JP4185663B2 - 遠心式の多翼送風機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として自動車用の空気調和装置に用いられる遠心式の多翼送風機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の遠心式の多翼送風機としては、特開昭64−28018号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
この従来の遠心式の多翼送風機101は、図6に示すように、多数のブレード102aを有する多翼ファン102と、この多翼ファン102がモータシャフト103aに取り付けられたファンモータ103と、多翼ファン102が内部に収容されて多翼ファン102の外周に渦巻き状のスクロール室104aが形成されたケーシング104とを備えている。そして、このケーシング104は、空気吸入口104bを有する吸入側ケース板104dと、多翼ファン102を挟んで吸入側ケース板104dの反対側に位置しファンモータ103が組み付けられたモータ側ケース板104eとを備えている。
【0004】
また、空気吸入口104bを有する吸入側ケース104dの端部105aを多翼ファン102のブレード102aの内径側に設けた切欠部105bに配置している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
空気調和装置に要求される能力は、いかに短時間で室内を快適な温度にするかであり、従って、空気調和装置に用いられる送風機にはより高い送風効率というものが求められている。
【0006】
そこで、ファンの効率を高める方法として、前記従来の構造のように、空気吸入口104bを有する吸入側ケース104dの端部を多翼ファン102のブレード102aの内径側に設けた切欠部に配置して、スクロール室104aから吸入口104bへの逆流を抑止する構造がある。
【0007】
しかし、このような前記従来の構造によれば、吸入側ケース104dの端部を多翼ファン102の内径側に設けた切欠部に配置してあるので、多翼ファン102のファン径dに対して有効径d1が小さくなってしまうという問題があった。
【0008】
そこで、本発明では、多翼ファンのファン径を最大限有効に活用し、送風機の送風効率を高めることのできる遠心式の多翼ファンを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明にあっては、多数のブレードを有する多翼ファンと、該多翼ファンがモータシャフトに取り付けられたファンモータと、多翼ファンが内部に収容されて多翼ファンの外周に渦巻き状のスクロール室が形成されたケーシングとを備え、該ケーシングは、空気吸入口を有する吸入側ケース板と、多翼ファンを挟んで吸入側ケース板の反対側に位置しファンモータのモータ本体が組み付けられたモータ側ケース板とを備えた構造において、スクロール室を流れる送風が多翼ファンと吸入側ケース板との間の吸入隙間を介してスクロール室から空気吸入口へ逆流するのを抑える第1逆流抑止手段を備え、該第1逆流抑止手段を、多翼ファンのファン径よりも外側に設け、前記スクロール室を流れる送風が多翼ファンとモータ側ケース板との間のモータ側隙間を介してスクロール室の下流側から上流側へ逆流するのを抑える第2逆流抑止手段を備え、前記第2逆流抑止手段は、多翼ファンの下部に周方向全周に亘り連続して突設したファン第2リブと、モータ側ケース板から突設され、多翼ファンの周方向全周に亘り連続してファン第2リブに僅かの間隔で近接するケース第2リブとから形成され、前記スクロール室内の圧力が比較的高い高圧領域とモータ本体内とを連通させる連通部を備えると共に、ケース第2リブの前記高圧領域より圧力が低いスクロール室の低圧領域を臨む部位に、多翼ファンとモータ側ケース板とによって包まれモータ本体が露出する空間内と前記低圧領域とを連通させる切欠部を設け、ファンモータのモータ本体内を保護する保護ケースの前記空間内への露出部分に、モータ本体内と前記空間とを連通させる連通孔を設けたことを特徴としている。
【0010】
請求項2記載の発明にあっては、請求項1に記載の前記第1逆流抑止手段は、多翼ファンの上部に周方向全周に亘り連続して突設したファン第1リブと、吸入側ケース板から突設され、多翼ファンの周方向全周に亘り連続してファン第1リブに僅かの間隔で近接したケース第1リブとから形成され、これらファン第1リブとケース第1リブとが、多翼ファンのファン径よりも外側に設定されていることを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の発明にあっては、請求項2に記載の前記ファン第1リブは、その上端部が多翼ファンの上面よりも低くなるように設定してあることを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の発明にあっては、請求項1〜3に記載の前記スクロール室は、ケーシングの送風吐出口へ向かって径方向及び軸方向が徐々に拡大していることを特徴としている。
【0016】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、スクロール室を流れる送風が多翼ファンと吸入側ケース板との間の吸入隙間を介してスクロール室から空気吸入口へ逆流するのを抑える第1逆流抑止手段を、多翼ファンのファン径よりも外側に設けてあるため、スクロール室を流れる送風は、空気吸入口を有するケーシングの吸入側ケース板と多翼ファンとの間の吸入側隙間を介してスクロール室から空気吸入口への逆流が第1逆流抑止手段によって抑えられ、送風機の送風効率を高めることができると共に、逆流による多翼ファンの振動を抑えて騒音レベルを低減することができる。
【0017】
しかも、この第1逆流抑止手段を多翼ファンのファン径よりも外側に設けてあるので、多翼ファンの有効ファン径を最大限に活用でき、送風効率をより高めることができる。
さらに、前記スクロール室を流れる送風が多翼ファンとモータ側ケース板との間のモータ側隙間を介してスクロール室の下流側から上流側へ逆流するのを抑える第2逆流抑止手段を備えているので、モータ側ケース板と多翼ファンとの間のモータ側隙間を介してスクロール室の下流側から上流側への逆流が第2逆流抑止手段によって抑えることができる。従って、送風効率を高めることができると共に、逆流による多翼ファンの振動を抑えて騒音レベルを低減することができる。
また、前記第2逆流抑止手段は、多翼ファンの下部に周方向全周に亘り連続して突設したファン第2リブと、モータ側ケース板から突設され、多翼ファンの周方向全周に亘り連続してファン第2リブに僅かの間隔で近接するケース第2リブとから形成されているので、スクロール室を流れる送風がモータ側隙間を介してスクロール室の下流側から上流側へ逆流するのを、ファン第2リブとケース第2リブとの間の僅かの間隙によって確実に抑えることもできる。
加えて、スクロール室内の圧力が比較的高い高圧領域を流れる送風の一部が、連通部を通ってモータ本体内へ流入し、モータ本体内を保護する保護ケースに設けられた連通孔から、多翼ファンとモータ側ケース板とによって包まれた空間内へモータ本体内を通って流出した後、ケース第2リブに設けられた切欠部を通って、前記高圧領域より圧力が低いスクロール室の低圧領域へ環流することができるので、スクロール室を流れる送風の一部によってファンモータのモータ本体内を冷却することができる。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、前記第1逆流抑止手段は、多翼ファンの上部に周方向全周に亘り連続して突設したファン第1リブと、吸入側ケース板から突設され、多翼ファンの周方向全周に亘り連続してファン第1リブに僅かの間隔で近接したケース第1リブとから形成され、これらファン第1リブとケース第1リブとが、多翼ファンのファン径よりも外側に設定されているので、スクロール室を流れる送風が吸入側隙間から空気吸入口へ逆流するのを、多翼ファンのファン径よりも外側に設定したファン第1リブとケース第1リブとの間の僅かの間隙によって確実に抑えることができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加えて、前記ファン第1リブは、その上端部が多翼ファンの上面よりも低くなるように設定してあるので、送風機の全体の高さを低くすることができ、送風効率を高めつつ、送風機を小型化することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の効果に加え、前記スクロール室は、ケーシングの送風吐出口へ向かって径方向及び軸方向が徐々に拡大しているので、スクロール室の径方向への拡大角を小さくすることができ、ケーシングの径方向の大きさを従来品より小さくしてケーシングの小型化を図っても、モータシャフトの軸線から放射線状に広がる放射平面でのスクロール室の断面積を従来品と同程度とすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態の一例である第1実施形態を示す斜視図である。図2は、図1に示すもののA−A矢視断面図である。図1,図2に示す遠心式の多翼送風機1は、自動車用の空気調和装置に用いられるものであり、多数のブレード2aを有する多翼ファン2と、この多翼ファン2がモータシャフト3aの先端部に取り付けられたファンモータ3と、このファンモータ3のモータ本体3bが組み付けられたケーシング4とを備えている。
【0025】
多翼ファン2は、モータシャフト3aに取り付けられてモータ本体3bを覆う円錐状の円錐プレート2bを備え、ケーシング4内に収容されている。ファンモータ3は、モータ本体3b内のロータやステータを保護する保護ケース3cを備え、この保護ケース3cによってモータ本体3b全体が覆われている。
【0026】
ケーシング4内には、多翼ファン2の外周に渦巻き状のスクロール室4aが形成され、ケーシング4には、その内部へ空気を吸い込むための空気吸入口4bと、スクロール室4aからケーシング4外へ送風を吐出する送風吐出口4cとが設けられている。そして、ケーシング4は、空気吸入口4bを有する吸入側ケース板4dと、多翼ファン2を挟んで吸入側ケース板4dの反対側に位置しモータ本体3bが組み付けられたモータ側ケース板4eと、吸入側ケース板4dとモータ側ケース板4eとを連結してスクロール室4aの外周壁を形成する周壁板4fとを備えている。
【0027】
特にこの実施形態では、スクロール室4aは、スクロール室4aの最狭部を形成するケーシング4の舌部4k(図1参照)から送風吐出口4cまで送風吐出口4cへ向かって径方向及び軸方向が徐々に拡大するように形成してあり、また、スクロール室4aのモータシャフト3a軸方向の最大長さ(高さ)L1が、多翼ファン2のモータシャフト3a軸方向の長さL2より長く形成されている。
【0028】
具体的に多翼送風機1では、スクロール室4aは、ケーシング4の舌部4kから送風吐出口4cまでモータシャフト3a軸方向に沿った上下両方向へ一定の拡がり角(例えば略6度)で均等に拡大している。このため、スクロール室4aは、従来品と比べて、モータシャフト3a軸方向へ容積が増加しており、この増加容積分と同等の容積分だけ容積が減少するように径方向への拡大角が小さく設定することができる。例えば、この多翼送風機1では、ケーシング4は、スクロール室4aの径方向への拡大角が略3.3度に設定されている。
【0029】
また、この実施形態では、図2に示すように、多翼ファン2と吸入側ケース板4dとの間の吸入側隙間G1には、スクロール室4aを流れる送風が吸入側隙間G1を介してスクロール室4aから空気吸入口4bへ逆流するのを抑える第1逆流抑止手段10が設けられている。
【0030】
この第1逆流抑止手段10は、多翼ファン2から吸入側隙間G1へ多翼ファン2の周方向全周に亘り連続して突設したファン第1リブ11と、吸入側ケース板4dから吸入側隙間G1へ突設して設けられ、多翼ファン2の周方向全周に亘り連続してファン第1リブ11に僅かの間隔で近接するケース第1リブ12とから形成されている。
【0031】
ファン第1リブ11は、多翼ファン2のファン径Dよりも外側である上部外周に設けられ、ケース第1リブ12は、吸入側ケース板4dの空気吸入口4b周縁部に設けられている。ケース第1リブ12は、ファン第1リブ11を覆う逆U字状の断面形状を有し、ファン第1リブ11を挟んで互いに対向する一対のリブ壁が僅かの間隔でファン第1リブ11に近接していると共に、内側部分が空気吸入口4bのベルマウス部4gを形成している。
【0032】
また、多翼ファン2とモータ側ケース板4eとの間のモータ側隙間G2には、スクロール室4aを流れる送風がモータ側隙間G2を介してスクロール室4aの下流側から上流側へ逆流するのを抑える第2逆流抑止手段20が設けられている。
【0033】
この第2逆流抑止手段20は、多翼ファン2からモータ側隙間G2へ多翼ファン2の周方向全周に亘り連続して突設したファン第2リブ21と、モータ側ケース板4eからモータ側隙間G2へ突設して設けられ、多翼ファン2の周方向全周に亘り連続してファン第2リブ21に僅かの間隔で近接するケース第2リブ22とから形成されている。ただし、多翼送風機1では、ケース第2リブ22は、後述する切欠部23を有し、一部が欠落している。
【0034】
このファン第2リブ21は、多翼ファン2の円錐プレート2bにおけるモータシャフト3a下端側の下面2cに設けられ、ケース第2リブ22は、円錐プレート2bの下面2cと対面するモータ側ケース板4eの板面上に設けられている。モータ側ケース板4eには、その中央部に、ファンモータ3を保持する有底筒状のモータ保持部4hが形成されており、このモータ保持部4hは、前記ファン第2リブ21とケース第2リブ22とに周囲を取り囲まれている。
【0035】
ファンモータ3は、そのモータ本体3bがモータ保持部4hに嵌入されてモータ側ケース板4eに組み付けられている。そして、モータ側ケース板4eと多翼ファン2の円錐プレート2bとによって包まれた空間S内に、モータ本体3bのモータシャフト3a先端側の先端部が露出し、この露出部分の保護ケース3cに、モータ本体3b内と空間Sとを連通させるモータ第1連通孔3d(連通孔)が設けられている。
【0036】
また、ファンモータ3の保護ケース3cには、モータ保持部4h内に密嵌されてモータ保持部4hの奥部に位置する部位に、モータ本体3bの内外を連通させるモータ第2連通孔3eが設けられている。
【0037】
モータ保持部4hには、モータ第2連通孔3eが位置する部位に、モータ第2連通孔3eを介してモータ本体3b内とモータ保持部4h外とを連通させる保持部連通孔4iが設けられている。モータ側ケース板4eには、ケーシング4の送風吐出口4c近傍に位置する部位に、スクロール室4aの内外を連通させるケース連通孔4jが設けられている。そして、保持部連通孔4iとケース連通孔4jとは、モータ側ケース板4eに取り付けられた連通部材5によって互いに連通している。
【0038】
つまり、スクロール室4aは、前述したようにケーシング4の送風吐出口4cへ向かって断面積が徐々に拡大し、空気吸入口4bからケーシング4内へ吸い込まれた空気に多翼ファン2が付与した運動エネルギーの一部を静圧に変換している。このため、スクロール室4aの送風吐出口4c近傍は、スクロール室4a内の圧力が最も高い高圧領域となっており、ケース連通孔4jが、この高圧領域に設けられているため、ケース連通孔4j,連通部材5,保持部連通孔4i,モータ第2連通孔3eによって、スクロール室4aの高圧領域とファンモータ3のモータ本体3b内とを連通させる連通部6が形成される。
【0039】
また、ケース第2リブ22には、スクロール室4aの高圧領域より送風下流側に位置し、高圧領域より圧力が低いスクロール室4aの低圧領域を臨む部位に、この低圧領域と空間S内とを連通させる切欠部23が設けられている。これにより、この実施形態では、スクロール室4aの高圧領域を流れる送風の一部が、連通部6を通ってモータ本体3b内に流入し、モータ本体3b内を通ってモータ第1連通孔3dから空間S内へ流出した後、ケース第2リブ22の切欠部23からスクロール室4aの低圧領域へ環流する。
【0040】
図3は、図1に示す多翼送風機1の送風性能の一例を示すグラフである。図3において、縦軸は、ケーシング4の送風吐出口4cに接続された直管ダクト内における送風吐出口4cから所定距離だけ離れた地点の吐出圧力を示し、横軸は、送風吐出口4cから吐出される毎分の吐出風量を示している。
【0041】
折れ線Xは、多翼送風機1の送風性能を示し、折れ線Yは、逆流抑止手段10,20を備えていない多翼送風機1と同一構造の多翼送風機の送風性能を示している。
【0042】
図3に示すように、多翼送風機1は、逆流抑止手段10,20を備えていないものと比べると、特に中間領域での吐出圧力が上回っていることが判る。
【0043】
以上の実施形態の構造によれば、スクロール室4aを流れる送風が多翼ファン2と吸入側ケース板4dとの間の吸入隙間G1を介してスクロール室4aから空気吸入口4bへ逆流するのを抑える第1逆流抑止手段10を、多翼ファン2のファン径Dよりも外側に設けてあるため、スクロール室4aを流れる送風は、空気吸入口4bを有するケーシング4の吸入側ケース板4dと多翼ファン2との間の吸入側隙間G1を介してスクロール室4aから空気吸入口4bへの逆流が第1逆流抑止手段10によって抑えられ、送風機1の送風効率を高めることができると共に、逆流による多翼ファン2の振動を抑えて騒音レベルを低減することができる。
【0044】
しかも、この第1逆流抑止手段10を多翼ファン2のファン径Dよりも外側に設けてあるので、多翼ファン2の有効ファン径D1(d<D1<D)を最大限に活用でき、送風効率をより高めることができる。
【0045】
また、この実施形態によれば、前記第1逆流抑止手段10は、多翼ファン2の上部に周方向全周に亘り連続して突設したファン第1リブ11と、吸入側ケース板4dから突設され、多翼ファン2の周方向全周に亘り連続してファン第1リブ11に僅かの間隔で近接したケース第1リブ12とから形成され、これらファン第1リブ11とケース第1リブ12とが、多翼ファン2のファン径Dよりも外側に設定されているので、スクロール室4aを流れる送風が吸入側隙間G1から空気吸入口4bへ逆流するのを、多翼ファン2のファン径Dよりも外側に設定したファン第1リブ11とケース第1リブ12との間の僅かの間隙によって確実に抑えることができる。
【0046】
さらに、前記スクロール室4aは、ケーシング4の送風吐出口4cへ向かって径方向及び軸方向が徐々に拡大しているので、スクロール室4aの径方向への拡大角を従来に比べて小さくすることができ、ケーシング4の径方向の大きさを従来品より小さくしてケーシング4の小型化を図っても、モータシャフト3aの軸線から放射線状に広がる放射平面でのスクロール室4aの断面積を従来品と同程度とすることができる。
【0047】
また、前記スクロール室4aを流れる送風が多翼ファン2とモータ側ケース板4eとの間のモータ側隙間G2を介してスクロール室4aの下流側から上流側へ逆流するのを抑える第2逆流抑止手段20を備えているので、モータ側ケース板4eと多翼ファン2との間のモータ側隙間G2を介してスクロール室の下流側から上流側への逆流が第2逆流抑止手段10によって抑えることができる。従って、送風効率を高めることができると共に、逆流による多翼ファン2の振動を抑えて騒音レベルを低減することができる。
【0048】
しかも、前記第2逆流抑止手段20は、多翼ファン2の下部に周方向全周に亘り連続して突設したファン第2リブ21と、モータ側ケース板4eから突設され、多翼ファン2の周方向全周に亘り連続してファン第2リブ21に僅かの間隔で近接するケース第2リブ22とから形成されているので、スクロール室4aを流れる送風がモータ側隙間G2を介してスクロール室4aの下流側から上流側へ逆流するのを、ファン第2リブ21とケース第2リブ22との間の僅かの間隙によって確実に抑えることができる。
【0049】
さらに、スクロール室4a内の圧力が比較的高い高圧領域を流れる送風の一部が、連通部6を通ってモータ本体3b内へ流入し、モータ本体3bの保護ケース3cに設けられた連通孔3dから、空間S内へモータ本体3b内を通って流出した後、ケース第2リブに設けられた切欠部23を通って、前記高圧領域から低圧領域へ環流することができるので、スクロール室4aを流れる送風の一部によってファンモータ3のモータ本体3b内を冷却することができる。
【0050】
図4は、本発明の実施の形態の第2実施形態を示す断面図である。なお、以下前述の第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0051】
前述の第1実施形態では、図2に示すように、第1逆流抑止手段10のファン第1リブ11は、多翼ファン2の上端部外周の外径にほぼ沿って設けられている。
【0052】
これに対し、第2実施形態では、図4に示すように、第1逆流抑止手段10のファン第1リブ11は、多翼ファン2から径外方向に向けて延設された延設部11aと、該延設部11aに連続して設けられ、逆U字状の断面形状のケース第1リブの互いに対向する一対のリブ壁に僅かの間隔で挿入される第1リブ部11bとから成っている。
【0053】
これにより、第2実施形態では、第1実施形態と比べて、第1逆流抑止手段10のファン第1リブ11及びケース第1リブ12を、多翼ファン2のファン径Dよりも外側に設定でき、送風機の有効径D2をより大きく(d<D≦D2)して、送風効率を高めることができる。
【0054】
図5は、本発明の実施の形態の第3実施形態を示す断面図である。なお、以下前述の第1実施形態及び第2実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0055】
前述の第1実施形態及び第2実施形態では、スクロール室4aがケーシング4の送風吐出口4cへ向かって上下に徐々に拡大している。
【0056】
これに対して、第3実施形態では、スクロール室4aは従来品と同様に上下に拡大しないものに第1逆流防止手段10を適用したものである。
【0057】
この第3実施形態の第1逆流防止手段では、図5に示すように、第1逆流抑止手段10のファン第1リブ11は、多翼ファン2から径外方向に向けて延設された延設部11aと、該延設部11aに連続して設けられ、逆U字状の断面形状のケース第1リブの互いに対向する一対のリブ壁に僅かの間隔で挿入される第1リブ部11bとから成っており、さらに、前記ファン第1リブ11及びケース第1リブ12の上端部が多翼ファン2の上面よりも低くなるように設定してある。
【0058】
これにより、送風機の全体の高さを低くすることができ、送風効率を高めつつ、送風機を小型化することができる。
【0059】
なお、以上説明した第1実施形態及び第2実施形態では、スクロール室4aは、ケーシング4の舌部4kから送風吐出口4cまでモータシャフト3a軸方向に沿った上下両方向へ略6度の拡がり角で均等に拡大したものを示したが、スクロール室4aは、ケーシング4の舌部4kより送風吐出口4c側に位置する所定の部位から送風吐出口4cまで、モータシャフト3a軸方向に沿った少なくとも一方向へ所定の拡がり角で拡大していても良い。
【0060】
ただし、スクロール室4aは、ケーシング4の所定の部位から送風吐出口4cまでモータシャフト3a軸方向に沿った上下両方向へ所定の拡がり角で均等に拡大させた方が、送風吐出口4cから吐出される送風の風速の偏りが少なくなるので好ましい。
【0061】
また、第3実施形態のようにスクロール室4aが上下に拡大しない従来のスクロール室を備えたものに第1実施形態及び第2実施形態の逆流抑止手段を適用して、送風機の送風効率を高めるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0062】
同様に、第3実施形態に示した逆流抑止手段を、第1実施形態及び第2実施形態に示すような、スクロール室4aが上下に拡大するものに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示すもののA−A矢視断面図である。
【図3】図1に示すものの送風性能を示すグラフである。
【図4】本発明の第2実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態を示す断面図である。
【図6】従来品の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 多翼送風機
2 多翼ファン
2a ブレード
3 ファンモータ
3a モータシャフト
3b モータ本体
3c 保護ケース
3d 連通孔
4 ケーシング
4a スクロール室
4b 空気吸入口
4c 送風吐出口
4d 吸入側ケース板
4e モータ側ケース板
6 連通部
10 第1逆流抑止手段
11 ファン第1リブ
12 ケース第1リブ
20 第2逆流抑止手段
21 ファン第2リブ
22 ケース第2リブ
23 切欠部
D ファン径
G1 吸入側隙間
G2 モータ側隙間

Claims (4)

  1. 多数のブレード(2a)を有する多翼ファン(2)と、該多翼ファン(2)がモータシャフト(3a)に取り付けられたファンモータ(3)と、多翼ファン(2)が内部に収容されて多翼ファン(2)の外周に渦巻き状のスクロール室(4a)が形成されたケーシング(4)とを備え、該ケーシング(4)は、空気吸入口(4b)を有する吸入側ケース板(4d)と、多翼ファン(2)を挟んで吸入側ケース板(4d)の反対側に位置しファンモータ(3)のモータ本体(3b)が組み付けられたモータ側ケース板(4e)とを備えた構造において、
    スクロール室(4a)を流れる送風が多翼ファン(2)と吸入側ケース板(4d)との間の吸入隙間(G1)を介してスクロール室(4a)から空気吸入口(4b)へ逆流するのを抑える第1逆流抑止手段(10)を備え、該第1逆流抑止手段(10)を、多翼ファン(2)のファン径(D)よりも外側に設け、前記スクロール室(4a)を流れる送風が多翼ファン(2)とモータ側ケース板(4e)との間のモータ側隙間(G2)を介してスクロール室(4a)の下流側から上流側へ逆流するのを抑える第2逆流抑止手段(20)を備え、前記第2逆流抑止手段(20)は、多翼ファン(2)の下部に周方向全周に亘り連続して突設したファン第2リブ(21)と、モータ側ケース板(4e)から突設され、多翼ファン(2)の周方向全周に亘り連続してファン第2リブ(21)に僅かの間隔で近接するケース第2リブ(22)とから形成され、前記スクロール室(4a)内の圧力が比較的高い高圧領域とモータ本体(3b)内とを連通させる連通部(6)を備えると共に、ケース第2リブ(22)の前記高圧領域より圧力が低いスクロール室(4a)の低圧領域を臨む部位に、多翼ファン(2)とモータ側ケース板(4e)とによって包まれモータ本体(3b)が露出する空間(S)内と前記低圧領域とを連通させる切欠部(23)を設け、ファンモータ(3)のモータ本体(3b)内を保護する保護ケース(3c)の前記空間(S)内への露出部分に、モータ本体(3b)内と前記空間(S)とを連通させる連通孔(3d)を設けたことを特徴とする遠心式の多翼送風機。
  2. 前記第1逆流抑止手段(10)は、多翼ファン(2)の上部に周方向全周に亘り連続して突設したファン第1リブ(11)と、吸入側ケース板(4d)から突設され、多翼ファン(2)の周方向全周に亘り連続してファン第1リブ(11)に僅かの間隔で近接したケース第1リブ(12)とから形成され、これらファン第1リブ(11)とケース第1リブ(12)とが、多翼ファン(2)のファン径(D)よりも外側に設定されていることを特徴とする請求項1記載の遠心式の多翼送風機。
  3. 前記ファン第1リブ(11)は、その上端部が多翼ファン(2)の上面よりも低くなるように設定してあることを特徴とする請求項2に記載の遠心式の多翼送風機。
  4. 前記スクロール室(4a)は、ケーシング(4)の送風吐出口(4c)へ向かって径方向及び軸方向が徐々に拡大していることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の遠心式の多翼送風機。
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