JP3829723B2 - 駆動装置及び車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、対を成す制御対象を駆動するアクチュエータの駆動装置に関し、特に左右独立コントロールの車両用空調装置の左右ドアを駆動する駆動装置に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の制御対象を持ち、その複数の制御対象を同時に作動させる要求があった場合、駆動回路を簡素として半導体素子の容量も抑えるため、制御対象を順番に作動させるようにアクチュエータを制御する駆動装置がある。
【0003】
また、車両用空調装置においては、複数の制御対象として、導入する空気を内気と外気のいずれかに切り替える内外気切替ドア、吹き出し空気の温度を調整する温度調整ドア、車室内への空気の吹出口を切り替える吹出口切替ドア等を備えており、各ドアを駆動するアクチュエータとしてそれぞれにサーボモータ等を備えている。
【0004】
そして、ドア駆動装置は、複数のドアを同時に作動させる要求があった場合、予め定めた優先順位に従って各ドアを順番に駆動するよう各サーボモータを制御している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の駆動装置を、左右独立コントロールの車両用空調装置の温度調整ドアや吹出口切替ドア等、左右対を成すドア部分に適用した場合、例えば運転席側の温度可変や吹出口切り替えが終了した後に助手席側の温度可変や吹出口切り替えが行われるため、助手席側乗員においては操作パネル等で空調条件を変える操作を行ったにもかかわらず、しばらく何の変化も表れずに遅れて動きだすような違和感を感じてしまい問題である。
【0006】
この問題に対して発明者らは、左右対を成すドア等の制御対象を、予め定めた単位変位量毎で交互に動すという着想に至った。図7は、その検討段階での制御例を示すグラフ(実線R:右側、点線L:左側)である。単位変位量mは、温度や風量等の制御結果の出力で左右の差を感じない程度の変位量としている。
【0007】
これにより、乗員に対しては左右の差を感じさせず、対を成すドアがあたかも同時に動いているように感じさせることができる。しかし、この駆動方法では各アクチュエータの作動回数が格段に増加(図7では左右とも各9回)してしまい、アクチュエータの耐久寿命が低下するという問題が懸念される。
【0008】
本発明は、上記従来の問題に鑑みて成されたものであり、その目的は、対を成す左右ドア等の制御対象を駆動する際、操作に対する反応の遅れ感や制御対象間での大きな差を生じさせることなく、且つアクチュエータの耐久寿命を低下させるおそれのない駆動装置及び車両用空調装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では以下の技術的手段を採用する。
【0010】
請求項1記載の発明では、制御手段(10)は、対を成す制御対象(15、16、24、34、25、35、26、36)を駆動させる場合、両制御対象の現在位置の差、及び目標位置の差が予め定めた単位変位量(m)未満の場合、他方との変位量差が単位変位量(m)となるまで互いに追い越し合うよう交互に駆動させることを特徴とする。
【0011】
この交互に駆動することにより操作に対する反応の遅れ感を感じさせることがない。また、他方との変位量差が単位変位量(m)となるまで互いに追い越し合うという駆動方法により、駆動の間も制御対象間で単位変位量(m)以上の差を生じることがないうえ、上記検討段階での駆動方法に対して各アクチュエータの作動回数は略半分とすることができるため、アクチュエータの耐久寿命を低下させるおそれがない。
【0012】
請求項2記載の発明では、制御手段(10)は、対を成す制御対象(15、16、24、34、25、35、26、36)を駆動させる場合、両制御対象の現在位置の差、または目標位置の差が予め決められた単位変位量(m)以上の場合、交互に駆動させる1回当たりの分割量を単位変位量(m)より大きくしたことを特徴とする。
【0013】
これは、両制御対象の現在位置の差、または目標位置の差が予め決められた単位変位量(m)以上あるということは、制御対象間に差がある状態からの駆動か、制御対象間に差がある状態への駆動か、または制御対象間に差がある状態のままでの駆動となるため、駆動する間の差も小さくする必要がなく、交互に駆動させる1回当たりの分割量を大きくしている。これにより、両制御対象の駆動を早く終了することができる。
【0014】
請求項3記載の発明では、制御手段(10)は、対を成す制御対象(15、16、24、34、25、35、26、36)を交互に駆動させる場合、現在位置から目標位置までの総変位量(Mr、Ml)が大きい側から駆動させることを特徴とする。これにより、両制御対象の駆動を早く終了することができる。
【0015】
請求項4記載の発明では、制御手段(10)は、アクチュエータ(17、18、29、39)の作動量と制御対象の変位量が比例関係にない場合、制御対象の変位量が一定の割合で変化するようにアクチュエータ(17、18、29、39)の作動量を制御することを特徴とする。これにより、例えば温度や風量等の制御結果の出力が一定の割合で変化するようになるうえ、両制御対象の駆動を早く終了することができるようになる。
【0016】
請求項5記載の発明では、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の駆動装置を備え、対を成す制御対象とは左右のエアミックスドア(15、16)、または左右の吹出口切替ドア(24、34、25、35、26、36)であり、アクチュエータとは左右のエアミックスサーボモータ(17、18)、または左右の吹出口切替サーボモータ(29、39)であり、制御手段はエアコンECU(10)であることを特徴とする。
【0017】
このように、左右独立コントロールの車両用空調装置において左右ドアを駆動する駆動装置等に用いて好適である。因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づき説明する。図1は本発明の一実施形態における車両用空調装置の全体構成図である。本実施形態の車両用空調装置、いわゆるカーエアコンは、走行用に水冷エンジンを搭載する自動車等の車両の、車室内を空調する空調ユニット1における各空調手段(アクチュエータ)を、空調用の制御手段(以下エアコンECUと云う)10によって制御するように構成されたオートエアコンシステムである。
【0019】
その空調ユニット1は、車室内の運転席側(運転席後方の後部座席を含む)空調ゾーンと、助手席側(助手席後方の後部座席を含む)空調ゾーンとの温度調節及び吹出口モードの変更等を、互いに独立して行うことが可能な左右独立コントロールユニットである。
【0020】
空調ユニット1は、車両の車室内の前方に配置された空調ダクト2を備えている。この空調ダクト2の上流側には、内外気切替ドア3及びブロワ4とが設けられていて内外気送風手段としての送風機ユニットとなっている。内外気切替ドア3は、サーボモータ5等のアクチュエータにより駆動されて内気吸込口6と外気吸込口7との開度(いわゆる吸込口モード)を変更する吸込口切替手段である。
【0021】
ブロワ4は、ブロワ駆動回路8によって制御されるブロワモータ(送風ファン駆動手段)9により回転駆動されて空調ダクト2内において車室内に向かう空気流を発生させる遠心式送風機である。また、ブロワ4は、後述する運転席側、助手席側の各吹出口から車室内の運転席側、助手席側空調ゾーンに向けてそれぞれ吹き出される空調風の吹出風量または吹出風速を変更する吹出風量可変手段または吹出風速可変手段を構成する。
【0022】
空調ダクト2の中央部には、空調ダクト2を通過する空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポレータ(冷却用熱交換器)41が設けられている。また、そのエバポレータ41の空気下流側は、第1、第2空気通路11、12として、仕切板14により区画されており、第1、第2空気通路11、12を通過する空気をエンジンの冷却水と熱交換して加熱する空気加熱手段としてのヒータコア(加熱用熱交換器)42が設けられている。
【0023】
そのヒータコア42の空気上流側には、車室内の運転席側空調ゾーンと助手席側空調ゾーンとの温度調節を互いに独立して行うため、左右対を成す制御対象としての運転席側、助手席側エアミックス(A/M)ドア15、16が設けられている。
【0024】
そして、運転席側、助手席側A/Mドア15、16は、対応して左右対を成すサーボモータ17、18等のアクチュエータにより駆動されて、後述する運転席側、助手席側の各吹出口から車室内の運転席側、助手席側空調ゾーンに向けてそれぞれ吹き出される空調風の吹出温度を変更する運転席側、助手席側吹出温度可変手段を構成する。
【0025】
ここで、本実施形態のエバポレータ41は、冷凍サイクルの一構成部品を成すものである。冷凍サイクルは、車両のエンジンルーム内に搭載された車両走行用のエンジンの出力軸にベルト駆動されて、冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機(コンプレッサ)と、このコンプレッサより吐出された冷媒を凝縮液化させる冷媒凝縮器(コンデンサ)と、このコンデンサより流入した液冷媒を気液分離する受液器(レシーバ)と、このレシーバより流入した液冷媒を断熱膨張させる膨張弁(エキスパンション、バルブ)と、このエキスパンション、バルブより流入した気液二相状態の冷媒を蒸発気化させる上記のエバポレータ(冷媒蒸発器)とから構成されている。
【0026】
これらのうちコンプレッサは、エアコンECU10により制御される電磁クラッチによって、エンジンからの回転力が断続される。そして、電磁クラッチがONされてコンプレッサが起動することによってエバポレータ41が空調ダクト2内を通過する空気を冷却し除湿することで、車室内の冷房や除湿、フロントウインドウを含むウインドウの内側の防曇が成される。
【0027】
本実施形態では、エバ後温度センサ74の検出値であるエバ後温度(TE)と目標エバ後温度(TEO)との比較結果に応じて出力される制御信号に基づき容量可変制御を行う電磁式容量可変制御弁を有する容量可変コンプレッサが用いられている。
【0028】
そして、第1空気通路11の空気下流側に連通する各吹出ダクトの空気下流端では、図1に示すように、運転席側デフロスタ(DEF)吹出口20、運転席側センタフェイス(FACE)吹出口21、運転席側サイドフェイス(FACE)吹出口22及び運転席側フット(FOOT)吹出口23が開口している。
【0029】
また、第2空気通路12の空気下流側に連通する各吹出ダクトの空気下流端では、図1に示すように、助手席側デフロスタ(DEF)吹出口30、助手席側センタフェイス(FACE)吹出口31、助手席側サイドフェイス(FACE)吹出口32及び助手席側フット(FOOT)吹出口33が開口している。
【0030】
尚、運転席側、助手席側DEF吹出口20、30は、フロントウインドウへ空調風(主に温風)を吹き出すための吹出口を構成し、運転席側、助手席側サイドFACE吹出口22、32は、サイドウインドウへ空調風(主に温風)を吹き出すための吹出口を構成する。
【0031】
そして、第1、第2空気通路11、12内には、車室内の運転席側と助手席側との吹出口モードの設定を互いに独立して行うため、左右対を成す制御対象としての運転席側、助手席側吹出口切替ドア24〜26、34〜36が設けられている。
【0032】
そして、運転席側、助手席側吹出口切替ドア24〜26、34〜36は、対応して左右対を成すサーボモータ29、39等のアクチュエータにより駆動されて運転席側、助手席側の吹出口モードをそれぞれ切り替えるモード切替ドアで、吹出割合調節手段を構成する。尚、運転席側、助手席側の吹出口モードとしては、FACEモード、B/Lモード、FOOTモード、FOOT/DEFモード、DEFモード等がある。
【0033】
エアコンECU10は、本発明の空調用の制御手段に相当するもので、エンジンの始動及び停止を司るイグニッションスイッチが投入(IG、ON)された時に、車両に搭載された車載電源であるバッテリー(図示せず)から直流電源が供給されると演算処理や制御処理を開始するように構成されている。
【0034】
エアコンECU10には、図1に示すように、図示しないインストルメントパネルに一体的に設置されたエアコン操作パネル51上の各種操作スイッチから各スイッチ信号が入力されるように構成されている。
【0035】
また、エアコンECU10の内部には、演算処理や制御処理を行う中央演算装置(CPU)、メモリ(ROMまたはEEOROM、RAM)、及びI/Oポート(入力/出力回路)等の機能を含んで構成される周知のマイクロコンピュータが設けられ、各種センサーからのセンサ信号がI/OポートまたはA/D変換回路によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
【0036】
即ち、エアコンECU10には、車室内温度(内気温)を検出する内気温検出手段としての内気温センサ71、車室外温度(外気温)を検出する外気温検出手段としての外気温センサ72、及び日射検出手段としての日射センサ73が接続されている。
【0037】
また、エバポレータ41を通過した直後の空気温度(以下エバ後温度TEと云う)を検出するエバ後温度検出手段としてのエバ後温度センサ74、車両のエンジン冷却水温を検出して送風空気の加熱温度とする加熱温度検出手段としての冷却水温センサ75、車室内の相対湿度を検出する湿度検出手段としての湿度センサ76、及び冷凍サイクルの高圧側のレシーバとエキスパンション、バルブとの間に取り付けられ、高圧側圧力を検出する冷媒圧力センサ77等が接続されている。
【0038】
これらのうち内気温センサ71、外気温センサ72、エバ後温度センサ74、及び冷却水温センサ75は、例えばサーミスタ等の感温素子が使用されている。また、日射センサ73は、運転席側空調ゾーン内に照射される日射量(日射強度)TS(Dr)を検知する運転席側日射強度検知手段(例えばフォトダイオード)と、助手席側空調ゾーン内に照射される日射量(日射強度)TS(Pa)を検知する助手席側日射強度検知手段(例えばフォトダイオード)とを有している。
【0039】
次に、エアコンECU10による制御方法を図2に基づいて説明する。ここで図2は、エアコンECU10の制御プログラムの一例を示したフローチャートである。
【0040】
まず、イグニッションスイッチがONされてエアコンECU10に直流電源が供給されると、予めROMに記憶されている制御プログラム(図2のルーチン)の実行が開始される。この時に、エアコンECU10内部のマイクロコンピュータに内蔵されたデータ処理用メモリ(RAM)の記憶内容等の初期化を行う(ステップS1)。
【0041】
次に、各種データをデータ処理用メモリ(RAM)に読み込む。即ち、エアコン操作パネル51上の各種操作スイッチからのスイッチ信号や各種センサからのセンサ信号を入力する(ステップS2)。
【0042】
特に、内気温センサ71の検出値である車室内温度に対応した出力信号TR、外気温センサ72の検出値である外気温に対応した出力信号TAM、日射センサ73の検出値である日射量に対応した出力信号TS(Dr)、TS(Pa)、エバ後センサ74の検出値であるエバ後温度に対応した出力信号TE、冷却水温センサ75の検出値である冷却水温に対応した出力信号TWを入力する。
【0043】
次に、上記のような記憶データ及び記憶している演算式に基づいて、運転席側の目標吹出温度TAO(Dr)、及び助手席側の目標吹出温度TAO(Pa)を演算する(ステップS3)。次に、上記のステップS3で求めた運転席側、助手席側の目標吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)に基づいてブロワ風量{ブロワモータ9に印加するブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)}を演算する(ステップS4)。
【0044】
実際には、上記のブロワ制御電圧VAは、運転席側、助手席側の目標吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)にそれぞれ適合したブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)を予め定めた特性パターンに基づいて求めると共に、それらのブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)を平均化処理することにより得ている。
【0045】
次に、上記のような記憶データ及び記憶している演算式に基づいて、運転席側A/Mドア15のA/M開度SW(Dr)(%)及び助手席側A/Mドア16のA/M開度SW(Pa)(%)を演算する(ステップS5)。運転席側、助手席側の目標吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)は上記のステップS3で求めたものに基づく。
【0046】
次に、上記ステップで決定した目標エバ後温度(TEO)とエバ後センサ74の検出値である実際のエバ後温度(TE)とが一致するように、フィードバック制御(PI制御)にてコンプレッサの目標吐出量を決定する(ステップS6)。具体的には、コンプレッサに付設された電磁式容量制御弁の電磁ソレノイドに供給する制御電流の目標値となるソレノイド電流(制御電流:In)を記憶している演算式に基づいて演算する。
【0047】
次に、ステップS4で決定されたブロワ制御電流VA(Dr)、VA(Pa)となるようにブロワ駆動回路8に制御信号を出力する(ステップS7)。次に、後述する図3の本発明のサブルーチンを用い、ステップS5で決定されたA/M開度SW(Dr)、SW(Pa)となるようにサーボモータ17、18に制御信号を出力する(ステップS8)。
【0048】
次に、上記のステップS3で求めた運転席側、助手席側の目標吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)に基づき、予めROMに記憶されたマップ(図示せず)から対応する吹出口モードを決定し、その吹出口モードとなるよう後述する図3の本発明のサブルーチンを用いてサーボモータ29、39に制御信号を出力する(ステップS9)。
【0049】
次に、ステップS6で決定されたソレノイド電流(制御電流:In)をコンプレッサに付設された電磁式容量制御弁の電磁ソレノイドに出力する(ステップS10)。その後にステップS2の制御処理に戻る。
【0050】
次に、本実施形態の特徴とその効果を述べる。
【0051】
図3は本発明の一実施形態における駆動制御に関するフローチャートであり、上記ステップS8、S9で行う左右対を成す制御対象としてのA/Mドア15、16、及び吹出口切替ドア24〜26、34〜36を駆動するアクチュエータとしてのサーボモータ17、18、29、39の駆動制御に関する。
【0052】
駆動制御として図3のサブルーチンが起動すると、まずステップS11で、両制御対象(ドア)の現在位置の差、及び目標位置の差が予め定めた単位変位量m未満であるか否かを判定する。そして、その判定結果がYES(両制御対象間の差が小さい)の場合にはステップS12へ進む。
【0053】
ステップS12では、現在位置から目標位置までの総変位量Mr、Mlが大きい側(同じ場合は予め定めた優先側、本実施例ではR側)から駆動させ、他方との変位量差が上記の単位変位量mとなるまで互いに追い越し合うよう交互に駆動させ、それぞれの目標位置まで変位させる。
【0054】
図4は、このステップS12での制御例を示すグラフである。現在位置Rs、Lsも目標位置Re、Leも差がなく、総変位量Mr、Mlも差がないためR側から交互に駆動され、相互の差を単位変位量m以下に保ちながら、R、Lとも各5回の作動回数で目標位置Re、Leに達している。
【0055】
この交互に駆動することにより、課題で述べた操作に対する反応の遅れ感を感じさせることがない。また、他方との変位量差が単位変位量mとなるまで互いに追い越し合うという駆動方法により、駆動の間も制御対象間で単位変位量m以上の差を生じることがないうえ、前述した検討段階での駆動方法に対して各アクチュエータの作動回数は略半分とすることができるため、アクチュエータの耐久寿命を低下させるおそれがない。
【0056】
また、先のステップS11で、両制御対象の現在位置の差、または目標位置の差が予め決められた単位変位量m以上で、判定結果がNO(両制御対象間の差が大きい)の場合にはステップS13へ進み、そのステップS13では、それぞれの総変位量Mr、Mlが所定変位量M未満であるか否かを判定する。
【0057】
そして、総変位量Mr、Mlが所定変位量M未満で小さい場合にはステップS14で、交互に駆動させる1回当たりの分割量を上記と同じ単位変位量mとする。また、総変位量Mr、Mlが所定変位量M以上で大きい場合にはステップS15で、分割量を上記の単位変位量mより大きく(本実施例では2倍)する。そしてステップS16で、総変位量Mr、Mlが大きい側から駆動させ、上記で決めたそれぞれの分割量で交互に駆動させてそれぞれの目標位置まで変位させる。
【0058】
図5は、このステップS16での制御例を示すグラフである。現在位置Rs、Lsは差がないが目標位置Re、Leの差が単位変位量mより大きい。総変位量Mr、MlはMrが大きいためR側から交互に駆動され、Mrは所定変位量M以上大きいとして2mの分割量で5回、Mlは所定変位量Mより小さいとしてmの分割量で4回の作動回数でそれぞれの目標位置Re、Leに達している。
【0059】
これは、両制御対象の現在位置の差、または目標位置の差が予め決められた単位変位量m以上あるということは、制御対象間に差がある状態からの駆動か、制御対象間に差がある状態への駆動か、または制御対象間に差がある状態のままでの駆動となるため、駆動する間の差も小さくする必要がなく、本実施例では総変位量Mr、Mlが大きい場合に交互に駆動させる1回当たりの分割量を大きくしている。これにより、両制御対象の駆動を早く終了することができる。
【0060】
また、いずれの交互駆動も総変位量Mr、Mlの大きい側から駆動させることより、両制御対象の駆動を早く終了することができる。
【0061】
図6はアクチュエータ作動量と制御対象変位量との関係の一例を示すグラフである。このように、例えばサーボモータの作動量と左右ドアの変位量(またはその結果の温度や風量)とが比例関係にない場合、エアコンECU10は左右ドアの変位量が一定の割合で変化するようにサーボモータの作動量を制御している。
【0062】
これにより、温度や風量等の制御結果の出力が一定の割合で変化するようになるうえ、両制御対象の駆動を早く終了することができるようになる。
【0063】
また、この駆動装置はこのように、左右独立コントロールの車両用空調装置において左右ドアの駆動制御等に用いて好適である。
【0064】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、両制御対象の現在位置の差、及び目標位置の差の大小を予め定めた単位変位量mと比較しているが、単位変位量mとは異なる基準値を設定して差の大小を比較するようにしても良いし、その基準値や単位変位量mは状況に応じて可変するものであっても良い。
【0065】
また、上述の実施形態では、総変位量Mr、Mlを所定変位量Mと比べて分割量の大きさを決めているが、現在位置の差、または目標位置の差は、現有する差、またはこれから設定される差であるため、この何れか大きい方を交互に駆動させる1回当たりの分割量としても良い。
【0066】
また、上述の実施形態では、対を成すアクチュエータで対を成す制御対象を交互に駆動するようになっているが、共通のアクチュエータを切り替えながら対を成す制御対象を交互に駆動するものに本発明の駆動方法を適用しても良い。
【0067】
また、左右独立コントロールの車両用空調装置のみならず、前後独立コントロールの車両用空調装置に適用しても良く、後席側乗員において操作に対する反応の遅れ感をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における車両用空調装置の全体構成図である。
【図2】エアコンECUの制御プログラムを示したフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態における駆動制御に関するフローチャートである。
【図4】図3のステップS12での制御例を示すグラフである。
【図5】図3のステップS16での制御例を示すグラフである。
【図6】アクチュエータ作動量と制御対象変位量との関係の一例を示すグラフである。
【図7】図4に対応する検討段階での制御例を示すグラフである。
【符号の説明】
10 制御手段、エアコンECU
15、16 対を成す制御対象、エアミックスドア
17、18 アクチュエータ、エアミックスサーボモータ
24〜26、34〜36 対を成す制御対象、吹出口切替ドア
29、39 アクチュエータ、吹出口切替サーボモータ
m 単位変位量
Mr R側総変位量(総変位量)
Ml L側総変位量(総変位量)
Claims (5)
- 対を成す制御対象(15、16、24、34、25、35、26、36)と、
この対を成す制御対象(15、16、24、34、25、35、26、36)を駆動するアクチュエータ(17、18、29、39)と、
そのアクチュエータ(17、18、29、39)の作動を制御する制御手段(10)と、
前記対を成す制御対象(15、16、24、34、25、35、26、36)を駆動させる場合、この対を成す制御対象(15、16、24、34、25、35、26、36)を順番に作動させるように前記アクチュエータ(17、18、29、39)の作動を制御する制御手段(10)とを備える駆動装置において、前記制御手段(10)は、前記対を成す制御対象(15、16、24、34、25、35、26、36)を駆動させる場合、両制御対象の現在位置の差、及び目標位置の差が予め定めた単位変位量(m)未満の場合、他方との変位量差が前記単位変位量(m)となるまで互いに追い越し合うよう交互に駆動させることを特徴とする駆動装置。 - 前記制御手段(10)は、前記対を成す制御対象(15、16、24、34、25、35、26、36)を駆動させる場合、両制御対象の現在位置の差、または目標位置の差が予め定めた単位変位量(m)以上の場合、交互に駆動させる1回当たりの分割量を前記単位変位量(m)より大きくしたことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
- 前記制御手段(10)は、前記対を成す制御対象(15、16、24、34、25、35、26、36)を交互に駆動させる場合、現在位置から目標位置までの総変位量(Mr、Ml)が大きい側から駆動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の駆動装置。
- 前記制御手段(10)は、前記アクチュエータ(17、18、29、39)の作動量と前記制御対象の変位量が比例関係にない場合、前記制御対象の変位量が一定の割合で変化するように前記アクチュエータ(17、18、29、39)の作動量を制御することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の駆動装置。
- 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の駆動装置を備え、前記対を成す制御対象とは左右のエアミックスドア(15、16)、または左右の吹出口切替ドア(24、34、25、35、26、36)であり、前記アクチュエータとは左右のエアミックスサーボモータ(17、18)、または左右の吹出口切替サーボモータ(29、39)であり、前記制御手段はエアコンECU(10)であることを特徴とする車両用空調装置。
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