JP2001334819A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2001334819A JP2000160813A JP2000160813A JP2001334819A JP 2001334819 A JP2001334819 A JP 2001334819A JP 2000160813 A JP2000160813 A JP 2000160813A JP 2000160813 A JP2000160813 A JP 2000160813A JP 2001334819 A JP2001334819 A JP 2001334819A
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Hiroshi Oga
啓 大賀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非接触温度センサの温度信号に基づいて空調
制御を行う車両用空調装置において、外乱物体の影響を
排除して、外乱により空調制御が不安定になるのを防止
する。 【解決手段】 車室内の多数の検出領域のうち温度が所
定温度範囲外となる特定領域を検出し(S132)、特
定領域が時間経過に伴って多数の検出領域内で移動した
か否かを判断して、特定領域が例えば日射による影響で
あるか、煙草等の外乱物体によるものかを判断する(S
133、S134)。そして、外乱有りと判定したとき
は、外乱有りと判定する前のデータに基づいて空調制御
を行うことにより、外乱物体の影響を排除する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非接触温度センサ
により検出される車室内の温度に基づいて空調制御を行
う車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平10−197348号公報に記載
の従来装置では、多数の温度検出素子をマトリックス状
に配置した赤外線センサ(非接触温度センサ)にて、乗
員およびその背景の表面温度を検出し、その温度信号に
基づいて乗員近傍の雰囲気温度や日射量を推定し、それ
らの推定値に基づいて空調制御を行うようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、乗員や
背景の温度範囲から逸脱する温度の外乱物体(煙草等の
高温物や缶ジュース等の冷温物)が温度検出領域内に入
った場合、その外乱物体の影響により温度誤検出がおこ
り、その結果空調制御が不安定になるという問題があっ
た。
【0004】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、非接触温度センサの温度信号に基づいて空調制御を
行う車両用空調装置において、外乱物体の影響を排除し
て、外乱により空調制御が不安定になるのを防止するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、車室(10a)内の多
数の検出領域(160)の温度を、個々に非接触で検出
する非接触温度センサ(70)を備え、非接触温度セン
サ(70)の温度信号に基づいて空調制御を行う車両用
空調装置において、多数の検出領域(160)のうち温
度が所定温度範囲外となる特定領域を検出する特定領域
検出手段(S132)と、特定領域が時間経過に伴って
多数の検出領域(160)内で移動したときに外乱有り
と判定する外乱判定手段(S133、S134)とを備
えることを特徴とする。
【0006】これによると、特定領域が時間経過に伴っ
て検出領域内で移動したか否かによって、特定領域が例
えば日射による影響であるか、煙草等の外乱物体による
ものかを判別することができる。
【0007】請求項2に記載の発明では、車室(10
a)内の多数の検出領域(160)の温度を、個々に非
接触で検出する非接触温度センサ(70)を備え、非接
触温度センサ(70)の温度信号に基づいて空調制御を
行う車両用空調装置において、多数の検出領域(16
0)のうち温度が所定温度範囲外となる特定領域を検出
する特定領域検出手段(S132)と、特定領域の数が
所定数以下のときに外乱有りと判定する外乱判定手段
(S133a、S134)とを備えることを特徴とす
る。
【0008】これによると、特定領域の数が所定数以上
の場合(すなわち、広い範囲が高温または低温になって
いる場合)は、外気や日射の影響による通常の状態と推
定され、一方、特定領域の数が所定数以下の場合(すな
わち、狭い範囲が高温または低温になっている場合)
は、煙草やジュース等の外乱物体の影響と推定され、従
って、特定領域の数によって外乱物体か否かを判別する
ことができる。
【0009】請求項1または2において、外乱有りと判
定したときは、請求項3に記載の発明のように外乱有り
と判定する前の温度信号に基づいて空調制御を行うこと
により、あるいは請求項4に記載の発明のように外乱有
りと判定する前の吹出空気の目標温度に基づいて空調制
御を行うことにより、外乱物体の影響を排除して、外乱
により空調制御が不安定になるのを防止することができ
る。
【0010】請求項5に記載の発明のように、多数の検
出領域(160)の平均温度を基準とし、平均温度より
も所定値高い温度から、平均温度よりも所定値低い温度
までの範囲を、所定温度範囲としてもよい。
【0011】また、請求項6に記載の発明のように、一
定値に定めた2つの設定温度の範囲を所定温度範囲とし
てもよい。
【0012】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0013】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1は本発明に
係わる車両用空調装置を示すもので、この空調装置は空
気通路を形成するエアダクト10を備えており、このエ
アダクト10はそのフェイス吹出口11およびフット吹
出口12にて車室10a内に開口している。そして、フ
ェイス吹出口11から乗員の上半身に向けて主に冷風が
吹き出され、フット吹出口12から乗員の足元に向けて
主に温風が吹き出される。エアダクト10内には、その
空気導入口側から各吹出口11、12にかけて、内外気
切替ドア80、ブロワ20、エバポレータ(冷房用熱交
換器)30、エアミックスダンパ40、ヒータコア(暖
房用熱交換器)50および吹出口切替ダンパ60が順に
配設されている。
【0014】内外気切替ドア80は、エアダクト10内
に外気を導入するか、内気を導入するかを決める。ブロ
ワ20は、そのブロワモータ20aの駆動に応じエアダ
クト10内にその導入口から空気流を導入し、エバポレ
ータ30、エアミックスダンパ40、ヒータコア50お
よび吹出口切替ダンパ60を介し、フェイス吹出口11
またはフット吹出口12から車室10a内に空気を吹き
出す。エバポレータ30は、コンプレッサ30aの作動
下にて冷凍サイクル中の冷媒を受けてブロワ20からの
空気流を冷却する。コンプレッサ30aは、これに付設
の電磁クラッチ30bの選択的係合下にて当該車両のエ
ンジンにより駆動される。
【0015】エアミックスダンパ40は、空気の温度を
調節する温度調節手段を構成するもので、その現実の開
度θ(図1参照)に応じ、エバポレータ30からヒータ
50に流入させるべき冷却空気流の量、およびエバポレ
ータ30からヒータ50を迂回してその後流に流入させ
るべき冷却空気流の量を調節する。かかる場合、エアミ
ックスダンパ40が図1にて図示破線(または実線)の
位置にあるとき現実の開度θは最小開度θmin(また
は最大開度θmax)になる。ヒータコア50は、エン
ジン冷却水を受けてその流入冷却空気流を再加熱する。
【0016】吹出口切替ダンパ60は、図1に実線で示
す切替位置(以下、第1切替位置という)にて、ヒータ
コア50からの加熱空気流およびこのヒータコア50を
迂回する冷却空気流の混合空気流をフット吹出口12か
ら吹き出す。また、吹出口切替ダンパ60は、フット吹
出口12を閉じる位置(以下、第2切替位置という)に
切り替えられて、前記混合空気流をフェイス吹出口11
から吹き出す。さらに、吹出口切替ダンパ60は、両吹
出口11、12をともに開口する位置(以下、第3切替
位置という)に切り替えられて、前記混合空気流を両吹
出口11、12から吹き出す。
【0017】空調装置は、非接触温度センサ70、内気
温センサ71、開度センサ72〜74、さらには図示し
ない各種センサを備え、非接触温度センサ70は車室1
0a内の所定領域の表面温度を非接触で検出して表面温
度信号を発生し、内気温センサ71は当該車室10a内
の空気温度を検出して内気温信号を発生し、開度センサ
72〜74は、エアミックスダンパ40、吹出口切替ダ
ンパ60および内外気切替ドア80の現実の開度を検出
して開度信号を発生する。
【0018】操作パネル150は空調装置への乗員から
の入力である各種設定信号(設定温度信号、モード選択
信号、オート/マニュアル選択信号等)を生じる。ここ
で、操作パネル150は、乗員が希望する室内の温度を
設定するための温度設定手段を含んでいる。
【0019】ECU90は、図2に示すフローチャート
に従ってプログラムを実行し、この実行中において、ブ
ロワモータ20a、電磁クラッチ30b、3つのモータ
120a、130a、140aにそれぞれ接続した各駆
動回路100、110、120、130、140の制御
に必要な演算処理をする。かかる場合、ECU90は、
当該車両のイグニッションスイッチIGによりバッテリ
Bから給電されて作動状態となり、プログラムの実行を
開始する。また、上述のプログラムはECU90のRO
Mに予め記憶されている。
【0020】駆動回路100は、ECU90により制御
されてブロワモータ20aの回転速度を制御する。駆動
回路110は、ECU90により制御されて電磁クラッ
チ30bを選択的に係合させる。モータ120aは、E
CU90の制御に応じて駆動回路120により駆動され
て回転する。このことは、モータ120aが減速機構
(図示せず)を介しエアミックスダンパ40の現実の開
度を調節することを意味する。
【0021】モータ130aは、ECU90の制御に応
じて駆動回路130により駆動されて回転する。このこ
とは、モータ130aが減速機構(図示せず)を介し吹
出口切替ダンパ60を第1〜第3切替位置に選択的に切
り替えることを意味する。モータ140aは、ECU9
0にに応じて駆動回路140により駆動されて回転す
る。このことは、モータ140aが減速機構(図示せ
ず)を介し内外気切替ドア80の現実の開度を調節する
ことを意味する。
【0022】また、電磁クラッチ30bが、ECU90
からの出力信号に応答して駆動回路110により駆動さ
れて係合し、これに伴いコンプレッサ30aがエンジン
により駆動されて圧縮冷媒をエバポレータ30に供給す
る。しかして、ブロワ20による導入空気流が、エバポ
レータ30により冷却され、エアミックスダンパ40の
現実の開度θに応じた量でもってヒータコア50に流入
して加熱されるとともに、残余の空気流が、直接ヒータ
コア50の後方へ流入し加熱空気流と混合される。
【0023】次に、非接触温度センサ70について説明
する。図1に示すように、非接触温度センサ70は、運
転者(乗員)Mの前方においてルームミラー近傍の天井
部に設置されて、運転者Mの身体および周囲後方の表面
温度を検出する。
【0024】図3は上記非接触温度センサ70による表
面温度の検出領域160を示すもので、検出領域160
には、運転者Mの上半身(着衣部)M1、頭部M2、顔
部M3、腕部M4、下半身M5、天井170内壁面の一
部、前席ドア171のサイドガラス171a内壁面の一
部、リヤガラス172内壁面の一部が含まれている。な
お、非接触温度センサ70による表面温度検出対象とし
て、前席シート173、後席シート174、コンソール
175、床176、側壁171bを含んでもよい。
【0025】また、図4に示すように、非接触温度セン
サ70は多数(本例では16個)の温度検出素子A〜P
が1つの基盤上に4行4列のマトリックス状に配置して
構成されている。そして、16個の温度検出素子A〜P
は、図3に示す温度検出領域160の16個の分割領域
(画素)毎の表面温度をそれぞれ独立に検出して温度信
号を発生する。なお、非接触温度センサ70は、被検温
体から放射される赤外線量に対応して電気信号を発生す
る赤外線センサであり、より具体的には、被検温体から
放射される赤外線量に比例した起電力を発生するサーモ
パイル型検出素子を用いた赤外線センサである。
【0026】上記構成において、イグニッションスイッ
チIGの閉成により当該車両のエンジンを始動させると
ともにECU90を作動状態におく。
【0027】次いで、操作パネル150から操作信号を
発生させれば、ECU90が、図2のフローチャートに
従い、ECU90内のプログラムの実行を開始し、まず
ステップS100にて、以降の処理の実行に使用するカ
ウンタやフラグを初期設定する初期化の処理を実行した
後、ステップS110に移行する。そして、ステップS
110、S120にてスイッチ信号および非接触温度セ
ンサ70を含む各種センサ信号(内気温、エンジン冷却
水温、エバポレータ出口温、車速、湿度等)を読み込
む。
【0028】これらのセンサ信号のうち、非接触温度セ
ンサ70の信号はステップS130へ入力される。ま
た、非接触温度センサ70の信号は、数周期分のデータ
がECU90内のRAM(図示せず)に記憶される。
【0029】ステップS130では、乗員Mや背景の温
度範囲から大きく逸脱する温度の外乱物体(煙草等の高
温物や、アイス、缶ジュース等の冷温物)が、温度検出
領域160内に入ったか否かを判定する。
【0030】次に、ステップS140では、ステップS
120で読み込んだ表面温度、設定温度および内気温に
基づき、車室内へ吹き出す空気の制御目標温度、すなわ
ち目標吹出空気温度TAOを演算する。
【0031】次に、ステップS150において、上記目
標吹出空気温度TAOに基づいて目標風量に対応するブ
ロワモータ20aへの印可電圧(ブロワ電圧)を算出す
る。
【0032】次に、ステップS160では、目標吹出空
気温度TAO、エンジン冷却水温TW及びエバポレータ
出口温TEとに基づき、エアミックスダンパ40の目標
開度SWを、SW={(TAO−TE)/(TW−T
E)}×100%の式に基づいて算出する。
【0033】次にステップS170では、目標吹出空気
温度TAOに基づき、内気導入にするか、外気導入にす
るかを決定する。次にステップS180では、目標吹出
空気温度TAOに基づいて、吹出口モードをフェイスモ
ード、バイレベルモード、およびフットモードのいずれ
にするかを決定する。
【0034】そしてステップS190では、上記ステッ
プS150〜ステップS180による演算結果に応じ
て、駆動回路100、120、130、140に、ブロ
ワ電圧制御信号、エアミックスダンパ開度制御信号、内
外気導入モード制御信号、および吹出口モード制御信号
を夫々出力する。そして、ステップS200へ進み、周
期時間t秒(例えば、0.5〜1秒)経過したか否かを
判定し、NOの場合はステップS200で待ち、YES
の場合はステップS110へ戻る。
【0035】次に、ステップS130の外乱判定につい
て、ステップS130の詳細を示す図5に基づいて説明
する。
【0036】まず、ステップS131では、非接触温度
センサ70により検出した検出領域160の表面温度デ
ータに基づいて、検出領域160内での顔部M3の位置
を判断する。すなわち、顔部M3のおおよその位置はわ
かっているので、その位置近辺で顔部温度に近い温度
(例えば、32〜38℃)の領域(画素)を顔部M3の
位置と判断する。
【0037】次に、ステップS132(特定領域検出手
段)では、非接触温度センサ70により検出した検出領
域160の温度データに基づいて、顔部M3以外の領域
で温度が所定温度範囲外となる特定領域、すなわち、温
度が極端に高い特定領域あるいは温度が極端に低い特定
領域の有無を判断する。
【0038】具体的には、検出領域160のうち顔部M
3以外の領域の平均温度Ta(空調安定時は25℃前
後)を基準とし、その平均温度Taよりも第1所定値α
1(例えば、15℃)以上高い領域を高温側の特定領域
と判断し、また、平均温度Taよりも第2所定値α2
(例えば、10℃)以上低い領域を低温側の特定領域と
判断する。そして、特定領域が無ければステップS13
5で外乱物体なしと判断してステップS140へ進み、
特定領域が有ればステップS133へ進む。
【0039】次に、ステップS133では、特定領域が
時間経過に伴って他の領域に移動したか否かを判断す
る。
【0040】このステップS133での判断について、
図3中のa点、b点、c点の順に煙草が移動した場合を
例にして説明する。ここで、a点の領域の温度は16個
の温度検出素子A〜P(図4参照))のうち符号Pの温
度検出素子にて検出され、b点の領域の温度は符号Kの
温度検出素子にて検出され、c点の領域の温度は符号G
の温度検出素子にて検出される。
【0041】図6はそれらの温度検出素子P、K、Gに
て検出されるa、b、c各点の領域の温度変化を示して
おり、時刻t1では、煙草が位置するa点の領域の温度
がTa+α1以上の高温側特定領域となり、時刻t2で
はb点の領域が高温側特定領域となり、時刻t3ではc
点の領域が高温側特定領域となる。このように、高温側
特定領域が時間経過に伴って検出領域160内で順に移
動した場合、ステップS133はYESとなってステッ
プS134に進み、ステップS134では、空調制御に
悪影響を及ぼす外乱物体有りと判断する。
【0042】また、冷温物(例えばアイス、缶ジュー
ス)が検出領域160内を移動した場合、冷温物が位置
する領域がTa−α2以下の低温側特定領域となり、ス
テップS133はYESとなる。
【0043】一方、特定領域が検出領域160内を移動
しない場合は、その特定領域は外気や日射による影響と
考え、ステップS133はNOとなってステップS13
5で外乱物体なしと判断し、ステップS140に進む。
【0044】なお、ステップS133とステップS13
4とにより、特定領域が移動したか否かに基づいて外乱
有無を判定する外乱判定手段を構成している。
【0045】ここで、皮膚露出部である顔部M3を除く
領域の平均温度Taは、室温安定状態では室温に略等し
くなるため、所定温度範囲は概ね室温に応じて変化す
る。従って、例えば50℃の移動物体は、室温が例えば
25℃前後の時には外乱物体と判断され、クールダウン
時のように室温が高いときには外乱物体と判断されな
い。すなわち、同じ温度の移動物体であっても、室温と
の温度差が大きくて空調制御に対する影響が大きい場合
のみ外乱物体と判断される。
【0046】次に、上記したステップS130の外乱判
定結果に基づく、ステップS140での目標吹出空気温
度TAOの演算方法について説明する。
【0047】前述したように、ステップS140では、
ステップS120で読み込んだ表面温度、設定温度およ
び内気温に基づき、目標吹出空気温度TAOが演算され
る。
【0048】そして、ステップS135で外乱物体なし
と判断された場合は、ステップS120で読み込んだ最
新の表面温度データを用いて目標吹出空気温度TAOを
演算する。
【0049】一方、ステップS134で空調制御に悪影
響を及ぼす外乱物体有りと判断された場合は、外乱物体
が温度検出領域160内に入る前の旧表面温度データを
ECU90内のRAMから読み込み、その旧表面温度デ
ータを用いて目標吹出空気温度TAOを演算する。この
ように、外乱物体が温度検出領域160内に入った場
合、旧表面温度データを用いて目標吹出空気温度TAO
を演算することにより、外乱物体の影響を排除して、外
乱により空調制御が不安定になるのを防止することがで
きる。
【0050】(第2実施形態)次に、図7に示す第2実
施形態について説明する。本実施形態はステップS13
0(図2参照)の外乱判定方法が第1実施形態と異な
り、より詳細には、第1実施形態のステップS133
(図5)が本実施形態ではステップS133aに変更さ
れており、その他の点は第1実施形態と同一である。
【0051】以下、本実施形態の外乱判定方法につい
て、図7に基づいて説明する。まず、ステップS131
で、検出領域160内での顔部M3の位置を判断する。
次に、ステップS132で、顔部M3以外の領域で温度
が所定温度範囲外となる特定領域の有無を判断する。そ
して、特定領域が無ければステップS135で外乱物体
なしと判断してステップS140へ進み、特定領域が有
ればステップS133aへ進む。
【0052】次に、ステップS133aでは、特定領域
と判断された領域(画素)の数を数え、その数が所定数
を超える(本例では3以上)の場合は、ステップS13
3aがNOとなってステップS135で外乱物体なしと
判断し、ステップS140に進む。ここで、特定領域の
数が3以上の場合、すなわち、広い範囲が高温または低
温になっている場合は、外気や日射の影響による通常の
状態と推定され、従って外乱物体なしと判断する。
【0053】一方、特定領域と判断された領域(画素)
の数が所定数以下(本例では2以下)の場合はステップ
S133aがYESとなってステップS134に進み、
ステップS134では、空調制御に悪影響を及ぼす外乱
物体有りと判断する。ここで、特定領域の数が1または
2の場合、すなわち、狭い範囲が高温または低温になっ
ている場合は、それは外気や日射による通常の状態では
なく煙草やジュース等の外乱物体の影響と推定され、従
って外乱物体有りと判断する。
【0054】なお、ステップS133aとステップS1
34とにより、特定領域の数に基づいて外乱有無を判定
する外乱判定手段を構成している。
【0055】以下、上記したステップS130の外乱判
定結果に基づいて、第1実施形態と同様にしてステップ
S140(図2参照)以降の処理が実行され、従って、
外乱物体の影響を排除して、外乱により空調制御が不安
定になるのを防止することができる。
【0056】(他の実施形態)上記各実施形態では、外
乱有りと判断した場合、外乱物体が温度検出領域160
内に入る前の旧表面温度データを用いて目標吹出空気温
度TAOを演算したが、外乱物体が温度検出領域160
内に入る前の旧目標吹出空気温度を用いて、ステップS
150以降の演算を行うようにしてもよい。
【0057】また、上記各実施形態では、顔部M3以外
の領域の平均温度Taを基準に所定温度範囲を設定した
が、顔部M3を含む検出領域160全体の平均温度を基
準に所定温度範囲を設定してもよい。また、一定値の高
温側設定温度(例えば、40℃)と一定値の低温側設定
温度(例えば、15℃)の間を所定温度範囲としてもよ
い。
【0058】また、第2実施形態では、特定領域の数が
所定数以下の場合外乱物体有りと判断したが、その所定
数は温度検出領域160の分割領域(画素)数に応じて
変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の全体構成を示す概略構
成図である。
【図2】図1のECUにて実行される空調制御処理を示
すフローチャートである。
【図3】図1の非接触温度センサの温度検出範囲を示す
車室内の図である。
【図4】図1の非接触温度センサの構成を示す模式図で
ある。
【図5】図2のステップ130の制御処理を示すフロー
チャートである。
【図6】第1実施形態の作動説明に供する特性図であ
る。
【図7】本発明の第2実施形態における要部の制御処理
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10a…車室、70…非接触温度センサ、160…温度
検出領域、S132…特定領域検出手段、S133、S
134…外乱判定手段。
フロントページの続き (72)発明者 神谷 敏文 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 大賀 啓 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 安藤 浩 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3L011 AF01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室(10a)内の多数の検出領域(1
    60)の温度を、個々に非接触で検出する非接触温度セ
    ンサ(70)を備え、前記非接触温度センサ(70)の
    温度信号に基づいて空調制御を行う車両用空調装置にお
    いて、 前記多数の検出領域(160)のうち温度が所定温度範
    囲外となる特定領域を検出する特定領域検出手段(S1
    32)と、 前記特定領域が時間経過に伴って前記多数の検出領域
    (160)内で移動したときに外乱有りと判定する外乱
    判定手段(S133、S134)とを備えることを特徴
    とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 車室(10a)内の多数の検出領域(1
    60)の温度を、個々に非接触で検出する非接触温度セ
    ンサ(70)を備え、前記非接触温度センサ(70)の
    温度信号に基づいて空調制御を行う車両用空調装置にお
    いて、 前記多数の検出領域(160)のうち温度が所定温度範
    囲外となる特定領域を検出する特定領域検出手段(S1
    32)と、 前記特定領域の数が所定数以下のときに外乱有りと判定
    する外乱判定手段(S133a、S134)とを備える
    ことを特徴とする車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記外乱判定手段(S133、S133
    a、S134)が外乱有りと判定したときは、外乱有り
    と判定する前の前記温度信号に基づいて空調制御を行う
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調
    装置。
  4. 【請求項4】 前記車室(10a)内へ吹き出す空気の
    目標温度(TAO)を前記温度信号に基づいて算出して
    空調制御を行う車両用空調装置であって、 前記外乱判定手段(S133、S133a、S134)
    が外乱有りと判定したときは、外乱有りと判定する前の
    前記目標温度(TAO)に基づいて空調制御を行うこと
    を特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装
    置。
  5. 【請求項5】 前記所定温度範囲は、前記多数の検出領
    域(160)の平均温度を基準とし、前記平均温度より
    も所定値高い温度から、前記平均温度よりも所定値低い
    温度までの範囲であることを特徴とする請求項1ないし
    4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 前記所定温度範囲は、一定値に定めた2
    つの設定温度の範囲であることを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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