JP4185695B2 - セルロースエステル及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム(偏光板保護フィルム、カラーフィルター、写真感光材料のフィルム)や繊維(たばこフィルターや衣料用繊維)を形成するのに有用なセルロースエステル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
セルロースエステルフィルムは、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、コットンリンターパルプ等のセルロースをエステル化して製造したセルロースエステルに、溶媒と必要に応じて種々の添加剤を加えて溶解した溶液(ドープ)を支持体上に流延し、支持体からフィルムを剥離する流延法により製造されている。この方法において、支持体からのフィルムの剥離性が悪いと、フィルムの表面平滑性が低下したり、製造速度が上げられず生産性が低下する。
【0003】
特開平10−316701号公報には、広葉樹パルプを原料としたセルロースアセテート用いると支持体からの剥離性が低下することが記載されている。
【0004】
一方、セルロースエステル繊維は、前記と同様のセルロースエステルを含む溶液(ドープ)を、小さな穴の開いた口金から押出して乾式又は湿式で紡糸することにより製造されている。そして、ドープの紡糸性が悪いと、紡糸繊維が切れ易く、製造速度及び生産性を低下させるとともに、品質も低下させる。
【0005】
特開平10−316701号公報には、(1)セルロースアセテート及び/又はヘミセルロースアセテートに結合したカルボキシル基のうち少なくとも一部を酸型で存在させる方法、(2)セルロースアセテートに水溶液中での酸解離指数pKaが1.93〜4.50である少なくとも一種の酸、この酸のアルカリ金属塩及び前記酸のアルカリ土類金属塩から選択された少なくとも一種を含有させる方法、(3)セルロースアセテート1g中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の総含有量を有効量以上であって5.5×10-6当量(イオン当量換算)以下とする方法が開示されている。しかし、これらの方法は、いずれもセルロースアセテートのイオン状態を規定するため、セルロースアセテートの使用方法を大きく制限する虞があり、また成形体の品質への影響も懸念される。例えば、上記方法(2)でpKa1.93〜4.50の酸を含有させると、製造装置の腐食やセルロースアセテートの分解の可能性がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、支持体からの剥離性及び紡糸性の高いセルロースエステル及びその製造方法並びに成形体を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、セルロースエステルのドープを用いてフィルム又は繊維を効率よく製造できるセルロースエステル及びその製造方法並びに成形体を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、幅広い条件で使用でき、品質や安定性を損なうことのないセルロースエステル及びその製造方法並びに成形体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、カルボキシル基含量の少ないセルロースを使用すると、フィルムの剥離性及びドープの紡糸性を大きく改善できることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明のセルロースエステルは、アシル基の平均置換度が1.5〜3であり、かつ粘度平均重合度が200〜400であるセルロースの有機酸エステルであって、カルボキシル基含量が1meq/100g以下である広葉樹パルプ、カルボキシル基含量が1.5meq/100g以下である針葉樹パルプ、及びカルボキシル基含量が1meq/100g以下であるコットンリンターパルプから選択された少なくとも一種のセルロースから調製されている。前記セルロースエステルは、カルボキシル基含量が1meq/100g以下(例えば、0.001〜0.8meq/100g)であるセルロースから調製されていてもよい。
【0011】
本発明には、前記セルロースエステルで形成された成形体(例えば、フィルムや繊維等)も含まれる。
【0012】
本発明には、前記セルロースとアシル化剤とを反応させてセルロースエステルを製造する方法も含まれる。
【0013】
【発明の実施の形態】
[セルロースエステル]
セルロースエステルは、通常、木材パルプ(針葉樹パルプ、広葉樹パルプ)、コットンリンターパルプ等のセルロースをエステル化して製造されている。これらのパルプは、通常、ヘミセルロースなどの異成分を含有している。従って、本願明細書において、「セルロース」という語は、ヘミセルロースなどの異成分も含有する意味で用いる。
【0014】
原料であるセルロースは、通常、セルロース分子及び/又はヘミセルロース分子に結合した状態などで多少のカルボキシル基を含有していることが知られている。このカルボキシル基含量(濃度)は、TAPPI Standard T237 om−83などの種々の方法により定量できる。本発明で規定するパルプ(セルロース)中のカルボキシル基含量は、このTAPPI StandardT237 om−83により定量した値である。なお、カルボキシル基を含有しているセルロースには、多価カルボン酸が導入されたセルロースは含まれない。
【0015】
セルロースエステルは、セルロースをアシル化剤と反応させる慣用のエステル化方法により生成でき、必要に応じてケン化又は熟成工程を経て製造できる。セルロースエステルは、通常、パルプ(セルロース)を活性化剤により活性化処理(活性化工程)した後、硫酸などの触媒を用いてアシル化剤によりエステル(トリエステルなど)を調製し(アシル化工程)、ケン化(加水分解)・熟成によりエステル化度を調整する(ケン化・熟成工程)ことにより製造できる。セルロースアセテートの場合は、例えば、硫酸触媒法、酢酸法、メチレンクロライド法等の慣用の方法で製造できる。
【0016】
この方法において、活性化工程は、例えば、活性化剤の噴霧、活性化剤への浸漬などにより、パルプ(セルロース)を処理することにより行うことができ、活性化剤の使用量は、パルプ(セルロース)100重量部に対して、例えば、10〜100重量部、好ましくは20〜80重量部、さらに好ましくは30〜60重量部程度である。なお、セルロースアセテートの場合、活性化剤としては、例えば、酢酸や含水酢酸等が使用できる。
【0017】
アシル化工程におけるアシル化剤の割合は、所望のアシル化度(酢化度など)となる範囲で選択でき、例えば、パルプ(セルロース)100重量部に対して、例えば、230〜300重量部、好ましくは240〜290重量部、さらに好ましくは250〜280重量部程度である。なお、セルロースアセテートの場合、アシル化剤としては、例えば、無水酢酸などが使用できる。
【0018】
アシル化又は熟成触媒としては、通常、硫酸が使用される。硫酸の使用量は、通常、セルロース100重量部に対して、0.5〜15重量部、好ましくは5〜15重量部、さらに好ましくは5〜10重量部程度である。また、ケン化・熟成の温度は、40〜160℃の範囲から選択でき、例えば、50〜70℃程度である。
【0019】
さらに、残留した硫酸を中和するために、アルカリで処理してもよい。
【0020】
なお、セルロースエステルの製造工程、特に精製工程では、通常、多少の成分が系外に排出されているが、収率の低下が許容される範囲であれば、カルボキシル基含有成分がより多く又は効率よく排出される条件、あるいはカルボキシル基含有成分がより選択的に排出される精製条件を適用するのが好ましい。
【0021】
セルロースエステルの種類としては、例えば、有機酸エステル[セルロースアセテート(酢酸セルロース)、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等のセルロースC2-6カルボン酸エステルなど]、混合エステル[セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等のセルロースジC2-6カルボン酸エステルなど]、グラフト体(ポリカプロラクトングラフト化セルロースアセテートなど)、セルロースエステルエーテル類(アセチルメチルセルロース、アセチルエチルセルロース、アセチルプロピルセルロース等のC2-6アシルセルロースC1-6アルキルエーテル、アセチルヒドロキシエチルセルロース、アセチルヒドロキシプロピルセルロース等のC2-6アシルセルロースヒドロキシC2-6アルキルエーテル等)、無機酸エステル(硝酸セルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロース等)、有機酸・無機酸混合エステル(硝酸酢酸セルロースなど)等が例示される。これらのセルロースエステルのうち、有機酸を含むエステル、特にセルロースアセテートが好ましい。
【0022】
セルロースエステルにおいて、アシル基の平均置換度は、1〜3、好ましくは1.5〜3(例えば、1.7〜3)、さらに好ましくは1.8〜3(例えば、2〜3)程度である。セルロースアセテートの場合、平均酢化度30〜62.5%程度の範囲から選択でき、通常、平均酢化度43.7〜62.5%(アセチル基の平均置換度1.7〜3)、好ましくは45〜62.5%(平均置換度1.8〜3)、さらに好ましくは48〜62.5%(平均置換度2〜3)程度である。
【0023】
セルロースエステルの重合度は、特に制限されず、粘度平均重合度200〜400、好ましくは250〜400、さらに好ましくは270〜350程度である。粘度平均重合度は、例えば、後述する方法で測定できる。
【0024】
[カルボキシル基含量の低減化方法]
本発明では、カルボキシル基含量の少ないセルロースを使用して、セルロースエステル中のカルボキシル基含量(濃度)を低減化している。
【0025】
セルロースの種類は、特に制限されず、木材パルプ(針葉樹パルプ、広葉樹パルプ)、コットンリンターパルプ等のセルロースが使用できる。
【0026】
セルロースのカルボキシル基含量は、広葉樹パルプの場合、1meq/100g以下(例えば、0〜1meq/100g、特に0.001〜1meq/100g)、好ましくは0.8meq/100g以下(例えば、0.001〜0.8meq/100g)、さらに好ましくは0.6meq/100g以下(例えば、0.001〜0.6meq/100g)程度である。
【0027】
針葉樹パルプのカルボキシル基含量は、1.5meq/100g以下(例えば、0〜1.5meq/100g、特に0.001〜1.5meq/100g)、好ましくは1meq/100g以下(例えば、0.001〜1meq/100g)、さらに好ましくは0.6meq/100g以下(例えば、0.001〜0.6meq/100g)程度である。
【0028】
コットンリンターパルプのカルボキシル基含量は、1meq/100g以下(例えば、0〜1meq/100g、特に0.001〜1meq/100g)、好ましくは0.7meq/100g以下(例えば、0.001〜0.7meq/100g)、さらに好ましくは0.4meq/100g以下(例えば、0.001〜0.4meq/100g)程度である。
【0029】
他のセルロースのカルボキシル基含量は、1meq/100g以下(例えば、0〜1meq/100g、特に0.001〜1meq/100g)、好ましくは0.8meq/100g以下(例えば、0.001〜0.8meq/100g)、さらに好ましくは0.6meq/100g以下(例えば、0.001〜0.6meq/100g)程度である。
【0030】
前記セルロースは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。前記セルロースのうち、通常、カルボキシル基含量1meq/100g以下(特に0.001〜1meq/100g)程度のセルロースを用い、好ましくは、カルボキシル基含量0.8meq/100g以下(例えば、0.001〜0.8meq/100g)程度のセルロースを用いる。
【0031】
低カルボキシル基含量のセルロースは、特に限定されず、例えば、パルプ漂白工程における漂白剤による酸化を抑制する方法(例えば、マイルドな条件での漂白)、特定のリンターパルプを選択する方法、ヘミセルロースの含量を低減する方法、パルプ漂白工程においてカルボキシル基含有成分を抽出する方法、カルボキシル基の少ない原材料(木材樹種、リンター種等)を用いてパルプを製造する方法等により得ることができる。
【0032】
なお、前記測定方法により、セルロースアセテート用セルロースのカルボキシル基含量を測定すると、例えば、広葉樹パルプでは1.1〜1.6meq/100g、針葉樹パルプでは1.8〜2.8meq/100gである。また、文献(A.Isogai et al.,繊維学会誌,48(11),649(1992);岡田ら,紙パ技協誌,28(2),59(1974))には、1.4meq/100gのカルボキシル基含量を有するリンターパルプが記載されている。
【0033】
カルボキシル基含量の少ないセルロースを用いて得られたセルロースエステルのカルボキシル基含量は、セルロース換算で、1meq/100g以下(例えば、0〜1meq/100g、特に0.001〜1meq/100g)、好ましくは0.8meq/100g以下(例えば、0.001〜0.8meq/100g)、さらに好ましくは0.6meq/100g以下(例えば、0.001〜0.6meq/100g)程度である。
【0034】
また、本発明者等は、更に詳細に検討した結果、フィルム剥離性及び/又は紡糸性を改善するのに必要なセルロースエステル中のカルボキシル基含量は、マンノース含量、又はマンノース含量に対するキシロース含量の比によって、種別できることを見出した。
【0035】
すなわち、前記セルロースエステルのカルボキシル基含有量は、マンノース含量が0.4モル%以上である場合、セルロース換算で、1.1meq/100g以下(例えば、0.001〜1.1meq/100g)、好ましくは0.8meq/100g以下(例えば、0.001〜0.8meq/100g)、さらに好ましくは0.6meq/100g以下(例えば、0.001〜0.6meq/100g)程度である。
【0036】
マンノース含量が0.1モル%を超えて0.4モル%未満の場合、前記セルロースエステルのカルボキシル基含有量は、セルロース換算で、0.8meq/100g以下(例えば、0.001〜0.8meq/100g)、好ましくは0.6meq/100g以下(例えば、0.001〜0.6meq/100g)、さらに好ましくは0.5meq/100g以下(例えば、0.001〜0.5meq/100g)程度である。
【0037】
マンノース含量が0.1モル%以下の場合、前記セルロースエステルのカルボキシル基含有量は、セルロース換算で、1.1meq/100g以下(例えば、0.001〜1.1meq/100g)、好ましくは0.7meq/100g以下(例えば、0.001〜0.7meq/100g)、さらに好ましくは0.4meq/100g以下(例えば、0.001〜0.4meq/100g)程度である。
【0038】
また、前記セルロースエステルのカルボキシル基含有量は、マンノース含量に対するキシロース含量の割合(モル比)が3未満の場合、セルロース換算で、1.1meq/100g以下(例えば、0.001〜1.1meq/100g)、好ましくは0.8meq/100g以下(例えば、0.001〜0.8meq/100g)、さらに好ましくは0.6meq/100g以下(例えば、0.001〜0.6meq/100g)程度である。
【0039】
マンノース含量に対するキシロース含量の割合(モル比)が3以上の場合、前記セルロースエステルのカルボキシル基含有量は、セルロース換算で、0.8meq/100g以下(例えば、0.001〜0.8meq/100g)、好ましくは0.6meq/100g以下(例えば、0.001〜0.6meq/100g)、さらに好ましくは0.5meq/100g以下(例えば、0.001〜0.5meq/100g)程度である。
【0040】
[セルロースエステル成形体]
本発明のセルロースエステルは、従来汎用の方法で、溶媒と必要に応じて種々の添加剤を加えて溶解した溶液(ドープ)を調製し、フィルムや繊維を製造するのに有用である。
【0041】
前記溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類(塩化メチレン、塩化エチレン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン等のC3-6ジアルキルケトン、シクロヘキサノンなど)、エステル類(ギ酸エチルなどのギ酸C1-4アルキルエステル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸C1-4アルキルエステル、プロピオン酸エチル、乳酸エチル等)、エーテル類(1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン等の環状又は鎖状C4-6エーテル)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のC1-4アルキルセロソルブ)、セロソルブアセテート類(メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のC1-4アルキルセロソルブアセテート)、及びこれらの混合物等が例示できる。
【0042】
溶媒の割合は、フィルム成形における流延性、紡糸性、取扱い性等を損なわない範囲で選択でき、例えば、セルロースエステル100重量部に対して150〜1000重量部(セルロースエステルの濃度=約10〜40重量%)程度、好ましくは200〜900重量部(セルロースエステルの濃度=約10〜30重量%)程度であり、セルロースエステルの含有量は、通常、10〜25重量%(例えば、10〜20重量%)程度である。
【0043】
このようにして得られたドープは、流延法によるフィルム成形に有用である。フィルム成形において、例えば、セルロースアセテートの場合は、セルロースジ乃至トリアセテート(特にセルローストリアセテート)が使用される。流延法によるフィルムは、通常、ドープを支持体に流延して一部乾燥し、支持体から剥離した後、乾燥することにより得られる。
【0044】
支持体としては、慣用の支持体、例えば、鏡面仕上げの金属製支持体(例えば、ステンレススチール製支持体)などが使用できる。
【0045】
本発明のセルロースエステルは、支持体からの剥離性(離型性)が高いので、支持体から半乾燥状態のフィルムを円滑に剥離でき、生産性がよい。また、表面平滑性の高いセルロースエステルフィルムを得ることができる。そのため、本発明のドープを用いる方法は、支持体からのフィルムの剥離性を改善する方法として有用である。また、本発明のセルロースエステルフィルムは、光学的特性に優れている。
【0046】
このようにして得られたセルロースエステルフィルムの厚みは、用途に応じて、例えば、5〜500μm、好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは20〜150μm(特に40〜150μm)程度である。
【0047】
本発明のセルロースエステルフィルムは、写真フィルム、偏光板の保護フィルム、カラーフィルター用フィルムとして有用であり、また、支持体に対する剥離性に優れているので、スピンコーティング法などによる薄膜の光学フィルムとして特に有用である。
【0048】
本発明のセルロースエステルは、繊維製造用口金に対する付着性が低いため、紡糸性にも優れている。紡糸法により繊維を製造する場合、例えば、セルロースアセテートの場合、通常、セルロースジ乃至トリアセテートが使用される。紡糸の方法としては、慣用方法、例えば、多数の細孔を有する紡糸口金からドープを乾式又は湿式で紡糸することにより得ることができ、必要に応じて延伸してもよい。本発明のドープを紡糸すると、口金細孔の目詰まりや糸切れを長期間に亘り防止できる。そのため、本発明のドープを用いる方法は、紡糸性を改善する方法として有用である。
【0049】
本発明のセルロースエステル繊維は、例えば、たばこフィルターや衣料用繊維として有用である。
【0050】
セルロースエステルは、慣用の添加剤、例えば、劣化防止剤(例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤等)、結晶核形成剤、無機粉末(例えば、ケイソウ土、炭酸カルシウム、酸化チタン等)、熱安定剤、難燃剤、着色剤等を含んでいてもよい。
【0051】
本発明のセルロースエステルやドープは、可塑剤、例えば、トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)等のリン酸エステル、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DEHP)等のフタル酸エステル、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル等の脂肪酸エステル、クエン酸アセチルトリブチル(OACTB)などのクエン酸エステル、トリメリット酸エステル等を含んでいてもよい。これらの可塑剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0052】
本発明のセルロースエステルフィルムや繊維の製造において、本発明のセルロースエステルを、従来のセルロースエステルと組み合わせて用いても、支持体からの剥離性又は紡糸性を向上させることが可能である。例えば、フィルムの製造において、本発明の剥離性の高いセルロースエステルと、従来のセルロースエステルとを積層させ、本発明のセルロースエステルで構成された層を支持体に接触させて、2層又は多層流延することも可能である。また、紡糸において、コア層を従来のセルロースエステルで構成し、外層を本発明のセルロースエステルで構成することも可能である。
【0053】
【発明の効果】
本発明では、支持体からの剥離性及び紡糸性の高いセルロースエステルを製造することができる。また、幅広い条件で使用でき、品質や安定性を損なうことのないセルロースエステルを製造できる。さらに、前記セルロースエステルのドープを用いると、フィルム又は繊維を効率よく製造することができる。得られたセルロースエステルフィルムや繊維は、光学用途などに有用である。
【0054】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、カルボキシル基含量、マンノース含量、キシロース含量、酢化度、重合度及び剥離性は以下の方法で測定した。
【0055】
[カルボキシル基含量]
(セルロース中のカルボキシル基含量)
セルロース中のカルボキシル基含量は、TAPPI Standard T237 om−83により測定した。
【0056】
(セルロースエステル中のカルボキシル基含量)
塩化メチレン及びメタノールの混合溶液(塩化メチレン/メタノール=9/1(重量比))に、乾燥したセルロースエステルをセルロースエステル濃度が5重量%になるように溶解する。前記溶液の約10g(セルロースエステル含量約0.5g)をメタノールに投入してセルロースエステルを沈殿再生させる。得られたセルロースエステル沈殿中の溶媒をメタノールで洗浄置換し、次いで水で洗浄置換した後、ガラスフィルターで軽く濾別し、回収した沈殿と付着した水との合計重量A(g)を測定する。この水湿潤状態のセルロースエステルに、420重量ppm濃度のメチレンブルークロライド水溶液14.5gとpH=8.5に調整したホウ酸緩衝液20gとを加えて、20〜25℃で2時間攪拌し、セルロースエステルのカルボキシル基にメチレンブルーを吸着させる。セルロースエステルをガラスフィルターを用いて濾別し、濾液を採取する。前記濾液3gに、0.1N−塩酸3g及び水36gを加える。この溶液の664nm付近のピーク吸光度を測定する。一方、セルロースエステルを加えないで種々のメチレンブルークロライド濃度に調整した溶液の吸光度を測定し、吸光度とメチレンブルークロライド濃度との関係を調べ、得られた関係式から前記希釈濾液のメチレンブルークロライド濃度B(重量ppm)を求める。さらに、メチレンブルークロライドが吸着したセルロースエステルを水で3回洗浄した後、真空乾燥して絶乾重量C(g)を測定し、下記式よりセルロースエステル中のカルボキシル基含量を算出する。
【0057】
カルボキシル基含量(meq/100gセルロースエステル)
=[6090−14×B×(34.5+A−C)]/(3739×C)
なお、置換基種及び置換度の異なるセルロースエステル間での比較を容易にするため、本明細書中では、セルロースエステル中のカルボキシル基含量はセルロース換算とした。すなわち、セルロースエステル中のカルボキシル基含量は、完全に加水分解分解すると100gのセルロースを生じるセルロースエステル量を基準とした。例えば、セルローストリアセテート(置換度3)の場合、100gを加水分解すると、56.25gのセルロースを生じるため、前記式に従って求めたカルボキシル基含量(セルロースエステル換算:meq/100g)に、100/56.25=1.778倍を乗じた値が、セルロースアセテート(置換度3)のカルボキシル基含量(セルロース換算:meq/100g)となる。
【0058】
[マンノース含量及びキシロース含量]
セルロースエステルを72重量%硫酸で氷水バスで冷やしながら4時間、次いで6重量%硫酸に希釈して110℃で3時間処理して加水分解する。これを炭酸バリウムで中和後、濾過して得られた濾液をダイオネクス社製の糖分析システムで液体クロマトグラフィー分析し、グルコース、マンノース及びキシロースの合計量に対する各成分の割合(モル%)を算出する。
【0059】
[酢化度]
酢化度は、単位重量当たりの結合酢酸の重量百分率を意味し、以下の通り測定した。乾燥したセルロースアセテート1.9gを精秤し、アセトンとジメチルスルホキシドとの混合溶液(容量比4:1)150mLに溶解した後、1N−水酸化ナトリウム水溶液30mLを添加し、25℃で2時間ケン化する。フェノールフタレインを指示薬として添加し、1N−硫酸(濃度ファクター:F)で過剰の水酸化ナトリウムを滴定する。また、上記と同様の方法でブランク試験を行い、下記式に従って酢化度を計算する。
【0060】
酢化度(%)={6.5×(B−A)×F}/W
(式中、Aは試料の1N−硫酸の滴定量(mL)を、Bはブランク試験の1N−硫酸の滴定量(mL)を、Fは1N−硫酸の濃度ファクターを、Wは試料の重量を示す)。
【0061】
[重合度]
重合度は、以下の通り測定した。乾燥したサンプルを、セルローストリアセテートの場合は、ジクロロメタン/メタノール=9/1(重量比)の混合溶液に、セルロースジアセテートの場合はアセトンに、濃度C(g/L;約2.00g/Lで正確な値を求める)で溶解する。この溶液をオストワルド粘度計に注入し、25℃で粘度計の刻線間を溶液が通過する時間t(秒)を測定する。一方、前記混合溶媒単独についても上記と同様にして通過時間t0(秒)を測定し、下記式に従って、重合度を算出する。
【0062】
ηrel=t/t0
[η]=(ln ηrel)/C
DP=[η]/K
(式中、tは溶液の通過時間(秒)、t0は溶媒の通過時間(秒)、Cはセルロースエステル濃度(g/L)、ηrelは相対粘度、[η]は極限粘度、DPは平均重合度を示す。Kは定数で、セルローストリアセテートの場合、K=6×10-4、セルロースジアセテートの場合、K=9×10-4)。
【0063】
[剥離性]
流延法によるフィルムの剥離性は次のようにして評価した。セルロースエステル100重量部、塩化メチレン320重量部、メタノール40重量部、ブタノール25重量部及びトリフェニルホスフェート(TTP)15重量部を混合溶解し、溶液を調製する。この溶液を20〜25℃で、平滑なステンレススチール板(支持体)上に、厚み1mm程度に流延し、20〜25℃で3〜4分間放置して適当に溶媒を蒸発させたところで、フィルムを支持体から引き剥がし、剥離性を以下の基準で評価する。
【0064】
○:引き剥がし抵抗が小さく、円滑に剥離でき、フィルム表面が平滑である×:引き剥がし抵抗が大きく、円滑に剥離できないか、又はステンレススチール板にフィルムからの剥離物が付着する。
【0065】
比較例1
広葉樹クラフト法溶解パルプ(カルボキシル基含量1.2meq/100g)100重量部に、酢酸50重量部を散布して前処理活性化させた後、酢酸470重量部、無水酢酸265重量部及び硫酸8.3重量部を添加してアセチル化した。その後、水を加えて部分的に加水分解し、反応停止剤及び耐熱安定剤として、酢酸マグネシウム及び水酸化カルシウムを添加することにより、セルローストリアセテート(カルボキシル基含量0.86meq/100g(セルロース換算)、マンノース含量0.2モル%、キシロース含量1.0モル%、酢化度61.0%、重合度305)を得た。得られたセルローストリアセテートの剥離性を評価した結果、×であった。
【0066】
実施例1
広葉樹クラフト法溶解パルプ(カルボキシル基含量0.8meq/100g)を用いて、比較例1と同様の方法でセルローストリアセテートを調製した。得られたセルローストリアセテート(カルボキシル基含量0.68meq/100g(セルロース換算)、マンノース含量0.2モル%、キシロース含量1.1モル%、酢化度60.8%、重合度302)の剥離性を評価した結果、○であり、比較例1に比べ、剥離性が改善されていた。
【0067】
実施例2
コットンリンターパルプ(カルボキシル基含量0.6meq/100g)を用いて、比較例1と同様の方法でセルローストリアセテートを調製した。得られたセルローストリアセテート(カルボキシル基含量0.57meq/100g(セルロース換算)、マンノース含量0.0モル%、キシロース含量0.1モル%、酢化度60.9%、重合度310)の剥離性を評価した結果、○であった。比較例1に比べ、剥離性が大きく改善され、更に実施例1より良好であった。
【0068】
比較例2
針葉樹サルファイト法溶解パルプ(カルボキシル基含量2.5meq/100g)を用いて、比較例1と同様の方法でセルローストリアセテートを調製した。得られたセルローストリアセテート(カルボキシル基含量1.4meq/100g(セルロース換算)、マンノース含量0.9モル%、キシロース含量1.5モル%、酢化度61.0%、重合度309)の剥離性を評価した結果、×であった。
【0069】
実施例3
針葉樹サルファイト法溶解パルプ(カルボキシル基含量1.4meq/100g)を用いて、比較例1と同様の方法でセルローストリアセテートを調製した。得られたセルローストリアセテート(カルボキシル基含量1.0meq/100g(セルロース換算)、マンノース含量0.8モル%、キシロース含量1.0モル%、酢化度60.9%、重合度310)の剥離性を評価した結果、○であり、比較例2に比べ、剥離性が改善されていた。
【0070】
比較例3
広葉樹クラフト法溶解パルプ(カルボキシル碁含量1.2meq/100g)100重量部に、酢酸50重量部を散布して前処理活性化させた後、酢酸470重量部、無水酢酸265重量部及び硫酸8.3重量部を添加してアセチル化した。その後、水を加えて部分的に加水分解し、反応停止剤及び耐熱安定剤として、酢酸マグネシウム及び水酸化カルシウムを添加することにより、セルロースジアセテート(カルボキシル基含量0.84meq/100g(セルロース換算)、マンノース含量0.3モル%、キシロース含量1.0モル%、酢化度55.1%、重合度160)を得た。得られたセルロースジアセテートから30重量%アセトン溶液を調製し、紡糸テストを行った結果、時々糸切れが起こった。
【0071】
実施例4
広葉樹クラフト法溶解パルプ(カルボキシル基含量0.8meq/100g)100重量部に、酢酸50重量部を散布して前処理活性化させた後、酢酸470重量部、無水酢酸265重量部及び硫酸8.3重量部を添加してアセチル化した。その後、水を加えて部分的に加水分解し、反応停止剤及び耐熱安定剤として、酢酸マグネシウム及び水酸化カルシウムを添加することにより、セルロースジアセテート(カルボキシル基含量0.66meq/100g、(セルロース換算)、マンノース含量0.2モル%、キシロース含量1.0モル%、酢化度55.2%、重合度161)を得た。得られたセルロースジアセテートから30重量%アセトン溶液を調製し、紡糸テストを行った結果、糸切れが比較例2に比べて低減した。
Claims (11)
- アシル基の平均置換度が1.5〜3であり、かつ粘度平均重合度が200〜400であるセルロースの有機酸エステルであって、カルボキシル基含量が1meq/100g以下である広葉樹パルプ、カルボキシル基含量が1.5meq/100g以下である針葉樹パルプ、及びカルボキシル基含量が1meq/100g以下であるコットンリンターパルプから選択された少なくとも一種のセルロースから調製されたセルロースエステル。
- アシル基の平均置換度が1.5〜3であり、かつ粘度平均重合度が200〜400であるセルロースの有機酸エステルであって、カルボキシル基含量が1meq/100g以下であるセルロースから調製されたセルロースエステル。
- カルボキシル基含量が0.001〜0.8meq/100gであるセルロースから調製された請求項1記載のセルロースエステル。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のセルロースエステルを含むドープ。
- 請求項4記載のドープを用い、支持体からのフィルムの剥離性、又は紡糸性を改善する方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のセルロースエステルで形成された成形体。
- フィルム又は繊維である請求項6記載の成形体。
- セルロースとアシル化剤とを反応させてセルロースエステルを製造する方法であって、前記セルロースが、カルボキシル基含量が1meq/100g以下である広葉樹パルプ、カルボキシル基含量が1.5meq/100g以下である針葉樹パルプ、及びカルボキシル基含量が1meq/100g以下であるコットンリンターパルプから選択された少なくとも一種である方法。
- カルボキシル基含量が1meq/100g以下であるセルロースとアシル化剤とを反応させてセルロースエステルを製造する方法。
- セルロースをセルロースエステルの製造に使用する方法であって、前記セルロースが、カルボキシル基含量が1meq/100g以下である広葉樹パルプ、カルボキシル基含量が1.5meq/100g以下である針葉樹パルプ、及びカルボキシル基含量が1meq/100g以下であるコットンリンターパルプから選択された少なくとも一種である方法。
- カルボキシル基含量が1meq/100g以下であるセルロースをセルロースエステルの製造に使用する方法。
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