JP4181475B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車に搭載される電動パワーステアリング装置に関する。
従来の電動パワーステアリング装置には、様々な形式のギヤボックスがある。そのギヤボックスの中でも代表的なものが、ステアリングシャフトに連動するピニオンシャフトに設けられたモータによってステアリングハンドルの手動操舵力を補助して車輪の操舵を行うピニオンアシスト式電動パワーステアリング装置である(例えば、特許文献1)。
そのピニオンアシスト式電動パワーステアリング装置は、ラックを設けたラック軸と、このラック軸を駆動するステアリングシャフト上に設けられてピニオンを有するピニオンシャフトで構成されるラック・ピニオン式ギヤボックスのウォームホイールと、このウォームホイールを駆動するモータと、このモータの回転を減速回転させるための減速歯車機構とから構成されている。
ウォームホイールは、ウォームからなる減速歯車機構を介してモータによって駆動されることにより、ステアリングハンドルの操舵力に応じてステアリングアシストを行っている。
従来からウォームとウォームホイールとの噛み合い部には、歯の撓みや軋みを防止するためにバックラッシ(遊び)がある。
しかしながら、バックラッシが大きい場合には、ウォームとウォームホイールの歯面が衝突して打音が発生していた。
そこで、前記特許文献1の電動式電動パワーステアリング装置では、ウォームとウォームホイールとの噛み合い部のバックラッシによる打音を抑制するために、軸受と回転軸との間に弾性体を配設している。
特許第3253578号公報(段落0012〜0014、図2(a)、(b)、(c))
特許文献1のものは、バックラッシが小さくならず、打音が抑制されるものの、まだその打音が残ってしまっていた。
図8は、従来のモータを2個有する電動パワーステアリング装置の構造を示す説明図である。
従来から自動車に搭載されているパワーステアリング装置は、二酸化炭素の排出量が油圧式に比べて小さいこと、高度な制御に対して油圧式よりも適していることなどから電動パワーステアリング装置が注目されている。
電動パワーステアリング装置が搭載された車両において、RV車のように高軸荷重の車両には、図8に示すように、大きなアシストトルクを得るため、またはどちらか1つのモータAが壊れたとしても他方の1つのモータBだけで駆動することができるようにするために、2個のモータA,Bを搭載したものがある。
ステアリングハンドル(図示せず)と一体に回転するステアリングシャフト(図示せず)は、ユニバーサルジョイント(図示せず)を介してピニオンシャフト100に接続されている。ピニオンシャフト100には、モータA,Bの回転を減速回転させるための減速歯車機構110のウォームホイール111が設置されている。ドリブンギヤとしてのウォームホイール111の左右両側には、2つのモータA,Bによって同じ方向に回転されるドライブギヤとしてのウォーム112,113が常時噛合している。2つのウォーム112,113の両端部には、それぞれ同じ弾発力を有する弾性体121,122,123,124が配設されている。
モータA,Bは、同一のトルクを備えた同じ形式のものが使用され、もし、どちらかのモータA,Bが故障したときには他方の1つのモータA,Bでピニオンシャフト100を回転できるパワーを備えている。
しかしながら、弾性体121,122,123,124は、ウォームホイール111が直進走行状態にあるとき、操舵トルクセンサ(図示せず)がOFFしており、モータA,Bが回転せず、ウォーム112,113のトルクが0で静止状態にある。各弾性体121,122,123,124は、それぞれ同じ弾発力であることにより、左のウォーム112も左のウォーム113もそれぞれ図8に示すようにセンタに押し戻されて、左右吊り合った状態になっている。
このため、ウォームホイール111とウォーム112,113との歯面間には、歯の撓みや軋み音などを防止するためのバックラッシ(遊び)S1,S2があり、打音が発生していた。
本発明の課題は、2つのモータを有する電動パワーステアリング装置において、その2つのモータと共に回転するドライブギヤと、このドライブに噛合するドリブンギヤとの間のガタ付きを防止した電動パワーステアリング装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置は、操舵機構に連結されたドリブンギヤと、前記ドリブンギヤに噛合し相対向している1組のドライブギヤと、前記ドライブギヤの両端に設けられた弾性体と、前記ドライブギヤを駆動する1組のモータと、を備えた電動パワーステアリング装置であって、前記弾性体は、前記ドリブンギヤの支軸を中心として対向位置に配置した前記弾性体の変形量を相違させたことを特徴とする。
ここで、ドライブギヤとは、モータを駆動源として回転する駆動歯車をいい、ドリブンギヤとは、その駆動歯車によって回転する被駆動歯車をいう。
請求項1に記載の本発明によれば、電動パワーステアリング装置は、1組のモータが回転すると、それと同時に1組のドライブギヤにはトルクがかかって回転して、ドリブンギヤを回転させる。その後、1組のモータが停止したとすると、各ドライブギヤも同時に停止する。このとき、電動パワーステアリング装置は、ドリブンギヤの支軸を中心として対向位置に配置した弾性体の変形量(変位量)を相違させたことにより、各ドライブギヤにかかる弾性体の反発力がそれぞれ相違するため、ドリブンギヤに噛合している各ドライブギヤがずれた位置状態で静止する。このため、反発力の大きい弾性体に押圧されたドライブギヤは、ドリブンギヤの歯面を押圧して回動させ、反発力の小さい弾性体に押圧されたドライブギヤは、その回動したドリブンギヤの歯面が圧接した状態で静止する。
したがって、ドリブンギヤは、常に各ドライブギヤが圧接していることにより、各ドライブギヤによって支持されるため、常にガタ付きがなく、歯面の衝突による打音が発生することがない。また、電動パワーステアリング装置は、バックラッシの調整やフリクションの調整する作業を簡略化することができる。
請求項2に記載の電動パワーステアリング装置は、操舵機構に連結されたドリブンギヤと、前記ドリブンギヤに噛合し相対向している1組のドライブギヤと、前記1組のドライブギヤをそれぞれ駆動する1組のモータと、前記1組のドライブギヤのそれぞれの両端に設けられ、前記1組のモータからのトルクによって変形し、且つ、同一の変形量をそれぞれが有する4つの弾性体と、を備えた電動パワーステアリング装置であって、前記1組のモータは、前記トルクがそれぞれ相違しており、前記トルクの相違によって前記4つの弾性体のうちの前記ドリブンギヤの支軸を中心として対向位置に配置した弾性体の変形量を相違させることを特徴とする。
請求項2に記載の本発明によれば、電動パワーステアリング装置は、1組のモータが回転すると、それと同時に1組のドライブギヤにはトルクがかかって回転して、ドリブンギヤを回転させる。その後、1組のモータが停止したとすると、各ドライブギヤも同時に停止する。このとき、各モータは、それぞれトルクが相違していることにより、各モータと共に回転する各ドライブギヤの回転力も相違しているため、各ドライブギヤの停止位置にずれが生じる。このため、トルクの大きいモータ側のドライブギヤは、回転力が大きく、ドリブンギヤの歯面を押圧して回動させた状態で静止し、トルクの小さいモータ側のドライブギヤは、その回動したドリブンギヤの歯面が圧接した状態で静止する。
したがって、ドリブンギヤは、常に各ドライブギヤが圧接していることにより、各ドライブギヤによって支持されるため、常にガタ付きがなく、歯面の衝突による打音が発生することがない。これにより、電動パワーステアリング装置は、バックラッシの調整をする作業を簡略化することができる。
請求項3に記載の電動パワーステアリング装置は、請求項1または請求項2に記載の電動パワーステアリング装置であって、前記1組のモータの回転が停止した際にも前記ドリブンギヤは、所定時間の間は残留トルクによって回転をすることを特徴とする。
また、本発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記ドライブギヤがウォームからなり、前記ドリブンギヤがウォームホイールからなることが好ましい。
このような構成にすれば、最小の数の歯車で減速歯車機構を構成して効率良くモータの回転を減速回転させることができる。
本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、1組のドライブギヤの両端に設けられた弾性体の変形量をドライブギヤによって相違させたこと、またはモータのトルクをそれぞれ相違させたことにより、ドリブンギヤが常に各ドライブギヤに圧接しているため、ドリブンギヤを常にガタ付きがない状態に支持することができる。このため、本発明に係る電動パワーステアリング装置は、ドリブンギヤとドライブギヤとのバックラッシによって発生していた歯面の衝突による打音を解消して、商品性の向上を図ることができる。また、本発明においては、従来行っていたバックラッシ調整が不要となることにより、調整作業の工数の削減や組み付け時間の短縮を図ることがでるため、コストの低減を図ることができる。
まず、図1〜図5を参照して、本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の全体の構造を示す説明図である。図2は、図1の矢視X−X線方向拡大断面図である。図3は、図2の矢視Y−Y線方向断面図である。図4は、本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置を示す図で、弾性体の組み付け状態を示す拡大分解斜視図である。図5は、本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置を示す図で、ウォームホイールとウォームとの噛合状態を示す説明図である。
図1に示すように、操舵機構Stは、ステアリングハンドル1を回転操作することにより車輪W,Wの方向を転舵する装置である。その操舵機構Stは、ステアリングハンドル1と、上部及び下部ステアリングシャフト2,4と、上部及び下部ユニバーサルジョイント3,5と、減速機ケース6と、ピニオンシャフト7と、ステアリングギヤボックス8と、ラックバー18、タイロッド9,9とを備えてなる。
電動パワーステアリング装置Psは、バッテリ(図示せず)の電気で第1及び第2モータMa,Mbを回転して推力を発生させて、ステアリングハンドル1の操作をアシストして軽くする装置である。その電動パワーステアリング装置Psは、減速機ケース6と、第1及び第2モータMa,Mbと、操舵トルクセンサTSと、電子制御ユニットUとを備えてなる。
ステアリングハンドル1は、上部ステアリングシャフト2の上端部に固定され、運転者の操作によって回転される操作体である。その上部ステアリングシャフト2は、上部ユニバーサルジョイント3、下部ステアリングシャフト4及び下部ユニバーサルジョイント5を介して、減速機ケース6から上方に突出しているピニオンシャフト7に接続されている。
その減速機ケース6の下端には、ステアリングギヤボックス8が接続され、そのステアリングギヤボックス8の左右両端からは、ラックバー18が車輪W,Wの方向に延び、ラックバー18の両端にはタイロッド9,9が突出され、ナックル(図示せず)を介して左右の車輪W,Wが設置されている。減速機ケース6には、第1モータMa及び第2モータMbが支持されている。
第1及び第2モータMa,Mbは、減速機ケース6に内設された操舵トルクセンサTsからの信号が入力される電子制御ユニットUによって制御される。
図2に示すように、前記減速機ケース6は、ステアリングギヤボックス8と一体の下部ケース10と、この下部ケース10の上面にボルトB1によって取り付けられた中間ケース11と、この中間ケース11の上面にボルトB2によって取り付けられた上部ケース12と、第1及び第2モータMa,Mbを減速機ケース6に固定するためのモータケース44,45(図3参照)とから構成されている。減速機ケース6は、下部ケース10の下端部に設置したボールベアリング13と、上部ケース12の上端部に設置したボールベアリング14とを有し、そのボールベアリング13,14によって、ピニオンシャフト7を回転自在に支持している。
そのピニオンシャフト7には、中央部にウォームホイール15が固定され、上端部にステアリングハンドル1(図1参照)の回転トルクを検出するための操舵トルクセンサTsが設置され、下端部のラック17に噛合するピニオン16が設置されている。
なお、ピニオンシャフト7は、特許請求の範囲に記載の「ドリブンギヤの支軸」に相当する。
図2に示すように、ラック17は、ラックバー18に直接形成されている。ラックバー18は、ステアリングギヤボックス8の内部に左右移動自在に支持されている。
前記ステアリングギヤボックス8には、ラックバー18を横方向から押圧するための押圧部材19を進退自在に収納するための横穴8aが形成されている。その横穴8aには、ラックバー18の背面に当接した押圧部材19と、この押圧部材19をピニオン16側に付勢するためのスプリング20と、このスプリング20のばね受けと横穴8aを閉塞するための部材とを兼ねた中空ボルト21とが内設されている。中空ボルト21は、横穴8aの開口部8b内に形成されたねじ部に螺合すると共に、止めナット22によって抜け止めされている。
ラック17は、ラックバー18の背面がスプリング20に付勢された押圧部材19によって押圧されることにより、ピニオン16との噛合する箇所のバックラッシが解消されている。
図3に示すように、前記減速機ケース6は、第1及び第2ウォーム30,31とウォームホイール15とを収納するためのケースであり、金属などからなる。減速機ケース6には、ピニオンシャフト7を中心として左右の対称位置に第1及び第2ウォーム30,31がウォームホイール15に噛合して内設されている。減速機ケース6の左右の奥壁6a,6bには、前記第1及び第2ウォーム30,31を一体形成した第1及び第2回転軸24,25を軸支するボールベアリング26,27が固定されている。また、減速機ケース6の左右の開口部6c,6dには、ボールベアリング28,29を介して第1モータMa及び第2モータMbを保持したモータケース44,45が嵌入されている。そのモータケース44,45は、ボルトB3,B4によって減速機ケース6に固定されることにより、ボールベアリング26,27,28,29と第1及び第2回転軸24,25が減速機ケース6から脱落しないようにしっかりと保持している。
2つの第1及び第2モータMa,Mbは、第1及び第2ウォーム30,31、ウォームホイール15を介してステアリングハンドル1(図1参照)を回転させるための駆動源であり、同じトルクを有する同一の型式のモータからなる。第1及び第2モータMa,Mbは、ウォームホイール15を中心として減速機ケース6の左右対称な位置にそれぞれ配置されている。第1及び第2モータMa,Mbには、各モータ軸(図示せず)に延設された第1回転軸24及び第2回転軸25が設置されている。第1及び第2回転軸24,25は、先端部に設置されたボールベアリング26,27と、第1及び第2モータMa,Mb側に設置されたボールベアリング28,29とによって下部ケース10に回転自在に軸支されている。
なお、前記第1及び第2モータMa,Mbは、特許請求の範囲に記載の「1組のモータ」に相当する。その第1及び第2モータMa,Mbは、2個に限定されるものではなく、複数であればよい。
図4に示すように、第1及び第2回転軸24,25は、それぞれ第1及び第2モータMa,Mbを駆動源として共に回転する駆動軸である。第1及び第2回転軸24,25には、中央部に第1及び第2ウォーム30,31が形成され、その第1及び第2ウォーム30,31の両側にはそれぞれ第1及び第2回転軸24,25の径より大きい大径部24a,24b,25a,25bが形成されている。その大径部24a,25aの下方及び大径部24b,25bの上方に形成された小径部24c,24d,25c,25dには、それぞれ座金状の金属製の支持リング36,37,38,39,40,41,42,43に挟持されたリング状の弾性体32,33,34,35と、ボールベアリング26,27,28,29が嵌入されている。
弾性体32,33,34,35は、第1及び第2ウォーム30,31の両端部に設置されて、第1及び第2ウォーム30,31を押圧して弾性的に支持する部材である。第1回転軸24の先端側に設置される弾性体32は、ウォームホイール15を軸支しているピニオンシャフト7(図3参照)を中心とした対向位置にある第2回転軸25の第2モータMb側にある弾性体35と比較して、柔らかい軟質の合成ゴムなどの弾性材料からなり、変形量(変位量)が大きく形成されている。
そして、第1回転軸24の第1モータMa側に設置される弾性体34は、ウォームホイール15を軸支しているピニオンシャフト7を中心とした対向位置にある第2回転軸25の先端にある弾性体33と比較して、硬く比較的硬質の合成ゴムなどの弾性材料からなり、変形量(変位量)が小さく形成されている。
このため、弾性体32,33の弾発力は、弾性体34,35と相違している(図5参照)。
図4に示すように、弾性体32,33,34,35の上下面には、支持リング36,37,38,39,40,41,42,43にそれぞれ形成された環状凹部36a,37a,38a,39a,40a,41a,42a,43aに係合する環状凸部32a,32b,33a,33b,34a,34b,35a,35bが形成されている。
なお、弾性体32,33,34,35は、リング状の合成ゴムに限定されるものではなく、第1及び第2回転軸24,25に設置されて軸方向に伸縮する弾性を有するものであればよい。弾性体32,33,34,35は、例えば、コイルばねやばね座金や弾性を有する合成樹脂などであってもよい。
図3に示すように、前記第1及び第2ウォーム30,31は、ピニオンシャフト7に固定された共通のウォームホイール15の直径方向両側にそれぞれ噛合して設置されている。ウォームホイール15は、第1及び第2ウォーム30,31に噛合する被駆動歯車であって、その第1及び第2ウォーム30,31とで第1及び第2モータMa,Mbの第1及び第2回転軸24,25の高速回転を減速するための歯車変速機構を構成している。
なお、前記第1及び第2ウォーム30,31は、特許請求の範囲に記載の「1組のドライブギヤ」に相当する。また、前記ウォームホイール15は、特許請求の範囲に記載の「ドリブンギヤ」に相当する。
次に、本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の作用を説明する。
運転者が図1に示すステアリングハンドル1を回転操作すると、上部ステアリングシャフト2、上部ユニバーサルジョイント3、下部ステアリングシャフト4、下部ユニバーサルジョイント5を介してピニオンシャフト7が回転する。このピニオンシャフト7の回転は、操舵トルクセンサTsによって検出されて、この検出された操舵トルク信号が電子制御ユニットUに送られる。電子制御ユニットUは、第1及び第2モータMa,Mbを駆動させる電流を算出すると共に、第1及び第2モータMa,Mbに駆動電流を送って回転させる。
第1及び第2モータMa,Mbが駆動されると、図5に示すように、第1及び第2回転軸24,25に形成された第1及び第2ウォーム30,31に噛合するウォームホイール15に第1及び第2モータMa,Mbからのアシストトルクが伝達される。これにより、運転者がステアリングハンドル1を回転操作する操舵トルクがアシストされ、軽く操作することができる。
電動パワーステアリング装置Psは、2個の第1及び第2モータMa,Mbによってアシストトルクを発生させることにより、大型のモータを1個用いる場合と比較して小型のモータを使用することが可能となる。このため、第1及び第2モータMa,Mbは、比較的回転トルクが小さいモータを使用できることにより、第1及び第2ウォーム30,31やウォームホイール15の歯面に加わる荷重を半減して減速歯車機構の耐久性を向上させることができる。
また、万が一第1及び第2モータMa,Mbのどちらか一方が失陥した場合でも、他方のモータによってアシストできるため、アシスト力の完全な失陥を防止することができる。
このとき、第1及び第2ウォーム30,31が回転して歯面が、ウォームホイール15の歯面を押圧することにより、そのウォームホイール15を回転させる。このため、第1及び第2ウォーム30,31には、第1及び第2モータMa,Mbの動力に比例した反力がこの第1及び第2ウォーム30,31を支持している弾性体32,33,34,35に負荷される。
そして、第1及び第2モータが停止すると、第1及び第2ウォーム30,31の回転トルクは0になる。すると、弾性体32,33,34,35は、変位が開放されて元に戻ろうとする。
このため、弾性体32には第1ウォーム30に対して矢印C方向の残留トルクがかかり、弾性体35には第2ウォーム31に対して矢印D方向の残留トルクがかかることになる。
例えば、このときの弾性体32の変形量aを弾性体35の変形量bより大きくすると、弾性体32による第1ウォーム30の矢印C方向の残留トルクは、弾性体35による第2ウォーム31の矢印D方向の残留トルクを打ち負かして、ウォームホイール15を矢印E方向に僅かに回転させる。
したがって、第1ウォーム30の歯面は、常にウォームホイール15の歯面に圧接した状態にあり、このウォームホイール15の矢印E方向の回転によって第2ウォーム31の歯面もウォームホイール15の歯面に圧接して、第1及び第2ウォーム30,31とウォームホイール15との間には、ガタ付きがなくなる。
同様に、弾性体33の変形量cを弾性体34の変形量dより大きくすると、弾性体33による第2ウォーム31の残留トルクは、弾性体34による第1ウォーム30の残留トルクを打ち負かして、ウォームホイール15を矢印F方向に僅かに回転させる。
したがって、第2ウォーム31の歯面は、常にウォームホイール15の歯面に圧接した状態にあり、このウォームホイール15の矢印F方向の回転によって第1ウォーム30の歯面もウォームホイール15の歯面に圧接して、第1及び第2ウォーム30,31とウォームホイール15との間には、ガタ付きがなくなる。
このように、ウォームホイール15は、弾性体32,33,34,35に付勢された第1及び第2ウォーム30,31の保持力によって保持されることにより、走行中の路面などによる振動でウォームホイール15と第1及び第2ウォーム30,31がガタ付くことや、それによる歯面の打音を解消することができる。
このため、電動パワーステアリング装置Psは、変形量a,b,c,dが相違する弾性体32,33,34,35を設けたことにより、従来行っていた打音低減のためのバックラッシ調整作業を廃止して、作業工程の簡素化を図ることができる。
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その技術思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
図6は、本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の変形例を示すブロック図である。図7は、本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の変形例を示す図で、ウォームホイールとウォームとの噛合状態を示す説明図である。
前記ウォームホイール15と第1及び第2ウォーム30,31とのガタ付き防止手段は、変形量が相違する弾性体32,33,34,35によるものに限定されるものではなく(図5参照)、図6及び図7に示すように、第1モータMc及び第2モータMdの回転トルクを相違させたものであってもよい。
以下、本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の変形例を図6及び図7に基づき説明する。なお、前記実施の形態と同じ構成のものは、同一符号を使用してその説明を省略する。
図7に示すように、第1モータMcと第2モータMdとは、それぞれ回転トルクT1,T2が相違している。例えば、第1モータMcの回転トルクT1が大きく、第2モータMdの回転トルクT2が小さく構成されている。
第1及び第2ウォーム30,31の両端に設置される弾性体46,47,48,49は、例えば、同一形状で、同一の変形量(変位量)を有する合成ゴム、合成樹脂またはばね部材からなる。
図6に示すように、操舵トルクセンサTsは、操舵トルクTを検出するための検出器であり、操舵トルクTの信号を電子制御ユニットUに送るように構成されている。電子制御ユニットUは、目標モータ駆動電流算出手段50と、この目標モータ駆動電流算出手段50で算出した目標モータ駆動電流D1,D2によりそれぞれ第1及び第2モータMc,Mdを駆動するモータ駆動手段51とを備えている。目標モータ駆動電流算出手段50は、操舵トルクセンサTsで検出した操舵トルクTをパラメータとして、マップ検索により目標モータ駆動電流D1,D2を算出する。モータ駆動手段51は、第1及び第2モータMc,Mdに供給される電流が目標モータ駆動電流D1,D2に一致するようにフィードバック制御を行う。
このようにして、第1モータMcの回転トルクT1を第2モータMdの回転トルクT2より大きく構成すると、その回転トルクT1,T2にそれぞれ比例した反力e,fが弾性体46,47,48,49にかかる。その第1モータMcによる弾性体46の反力eは、第2モータMdによる弾性体49の反力fより大きくなる。
このため、弾性体46による第1ウォーム30の矢印C方向の残留トルクは、弾性体49による第2ウォーム31の矢印D方向の残留トルクを打ち負かして、ウォームホイール15を矢印E方向に僅かに回転させる。
したがって、第1ウォーム30の歯面は、常にウォームホイール15の歯面に圧接した状態にあり、このウォームホイール15の矢印E方向の回転によって第2ウォーム31の歯面もウォームホイール15の歯面に圧接して、第1及び第2ウォーム30,31とウォームホイール15との間には、ガタ付きがなくなる。
このように、ウォームホイール15は、第1及び第2モータMc,Mdによって弾性体46,49に付勢された第1及び第2ウォーム30,31の保持力によって保持されることにより、走行中の路面などによる振動でウォームホイール15と第1及び第2ウォーム30,31がガタ付くことや、それによる歯面の打音を解消することができる。
なお、以上説明した本発明の実施の形態及び変形例に係る電動パワーステアリング装置は、例えば、第1及び第2モータMa,Mb,Mc,Mdと、第1及び第2ウォーム30,31を備えてなるが、それらは2個に限定されるものではなく、複数個であればよい。
また、本発明の実施の形態及び変形例では、ドライブギヤとして第1及び第2ウォーム30,31、ドリブンギヤとしてウォームホイール15を一例として説明したが、ドライブギヤをラック、ドリブンギヤをピニオンとしてもよい。
本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の全体の構造を示す説明図である。 図1の矢視X−X線方向拡大断面図である。 図2の矢視Y−Y線方向断面図である。 本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置を示す図で、弾性体の組み付け状態を示す拡大分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置を示す図で、ウォームホイールとウォームとの噛合状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の変形例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の変形例を示す図で、ウォームホイールとウォームとの噛合状態を示す説明図である。 従来のモータを2個有する電動パワーステアリング装置の構造を示す説明図である。
符号の説明
7 ピニオンシャフト(支軸)
15 ウォームホイール(ドリブンギヤ)
30 第1ウォーム(ドライブギヤ)
31 第2ウォーム(ドライブギヤ)
32,33,34,35,46,47,48,49 弾性体
a,b,c,d 変形量
e,f 反力
Ma,Mc 第1モータ(モータ)
Mb,Md 第2モータ(モータ)
Ps 電動パワーステアリング装置
St 操舵機構
T1,T2 トルク

Claims (3)

  1. 操舵機構に連結されたドリブンギヤと、
    前記ドリブンギヤに噛合し相対向している1組のドライブギヤと、
    前記ドライブギヤの両端に設けられた弾性体と、
    前記ドライブギヤを駆動する1組のモータと、
    を備えた電動パワーステアリング装置であって、
    前記弾性体は、前記ドリブンギヤの支軸を中心として対向位置に配置した前記弾性体の変形量を相違させたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 操舵機構に連結されたドリブンギヤと、
    前記ドリブンギヤに噛合し相対向している1組のドライブギヤと、
    前記1組のドライブギヤをそれぞれ駆動する1組のモータと、
    前記1組のドライブギヤのそれぞれの両端に設けられ、前記1組のモータからのトルクによって変形し、且つ、同一の変形量をそれぞれが有する4つの弾性体と、
    を備えた電動パワーステアリング装置であって、
    前記1組のモータは、前記トルクがそれぞれ相違しており、前記トルクの相違によって前記4つの弾性体のうちの前記ドリブンギヤの支軸を中心として対向位置に配置した弾性体の変形量を相違させることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 前記1組のモータの回転が停止した際にも前記ドリブンギヤは、所定時間の間は残留トルクによって回転をすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
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