30.8℃(補正温度)に補正
される。
【0094】したがって、誤検出により人員温度TI
(i)NEWが25℃から50℃になっても、ステップS12
4では、人員温度TI(i)NEWを4秒ごとに28.1℃、
30.8℃となるように補正する。
【0095】また、ステップS122で冷房中と判定さ
れた場合、ステップS126では、TI(i)NEW≦TI
(i)OLDと判定された場合、すなわち、冷房過剰と判断し
て冷房を弱める場合には、ステップS127へ進み、一
方、TI(i)NEW≦TI(i)OLDと判定されなかった場合、
すなわち、冷房不足と判断して冷房を強める場合には、
ステップS130へ進む。
【0096】ステップS127では、ステップS124
と同様に、人員温度TI(i)NEWの偏差の絶対値(|TI
(i)NEW−TI(i)OLD|)が所定の時定数τ(例えば30
秒)をもって変化するように人員温度TI(i)NEWの値を
補正する。
【0097】次に、本実施形態のごとく、検出温度T
(i)を人員温度TI(i)に補正して出力するステップS1
20を用いることによる特徴を説明する。
【0098】ステップS121では、ステップS110
から250ms毎に入力される赤外線センサー90、9
1の検出温度T(i)を16回記憶し、この16回分の検
出温度T(i)の平均値を人員温度TI(i)として算出し、
4秒毎に更新している。
【0099】よって、例えば、16回分の中に誤検出に
よる検出温度T(i)が1回分存在しても、誤検出によら
ない15回分の検出温度T(i)との平均値が人員温度T
I(i)とされるので、誤検出による空調フィーリングの
悪化を抑制することができ、温感に即した空調制御を行
うことが可能となる。
【0100】さらにまた、上記利点の他に、非接触で乗
員の温度を検出する性質上、姿勢の変化時や、センサと
検出したい乗員の部分(顔など)との間を何かが横切る
等の、制御に反映させたくない検出値をキャンセルする
ことができるという大きな利点がある。
【0101】また、ステップS124、127では、例
えば誤検出により人員温度TI(i)NEWが25℃から50
℃になっても、ステップS124では、人員温度TI
(i)NEWを4秒ごとに28.1℃、30.8℃となるよう
に補正する。
【0102】これにより、人員温度TI(i)の更新に
は、時定数がかけられ、変化しにくくなるように補正が
加えられるので、暖房中に熱い飲み物を飲んだり、タバ
コを吸った時の温度変化が制御に反映されにくくなり、
暖房が弱くなる不具合を防止することができ、誤検出に
よる空調フィーリングの悪化を抑制することができる。
【0103】さらにまた、ステップS121、S12
3、S126では、暖房(冷房)を強くする場合には、
ステップS130の制御に用いる人員温度TI(i)の更
新には時定数がかからない。
【0104】これにより、例えば暖房中において、乗員
乗り込み時、皮膚温度が低いことを瞬時に検出でき、暖
房を強くすることで、非常にパンチ力のある空調制御が
可能となる。
【0105】なお、上述のステップS120における人
員温度TI(Dr)、TI(Pa)は、ステップS130(空調
制御手段)に出力されているが、空調手段1を制御する
ステップ(例えばステップS140)であればいずれの
ステップに出力してもよく、ステップS130に限定さ
れないことは勿論である。
【0106】なおまた、ステップS110から出力され
る検出温度T(Dr)、T(Pa)の所定周期、ステップS12
1で人員温度TI(i)が算出、更新される所定間隔、お
よびステップS125における所定の時定数τの数値
は、それぞれ250ms、4秒、30秒に限定されない
ことは勿論である。
【0107】(第2実施形態)第1実施形態では、ステ
ップS124、S127において、人員温度TI(i)NEW
の偏差(|TI(i)NEW−TI(i)OLD|)が所定の時定数
τをもって変化するように人員温度TI(i)NEWの値を補
正しているが、本第2実施形態では、図8に示すよう
に、ステップS124をステップS1241およびステ
ップS1242に置き換え、ステップS127をステッ
プS1271およびステップS1272に置き換えてい
る。
【0108】ステップS1241、S1271では、人
員温度偏差の絶対値(|TI(i)NEW−TI(i)OLD|)が
所定の割合B%(例えば12%)で小さくなるように人
員温度TI(i)NEWの値を補正している。具体的に本実施
形態では、補正後の人員温度TI(i)NEWが、TI(i)OLD
+(TI(i)NEW−TI(i)OLD)×B%となるように補正
している。
【0109】続いて、ステップS1242、S1272
(出力制御手段)では、ステップS130に向けて、ス
テップS1241で補正された人員温度TI(i)NEWを出
力する出力タイミングを制御しており、前回の人員温度
TI(i)OLDをステップS130に向けて出力した出力タ
イミングから、最新の人員温度TI(i)NEWを出力する出
力タイミングまでの出力タイミング間隔Lは、ステップ
S121において人員温度TI(i)が出力される所定時
間間隔(4秒)よりも長い間隔(例えば30秒)に設定
されている。
【0110】以上により、ステップS1241、S12
71によれば、TI(i)NEWが誤検出により大きく変化し
ても、この変化量を所定の割合B%に制限して、誤検出
による空調フィーリングの悪化を抑制することができ
る。
【0111】また、ステップS1242、S1272に
よれば、仮に誤検出により人員温度TI(i)が大きく変
化しても、車室内温度と人員温度TI(i)との差が小さ
くなったとき(30秒後)に、誤検出による人員温度T
I(i)をステップS130に向けて出力するので、誤検
出による空調フィーリングの悪化を抑制することがで
き、温感に即した空調制御を行うことが可能となる。
【0112】(第3実施形態)第1実施形態では、一人
の人員に対して1つの赤外線センサ90(91)を備
え、ステップS121において、検出温度T(i)の平均
値を人員温度TI(i)としているが、本第3実施形態で
は、例えば図9(a)に示すように、人員の顔部(第1
温度検出範囲)、胴部(第2温度検出範囲)、足部(第
3温度検出範囲)を3台の赤外線センサ90(91)を
備え、ステップS121において、この3台からの各検
出温度T(i)から平均値を算出し、この平均値に対する
各検出温度T(i)の温度差(偏差)を求める。そして、
第2温度検出範囲のような、誤検出による検出温度T
(i)の温度差が、図9(b)に示す所定の温度差(例え
ば5℃〜10℃)より大きい温度差である場合には、第
2温度検出範囲の検出温度T(i)を、前記温度差が小さ
くなるように補正する。または、周辺の検出温度T(i)
(例えば第1温度検出範囲の検出温度)に近づくように
補正する。または、人員温度TI(i)の算出に用いられ
ないように補正する。そして、上記のように補正された
検出温度T(i)を人員温度TI(i)とする。
【0113】これにより、変化した検出温度T(i)のう
ち、所定の温度差より大きい温度差になるように大きく
変化した誤検出による検出温度T(i)のみを補正するこ
とができ、誤検出による空調フィーリングの悪化を抑制
することができる。
【0114】ところで、第1実施形態において、検出温
度T(Dr)、T(Pa)はそれぞれ独立してフローチャートを
流れ、DrおよびPa人員への空調は独立制御されてい
るのと同様に、第1〜3温度検出範囲から得られる複数
の検出温度T(i)は、それぞれ独立してフローチャート
を流れ、第1〜3温度検出範囲の空調を独立して制御さ
せてもよい。
【0115】(第4実施形態)第1実施形態では、赤外
線を受光して受光電圧を発する受光素子を1つ有する赤
外線センサ90、91を使用しているが、複数の受光素
子を有し、赤外線画像データを検出するセンサ(例えば
サーモグラフ)を用いてもよい。
【0116】例えば図10に示すように1台のサーモグ
ラフから得られる人員の顔部の複数の検出温度T(i)を
第3実施形態と同様の処理をすることにより、人員が喫
煙するなどして皮膚温27℃に対して100℃の誤検出
をしても、第3実施形態と同様の効果が得られる。
【0117】(第5実施形態)第1実施形態では、ステ
ップS124、S127において、時定数τは、予め設
定された所定の値(例えば30秒)であるが、本第5実
施形態では図11に示すように、時定数τの値は、人員
温度TI(i)の人員温度変化量(|TI(i)NEW−TI(i)
OLD|)が大きくなるにつれて、大きくなるように変化
させている。
【0118】因みに、図5に示す時定数τ=30秒の飽
和曲線におけるt=4秒の値による補正よりも、時定数
τ>30秒である飽和曲線におけるt=4秒の値による
補正の方が、人員温度TI(i)を短時間で大きく変化し
にくくすることは明らかである。
【0119】ここで、人員温度変化のうち、誤検出によ
る温度変化は実際の温度変化に比べて大きく変化する。
そこで、本実施形態により、人員温度変化のうち、誤検
出によらない人員温度変化よりも、誤検出による人員温
度変化に対して時定数τを大きくすれば、誤検出による
人員温度変化に対して、時定数τを長くすることの効果
を発揮することができ、より正確に誤検出による空調フ
ィーリングの悪化を抑制することができる。
【0120】なお、第2実施形態における、予め設定さ
れた間隔の出力タイミング間隔Lを、前述の時定数τと
同様に、人員温度TI(i)の人員温度変化量が大きくな
るにつれて、長くなるように変化させてもよい。
【0121】この場合、人員温度変化のうち、誤検出に
よる人員温度変化に対して、出力タイミング間隔Lを長
くすることの効果を発揮することができ、より正確に誤
検出による空調フィーリングの悪化を抑制することがで
きる。
【0122】(第6実施形態)第1実施形態では、ステ
ップS121において、複数の検出温度T(i)をそれぞ
れ比較して、所定の温度偏差より大きい偏差の検出温度
T(i)を補正しているが、本第6実施形態では、ステッ
プS121において、所定温度範囲A外の温度である検
出温度TI(i)のみを補正している。なお、この場合の
補正には、所定温度範囲Aに近づくように補正する。ま
たは、補正されなかった他の人員温度TI(i)に近づく
ように補正する。または、所定温度範囲A外の人員温度
TI(i)をキャンセルする等が挙げられる。
【0123】これにより、変化した人員温度TI(i)の
うち、所定温度範囲A外となるように大きく変化した誤
検出による人員温度TI(i)のみを補正することがで
き、誤検出による空調フィーリングの悪化を抑制するこ
とができる。
【0124】また、所定温度範囲Aは、外気温度Tam
に応じて変化させてもよい。例えば図12に示すよう
に、所定温度範囲Aの上下限値は、外気温度Tamが高
くなるに従って高くすることにより、誤検出により大き
く変化した場合の人員温度TI(i)のみを補正すること
を確実にできる。
【0125】(第7実施形態)第1実施形態では、Dr
およびPa赤外線センサ90、91を、Dr人員および
Pa人員から発する赤外線をそれぞれ受光するように1
台ずつ設置しているが、4箇所、6箇所といった多くの
箇所に設置してもよい。また、1箇所しか設置しなくて
もよく、この場合には、例えば1台の赤外線センサが駆
動されてDr人員とPa人員との各人員の温度TI(D
r)、TI(Pa)を検出するように設定する。
【0126】(第8実施形態)第1実施形態では、ドラ
イバーおよびパッセンジャーの人員ごとに出力タイミン
グ間隔Lを定めたが、1つしか定めなくてもよいし、第
3実施形態のように一人の人員に対して複数の赤外線セ
ンサ90、91を用いるような場合には、赤外線センサ
90、91ごとに定めてもよい。これにより、きめ細か
い制御が可能となる。
【0127】(第9実施形態)第1実施形態では、ステ
ップS120の補正手段を、ステップS121〜S12
7により構成しているが、ステップS121を廃止して
もよい。または、ステップS120の補正手段をステッ
プS121のみから構成してもよい。
【0128】また、第2実施形態においても同様に、ス
テップS121を廃止してもよい。または、ステップS
1241、S1271を廃止してもよい。または、ステ
ップS1242、S1272を廃止してもよい。
【0129】なお、ステップS121を廃止する場合に
は、検出温度T(i)をそのまま人員温度TI(i)として処
理すればよい。例えば、ステップS1241、S127
1では、検出温度偏差の絶対値(|TI(i)NEW−TI
(i)OLD|)が小さくなるように検出温度T(i)NEWの値を
補正すればよい。
【0130】(第10実施形態)第2実施形態では、ス
テップS121で、人員温度TI(i)をステップS12
2に向けて出力し、ステップS1242、S1272
で、人員温度TI(i)を出力する出力タイミングを制御
しているが、ステップS121で、初期値として人員温
度TI(i)を算出し、その後は人員温度TI(i)の人員温
度変化量(対象物温度変化量)を算出、更新して、ステ
ップS1242、S1272では、人員温度変化量の出
力を所定の時間長さLだけ遅らせるように制御してもよ
い。
【0131】この場合、ステップS130で演算される
数式1の多数項のうち、人員温度TI(i)による項(K
IR×TI(i))を人員温度変化量による項にすればよ
い。
【0132】(第11実施形態)第2実施形態では、ス
テップS123、S126でNOと判定された場合に
は、人員温度TI(i)の出力タイミング間隔Lは、ステ
ップS125、S128により長くされることがなかっ
たが、ステップS123、S126でNOと判定された
場合にも、ステップS1242、S1272のように人
員温度TI(i)の出力タイミング間隔Lは、長くされる
ようにしてもよく、この場合、車両用空調装置1の熱負
荷が増加するように人員温度TI(i)が変化した場合に
は、出力タイミング間隔Lは、熱負荷が減少するように
人員温度TI(i)が変化した場合に比べて、短くされる
ように設定する。
【0133】これにより、暖房(冷房)を弱める誤検出
よりも暖房(冷房)を強める誤検出による人員温度TI
(i)の出力タイミング間隔Lを短くさせることができる
ので、車両用空調装置1の応答性の悪化を抑制できる。
なお、冷房運転中においても上述の暖房運転と同様の効
果が得られる。
【0134】(第12実施形態)第1実施形態では、ス
テップS121で、予め設定された一定のN回の回数
(例えば16回)の検出温度T(i)から平均値を算出
し、この平均値を人員温度TI(i)としているが、誤検
出によらない検出温度T(i)の回数が多い方が人員温度
TI(i)を正確に算出することができることに着目し
て、一定のN回の回数から平均値を算出することなく、
車両用空調装置1の熱負荷が減少するように人員温度T
I(i)が変化した場合には、前記平均値は、熱負荷が増
加するように人員温度TI(i)が変化した場合に比べ
て、多い回数の検出温度T(i)から算出されるようにし
てもよい。
【0135】これにより、車両用空調装置1の応答性が
要求される場合に、暖房(冷房)を弱めるように変化し
た人員温度TI(i)は、暖房(冷房)を強めるように変
化した人員温度TI(i)よりも正確に人員温度TI(i)を
算出することができるので、車両用空調装置1の応答性
の悪化を抑制できる。
【0136】(第13実施形態)第1実施形態では、ス
テップS121において、ステップS110から250
ms毎に出力される全ての検出温度T(i)を人員温度T
I(i)の算出に用いているが、ステップS121におい
て、検出されたN回の検出温度T(i)のうちN回よりも
少ないN−k回の検出温度T(i)を人員温度TI(i)の算
出に用いてもよい。例えば、250ms毎に出力される
16回の検出温度T(i)から平均値を算出するのではな
く、1回毎に検出温度T(i)をキャンセルして、500
ms毎の8回の検出温度T(i)から平均値を算出しても
よい。
【0137】これにより、誤検出による検出温度T(i)
が人員温度TI(i)に影響を与えることを未然に防止で
きる。
【0138】(第14実施形態)第2実施形態では、ス
テップS1241、S1271により、人員温度TI
(i)の人員温度変化量を小さくするように人員温度TI
(i)を補正しているが、検出されたN回の人員温度TI
(i)のうち、N回よりも少ないN−k回の人員温度TI
(i)を補正してもよい。例えば、4秒毎にステップS1
241、S1271に入力される人員温度TI(i)のう
ち、1回毎に人員温度TI(i)をキャンセルして、8秒
毎の人員温度TI(i)を補正してもよい。
【0139】これにより、誤検出による人員温度TI
(i)が、誤検出によらない人員温度TI(i)に影響を与え
ることを未然に防止できる。
【0140】さらにまた、補正する回数が少ないほど誤
検出による人員温度TI(i)が影響を受け難くなること
に着目し、車両用空調装置1の熱負荷が減少するように
人員温度TI(i)が変化した場合には、人員温度TI(i)
を補正するN−k回の回数を、熱負荷が増加するように
人員温度TI(i)が変化した場合に比べて、少なくする
ように補正すれば、車両用空調装置1の応答性が要求さ
れる場合に、応答性の悪化を抑制できる。なお、人員温
度TI(i)に限らず、検出温度T(i)に対しても同様にN
−k回の回数を少なくしてもよい。
【0141】(第15実施形態)第6実施形態では、人
員温度TI(i)が所定温度範囲A外の温度である場合
に、人員温度TI(i)を補正してしているが、人員温度
TI(i)の人員温度変化量が所定温度変化量より多い場
合に、人員温度TI(i)を補正してもよい。なお、この
場合の補正には、所定温度変化量に近づくように補正す
る。または、補正されなかった他の人員温度TI(i)に
近づくように補正する。または、所定温度変化量より多
く変化した人員温度TI(i)をキャンセルする等が挙げ
られる。
【0142】これにより、変化した人員温度TI(i)の
うち、所定温度変化量より多く変化した誤検出による人
員温度TI(i)のみを補正することができ、誤検出によ
る空調フィーリングの悪化を抑制することができる。
【0143】(第16実施形態)第6実施形態では、図
12に示すように、所定温度範囲Aは、外気温度Tam
に応じて変化されているが、第1実施形態の補正手段が
人員温度TI(i)を補正する補正量、または、第4実施
形態の所定の温度差、または、第15実施形態の所定温
度変化量についても同様に、外気温度Tamに応じて変
化させるようにしてもよい。
【0144】これにより、人員温度TI(i)の変化のう
ち、誤検出により大きく変化した場合の人員温度TI
(i)のみを補正することを確実にできる。
【0145】(第17実施形態)第1、3、6、15実
施形態においては、車両用空調装置1の熱負荷の増減に
係わらず人員温度TI(i)を補正しているが、車両用空
調装置1の熱負荷が減少するように人員温度TI(i)が
変化した場合には、補正手段により補正される補正量
を、熱負荷が増加するように人員温度TI(i)が変化し
た場合に比べて多くするように補正するようにしてもよ
い。
【0146】これにより、車両用空調装置1の応答性が
要求される場合に、応答性の悪化を抑制できる。
【0147】(第18実施形態)第1実施形態では、D
r、Pa赤外線センサ90、91は、各人員に向かうよ
うに組み込まれ、各人員から発っせられる赤外線を受光
して、DrおよびPa人員への空調をそれぞれ独立して
制御しているが、赤外線センサ90、91は、各人員に
向かうように組み込まれることに限定されず、車室内の
設定された複数の空調範囲(例えば人員の周囲)に向か
うように組み込まれ、これらの空調範囲の空気温度から
発せられる赤外線を受光するようにしてもよい。
【0148】(第19実施形態)第1、5、10、1
4、15実施形態では、人員温度変化量に、|TI(i)N
EW−TI(i)OLD|を用いているが、この式に限られるこ
となく、例えば時間tあたりの上記変化量{(|(TI
(i)NEW−TI(i)OLD)/t|}を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す車両用空調装置の
全体構成図である。
【図2】上記第1実施形態における空調操作パネルの正
面図である。
【図3】上記第1実施形態におけるフローチャート図で
ある。
【図4】図3における要部を示すフローチャート図であ
る。
【図5】図3のステップS124において、補正後の人
員温度偏差と時間との関係を示す図である。
【図6】上記第1実施形態における目標吹出温度TAO
(i)とブロアの制御電圧VA(i)との関係を表すブロワ特
性図である。
【図7】上記第1実施形態における目標吹出温度TAO
と吹出口モードとの関係を表す吹出口モード特性図であ
る。
【図8】本発明の第2実施形態を示すもので、要部を示
すフローチャート図である。
【図9】本発明の第3実施形態を示すもので、(a)は
赤外線センサの温度検出状態を示す模式図であり、
(b)は、所定の温度差と補正手段(S120)との関
係を示すチャート図である。
【図10】本発明の第4実施形態を示すもので、赤外線
センサの温度検出状態を示す模式図である。
【図11】本発明の第5実施形態を示すもので、人員温
度変化量と出力を遅延させる所定時間との関係を表す特
性図である。
【図12】本発明の第6実施形態を示すもので、外気温
度と人員温度との関係を表す特性図である。
【図13】従来技術において、通常時および誤検出時の
空調制御状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1…車両用空調装置、90、91…非接触温度検出セン
サ、A…所定温度範囲、S125、S128…出力制御
手段、S130…空調制御手段、T(i)…検出温度、T
I(i)…人員温度、L…出力タイミング間隔、τ…時定
数。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 孝昌 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 神谷 敏文 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内に吹き出す空気を加熱、冷却して温
    度を調節する空調手段(1)と、 前記室内の対象物の温度を検出する非接触温度検出手段
    (90、91、S120)と、 前記非接触温度検出手段(90、91、S120)によ
    り検出された対象物温度(TI(i))に基づいて前記空
    調手段(1)を制御する空調制御手段(S130)と、 前記空調制御手段(S130)に向けて前記対象物温度
    (TI(i))を出力する出力タイミングを制御する、出
    力制御手段(S1242、S1272)とを有し、 前記出力制御手段(S1242、S1272)は、前記
    対象物温度(TI(i))の変化に応じて、前記出力タイ
    ミングを変化させることを特徴とする空調装置。
  2. 【請求項2】 前記出力制御手段は、前記対象物温度
    (TI(i))の変化に応じて、前記空調制御手段(S1
    30)に向けて出力した出力タイミングから次回の出力
    タイミングまでの出力タイミング間隔(L)を変化させ
    ることを特徴とする請求項1に記載の空調装置。
  3. 【請求項3】 前記出力タイミング間隔(L)は、次回
    出力する前記対象物温度(TI(i))の対象物温度変化
    量が大きければ大きいほど長くされることを特徴とする
    請求項2に記載の空調装置。
  4. 【請求項4】 前記空調手段(1)の熱負荷が増加する
    ように、次回出力する前記対象物温度(TI(i))が変
    化する場合には、前記出力タイミング間隔(L)は、前
    記熱負荷が減少するように、次回出力する前記対象物温
    度(TI(i))が変化する場合に比べて、短くされるこ
    とを特徴とする請求項2または3に記載の空調装置。
  5. 【請求項5】 室内に吹き出す空気を加熱、冷却して温
    度を調節する空調手段(1)と、 前記室内の対象物の温度を検出する非接触温度検出手段
    (90、91、S120)と、 前記非接触温度検出手段(90、91、S120)によ
    り検出された対象物温度(TI(i))の対象物温度変化
    量に基づいて、前記空調手段(1)を制御する空調制御
    手段(S130)と、 前記空調制御手段(S130)に向けて前記対象物温度
    変化量を出力する出力制御手段とを有し、 前記出力制御手段は、前記対象物温度(TI(i))の変
    化に応じて、前記対象物温度変化量の出力を遅らせるこ
    とを特徴とする空調装置。
  6. 【請求項6】 前記出力制御手段は、前記対象物温度変
    化量の出力を遅らせる時間長さ(L)を、前記対象物温
    度(TI(i))の変化に応じて変化させることを特徴と
    する請求項5に記載の空調装置。
  7. 【請求項7】 前記対象物温度変化量の出力を遅らせる
    時間長さ(L)は、前記対象物温度変化量が大きければ
    大きいほど長くされることを特徴とする請求項6に記載
    の空調装置。
  8. 【請求項8】 前記空調手段(1)の熱負荷が増加する
    ように、前記対象物温度変化量が変化する場合には、前
    記対象物温度変化量の出力を遅らせる時間長さ(L)
    は、前記熱負荷が減少するように、前記対象物温度変化
    量が変化する場合に比べて、短くされることを特徴とす
    る請求項6または7に記載の空調装置。
  9. 【請求項9】 室内に吹き出す空気を加熱、冷却して温
    度を調節する空調手段(1)と、 前記室内の対象物の温度を検出する非接触温度検出セン
    サ(90、91)と、 前記非接触温度検出センサ(90、91)により検出さ
    れる検出温度(T(i))を対象物温度(TI(i))に補正
    して、前記対象物温度(TI(i))を出力する補正手段
    (S120)と、 前記補正手段(S120)から出力される前記対象物温
    度(TI(i))に基づいて、前記空調手段(1)を制御
    する空調制御手段(S130)とを有することを特徴と
    する空調装置。
  10. 【請求項10】 室内に吹き出す空気を加熱、冷却して
    温度を調節する空調手段(1)と、 前記室内の対象物の温度を検出する非接触温度検出セン
    サ(90、91)と、 前記非接触温度検出センサ(90、91)により検出さ
    れる検出温度(T(i))の補正温度(TI(i))を出力す
    る補正手段(S120)と、 前記補正手段(S120)から出力される前記補正温度
    (TI(i))に基づいて、前記空調手段(1)を制御す
    る空調制御手段(S130)とを有することを特徴とす
    る空調装置。
  11. 【請求項11】 前記補正手段(S120)は、N回の
    前記検出温度(T(i))から平均値を算出して、この平
    均値を前記補正温度(TI(i))として前記空調制御手
    段(S130)に出力することを特徴とする請求項10
    に記載の空調装置。
  12. 【請求項12】 前記空調手段(1)の熱負荷が減少す
    るように前記検出温度(T(i))が変化した場合には、
    前記N回の回数は、前記熱負荷が増加するように前記検
    出温度(T(i))が変化した場合に比べて、多くされる
    ことを特徴とする請求項11に記載の空調装置。
  13. 【請求項13】 前記補正手段(S120)は、N回の
    前記検出温度(T(i))のうち、N回よりも少ないN−
    k回の前記検出温度(T(i))を前記補正温度(TI
    (i))に補正して前記空調制御手段(S130)に出力
    することを特徴とする請求項10に記載の空調装置。
  14. 【請求項14】 前記空調手段(1)の熱負荷が減少す
    るように前記検出温度(T(i))が変化した場合には、
    前記N−k回の回数は、前記熱負荷が増加するように前
    記検出温度(T(i))が変化した場合に比べて、少なく
    されることを特徴とする請求項13に記載の空調装置。
  15. 【請求項15】 室内に吹き出す空気を加熱、冷却して
    温度を調節する空調手段(1)と、 前記室内の対象物の温度を検出して出力する非接触温度
    検出手段(90、91、S120)と、 前記非接触温度検出手段(90、91、S120)から
    出力される補正温度(TI(i))に基づいて、前記空調
    手段(1)を制御する空調制御手段(S130)とを有
    し、 前記非接触温度検出手段(90、91、S120)は、
    N回の前記補正温度(TI(i))のうち、N回よりも少
    ないN−k回の前記補正温度(TI(i))を前記空調制
    御手段(S130)に出力することを特徴とする空調装
    置。
  16. 【請求項16】 前記補正手段(S120)は、前記検
    出温度(T(i))の検出温度偏差の絶対値が小さくなる
    ように、前記検出温度(T(i))を補正することを特徴
    とする請求項10に記載の空調装置。
  17. 【請求項17】 前記補正手段(S120)は、前記検
    出温度(T(i))の検出温度偏差の絶対値が時間ととも
    に小さくなるように、前記検出温度(T(i))を補正す
    ることを特徴とする請求項10に記載の空調装置。
  18. 【請求項18】 前記補正手段(S120)は、前記検
    出温度(T(i))の検出温度偏差が所定の時定数(τ)
    をもって変化するように、前記検出温度(T(i))を補
    正することを特徴とする請求項10に記載の空調装置。
  19. 【請求項19】 前記時定数(τ)の大きさは、前記検
    出温度(T(i))の変化量に応じて変化されることを特
    徴とする請求項18に記載の空調装置。
  20. 【請求項20】 前記補正手段(S120)により補正
    される検出温度(T(i))の補正量は、前記室内の外部
    の温度(Tam)に応じて変化されることを特徴とする
    請求項16ないし19のいずれか1つに記載の空調装
    置。
  21. 【請求項21】 前記補正手段(S120)は、所定温
    度範囲(A)外の温度である前記検出温度(T(i))の
    みを補正することを特徴とする請求項10に記載の空調
    装置。
  22. 【請求項22】 前記所定温度範囲(A)は、前記室内
    の外部の温度(Tam)に応じて変化されることを特徴
    とする請求項21に記載の空調装置。
  23. 【請求項23】 前記補正手段(S120)は、前記検
    出温度(T(i))の検出温度変化量が所定温度変化量よ
    り多くなるように変化した前記検出温度(T(i))のみ
    を補正することを特徴とする請求項10に記載の空調装
    置。
  24. 【請求項24】 前記所定温度変化量は、前記室内の外
    部の温度(Tam)に応じて変化されることを特徴とす
    る請求項23に記載の空調装置。
  25. 【請求項25】 前記補正手段(S120)は、複数の
    前記検出温度(T(i))をそれぞれ比較して、所定温度
    偏差より大きい偏差の前記検出温度(T(i))のみを補
    正することを特徴とする請求項10に記載の空調装置。
  26. 【請求項26】 前記所定の温度偏差は、前記室内の外
    部の温度(Tam)に応じて変化されることを特徴とす
    る請求項25に記載の空調装置。
  27. 【請求項27】 前記空調手段(1)の熱負荷が減少す
    るように前記検出温度(T(i))が変化した場合には、
    前記補正手段(S120)により検出温度(T(i))が
    補正される補正量は、前記熱負荷が増加するように前記
    検出温度(T(i))が変化した場合に比べて、多くされ
    ることを特徴とする請求項16ないし26のいずれか1
    つに記載の空調装置。
  28. 【請求項28】 前記補正温度(TI(i))は、前記室
    内に設定された複数の空調範囲毎にそれぞれ検出される
    ことを特徴とする請求項10ないし27のいずれか1つ
    に記載の空調装置。
  29. 【請求項29】 前記補正温度(TI(i))は、複数の
    前記対象物毎にそれぞれ検出されることを特徴とする請
    求項10ないし28のいずれか1つに記載の空調装置。
  30. 【請求項30】 複数の、前記室内の対象物の温度を検
    出する非接触温度検出センサ(90)、(91)を有
    し、 前記補正温度(TI(i))は、複数の前記非接触温度検
    出センサ(90)、(91)毎にそれぞれ検出されるこ
    とを特徴とする請求項10ないし29のいずれか1つに
    記載の空調装置。
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