JP6760376B2 - 遠心式送風機 - Google Patents

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Description

関連出願への相互参照
本出願は、2016年7月18日に出願された日本出願番号2016−140968号に基づくものであって、ここにその記載内容を援用する。
本開示は、空気を送風する遠心式送風機に関する。
従来、スクロールケースの内部に遠心ファンが収容された遠心式送風機が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、騒音低減を図るために、スクロールケースのノーズ部を起点として、スクロールケースにおける遠心ファンに対向する壁面の高さを周方向で変化させる旨が開示されている。
特開2014−132164号公報
ところで、本発明者らは、遠心式送風機において、スクロールケースではなく全周にわたって開口して全周から空気を吹き出すタイプの送風ケース(すなわち、全周吹出型ケース)の採用を検討している。
本発明者らは、全周吹出型ケースを備える遠心式送風機において、騒音低減を図るために、特許文献1の如く遠心ファンに対向する壁面の高さを周方向で変化させたところ、却って騒音が大きくなってしまうことが判った。
本発明者らは、騒音の発生要因について詳細に検討した。この結果、遠心ファンに対向する壁面の高さを周方向で変化させると、送風ケースと遠心ファンとで形成される空気流路の流路形状に急拡大や急縮小が生ずることで、空気流路に騒音の発生要因となる不安定な渦が生じ易くなるとの知見を得た。
そこで、本出願人は、先に、特願2015−099311号(以下、先願例と呼ぶ。)にて、送風ケースにおける遠心ファンに近接する空気流路の軸方向の長さを、羽根の後縁部の羽根高さとファン高さとの間に設定した遠心式送風機を提案している。この先願例の遠心式送風機では、遠心ファンの羽根の後縁部付近における空気流路の流路形状が実質的に急拡大や急縮小のない流路形状となっている。
ここで、本発明者らは、先願例の遠心式送風機を試作して騒音を確認した。この結果、空気流路の急拡大や急縮小に起因する騒音の低減効果を確認できたが、その一方で遠心ファンのシュラウドと送風ケースとの間に生ずる逆流による騒音が顕著となってしまうことが判った。
本開示は、遠心ファンのシュラウドと送風ケースとの間に生ずる逆流による騒音を抑制可能な遠心式送風機を提供することを目的とする。
本開示の1つの観点によれば、遠心式送風機は、回転軸の軸方向の一方側から吸い込んだ空気を回転軸の径方向外側に向けて吐出する遠心ファンと、遠心ファンを収容すると共に、回転軸を中心とする全周にわたって開口する送風ケースと、を備える。
遠心ファンは、回転軸の周方向に並んで配置される複数枚の羽根、複数枚の羽根における軸方向の一方側を連結するシュラウド、複数枚の羽根における軸方向の他方側を連結すると共に、回転軸に連結される主板を有している。
送風ケースには、軸方向の一方側に空気を吸い込む空気吸込口が形成されている。送風ケースの内部には、複数枚の羽根の後縁部よりも空気流れ下流側に径方向外側に延びる吐出空気流路が形成されている。
また、シュラウドと送風ケースとの間には、空気吸込口と互いに隣り合う羽根の後縁部間に形成される空気流出部とを連通させる隙間流路が形成されている。シュラウドは、複数枚の羽根の後縁部側に位置する後縁側端部を有している。後縁側端部および送風ケースは、径方向において隙間を介して互いに対向配置されている。隙間流路は、後縁側端部および送風ケースにおける径方向に対向する部位で形成される近接隙間流路を含んでいる。そして、近接隙間流路は、空気吸込口側に比べて、空気流出部側の方が、径方向における面積が大きくなっている。送風ケースは、近接隙間流路を形成する部位の形状が円弧形状となっている。送風ケースにおける円弧形状となる部位と後縁側端部とが、近接隙間流路を介して径方向に対向している。円弧形状の半径(R)は、シュラウドにおける近接隙間流路を形成する後縁側端部の厚み(Th)よりも小さくなっている。
本開示の遠心式送風機では、空気吸込口側に比べて空気流出部側の方が、近接隙間流路の面積が拡大されるので、近接隙間通路に流入する逆流の流速を抑えて、騒音の発生要因となる圧力変動を抑えることができる。
従って、本開示の遠心式送風機では、遠心ファンのシュラウドと送風ケースとの間に生ずる逆流による騒音を抑制可能となる。
第1実施形態の遠心式送風機の外観を示す模式的な斜視図である。 第1実施形態の遠心式送風機の軸方向における模式的な断面図である。 図2のIII部の拡大図である。 比較例の遠心式送風機の要部における空気流れを示す模式的な断面図である。 第1実施形態の遠心式送風機の要部における空気流れを示す模式的な断面図である。 第1実施形態の遠心式送風機および比較例の遠心式送風機における流量係数に対する騒音特性を示す特性図である。 第1実施形態の変形例を示す遠心式送風機の要部の模式的な断面図である。 第2実施形態の遠心式送風機の軸方向における模式的な断面図である。 第3実施形態の遠心式送風機の軸方向における模式的な断面図である。 第4実施形態の遠心式送風機の軸方向における模式的な断面図である。 図10のXI部の拡大図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。図2における矢印ADは、後述する遠心ファン20の回転軸20aの軸方向を示している。また、図2における矢印RDは、後述する遠心ファン20の回転軸20aの径方向を示している。このことは、図2以外の図面においても同様である。なお、図2では、図1に示すII−II線に沿って遠心式送風機1を切断した際の断面形状の一部を図示している。
本実施形態では、図1および図2に示す遠心式送風機1を、移動体である車両の送風手段に適用している。本実施形態の遠心式送風機1は、例えば、車室内を空調する室内空調装置や、座席内に設けられるシート空調装置の送風手段として用いられる。
図2に示すように、本実施形態の遠心式送風機1は、車両への搭載性の向上を図るために、回転軸20aの軸方向ADの寸法よりも回転軸20aの径方向RDの寸法が大きい扁平型の送風機として構成されている。
本実施形態の遠心式送風機1は、主たる構成要素として、外殻を構成する送風ケース10、送風ケース10に収容される遠心ファン20、および電動モータ30を備える。
送風ケース10は、遠心ファン20および電動モータ30を収容する収容ケースである。本実施形態の送風ケース10は、ファンカバー11およびモータカバー12を有している。ファンカバー11およびモータカバー12は、回転軸20aの軸方向ADに間隔をあけて対向配置される。本実施形態では、ファンカバー11およびモータカバー12が回転軸20aの軸方向ADに対向する一対の壁部を構成している。
ファンカバー11は、回転軸20aの軸方向ADの一方側に配置されている。ファンカバー11は、遠心ファン20の一部を軸方向ADの一方側から覆うカバーである。ファンカバー11は、中央部が開口する円環状の部材で構成されている。ファンカバー11は、ファン側内周部111、ファン側段部112、およびファン側外周部113に大別される。
ファン側内周部111は、ファンカバー11における遠心ファン20の羽根21と軸方向ADに重なり合う内側の部位である。ファン側内周部111は、遠心ファン20の羽根21を覆うように、径方向RDに沿って延びる形状を有する。ファン側内周部111には、その中央部に軸方向ADに貫通する円形状の空気吸込口111aが形成されている。
ファン側外周部113は、ファンカバー11におけるファン側内周部111よりも径方向RDの外側の部位である。ファン側外周部113は、径方向RDに沿って延びる形状を有する。ファン側外周部113には、径方向RDの外側に複数の突起部113bが形成されている。本実施形態のファン側外周部113には、図1に示すように、その周方向に所定の間隔をあけて3つの突起部113bが形成されている。
複数の突起部113bは、軸方向ADにおけるモータカバー12側に突出している。複数の突起部113bは、モータカバー12側の端部にファンカバー11とモータカバー12とを連結する図示しないビスを挿入するビス穴が形成されている。
図2に戻り、ファン側段部112は、ファン側内周部111とファン側外周部113とを繋ぐ部位である。ファン側段部112は、ファン側内周部111とファン側外周部113との間に段差が形成されるように、軸方向ADに沿って延びる形状を有する。
モータカバー12は、回転軸20aの軸方向ADの他方側に配置されている。モータカバー12は、電動モータ30を軸方向ADの他方側から覆うカバーである。モータカバー12は、円盤状の部材で構成されている。モータカバー12は、モータ側内周部121、モータ側段部122、およびモータ側外周部123に大別される。
モータ側内周部121は、モータカバー12における電動モータ30と軸方向ADに重なり合う内側の部位である。モータ側内周部121には、その中央部に軸方向ADに貫通する貫通穴121aが形成されている。
モータ側外周部123は、モータカバー12におけるモータ側内周部121よりも径方向RDの外側の部位である。モータ側外周部123には、ファン側外周部113に形成された複数の突起部113bに対応する部位に、図示しないビスを挿入するビス穴が形成されている。
モータ側段部122は、モータ側内周部121とモータ側外周部123とを繋ぐ部位である。モータ側段部122は、モータ側内周部121とモータ側外周部123との間に段差が形成されるように、軸方向ADに沿って延びる形状を有する。
本実施形態の送風ケース10は、ファンカバー11の複数の突起部113bがモータカバー12に突き当てられた状態で、ファンカバー11とモータカバー12とが図示しないビスにより締結されている。
ここで、ファンカバー11およびモータカバー12は、ビス以外の部材により締結されていてもよい。また、ファンカバー11およびモータカバー12は、互いに連結される構成ではなく、例えば、遠心式送風機1を機器に取り付けるステー等に対して連結されていてもよい。
また、送風ケース10には、ファン側外周部113およびモータ側外周部123の間に、遠心ファン20から吐出された空気を流す吐出空気流路13が形成される。吐出空気流路13は、送風ケース10の内部に形成されている。吐出空気流路13は、遠心ファン20の各羽根21の後縁部21bよりも空気流れ下流側において、径方向RD外側に延びている。吐出空気流路13の詳細については後述する。
また、ファン側外周部113およびモータ側外周部123の外側端部113a、123aの間には、外部へ空気を吹き出す空気吹出部14が形成される。空気吹出部14は、遠心式送風機1の側面において、回転軸20aを中心とする送風ケース10の全周にわたって開口している。なお、突起部113bが設けられている箇所では、送風ケース10からの空気の吹き出しが突起部113bにより妨げられる。このため、空気吹出部14が送風ケース10の全周にわたって開口していることとは、おおよそ全周にわたって開口している状態を含む意味である。
遠心ファン20は、回転軸20aの軸方向ADの一方側から吸い込んだ空気を回転軸20aの径方向RD外側に向けて吐出するファンである。本実施形態では、遠心ファン20として、ファンの出口側がファンの回転方向に対して後ろを向いている後ろ向きファン(すなわち、ターボファン)を採用している。
遠心ファン20は、回転軸20aの周方向に並んで配置される複数枚の羽根21、各羽根21の軸方向ADの一方側を連結するシュラウド22、各羽根21の軸方向ADの他方側を連結する主板23を有している。
各羽根21は、隣り合う羽根21の間に空気が流通する空気流路が形成される。各羽根21は、空気の流入部を構成する前縁部21a、空気の流出部を構成する後縁部21bを有する。本実施形態の遠心ファン20では、互いに隣り合う羽根21の後縁部21b間に形成される空気流路が、遠心ファン20における空気流出部211を構成している。
シュラウド22は、中央部が開口する円環状の部材で構成されている。シュラウド22には、空気吸込口111aから吸い込まれる空気を遠心ファン20の内部に導入する空気導入口221が形成されている。また、シュラウド22は、ファン側内周部111から離れた状態で、主板23に対向する内面側に各羽根21の軸方向ADの一方側が連結されている。
シュラウド22は、各羽根21の後縁部21b側に下流側端部222を有している。シュラウド22の下流側端部222は、所定の隙間をあけて送風ケース10のファン側段部112と径方向RDに対向している。なお、本実施形態では、シュラウド22の下流側端部222が、シュラウド22における近接隙間流路151を形成する後縁側端部を構成する。
本実施形態の遠心式送風機1は、シュラウド22と送風ケース10との間に、送風ケース10の空気吸込口111aおよび遠心ファン20における空気流出部211とを連通させる隙間流路15が形成されている。
遠心式送風機1では、吐出空気流路13側(すなわち、空気流出部211側)の圧力が送風ケース10の空気吸込口111a側よりも高くなる。このため、隙間流路15には、吐出空気流路13側(すなわち、空気流出部211側)から送風ケース10の空気吸込口111a側に向かう空気流れ(すなわち、逆流)が生ずる。なお、隙間流路15の詳細については後述する。
主板23は、軸方向ADにおける空気吸込口111a側に窪んだ円錐状の部材で構成されている。主板23には、中央部に回転軸20aを連結するボス部231が形成されている。また、主板23は、モータ側内周部121から離れた状態で、シュラウド22に対向する表面側に各羽根21の軸方向ADの他方側が連結されている。
回転軸20aは、円柱形状の棒状部材で構成されている。回転軸20aは、モータカバー12の貫通穴121aに配置された軸受20bを介してモータカバー12に対して回転自在に支持されている。また、回転軸20aは、貫通穴121aから主板23側に向かって突き出ている。回転軸20aにおける主板23側に突き出た部位は、回転軸20aと一体に主板23が回転するように、主板23に対して連結されている。
電動モータ30は、遠心ファン20を回転駆動する電動機である。本実施形態の電動モータ30は、主板23における羽根21およびシュラウド22に対向する表面の背面側に配置されている。具体的には、本実施形態の電動モータ30は、主板23とモータカバー12のモータ側内周部121との間に形成される空間に配置されている。
本実施形態では、電動モータ30として、アウターロータ型のブラシレスDCモータを採用している。電動モータ30は、モータカバー12に連結されたステータ31、ステータ31に巻回されたコイル32、主板23の背面に連結されたロータ33、ロータ33におけるコイル32に対向する内周側に配置された永久磁石34を有する。
本実施形態の電動モータ30は、ステータ31、コイル32、ロータ33、永久磁石34それぞれが、軸受20bと径方向RDに重なり合うように、径方向RDに並んで配置されている。これにより、電動モータ30の軸方向ADの体格が小さくなっている。
続いて、本実施形態の吐出空気流路13について説明する。本実施形態の吐出空気流路13は、軸方向ADの長さが隙間流路15よりも径方向RDの外側における全域において殆ど一様となるように、径方向RDに沿って延びている。より具体的には、本実施形態の吐出空気流路13は、径方向RDと略平行となるように、径方向RDの外側に向けて延びている。
本実施形態の吐出空気流路13は、隙間流路15よりも径方向RDの外側において、各羽根21の後縁部21bに近接する近接空気流路131を有する。具体的には、近接空気流路131は、後述する近接隙間流路151よりも径方向RDの外側において、吐出空気流路13における空気吹出部14よりもファン側段部112およびモータ側段部122に近い空気流路である。
近接空気流路131は、遠心ファン20と送風ケース10とで形成される空気流路に急拡大や急縮小が生じないように、軸方向ADの寸法が設定されている。
図3に示すように、近接空気流路131の軸方向ADの寸法Laは、各羽根21の後縁部21bの軸方向ADの寸法(すなわち、羽根高さLb)、および遠心ファン20の後縁部21bにおける軸方向ADの寸法(すなわち、ファン高さLf)を基準に設定している。なお、ファン高さLfは、羽根高さLbに対して、シュラウド22および主板23の軸方向ADの厚み分を加味した高さである。また、近接空気流路131の軸方向ADの寸法Laは、吐出空気流路13のうち、後述する近接隙間流路151よりも径方向RDの外側において、遠心ファン20の各羽根21の後縁部21bに最も近い位置における軸方向ADの長さである。以下では、吐出空気流路13のうち、後述する近接隙間流路151よりも径方向RDの外側において、遠心ファン20の各羽根21の後縁部21bに最も近い位置における軸方向ADの長さを、単に空気流路高さLaとして説明することがある。
本実施形態の吐出空気流路13は、後述する近接隙間流路151よりも径方向RDの外側において、各羽根21の後縁部21bに最も近い位置における軸方向ADの長さLaが、羽根高さLb以上であって、ファン高さLf以下に設定されている。換言すれば、吐出空気流路13は、空気流路高さLaが、羽根高さLb以上、且つ、ファン高さLf以下となっている。すなわち、吐出空気流路13は、空気流路高さLaが、以下の数式F1を満たす範囲に設定される。
Lb≦La≦Lf・・・(F1)
近接空気流路131は、空気流路高さLaがファン高さLfよりも羽根高さLbに近い寸法に設定することが好ましい。すなわち、近接空気流路131は、空気流路高さLaが以下の数式F2を満たす範囲に設定することが好ましい。
La−Lb<Lf−La・・(F2)
また、近接空気流路131は、空気流路高さLaが羽根高さLbと実質的に同等になるように構成することがより一層好ましい(すなわち、La≒Lb)。なお、本実施形態の吐出空気流路13は、空気吹出部14付近の軸方向ADにおける長さが、遠心ファン20における軸方向ADの最大長さLfmax以下に設定されている。
続いて、本実施形態の隙間流路15について説明する。図2に示すように、本実施形態の隙間流路15は、近接隙間流路151と、近接隙間流路151の逆流流れ下流側の遠隔隙間流路152を含んで構成されている。
近接隙間流路151は、隙間流路15において遠心ファン20における空気流出部211から空気吸込口111aに向かう逆流が流入する流路である。近接隙間流路151は、隙間流路15のうち、シュラウド22の下流側端部222および送風ケース10における径方向RDに対向する部位で形成される流路である。具体的には、近接隙間流路151は、隙間流路15のうち、シュラウド22の下流側端部222と送風ケース10のファン側段部112とで形成される流路である。
また、遠隔隙間流路152は、近接隙間流路151から流入した逆流を空気吸込口111a側に導く流路である。遠隔隙間流路152は、隙間流路15のうち、シュラウド22および送風ケース10における軸方向ADに対向する部位で形成される流路である。具体的には、遠隔隙間流路152は、隙間流路15のうち、シュラウド22と送風ケース10のファン側内周部111とで形成される流路である。
本実施形態の遠心式送風機1は、近接隙間流路151に流入する逆流の流速を抑えるために、近接隙間流路151の空気流出部211側の方が、空気吸込口111a側よりも径方向RDの面積を大きくしている。すなわち、本実施形態の遠心式送風機1は、近接隙間流路151の流路幅が、空気流出部211側に近づくにつれて大きくなっている。
図3に示すように、近接隙間流路151は、空気流出部211から離れた位置の流路幅Cw1に比べて、空気流出部211に近い位置の流路幅Cw2が大きくなっている。すなわち、近接隙間流路151は、空気流出部211から離れた位置の流路幅Cw1と空気流出部211に近い位置の流路幅Cw2との大小関係が「Cw1<Cw2」となるように構成されている。
ここで、流路幅は、空気流れに沿って延びる一対の壁面の間隔である。本実施形態の近接隙間流路151は、シュラウド22の下流側端部222および送風ケース10における径方向RDに対向する部位で形成されている。このため、本実施形態の近接隙間流路151の流路幅Cw1、Cw2は、シュラウド22の下流側端部222および送風ケース10における径方向RDに対向する部位の間隔となる。また、本実施形態の遠隔隙間流路152は、シュラウド22および送風ケース10における軸方向ADに対向する部位で形成されている。このため、本実施形態の遠隔隙間流路152の流路幅Chは、シュラウド22および送風ケース10における軸方向ADに対向する部位の間隔となる。
本実施形態の遠心式送風機1では、送風ケース10のファン側段部112の径方向寸法を空気流出部211に近づくにつれて大きくすることで、近接隙間流路151の径方向RDにおける面積を空気流出部211に近づくにつれて拡大させている。
具体的には、本実施形態のファン側段部112は、径方向寸法が空気流出部211に近づくにつれて大きくなるように、近接隙間流路151を形成する部位の形状が円弧形状となっている。
ここで、近接隙間流路151が過度に拡大していると、隙間流路15を流れる逆流の流量が増加し、吐出空気流路13を流れる空気の流量を充分に確保できなくなってしまうことが懸念される。
そこで、本実施形態では、近接隙間流路151の流路幅が過度に拡大しないように、ファン側段部112における円弧形状の半径Rを、シュラウド22の下流側端部222の厚みThよりも小さくしている。すなわち、本実施形態の遠心式送風機1は、ファン側段部112における円弧形状の半径Rとシュラウド22の下流側端部222の厚みThとの大小関係が「R<Th」となるように構成されている。
さらに、本実施形態では、近接隙間流路151の流路幅Cw1、Cw2を遠隔隙間流路152の流路幅Chよりも大きくしている。換言すれば、本実施形態の遠隔隙間流路152は、その流路幅Chが近接隙間流路151の流路幅Cw1、Cw2よりも小さくなっている。すなわち、本実施形態の遠心式送風機1は、近接隙間流路151の流路幅Cw1、Cw2と遠隔隙間流路152の流路幅Chとの大小関係が「Cw1>Ch」、「Cw2>Ch」となるように構成されている。
次に、本実施形態に係る遠心式送風機1の作動を説明する。電動モータ30に対して電力が供給されると、電動モータ30が遠心ファン20を回転駆動する。これにより、遠心ファン20は、回転軸20aまわりに回転して、図2の太線矢印に示すように、軸方向ADの一方側から空気吸込口111aを介して空気を吸い込む。そして、遠心ファン20は、空気吸込口111aから吸い込んだ空気を空気流出部211から径方向RD外側に向けて吹き出す。
ここで、図4は、本実施形態の比較例となる遠心式送風機CEにおける要部を示す断面図である。比較例となる遠心式送風機CEは、図4に示すように、近接隙間流路151を形成するファン側段部Spが軸方向ADに沿って延びている点、すなわち、ファン側段部Spが円弧形状となっていない点が本実施形態の遠心式送風機1と異なっている。なお、説明の便宜上、図4では、比較例の遠心式送風機CEにおける本実施形態の遠心式送風機1と同様の構成に対して同一の参照符号を付している。
比較例の遠心式送風機CEでは、ファン側段部Spが軸方向ADに沿って直線状に延びており、近接隙間流路151の流路幅が軸方向ADに一様となっている。このため、比較例の遠心式送風機CEでは、遠心ファン20の空気流出部211から吐出された空気Fmの一部が逆流Frvとして近接隙間流路151に流入する際にファン側段部Spに衝突し易い。これにより、比較例の遠心式送風機CEでは、近接隙間流路151における圧力変動が大きくなることで、騒音の発生要因となる不安定な渦が発生してしまう。
これに対して、本実施形態の遠心式送風機1では、図5に示すように、近接隙間流路151の面積が空気流出部211に近づくにつれて拡大している。このため、本実施形態の遠心式送風機1では、近接隙間流路151に流入する逆流Frvの流速が比較例に比べて遅くなり、逆流Frvのファン側段部Spへの衝突が抑制される。これにより、本実施形態の遠心式送風機1では、近接隙間流路151における圧力変動が抑制されることで、騒音の発生要因となる不安定な渦が生じ難くなっている。
ここで、図6は、本実施形態の遠心式送風機1および比較例の遠心式送風機CEにおいて、流量係数を変化させた際の比騒音を比較した図である。なお、図6では、本実施形態の遠心式送風機1の比騒音を実線NC1で示し、比較例の遠心式送風機CEの比騒音を破線NC2で示している。
図6によれば、本実施形態の遠心式送風機1は、比較例の遠心式送風機CEに比較して、全流量係数域において騒音が低減できていることが確認できる。本発明者らの実験によれば、本実施形態の遠心式送風機1では、比較例の遠心式送風機CEに比較して、比騒音が1.5dB程度低下する結果が得られた。
以上説明した本実施形態の遠心式送風機1では、全周にわたって開口する送風ケース10の近接空気流路131の軸方向ADの長さLaを羽根21の後縁部21bにおける羽根高さLbとファン高さLfとの間に設定している。これによれば、遠心ファン20に近接する近接空気流路131が実質的に急拡大や急縮小のない流路形状となる。これにより、遠心ファン20の羽根21の後縁部21b付近における空気流路の急拡大や急縮小に起因する騒音を抑えることができる。
さらに、本実施形態の遠心式送風機1は、遠心ファン20の空気流出部211に近づくにつれて近接隙間流路151の面積を拡大しているので、近接隙間流路151に流入する逆流の流速を抑えて、騒音の発生要因となる圧力変動を抑えることができる。
従って、本実施形態の遠心式送風機1では、遠心ファン20のシュラウド22と送風ケース10との間に生ずる逆流による騒音を抑制可能となる。
また、本実施形態の遠心式送風機1では、送風ケース10のファン側段部112の径方向寸法を遠心ファン20の空気流出部211に近づくにつれて大きくすることで、近接隙間流路151を拡大している。これによれば、近接隙間流路151に流入する逆流と送風ケース10との衝突による圧力変動を抑えることができるので、遠心ファン20のシュラウド22と送風ケース10との間に生ずる逆流による騒音を充分に抑制することができる。
具体的には、本実施形態では、ファン側段部112の形状を円弧形状としている。このように、送風ケース10における近接隙間流路151を形成する部位の形状をエッジがない円弧形状とすれば、送風ケース10における近接隙間流路151を形成する部位への気流の衝突による圧力変動を充分に抑えることができる。この結果、遠心ファン20のシュラウド22と送風ケース10との間に生ずる逆流による騒音を充分に抑制可能となる。
また、本実施形態では、ファン側段部112における円弧形状の半径Rを、シュラウド22の下流側端部222の厚みThよりも小さくしている。これによれば、近接隙間流路151の流路幅が過度に拡大しないので、近接隙間流路151を介した逆流が増大してしまうことを抑えて、吐出空気流路13を流れる空気の流量を充分に確保することができる。
さらに、本実施形態の遠心式送風機1では、近接隙間流路151の流路幅Cw1、Cw2を遠隔隙間流路152の流路幅Chに比べて大きくしている。このように、隙間流路15の近接隙間流路151の流路幅Cw1、Cw2を遠隔隙間流路152の流路幅Chに比べて大きくすることで、近接隙間流路151に流入する逆流の流速を充分に抑えることができる。また、遠隔隙間流路152の流路幅Chが近接隙間流路151の流路幅Cw1、Cw2に比べて小さくなることで、隙間流路15を流れる逆流が増大してしまうことを抑えることができるので、吐出空気流路13を流れる空気の流量を充分に確保することができる。
(第1実施形態の変形例)
上述の第1実施形態では、ファン側段部112の径方向寸法が遠心ファン20の空気流出部211に近づくにつれて大きくなるように、ファン側段部112の形状を円弧形状とする例について説明したが、これに限定されない。
遠心式送風機1は、例えば、図7に示すように、ファン側段部112Aの径方向寸法が遠心ファン20の空気流出部211に近づくにつれて大きくなるように、ファン側段部112の形状がテーパ形状で構成されていてもよい。この場合、近接隙間流路151の流路幅が過度に拡大しないように、ファン側段部112Aのテーパ部分の軸方向ADの寸法Cをシュラウド22の下流側端部222の厚みThより小さくすることが望ましい。
なお、遠心式送風機1は、ファン側段部112の径方向寸法が遠心ファン20の空気流出部211に近づくにつれて大きくなっていれば、ファン側段部112の形状が円弧以外の曲線形状で構成されていてもよい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図8を参照して説明する。本実施形態では、近接空気流路131Aが遠心ファン20Aの主板23と送風ケース10Aのファンカバー11で構成されている点が上述の第1実施形態と相違している。
図8に示すように、本実施形態の送風ケース10Aには、第1実施形態におけるモータ側段部122が省略されている。つまり、本実施形態の送風ケース10Aは、モータ側内周部121とモータ側外周部123とが連続して形成されている。
また、本実施形態の遠心ファン20Aは、主板23が、各羽根21の後縁部21bよりも径方向RD外側に向かって延出している。具体的には、本実施形態の主板23には、各羽根21の後縁部21bよりも径方向RD外側に向かって延出する主板側延出部232が設けられている。本実施形態では、主板側延出部232が、各羽根21の後縁部21bよりも回転軸20aの径方向RD外側に延出する延出部を構成する。また、本実施形態では、ファンカバー11が、主板23よりもシュラウド22に近い壁部を構成する。
そして、本実施形態の吐出空気流路13は、近接空気流路131Aを含む全域が、ファン側外周部113および主板側延出部232との間に形成される空気流路で構成されている。本実施形態の近接空気流路131Aは、吐出空気流路13における近接隙間流路151よりも径方向RDの外側において、空気吹出部14よりもファン側段部112に近い空気流路である。
本実施形態の近接空気流路131Aは、軸方向ADの寸法Laが、羽根高さLb以上であって、ファン高さLf以下に設定されている。換言すれば、近接空気流路131Aは、空気流路高さLaが、羽根高さLb以上、且つ、ファン高さLf以下となっている。なお、本実施形態においても、近接空気流路131Aの軸方向ADの寸法Laをファン高さLfよりも羽根高さLbに近い寸法に設定することが好ましい。
その他の構成は、上述の第1実施形態と同様である。本実施形態の遠心式送風機1は、吐出空気流路13における近接隙間流路151よりも径方向RDの外側において、送風ケース10Aのファン側外周部113および主板23の主板側延出部232によって近接空気流路131Aが形成されている。
これによれば、近接空気流路131Aにおける主板23側が切れ目のない連続した流路形状となる。このため、送風ケース10Aと遠心ファン20Aとで形成される空気の流路形状に起因して発生する騒音をより一層抑制することが可能となる。
また、本実施形態の構成によれば、主板23と送風ケース10Aのモータカバー12との間に形成される隙間を介して、水等の異物が電動モータ30側に浸入してしまうことを抑えることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図9を参照して説明する。本実施形態では、吐出空気流路13の流路形状を変更している点が上述の第1実施形態と相違している。
本実施形態の送風ケース10Bは、ファン側外周部113およびモータ側外周部123が、径方向RD外側に向かって徐々に離れる形状となっている。すなわち、ファン側外周部113は、軸方向ADの位置が径方向RD外側に向かって徐々にモータカバー12から離れる形状となっている。同様に、モータ側外周部123は、軸方向ADの位置が径方向RD外側に向かって徐々にファンカバー11から離れる形状となっている。
本実施形態の吐出空気流路13は、軸方向ADの長さが空気流れ下流側に向かって大きくなっている。本実施形態の吐出空気流路13は、軸方向ADにおける長さが、各羽根21の後縁部21b付近で最も小さくなっている。また、本実施形態の吐出空気流路13は、隙間流路15よりも径方向RDの外側における軸方向ADの長さが、空気吹出部14付近で最も大きくなっている。さらに、本実施形態の吐出空気流路13は、空気吹出部14付近の軸方向ADにおける長さLcが、遠心ファン20における軸方向ADの最大長さLfmax以下に設定されている。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の遠心式送風機1では、吐出空気流路13の軸方向ADの長さが空気流れ下流側に向かって大きくなっている。これによれば、吐出空気流路13の出口側と、空気を吐出する吐出対象空間側との間における急拡大を抑えることができる。この結果、吐出空気流路13の出口側と、空気を吐出する吐出対象空間側との間での騒音の発生を抑えることが可能となる。
また、本実施形態では、吐出空気流路13における軸方向ADにおける長さを、遠心ファン20における軸方向ADの最大長さ以下に設定している。これによれば、遠心式送風機1の体格を抑えつつ、騒音の発生を抑制することが可能となる。このような構成は、例えば、車両のシート内部の如く、設置スペースが制限される位置に遠心式送風機1を配置する場合に好適である。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、図10、図11を参照して説明する。本実施形態では、吐出空気流路13の流路形状を変更している点が上述の第1実施形態と相違している。
図10に示すように、本実施形態の送風ケース10Cは、ファン側外周部113Cおよびモータ側外周部123Cの双方が、軸方向ADの他方側に傾いた状態で径方向RDの外側に延びている。
具体的には、本実施形態のファン側外周部113Cおよびモータ側外周部123Cそれぞれは、空気吹出部14側の外側端部113a、123aが、遠心ファン20の空気流出部211側に比べて、軸方向ADの他方側に位置している。
本実施形態のファン側外周部113Cは、空気吹出部14側の外側端部113aが、径方向RDにおいて各羽根21の後縁部21bと重なり合うように傾斜した状態で、径方向RDの外側に向かって延びている。
一方、本実施形態のモータ側外周部123Cは、空気吹出部14側の外側端部123aが、径方向RDにおいて各羽根21の後縁部21bと重なり合わないように傾斜した状態で、径方向RDの外側に向かって延びている。
本実施形態の吐出空気流路13は、軸方向ADの他方側に傾いた状態で径方向RDの外側に向かって延びている。本実施形態の吐出空気流路13は、軸方向ADの長さが隙間流路15よりも径方向RDの外側における全域において殆ど一様となっている。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の遠心式送風機1は、第1実施形態と共通の構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
ここで、遠心ファン20は、軸方向ADの一方側から吸い込んだ空気を径方向RDの外側に吐出するものである。遠心ファン20から吐出する気流には、軸方向ADの速度成分が含まれている。このため、遠心ファン20から吐出する気流は、空気流出部211において軸方向ADの一方側より他方側に流れ易くなる。そして、遠心ファン20の空気流出部211における気流の流速は、図11に示すように、軸方向ADの一方側よりも他方側の方が大きくなる傾向がある。
このような遠心ファン20の特性を鑑みて、本実施形態の遠心式送風機1では、吐出空気流路13を、軸方向ADの他方側に傾いた状態で径方向RDの外側に向かって延びる流路形状としている。
このように、遠心ファン20から吐出された気流の流速分布に合わせて吐出空気流路13の流路形状を設定すれば、吐出空気流路13を形成する壁面における気流の剥離を低減することができる。この結果、吐出空気流路13を空気が流れる際の騒音を抑制することが可能となる。
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の各実施形態では、遠心式送風機1を車両における送風手段に適用する例について説明したが、これに限定されない。遠心式送風機1は、例えば、家庭や工場等で使用される据置型の空調装置の送風手段に適用してもよい。
上述の各実施形態では、遠心ファン20として、後ろ向きファンを採用する例を説明したが、これに限定されない。遠心ファン20は、例えば、ファンの出口側が径方向RDに向いているラジアルファンを採用してもよい。
上述の各実施形態では、電動モータ30として、アウターロータ型のブラシレスDCモータを採用する例について説明したがこれに限定されない。電動モータ30は、インナーロータ型を採用してもよい。また、電動モータ30は、ACモータを採用してもよい。
上述の各実施形態の如く、電動モータ30を主板23の背面側に配置することが望ましいが、これに限定されず、例えば、主板23の表面側に電動モータ30が配置されていてもよい。また、電動モータ30は、送風ケース10の内部ではなく、少なくとも一部が外部に配置されていてもよい。
上述の各実施形態の如く、近接隙間流路151が過度に拡大させないためには、ファン側段部112における円弧形状の半径Rを、シュラウド22の下流側端部222の厚みThよりも小さくすることが望ましいが、これに限定されない。遠心式送風機1は、例えば、ファン側段部112における円弧形状の半径Rが、シュラウド22の下流側端部222の厚みThと同等の大きさとなっていてもよい。
上述の各実施形態では、隙間流路15を流れる逆流の流量を抑えるために、遠隔隙間流路152の流路幅Chを近接隙間流路151の流路幅Cw1、Cw2よりも小さくした構成について説明したが、これに限定されない。遠心式送風機1は、例えば、遠隔隙間流路152の流路形状をラビリンス構造とすることで、隙間流路15を流れる逆流の流量を抑える構成となっていてもよい。
上述の各実施形態では、送風ケース10のファン側段部112の径方向寸法を空気流出部211に近づくにつれて大きくすることで、近接隙間流路151の面積を空気流出部211に近づくにつれて拡大させた例について説明したが、これに限定されない。例えば、シュラウド22の下流側端部222の径方向寸法を空気流出部211に近づくにつれて小さくすることで、近接隙間流路151の面積を空気流出部211に近づくにつれて拡大させてもよい。
上述の各実施形態の如く、吐出空気流路13は、近接隙間流路151よりも径方向RDの外側における空気流路高さLaが、羽根高さLb以上であって、ファン高さLf以下に設定されていることが望ましいが、これに限定されない。吐出空気流路13は、例えば、近接隙間流路151よりも径方向RDの外側における空気流路高さLaが、羽根高さLb未満となっていたり、ファン高さLfよりも大きくなっていたりしてもよい。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、遠心式送風機は、シュラウドの後縁側端部と送風ケースとの間に近接隙間流路が形成されている。そして、近接隙間流路は、送風ケースの空気吸込口側に比べて、遠心ファンの空気流出部側の方が、径方向における面積が大きくなっている。
また、第2の観点によれば、遠心式送風機の送風ケースは、近接隙間流路を形成する部位の径方向寸法が空気流出部に近づくにつれて大きくなっている。これによれば、近接隙間流路に流入する逆流と送風ケースとの衝突による圧力変動を抑えることができるので、遠心ファンのシュラウドと送風ケースとの間に生ずる逆流による騒音を充分に抑制可能となる。
また、第3の観点によれば、遠心式送風機の送風ケースは、近接隙間流路を形成する部位の形状が円弧形状となっている。このように、送風ケースにおける近接隙間流路を形成する部位の形状をエッジがない円弧形状とすれば、送風ケースにおける近接隙間流路を形成する部位への気流の衝突による圧力変動を充分に抑えることができる。この結果、遠心ファンのシュラウドと送風ケースとの間に生ずる逆流による騒音を充分に抑制可能となる。
また、第4の観点によれば、遠心式送風機は、円弧形状の半径が、シュラウドにおける近接隙間流路を形成する部位の厚みよりも小さくなっている。これによれば、近接隙間流路の流路幅が過度に拡大しないので、近接隙間流路を介した逆流が増大してしまうことを抑えて、吐出空気流路を流れる空気の流量を充分に確保することができる。
また、第5の観点によれば、遠心式送風機は、近接隙間流路の流路幅が、隙間流路における近接隙間流路の逆流流れ下流側の遠隔隙間流路の流路幅に比べて大きくなっている。このように、隙間流路の近接隙間流路の流路幅を遠隔隙間流路の流路幅に比べて大きくすることで、近接隙間通路に流入する逆流の流速を充分に抑えることができる。また、遠隔隙間流路の流路幅が近接隙間流路の流路幅に比べて小さくなることで、隙間流路を流れる逆流が増大してしまうことを抑えることができるので、吐出空気流路を流れる空気の流量を充分に確保することができる。
また、第6の観点によれば、遠心式送風機の吐出空気通路は、近接隙間流路よりも径方向外側において、複数枚の羽根の後縁部に最も近い位置における軸方向の長さが、羽根高さ以上、且つ、ファン高さ以下となっている。なお、羽根高さは、複数枚の羽根の後縁部における軸方向の長さである。また、ファン高さは、遠心ファンにおける前記後縁部における軸方向の長さである。
これによると、遠心ファンから吐出された空気を外部に導く空気流路を実質的に急拡大や急縮小のない流路形状とすることができる。このため、遠心ファンの羽根の後縁部付近における空気流路の急拡大や急縮小に起因する騒音を抑えることができる。
また、第7の観点によれば、遠心式送風機の吐出空気流路は、近接隙間流路よりも径方向外側において、軸方向の他方側に傾いた状態で径方向の外側に延びている。このように、遠心ファンから吐出された気流の流速分布に合わせて吐出空気流路の流路形状を設定すれば、吐出空気流路を形成する壁面における気流の剥離を低減することができる。この結果、吐出空気流路を空気が流れる際の騒音を抑制することが可能となる。

Claims (5)

  1. 空気を送風する遠心式送風機であって、
    回転軸(20a)の軸方向の一方側から吸い込んだ空気を前記回転軸の径方向外側に向けて吐出する遠心ファン(20、20A)と、
    前記遠心ファンを収容すると共に、前記回転軸を中心とする全周にわたって開口する送風ケース(10、10A、10B、10C)と、を備え、
    前記遠心ファンは、前記回転軸の周方向に並んで配置される複数枚の羽根(21)、前記複数枚の羽根における前記軸方向の一方側を連結するシュラウド(22)、前記複数枚の羽根における前記軸方向の他方側を連結すると共に、前記回転軸に連結される主板(23)を有しており、
    前記送風ケースには、前記軸方向の一方側に空気を吸い込む空気吸込口(111a)が形成されており、
    前記送風ケースの内部には、前記複数枚の羽根の後縁部(21b)よりも空気流れ下流側に前記径方向外側に延びる吐出空気流路(13)が形成されており、
    前記シュラウドと前記送風ケースとの間には、前記空気吸込口と互いに隣り合う前記羽根の後縁部間に形成される空気流出部(211)とを連通させる隙間流路(15)が形成されており、
    前記シュラウドは、前記複数枚の羽根の後縁部側に位置する後縁側端部(222)を有しており、
    前記後縁側端部および前記送風ケースは、前記径方向において隙間を介して互いに対向配置されており、
    前記隙間流路は、前記後縁側端部および前記送風ケースにおける前記径方向に対向する部位で形成される近接隙間流路(151)を含んでおり、
    前記近接隙間流路は、前記空気吸込口側に比べて、前記空気流出部側の方が、前記径方向における面積が大きくなっており、
    前記送風ケースは、前記近接隙間流路を形成する部位の形状が円弧形状となっており、
    前記送風ケースにおける前記円弧形状となる部位と前記後縁側端部とが、前記近接隙間流路を介して前記径方向に対向しており、
    前記円弧形状の半径(R)は、前記シュラウドにおける前記近接隙間流路を形成する前記後縁側端部の厚み(Th)よりも小さくなっている遠心式送風機。
  2. 前記送風ケースは、前記近接隙間流路を形成する部位(112)の径方向寸法が前記空気流出部側に近づくにつれて大きくなっている請求項1に記載の遠心式送風機。
  3. 前記近接隙間流路の流路幅(Cw1、Cw2)は、前記隙間流路における前記近接隙間流路の逆流流れ下流側の遠隔隙間流路(152)の流路幅(Ch)に比べて大きくなっている請求項1または2に記載の遠心式送風機。
  4. 前記複数枚の羽根の後縁部における前記軸方向の長さを羽根高さ(Lb)とし、前記遠心ファンにおける前記後縁部における前記軸方向の長さをファン高さ(Lf)としたとき、
    前記吐出空気通路は、前記近接隙間流路よりも前記径方向外側において、前記複数枚の羽根の後縁部に最も近い位置における前記軸方向の長さ(La)が、前記羽根高さ以上、且つ、前記ファン高さ以下となっている請求項1ないしのいずれか1つに記載の遠心式送風機。
  5. 前記吐出空気通路は、前記近接隙間流路よりも前記径方向外側において、前記軸方向の他方側に傾いた状態で前記径方向外側に延びている請求項1ないしのいずれか1つに記載の遠心式送風機。
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