JP4186372B2 - ポリカルボン酸類の選択的検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定のポリカルボン酸類を化学発光法を利用して、選択的に、高感度、簡便且つ迅速に検出する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリカルボン酸類は、多くの水性系において、幅広く用いられている。例えば、スケール防止剤、スラッジ分散剤、防食剤としての機能を利用して、冷却水やボイラー水に添加されているほか、逆浸透膜装置用、砂糖精製用、紙製造用、地熱プロセス用、油井用の水処理添加剤として使用されている。また、凝集剤として用水・排水処理システムで用いられているほか、洗剤添加剤、抗皮膜形成剤としても用いられている。これらの用途分野において、ポリカルボン酸類は上記の機能(スケール防止、スラッジ等の分散、防食、凝集等)を発揮させるために系内に添加されているが、多くの場合、その機能を十分に発揮させるためには、ポリカルボン酸類濃度に下限値もしくは最適値が存在するため、系中のポリカルボン酸類の濃度を適切に管理する必要があった。しかし、大多数の用途においては、系中のポリカルボン酸類の濃度がかなり低濃度であるため、簡便な検出方法がなく、従来は煩雑な手動分析法である比色法や比濁法により検出を行ってきた。これらの方法は自動化が困難なため、検出に多くの時間とコストがかかり、適切な濃度管理に支障をきたしていた。
【0003】
そこで、これらの問題点を解決する方法の一つとして、蛍光分析法を用い、ポリカルボン酸類を比較的簡便に検出する方法が提案されている(特開平4−233918号公報)。しかし、この方法は、分析感度に劣るため、系内の微量のポリカルボン酸類を検出するためには感度が不足するといった問題や、蛍光分析法が選択性に劣るため、系内他成分によりポリカルボン酸類の検出が妨害されるといった問題点を有していた。また、通常のポリカルボン酸類は蛍光を発しないため、蛍光分析法を用いるためには蛍光プローブをポリカルボン酸類に導入する必要があり、ポリカルボン酸類の製造コストが増大してしまうといった問題や、蛍光プローブ導入(蛍光標識化)により、ポリカルボン酸類の本来の機能が低下したり消失してしまうといった問題点を有していた。
【0004】
また、別の方法として、免疫検定法を用い、ポリカルボン酸類を比較的簡便に検出する方法が提案されている(特開平9−218199号公報)。しかし、この方法は感度的には問題が無いものの測定に要するコストが高く、連続流れ分析法(FIA:Flow Injection Analysis )に代表される全自動連続測定への適用が困難である等の欠点を有していた。
【0005】
発光反応を利用した分析法が最近注目を集めている。この分析法は、吸光光度法や蛍光分析法に比較して高感度であり、定量範囲が広く、応答速度が速い(発光反応に要する時間が短い)ため、特に連続流れ系や循環系等の流通系における高感度検出法として注目されている。発光には、化学発光、生物発光等があるが、現在、分析法としては、化学発光を利用したものが多く、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペラジン、チウラムなどの三級アミン類やトリプトファン、インドール等の二級アミン類、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド等のチアジド類、蓚酸、ピルビン酸、マロン酸、アセト酢酸、レブリン酸のようなα−、β−あるいはγ−ジケトン構造を持つ化合物類や過酸化水素、酸素、ハロゲン酸化物、沃素等が化学発光原因物質として知られている。本発明者等は、先に、イソチアゾロン類やポリカルボン酸類が化学発光法により検出可能であり、その濃度の定量が行えることを明らかにした(特願平11−82686号、特願平11−82687号)。
【0006】
しかし、一般的に、化学発光法における発光波長は検出用試薬の種類のみに依存し、化学発光原因物質の種類による波長依存性がないため、化学発光法は化学発光原因物質に対する選択性がないのが通常である。そのため、複数種類のポリカルボン酸類が存在する系やポリカルボン酸類以外にも化学発光原因物質が存在する系において、特定のポリカルボン酸を選択的に検出することは困難であった。実際、実用的には上記化合物(例えば、イソチアゾロン類)と特定のポリカルボン酸類とを混合して用いる場合や複数のポリカルボン酸類を混合して併用する場合が多く、また、意図的には混合しなくても特定のポリカルボン酸類の検出を行う際に他の化学発光原因物質が混入してきてしまう場合もあった。しかし、そのような系においても特定のポリカルボン酸類のみを選択的に検出したいとのニーズは強く、新たな技術革新を強く要請されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の欠点を解決した、特定のポリカルボン酸類を選択的に検出する方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、過マンガン酸塩とキレート化し得るポリカルボン酸類(以下、時に「特定のポリカルボン酸類」と言う)と過マンガン酸塩とを接触させ、化学発光せしめることを特徴とするポリカルボン酸類の選択的検出方法を提供するものである。本発明の方法は、複数の化学発光原因物質となり得る物質類が共存する系においても特定のポリカルボン酸類のみを選択的に検出することが可能な方法である。
【0009】
化学発光法の中でも過マンガン酸塩を化学発光物質として用いる方法は、過マンガン酸塩が容易且つ安価に入手可能であり、化学発光分析に際し特別な前処理(酸化処理など)が不要であることから、以前より注目されてきたが、過マンガン酸塩を発光させる化学発光原因物質がモルヒネ[R. W. Abbott et al., Analyst, 111 (1986) 635、R. W. Abbott et al., Analyst, 112 (1987) 397)、亜硫酸塩[S. A. Al-Tamrah et al., Analyst, 112 (1986) 883、M. Yamada et al., Anal. Chim. Acta, 147 (1983) 401)、カルボニル化合物[A. Townshend et al., Analyst, 123 (1998) 1041、A. Townshend et al., Analyst, 123 (1998) 1047]等に限定されており、特定構造を有するポリカルボン酸類が過マンガン酸塩を発光させ得ることは知られていなかった。
【0010】
本発明で検出用試薬(化学発光物質)として用いることができる過マンガン酸塩としては、元素周期表Ia族、IIa族、Ib族元素と過マンガン酸イオンとの塩である。これら過マンガン酸塩の具体例としては、過マンガン酸リチウム、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ルビジウム、過マンガン酸セシウム、過マンガン酸マグネシウム、過マンガン酸カルシウム、過マンガン酸ストロンチウム、過マンガン酸バリウム、過マンガン酸銅、過マンガン酸銀等が挙げられる。これらのうち、特に過マンガン酸カリウムが好適に用いられる。
【0011】
本発明で用いられる過マンガン酸塩の化学発光機構は、現状、不明確であり、詳細は不明であるが、7価のマンガンが還元されて生じる4価のマンガンが発光現象と関連があるといわれている。本発明者が見出した特定のポリカルボン酸類は、4価のマンガンを安定化する配位子としての効果が高いため、特異的に過マンガン酸塩を発光させるものと考えられる。この発光強度は、安定化された4価マンガンの量に比例するため、化学発光強度の測定から特定のポリカルボン酸の定量が可能となる。
【0012】
本発明で検出対象となる過マンガン酸塩とキレート化し得るポリカルボン酸類としては、少なくとも2個の隣接するカルボキシル基及び/又はイミノ二酢酸基と不飽和二重結合とを有する重合性単量体からなる単独重合体や共重合体及びそれらの塩類である。このような重合性単量体の若干の例としては、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸、シトラコン酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、N,N−ジカルボキシメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルのイミノ二酢酸誘導体、N,N−ジカルボキシメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミドのイミノ二酢酸誘導体、4−(N,N−ジカルボキシメチルアミノ)−スチレン等のスチレンのイミノ二酢酸誘導体、およびそれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩や、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]−5−オクテン−2,3−ジカルボン酸無水物、3−メチル−1,2,6−テトラヒドロフタル酸無水物、2−メチル−1,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物等が挙げられる。これらの重合性単量体のうち、特に好ましいのは、マレイン酸、マレイン酸無水物、イタコン酸、イタコン酸無水物、シトラコン酸、シトラコン酸無水物である。
【0013】
なお、本発明で検出対象(化学発光原因物質)となる上記の様なポリカルボン酸類は、重合体が水溶性である限り、カルボン酸基は含まないが不飽和二重結合を有する重合性単量体を80重量%未満の量で含んでいても良い。これらの重合性単量体の若干の例としては、アクリル酸又はメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステル(具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート等)、アクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル(具体例としては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等)、その他のアクリル酸又はメタクリル酸のエステル(具体例としては、アクリル酸2−スルホエチル、アクリル酸3−スルホプロピル、アクリル酸2−スルファートエチル、2−N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、メタクリル酸2−スルホエチル、メタクリル酸3−スルホプロピル、メタクリル酸2−スルファートエチル、メタクリル酸ホスホエチル、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等)、無置換および置換(メタ)アクリルアミド(具体例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、3−N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、アクリルアミドグリコール酸等)、(メタ)アクリロニトリル(具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル)、スルホン酸基含有単量体(具体例としては、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタリルスルホン酸、1−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホン酸等)、ホスホン酸基含有単量体(具体例としては、アリルホスホン酸、ビニルホスホン酸等)、その他の単量体(具体例としては、アリルアルコール、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルイミダゾリン、2−ビニルイミダゾール、2−ビニルイミダゾリン、N−アクリロイルモルホリン、アクロレイン、ジアリルフタレート、酢酸ビニル、スチレン等)や上記単量体のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
【0014】
本発明で検出対象となる特定のポリカルボン酸類の分子量は、特に制限されるものではないが、200〜20000000の範囲のポリマーが検出可能である。なお、これらの特定のポリカルボン酸は、一種類を単独で用いた場合も、二種類以上を混合して用いた場合も検出可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、試料溶液としては、水系等の対象系からサンプリングしたものをそのまま試料溶液として用いる場合や、かかる対象系からサンプリングした試料を水等の溶媒で一定の希釈率で希釈した溶液を試料溶液として用いる場合など、様々な場合がある。
【0016】
本発明の方法により特定のポリカルボン酸類を検出する際の測定条件としては、特に制限はなく、測定温度、特定のポリカルボン酸濃度、緩衝液(一定のpHで測定するため、必要に応じて用いる)の濃度等は任意に設定することができる。測定時のpHも任意に設定可能であるが、強アルカリ性条件下では過マンガン酸塩の安定性が低下するため好ましくなく、通常、中性から酸性、好ましくは酸性条件下で測定する。なお、ポリカルボン酸類の検出感度は、測定温度、pH、緩衝液の種類の影響を受けるため、一定の測定条件で測定を行うことが好ましい。好ましい測定条件としては、測定温度が20〜30℃の範囲、pHが1〜4の範囲、緩衝液として燐酸塩緩衝液の使用等の条件が挙げられる。
【0017】
次に、本発明の検出方法を実施する装置の一例について説明する。装置は、基本的にキャリア液を送液するポンプ、特定のポリカルボン酸類を含む試料溶液をキャリア液中に注入するインジェクター、過マンガン酸カリウム等の検出用試薬含有溶液を送液するポンプ、キャリア液と試料溶液の混合液と過マンガン酸カリウム等の検出用試薬の溶液を混合する混合器、化学発光を検出する検出器、検出器で得られた化学発光強度データを記録し、必要に応じて該データを特定のポリカルボン酸類濃度に変換して記録するデータプロセッサーで構成されている。ただし、場合によっては、特定のポリカルボン酸類を含む試料溶液そのものを連続的に供給し、キャリア液を用いないこともあるため、そのような系ではインジェクターは不要となる。
【0018】
また、混合器としては、インラインミキサー、混合コイル等でもよく、混合後の混合物は直ちに検出に供されるのが望まれるので、検出器に混合器を付設したり、検出器中で攪拌混合や合流混合する様な構成の検出器が混合器を兼ねるものでも良い。
【0019】
また、データプロセッサーは、化学発光強度対特定のポリカルボン酸濃度の検量線を内包し、特定のポリカルボン酸類濃度計算等の演算処理を行うことができるのが好ましく、更に必要に応じて検出用試薬溶液供給ポンプを起動、停止させる為の出力信号も発することができるのが好ましい。
【0020】
次に、本発明の検出方法を図1を参照して更に具体的に説明する。図1は、本発明の検出方法を実施する装置の一例を示すフロー図である。キャリア液と過マンガン酸塩含有溶液(図1ではこの溶液を「KMnO4溶液」で代表している)は、それぞれポンプ1、2により供給される。キャリア液には、インジェクター3から特定のポリカルボン酸類を含む試料溶液の一定量が注入され、混合器4に供給される。混合器4ではキャリア液と試料溶液と過マンガン酸塩含有溶液が混合されて反応し、化学発光が起こる。この化学発光が混合器4の直後に設置された検出器5で検出され、化学発光強度や特定のポリカルボン酸類濃度変換値がデータプロセッサー6に記録される。検出器5には、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオード、イメージインテンシファイヤー等を用いることができる。データプロセッサー6は、A/Dコンバーター、コンピューター、表示装置(CRT、液晶ディスプレー、レコーダー等)を包含するのが一般的である。
【0021】
本発明の方法を用いれば、特定のポリカルボン酸類を含む複数の化学発光原因物質となり得る物質類が共存する試料においても、特定のポリカルボン酸類のみを選択的に高感度で且つ幅広い定量範囲で簡便に検出することが可能となる。更に、本発明の方法は、応答速度が速い(化学発光反応に要する時間が短い)ため、特に連続流れ分析法(FIA: Flow Injection Analysis )に代表される全自動連続測定系における高感度検出法としての応用展開が可能である。
【0022】
【実施例】
以下に実施例により本発明を更に詳しく説明するが、実施例は本発明の実施態様を説明するものであり、本発明を何ら限定するものではない。なお、Lはリットルを、μLはマイクロリットル表わす。
【0023】
実施例1
図に示した装置を用いて、ポリマレイン酸の検出を行った。試料としては、分子量800のポリマレイン酸を用い、純水で希釈して表1に示す濃度に調整した試料溶液を調製し、インジェクター3から10μLずつキャリア液中に注入した。
【0024】
一方、過マンガン酸塩溶液としては、過マンガン酸カリウムを濃度が0.5ミリモル/Lとなる様に50ミリモル/L濃度の燐酸塩緩衝液に添加して調製した。なお、この際のpHは1.77であった。この過マンガン酸カリウム溶液を、ポンプ2によって0.5ml/分で送液して、混合器4に供給した。
【0025】
また、キャリア液としては、50ミリモル/L濃度の燐酸塩緩衝液(pH=1.77)を用い、ポンプ1によって0.5ml/分で送液した。
【0026】
キャリア液によって溶解状態で搬送された試料は、混合器4で過マンガン酸カリウム溶液と混合され、生じた化学発光が検出器5で検出された。
【0027】
化学発光強度の測定結果を表1に示すが、本実施例で用いた試料溶液は、いずれも検出可能であった。なお、表1において、化学発光強度は、各試料溶液の化学発光強度測定値から純水の測定強度値をバックグラウンドとして差し引いた差分(補正値)で、任意の単位の値である。
【0028】
【表1】
【0029】
比較例1
試料として本発明の検出対象外のポリカルボン酸であるポリアクリル酸(分子量4500)を用い、濃度を50mg/Lに調整した試料溶液を調製したことを除いて、実施例1と同じ条件下で測定を行ったが、化学発光は認められなかった。
【0030】
比較例2
ルテニウム錯体を化学発光物質とする系で検出が可能であった5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロンを試料として用い、濃度を5mg/Lに調整した試料溶液を調製したことを除いて、実施例1と同じ条件下で測定を行ったが、化学発光は認められなかった。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、特定のポリカルボン酸類を含む複数の発光原因物質が共存する試料においても、特定のポリカルボン酸類のみを選択的に高感度で且つ幅広い定量範囲で簡便に検出することが可能であるため、特定のポリカルボン酸類が添加されている幅広い用途範囲において本発明の応用が可能である。また、本発明の方法は、最近注目されている連続流れ分析法による全自動連続測定系への応用展開が可能である
【0032】
従って、本発明の方法は、冷却水処理システムやボイラー水処理システム及び用水・排水処理システムに代表される各種水処理システムに応用した場合、妨害物質の影響を受けることなく特定のポリカルボン酸類のみを選択的に検出できるため、従来の方法では困難であった水処理薬剤の濃度管理を薬剤ごとに厳密に行うことを可能にするものである。また、水処理システム以外にも特定のポリカルボン酸類が添加されている系であれば、本発明の方法を応用することができる。そのような用途の具体例としては、紙・パルプ製造プロセス薬品としての歩留まり・濾水性向上剤として用いられている特定のポリカルボン酸の定量分析や、塗料、各種のエマルションやラテックス製品中に増粘剤・安定剤として用いられている特定のポリカルボン酸の定量分析、繊維壁材の作業性向上剤、農薬展着剤、化粧品用、飼料のバインダー、樹脂加工バインダー、洗剤用ビルダー、種子吹付け表土安定剤等の用途で用いられている特定のポリカルボン酸の定量分析が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の方法を実施するための装置の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
1、2ポンプ
3 インジェクター
4 混合器
5 検出器
6 データプロセッサー
Claims (1)
- 過マンガン酸塩とキレート化し得るポリカルボン酸類と過マンガン酸塩とを接触させ、化学発光せしめることを特徴とするポリカルボン酸類の選択的検出方法。
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