JP3067381B2 - 自動車用空調装置 - Google Patents

自動車用空調装置

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JP3067381B2
JP3067381B2 JP4092650A JP9265092A JP3067381B2 JP 3067381 B2 JP3067381 B2 JP 3067381B2 JP 4092650 A JP4092650 A JP 4092650A JP 9265092 A JP9265092 A JP 9265092A JP 3067381 B2 JP3067381 B2 JP 3067381B2
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潤一郎 原
裕二 石原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、乗員の体表面温度を
用い、快適性をより向上させることができる自動車用空
調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の自動車用空調装置として
は、例えば特開昭60−174314号公報に記載され
た図15に示すようなものがある。
【0003】この自動車用空調装置101は、検出手段
103によって乗員Pの顔面を検出し、検出された乗員
Pの顔面位置に応じ吹出口の風向変更板の角度をアクチ
ュエータ105によって調整するものである。これによ
り、空調風の送風方向を乗員Pの位置に応じて自動調整
し、空調効果の向上を図り乗員の快適性を向上させるも
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の自動車用空調装置101では、乗員Pの顔面
方向に空調風を吹き出すことはできるが、空調風の温度
設定等は車室内の温度等に基づいて行なっているにすぎ
ないものである。このため、空調風の温度等が必ずしも
乗員の快適感と一致するとは言えず、その改善が望まれ
ていた。
【0005】そこでこの発明は、乗員の体表面温度を含
めて空調制御することにより、乗員の快適性をより向上
させることができる自動車用空調装置の提供を目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、図1のように所定の空調風を吹
出すと共に空調風の吹出し状態を変更可能な空調風発生
手段CL1と、車室内の熱負荷を検出する室内熱負荷検
出手段CL2と、乗員の体表面の温度を検出する体表面
温度検出手段CL3と、前記室内熱負荷検出手段CL2
が検出した車室内熱負荷により乗員の体表面温度の適正
範囲を推定する体表面温度推定手段CL5と、前記体表
面温度推定手段CL5が推定した適正体表面温度に基づ
き体表面温度検出手段CL3により検出した体表面温度
が適正か否かを判断する体表面温度判断手段CL6と、
前記体表面温度判断手段CL6が適正と判断した体表面
温度に基づいて前記空調風発生手段CL1を制御する制
御手段CL4とを備えたことを特徴とする。
【0007】また、請求項2の発明は、前記制御手段は
前記体表面温度判断手段の判断結果が不適正の場合、不
適正になる前の適正な検出体表面温度温度に基づいて制
御することを特徴とする。
【0008】また、請求項3の発明は、前記体表面温度
検出手段は乗員の顔面温度を検出することを特徴とす
る。
【0009】また、請求項4の発明は、前記体表面温度
判断手段は、前記体表面温度の判断を所定時間内で複数
回行なうと共に、この複数の判断結果に基づき統計的処
理により適正な体表面温度を推定することを特徴とす
る。
【0010】また、請求項5の発明は、前記体表面温度
判断手段は、前記体表面温度の判断を行なう所定時間を
前記熱負荷あるいは検出体表面温度に基づいて可変とす
ることを特徴とする。
【0011】また、請求項6の発明は、前記体表面温度
検出手段に少くとも通常の温度検出モードと位置調整時
の温度検出モードとを設け、前記位置調整時の温度検出
モードにおいて検出した体表面温度が適正な場合にこれ
を乗員に報知する報知手段を設けたことを特徴とする。
【0012】また、請求項7の発明は、前記体表面温度
検出手段の検出方向を設定可能な位置設定手段を設け、
この位置設定手段を乗員の着座姿勢に関連する室内備品
の位置変更に応じて連動させることを特徴とする。
【0013】さらに、請求項8の発明は、前記体表面温
度検出手段を複数個設け、いずれかの体表面温度検出手
段で検出した体表面温度が前記体表面温度判断手段で不
適正と判断された場合、前記制御手段は他の体表面温度
検出手段で検出した適正な体表面温度を援用して制御す
ることを特徴とする。
【0014】
【作用】請求項1の発明において、室内熱負荷検出手段
は車室内熱負荷を検出し、体表面温度検出手段は乗員の
体表面温度を検出する。検出した車室内の熱負荷から体
表面温度推定手段が乗員の体表面温度の適正範囲を推定
する。この適正体表面温度に基づき前記検出体表面温度
が適正か否かを体表面温度判断手段が適正と判断した体
表面温度に基づいて制御手段が空調風発生手段を制御す
る。
【0015】また、請求項2の発明では、体表面温度判
断手段の判断結果が不適正の場合、不適正になる前の適
正な検出体表面温度に基づいて制御する。
【0016】また、請求項3の発明では、体表面温度と
して乗員の顔面温度を用いる。
【0017】また、請求項4の発明では、体表面温度の
判断を所定時間内で複数回行なうと共に、この複数の判
断結果に基づき統計的処理により適正な体表面温度を推
定する。
【0018】また、請求項5の発明では、体表面温度の
判断を行なう所定時間を前記熱負荷あるいは検出体表面
温度に基づいて可変とする。
【0019】また、請求項6の発明では、体表面温度検
出手段の位置調整時の温度検出モードにおいて検出した
体表面温度が適正な場合は、これを報知手段が乗員に報
知する。
【0020】また、請求項7の発明では、体表面温度検
出手段の検出方向の位置設定を、乗員の着座姿勢に関連
する室内備品の位置変更に応じて連動する位置設定手段
で行わせる。
【0021】さらに、請求項8の発明では、複数個の体
表面温度検出手段を設け、いずれかの体表面温度検出手
段で検出した体表面温度が体表面温度判断手段で不適正
と判断された場合、制御手段は他の体表面温度検出手段
で検出した適正な体表面温度を援用して制御する。
【0022】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
【0023】図2はこの発明の一実施例に係る構成図を
示すもので、この実施例は空調風発生手段CL1として
の空調装置1を車両インストルメント2に備えている。
【0024】この空調装置1はブロワユニット3、クー
リングユニット5およびヒータユニット7とを備えてい
る。
【0025】前記ブロワユニット3は、車室内または車
室外よりの空気の吸入口9,11を選択的に切換えるイ
ンテークドア13と、前記吸入口9,11から空気を導
入して送風するブロワファン15とを有している。前記
インテークドア13はインテークドア・アクチュエータ
17により回動され、ブロワファン15はブロワファン
モータ19により回転駆動される。
【0026】前記クーリングユニット5内には、図示し
ないコンプレッサ、コンデンサおよび膨張弁などからな
る冷凍サイクルから冷媒を導入して送風空気を冷却通過
させるエバポレータ21を有している。
【0027】前記ヒータユニット7内には、図示しない
エンジンの冷却水を導入して、その熱により送風空気を
加熱通過させるヒータコア23を有している。ヒータコ
ア23の上流側にはエバポレータ21の通過空気に対し
ヒータコア23に導入する割合を調整して温度調整を行
なうエアミックスドア25を備え、ブロワファン15の
送風をベント吹出口27、デフロスタ吹出口29および
足元吹出口31から吹出し、車室内の温度を適宜に自動
制御する構造になっている。
【0028】前記ベント吹出口27の基端部には、該ベ
ント吹出口27への送風を切り換えるベントドア33が
設けられており、また、デフロスタ吹出口29および足
元吹出口31の基端部には、両吹出口29,31への送
風を選択的に切り換えるデフロスタ・足元切り換えドア
35が設けられている。
【0029】前記エアミックスドア25はエアミックス
ドア・アクチュエータ37により回動される。また、前
記ベントドア33はベントドア・アクチュエータ39に
より回動され、デフロスタ・足元切り換えドア35はデ
フロスタ・足元切り換えドア・アクチュエータ41によ
り回動される。
【0030】前記ベント吹出口27は前記座席43,4
5に着座する図示しない乗員の前方に配置されたインス
トルメントパネル47に複数形成されている。この実施
例では4個の吹出口27a,27b,27c,27dが
形成されており、吹出口27a,27bは助手席43の
前方左右両側に、吹出口27c,27dは運転席45の
前方左右両側に配置されている。
【0031】前記吹出口27a,27b,27c,27
dには、各吹出口27a,27b,27c,27dから
の送風の方向を設定する風向設定器49が設けられてい
る。風向設定器49は各吹出口27a,27b,27
c,27dよりの送風が前記座席43,45に着座する
乗員を指向する集中吹出モードと、車室内の広範囲に亘
って向く拡散吹出モードとが得られるようになってい
る。
【0032】また、インストルメントパネル47には車
室内熱負荷を検出する室内熱負荷検出手段CL2として
の室温検出器51が備えられている。
【0033】また、車室外の適宜な位置には、車室外か
ら窓ガラスや車体を経て車室内へ熱が侵入する影響を把
握するために外気温を検出する外気温検出器53と、窓
ガラスや天井面を経て車室内へ侵入する放射熱の影響を
把握するために日射量を検出する日射量検出器55とが
備えられている。
【0034】また、車室内の適宜な位置には、乗員の体
表面温度を検出する体表面温度検出手段CL3としての
体表面温度検出器57が備えられている。
【0035】さらに、インストルメントパネル47に
は、乗員が所望の室内温度を設定する室温設定器59が
備えられている。
【0036】以上の各検出器51乃至57により検出さ
れた信号は、室温設定器59の信号とともに制御手段C
L4としてマイクロコンピュータ等で構成されたコント
ローラ61へ入力され、このコントローラ61から前記
各ドア・アクチュエータ17,37,39,41、風向
設定器49およびブロワファンモータ19へ駆動信号が
出力されるようになっている。
【0037】前記コントローラ61は、この実施例にお
いて室温検出器51で検出された車室内熱負荷により乗
員の体表面温度の適正範囲を推定する体表面温度推定手
段CL5と、体表面温度推定手段CL5が推定した適正
体表面温度に基づき体表面温度検出器57により検出さ
れた体表面温度が適正か否かを判断する体表面温度判断
手段CL6をも構成している。
【0038】つぎに、上記一実施例の制御を、図3に示
すフローチャートに基づいて説明する。
【0039】乗車後キースイッチによってA/Cスイッ
チがONになると、まず、ステップS1 で熱負荷を入力
する。すなわち、室温検出器51、外気温検出器53、
日射量検出器55および室温設定器59の信号を入力す
る。
【0040】つぎに、ステップS2 で体表面温度検出器
57によって検出された体表面温度Tskinを入力す
る。
【0041】ステップS3 ではステップS2 で入力した
体表面温度Tskinが適正な範囲に入っているか否か
を判定するために体表面温度の適正範囲を算出する。
【0042】ステップS4 において体表面温度検出器5
7により検出された体表面温度が適正範囲内に入ってい
るか否かを判断する。そして、範囲内である場合はステ
ップS5 へ移行し、また、範囲内でなければステップS
6 へ移行する。
【0043】ステップS5 では体表面温度が適正範囲内
に入っているので今回検出した体表面温度をそのまま空
調制御に使用する。また、ステップS6 では体表面温度
が適正範囲内に入っていないため、前回検出した適正範
囲内の体表面温度から体表面温度を算出し、これを空調
制御に使用する。
【0044】ステップS7 で空調風の目標吹出し温度、
風量、吹出しモード、吸込口、空調用コンプレッサの制
御等の空調制御を行なう。
【0045】すなわち、室温Tic、日射量Qsun、
外気温Tamb、設定室温Tsetおよび体表面温度T
skinから定数A乃至Fを用いて目標吹出し温度To
fが Tof=A・Tic+B・Qsun+C・Tset +D・Tamb+E・Tskin+F …(1) により計算される。
【0046】このように、体表面温度Tskinを含め
ることで、Ticの影響を小さくし、体表面温度を重視
した目標、吹出し温度を形成することができる。すなわ
ち、室温よりも体表面温度の方が、乗員の生理状態に近
いために、乗員をより快適な状態にすることが可能とな
る。
【0047】目標吹出し温度Tofから定数G,Hを用
いて空調風をTofとするためのエアミックスドア25
の開度Xが計算される。
【0048】 X=G・Tof+H …(2) 設定室温Tsetと検出室温Ticの差からブロワファ
ンモータ19の印加電圧Vが計算される。
【0049】 V=J(Tset−Tic) …(3) (Jは関数である)以上によって空調風の吹出し温度お
よび風量が計算され、室温Ticを設定室温Tset状
態にする。
【0050】そして、吹出しモードを集中吹出モードあ
るいは拡散吹出モードに設定する。
【0051】図4は図3のフローチャートにおけるステ
ップS1 の熱負荷入力ルーチンを示すものである。
【0052】ステップS11では外気温検出器53により
検出される外気温Tambを入力する。ステップS12
は室温検出器51により検出される室温Ticを入力す
る。ステップS13では室温設定器59で設定された設定
室温Tsetを入力する。ステップS14では日射量検出
器55により検出される日射量Qsunを入力する。
【0053】図5は図3のフローチャートにおけるステ
ップS3 の体表面温度適正範囲の算出ルーチンを示すも
のである。
【0054】ステップS21では熱負荷として外気温Ta
mb、室温Tic、設定室温Tsetおよび日射量Qs
unを入力する。ステップS22では外気温Tamb、室
温Tic、設定室温Tset、日射量Qsunの少くと
もいずれか一つの熱負荷を用いて Tskin=J(Tamb,Tic,Qsun,Tset) …(4) (Jは関数である)により体表面温度Tskinを算出
する。
【0055】この体表面温度Tskinから、 Tskin・high=Tskin+ΔT …(5) Tskin・low=Tskin−ΔT …(6) により体表面温度の上限Tskin・highと下限T
skin・low、すなわち、体表面温度の適正範囲を
算出する。
【0056】ここで、体表面温度の適正範囲について説
明する。普通の健康人が持っている体表面温度はある範
囲内に入っており、快適な体表面温度は種々の研究によ
り33℃〜34.5℃であるといわれている。従って、
快適な室内環境であれば、体表面温度の適正範囲は3
3.5℃±1℃あるいは33.5℃±2℃である。
【0057】図6および図7は請求項2の発明に係る実
施例の説明図を示すもので、図3のステップS6 におけ
る体表面温度の推定の一実施例を示すものである。
【0058】図6および図7において、上部の曲線は検
出体表面温度、下部の曲線は補正した検出体表面温度を
示し、また、図中横方向の点線は車室内熱負荷から算出
した体表面温度の適正範囲を示している。この範囲に入
っている検出体表面温度は適正と判断され、この範囲か
ら外れていると不適正と判断される。
【0059】図6の例では、ステップS4 において3.
75秒ごとに体表面温度を判断し15秒間のデータ4個
を平均化することで安定したデータを得ている。そし
て、ステップS4 での判断においてデータが不適正と判
断される直前の適正な範囲に入っているデータをステッ
プS6 においてそのまま使用し、不適正なデータを補正
している。
【0060】図7の例では、不適正になる直前の適正な
データをステップS6 でそのまま使用するのではなく、
不適正になる前にステップS4 で所定時間内で複数回判
断したデータの平均値を使用してステップS6 で用いる
データを補正している。
【0061】このように、検出体表面温度が不適正な場
合、不適正になる前の適正な体表面温度に基づいて前記
不適正な体表面温度を補正し、この体表面温度を用いて
空調制御を行なうことにより、空調制御をより適正に行
なうことができ、乗員の快適性をより向上することがで
きる。
【0062】なお、図6と図7とでは、不適正なデータ
を補正する方法が異なり、多少の差異はあるが空調制御
への影響は、この程度であれば大きな差はない。
【0063】図8は請求項3の発明に係る実施例を示す
説明図である。
【0064】この実施例は、表面温度検出器57を前方
ガラス63の上部に設け、対象乗員の顔面温度を検出す
るようにしたものである。この顔面温度を検出する表面
温度検出器57の配置は、前方ガラス上部に限定される
ものではなく、例えば、側方ガラス上部や前方ガラスと
側方ガラスの中間部にあるピラー部に設けてもよい。ま
た、インストルメントパネル47に設けることもでき
る。
【0065】顔面温度は体表面温度の中でほとんど唯
一、皮膚が露出している部位であり、衣服等の影響を直
接受けないので、乗員の熱環境を検出する好適の温度で
ある。従って、体表面温度を正確に検出することがで
き、空調制御をより適正に行なうことができる。
【0066】図9は請求項4の発明に係る実施例のフロ
ーチャートを示すものである。
【0067】この実施例は、ステップS4 での体表面温
度の判断を所定時間内で複数回行なうと共に、この複数
の判断結果に基づき時間平均などの統計的処理により、
ステップS5 で用いる適正な体表面温度を推定するよう
にしたものである。
【0068】すなわち、まず、ステップS31で空調装置
1を起動後において適正範囲に入っている検出体表面温
度の最近の複数点のデータ、例えば10点のデータTs
kin(1)、Tskin(2)・・・・・・Tski
n(10)をコントローラ61のメモリから演算部へ入
力する。つぎに、これら10点のデータから平均値Ts
kin・aveを
【数1】 によって演算し、この平均値Tskin・aveをステ
ップS5 で用いる推定体表面温度とする。
【0069】このように複数の検出体表面温度を統計的
に処理し、時間的に安定したデータを得ることができ、
空調制御を適正に行なうことができる。
【0070】なお、この実施例では単統な算術平均を行
ったが、時間的に新しいデータに大きな重みをつけるよ
うな重み付け平均を行なってもよい。ただし、ここでデ
ータ数を多く取り入れすぎると、時間的な変動に対して
鈍感になるので注意する必要がある。
【0071】図10は請求項5の発明に係る実施例を示
す説明図である。
【0072】この実施例は、ステップS4 において体表
面温度の判断を行なう所定時間を熱負荷あるいは検出体
表面温度に基づいて変更可能にしたものである。
【0073】図10において、上部の曲線は検出体表面
温度であり、図中上部の横方向の点線は時間平均のため
の平均化時間を変える判定温度を示している。この例で
は、検出体表面温度が35.5℃より高い場合は平均化
時間を15秒とし、35.5℃より低く34.6℃より
高い場合には平均化時間を30秒とし、34.6℃より
低い場合には平均化時間を60秒としている。これは、
人体の快適な体表面温度は種々の研究により33℃〜3
4.5℃にあるという結果に基づき、35.5℃よりも
高いような高温の場合には、きわめて不快な状態であ
り、空調装置1により車室内温度が急激に下降している
状況であるために、平均時間を長くとって制御を安定さ
せるよりも、平均時間を短かくして熱負荷の変化に遅れ
ずに対応するようにしている。
【0074】この例では説明をわかり易くするために検
出体表面温度が高い場合について説明したが、当然低い
場合にも同様である。また、この例では簡単のために判
定温度にヒステリシスを設けなかったが、判定温度に少
し幅をもたせ制御が安定するようにしてもよい。
【0075】この実施例によれば、体表面温度の時間的
変化が大きい場合は時間平均の検出時間をより短くする
ことで時間的な遅れを少くし、体表面温度の時間的変化
が小さい場合には、時間的に安定な制御にすることがで
きる。
【0076】図11は請求項6の発明に係る実施例を示
す説明図である。
【0077】この実施例は、表面温度検出器57に少く
とも通常の温度検出モードと位置調整時の温度検出モー
ドとを設け、位置調整時の温度検出モードの場合には前
記表面温度検出器57の検出時間を短かくし、さらに検
出体表面温度が適正範囲に入っている場合に、これを乗
員に知らせる図示しないブザーや点灯ランプ等の報知手
段を設けたものである。
【0078】図11において、曲線は検出体表面温度で
あり横方向の点線は車室内熱負荷から算出した体表面温
度の適正範囲を示している。
【0079】乗員が表面温度検出器57を適正な方向へ
向けるために位置調整を行なう際、前記表面温度検出器
57が検出した体表面温度が適正範囲に入った場合に、
ブザーやランプ等の報知手段が作動して乗員に知らせ
る。
【0080】こうすることにより、表面温度検出器57
を乗員の体表面の狭い部位に的確に向けることが容易に
なる。
【0081】従って、体表面温度の検出精度が向上し、
これに伴って空調制御を適正に行なうことができる。
【0082】図12および図13は、請求項7の発明に
係る実施例を示す説明図である。
【0083】この実施例は、対象乗員の座席位置、座席
高さ、座席角度または後方鏡などの乗員の着座姿勢に関
連する室内備品の少くとも一つの位置に基づいて体表面
温度検出手段CL3としての表面温度検出器57の位置
を設定するようにしたものである。
【0084】図12は例えば座席45の車両前後方向の
位置に基づいて表面温度検出器57の位置(角度)を適
正に設定している状態を示している。
【0085】すなわち、表面温度検出器57は位置(角
度)を設定可能な位置設定手段としてのアクチュエータ
65を有し、このアクチュエータ65は座席45の前後
位置、座席高さ、座席角度または後方鏡等の乗員の搭乗
位置に係る室内備品のいずれか一つの位置を乗員が設定
することに応じて、表面温度検出器57の位置を自動的
に乗員に対して適正位置に設定する。
【0086】図13は例えば座席の車両前後方向の位置
に応じた表面温度検出器の位置(角度)を示すグラフで
ある。
【0087】この実施例によれば、表面温度検出器57
の位置(角度)を対象乗員の対象部位へ自動的に向けさ
せることができ、表面温度検出器57の位置設定が簡単
かつ確実に行われる。
【0088】図14は請求項8の発明に係る実施例を示
す説明図である。
【0089】この実施例は、複数の座席(この実施例で
は座席43,45の2個)に対応させて複数の表面温度
検出器を設け、いずれかの座席の検出体表面温度が体表
面温度判断手段により不適正と判断された場合、他の座
席の適正な検出体表面温度を援用して、前記不適正と判
断された座席の体表面温度を補正するようにしたもので
ある。
【0090】図14において、上部の曲線は座席43の
検出体表面温度、中部の曲線は座席45の検出体表面温
度、下部の曲線は座席45の補正した体表面温度を示
し、また、図中横方向の点線は車室内熱負荷から算出し
た体表面温度の適正範囲を示している。
【0091】この図では、座席43の検出体表面温度は
適正範囲に入っており、座席45の検出体表面温度は2
個所にわたって適正範囲から外れている。このような場
合、座席43の検出体表面温度と、座席45の適正範囲
に入っている検出体表面温度を用いて座席45の体表面
温度をステップS6 において推定する。
【0092】すなわち、座席43の検出体表面温度をT
skin1、座席45の検出体表面温度をTskin
2、異常値検出前の適正体表面温度をTskin2LA
ST、異常値検出後の経過時間(秒)をτとすると、 Tskin2={Tskin2LAST・(60−τ) +Tskin1・τ}/60 (τ<60秒) =Tskin1 (τ≧60秒) …(8) よって座席45の体表面温度が推定される。
【0093】つまり、この実施例では、複数の座席の中
である座席の検出体表面温度が適正範囲から外れている
場合、まず、その座席の適正範囲の検出体表面温度を主
体にした補正を行ない、時間が経過しても適正な範囲に
戻らない場合には適正範囲に入っている他の座席の検出
体表面温度を時間経過に従って徐々に主体にして補正す
る。
【0094】このようにすることで、適正範囲を外れて
長時間経過しても、適正範囲の体表面温度が示す熱環境
状態の時間的変化に対応することができる。
【0095】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1の発明によれば、対象乗員の体表面温度の検出精度を
向上させることができ、この適正体表面温度に基づいて
空調制御を適正に行なうことができるため、乗員の快適
性をより向上させることができる。
【0096】請求項2の発明によれば、不適正な検出体
表面温度を除くことができ、制御をより向上させること
ができる。
【0097】請求項3の発明によれば、顔面温度により
衣服等の影響を受けずに体表面温度を正確に検出でき
る。
【0098】請求項4の発明によれば、時間的に安定な
制御ができる。
【0099】請求項5の発明によれば、体表面温度の時
間的な変化の大小に係わらず安定な制御ができる。
【0100】請求項6の発明によれば、乗員に対して適
正な検出を知らせ、より正確な検出ができる。
【0101】請求項7の発明によれば、体表面温度検出
手段の位置調整をより簡便にできる。
【0102】請求項8の発明によれば、複数の体表面温
度検出手段の検出のうち、適正なものを援用して不適正
なものを補正するため、制御を正確にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のブロック図である。
【図2】一実施例に係る構成図である。
【図3】一実施例に係るフローチャートである。
【図4】図3のステップS1の詳細フローチャートであ
る。
【図5】図3のステップS3の詳細フローチャートであ
る。
【図6】請求項2の実施例の説明図である。
【図7】請求項2の実施例の説明図である。
【図8】請求項3の実施例の説明図である。
【図9】請求項4の実施例のフローチャートである。
【図10】請求項5の実施例の説明図である。
【図11】請求項6の実施例の説明図である。
【図12】請求項7の実施例の説明図である。
【図13】請求項7の実施例の説明図である。
【図14】請求項8の実施例の説明図である。
【図15】従来例に係るブロック図である。
【符号の説明】
CL1 空調風発生手段 CL2 室内熱負荷検出手段 CL3 体表面温度検出手段 CL4 制御手段 CL5 体表面温度推定手段 CL6 体表面温度判断手段
フロントページの続き (72)発明者 萩野 光明 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/00 101

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の空調風を吹出すと共に空調風の吹
    出し状態を変更可能な空調風発生手段と、車室内の熱負
    荷を検出する室内熱負荷検出手段と、乗員の体表面の温
    度を検出する体表面温度検出手段と、前記室内熱負荷検
    出手段が検出した車室内熱負荷により乗員の体表面温度
    の適正範囲を推定する体表面温度推定手段と、前記体表
    面温度推定手段が推定した適正体表面温度に基づき体表
    面温度検出手段により検出した体表面温度が適正か否か
    を判断する体表面温度判断手段と、前記体表面温度判断
    手段が適正と判断した体表面温度に基づいて前記空調風
    発生手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とす
    る自動車用空調装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動車用空調装置であっ
    て、前記制御手段は前記体表面温度判断手段の判断結果
    が不適正の場合、不適正になる前の適正な検出体表面温
    度温度に基づいて制御することを特徴とする自動車用空
    調装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の自動車用空調装置であっ
    て、前記体表面温度検出手段は乗員の顔面温度を検出す
    ることを特徴とする自動車用空調装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の自動車用空調装置であっ
    て、前記体表面温度判断手段は、前記体表面温度の判断
    を所定時間内で複数回行なうと共に、この複数の判断結
    果に基づき統計的処理により適正な体表面温度を推定す
    ることを特徴とする自動車用空調装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の自動車用空調装置であっ
    て、前記体表面温度判断手段は、前記体表面温度の判断
    を行なう所定時間を前記熱負荷あるいは検出体表面温度
    に基づいて可変とすることを特徴とする自動車用空調装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の自動車用空調装置であっ
    て、前記体表面温度検出手段に少くとも通常の温度検出
    モードと位置調整時の温度検出モードとを設け、前記位
    置調整時の温度検出モードにおいて検出した体表面温度
    が適正な場合にこれを乗員に報知する報知手段を設けた
    ことを特徴とする自動車用空調装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の自動車用空調装置であっ
    て、前記体表面温度検出手段の検出方向を設定可能な位
    置設定手段を設け、この位置設定手段を乗員の着座姿勢
    に関連する室内備品の位置変更に応じて連動させること
    を特徴とする自動車用空調装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の自動車用空調装置であっ
    て、前記体表面温度検出手段を複数個設け、いずれかの
    体表面温度検出手段で検出した体表面温度が前記体表面
    温度判断手段で不適正と判断された場合、前記制御手段
    は他の体表面温度検出手段で検出した適正な体表面温度
    を援用して制御することを特徴とする自動車用空調装
    置。
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