JP4185782B2 - 車両用駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両駆動用のモータを含む車両駆動系と、モータを冷却するためのモータ冷却水が流れるモータ冷却通路と、車両駆動系に潤滑油を供給するための潤滑通路とを備える車両用駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハイブリッド車両、電気車両等の車両を駆動する装置(車両用駆動装置)として、モータを動力源の少なくとも一部として用いたものがある。こういった車両用駆動装置では、ギヤの噛合い部分、摺動部分等、駆動系の各部にオイルを供給するための潤滑通路が設けられているが、これに加え、モータを冷却するためのモータ冷却水が流れるモータ冷却通路を設けることも考えられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、エンジンとモータをそれぞれ使用して走行するハイブリッド車両の駆動装置が開示されている。この車両用駆動装置では、モータが収容されたモータケースを嵌合自在に嵌め込む被嵌合部がトランスミッションケースに設けられており、このモータケースが被嵌合部に嵌合されると、モータケースと被嵌合部の互いに対向する壁面間に、密閉された隙間空間が生ずる。そして、この隙間空間がモータ冷却通路の一部として利用される。
【0004】
なお、本発明にかかる先行技術文献としては、前述した特許文献1のほかにも以下の特許文献2及び非特許文献1が挙げられる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−137640号公報
【特許文献2】
特開平6−54409号公報
【非特許文献1】
発明協会公開技報公技番号2002−1807号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述した従来の車両用駆動装置では、モータ冷却通路及び潤滑通路がそれぞれ単独で設けられている。すなわち、モータ冷却通路及び潤滑通路は互いに独立して設けられ、潤滑油及びモータ冷却水間での熱の移動については何ら考慮されていない。このため、モータ冷却水や潤滑油を適切な温度にするにも自ずと限度があり、過熱、過冷却等を引き起こすおそれがある。
【0007】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、モータ冷却通路及び潤滑通路をそれぞれ単独で設ける場合に比べ、モータ冷却水及び潤滑油をより適切な温度にすることのできる車両用駆動装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、車両駆動用のモータを含む車両駆動系と、前記モータを冷却するためのモータ冷却水が流れるモータ冷却通路と、前記車両駆動系に潤滑油を供給するための潤滑通路とを備える車両用駆動装置であって、前記モータ冷却通路の少なくとも一部を、前記モータ冷却水及び前記潤滑油間で熱交換を行わせるための熱交換部を介して前記潤滑通路に近接配置し、前記車両駆動系は、前記モータに加えエンジンを動力源とするものであり、前記エンジンを冷却するためのエンジン冷却水が流れるエンジン冷却通路を前記モータ冷却通路に接続することにより、前記エンジン冷却水を前記モータ冷却通路に導入可能とし、さらに、前記モータ冷却通路を流れる冷却水をモータ冷却水及びエンジン冷却水間で切替える切替え手段を備えている。
【0009】
上記の構成によれば、車両用駆動装置では、モータ冷却通路を流れるモータ冷却水によって車両駆動用のモータが冷却される。また、潤滑油が潤滑通路を通って車両駆動系に供給される。さらに、モータ冷却水及び潤滑油が熱交換部を通過する際、その熱交換部を通じてモータ冷却水と潤滑油との間で熱交換が行われる。そして、この熱交換により、モータ冷却水及び潤滑油の各温度が、熱交換が行われない場合とは異なる値となる。表現を変えると、熱交換部で熱交換が行われる分、モータ冷却水及び潤滑油の各温度に影響を及ぼす要素が増える。従って、この熱交換により、モータ冷却水及び潤滑油をそれぞれ適切な温度にすることが可能となる。
ここで、一般にモータの効率がエンジンの燃焼効率に比べて高いことから、例えば低温時にあっては、モータ冷却水の温度上昇はエンジン冷却水の温度上昇に比べて遅い。この点、請求項1に記載の発明では、モータ冷却通路を流れる冷却水をモータ冷却水及びエンジン冷却水間で切替え可能である。このため、例えば低温時にエンジン冷却水がモータ冷却通路を流れるように切替え手段が切替えられると、エンジン冷却水の熱によって潤滑油が早期に暖められる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記切替え手段は、前記エンジン冷却水の温度が前記モータ冷却水の温度よりも高いときに、モータ冷却通路を流れる冷却水をエンジン冷却水に切替えるものであるとする。
上記の構成によれば、切替え手段の上記切替えに応じてモータ冷却水よりも温度の高いエンジン冷却水がモータ冷却通路を流れることとなる。従って、例えば低温時において、切替え手段を上記のように切替えることにより、エンジン冷却水の熱によって潤滑油を早期に暖めることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記熱交換部は表面に伝熱フィンを備えるものであるとする。
上記の構成によれば、熱交換部のモータ冷却水及び潤滑油との熱交換に関わる箇所の面積が伝熱フィンにより増えるため、熱交換の効率を高めることができる。
【0011】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記熱交換部における前記モータ冷却水及び前記潤滑油の一方の流量を調整するための流量調整手段をさらに備えるものであるとする。
【0012】
上記の構成によれば、流量調整手段によって熱交換部におけるモータ冷却水及び潤滑油の一方の流量が調整されると、その熱交換部における熱交換量が変化する。この調整により、モータ冷却水及び潤滑油をより適切な温度にすることが可能となる。
【0013】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記モータ冷却通路の前記熱交換部よりも上流又は下流には、同モータ冷却通路を開閉する開閉手段が設けられ、同開閉手段は、前記潤滑油の温度及び前記モータの温度に応じて開閉されるものであるとする。
【0014】
上記の構成によれば、潤滑油の温度及びモータ冷却水の温度に基づき、モータ冷却通路の熱交換部よりも上流又は下流が開閉手段によって開閉される。従って、例えば潤滑油の温度及びモータの温度がともに低い場合にモータ冷却通路が開閉手段によって閉鎖されれば、熱交換部でのモータ冷却水の流通が停止される。このため、モータ冷却水が熱交換部を通過する際の抵抗を小さくして、その抵抗による損失を少なくすることができるほか、過冷却を抑制したり暖機を促進したりすることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明では、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記モータ冷却通路は、前記モータ冷却水及び前記潤滑油間で熱交換を行わせるための熱交換部を有するバイパス冷却通路を備えるものであるとする。
【0018】
上記の構成によれば、モータ冷却通路を流れるモータ冷却水は、その途中でバイパス冷却通路を通る。モータ冷却水がバイパス冷却通路を通過する際、その熱交換部を通じてモータ冷却水と潤滑油との間で熱交換が行われる。この熱交換部で熱交換が行われる分、モータ冷却水及び潤滑油の各温度に影響を及ぼす要素が増える。従って、この熱交換により、モータ冷却水及び潤滑油をそれぞれより適切な温度にすることが可能となる。
【0019】
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の発明において、前記バイパス冷却通路は表面に伝熱フィンを備えるものであるとする。
上記の構成によれば、バイパス冷却通路の表面に伝熱フィンが設けられている分、同バイパス冷却通路においてモータ冷却水及び潤滑油との熱交換に関わる箇所の面積が増えるため、熱交換の効率をより高めることができる。
【0020】
請求項8に記載の発明では、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記モータ冷却通路の少なくとも一部は、前記モータと前記潤滑油を溜める油溜め部との間に設けられるものであるとする。
【0021】
上記の構成によれば、モータ冷却水はモータ冷却通路を流れる途中で、モータと油溜め部との間を通過する。この通過の際にモータ冷却水とモータとの間で熱交換が行われてモータが冷却される。また、モータ冷却水と潤滑油との間で熱交換が行われる。このようにして、モータ冷却水がモータと油溜め部との間を流れる際に、モータの冷却と、モータ冷却水及び潤滑油間での熱交換との両方を行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明をフロントエンジンリヤドライブ(FR)式の駆動方式を有するハイブリッド車両に具体化した一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。本実施形態のハイブリッド車両は、エンジン及び電動機という特性の異なる2種類の動力源を備え、状況に応じ駆動力を最適に組合わせて駆動輪に伝達して走行するタイプの車両である。
【0023】
エンジンと駆動輪との間には、図1に示す車両用駆動装置11、プロペラシャフト、ディファレンシャル、一対のアクスルシャフト等が設けられている。なお、図1においては左方がハイブリッド車両の進行方向前方であり、右方が進行方向後方である。車両用駆動装置11内には、車両駆動用のモータを含む車両駆動系として、2種類のモータジェネレータ、動力分割機構、減速機構等が設けられている。両モータジェネレータは前記車両駆動用のモータに相当するものであり、モータあるいは発電機として機能し、かつそれらの機能が状況に応じて切替え可能なモータ、例えば交流同期モータによって構成されている。ただし、車両の通常の走行時には、一方のモータジェネレータはエンジン12の動力により発電を行う発電機としての役割を主に担う。また、他方のモータジェネレータはエンジン12の補助動力を発生するモータとしての役割を主に担う。
【0024】
図2〜図4に示すように、モータ13は、車両用駆動装置11のケース16に固定されたステータ(固定子)17と、ケース16に対し軸受18によって回転可能に支持されたロータ(回転子)19を備えている。このモータ13では、ステータ17のステータコイル17aへの通電によりロータ19が回転する。
【0025】
車両用駆動装置11内には、モータ13を冷却するためのモータ冷却水Wmが流れる通路(モータ冷却通路14)と、車両駆動系、特にギヤの噛合い部分、摺動部分等に潤滑油Oを供給するための潤滑通路15とが設けられている。ケース16の下部には、モータ冷却通路14の一部をなすウォータジャケット20が設けられている。詳しくは、ケース16の下部には、下面において開口する凹部21が設けられている。凹部21内の前後方向(図2〜図4の左右方向)における中間部分には、その凹部21内を前後に2つの空間に分ける仕切り壁24が設けられている。また、各空間内には流路壁25が設けられている。ケース16の下面には仕切り部材としてのカバー22がボルト23等の締結部材によって締結されており、このカバー22によって凹部21が閉鎖されている。そして、前述した凹部21、仕切り壁24、流路壁25、カバー22等によって、複数箇所で折れ曲がったモータ冷却水Wmの流路を有するウォータジャケット20が構成されている。
【0026】
凹部21の内壁面において仕切り壁24の後方近傍には、ウォータジャケット20内にモータ冷却水Wmを流入させるための流入口26が設けられている。また、同内壁面において仕切り壁24の前方近傍には、ウォータジャケット20からモータ冷却水Wmを流出させるための流出口27が設けられている。
【0027】
図3及び図5に示すように、カバー22の下方には、複数の冷却管28が幅方向(図5の上下方向)へ互いに離間した状態で配置されている。各冷却管28の前後両端部は上方へ曲げ形成されており、ウォータジャケット20に連通した状態でカバー22に取付けられている。
【0028】
ケース16の下部には、潤滑油Oを溜めるための油溜め部としてオイルパン29が設けられている。このオイルパン29は潤滑通路15の一部をなすものであり、ボルト31等の締結部材によってケース16に固定されている。そして、前述したカバー22、冷却管28等がこのオイルパン29によって下側から覆われている。潤滑油Oはオイルパン29内に満たされており、カバー22、冷却管28等がこの潤滑油Oに浸漬されている。
【0029】
ウォータジャケット20内のモータ冷却水Wmとオイルパン29内の潤滑油Oとはカバー22を介して隣合っており、このカバー22を通じてモータ冷却水Wmと潤滑油Oとの間で熱交換可能である。また、各冷却管28内のモータ冷却水Wmとオイルパン29内の潤滑油Oとは、その冷却管28を介して隣合っており、この冷却管28を通じてモータ冷却水Wmと潤滑油Oとの間で熱交換可能である。そして、これらのカバー22及び冷却管28によって、モータ冷却水Wm及び潤滑油O間で熱交換を行うための熱交換部が構成されている。
【0030】
さらに、熱交換部における熱交換の効率を高めるための工夫がなされている。カバー22の上面には、複数の伝熱フィン32が互いに前後方向へ離間した状態で設けられている。各伝熱フィン32は隣合う流路壁25,25の間、又は隣合う流路壁25と仕切り壁24との間に入り込んでいる。また、カバー22の下面にも複数の伝熱フィン33が互いに前後方向へ離間した状態で設けられている。さらに、冷却管28上には、複数の伝熱フィン34が互いに前後方向へ離間した状態で設けられている。各伝熱フィン34は幅方向(図5の上下方向)に細長い板状の部材によって構成されており、この伝熱フィン34に各冷却管28が挿通された状態で固定されている。
【0031】
上記構成の車両用駆動装置11では、モータ冷却水Wmがモータ冷却通路14を流れる過程で、図4に示すように流入口26を通ってウォータジャケット20内へ入り込む。そのモータ冷却水Wmは仕切り壁24、流路壁25等に沿って流れる。モータ冷却水Wmは方向を変えながら流れ、ウォータジャケット20の後部に至ると各冷却管28内に流入し、同冷却管28を通ってウォータジャケット20の前部へ導かれる。そして、モータ冷却水Wmは流路壁25、仕切り壁24等に沿って方向を変えながら流れ、ウォータジャケット20の中間部に至ると流出口27から外へ流出される。このように、モータ冷却水Wmがウォータジャケット20及び冷却管28を流通する過程で、ケース16を介し、モータ13とウォータジャケット20内のモータ冷却水Wmとの間で熱交換が行われ、モータ13が冷却される。また、カバー22を介し、ウォータジャケット20内のモータ冷却水Wmとオイルパン29内の潤滑油Oとの間で熱交換が行われ、同潤滑油Oが冷却される。さらに、冷却管28を介して、同冷却管28内を流れるモータ冷却水Wmとオイルパン29内の潤滑油Oとの間で熱交換が行われ、同潤滑油Oが冷却される。
【0032】
以上詳述した第1実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)ケース16のモータ13下方にオイルパン29を設けるとともに、ケース16の下部であってオイルパン29の上方にウォータジャケット20を設ける。オイルパン29及びウォータジャケット20をカバー22によって仕切り、オイルパン29内の空間を潤滑通路15の一部とするとともに、ウォータジャケット20内の空間をモータ冷却通路14の一部としている。このようにして、モータ冷却通路14の少なくとも一部(ウォータジャケット20)を、モータ13とオイルパン29との間に設けている。
【0033】
このため、ケース16を介し、ウォータジャケット20内を流れるモータ冷却水Wmとモータ13との間で熱交換を行うことにより、従来と同様のモータ冷却性能を確保することができる。
【0034】
また、カバー22を通じて潤滑油Oとモータ冷却水Wmとの間で熱交換を行わせることができる。この熱交換により、モータ冷却水Wm及び潤滑油Oの各温度が、熱交換が行われない場合とは異なる値となる。表現を変えると、カバー22を通じて熱交換が行われる分、モータ冷却水Wm及び潤滑油Oの各温度に影響を及ぼす要素が増える。従って、この熱交換によりモータ冷却水Wm及び潤滑油Oを適切な温度にすることが可能となる。
【0035】
このように、モータ冷却水Wmがモータ13とオイルパン29との間(ウォータジャケット20内等)を流れる際に、モータ13の冷却と、モータ冷却水Wm及び潤滑油O間での熱交換との両方を行うことができる。
【0036】
(2)オイルパン29内に冷却管28を配置し、その冷却管28の前後両端部をウォータジャケット20に連通させた状態でカバー22に取付けている。そして、ウォータジャケット20内を流れたモータ冷却水Wmを冷却管28内に流入させた後、再びウォータジャケット20に戻すようにしている。より詳しくは、流入口26から入流したモータ冷却水Wmを、ウォータジャケット20→冷却管28→ウォータジャケット20の順に通過させ、その後に流出口27から流出させている。
【0037】
この流れにより、モータ冷却水Wmがウォータジャケット20内を通過する際だけでなく、冷却管28を通過する際にも、モータ冷却水Wmとオイルパン29内の潤滑油Oとの間で熱交換を行わせることができる。この熱交換が行われる分、モータ冷却水Wm及び潤滑油Oの各温度に影響を及ぼす要素が増える。従って、この熱交換により、モータ冷却水Wm及び潤滑油Oをそれぞれより適切な温度にすることが可能となる。
【0038】
また、モータ冷却水Wmが冷却管28を通過する際、冷却管28の外周面の全てが潤滑油Oとの熱交換に関わる。このため、熱交換を効率よく行うことができる。
【0039】
(3)カバー22の上面及び下面、冷却管28等、熱交換部の表面にそれぞれ伝熱フィン32,33,34を設けている。このため、カバー22及び冷却管28において、モータ冷却水Wm及び潤滑油Oとの熱交換に関わる箇所の面積を増大させて熱交換の効率を高め、もって潤滑油Oの冷却を促進することができる。
【0040】
(4)カバー22上面の伝熱フィン32を隣合う流路壁25,25間、又は隣合う流路壁25及び仕切り壁24間に入り込ませている。このため、流路壁25,25間の流路面積、又は流路壁25及び仕切り壁24間の流路面積が伝熱フィン32の分減少し、それに伴いモータ冷却水Wmの流速が上昇する。このため、伝熱フィン32のない場合に比べて熱交換の効率を高めることができる。
【0041】
(5)上記(4)の効果は、カバー22に代え、ケース16側に伝熱フィンを設けることによっても同様に得られる。しかし、その場合、仕切り壁24と伝熱フィンとの間隔や、流路壁25と伝熱フィンとの間隔が約半分になるため、製造上の制約等からこれらの間隔を狭めようにも限度がある。この点、第1実施形態では、仕切り壁24及び流路壁25をケース16に設け、伝熱フィン32をカバー22に設けている。そして、仕切り壁24と流路壁25との間や、流路壁25,25間に伝熱フィン32を入り込ませている。このため、仕切り壁24と伝熱フィン32との間隔や、流路壁25と伝熱フィン32との間隔を、上述したものよりも狭くして、熱交換の効率を一層高めることができる。
【0042】
(6)潤滑油Oを冷却する手法としてオイルパン29の外部に冷却装置を設けることも考えられるが、この場合、外部冷却装置とオイルパン29とを繋ぐ配管が必要となる。これに対し、第1実施形態では、オイルパン29の上部にカバー22を介してウォータジャケット20を設けるとともに、オイルパン29内に冷却管28を配置し、潤滑油Oの冷却をオイルパン29内で行うようにしている。このため、前述した配管を別途設けなくてもすむ。
【0043】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態について、図6を参照して説明する。第2実施形態は、ウォータジャケット20内の仕切り壁24の構造、流入口26及び流出口27の位置等が第1実施形態と異なっている。詳しくは、仕切り壁24の幅方向における一方(図6の上方)の端部が凹部21の内壁面から離間しており、この部分でのモータ冷却水Wmの流通が可能となっている。また、凹部21の内壁面の後端部(図6の右端部)には、ウォータジャケット20内にモータ冷却水Wmを流入させるための流入口26が設けられている。また、凹部21の内壁面の前端部(図6の左端部)には、ウォータジャケット20からモータ冷却水Wmを流出させるための流出口27が設けられている。さらに、冷却管28は、ウォータジャケット20を迂回するバイパス冷却通路として設けられている。冷却管28は、その内部を流れるモータ冷却水Wmとオイルパン29内の潤滑油Oとの間で熱交換を行わせるための熱交換部として機能する。なお、第1実施形態と同様の部材については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0044】
上記構成の車両用駆動装置11では、モータ冷却通路14を流れるモータ冷却水Wmが流入口26からウォータジャケット20内へ入り込むと、そのモータ冷却水Wmの一部は分かれて各冷却管28内に流入し、同冷却管28を通ってウォータジャケット20の前部へ導かれる。それ以外の冷却水は、流路壁25、仕切り壁24等に沿って方向を変えながら流れ、ウォータジャケット20の前部へ導かれる。そして、前記のようにして2つの経路からウォータジャケット20の前部へ導かれたモータ冷却水Wmは合流した後、流出口27からウォータジャケット20の外部へ流出される。このようにモータ冷却水Wmが流通する過程で、ケース16を介し、モータ13とウォータジャケット20内のモータ冷却水Wmとの間で熱交換が行われ、同モータ13が冷却される。また、カバー22を介し、ウォータジャケット20内のモータ冷却水Wmとオイルパン29内の潤滑油Oとの間で熱交換が行われ、同潤滑油Oが冷却される。さらに、冷却管28を介して、同冷却管28内を流れるモータ冷却水Wmとオイルパン29内の潤滑油Oとの間で熱交換が行われる。
【0045】
従って、第2実施形態によれば、前述した(1)〜(6)と同様の効果が得られる。ただし、上記(2)の効果は次のようにして得られる。
モータ冷却通路14の一部を、ウォータジャケット20を迂回する冷却管28によって構成している。そして、流入口26からウォータジャケット20内に流入したモータ冷却水Wmの一部を冷却管28に流入させている。さらに、モータ冷却水Wmが流出口27から流出する前に、ウォータジャケット20内を流れたモータ冷却水Wmと冷却管28内を流れたモータ冷却水Wmとを合流させている。このように、モータ冷却水Wmの流路を、ウォータジャケット20と冷却管28の2系統にしている。
【0046】
この流れにより、モータ冷却水Wmがウォータジャケット20内を通過する際だけでなく、冷却管28を通過する際にも、モータ冷却水Wmとオイルパン29内の潤滑油Oとの間で熱交換を行わせることができる。この熱交換が行われる分、モータ冷却水Wm及び潤滑油Oの各温度に影響を及ぼす要素が増える。従って、この熱交換により、モータ冷却水Wm及び潤滑油Oをそれぞれより適切な温度にすることが可能となる。
【0047】
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態について、第2実施形態との相違点を中心に説明する。図7及び図8に示すように、第3実施形態では、カバー22の前後(図7及び図8の左右)方向に互いに離間した箇所に上方へ突出する張出し部35が複数設けられており、これらの張出し部35が、隣合う流路壁25,25間や、隣合う流路壁25と仕切り壁24との間等に入り込んでいる。これらの張出し部35は、例えばカバー22の材料として圧延鋼板等を用い、これに絞り加工を施すことにより形成することができる。カバー22の伝熱フィン32,33及び冷却管28は設けられていない。なお、第2実施形態と同様の部材については同一の符号を付して説明を省略する。
【0048】
上記構成の車両用駆動装置11では、モータ冷却水Wmがモータ冷却通路14を流れる過程で流入口26からウォータジャケット20の後部へ入り込むと、そのモータ冷却水Wmは図8において矢印で示すように流路壁25、仕切り壁24等に沿って方向を変えながら流れる。モータ冷却水Wmは、ウォータジャケット20の前部へ導かれた後、流出口27からウォータジャケット20の外部へ流出される。この際、カバー22の張出し部35がウォータジャケット20内に張出している分、流路壁25,25間等の流路面積が減少していることから、同箇所でのモータ冷却水Wmの流速は張出し部35のない場合に比べて上昇する。
【0049】
そして、前記のようにモータ冷却水Wmが流通する過程で、ケース16を介し、モータ13とウォータジャケット20内のモータ冷却水Wmとの間で熱交換が行われ、同モータ13が冷却される。また、カバー22を介し、ウォータジャケット20内のモータ冷却水Wmと、オイルパン29内の潤滑油O及び張出し部35内の潤滑油Oとの間で熱交換が行われ、同潤滑油Oが冷却される。この際、張出し部35により、モータ冷却水Wmとカバー22との接触面積が増え、潤滑油Oとカバー22との接触面積が増えているため、張出し部35のない場合に比べ熱交換量が増え、潤滑油Oが効率よく冷却される。
【0050】
従って、第3実施形態によれば、前述した(1),(6)に加え、次の効果が得られる。
(7)カバー22の一部にウォータジャケット20内に張出す張出し部35を形成することにより、カバー22のモータ冷却水Wm及び潤滑油Oとの接触面積を大きくするとともに、ウォータジャケット20におけるモータ冷却水Wmの流路面積を小さくして同モータ冷却水Wmの流速を上昇させるようにしている。このため、これらの接触面積拡大及び流速上昇の両面から冷却効率を高めることができる。
【0051】
(第4実施形態)
次に、本発明を具体化した第4実施形態について、第2実施形態との相違点を中心に説明する。図9に示すように、第4実施形態では、カバー22として平板状をなすものが用いられている。このカバー22には伝熱フィン32,33及び冷却管28が設けられていない。カバー22の下面にはストレーナ(フィルタ)41がロウ付け等の方法によって固定されている。ストレーナ41の下部には潤滑油Oの吸込み口42が設けられている。さらに、ケース16とカバー22との間には中間部材43が配置されている。図9及び図10に示すように、中間部材43の一部はプレス加工等の方法によって上方へ張出され、この張出し部44が仕切り壁24及び流路壁25から離間した状態でウォータジャケット20内に入り込んでいる。そして、この張出し部44とカバー22とによって油路45が形成されている。油路45とストレーナ41の内部空間とは、カバー22の後部(図9及び図10の右側部)に開けられた連通孔46を通じて連通されている。また、中間部材43の張出し部44にはチューブ47等を介してオイルポンプ(図示略)が接続されている。なお、第2実施形態と同様の部材については同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
上記構成の車両用駆動装置11では、オイルポンプの作動に伴いオイルパン29内の潤滑油Oが吸込み口42を通じてストレーナ41内に吸込まれる。潤滑油Oがストレーナ41を通過する過程で、潤滑油O中の切粉等の異物が捕捉される。そして、潤滑油Oは、図9及び図10において矢印で示すように連通孔46、油路45等を通って方向を変えながら前方へ導かれた後、チューブ47を通過してオイルポンプに吸引される。
【0053】
従って、第4実施形態によれば、前述した(1),(6)に加え、次の効果が得られる。
(8)ウォータジャケット20内に油路45を設け、この油路45内で潤滑油Oを流通させるようにしている。このため、熱交換が行われる箇所(特に油路45)での潤滑油Oの流速を上昇させて、熱交換効率を高めることができる。
【0054】
(第5実施形態)
次に、本発明を具体化した第5実施形態について、第2実施形態との相違点を中心に説明する。図11に示すように、第5実施形態では、潤滑油Oの温度(油温)を検出する油温センサ51と、冷却管28内を流れるモータ冷却水Wmの量を調整するための流量調整手段と、油温センサ51の検出結果に基づき流量調整手段を制御する電子制御装置53とが設けられている。ここでは、流量調整手段として、冷却管28内のモータ冷却通路14を全開又は全閉にする開閉弁52が用いられている。また、電子制御装置53による開閉弁52の制御のために判定値T1が予め設定されている。ここで、判定値T1は、潤滑油Oの温度についての許容範囲の下限値であり、例えば100℃に設定されている。潤滑油Oの温度が判定値T1よりも低いと、粘度が高くなって燃費を悪化させる。なお、第2実施形態と同様の部材については同一の符号を付して説明を省略する。
【0055】
上記構成の車両用駆動装置11では、開閉弁52が電子制御装置53によって次のように制御される。まず、油温センサ51によって検出された油温が読込まれ、その油温と判定値T1とが比較される。そして、油温が判定値T1以上である場合には開閉弁52が開弁される。この開弁によりモータ冷却水Wmが冷却管28内を流れ、同モータ冷却水Wmとオイルパン29内の潤滑油Oとの間で熱交換が行われ、潤滑油Oが冷却される。これに対し、油温が判定値T1よりも低い場合には開閉弁52が閉弁される。この閉弁によりモータ冷却水Wmの冷却管28内での流れが止まり、その冷却管28を通じたモータ冷却水Wmと潤滑油Oとの熱交換量が少なくなり、潤滑油Oが冷却されにくくなる。
【0056】
従って、第5実施形態によれば、前述した(1)〜(6)に加え、次の効果が得られる。
(9)潤滑油Oの粘度は油温が高くなるほど低くなる傾向にあるため、燃費向上の観点からは油温を速やかに上昇させることが望ましい。この点、第5実施形態では、油温が判定値T1よりも低い場合に開閉弁52を閉弁させて、冷却管28でのモータ冷却水Wmの流通を止め、そのモータ冷却水Wmによる潤滑油Oの冷却を抑制するようにしている。このため、油温を速やかに上昇させて粘度を低くし、燃費の向上を図ることができる。また、極低温時であっても油温上昇により、潤滑油Oのスムーズな流通を可能とし、エンジン回転の安定化、潤滑油Oの被供給部の信頼性向上等を図ることもできる。さらに、モータ冷却水Wmの冷却管28内での流れが止まるため、その流通に伴う抵抗(通水抵抗)を低減して、同抵抗による損失を少なくすることもできる。
【0057】
(第6実施形態)
次に、本発明を具体化した第6実施形態について、第5実施形態との相違点を中心に説明する。図11及び図12に示すように、第6実施形態では、開閉弁52に代え、開度の調整機構を有する流量制御弁56が流量調整手段として用いられている。また、電子制御装置53による流量制御弁56の開度制御のために、前述した判定値T1に加え判定値T2が予め設定されている。ここで、判定値T2は、潤滑油Oの温度についての許容範囲の上限値であり、判定値T1よりも大きな値に設定されている。
【0058】
上記構成の車両用駆動装置11では、流量制御弁56が電子制御装置53によって次のように制御される。まず、油温センサ51によって検出された油温が読込まれ、例えば図12に示すマップに基づき、前記油温に対応する流量制御弁56の目標開度が求められる。このマップは予め実験等に基づき作成されたもので、油温が判定値T1よりも低い領域では、目標開度が最小値(全閉)に設定されている。判定値T1〜判定値T2の領域では、目標開度は油温の上昇に従い増加するよう設定されている。判定値T2以上の領域では、目標開度は最大値(全開)に設定されている。なおマップに代えて所定の演算式に従って、油温に対する目標開度が算出されてもよい。そして、目標開度が求められると、実際の開度が目標開度となるように流量制御弁56が制御される。
【0059】
この制御により、油温が判定値T2以上である場合には流量制御弁56が全開にされ、冷却管28を流れるモータ冷却水Wmの量が最大となり、同モータ冷却水Wmによって潤滑油Oが効率よく冷却される。また、油温が判定値T1よりも低い場合には流量制御弁56が全閉にされ、モータ冷却水Wmが冷却管28内を流れなくなり、その冷却管28を通じたモータ冷却水Wmと潤滑油Oとの熱交換量が少なくなり、潤滑油Oが冷却されにくくなる。さらに、油温が判定値T1以上かつ判定値T2未満の場合には、流量制御弁56の開度が全閉又は全開の中間の値にされ、油温に応じた量のモータ冷却水Wmが冷却管28を流れる。この流量は油温が高くなるに従い増加する。これに伴い、モータ冷却水Wmによる潤滑油Oの冷却度合が油温の上昇に従い大きくなる。
【0060】
従って、第6実施形態によれば、前述した(1)〜(6),(9)に加え次の効果が得られる。
(10)油温が判定値T1以上かつ判定値T2未満の領域では、油温の上昇に従い流量制御弁56の開度を増加させている。このため、同領域では、流量制御弁56の開度を油温に応じた値にして、冷却管28で適切な流量のモータ冷却水Wmを流通させることができる。油温をより適正な値に調整することが可能となるため、上記(9)の効果をより一層確実なものとすることができる。
【0061】
(第7実施形態)
次に、本発明を具体化した第7実施形態について、第5実施形態との相違点を中心に説明する。図11及び図13に示すように、第7実施形態では、潤滑油Oが潤滑のほかにモータ13を冷却するためにも用いられている。また、モータ13の温度を直接又は間接的に検出するモータ温度センサ61が設けられている。さらに、電子制御装置53による開閉弁52の制御のために、前述した判定値T1に加え判定値T3が予め設定されている。ここで、判定値T3は、モータ13の温度についての許容範囲の上限値であり、これよりも高いとモータ13が過熱状態となり作動に影響が出てくるおそれがある。
【0062】
上記構成の車両用駆動装置11では、開閉弁52が電子制御装置53によって次のように制御される。まず、油温センサ51によって検出された油温と、モータ温度センサ61によって検出されたモータ13の温度とがそれぞれ読込まれる。油温と判定値T1とが比較され、モータ13の温度と判定値T3とが比較される。そして、図13において領域Z1で示すように、油温が判定値T1よりも低く、かつモータ温度が判定値T3よりも低い場合にのみ開閉弁52が閉弁される。この閉弁により、モータ冷却水Wmが冷却管28内を流れなくなり、その冷却管28を通じたモータ冷却水Wmと潤滑油Oとの熱交換量が少なくなり、潤滑油Oが冷却されにくくなる。これに対し、前述した条件が満たされない場合、すなわち、図13において領域Z2で示すように、「油温が判定値T1以上であること」、「モータ温度が判定値T3以上であること」の少なくとも一方が満たされている場合には開閉弁52が開弁される。この開弁によりモータ冷却水Wmが冷却管28内を流れ、同モータ冷却水Wmとオイルパン29内の潤滑油Oとの間で熱交換が行われ、その潤滑油Oが冷却される。そして、この油温の低下した潤滑油Oによってモータ13が冷却される。
【0063】
従って、第7実施形態によれば、前述した(1)〜(6),(9)に加え、次の効果が得られる。
(11)モータ13の温度をモータ温度センサ61によって検出し、その検出されたモータ温度が判定値T3以上の場合には、モータ温度を優先して開閉弁52を開弁(全開)させている。すなわち、第5実施形態では油温が判定値T1未満である場合には一律に開閉弁52を閉弁させたが、第7実施形態ではこのように油温が低くても、モータ温度が高ければ開閉弁52を開弁させている。このため、モータ温度が高いときには、油温に関係なく冷却管28を介してモータ冷却水Wmと潤滑油Oとの間で熱交換を行わせて潤滑油Oを冷却し、モータ13を積極的に冷却することができる。なお、判定値T1を判定値T2に変更してもよい。
【0064】
(第8実施形態)
次に、本発明を具体化した第8実施形態について、第7実施形態との相違点を中心に説明する。図14に示すように、第8実施形態では、冷却管28途中の開閉弁52に代えて、モータ冷却通路14においてウォータジャケット20よりも上流に開閉弁66が設けられている。開閉弁66はモータ冷却通路14を全開又は全閉にする開閉手段として用いられており、電子制御装置53によって制御される。なお、第7実施形態と同様の部材については同一の符号を付して説明を省略する。
【0065】
上記構成の車両用駆動装置11では、開閉弁66が電子制御装置53によって次のように制御される。まず、油温センサ51による油温とモータ温度センサ61によるモータ温度とがそれぞれ読込まれる。油温と判定値T1とが比較され、モータ温度と判定値T3とが比較される。そして、油温が判定値T1よりも低く、かつモータ温度が判定値T3よりも低いという条件が満たされた場合、すなわち油温及びモータ温度の両方がともに低い場合(図13の領域Z1に属する場合)にのみ開閉弁66が閉弁される。この閉弁により、ウォータジャケット20へのモータ冷却水Wmの流入が停止され、モータ冷却水Wmによるモータ13の冷却と潤滑油Oの冷却、ひいては潤滑油Oによるモータ13の冷却が行われなくなる。これに対し、前述した条件が満たされない場合、すなわち、「油温が判定値T1以上であること」、「モータ温度が判定値T3以上であること」の少なくとも一方が満たされている場合(図13の領域Z2に属する場合)には開閉弁66が開弁される。この開弁により、ウォータジャケット20内へモータ冷却水Wmが流入し、モータ冷却水Wmによるモータ13の冷却と、モータ冷却水Wmによる潤滑油Oの冷却、ひいては潤滑油Oによるモータ13の冷却とが行われる。
【0066】
従って、第8実施形態によれば、前述した(1)〜(6)に加え、次の効果が得られる。
(12)モータ冷却通路14のウォータジャケット20よりも上流側に開閉弁66を設け、油温が判定値T1よりも低く、かつモータ温度が判定値T3よりも低い場合にのみ開閉弁66を閉弁するようにしている。このため、油温及びモータ温度がともに低く冷却が不要である場合には、ウォータジャケット20内及び冷却管28内でのモータ冷却水Wmの流通を止めることができる。その結果、モータ冷却水Wmがウォータジャケット20及び冷却管28を通過する際の抵抗を小さくして、その抵抗による損失を少なくすることができるほか、過冷却を抑制(暖機を促進)することができる。
【0067】
(第9実施形態)
次に、本発明を具体化した第9実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0068】
ここで、一般にモータ13の効率がエンジン12の燃焼効率に比べて高いことから、例えば低温時にあっては、モータ冷却水Wmはエンジン12を冷却するためのエンジン冷却水Weに比べて温度上昇が遅い。そこで、エンジン冷却水Weを利用すれば、ウォータジャケット20内を流れる冷却水の温度を高めることが可能である。この点に着目し、第9実施形態ではウォータジャケット20に対しエンジン冷却水Weを流入可能にするとともに、その流入される冷却水の種類(モータ冷却水Wm、エンジン冷却水We)を切替える切替え手段を設けている。
【0069】
詳しくは、図15に示すように、モータ冷却通路14はラジエータ71を有する主通路72と、その主通路72の途中から分岐し、かつその分岐部分よりも下流側で再び主通路72に合流する副通路73とを備えている。そして、この副通路73の途中に前述したウォータジャケット20が設けられている。主通路72における副通路73の分岐部分には方向切替え弁74が設けられ、合流部分には方向切替え弁75が設けられている。
【0070】
また、エンジン冷却水Weの循環するエンジン冷却通路76は、ラジエータ77を有する主通路78と、主通路78の途中から分岐し、かつその分岐部分よりも下流側で再び主通路78に合流する副通路79とを備えている。そして、この副通路79の途中に前述したウォータジャケット20が設けられている。主通路78における副通路79の分岐部分には方向切替え弁81が設けられ、合流部分には方向切替え弁82が設けられている。そして、前述した方向切替え弁74,75,81,82によって切替え手段が構成されている。
【0071】
さらに、潤滑油の温度(油温)を検出する油温センサ51、モータ13の温度を検出するモータ温度センサ61、モータ冷却水Wmの温度を検出する水温センサ83、及びエンジン冷却水Weの温度を検出する水温センサ84が設けられている。
【0072】
上記構成の車両用駆動装置11では、各方向切替え弁74,75,81,82が電子制御装置53によって次のように制御される。まず、モータ温度センサ61によるモータ温度、油温センサ51による油温、水温センサ83によるモータ冷却水温、水温センサ84によるエンジン冷却水温がそれぞれ読込まれる。モータ温度と判定値T3とが比較され、油温と判定値T1とが比較される。また、エンジン冷却水温とモータ冷却水温とが比較される。そして、次の(i)〜(iii )の条件が全て満たされる場合には、方向切替え弁74,75,81,82に対する通電が行われる。
【0073】
(i)モータ温度が判定値T3よりも低いこと。
(ii)油温が判定値T1よりも低いこと。
(iii )エンジン冷却水温がモータ冷却水温よりも高いこと。
【0074】
上記通電により、エンジン冷却通路76では方向切替え弁81,82によって副通路79が開かれ、図15において実線の矢印で示すように、エンジン冷却水Weが主通路78から副通路79に流入し、ウォータジャケット20内を通過した後、主通路78に戻る。また、モータ冷却通路14では方向切替え弁74,75によって副通路73が閉じられて、モータ冷却水Wmの副通路73への流入が止められる。そのため、モータ冷却水Wmは主通路72のみを循環することとなり、ウォータジャケット20内を通過しない。このとき、エンジン冷却水温がモータ冷却水温よりも高いことから、エンジン冷却水We及び潤滑油O間での熱交換量は、モータ冷却水Wmが流れる場合に比べて多い。そのため、潤滑油Oが早期に暖められる。
【0075】
これに対し、上記(i)〜(iii )の条件の1つでも満たされない場合には、方向切替え弁74,75,81,82の全てに対する通電が停止される。これらの通電停止により、モータ冷却通路14では方向切替え弁74,75によって副通路73が開かれ、図15において二点鎖線の矢印で示すようにモータ冷却水Wmが主通路72から副通路73に流入し、ウォータジャケット20内を通過した後、主通路72に戻る。また、エンジン冷却通路76では方向切替え弁81,82によって副通路79が閉じられて、エンジン冷却水Weの副通路79への流入が止められる。そのため、エンジン冷却水Weは主通路78のみを循環することとなり、ウォータジャケット20内を通過しない。エンジン冷却水Weによってモータ13及び潤滑油Oが不要に暖められることはない。
【0076】
従って、第9実施形態によれば、前述した(1)〜(6)に加え、次の効果が得られる。
(13)方向切替え弁74,75,81,82の切替えにより、モータ温度及び油温がともに低く、かつエンジン冷却水温がモータ冷却水温よりも高い場合に、エンジン冷却水Weをウォータジャケット20に流入させ、それ以外の場合にモータ冷却水Wmをウォータジャケット20に流入させるようにしている。このため、低温時において、モータ冷却水Wmよりも温度の高いエンジン冷却水Weをウォータジャケット20に導入することで、潤滑油Oを早期に暖めて暖機性を向上させることができる。
【0077】
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・本発明の車両用駆動装置は、ハイブリッド車両に限らず電気車両に適用することもできる。
【0078】
・冷却管28に代えて、ラジエータのような熱交換効率の高い熱交換器をオイルパン29内に配置し、その両端部をカバー22に接続してもよい。
・ウォータジャケット20を、前述したモータ13及びオイルパン29間とは異なる箇所に設けてもよい。例えば、オイルパン29の前方、後方、側方等である。また、ケース16の直下であってオイルパン29に対応する箇所にウォータジャケット20を設け、このウォータジャケット20を潤滑油Oに浸漬させてもよい。要は、ウォータジャケット20は、その少なくとも一部において潤滑通路15に近接配置されればよい。
【0079】
・第1,2,5〜9実施形態における伝熱フィン32,33,34の少なくとも1種類を省略してもよい。また、これらの伝熱フィン32,33,34の数を適宜変更してもよい。また、伝熱フィン32,33,34の配列の形態を変更してもよい。例えば、伝熱フィン32,33,34を互いに幅方向(図5の上下方向)へ離間した状態で設けてもよい。
【0080】
・第1,2,5〜9実施形態における冷却管28の数を適宜変更(0を含む)してもよい。
・第8実施形態と第5〜第7実施形態とを組合わせてもよい。すなわち、モータ冷却通路14のウォータジャケット20よりも上流に開閉弁66(第8実施形態)を設け、冷却管28に開閉弁52又は流量制御弁56(第5〜第7実施形態)を設けてもよい。
【0081】
・第5〜第7実施形態では、モータ冷却通路14(冷却管28)に流量調整手段(開閉弁52、流量制御弁56)を設けることで、熱交換部におけるモータ冷却水の流量を調整したが、これに代え、潤滑通路15に流量調整手段を設けて、熱交換部における潤滑油の流量を調整してもよい。
【0082】
・第8実施形態において、モータ冷却通路14の熱交換部よりも下流側に開閉弁66を設けてもよく、この場合にも同様の効果が得られる。
その他、前記各実施形態から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに記載する。
【0083】
(A)請求項1に記載の車両用駆動装置において、前記モータ冷却通路の少なくとも一部は冷却管により構成され、同冷却管は前記潤滑通路の潤滑油内に配置されている。
【0084】
上記の構成によれば、冷却管の外面の全てが潤滑油との熱交換に関わるため、モータ冷却水が冷却管を通過する際には、潤滑油との間で効率よく熱交換を行わせることができる。
【0085】
(B)請求項1に記載の車両用駆動装置において、前記潤滑通路は、前記モータの下方に設けられて前記潤滑油を貯留するオイルパンを備え、前記モータ冷却通路は前記モータ及び前記オイルパン間に設けられたウォータジャケットを備え、前記熱交換部は前記オイルパン及び前記ウォータジャケット間に設けられた仕切り部材を備える。
【0086】
上記の構成によれば、モータ冷却水がウォータジャケットを流れる際に、そのモータ冷却水とモータとの間で熱交換が行われてモータが冷却される。また、仕切り部材を介し、ウォータジャケット内のモータ冷却水とオイルパン内の潤滑油との間で熱交換が行われる。この熱交換により、例えばモータ冷却水及び潤滑油の過熱を抑制することができる。
【0087】
(C)上記(B)に記載の車両用駆動装置において、前記仕切り部材には、前記オイルパン内に配置された冷却管の両端部が前記ウォータジャケットに連通された状態で接続されている。
【0088】
上記の構成によれば、ウォータジャケット内を流れるモータ冷却水の少なくとも一部は冷却管内に流入する。このモータ冷却水は冷却管内を流れ、再びウォータジャケット内に戻る。そして、この冷却管を通じてモータ冷却水と潤滑油との間で熱交換が行われる。従って、前述した仕切り部材のみを通じて熱交換を行う場合に比べ、熱交換の効率を高めることができる。
【0089】
(D)上記(B)に記載の車両用駆動装置において、前記ウォータジャケット内には、同ウォータジャケット内に流路を形成するための複数の流路壁が互いに離間した状態で形成されており、一方、前記仕切り部材には、複数の伝熱フィンが互いに離間した状態で形成されており、これらの伝熱フィンが隣合う流路壁間に配置されている。
【0090】
上記の構成によれば、隣合う流路壁間の伝熱フィンによりウォータジャケット内の流路面積が減少し、それに伴い同流路でのモータ冷却水の流速が上昇するため、熱交換の効率を高めることができる。
【0091】
(E)上記(B)に記載の車両用駆動装置において、前記ウォータジャケット内には、モータ冷却水の流路を形成するための複数の流路壁が互いに離間した状態で形成されており、前記仕切り部材には、隣合う前記流路壁間に突出する張出し部が設けられている。
【0092】
上記の構成によれば、張出し部により、仕切り部材のモータ冷却水及び潤滑油との接触面積が大きくなる。また、張出し部が隣合う流路壁間に入り込んでいる分、ウォータジャケット内の流路面積が小さくなってモータ冷却水の流速が上昇する。従って、これらの接触面積拡大と流速上昇の両面から熱交換の効率を高めることができる。
【0093】
(F)上記(B)に記載の車両用駆動装置において、前記ウォータジャケット内には油路が形成され、その油路の一端は前記オイルパンに接続され、他端はオイルポンプに接続されている。
【0094】
上記の構成によれば、オイルポンプの作動により潤滑油はオイルパンから出た後、油路内を通過する。従って、ウォータジャケット内を流れるモータ冷却水とオイルパン内の潤滑油との間で熱交換が行われるほか、油路内を流れる潤滑油とウォータジャケット内を流れるモータ冷却水との間でも熱交換が行われる。この際、油路内で潤滑油の流速が生ずるため、この潤滑油とモータ冷却水との間における熱交換の効率を高めることができる。
【0095】
(G)請求項4に記載の車両用駆動装置において、前記モータ冷却通路は、前記潤滑通路に隣接するウォータジャケットと、前記潤滑通路内に配置された状態で前記ウォータジャケットに接続された冷却管とを備え、
前記流量調整手段は前記冷却管内のモータ冷却通路を開閉する開閉弁を備える。
【0096】
上記の構成によれば、開閉弁が開弁されると、モータ冷却通路を流れるモータ冷却水の少なくとも一部はウォータジャケット内から冷却管に流入し、その冷却管内を通って再びウォータジャケットに戻る。モータ冷却水が冷却管を流れる際に、その冷却管を介し、モータ冷却水と潤滑油との間で熱交換が行われる。これに対し、開閉弁が閉弁されると、モータ冷却水の冷却管内での流通が遮断される。このため、冷却管を介して行われるモータ冷却水と潤滑油との間での熱交換が抑制される。従って、開閉弁を開閉させることで、熱交換量を変化させてモータ冷却水及び潤滑油をより適切な温度にすることが可能となる。
【0097】
(H)上記(G)に記載の車両用駆動装置において、前記開閉弁は前記潤滑油の温度に応じて開閉される。
ここで、潤滑油の粘度は油温が高くなるほど低くなるため、燃費向上の観点からは油温を速やかに上昇させることが望ましい。この点、(H)では、開閉弁が潤滑油の温度に応じて開閉される。従って、潤滑油の温度が所定値よりも低い場合に開閉弁を閉弁させれば、冷却管を介して行われる熱交換を停止して、モータ冷却水による潤滑油の冷却を抑制することができる。このため、潤滑油の温度を速やかに上昇させて粘度を低くし、燃費の向上を図ることができる。
【0098】
(I)上記(G)に記載の車両用駆動装置において、前記潤滑油は前記車両駆動系を潤滑するとともに前記モータを冷却するものであり、前記開閉弁は、前記潤滑油の温度及び前記モータの温度に基づいて開閉される。
【0099】
上記の構成によれば、潤滑油の温度とモータの温度とに基づいて開閉弁が開閉される。このようにモータ冷却水による冷却対象である潤滑油の温度とモータの温度とを考慮して開閉弁を開閉することで、モータ冷却水及び潤滑油に加えモータをより適切な温度にすることが可能となる。例えば、潤滑油の温度が低いがモータの温度が高い場合に開閉弁を開弁させると、モータを積極的に冷却することができる。
【0100】
(J)請求項4に記載の車両用駆動装置において、前記モータ冷却通路は、前記潤滑通路に隣接するウォータジャケットと、前記潤滑通路内に配置された状態で前記ウォータジャケットに接続された冷却管とを備え、
前記流量調整手段は、前記冷却管の開度を調整してモータ冷却水の流量を制御する流量制御弁を備える。
【0101】
上記の構成によれば、流量制御弁によって冷却管の開度を調整することで、その冷却管内を通過するモータ冷却水の流量を変化させると、冷却管を通じてモータ冷却水と潤滑油との間で行われる熱交換量が変化する。従って、流量制御弁の開度を制御することで、開閉弁を単に開閉させる場合に比べ、モータ冷却水及び潤滑油をより適切な温度にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における車両用駆動装置の概略図。
【図2】図1のA部の内部構造を示す部分断面図。
【図3】図2の要部拡大断面図。
【図4】図2のケースからオイルパン、カバー等が取外された状態の車両用駆動装置の部分底面図。
【図5】カバー、冷却管等の底面図。
【図6】本発明の第2実施形態を示す図であり、図4に対応する部分底面図。
【図7】本発明の第3実施形態を示す図であり、図3に対応する要部拡大断面図。
【図8】第3実施形態において図4に対応する部分底面図。
【図9】本発明の第4実施形態を示す図であり、図3に対応する要部拡大断面図。
【図10】第4実施形態において図4に対応する部分底面図。
【図11】本発明の第5〜第7実施形態を示す図であり、図3に対応する要部拡大断面図。
【図12】本発明の第6実施形態において、流量制御弁の目標開度決定に用いられるマップのマップ構造を示す略図。
【図13】本発明の第7実施形態において、油温とモータ温度との関係において開閉弁を閉弁又は開弁させる領域を示す説明図。
【図14】本発明の第8実施形態において図3に対応する要部拡大断面図。
【図15】本発明の第9実施形態においてモータ冷却通路、エンジン冷却通路、ウォータジャケット、方向切替え弁等の接続関係を示す略図。
【符号の説明】
11…車両用駆動装置、12…エンジン、13…車両駆動用のモータ、14…モータ冷却通路、15…潤滑通路、28…冷却管(バイパス冷却通路)、29…オイルパン(油溜め部)、32,33,34…伝熱フィン、52…開閉弁(流量調整手段)、56…流量制御弁(流量調整手段)、66…開閉弁(開閉手段)、74,75,81,82…方向切替え弁(切替え手段)、76…エンジン冷却通路、Wm…モータ冷却水、We…エンジン冷却水、O…潤滑油。
Claims (8)
- 車両駆動用のモータを含む車両駆動系と、前記モータを冷却するためのモータ冷却水が流れるモータ冷却通路と、前記車両駆動系に潤滑油を供給するための潤滑通路とを備える車両用駆動装置であって、
前記モータ冷却通路の少なくとも一部を、前記モータ冷却水及び前記潤滑油間で熱交換を行わせるための熱交換部を介して前記潤滑通路に近接配置し、
前記車両駆動系は、前記モータに加えエンジンを動力源とするものであり、前記エンジンを冷却するためのエンジン冷却水が流れるエンジン冷却通路を前記モータ冷却通路に接続することにより、前記エンジン冷却水を前記モータ冷却通路に導入可能とし、さらに、前記モータ冷却通路を流れる冷却水をモータ冷却水及びエンジン冷却水間で切替える切替え手段を備えることを特徴とする車両用駆動装置。 - 前記切替え手段は、前記エンジン冷却水の温度が前記モータ冷却水の温度よりも高いときに、モータ冷却通路を流れる冷却水をエンジン冷却水に切替える請求項1に記載の車両用駆動装置。
- 前記熱交換部は表面に伝熱フィンを備える請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
- 前記熱交換部における前記モータ冷却水及び前記潤滑油の一方の流量を調整するための流量調整手段をさらに備える請求項1〜3のいずれかに記載の車両用駆動装置。
- 前記モータ冷却通路の前記熱交換部よりも上流又は下流には、同モータ冷却通路を開閉する開閉手段が設けられ、同開閉手段は、前記潤滑油の温度及び前記モータの温度に応じて開閉される請求項1〜4のいずれかに記載の車両用駆動装置。
- 前記モータ冷却通路は、前記モータ冷却水及び前記潤滑油間で熱交換を行わせるための熱交換部を有するバイパス冷却通路を備える請求項1〜5のいずれかに記載の車両用駆動装置。
- 前記バイパス冷却通路は表面に伝熱フィンを備える請求項6に記載の車両用駆動装置。
- 前記モータ冷却通路の少なくとも一部は、前記モータと前記潤滑油を溜める油溜め部との間に設けられる請求項1〜7のいずれかに記載の車両用駆動装置。
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