JP5675298B2 - 多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機 - Google Patents
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すなわち、本発明にかかる多翼遠心ファンは、舌部を巻き始めとするスクロールケーシング内に羽根車が回転軸周りに回転自在に設置されている多翼遠心ファンにおいて、前記スクロールケーシングの上下端面の前記羽根車より外側部分に回転軸方向に拡張された流路拡張部が形成されており、前記流路拡張部の吸込み口が設けられている上端面側の流路拡張部は、前記舌部を起点として回転方向への巻き角をθとしたとき、少なくとも巻き角θが30°以下の範囲において、そのスクロール位置の流路の全回転軸方向高さの5%以下の高さとされ、その上端面側の流路拡張部は、前記下端面側の流路拡張部よりも断面積が小さくされており、各々の流路拡張部の幅をB、高さをHとしたとき、H/Bが1以下とされているとともに、該上端面側の流路拡張部は、その内周側径が前記下端面側の流路拡張部の内周側径よりも大きくされ、前記H/Bが、0.5≦H/B≦1とされていることを特徴とする。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図4および図7を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に係る多翼遠心ファンを上方側から見た概略斜視図が示され、図2には、その横断面相当図、図3には、子午面断面相当図が示されている。
多翼遠心ファン1は、流路3の外径が回転方向に漸次拡大されるようにスクロール形状とされた樹脂製のスクロールケーシング2を備えている。
羽根車15の回転により吸込み口10から回転軸方向に吸込まれた空気は、羽根車15のブレード17間を通過する際に半径方向に偏向され、羽根車15の外周から半径方向に吹出される。この吹出し風は、スクロールケーシング2の流路3内を回転方向に流量が漸次増加されつつ圧送され、その間に動圧が回収されて静圧が上昇されることにより、吹出し口7から外部へと送風される。
本実施形態の係る多翼遠心ファン1によると、図4に示されるように、上端面8側の流路拡張部20の高さHが、必要以上に高くされている従来例(特許文献1,2参照)に比べて、広い吹出し風量範囲にわたって数dB程度の騒音低減効果が得られることが確認されている。
次に、本発明の第2実施形態について、図5を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、上端面8側の流路拡張部20の内周側部位に土手部22を設けている点が異なる。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、図5に示されるように、スクロールケーシング2の上端面8側の流路拡張部20の内周側部位に対して、羽根車15のシュラウド18の吹出し側端部と略同じ高さとされた平坦面(または外側に向って下向きの円錐面)とされた土手部22を設けた構成としている。
次に、本発明の第3実施形態について、図8ないし図10を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1ないし第2実施形態に対して、各流路拡張部20,21の拡張高さを各々の流路内で形成される渦流に対応した大きさとしている点が異なる。その他の点については、第1ないし第2実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、上下端面8,11に設けられた流路拡張部20,21の大きさを各々の流路内に形成される渦流に対応した大きさとすべく、上端面8側の流路拡張部20の高さをHs、下端面11側の流路拡張部21の高さHhとしたとき、1.5Hs<Hh<2.5Hsを満たす構成としている。
2 スクロールケーシング
3 流路
4 舌部
8 上端面
10 吸込み口
11 下端面
14 回転軸
15 羽根車
18 シュラウド
20,21 流路拡張部
22 土手部
θ 巻き角
B 流路拡張部の幅
D1 上端面側流路拡張部の内周側径
D2 下端面側流路拡張部の内周側径
H 流路拡張部の高さ
Hh 下端面側流路拡張部の高さ
Hs 上端面側流路拡張部の高さ
Hsi 巻き角が30°以下の範囲の拡張部高さ
Ht 流路の全回転軸方向高さ
Claims (5)
- 舌部を巻き始めとするスクロールケーシング内に羽根車が回転軸周りに回転自在に設置されている多翼遠心ファンにおいて、
前記スクロールケーシングの上下端面の前記羽根車より外側部分に回転軸方向に拡張された流路拡張部が形成されており、
前記流路拡張部の吸込み口が設けられている上端面側の流路拡張部は、前記舌部を起点として回転方向への巻き角をθとしたとき、少なくとも巻き角θが30°以下の範囲において、そのスクロール位置の流路の全回転軸方向高さの5%以下の高さとされ、
その上端面側の流路拡張部は、前記下端面側の流路拡張部よりも断面積が小さくされており、各々の流路拡張部の幅をB、高さをHとしたとき、H/Bが1以下とされているとともに、該上端面側の流路拡張部は、その内周側径が前記下端面側の流路拡張部の内周側径よりも大きくされ、前記H/Bが、0.5≦H/B≦1とされていることを特徴とする多翼遠心ファン。 - 前記上端面側の流路拡張部の内周側部位には、前記羽根車のシュラウドの吹出し側端部と略同じ高さとされた平坦面または外側に向って下向きの円錐面とされた土手部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の多翼遠心ファン。
- 前記土手部は、前記上端面側の流路拡張部の内周側壁面を下向きに突出させることにより、前記スクロールケーシングと一体に成形されていることを特徴とする請求項2に記載の多翼遠心ファン。
- 前記各流路拡張部は、前記上端面側の流路拡張部の高さをHs、前記下端面側の流路拡張部の高さをHhとしたとき、1.5Hs<Hh<2.5Hsとされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の多翼遠心ファン。
- 空気送風用のファンとして、請求項1ないし4のいずれかに記載の多翼遠心ファンが搭載されていることを特徴とする空気調和機。
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