JP4186039B2 - 電解コンデンサの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、電解コンデンサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、比較的大形の電解コンデンサは、図5に示すように予め横溝5への加工が施された外装ケース6にこの横溝5の下部までコンデンサ素子8が収納され、横溝5の上部である外装ケースの開口端部16下方に硬質樹脂板10と弾性部材12とを張り合わせた封口板14が配置され、最後に開口端部カーリング加工されて封口される。
【0003】
カーリング加工は、通常カーリング治具を外装ケースの周りに回転するかまたは、外装ケース自体がカーリング治具前方で回転して、カーリング治具が外装ケースにおける開口端部の切り口に当接されて、加締められて封口される(例えば特許文献1参照)。この文献には、カーリング治具の構造が記載されており、横加締めによって電解コンデンサの気密性を確保し、縦加締めは封口部材の抜けを防止している。
【0004】
カーリング加工によれば電解コンデンサ内部気密性を高めることができる。すなわち、外装ケースの開口端部切り口を封口板の弾性部材にカーリング加工により食い込ませることによって、外装ケースと封口板の密着性が向上して内部気密性が高まる。より詳細には、外装ケースの開口端部の切口が封口板の弾性部材に食い込むことによって、弾性部材の弾性により外装ケースの切り口と弾性部材の密着性が向上して内部機密性が高まる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−25870号公報(第6頁、第6図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このカーリング加工時において、カーリング治具が外装ケースの開口端部切り口に当接する際にカーリング治具と開口端部切り口に過度な応力が加わっている。このため、外装ケースの開口端部切り口の外部が、カーリング治具と当接する方向と逆向きに滑り変形を起こし、金属バリ(カール加工バリ)を生じてしまう(図6)。この、金属バリは、カーリング治具と開口端部切り口とが最初に当接した部分であり開口端部の先端部分上部にのみ発生する。
【0007】
この金属バリの発生後に、金属バリが外装ケースから離脱する場合は勿論、離脱しない場合においても電解コンデンサの信頼性に影響を及ぼしている。
【0008】
すなわち、この金属バリが外装ケースから離脱して、細糸状の金属くずとなると、この金属くずが封口板の弾性部材と、カーリングした外装ケースの切り口の間に入り込み、電解コンデンサの気密性を阻害する要因となることがあった。
【0009】
一方、この金属バリが外装ケースから離脱せず残った場合においても、この金属バリの部分ではカーリングの曲率が変化し、均一な加締め精度を阻害する要因となることもあった。
【0010】
近年、電解コンデンサに対しても、品質の高い信頼性が要求される状況にあり、上記のような気密性の悪化や加締め精度のばらつきは、信頼性低下や製品歩留まり低下の要因となっている。
【0011】
そこで、本発明の目的は、封口時の応力の1箇所への集中をさせることなく、金属バリの発生を防止するとともに、封口時の開口端部切り口の封口板への食い込み量を十分確保して気密性を高め、加締め精度の向上させることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電解コンデンサの製造方法によって製造された電解コンデンサは、硬質樹脂と弾性部材とが張り合わされた封口板がコンデンサ素子とともに外装ケースに収納されて前記外装ケースの開口端部がカーリング加工されて封口される電解コンデンサにおいて、プレス加工冶具で開口端面が予備加締めされてからカーリング加工により封口されてなる。
【0013】
予備加締は、開口端面の全面であると好適である。プレス加工冶具は、外装ケースの開口形状に合致されて所望のカーリング形状となる曲率を有しても良い。カーリング加工をするためのカーリング加工治具は、プレス加工された開口端部に部分的に押圧されて封口することもできる。
【0014】
そして、前記の目的を達成するため、本発明に係る電解コンデンサの製造方法は、硬質樹脂と弾性部材とが張り合わされた封口板がコンデンサ素子とともに外装ケースに収納されて前記外装ケースの開口端部がカーリング加工されて封口される電解コンデンサの製造方法において、外装ケースに設けた横溝にケース溝支持部材を押し当てて、プレス加工冶具で開口端面を予備加締めしてからカーリング加工により封口することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1乃至4は本発明の実施形態に係る電解コンデンサ用封口板を封口する工程を説明するための図で、図1はこの発明によって封口板を予備加締めするプレス加工治具2と予備加締め前の電解コンデンサ4であり、図2は同プレス加工治具2が電解コンデンサ4と当接開始時を示し、図3は同プレス加工治具2が電解コンデンサ4と当接完了を示し、図4はカーリング加工治具6が電解コンデンサ4をカーリング加工する工程を示すものである。
【0017】
図1に示すように、加締め前の電解コンデンサ4は外装ケース6内部にコンデンサ素子8が挿入され、その上に硬質樹脂板10と弾性部材12とを張り合わせた封口板14が配置される。ここで、外装ケース6の開口端部16は加締めされていないため、上方向に突出している。
【0018】
一方、プレス加工治具2は下面の中心部において下向きに外装ケースと同形状の凹部18が設けられ、凹部外周20と凹部18間に、軌跡円周となる段部22が設けられる。この段部22は、その断面が半円でカーリング形状となる曲率を有する溝が刻設される。この溝は外装ケース6が、当接して所望の曲率となるような溝である必要がある。この段部22の外周の直径と、外装ケース6の直径が一致する。
【0019】
さらに下向きの凹部18の中心には、下向きに突出する封口板押し棒24が配置されその軸部42はプレス加工治具2内に挿入され、封口板押し棒24の上端部にばね26が当接して付勢してプレス加工治具2に固定される。
【0020】
図2は、プレス加工治具2がさらに外装ケース6方向に下降して、段部22と開口端部16が当接して、押圧されて一部屈曲される様子を示す。この屈曲は、外装ケース6の一部のみを屈曲させるのではなく、全周にわたって屈曲させる。このため、同時に均一な力で同時に開口端部16を屈曲させるので、歪が生じない。また、バリを生じさせることなく、屈曲させることができる。封口板押し棒24の端部が、弾性部材12に当接を開始する。
【0021】
図3は、プレス加工治具2が所望の高さまで下降した様子を示す。すなわち、封口板押し棒24の端部が、弾性部材12を押圧して固定される。また、段部22端も弾性部材12に当接し、開口端部16が十分に屈曲される。この工程で、プレス加工治具2を上昇させて押圧によるプレス工程である予備加締めは終了する。
【0022】
この外装ケース6をプレス加工治具2によって加工させる際には、外装ケース6の横溝5に合致するケース溝支持部材28、30(図7)を横溝5に押し当てておくと好適である。ケース溝支持部材28、30によって、プレス加工時の押圧力により、外装ケースの横溝5において外装ケース6が縦方向につぶれることを防止することができる。
【0023】
このプレス工程は、プレス加工治具2を下降させて押圧させたが、反対に電解コンデンサ側を下部より押し上げて押圧する場合にも適用される。
【0024】
図4は、カーリング加工治具44が前記プレス工程後の外装ケース6に押圧する工程である。カーリング加工治具44のローラ部34が、既に屈曲した外装ケース6の開口端部16をさらに押圧して、封口板14の弾性部材12に確実に圧接させる。
【0025】
このカーリング加工冶具44のローラ部34が、外装ケース6の開口端部16に当接した際、外装ケース6の開口端部16が既に屈曲しているため、過度な応力が外装ケース6に加わることがなく、金属バリの発生や外装ケースの歪が生じることはない。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、硬質樹脂と弾性部材とが張り合わされた封口板がコンデンサ素子とともに外装ケースに収納されて前記外装ケースの開口端部がカーリング加工されて封口される電解コンデンサにおいて、プレス加工冶具で開口端面が予備加締めされてから封口されるので、金属バリを防止することができる。
【0027】
また、予備加締は、開口端面の全面であるため、プレス加工治具からの応力が1点に集中されず分散されて、金属バリを防止される。
【0028】
さらに、プレス加工冶具は、外装ケースの開口形状に合致されて所望のカーリング形状となる曲率を有するため、開口ケースの真円度が向上し、カール加工の変心及び形状の安定化が図れる。
【0029】
その上、カーリング加工治具は、プレス加工された開口端部に部分的に押圧されて封口することで、1ステーションで必要となる加工時間が短縮されて、ラインの速度を向上することが可能となる。また、封口板による密封精度の高い電解コンデンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電解コンデンサ用封口板を封口する工程を説明するための図である。
【図2】本発明に係る電解コンデンサ用封口板を封口する工程を説明するための図である。
【図3】本発明に係る電解コンデンサ用封口板を封口する工程を説明するための図である。
【図4】本発明に係る電解コンデンサ用封口板を封口する工程を説明するための図である。
【図5】電解コンデンサの構成図である。
【図6】従来の電解コンデンサのカーリング加工時に発生する加工バリを示す図である。
【図7】本発明に係るケース溝支持部材の構成図である。
【符号の説明】
2 プレス加工治具
4 電解コンデンサ
6 外装ケース
8 コンデンサ素子
10 硬質樹脂板
12 弾性部材
14 封口板
16 開口端部
18 凹部
20 凹部外周
22 段部
24 封口板押し棒
26 ばね
Claims (4)
- 硬質樹脂と弾性部材とが張り合わされた封口板がコンデンサ素子とともに外装ケースに収納されて前記外装ケースの開口端部がカーリング加工されて封口される電解コンデンサの製造方法において、外装ケースに設けた横溝にケース溝支持部材を押し当てて、プレス加工冶具で開口端面を予備加締めしてからカーリング加工により封口する電解コンデンサの製造方法。
- 予備加締は、開口端面の全面になされることを特徴とする請求項1記載の電解コンデンサの製造方法。
- プレス加工冶具は、外装ケースの開口形状に合致されて所望のカーリング形状となる曲率に加工することを特徴とする請求項1または2に記載の電解コンデンサの製造方法。
- カーリング加工をするためのカーリング加工治具は、プレス加工された開口端部に部分的に押圧されて封口することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の電解コンデンサの製造方法。
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