JP2002098640A - チウラム類の検出方法 - Google Patents

チウラム類の検出方法

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JP2002098640A JP2000287910A JP2000287910A JP2002098640A JP 2002098640 A JP2002098640 A JP 2002098640A JP 2000287910 A JP2000287910 A JP 2000287910A JP 2000287910 A JP2000287910 A JP 2000287910A JP 2002098640 A JP2002098640 A JP 2002098640A
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Shigeo Yamazaki
重雄 山崎
Hiroshi Inoue
洋 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学発光法により高感度、簡便且つ迅速にチ
ウラム類を検出する方法を提供する。 【解決手段】 三価の遷移金属元素と含窒素芳香族系配
位子との錯体の非水溶媒の溶液とチウラム類とを接触さ
せて化学発光せしめ、その発光強度を測定してチウラム
類の濃度を定量する。三価の遷移金属元素と含窒素芳香
族系配位子との錯体の代表例としては、三価のルテニウ
ムの錯体を挙げることができる。上記錯体は非水溶媒中
で安定である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チウラム類を化学
発光法を利用して、高感度、簡便且つ迅速に検出する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】テトラメチルチウラムジスルフィドに代
表されるチウラム類は、麦類、タバコ、リンゴ、芝生等
の農薬として用いられているほか、ゴムの加硫促進剤と
しても用いられ、幅広い分野で利用されている。しか
し、これらのチウラム類は毒性が強いため、水道法水質
基準値として0.006mg/L(リットル、以下同
様)以下、環境基準項目の基準値として0.006mg
/L以下、排水基準値として0.06mg/L以下と厳
しい規制を受けている。
【0003】これらのチウラム類の分析方法としては、
従来、液相抽出もしくはクロマト分離カラムによる固相
抽出によりチウラムを濃縮した後、液体クロマトグラフ
にて測定する方法が採用されてきた。しかし、この方法
は、チウラム類を500〜1000倍に濃縮するための
抽出・濃縮といった煩雑な前処理操作が必要であり、簡
便な測定方法とは言い難いものであった。
【0004】そこで、より簡便な測定方法として、チウ
ラム類の高感度分析が可能な化学発光法による分析方法
が提案されている[岩渕等、クロマトグラフィー、14
(5)132(1993)]。しかし、この方法は、二
価のルテニウムの錯体を検出用試薬として用い、水溶液
系内で二価のルテニウムの錯体を三価のルテニウムの錯
体に酸化した後、化学発光法によりチウラム類を定量す
る方法であるため、検出用試薬の酸化処理が必要であ
り、そのために取り扱いが煩雑な電解酸化装置が必要で
あり、装置構成が複雑になり、熟練を要する電解酸化装
置の保守点検が必須であるといった欠点を有していた。
一方、水溶液系内で二価のルテニウムの錯体を三価のル
テニウムの錯体に酸化する方法としては、上記の電解酸
化方法の他に過硫酸カリウム等の酸化剤を用いてルテニ
ウム錯体を酸化する方法も提案されているが、この場合
は、過硫酸カリウム等の酸化剤が不安定であるため、測
定装置の設置場所が温調設備の整った実験室や測定室に
限定される等の制約があった。また、上記の方法で生成
させた三価のルテニウムの錯体は水溶液中で安定性に欠
けるため、三価のルテニウムの錯体を生成させた直後に
測定しなければならないといった制約もあった。更に、
従来の化学発光法は水溶液系を検出操作の対象系として
きたため、水溶液中で生成するOHが原因と見られる
バックグラウンドの大きな上昇が避けられず、更なる高
感度化に対する阻害要因となっていた。なお、本明細書
では、上記の様な方法を「従来の水溶液系の化学発光
法」と言う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点を解消したチウラム類の検出方法を提供せんと
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、化学発
光法を用いてチウラム類の濃度を定量するに際して、三
価の遷移金属元素と含窒素芳香族系配位子との錯体の非
水溶媒の溶液とチウラム類とを接触させて化学発光せし
めることを特徴とするチウラム類の検出方法を提供する
ものである。
【0007】最近、発光反応を利用した分析法が注目を
集めている。この方法は、吸光光度法や蛍光分析法に比
較して高感度であり、定量範囲が広く、応答速度が速い
(発光反応に要する時間が短い)ため、特に連続流れ系
や循環系等の流通系における高感度検出法として注目さ
れている。発光には、化学発光、生物発光等があるが、
現在、分析法としては、化学発光を利用したものが多
く、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、N−エチ
ルモルホリン、N−エチルピペラジン、チウラムなどの
三級アミン類やトリプトファン、インドール等の二級ア
ミン類、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド等のチ
アジド類、蓚酸、ピルビン酸、マロン酸、アセト酢酸、
レブリン酸のようなα−、β−あるいはγ−ジケトン構
造を持つ化合物類等が化学発光原因物質として知られて
いる。ただし、これらの化合物(化学発光原因物質)の
分析・検出は、いずれも水溶液系での測定に限定されて
おり、非水溶媒を用いた測定例はない。また、検出用試
薬(化学発光物質)としても、二価のルテニウムの錯体
を測定水溶液系内で酸化して三価のルテニウムの錯体と
し用いている例しかなく、三価のルテニウムの錯体をそ
のまま検出用試薬として使用している例はない。
【0008】本発明で検出用試薬(化学発光物質)とし
て用い得る遷移金属元素と含窒素芳香族系配位子との錯
体における遷移金属元素としては、例えば、ルテニウ
ム、イリジウム、クロム、コバルト、鉄、ロジウム、オ
スミウム等が挙げられる。これらのうち、低毒性や高発
光効率等の点で特に好ましい遷移金属元素は、ルテニウ
ムとオスミウムである。
【0009】一方、含窒素芳香族系配位子としては、例
えば、ビピリジンやビピラジン、フェナントロリン及び
これらの誘導体が挙げられる。ここで言う誘導体とは、
ビピリジンやビピラジン、フェナントロリン中のピリジ
ン環又はピラジン環内の炭素原子に直接結合した水素原
子の少なくとも一つが他の置換基によって置換されてい
るものを指す。このような置換基の例としては、メチル
基、フェニル基、ビニル基、カルボキシル基、カルボン
酸エステル基、スルホン酸基、硫酸アミド基、水酸基、
アミノ基、アミド基、アンモニウム基、ピリジニウム基
等が挙げられる。含窒素芳香族系配位子の若干の具体例
としては、2,2’−ビピリジン、2,2’,5,5’
−ビピラジン、1,10−フェナントロリン、バソフェ
ナントロリン、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビ
ピリジン及びその塩、4,4’−ジカルボキシ−2,
2’−ビピリジンのモノ−及びジ−アルキルエステル及
びそれらの塩、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビ
ピリジンのモノ−及びジ−N−ヒドロキシスクシンイミ
ド及びそれらの塩、4,4’−ジスルホン酸−2,2’
−ビピリジン及びその塩、4−メチル−4’−ビニル−
2,2’−ビピリジン及びその単独重合体と共重合体、
4−クロロメチル−4’−メチル−2,2’−ビピリジ
ン、4,4’−ジ(クロロメチル)−2,2’−ビピリ
ジン、バソフェナントロリンジスルホン酸及びその塩等
が挙げられる。これらのうち、特に好ましい含窒素芳香
族系配位子は、2,2’−ビピリジンと1,10−フェ
ナントロリンである。
【0010】なお、本発明において検出用試薬として用
いる三価の遷移金属元素と含窒素芳香族系配位子との錯
体の非水系溶媒への溶解性を高めるため、錯体の対アニ
オンとしては嵩高い対アニオン、例えば、ハロゲン化燐
アニオンを用いることが好ましい。上記ハロゲン化燐ア
ニオンの若干の例としては、六弗化燐アニオン、四弗化
燐アニオン等が挙げられる。かかる対アニオンを用いる
ことにより、効率良く非水溶媒に三価の遷移金属元素と
含窒素芳香族系配位子との錯体を溶解させることができ
る。
【0011】本発明で利用される化学発光の一般的な発
光機構について、トリス(2,2’−ビピリジル)ルテ
ニウム(III) 錯体を例として説明する。ルテニウムが三
価のトリス(2,2’−ビピリジル)ルテニウム(III)
錯体とチウラム類を接触させると、三価のルテニウムの
錯体がチウラム類により還元されて、励起状態の二価の
ルテニウムの錯体を経て基底状態の二価のルテニウムの
錯体となる時に過剰のエネルギーを発光として放出する
ものと考えられる。この時の発光波長は、610〜62
0nm近辺である。
【0012】上述の様に、ルテニウムの錯体が発光する
ためには、励起状態の活性種を生成してやることが重要
であり、チウラム類は効率的に励起状態の活性種形成に
関与するため、高感度での検出が可能となる。一方、多
くの有機系還元性物質や無機塩では、ルテニウムの錯体
と反応はするものの励起状態の錯体が形成されないた
め、発光は示さない。したがって、本発明の方法は、高
感度での分析が可能な上に選択性にも優れた方法であ
る。
【0013】また、トリス(2,2’−ビピリジル)ル
テニウム(III) 等の活性種は、含水溶媒中では不安定で
あるが、有機溶媒中に溶解された状態で極めて安定とな
る。したがって、従来の水溶液系中の測定では活性種の
調製後、速やかにチウラム類と反応させる必要があった
が、本発明においては、必ずしもその必要はない。
【0014】本発明で検出対象となるチウラム類は、例
えば、下記式(1)で示される構造を有する化合物であ
る。 R−N−CS−(S)−CS−N−R (1) (但し、R、R、R、Rは、独立して水素又は
炭素数1〜8を有するアルキル基であるか、または、一
緒になって飽和、不飽和もしくは芳香族系の5又は6員
環を形成するものであり、nは1〜6の整数である。)
【0015】本発明で検出対象となるチウラム類の若干
の具体例としては、テトラメチルチウラムジスルフィ
ド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチル
チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスル
フィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、
ジエチルジフェニルチウラムジスルフィド等が挙げられ
る。これらのチウラム類は、単独化合物を検出対象とし
ても良いし、二種類以上の混合物を検出対象としても良
い。
【0016】本発明で用いられる非水溶媒とは、水や水
と有機溶媒の混合溶媒である含水溶媒を除く有機溶媒全
般を指すもので、三価の遷移金属元素と含窒素芳香族系
配位子との錯体を溶解し得るものであれば如何なる有機
溶媒を用いてもよい。好ましい非水溶媒の若干の例とし
ては、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キュメ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、クロロホルム、
ジクロロメタン、トリクロロエタン、テトラクロロエチ
レン等のハロゲン化炭化水素溶媒、アセトニトリル、ベ
ンゾニトリル等のニトリル系溶媒が挙げられる。これら
の非水溶媒は、それぞれ単独で用いても良いし、2種類
以上を混合して用いても差し支えない。一方、チウラム
含有サンプルは、通常は溶液系であり、水性系であって
も非水系であってもよい。水性系のサンプルであって
も、測定系に注入される量が極少量(数10μL〜数1
00μL)であり、また、本発明における化学発光反応
が極めて鋭敏であるので、三価の遷移金属元素と含窒素
芳香族系配位子との錯体の有機溶媒溶液と該サンプルが
接触すると殆ど瞬時に発光し、該サンプル中のチウラム
の検出・定量が行える。即ち、課題の一つとなっている
三価の遷移金属元素と含窒素芳香族系配位子との錯体の
安定性に関し、影響はないため問題ない。勿論、非水溶
媒を用いる方が好ましい。
【0017】本発明の方法によりチウラム類を検出する
際の測定条件としては、特に制限はなく、測定温度、三
価の遷移金属元素と含窒素芳香族系配位子との錯体を溶
解する非水溶媒の種類、サンプルのチウラム濃度等は任
意に設定することができる。ただし、チウラム類の検出
感度は、測定温度、上記溶媒の種類等の影響を受けるた
め、これらに関しては一定の測定条件で測定を行う必要
がある。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、三価の遷移金属元素と含窒素芳香族系配位子との錯
体としては、その代表例である「三価のルテニウムの錯
体」を用いた場合について以下の説明を行うが、本発明
がこれに限定されるものでないことは勿論である。
【0019】本発明の検出方法を実施する装置の一例に
ついて説明する。装置は、基本的にキャリア液を送液す
るポンプ、チウラム類を含む試料溶液をキャリア液中に
注入するインジェクター、三価のルテニウムの錯体を含
む溶液を送液するポンプ、試料溶液を注入されたキャリ
ア液とルテニウム錯体溶液とを混合する混合器、発光を
検出する検出器、検出器で得られたデータを記録するデ
ータプロセッサーで構成されている。キャリア液として
は、通常は非水溶媒を用いる。また、場合によっては、
チウラム類を含む試料溶液そのものを連続的に供給し、
キャリア液を用いない場合や、キャリア液とチウラム類
を含む試料溶液を予め混合し、混合物を連続的に供給す
る場合もあるため、そのような系ではインジェクターは
不要となる。
【0020】混合器としては、インラインミキサー、混
合コイル等でもよく、混合後の混合物は直ちに検出に供
されるのが望まれるので、検出器に混合器を付設した
り、検出器中で攪拌混合や合流混合するような構成の検
出器が混合器を兼ねるものでも良い。また、データプロ
セッサーは、化学発光強度対チウラム濃度の検量線を内
包し、チウラム濃度計算等の演算処理と記録を行うこと
ができるのが好ましく、更に必要に応じて送液ポンプ等
を起動、停止させるための出力信号を発することができ
るのが好ましい。
【0021】なお、複数種のチウラム類を含む試料溶液
については、該複数種のチウラム類に起因する合計の化
学発光強度の測定により大まかな環境等のモニタリング
を行うことができる場合もあるが、その個々の成分ごと
に分析する場合には、各成分を分離するため、例えば、
インジェクターと混合器の中間にクロマト分離カラムを
設置するのも好ましい。
【0022】図1を参照して本発明の検出方法を更に具
体的に説明する。図1は、本発明の検出方法を実施する
装置の一例を示すフロー図である。非水溶媒のみからな
るキャリア液と三価のルテニウムの錯体を非水溶媒に溶
解させた溶液(図1では、「Ru錯体溶液」と表示して
いる)は、それぞれポンプ11、12により供給され
る。三価のルテニウムの錯体を含む溶液はポンプ12を
介して連続的に混合器付化学発光検出器14に供給され
る。一方、キャリア液には、インジェクター13からチ
ウラム類を含む試料溶液の一定量が注入され、混合器付
化学発光検出器14に供給される。混合器付化学発光検
出器14では試料溶液を注入されたキャリア液とルテニ
ウム錯体を含む溶液とが混合され反応し、発光が起こ
る。この発光が混合器付化学発光検出器14で検出さ
れ、化学発光強度がデータプロセッサー15に記録され
る。混合器付化学発光検出器14の受光部としては、光
電子増倍管、アバランシェフォトダイオード、イメージ
インテンシファイヤー等を用いることができる。データ
プロセッサー15は、A/Dコンバーター、コンピュー
ター、表示装置(CRT、液晶ディスプレイ、レコーダ
ー等)を包含するのが一般的である。
【0023】本発明の方法を用いれば、チウラム類が高
感度で且つ幅広い定量範囲で簡便に検出することが可能
である。したがって、従来法のような抽出・濃縮といっ
た煩雑な前処理操作なしに、極めて低濃度のチウラム類
を簡便に測定することができる。更に、本発明の方法
は、非水溶媒を用いることによって三価のルテニウムの
錯体の安定化を実現した。このことは、従来の水溶液系
の化学発光法の欠点である、水溶液中の二価のルテニウ
ムの錯体の酸化に必要な電解酸化装置の設置が必要とい
った装置構成の複雑化が避けられる利点をもたらす。一
方、従来法においても電解酸化装置を必要としない測定
系が提案されているが、その場合には、水溶液中のルテ
ニウム錯体を酸化する酸化剤として過硫酸カリウム等の
不安定な酸化剤の添加が必須となるため、自動連続測定
ができなかったり、測定装置の設置場所が限定される等
の欠点があったが、本発明の方法を用いれば、そのよう
な制約は生じない。さらに、本発明の方法は、従来の水
溶液系の化学発光法に比べてバックグラウンドが低減で
きるため、より高感度にチウラム類を検出することがで
きる。
【0024】なお、本発明の方法は、応答速度が速い
(発光反応に要する時間が短い)ため、特に連続流れ分
析法(FIA: Flow Injection Analysis)に代表され
る全自動連続測定系における高感度検出法としての応用
展開が可能である。
【0025】従って、本発明の方法は、例えば、水道
水、河川、湖沼、地下水、工場排水等に混入してくるチ
ウラム類の高感度分析システムや屋外設置型の連続環境
モニタリング等にも応用することができる。
【0026】
【実施例】以下に実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、実施例は本発明のいくつかの実施態様を説明す
るものであり、本発明を何ら限定するものではない。
【0027】製造例1 [トリス(2,2’−ビピリジル)ルテニウム(III) ヘ
キサフルオロフォスフェートの製造] トリス(2,2’−ビピリジル)ルテニウム(II)クロラ
イド六水和物120mgを7モル/L濃度の硫酸水溶液
3mlに溶解し、二酸化マンガン18mgを加えてルテ
ニウムを二価から三価に酸化した。反応後、遠心分離に
より二酸化マンガンを除去し、得られた上澄み液に0.
34ミリモル/L濃度のヘキサフルオロ燐酸カリウム水
溶液1.1mlを加え、生成した沈殿を濾過し、デシケ
ーター中で乾燥した。
【0028】実施例1 製造例1で製造したトリス(2,2’−ビピリジル)ル
テニウム(III) ヘキサフルオロフォスフェートを検出用
試薬として用い、図1に示した装置を用いて、チウラム
類の検出を行った。なお、図1中の混合器付化学発光検
出器14としては、コメット2000(コメット社製)
を用いた。
【0029】検出対象試料としては、テトラメチルチウ
ラムジスルフィドを用い、アセトニトリルで溶解、希釈
して濃度を変えて調整した溶液を幾つか調製し、インジ
ェクター13から20μLずつキャリア液中に注入し
た。
【0030】一方、検出用試薬である三価のルテニウム
の錯体溶液は、トリス(2,2’−ビピリジル)ルテニ
ウム(III) ヘキサフルオロフォスフェートをアセトニト
リルに溶解させ、0.5ミリモル/Lの濃度に調製した
ものを用いた。このルテニウム錯体溶液をポンプ12を
用いて0.5ml/分で送液して混合器付化学発光検出
器14に供給した。
【0031】また、キャリア液としてはアセトニトリル
を用い、ポンプ11を用いて0.5ml/分で送液し
た。
【0032】その結果、テトラメチルチウラムジスルフ
ィドの検出限界濃度は7μg/Lであり、極めて低濃度
まで検出することができた。
【0033】実施例2 テトラメチルチウラムジスルフィドの代わりにテトラメ
チルチウラムモノスルフィドを用いたことを除いて、実
施例1と同様の操作で検出を行った。
【0034】その結果、テトラメチルチウラムモノスル
フィドの検出限界濃度は10μg/Lであり、実施例1
と同様、極めて低濃度まで検出することができた。
【0035】比較例1 従来法の水溶液中の化学発光法によりチウラムを測定し
た。図2に示す装置を用いて測定を行った。図2の装置
は、キャリア液送液ポンプ21、ルテニウムの錯体溶液
送液ポンプ22、インジェクター23、酸化反応器2
4、混合器付化学発光検出器25、データプロセッサー
26から構成され、酸化反応器(紫外線照射装置)24
が追加的に設置されていることを除いて図1の装置とほ
ぼ同じであった。
【0036】検出対象試料としては、テトラメチルチウ
ラムジスルフィドを用い、純水で溶解、希釈して濃度を
変えて調整した溶液を幾つか調製した。検出用試薬とし
ては、トリス(2,2’−ビピリジル)ルテニウム(II)
サルフェートを用い、酸化剤である1ミリモル/L濃度
の過硫酸カリウム水溶液に溶解させ、酸化反応器24に
て光照射することでルテニウムを二価から三価に酸化し
た。また、キャリア液としては純水を用い、ポンプ21
を用いて0.5ml/分で送液し、テトラメチルチウラ
ムジスルフィドを含む試料溶液をインジェクター23か
ら20μLずつキャリア液中に注入した。
【0037】その結果、テトラメチルチウラムジスルフ
ィドの検出限界濃度は21μg/Lであり、実施例1と
比較して感度に劣っていた。
【0038】実施例3 アセトニトリル中でのトリス(2,2’−ビピリジル)
ルテニウム(III) ヘキサフルオロフォスフェートの安定
性を確認するため、調製直後の三価ルテニウム錯体を用
いてテトラメチルチウラムジスルフィドを測定した場合
と、室温にて一週間放置した後、同様の測定を行って、
化学発光強度の変化を比較した。なお、検出に用いた装
置、条件は実施例1と同様であった。
【0039】その結果、室温にて一週間放置した後の三
価ルテニウム錯体を用いても、化学発光強度は調製直後
の場合と比べ、全く低下していないことが確認できた。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、チウラム類が極めて高感度で測定できるた
め、水道水、河川、湖沼、地下水、工場排水等に混入し
てくるチウラムの高感度分析システムや屋外設置型の連
続環境モニタリング等に応用することができる。また、
本発明の方法は、最近注目されている連続流れ分析法に
よる全自動連続測定系への応用展開が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明を実施するための装置の一例を
示すフロー図である。
【図2】図2は、比較例1で用いた従来の水溶液系の化
学発光法でチウラムの検出を行うための装置を示すフロ
ー図である。
【符号の説明】
11、12、21、22 ポンプ 13、23 インジェクター 24 酸化反応器 14、25 混合器付化学発光検出器 15、26 データプロセッサー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学発光法を用いてチウラム類の濃度を
    定量するに際して、三価の遷移金属元素と含窒素芳香族
    系配位子との錯体の非水溶媒の溶液とチウラム類とを接
    触させて化学発光せしめることを特徴とするチウラム類
    の検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2732250C1 (ru) * 2019-07-30 2020-09-14 Федеральное государственное бюджетное учреждение науки Ордена Ленина и Ордена Октябрьской революции Институт геохимии и аналитической химии им. В.И. Вернадского Российской академии наук (ГЕОХИ РАН) Способ определения химических соединений, принадлежащих к группе тиурамдисульфидов

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RU2732250C1 (ru) * 2019-07-30 2020-09-14 Федеральное государственное бюджетное учреждение науки Ордена Ленина и Ордена Октябрьской революции Институт геохимии и аналитической химии им. В.И. Вернадского Российской академии наук (ГЕОХИ РАН) Способ определения химических соединений, принадлежащих к группе тиурамдисульфидов

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