JP4181736B2 - 電子写真用トナー、画像形成方法及び印刷物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成方法、それに用いる電子写真用トナー及びそれにより形成された印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】
フルカラー電子写真用には従来、電子写真感光体等の潜像坦持体に色画像情報に基づく潜像を形成し、該潜像を対応する色のトナーにより現像し、次いで該トナー像を転写材上に転写するといった画像形成工程を繰り返した後、転写材上のトナー像を加熱定着して多色画像を得る方法や装置が知られている。
【0003】
多色画像は写真画像などの再現等から適度な光沢が必要とされ、得られる画像のトナー層が平滑になるようにする必要がある。このためカラートナーに使用される結着樹脂は一般的に低い軟化点を持つものが使用される。
【0004】
近年、電子写真技術を用いたカラー複写機やカラープリンターが広く使用されるようになってきており、これら機械のフルカラーの再現については比較的良好であるが、モノクロ画像についてはモノクロの専用機に比べて速度が遅いことや、カラー機においてのモノクロ画像がモノクロ専用機と異なることから、カラー画像はカラー機で、モノクロ画像はモノクロ機でとのすみ分けがはっきりしてしまい、モノクロの画像の複写が中心であるオフィスへの進出を困難にしている。
【0005】
特にモノクロ画像については従来から光沢が低い、いわゆる艶消し調の物が好まれている為、光沢があるカラー機でのモノクロ画像については、その光沢が敬遠される傾向にある。この為黒色トナーについて、光沢を抑える手段として、一般のモノクロ専用機の黒色トナーと同様の樹脂や軟化点の比較的高い高分子の樹脂を用いる方法がある。
【0006】
たとえば特開平6−148935号では黒色トナーの樹脂成分の分子量分布及び溶融粘度を規定し、白黒複写画像形成時とカラー複写画像の形成時とで定着の熱量を変えることで光沢を調整するとしている。しかし、黒色トナーの諸物性を規定してもカラー再現において多色トナーと黒色トナーの光沢が著しく異なる可能性が生じる。そうすると人間の顔など黒色部を含む写真画像で光沢の差から著しく見苦しくなったりする。特に文字部と写真部が混在する場合においては、カラー写真のハイライト部と文字部で非常に大きな光沢度差があり文字、画像ともに見にくくなる。
【0007】
一般にトナー画像の光沢度は、トナー画像形成に際して、使用したトナー量に比例する。従って、少ないトナー量で現像された画像は、光沢度が低くなり、多いトナー量で現像された画像は、光沢度が高くなる傾向がある。このような特性は、単色のトナー画像のコントラストの調節には、ある程度使える特性である。しかしながら、特に写真などから、フルカラーの画像を再生しようとするときには、画像の黒色部に黒色トナーが多量に転写する傾向がある。それは、フルカラーの画像において黒色部の濃度がそれ以外の有色部分の濃度より高いからである。黒色トナーと黒色以外の有色トナーをそれぞれ単独に使用して、単色画像を形成したときに同一の光沢度を有するようなときに、そのようなトナーを使用して、フルカラーの画像を再生すると、黒色部の光沢度が他の有色部の光沢度と比較して、非常に高くなり、光沢ムラが生じて綺麗なフルカラー画像とはならない。
【0008】
これを解消する手段として特開平10−268562号では、カラー画像におけるカラー及び黒色トナーの光沢差を規定したものがあるが、これについてはモノクロ画像の出力の際、黒色トナーの光沢が完全に消すことが出来ずいわゆる艶消し調とならない為、白黒を出せるカラー機としては存在しにくい。
【0009】
一方、光沢の調整は上記トナー条件のほかに転写材、転写材上のトナー量、及び画像形成方法に用いられる定着器の構成、定着条件にも依存している。例えば特開平4−1670号には定着装置について示されており、転写材に応じて定着条件が選択出来るようになっている。しかしこれらの条件のみでは有彩色における黒色の調整は不可能であった。
【0010】
また、カラートナーにおいてはトナーの溶融が不完全であることに起因し、発色性及びOHPシートの光透過性の低下が生じてしまう問題がある。この為、カラー機においては定着時に、定着を十分行ない、かつオフセットさせない為に、多くは定着ローラへオイル塗布処理を行っており、これらも光沢に影響を与えている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような従来技術の問題点を解消するためになされたものであって、その目的は多色画像に対しては黒色部の光沢度を抑制し画像全体としてバランスとれた見やすい画像を形成するとともに、モノクロ画像についてはユーザーに好まれる艶消し画像を形成するトナー、画像形成方法及び印刷物を提供することにある。
【0012】
【発明を解決する為の手段】
本発明は上記の課題を解決すべくなされたものである。すなわち、本発明者等は、多色画像形成及びモノクロ画像形成が行なえる画像形成装置を用いて画像の形成を行なう場合に、多色印刷時の黒色トナーの画像光沢度と、多色印刷時の有彩色トナーの画像光沢度と、モノクロ印刷時の黒色トナーの画像光沢度との間に、所定の関係をもたせることによって、上記の目的が達成できることを見出した。本発明はそれに基づいてなされたものである。
【0013】
本発明の第1の発明によれば、少なくとも黒色を含む複数色のトナーを用いて異なった色のトナー像を重ねることによる多色画像形成と、黒色トナーのみを用いたモノクロ画像形成の両者が可能な画像形成装置を用い、かつ各色トナーの画像上の最大転写量が4×10-3〜8×10-3kg/m2の範囲である画像形成方法において、多色印刷時の黒色トナーの最大転写量における画像光沢度をGKC、多色印刷時の有彩色トナーの最大転写量における画像光沢度をGCC、モノクロ印刷時の黒色トナーの最大転写量における画像光沢度をGKMとした時に、下式の関係が成り立つことを特徴とする画像形成方法が提供される。
4≦GKC≦25 (%)
5≦GCC≦30 (%)
1≦GKM≦10 (%)
0.5≦GKC/GCC≦0.9
0.1≦GKM/GKC≦0.7
GKM≦GKC≦GCC
【0014】
本発明の第2の発明は、多色印刷時とモノクロ印刷時における設定定着温度及びニップ圧力が同じでかつ
1.2≦(モノクロ印刷時の線速/多色印刷時の線速)≦2.0
の条件下で定着を行うことを特徴とする上記第1の発明の画像形成方法である。
【0015】
本発明の第3の発明は、黒色を除く前記複数色のトナーは各々少なくとも着色剤と、分子量及び分子量分布が、重量平均分子量(MW):10000〜25000、数平均分子量(MN):2000〜7000及び重量平均分子量(MW)/数平均分子量(MN):3〜10である樹脂成分を含有してなる電子写真用トナーであり、黒色トナーは少なくとも着色剤と、該樹脂成分と、該樹脂成分100重量部に対し1〜10重量部の少なくとも1種の非相溶性樹脂(前記樹脂成分に対して非相溶性の樹脂)とを含有する電子写真用トナーであることを特徴とする上記第1又は第2の発明の画像形成方法である。
【0016】
本発明の第4の発明は、黒色トナー以外の前記複数色のトナーの色がイエロー、マゼンタ、及びシアンであることを特徴とする上記第1〜第3のいずれかの発明の画像形成方法である。
【0017】
本発明の第5の発明は、分子量及び分子量分布が、重量平均分子量(MW):10000〜25000、数平均分子量(MN):2000〜7000及び重量平均分子量(MW)/数平均分子量(MN):3〜10である前記樹脂成分がポリエステル樹脂であることを特徴とする上記第3の発明の画像形成方法である。
【0018】
本発明の第6の発明は、前記非相溶性樹脂のMI値が1〜30であることを特徴とする上記第3の発明の画像形成方法である。
【0019】
本発明の第7の発明は、前記非相溶性樹脂がスチレンアクリル樹脂であることを特徴とする上記第3又は第6の発明の画像形成方法である。
【0020】
本発明の第8の発明は、定着ローラに1〜1000ストークスのシリコンオイル成分を3〜8×10-5kg/m2塗布して定着を行うことを特徴とする上記第1〜第7のいずれかの画像形成方法である。
【0021】
本発明の第9の発明は、少なくとも黒色を含む複数色のトナーにおいて、黒色を除く前記複数色のトナーは各々少なくとも着色剤と、分子量及び分子量分布が、重量平均分子量(MW):10000〜25000、数平均分子量(MN):2000〜7000及び重量平均分子量(MW)/数平均分子量(MN):3〜10である樹脂成分を含有してなる電子写真用トナーであり、黒色トナーは少なくとも着色剤と、該樹脂成分と、該樹脂成分100重量部に対し1〜10重量部の少なくとも1種の非相溶性樹脂(前記樹脂成分に対して非相溶性の樹脂)を含有することを特徴とする電子写真用トナーである。
【0022】
本発明の第10の発明は、黒色トナー以外の前記複数色のトナーの色がイエロー、マゼンタ、及びシアンであることを特徴とする上記第9の発明の電子写真用トナーである。
【0023】
本発明の第11の発明は、分子量及び分子量分布が、重量平均分子量(MW):10000〜25000、数平均分子量(MN):2000〜7000及び重量平均分子量(MW)/数平均分子量(MN):3〜10である前記樹脂成分がポリエステル樹脂であることを特徴とする上記第9又は第10の発明の電子写真用トナーである。
【0024】
本発明の第12の発明は、前記非相溶性樹脂のMI値が1〜30であることを特徴とする上記第9の発明の電子写真用トナーである。
【0025】
本発明の第13の発明は、少なくとも黒色を含む複数色のトナーを用いて異なった色のトナー像を重ねることによる多色画像形成と、黒色のみを用いたモノクロ画像形成の両者が可能な画像形成装置を用い、かつ各色トナーの画像上の最大転写量を4×10-3〜8×10-3kg/m2とする画像形成方法で形成された印刷物において、多色印刷時の黒色トナーの最大転写量における画像光沢度をGKC、多色印刷時の有彩色トナーの最大転写量における画像光沢度をGCC、モノクロ印刷時の黒色トナーの最大転写量における画像光沢度をGKMとしたときに、下式の関係が成り立つことを特徴とする印刷物である。
4≦GKC≦25 (%)
5≦GCC≦30 (%)
1≦GKM≦10 (%)
0.5≦GKC/GCC≦0.9
0.1≦GKM/GKC≦0.7
GKM≦GKC≦GCC
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明において光沢度は、定着画像サンプルを光沢度計(VG−1D)(日本電色社製)を用い、投光角度、受光角度をそれぞれ60°にあわせ、S、S/10の切り替えSWはSにあわせ、0調整及び標準板を用い、標準設定の後試料台に前記画像を置き、測定を行っている。
【0027】
また、本発明における画像上の最大転写量とは、画像形成装置において単色のベタ画像を作成した際の転写材への転写量を示す。最大転写量が8×10-3kg/m2以上であると、フルカラーで再現の際、トナー量が多すぎ、転写チリが発生し易く、混色不良による色ムラや、OHPシートの透過性の不良が発生し易く、また光沢も高くなり易く好ましい画像が得られない。最大転写量が4×10-3kg/m2以下であると、望むべく光沢がえられたとしても、着色度の低い色の淡い画像となり、望ましい画像が得られない。
【0028】
本発明によれば多色画像形成の黒画像や有彩色画像、モノクロ画像形成の黒画像の光沢に上限を設けることにより、光沢度が必要以上に高くなるのを防止でき、更に多色画像中の黒の光沢度を有彩色の光沢度よりも相対的に低くすることにより黒色トナーの余計な発色を押さえることが出来、落ち着いた見やすい多色画像を提供することが出来る。逆にある程度光沢がないと、とくに写真画像などにおいてみすぼらしい画像となってしまう。
【0029】
更に多色画像形成において、4≦GKC≦25(%)、5≦GCC≦30(%)であって、黒部分と有彩色部分の関係が0.5≦GKC/GCC≦0.9であれば写真画像などの有彩色、黒が混在する画像において調和のとれた多色画像となるが、0.9より高くなると無彩色である黒が必要以上に目立ってしまい、0.5以下であると黒の発色が少なく写真画像などとの光沢差が大きすぎ、全体のバランスがとれない画像となってしまう。更に好ましくは0.6≦GKC/GCC≦0.85である。
【0030】
一方、多色画像形成時の黒は上記理由からある程度の光沢度は必要であるが、モノクロ画像形成時の黒はさらに光沢がないほうが望まれる。その為1≦GKM≦10(%)かつGKM≦GKC≦GCCかつ0.1≦GKM/GKC≦0.7である必要がある。
【0031】
ここで本発明に用いられる定着装置の一例を図1に示す。定着ローラ1と加圧ローラ2に圧力をかけて未定着トナー像8を定着させる。定着ローラ1の表面には離型層3が設けられている(例えば、シリコンゴム)。又、加圧ローラ2の表面にも離型層3が設けられている(例えば、フッ素樹脂)。定着ローラ1の表面にはオイル塗布フェルト6によりシリコンオイル7が塗布されていて、定着ローラ1の表面にトナーが付着するのを防止している。分離爪10によって、定着ローラ1から転写紙9を剥離する。定着ローラ1と加圧ローラ2の表面温度はヒーター5により加熱されており、図示しないサーミスターによって、任意な温度にコントロールされて、トナーが定着される。オイル塗布フェルト6と分離爪10との間には必要に応じて、フェルト11を取り付けてクリーニングの機能をもたせても良い。フェルト11は同様に加圧ローラ2にも取付けても良い。
【0032】
本発明において、多色画像形成時とモノクロ画像形成時で黒の光沢性を変化させる為には、定着装置の熱エネルギーを変えて行うことが望ましい。定着の熱エネルギーを変えるには、一般的に定着温度、定着のニップ幅、定着の線速等を変える方法があるが、定着温度を変更するのは時間がかかることや、定着のニップ幅を変える為には圧力を制御する装置が必要となり、好ましくない。
【0033】
このため、定着の線速を多色印刷時、モノクロ印刷時で変えることが望ましく、更に好ましくは定着の線速を
1.2≦(黒のみ印刷時の線速/多色印刷時の線速)≦2.0
とするのがよい。この場合、2.0より線速比が大きいと多色印刷時光沢度があがりすぎたりホットオフセットが発生してしまう可能性が大きくなる。又、1.2より小さいとモノクロ印刷時と多色印刷時で黒色トナーに光沢差が生じにくく望むべく画像が得られない。1.3≦(黒のみ印刷時の線速/多色印刷時の線速)≦1.9であれば更に好ましい画像が得られる。
【0034】
又、安定した光沢を得る為にはオイル塗布量の最適化も重要である。オイル塗布量の下限はトナー画像が定着ローラへのオフセットが起きない条件で決まる。又、上限はオイルが媒体上でユーザーに不快感を味あわせないことで決まってくる。ここでのユーザーへの不快感とは、具体的には高印字率での用紙カールの増大や印字面への過剰オイル付着によるぬめり感等である。
【0035】
しかし、厳密にオイル塗布量の上下限を決めるには、光沢度も考慮に入れることが必要である。光沢度の満足域は通常オフセットによる下限値と、不快感で決まる上限値よりも狭い範囲に存在している。そのため、オイル塗布量は前述の光沢度を満足させるには、可能な限り下限に近い領域に抑えることが必要になる。
【0036】
各色トナーの画像上の最大転写量が4×10-3〜8×10-3kg/m2でのオイル塗布量としては、ニップ幅4.5±0.5mm、ニップ圧15±3kgf、定着温度140±5℃のときA4用紙一枚あたり2.5〜3.5mg、つまり3〜8×10-5kg/m2であり、好ましくは4〜6×10-5kg/m2である。
【0037】
本発明で用いられる結着樹脂は公知のものが使用可能であり、具体的には、従来からトナー用結着樹脂として使用されてきたものは全てが適用される。このような樹脂としては、例えば、ポリオール樹脂、スチレンアクリル共重合体、ポリスチレン、ポリクロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチレン/ビニルナフタレン共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン/ビニルメチルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/アクリロニトリル/インデン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルブチルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、これらは単独であるいは2種以上混合して使用される。
【0038】
その中でも黒色を除く複数色のトナーにおいては、結着樹脂の構成する樹脂成分の、分子量及び分子量分布が、重量平均分子量(MW):10000〜25000、数平均分子量(MN):2000〜7000及び重量平均分子量(MW)/数平均分子量(MN):3〜10である樹脂成分であることが望ましい。
【0039】
樹脂成分の重量平均分子量が、25,000よりも多くなると、熱エネルギーを変えることによる定着性の確保が厳しくなり、10000よりも小さくなると光沢が上がり過ぎるため好ましくない。又、数平均分子量が2000以下であると耐熱性や、長期間の保存性の問題が発生し、7,000よりも大きいと定着温度を上げなくてはならず好ましくない。又、重量平均分子量/数平均分子量が10よりも大きいと、厚紙やOHPシートなどにおいて十分な光沢性がえられなくなってしまい、3以下であると高温オフセットが発生する可能性が大きくなってしまう。
【0040】
更にこの樹脂成分がポリエステル樹脂であると、製造上に利点があることや、保存性等が他に比べよいことから望ましい。
【0041】
又、黒色トナーにおいても前記公知の結着樹脂が使用可能であるが、黒色を除く複数色のトナーと同様、結着樹脂の構成する樹脂成分の、分子量及び分子量分布が、重量平均分子量(MW):10000〜25000、数平均分子量(MN):2000〜7000及び重量平均分子量(MW)/数平均分子量(MN):3〜10である樹脂成分を使用することが望ましい。
【0042】
さらに黒色トナーにおいては黒色を除く複数色のトナーに比べ光沢度を下げるよう調整する必要がある。このため、上記結着樹脂に対し非相溶である樹脂を上記結着樹脂100重量部に対して1〜10重量部含有させることが望ましい。1重量部以上の非相溶性樹脂を含有することで黒色を除く複数色のトナーよりも光沢を落とすことができるが、10重量部を超えると黒色トナーの光沢が低くなりすぎ望むべき光沢が得られない。更にこの樹脂のMI値が1〜30である高分子成分であれば非相溶性が高くなり望むべく光沢がえられることから好ましい。非相溶性樹脂がスチレンアクリルであるとバランスのとれた光沢が得られ、更に好ましい。
【0043】
ここで分子量分布及び、MI値の測定法は以下の様に行っている。
【0044】
(重量平均分子量)GPCによる測定で、40℃のヒートチャンバー内でカラムを安定させ、このカラムに溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、試料濃度の0.05〜0.6重量%に調整したトナー又はレジンのTHF試料溶液50〜200μlを注入して測定する。
【0045】
(MI値)トナー及びレジンの試料5gをTOYOSEIKI製FLOW RATE COUNTER TYPE−C−5059Dに静置する。プランジャーの圧力を2160g、昇温後の平衡温度を150℃にセットし試料のMI(10分/g)を測定する。
【0046】
着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミユウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、オイルイエロー、ハンザイエロー、(GR、A、RN、R),ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラゲンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミユウムレッド、カドミユウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイヤーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーミンBS、パーマネントレッド(E2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマリーン、パ−マネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマリーンライト、ボンマリーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレットB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサジンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアンエメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物等が挙げられる。
【0047】
着色剤の使用量は一般にバインダー樹脂100重量部に対し0.1〜50重量部である。
【0048】
本発明における黒色を除く複数色のトナーはどの様な色であってもかまわないが、フルカラーを再現できることが好ましい。更に黒以外の複数色のトナーがイエロー、シアン、マゼンタの3色であると、現像の回数が少なくてすみ、かつ比較的広い色調範囲をカバーできることから好ましい。
【0049】
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
【0050】
本発明において荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、2〜5重量部の範囲がよい。0.1重量部未満では、トナーの負帯電が不足し実用的でない。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、キャリアや現像スリーブ等との静電的吸引力の増大によるスペントやフィルミングなどのよって画像濃度の低下を招く。又、必要に応じて、複数の荷電制御剤を併用してもよい。
【0051】
本発明においてはトナー単独で現像剤となし静電潜像を顕像化する、いわゆる1成分現像法で現像しても良いし、トナーとキャリアを混合してなる2成分現像剤を用いて静電潜像を顕像化する2成分現像法で現像しても良い。
【0052】
2成分現像法で使用されるキャリアとしては鉄粉、フェライト、ガラスビーズ等、従来と同様のものが挙げられる。なおこれらキャリアは樹脂を被覆したものでもよい。この場合使用される樹脂はポリ弗化炭素、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フェノール樹脂、ポリビニルアセタール、シリコーン樹脂等である。
【0053】
いずれにしてもトナーとキャリアとの混合割合は、一般にキャリア100重量部に対しトナー0.5〜6.0重量部程度が適当である。
【0054】
本発明の黒色を含む複数色のトナ−は必要に応じて外添剤と混合してもよい。外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2nmであることが好ましく、特に5nm〜500nmであることが好ましい。又、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
【0055】
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
【0056】
この他の外添剤としては、高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
【0057】
本発明の黒色を含む複数色のトナーを製造するにあたっては、上述した様な構成材料をヘンシェルミキサー等の混合機にて混合した後、連続混練機或いはロールニーダー等の混練機にて、加熱混練し、混練物を冷却固化後、粉砕分級し、所望の平均粒径を得る方法が好ましい。他には、噴霧乾燥法、重合法及びマイクロカプセル法等の方法がある。更にこうして得られたトナーを必要に応じて所望の添加剤とヘンシェルミキサー等の混合機にて十分に混合し、トナーを製造することができる。
【0058】
【実施例】
以下、実施例より本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、ここでの部は重量基準をあらわす。又、以下の実施例及び比較例において、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各トナーとも着色剤の種類及び量はすべて同一である。各色共通材料となる樹脂とブラックで用いられる非相溶性樹脂については各実施例及び比較例に示すとおりである。
【0059】
(樹脂の合成例)
【0060】
(ポリエステル樹脂の合成例)
合成例1
攪拌装置、温度計、窒素導入口、流下式コンデンサー、冷却管付き4つ口セパラブルフラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン740g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン300g、テレフタル酸ジメチル466g、イソドデセニル無水コハク酸80g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−ブチル114gをエステル化触媒とともに加えた。窒素雰囲気下で前半210℃まで常圧昇温し、後半210℃減圧にて撹拌しつつ反応させた。酸価2.3KOHmg/g、水酸基価28.0KOHmg/g、軟化点106℃、Tg62℃、Mn=2900、Mw=15000、Mw/Mn=5.2のポリエステル樹脂を得た(以下ポリエステル樹脂A1という)。
【0061】
合成例2
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン650g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン650g、イソフタル酸515g、イソオクテニルコハク酸70g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸80gをエステル化触媒とともにフラスコに加えた。これらを合成例1と同様の装置、同様の処方にて反応させ、酸価19.5KOHmg/g、水酸基価35.0KOHmg/g、軟化点110℃、Tg60℃、Mn=6800、Mw=24500、Mw/Mn=3.6のポリエステル樹脂を得た(以下ポリエステル樹脂A2という)。
【0062】
合成例3
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン314g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン863g、イソフタル酸648g、イソオクテニルコハク酸150g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸100gをエステル化触媒とともにフラスコに加えた。これらを合成例1と同様の装置、同様の処方にて反応させ、酸価21.0KOHmg/g、水酸基価24.0KOHmg/g、軟化点128℃、Tg65℃、Mn=5800、Mw=55500、Mw/Mn=9.5のポリエステル樹脂を得た(以下ポリエステル樹脂A3という)。
【0063】
合成例4
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1225g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン165g、テレフタル酸500g、イソドデセニル無水コハク酸130g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリイソプロピル170gをエステル化触媒とともにフラスコに加えた。これらを合成例1と同様の装置、同様の処方にて反応させ、酸価0.5KOHmg/g、水酸基価25.0KOHmg/g、軟化点109℃、Tg63℃、,Mn=5800、Mw=15000、Mw/Mn=2.6のポリエステル樹脂を得た(以下ポリエステル樹脂A4という)。
【0064】
合成例5
合成例4と同様の条件で反応時間を短縮させ酸価0.5KOHmg/g、水酸基価25.0KOHmg/g、軟化点109℃、Tg63℃、,Mn=2900、Mw=5800、Mw/Mn=2.0のポリエステル樹脂を得た(以下ポリエステル樹脂A5という)。
【0065】
(ポリオール樹脂の合成例)
【0066】
合成例6
合成例1の装置を用いて、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約360)205.3g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約3000)54.0g、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加体のグリシジル化物432.0g、ビスフェノールF282.7g、p−クミルフェノール26.0g、キシレン200gを加えた。窒素雰囲気下で70〜100℃まで昇温し、塩化リチウムを0.183g加え,更に160℃まで昇温し減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温度で6〜9時間重合させて、酸価0.0KOHmg/g、水酸基価58.0KOHmg/g、軟化点109℃、Tg62℃、Mn=3200、Mw=13000、Mw/Mn=4.1のポリオール樹脂を得た(以下ポリオール樹脂A6という)。
【0067】
(スチレンアクリル樹脂例)
スチレンアクリル樹脂B1:スチレン/n−ブチルアクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート共重合体(MI値5、Tg65℃)
スチレンアクリル樹脂B2:スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体(MI値50、Tg63℃)
【0068】
(実施例1)
各色共通材料
樹脂:ポリエステル樹脂A1 100部
帯電制御剤:サリチル酸亜鉛誘導体 4部
各色別材料
ブラック
樹脂:スチレンアクリル樹脂B1(MI値5) 5部
着色剤:カーボンブラック 5部
イエロー
着色剤:ジスアゾ系イエロー顔料
C.I.PIGMENT YELLOW17) 5部
シアン
着色剤:銅フタロシアニンブルー顔料 4部
(C.I.PIGMENT BLUE15)
マゼンタ
着色剤:
(C.I.PIGMENT RED184) 4部
【0069】
上記組成の各色の混合物をロールミルで溶融混練し、冷却後、ハンマーミルで粗粉砕後、ジェットミルで微粉砕してえられた微粉末を分級し約9μmとした。更にこれと疎水性シリカR972(日本アエロジル社製)を高速回転式混合器を用いて混合し、各色のトナーを得た。
【0070】
画像の作成および定着画像はこれらの複数のトナーを富士通社製プリンターGL−8300改造機にセットし、最大転写量からなる画像を出力した。条件を統一する為に定着温度は140度、多色印刷時の定着の線速を57mm/s、定着ニップ圧を15kgf、ニップ幅を4〜4.5mmについては統一した。
【0071】
画像は転写紙にリコー社製TYPE6000(70W)を用い、それぞれについて多色画像印刷とモノクロ印刷を行い、画像について光沢度を測定した。さらにNBSリコー社製複写印刷用紙135k紙を用いて1000枚の多色印刷を行ない定着性の確認を行った。モノクロ印刷時の定着の速度は91mm/s(モノクロ印刷時の線速/多色印刷時の線速=1.6)とした。又定着時のシリコンオイルの塗布量を5×10-5kg/m2に設定した。画像はバランスの取れた画像であり、定着性も良好であった。
【0072】
GCC、GKC、GKM、GKC/GCC、GKM/GKC及び定着評価結果を以上の条件等とともに表1に示す。
【0073】
比較例4
実施例1と同様のトナー及び定着温度を用いて行った。定着条件は表1に示すように、モノクロ印刷時の定着速度を125mm/s(モノクロ印刷時の線速/多色印刷時の線速=2.2)及びオイル塗布量を10×10-5kg/m2とした。その結果、画像については問題なかったが厚紙での画像だしにおいて一部定着不良が認められた。また普通紙において用紙カールが比較的顕著であった。結果を表1に示す。
【0074】
(実施例3)
イエロー、マゼンタ、シアンについては実施例1と同様なトナーを用い、ブラックについては実施例1においてスチレンアクリル樹脂B1を10部とした以外は実施例1と同様なものを黒色トナーとした。定着条件は108mm/s(モノクロ印刷時の線速/多色印刷時の線速=1.9)、又定着時のシリコンオイルの塗布量を5×10-5kg/m2に設定した。画像は多色印刷においてモノクロの光沢が低めであったが問題になるほどでなかった。定着は良好であった。結果を表1に示す。
【0075】
(実施例4)
各色共通材料として
樹脂:ポリオール樹脂A6 100部
(Mn=3200、Mw=13000、Mw/Mn=4.1)
帯電制御剤:サリチル酸亜鉛誘導体 4部
を用いた以外は実施例1と同様にして各色のトナーを得た。定着条件は68mm/s(モノクロ印刷時の線速/多色印刷時の線速=1.2)、又定着時のシリコンオイルの塗布量を10×10-5kg/m2に設定した。画像は光沢が高めであったが問題なく、定着は良好であったが、普通紙において用紙カールが比較的顕著であった。結果を表1に示す。
【0076】
(実施例5)
実施例1においてポリエステル樹脂をA1からA2に変更した以外は同様にして各色のトナーを得た。モノクロ印刷時の定着線速は91mm/s(モノクロ印刷時の線速/多色印刷時の線速=1.6)とした。又定着時のシリコンオイルの塗布量を15×10-5kg/m2に設定した。全体的に光沢が低めであったが問題はなかった。定着は良好であった。また普通紙において用紙カールが比較的顕著であった。結果を表1に示す。
【0077】
(実施例6)
イエロー、マゼンタ、シアンについては実施例1と同様なトナーを用い、ブラックについては、スチレンアクリル樹脂B2を5部用いた以外は実施例1と同様の条件でトナーを得た。モノクロ印刷時の線速91mm/s(モノクロ印刷時の線速/多色印刷時の線速=1.6)、オイル塗布量は5×10-5kg/m2とした。モノクロの光沢が高めであったが問題になるほどでなかった。定着は問題なかった。結果を表1に示した。
【0078】
(実施例7)
実施例1において、ポリエステル樹脂A1をポリエステル樹脂A3に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。モノクロ印刷時の線速91mm/s(モノクロ印刷時の線速/多色印刷時の線速=1.6)、オイル塗布量を15×10-5kg/m2とした。画像の光沢は良好であったが、厚紙において定着不良であるいわゆるコールドオフセットが発生してしまった。結果を表1に示す。
【0079】
(実施例8)
実施例1において、ポリエステル樹脂A1をポリエステル樹脂A4に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。モノクロ印刷時の線速91mm/s(モノクロ印刷時の線速/多色印刷時の線速=1.6)、オイル塗布量を5×10-5kg/m2とした。画像の光沢は良好であったが、1000枚の画像だし後定着のクリーニング部分がひどく汚れる定着不良、いわゆるホットオフセットが発生してしまった。結果を表1に示す。
【0080】
(比較例1)
実施例1と同様のトナーを用いた。モノクロ印刷時の線速63mm/s(モノクロ印刷時の線速/多色印刷時の線速=1.1)、オイル塗布量を5×10-5kg/m2とした。画像は多色印刷時の黒と、モノクロ印刷時の黒で光沢度が大きな差とならず黒の光沢度が高すぎてしまう画像となった。結果を1に示す。
【0081】
(比較例2)
実施例1において、ポリエステル樹脂A1をポリエステル樹脂A5に変更した以外は実施例1と同様にして多色トナーを得た。モノクロ印刷時の線速91mm/s(モノクロ印刷時の線速/多色印刷時の線速=1.6)、オイル塗布量を10×10-5kg/m2とした。画像の光沢は有彩色、黒色ともに高すぎ、また1000枚の画像だし後定着のクリーニング部分がひどく汚れる定着不良、いわゆるホットオフセットが発生してしまった。結果を表1に示す。
【0082】
(比較例3)
実施例1において、ポリエステル樹脂A1をポリオール樹脂A6に変更した以外は実施例1と同様にして多色トナーを得、一方、ブラックについてはスチレンアクリル樹脂B1を用いない以外は実施例1と同様にして黒色トナーを得た。モノクロ印刷時の線速91mm/s(モノクロ印刷時の線速/多色印刷時の線速=1.6)、オイル塗布量を5×10-5kg/m2とした。画像の光沢は有彩色部より黒部が高くなってしまった。結果を表1に示す。
【0083】
【表1】
Figure 0004181736
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来技術と比較して、多色画像に対しては黒色部の光沢度を抑制し、画像全体としてバランスとれた見やすい画像が得られるとともに、モノクロ画像についてはユーザーに好まれる艶消し画像が得られる。又、そのシステムに対応した画像形成方法、電子写真用トナーが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる定着装置の一例の図。
【符号の説明】
1 定着ローラ
2 加圧ローラ
3、4 耐熱離型層
5 ヒータ
6 オイル塗布フェルト
7 シリコンオイル
8 トナー
9 紙
10 分離爪
11 フェルト

Claims (8)

  1. 1種類の黒色トナーとカラートナーとを含む複数色のトナーを用いて異なった色のトナー像を重ねることによる多色画像形成と、前記黒色トナーのみを用いたモノクロ画像形成の両者が可能な画像形成装置を用い、
    多色印刷時とモノクロ印刷時における設定定着温度及びニップ圧力が同じで、かつ1.2≦(モノクロ印刷時の線速/多色印刷時の線速)≦2.0の条件下で定着を行い
    かつ各色トナーの画像上の最大転写量が4×10-3〜8×10-3kg/m2の範囲である画像形成方法において、
    多色印刷時の前記黒色トナーの最大転写量における画像光沢度をGKC、多色印刷時の各有彩色トナーの最大転写量における画像光沢度をGCC、モノクロ印刷時の前記黒色トナーの最大転写量における画像光沢度をGKMとしたときに、下式の関係が成り立つことを特徴とする画像形成方法。
    4≦GKC≦25(%)
    5≦GCC≦30(%)
    1≦GKM≦10(%)
    0.5≦GKC/GCC≦0.9
    0.1≦GKM/GKC≦0.7
    GKM≦GKC≦GCC
  2. 前記黒色トナーを除く前記複数色のトナーは各々少なくとも着色剤と、分子量及び分子量分布が、重量平均分子量(MW):10000〜25000、数平均分子量(MN):2000〜7000及び重量平均分子量(MW)/数平均分子量(MN):3〜10である樹脂成分を含有してなる電子写真用トナーであり、前記黒色トナーは少なくとも着色剤と、該樹脂成分と、該樹脂成分に対して非相溶性でかつ該樹脂成分100重量部に対し1〜10重量部の少なくとも1種の非相溶性樹脂とを含有する電子写真用トナーであることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
  3. 前記黒色トナー以外の前記複数色のトナーの色がイエロー、マゼンタ、及びシアンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 分子量及び分子量分布が、重量平均分子量(MW):10000〜25000、数平均分子量(MN):2000〜7000及び重量平均分子量(MW)/数平均分子量(MN):3〜10である前記樹脂成分がポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項2記載の画像形成方法。
  5. 前記非相溶性樹脂のMI値が1〜30であることを特徴とする請求項2記載の画像形成方法。
  6. 前記非相溶性樹脂がスチレンアクリル樹脂であることを特徴とする請求項2又は請求項5記載の画像形成方法。
  7. 定着ローラに1〜1000ストークスのシリコンオイル成分を3〜8×10−5kg/m塗布して定着を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成方法。
  8. 請求項1〜7に記載の画像形成方法により、記録媒体に画像形成したことを特徴とする印刷物。
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