JP5473497B2 - 多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機 - Google Patents

多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機 Download PDF

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Description

本発明は、空気調和機等に広く適用されている多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機に関するものである。
スクロール形状のケーシング内に複数枚の羽根を備えた羽根車が回転自在に設けられている多翼遠心ファンは、冷凍、空調あるいは換気装置等の送風用ファンとして、幅広く採用されている。かかる多翼遠心ファンにおいて、羽根車は、主板と、該主板と対向して設けられた環状のシュラウドと、主板およびシュラウド間に放射状に配置された複数枚の羽根とから構成されている。この羽根車の羽根は、半径方向に行くに従って回転方向に次第に湾曲され、外周端が回転方向に傾斜されている、いわゆる前進翼と云われているものが多い。しかし、成形性の面から見て断面形状が軸方向に略一様の2次元形状とされているものが多いように思われる。
そうした中、ファン性能を重視し、低騒音化や高効率化を目的に、羽根を回転方向にスキューさせているものや、羽根のコード長を軸方向に変化させているもの(例えば、特許文献1,2参照)、あるいは羽根車を構成しているシュラウドの外径を羽根車の外径よりも大きくしているもの等々が知られている(例えば、特許文献3,4参照)。
特開平11−141499号公報(段落0015,図1参照) 特開2002−180995号公報(段落0017,図3参照) 特開2005−171763号公報(段落0016,図1参照) 特開2006−9669号公報(段落0022,図1参照)
遠心ファンの場合、軸方向から吸込んだ空気を遠心方向に向きを変更して吹出すため、吸込み口の外縁付近から吸い込んだ気流は、慣性力によって曲がり切れず、羽根車の内部で主板側に偏った流れになり易い。その結果、吸込み口に近い箇所で羽根車の機能が低下し、効率低下をもたらすとともに、羽根車出口の気流が局部的に高速噴流となったり、吸込み口付近で逆流が発生したりする等により騒音が増大するという問題があった。この問題を解決する手段として、羽根を軸方向に向けて回転方向にスキューさせる方法が知られているが、樹脂材により射出成形する際の金型構造が複雑となり、成形性が悪化するとともに、コストアップの要因になる等の問題があった。
そこで、特許文献1,2のように、羽根のコード長を主板側よりもシュラウド側を大きくし、シュラウド側での周速度を大きくして静圧を上昇させ、逆流を抑えることによって低騒音化を図ったり、あるいは特許文献3,4のように、シュラウドを内側に凸状の湾曲面とするとともに、外径を羽根車の外径よりも大きくすることにより、シュラウドの湾曲面に沿って気流を流れ易くし、騒音を悪化させることなく、風量特性を向上させたりしているが、送風効率および空力騒音ともに、まだまだ改善の余地が残されているというのが現状である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、成形性を維持したまま送風効率を改善し、低騒音化を図ることができる多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明の多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる多翼遠心ファンは、スクロール形状のケーシングと、主板および該主板と対向する環状のシュラウド間に前進翼とされた羽根が放射状に複数枚配置されている羽根車とを備え、該羽根車が前記ケーシング内に回転自在に支持されている多翼遠心ファンにおいて、前記シュラウドは、内径が下流方向に向って漸次大きくされた内側に凸状の湾曲断面形状とされているとともに、その外径が前記羽根車の外径よりも大きくされており、前記羽根車の外径は、前記シュラウドの外径よりも大きくならない範囲で前記主板側の外径よりも前記シュラウド側の外径が大きくされ、該羽根車と前記ケーシングの舌部との間隔が、該羽根車の回転軸方向において略一定となるように、前記舌部先端と前記回転軸中心との距離が前記主板側から前記シュラウド側にかけて漸次大きくされ、さらに、前記舌部先端の円弧断面形状の曲率半径が、前記主板側で大きく、前記シュラウド側で小さくされ、前記舌部先端の前記ケーシングの吹出し流路に面した側面が、前記回転軸と略平行となるように、前記回転軸から前記舌部先端の曲率中心までの距離が、前記主板側から前記シュラウド側にかけて漸次大きくされていることを特徴とする。
本発明によれば、シュラウドが、内径を下流方向に向って漸次大きくした内側に凸状の湾曲断面形状とされ、その外径が羽根車の外径よりも大きくされているため、シュラウドのコアンダ効果によって気流をシュラウド内面の湾曲面に沿って流れ易くし、気流の偏りを抑制して羽根全体を有効に利用することができるとともに、羽根車の外径を主板側よりもシュラウド側を大きくすることにより、羽根のシュラウド側での出口角を大きく、かつ周速度を大きくしているため、シュラウド付近での静圧上昇を大きくし、気流の逆流を抑制することができる。従って、送風効率を向上することができるとともに、ケーシング内での局所的な高速噴流や吸込み口付近での気流の逆流に起因する空力騒音を低減することができる。また、羽根車の外径がシュラウド側で大きくされているにもかかわらず、羽根車とケーシングの舌部との間隔が略一定とされているため、羽根車とケーシングの舌部との隙間からの気流の漏れ流れを抑制し、送風性能を向上することができる。更に、舌部先端の円弧断面形状の曲率半径が、主板側で大きく、シュラウド側で小さくされ、舌部先端のケーシングの吹出し流路に面した側面が、回転軸と略平行となるように、回転軸から舌部先端の曲率中心までの距離が、主板側からシュラウド側にかけて漸次大きくされることにより、羽根車とケーシングの舌部との間隔が略一定とされているため、吹出し流路の形状に影響を及ぼすことなく、羽根車とケーシングの舌部との間隔を略一定とし、羽根車とケーシングの舌部との隙間からの気流の漏れ流れを抑制することができ、従って、送風性能を向上することができる。
さらに、本発明にかかる多翼遠心ファンは、スクロール形状のケーシングと、主板および該主板と対向する環状のシュラウド間に前進翼とされた羽根が放射状に複数枚配置されている羽根車とを備え、該羽根車が前記ケーシング内に回転自在に支持されている多翼遠心ファンにおいて、前記シュラウドは、内径が下流方向に向って漸次大きくされた内側に凸状の湾曲断面形状とされているとともに、その外径が前記羽根車の外径よりも大きくされており、前記羽根車の外径は、前記シュラウドの外径よりも大きくならない範囲で前記主板側の外径よりも前記シュラウド側の外径が大きくされ、該羽根車と前記ケーシングの舌部との間隔が、該羽根車の回転軸方向において略一定となるように、前記舌部先端と前記回転軸中心との距離が前記主板側から前記シュラウド側にかけて漸次大きくされ、さらに、前記舌部先端の円弧断面形状の曲率半径が、前記主板側から前記シュラウド側にかけて略一定とされ、前記舌部先端の前記ケーシングの吹出し流路に面した側面が、前記回転軸と略平行となるように、前記回転軸中心から前記舌部先端の曲率中心までの距離が、前記主板側から前記シュラウド側にかけて漸次大きくされるとともに、前記曲率中心が回転方向に移動されていることを特徴とする。
本発明によれば、シュラウドが、内径を下流方向に向って漸次大きくした内側に凸状の湾曲断面形状とされ、その外径が羽根車の外径よりも大きくされているため、シュラウドのコアンダ効果によって気流をシュラウド内面の湾曲面に沿って流れ易くし、気流の偏りを抑制して羽根全体を有効に利用することができるとともに、羽根車の外径を主板側よりもシュラウド側を大きくすることにより、羽根のシュラウド側での出口角を大きく、かつ周速度を大きくしているため、シュラウド付近での静圧上昇を大きくし、気流の逆流を抑制することができる。従って、送風効率を向上することができるとともに、ケーシング内での局所的な高速噴流や吸込み口付近での気流の逆流に起因する空力騒音を低減することができる。また、羽根車の外径がシュラウド側で大きくされているにもかかわらず、羽根車とケーシングの舌部との間隔が略一定とされているため、羽根車とケーシングの舌部との隙間からの気流の漏れ流れを抑制し、送風性能を向上することができる。更に、舌部先端の円弧断面形状の曲率半径が、主板側からシュラウド側にかけて略一定とされ、舌部先端のケーシングの吹出し流路に面した側面が、回転軸と略平行となるように、回転軸中心から舌部先端の曲率中心までの距離が、主板側からシュラウド側にかけて漸次大きくされるとともに、曲率中心が回転方向に移動されていることにより、羽根車とケーシングの舌部との間隔が略一定とされているため、吹出し流路の形状に影響を及ぼすことなく、羽根車とケーシングの舌部との隙間からの気流の漏れ流れを抑制することができ、従って、送風性能を向上することができる。また、各羽根の外周端と舌部との干渉タイミングを回転軸方向に分散させることができるため、周期的に変動する騒音を低減することができる。
さらに、本発明の多翼遠心ファンは、上述のいずれかの多翼遠心ファンにおいて、前記ケーシングは、前記回転軸方向において2分割されており、その分割位置が前記舌部先端と前記回転軸中心との距離が前記主板側から前記シュラウド側にかけて漸次大きくされている部分と略鉛直部分との境界位置に設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、ケーシングが回転軸方向において2分割されており、その分割位置が舌部先端と回転軸中心との距離が主板側からシュラウド側にかけて漸次大きくされている部分と略鉛直部分との境界位置に設定されているため、スクロール形状のケーシングを樹脂材による射出成形品としても、オーバーハング部をなくすることで、成形を容易化することができる。従って、複雑な金型を必要とせず、樹脂製ケーシング、ひいては多翼遠心ファンを低コストで製造することができる。
さらに、本発明にかかる空気調和機は、空気送風用のファンとして、上述のいずれかの多翼遠心ファンが搭載されていることを特徴とする。
本発明によれば、空気調和機に搭載される空気送風用のファンが、上述のいずれかの多翼遠心ファンとされているため、送風効率が向上されるとともに、低騒音化された高性能の多翼遠心ファンを搭載することができ、従って、空気調和機自体を一段と低騒音化および高性能化することができる。
本発明の多翼遠心ファンによると、シュラウドのコアンダ効果により気流をシュラウドの湾曲面に沿って流れ易くし、気流の偏りを抑制して羽根全体を有効に利用することができるとともに、羽根車の外径を主板側よりもシュラウド側を大きくすることにより、羽根のシュラウド側での出口角を大きく、かつ周速度を大きくしているため、シュラウド付近での静圧上昇を大きくし、気流の逆流を抑制することができ、従って、送風効率を向上することができるとともに、ケーシング内での局所的な高速噴流や吸込み口付近での気流の逆流に起因する空力騒音を低減することができる。また、羽根車の外径がシュラウド側で大きくされているにもかかわらず、羽根車とケーシングの舌部との間隔が略一定とされているため、羽根車とケーシングの舌部との間からの気流の漏れ流れを抑制し、送風性能を向上することができる。更に、羽根車とケーシングの舌部との間隔が略一定とされているため、吹出し流路の形状に影響を及ぼすことなく、羽根車とケーシングの舌部との隙間からの気流の漏れ流れを抑制することにより、送風性能を向上することができる。
また、本発明の空気調和機によると、送風効率が向上されるとともに、低騒音化された高性能の多翼遠心ファンを搭載できるため、空気調和機自体を一段と低騒音化および高性能化することができる。
本発明が適用される多翼遠心ファンの概略構成を説明するための斜視図である。 図1に示す多翼遠心ファンの横断面の端面図である。 本発明の一実施形態に係る多翼遠心ファンの子午面断面図である。 図3に示す多翼遠心ファンの羽根車を構成する羽根の異なる軸方向位置での横断面図(A)および(B)である。 図3に示す多翼遠心ファンのケーシングの舌部位置における子午面断面図である。 図5に示す多翼遠心ファンのケーシングの舌部位置の平面視図である。 本発明の第2実施形態に係る多翼遠心ファンのケーシングの舌部位置の平面視図である。 図6および図7に示す本発明の多翼遠心ファンのケーシング形状を示す平面視図である。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図6を用いて説明する。
図1には、本発明が適用される多翼遠心ファンの斜視図が示されており、図2には、その横断面の端面図が示され、図3には、本発明の一実施形態に係る多翼遠心ファンの子午面断面図が示されている。
多翼遠心ファン1は、樹脂材によって射出成形された上下2分割構造のスクロール形状をなす樹脂製のケーシング2を備えている。
ケーシング2は、上面3、底面4、および側面5から構成され、舌部6を基点としてスクロール状(渦巻き状)に形成されている。ケーシング2の上面3には、ベルマウス7を有する空気吸込み口8が設けられており、また、舌部6の上流側から接線方向に向け吹出し流路9が延長されている。このケーシング2の内部には、多数の羽根11を備えた羽根車10が、底面4側に設置されているモータ14の回転軸15を介して回転自在に支持されている。
上記多翼遠心ファン1において、羽根車10が時計回りに回転されることによりベルマウス7を介して空気吸込み口8から軸方向に吸込まれた空気は、羽根車10の複数枚の羽根11間を通って内周側から外周側へと遠心方向に破線矢印のように吐出される。この空気は、スクロール形状のケーシング2の内周面に沿って周方向へと送られ、吹出し流路9から破線矢印のように外部へと送出される。
羽根車10は、中央部が上方に凸状をなしたお椀形状の主板(ハブ)12と、該主板に対向して設けられた環状のシュラウド13と、この主板12およびシュラウド13間に放射状に複数枚配列された羽根11とから構成されている。羽根11は、半径が大きくなる方向に行くに従って回転方向に次第に湾曲され、外周端が回転方向に傾斜されている、いわゆる前進翼とされているとともに、図3に示されるように、主板12側の外径Φ1に対してシュラウド13側の外径Φ2が大きくされた構成とされている。
このように、羽根11の外径を主板12側の外径Φ1に対してシュラウド13側の外径Φ2を大きくし、羽根11の外周端を湾曲させながら半径方向に延長させた構成とすることにより、羽根11の横断面形状は、図4(A)に示される主板12側の横断面形状11Aに対し、シュラウド13側の横断面形状11Bは、図4(B)に示されるように、コード長(弦長)が長くなり、その分羽根出口での速度三角形が大きくされ、吹出される気流の周速度が大きくなるように構成される。
主板12には、中心部にボス部12Aが設けられており、該ボス部12Aを回転軸15に取付けることにより、羽根車10を回転軸15に固着できる構成とされている。
また、シュラウド13は、内径が下流方向に向って漸次大きくされた内側に凸状の湾曲断面形状とされるとともに、その外径が羽根車10のシュラウド13側の外径Φ2よりも更に大きくされている。
一方、ケーシング2は、羽根車10が上記の如く主板12側の外径Φ1に対してシュラウド13側の外径Φ2を大きくされた構成とされていることに対応して、舌部6を以下のように構成している。
ケーシング2の舌部6は、図5に示されるように、羽根車10と舌部6との隙間が回転軸15の軸方向において略一定となるように、舌部6の先端と回転軸15の中心Pとの距離L(図2参照)が主板12側からシュラウド13側に向って漸次大きくされている。
具体的には、円弧断面形状とされている舌部6先端の曲率半径R(図参照)を、図6に示されるように、主板12側の曲率半径R1を大きく、シュラウド13側の曲率半径R2を小さくするとともに、舌部6の先端の羽根車10側と反対側の吹出し流路9に面した側面9Aが回転軸15と略平行となるように、回転軸15の中心Pから舌部6先端の曲率中心O1,O2までの距離を、主板12側からシュラウド13側に向って漸次大きくした構成としている。
また、上記の如く舌部6の先端と回転軸15の中心Pとの距離Lが主板12側からシュラウド13側に向って漸次大きくされているケーシング2を上下2分割構造として射出成形するには、上下の分割面をオーバーハング部が生じない位置に設定することが成形上重要な要件となる。本実施形態では、この要件を満たすべく、ケーシング2の上下方向の分割位置16を舌部6の先端と回転軸15の中心Pとの距離が主板12側からシュラウド13側にかけて漸次大きくされている部分と略鉛直部分との境界位置に設定している。
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
上記多翼遠心ファン1において、モータ14が駆動されることにより羽根車10が時計回り方向に回転されると、空気吸込み口8を介して軸方向から吸込まれた空気は、羽根車10の複数枚の羽根11間を通って内周側から外周側へと流通され、その外周端から遠心方向に破線矢印で示されるように吐出される。
この際、空気吸込み口8の外縁付近から吸込まれた空気流は、コアンダ効果により内径が空気流れ方向に沿って次第に大きくされた内側に凸状の湾曲断面を有し、かつ外径が羽根車10のシュラウド13側の外径Φ2よりも大きくされているシュラウド13の湾曲内面に沿って流れ易くなり、その流量が増加する。このため、羽根11の軸方向における主板12側への気流の偏りが是正され、羽根11の長さ方向全体を有効に利用でき、送風効率を高めることができるとともに、気流の偏りによる高速噴流を抑制し、それに起因する騒音をも低減することができる。
また、羽根車10は、外径が主板12側の外径Φ1に対してシュラウド13側の外径Φ2の方が大きく(Φ1<Φ2)されている。このため、図4(A),(B)に示されるように、前進翼とされているシュラウド13側の羽根11Bの出口角の方が、主板12側の羽根11Aの出口角よりも大きくなり、それに比例して絶対流出速度の周方向成分Cuが大きくされ、周速度が大きくなる結果、シュラウド13側での静圧上昇が大きくなる。これによって、吸込み口8付近での気流の逆流が抑制されるため、気流同士が干渉して圧力変動を起こすことに起因する騒音を低減することができる。
また、羽根車10の外径が主板12側よりもシュラウド13側が大きくされているにも拘らず、羽根車10とケーシング2の舌部6との間隔が羽根車10の回転軸方向において略一定となるように、舌部6の先端と回転軸15の中心Pとの距離Lが主板12側からシュラウド13側にかけて漸次大きくされている。つまり、円弧断面形状とされる舌部6の先端の曲率半径Rを、図6に示されるように、主板12側の曲率半径R1を大きく、シュラウド13側の曲率半径R2を小さくするとともに、舌部6の先端の羽根車10側と反対側の吹出し流路9に面した側面9Aが回転軸15と略平行となるように、回転軸15の中心Pから舌部6の先端の曲率中心O1,O2までの距離を主板12側からシュラウド13側に向って漸次大きくした構成とすることにより、羽根車10とケーシング2の舌部6との間隔が羽根車10の回転軸方向において略一定となるようにしている。このため、吹出し流路9の形状に影響を及ぼすことなく、羽根車10の外周と舌部6との隙間からの漏れ流れを抑制することができ、これによって送風性能を向上することができる。
さらに、本実施形態では、回転軸方向に上下に2分割されて射出成形されるケーシング2の上下分割位置16を、舌部6の先端と回転軸15の中心Pとの距離Lが主板12側からシュラウド13側にかけて漸次大きくされている部分と略鉛直部分との境界位置に設定しているため、スクロール形状のケーシング2を樹脂材による射出成形品としても、オーバーハング部をなくすることで、成形を容易化することができる。従って、複雑な金型を必要とせず、樹脂製ケーシング2、ひいては多翼遠心ファン1を低コストで製造することができる。
また、上記多翼遠心ファン1を空気調和機の空気送風用ファンとして搭載することによって、上述の如く送風効率を向上させることができるとともに、低騒音化することができるため、空気調和機自体を一段と低騒音化および高性能化することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図7および図8を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、ケーシング2の舌部6の構成が異なっている。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、図7に示されるように、ケーシング2の円弧断面形状とされている舌部6の先端の曲率半径R3を変えず、主板12側からシュラウド13側にかけて略一定としたまま、舌部6の先端の羽根車10側と反対側の吹出し流路9に面した側面9Aが回転軸15と略平行となるように、回転軸15の中心Pから舌部6の先端の曲率中心O3までの距離を、主板12側からシュラウド13側にかけて次第に大きくするとともに、曲率中心O3を回転方向に移動させた構成としている。
なお、ケーシング2は、羽根車10とケーシング2の舌部6との間隔が羽根車10の回転軸方向において略一定となるように、舌部6の先端と回転軸15の中心Pとの距離Lが主板12側からシュラウド13側にかけて次第に大きくされているが、これは、図8に示されるように、舌部6から回転方向に略90°の位置迄であり、該位置に至る迄の間に徐々に主板12側とシュラウド13側との距離が同一になるように形成されている。この点については、第1実施形態の場合も同様である。
ケーシング2の舌部6を上記構成とすることにより、羽根車10とケーシング2の舌部6との間隔を羽根車10の回転軸方向において略一定としているため、吹出し流路9の形状に影響を及ぼすことなく、羽根車10とケーシング2の舌部6との隙間からの気流の漏れ流れを抑制することができ、従って、送風性能を向上することができる。また、各羽根11の外周端と舌部6との干渉タイミングを回転軸方向にずらすことができるため、周期的に変動する騒音を低減することができる。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、羽根車10の主板12が上方に凸状をなしたお椀形状とされているものについて説明したが、これに限らず、主板12は、例えばフラットな円板形状の主板であってもよい。また、ケーシング2や羽根車10は、樹脂製に限らず、金属製であってもよいことはもちろんである。
1 多翼遠心ファン
2 ケーシング
6 舌部
9 吹出し流路
9A 側面
10 羽根車
11 羽根
12 主板
13 シュラウド
15 回転軸
16 上下分割位置
P 回転軸中心
Φ1 主板側の外径
Φ2 シュラウド側の外径
R,R1,R2,R3 舌部の曲率半径
O1,O2,O3 舌部の曲率中心
L 舌部先端と回転軸中心との距離

Claims (4)

  1. スクロール形状のケーシングと、主板および該主板と対向する環状のシュラウド間に前進翼とされた羽根が放射状に複数枚配置されている羽根車とを備え、該羽根車が前記ケーシング内に回転自在に支持されている多翼遠心ファンにおいて、
    前記シュラウドは、内径が下流方向に向って漸次大きくされた内側に凸状の湾曲断面形状とされているとともに、その外径が前記羽根車の外径よりも大きくされており、
    前記羽根車の外径は、前記シュラウドの外径よりも大きくならない範囲で前記主板側の外径よりも前記シュラウド側の外径が大きくされ、
    該羽根車と前記ケーシングの舌部との間隔が、該羽根車の回転軸方向において略一定となるように、前記舌部先端と前記回転軸中心との距離が前記主板側から前記シュラウド側にかけて漸次大きくされ
    さらに、前記舌部先端の円弧断面形状の曲率半径が、前記主板側で大きく、前記シュラウド側で小さくされ、前記舌部先端の前記ケーシングの吹出し流路に面した側面が、前記回転軸と略平行となるように、前記回転軸から前記舌部先端の曲率中心までの距離が、前記主板側から前記シュラウド側にかけて漸次大きくされていることを特徴とする多翼遠心ファン。
  2. スクロール形状のケーシングと、主板および該主板と対向する環状のシュラウド間に前進翼とされた羽根が放射状に複数枚配置されている羽根車とを備え、該羽根車が前記ケーシング内に回転自在に支持されている多翼遠心ファンにおいて、
    前記シュラウドは、内径が下流方向に向って漸次大きくされた内側に凸状の湾曲断面形状とされているとともに、その外径が前記羽根車の外径よりも大きくされており、
    前記羽根車の外径は、前記シュラウドの外径よりも大きくならない範囲で前記主板側の外径よりも前記シュラウド側の外径が大きくされ、
    該羽根車と前記ケーシングの舌部との間隔が、該羽根車の回転軸方向において略一定となるように、前記舌部先端と前記回転軸中心との距離が前記主板側から前記シュラウド側にかけて漸次大きくされ、
    さらに、前記舌部先端の円弧断面形状の曲率半径が、前記主板側から前記シュラウド側にかけて略一定とされ、前記舌部先端の前記ケーシングの吹出し流路に面した側面が、前記回転軸と略平行となるように、前記回転軸中心から前記舌部先端の曲率中心までの距離が、前記主板側から前記シュラウド側にかけて漸次大きくされるとともに、前記曲率中心が回転方向に移動されていることを特徴とする多翼遠心ファン。
  3. 前記ケーシングは、前記回転軸方向において2分割されており、その分割位置が前記舌部先端と前記回転軸中心との距離が前記主板側から前記シュラウド側にかけて漸次大きくされている部分と略鉛直部分との境界位置に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の多翼遠心ファン。
  4. 空気送風用のファンとして、請求項1ないしのいずれかに記載の多翼遠心ファンが搭載されていることを特徴とする空気調和機。
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