JP4180905B2 - ドアガード装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、玄関等のドアを半開きの状態でロックすることができるドアガード装置に関し、特に、ドアの下降やドア・ドア枠の変形に対応し、常に快適に使用することができるドアガード装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、玄関ドア等の防犯用として、ドア本体に取り付けたシリンダー錠とは別に、防犯の用心鎖としてドアガード装置が設置されている。
このドアガード装置は、例えば、ドア先端部の内側に揺動可能に取り付けられた係止アームと、ドアフレーム側に固定され、係止アームのスライド溝に頭部を掛止して、スライド可能に掛け止められる係止ピンとを備えている。
そして、係止ピンを係止アームのスライド溝に挿入した状態でドアを開くと、ドアは係止ピンがスライド溝を移動する範囲内でしか開くことができず、半開きの状態でロックすることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、永年の使用により、ドアの丁番も磨耗してドアの取付位置が下がるが、上記従来のドアガード装置では、ドア又はドアフレームの一方に取り付けられた係止ピンが一定の位置に固定されることから、このドア位置の変化に対応することができず、年月の経過とともにドアガード装置が使用できなくなるという問題を有している。
また、ドアガード装置の施錠時に、地震等によりドアやドア枠が変形した場合、係止アームと係止ピンが圧迫され、ドアが開閉できなくなるという問題も有している。
【0004】
本発明は、上記従来のドアガード装置が有する問題点に鑑み、ドアの下降やドア・ドア枠の変形に対応し、常に快適に使用することができるドアガード装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のドアガード装置は、ドア又はドアフレームの一方に揺動可能に取り付けた係止アームのスライド溝に、ドア又はドアフレームのもう一方に固定した係止ピンをスライド可能に掛け止めるドアガード装置において、前記係止ピンをプレート上に立設し、該プレートを受け座に摺動可能に配設するとともに、プレートと受け座の裏板との間にコイルばねを配設して、プレートを弾支することにより、前記係止ピンを、ドア又はドアフレームに固定される受け座に対し、少なくとも上下移動可能にして、任意の移動位置で係止しかつ前記係止アームのずれに伴い移動可能に支持せしめたことを特徴とする。
【0006】
このドアガード装置は、係止アームと掛合する係止ピンを、ドア又はドアフレームに固定される受け座に対し、少なくとも上下移動可能に配設するとともに、任意の移動位置で係止しかつ前記係止アームのずれに伴い移動可能に支持することから、ドアが下がったりドア・ドア枠が変形した場合でも、係止ピンが係止アームのずれに対応して移動することができ、これにより、係止ピンと係止アームの相対位置を自動的に調整して、ドアガード装置を常に快適に使用できる状態に保つことができる。
また、このドアガード装置は、係止ピンが受け座に対して上下移動できることから、係止アームとの位置決めを容易にして、ドア又はドア枠に対する受座の取り付けを簡単にすることができ、さらに、係止ピンが移動することにより最適に調整された位置で使用されることから、不快な衝撃音や摩擦音の発生を防止することができる。
【0007】
そして、特に、前記係止ピンをプレート上に立設し、該プレートを受け座に摺動可能に配設するとともに、プレートと受け座の裏板との間にコイルばねを配設することにより、任意の移動位置で係止しかつ係止アームのずれに伴い移動するように、係止ピンを好適に支持することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のドアガード装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
図1〜図7に、本発明のドアガード装置の一実施例を示す。
このドアガード装置は、図1〜図4に示すように、ドアDの先端部内側に揺動可能に取り付けられた係止アーム1と、ドアフレームF側に固定され、係止アーム1のスライド溝2に頭部3を掛止して、スライド可能に掛け止められる係止ピン4とを備えている。
そして、前記係止アーム1は、係止ピン4の頭部3が挿通可能な幅の溝51を備えた係止アーム本体5と、係止ピン4の頭部3が挿通可能な幅のカム溝61を備えるとともに、係止アーム本体5内で長手方向に摺動可能に配設されたシリンダーカム6と、係止アーム本体5内で溝51に沿って配設され、シリンダーカム6の移動により溝51の幅方向に移動して溝幅を変えるロック用部材7と、前記シリンダーカム6を移動させる移動機構8と、該移動機構8を施錠する施錠機構9とを備えている。
【0010】
係止4ピンは、ドアフレームに固定される受け座10に対し、少なくとも上下移動可能に配設されるとともに、任意の移動位置で係止しかつ前記係止アーム1のずれに伴い移動可能に支持されている。
具体的には、係止ピン4は、係止ピン4が立設されたプレート16が受け座10に摺動可能に配設されるとともに、裏板12との間に配設されたコイルばね13により弾支されている。
また、係止ピン4は、図5に示すように、受け座10の長溝11に移動可能に立設されており、これにより、係止ピン4は、ドアDの取付の不具合等によって係止アーム1の水平な揺動に狂いが生じた場合でも、長溝11に沿い上下移動することによって対応することができる。
なお、係止ピン4の扁平球状の頭部3は軸部より大径に形成されており、頭部3は、係止アーム本体5の溝51を挿通するが、ロック用部材7が溝幅を狭めた状態では係止アーム本体5から抜けない状態となる。
【0011】
係止アーム本体5は、図1〜図3及び図6に示すように、外側を取り囲む断面コ字状のケーシング52と、該ケーシング52の内部に配設されるハウジング部材53とを備えている。
ケーシング52とハウジング部材53は、長手方向に形成された係止ピン4の頭部3が挿通可能な幅の溝51をそれぞれ備え、また、各々の下部中央には、施錠機構9が嵌合する嵌合孔54が形成されている。
ハウジング部材53の揺動基部側には、台座14の枢軸15が挿通する貫通孔55が形成されるとともに、前記溝51の上下にロック用部材7を上下に摺動可能に支持するロックカム用凹部56と、後述するロック用部材7の突起71が上下動可能に嵌挿される複数の縦溝57が形成されている。
また、ハウジング部材53のロックカム用凹部56の後方には、シリンダーカム6を左右移動可能に支持するシリンダーカム用凹部58が形成されている。
【0012】
シリンダーカム6は、図7(c)〜(e)にも示すように、本実施例ではチャンネル状に形成された金属プレートからなり、カム溝61の上下に形成された上下1対の前壁62には、ロック用部材7の突起71が斜め移動可能に嵌挿される複数の斜溝63が形成されている。
また、このシリンダーカム6の下部には、後述する移動機構8のギヤ81と歯合するラック64が形成されている。
【0013】
ロック用部材7は、図7(h)〜(j)にも示すように、本実施例では、係止アーム1のケーシング52の溝51の長手方向に亘る1対の金属プレートからなり、ケーシング52前壁62の後に形成さたロックカム用凹部56に上下に摺動可能に配設されている。
このロック用部材7は、シリンダーカム6側に突設された複数の突起71を備え、これらの突起71は、係止アーム本体5の縦溝57を貫通してシリンダーカム6の斜溝63に摺動可能に嵌挿されている。
これにより、シリンダーカム6が左右に移動すると、斜溝63内で突起71の位置が変化することになり、その結果、ロック用部材7は溝幅方向に移動することができる。
このロック用部材7は、前記したシリンダーカム6の移動により、溝幅を狭めて係止ピン4の頭部3が抜けない位置と、溝幅を広げて係止ピン4の頭部3が抜ける位置とに選択的に固定される。
【0014】
移動機構8は、図7(f)〜(g)に示すように、施錠機構9と一体に形成されており、施錠機構9のシリンダー91の外周部に形成されたギヤ81を備えている。
このギヤ81は、施錠機構9をキー等により回転させた際に、シリンダー91が回転することにより、ラック64を介してシリンダーカム6を左右に移動させることができる。
【0015】
施錠機構9は、図7(f)〜(g)に示すように、例えばシリンダー錠からなり、キー等を用いてシリンダー91を回転させ、ロック位置とロック解除位置とに選択的に固定することができる。
そして、この施錠機構9は、移動機構8とシリンダーカム6を介し、ロック位置でロック用部材7を溝幅を狭めた位置で固定し、ロック解除位置でロック用部材7を溝幅を広げた位置で固定することができる。
なお、本実施例では、施錠機構9のキー(図示省略)は施錠解除状態では施錠機構9から抜けないように配慮されている。
【0016】
次に、図8〜図9を参照して、係止ピンの参考例を示す。
この係止ピン4は、ドア又はドアフレームに固定される受け座10に対し、少なくとも上下移動可能に配設されるとともに、任意の移動位置で係止しかつ係止アーム1のずれに伴い移動可能に支持されている。
具体的には、係止ピン4は、係止ピン4が立設されたプレート16が受け座10に回動可能に枢支されるとともに、係止ピン4と受け座10との間に前記係止ピン4を支持するばねコイル13が介設されている。
この場合、プレート16の回動範囲は、受け座10に突設された突起20によって制限されている。なお、プレート16と受け座10の枢着部17には、ワッシャ19が配設されている。
一方、コイルばね13は、例えば、波型座金18によって代用することも可能であり、この場合、波型座金18は、図10に示すように、係止ピン4を立設したプレート16と受け座10の枢着部17に配設することができる。
さらに、図11に示すように、係止ピン4を、軸41により、水平面内で揺動できるようにし、これにより、不使用時に、係止ピン4を、図11(b)に示す突出位置から、図11(c)に示すように、軸41を中心にして室内側に倒すように揺動させて、係止ピン4に通行者が引っかかること等を防止するようにすることができる。
【0017】
かくして、本実施例のドアガード装置は、係止アーム1と掛合する係止ピン4を、ドア又はドアフレームに固定される受け座10に対し、少なくとも上下移動可能に配設するとともに、任意の移動位置で係止しかつ前記係止アーム1のずれに伴い移動可能に支持することから、ドアが下がったりドア・ドア枠が変形した場合でも、係止ピン4が係止アーム1のずれに対応して移動することができ、これにより、係止ピン4と係止アーム1の相対位置を自動的に調整して、ドアガード装置を常に快適に使用できる状態に保つことができる。
また、このドアガード装置は、係止ピン4が受け座10に対して上下移動できることから、係止アーム1との位置決めを容易にして、ドア又はドア枠に対する受座10の取り付けを簡単にすることができ、さらに、係止ピン4が移動することにより最適に調整された位置で使用されることから、不快な衝撃音や摩擦音の発生を防止することができる。
そして、係止ピン4をプレート16上に立設し、該プレート16を受け座10に摺動可能に配設するとともに、プレート16側と受け座10側との間に前記係止ピンを支持するばね13を介設することにより、任意の移動位置で係止しかつ係止アーム1のずれに伴い移動するように、係止ピン4を好適に支持することができる。
【0018】
さらに、本実施例のドアガード装置は、係止アーム1に、係止ピン4の頭部3が挿通可能な幅の溝51を備えた係止アーム本体5と、該係止アーム本体5の溝51に沿いその長手方向に亘り配設され、溝51の幅方向に移動して溝幅を変えるロック用部材7と、該ロック用部材7を移動させる移動機構8と、該移動機構8を施錠する施錠機構9とを備えることにより、ロック用部材7を広げた状態で係止ピン4を係止アーム本体5の溝51に挿入するとともに、キー等によってロック機構を操作し、ロック用部材7を溝幅を狭める位置に移動させることにより、家の外からドアガード装置を施錠することができる。
また、キー等によってロック機構を操作し、ロック用部材7を溝幅を広げる位置に移動させることにより係止アーム本体5の溝51を広く開放するとともに、係止ピン4を該溝51から抜くことにより、家の外からドアガード装置を解錠することができる。
そして、係止アーム本体5内を長手方向に移動するシリンダーカム6を配設し、該シリンダーカム6を介してロック用部材7を移動させるように構成することにより、ロック用部材7の移動と固定を容易に行うことができ、さらに、ロック用部材7を溝51の上下にそれぞれ配設することにより、移動機構8の小さな動作で溝幅を変化させることができ、ドアガード装置の使い勝手を向上させることができる。
【0019】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明のドアガード装置は、この実施例の記載に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜に変更することが可能である。
【0020】
【発明の効果】
本発明のドアガード装置によれば、係止アームと掛合する係止ピンを、ドア又はドアフレームに固定される受け座に対し、少なくとも上下移動可能に配設するとともに、任意の移動位置で係止しかつ前記係止アームのずれに伴い移動可能に支持することから、ドアが下がったりドア・ドア枠が変形した場合でも、係止ピンが係止アームのずれに対応して移動することができ、これにより、係止ピンと係止アームの相対位置を自動的に調整して、ドアガード装置を常に快適に使用できる状態に保つことができる。
また、このドアガード装置は、係止ピンが受け座に対して上下移動できることから、係止アームとの位置決めを容易にして、ドア又はドア枠に対する受座の取り付けを簡単にすることができ、さらに、係止ピンが移動することにより最適に調整された位置で使用されることから、不快な衝撃音や摩擦音の発生を防止することができる。
【0021】
そして、特に、前記係止ピンをプレート上に立設し、該プレートを受け座に摺動可能に配設するとともに、プレートと受け座の裏板との間にコイルばねを配設することにより、任意の移動位置で係止しかつ係止アームのずれに伴い移動するように、係止ピンを好適に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のドアガード装置の一実施例の施錠状態を示し、(a)は係止アームの正面透視図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は係止ピンを掛止した係止アームの断面図である。
【図2】 本発明のドアガード装置の一実施例の解錠状態を示し、(a)は係止アームの正面透視図、(b)は同断面図である。
である。
【図3】 係止アームを示し、(a)は施錠状態の正面図、(b)は解錠状態の正面図である。
【図4】 同実施例のドアに取り付けたドアガード装置を示し、(a)は係止アームを示す正面図、(b)は係止ピンを係止アーム本体に掛止させた状態を示す平面図、(c)は係止ピンを係止アーム本体に掛止させた状態でドアを開いた平面図、(d)はドアガード装置を解錠して係止ピンを係止アームから抜いた状態を示す平面図である。
【図5】 係止ピンを示し、(a)〜(c)はその三面図、(d)〜(f)は受け座の三面図、(g)〜(i)は係止ピン本体の三面図、(j)はばねの正面図、(k)は裏板の正面図である。
【図6】 係止アームを示し、(a)はハウジング部材の正面図、(b)は同背面図、(c)はケーシングの正面図、(d)は同背面図、(e)は同側面図である。
【図7】 (a)は係止アームの台座の正面図、(b)は同側面図、(c)はシリンダーカムの正面図、(d)は同底面図、(e)は同側面図、(f)は施錠機構と移動機構の正面図、(g)は同側面図、(h)はロック用部材の正面図、(i)は同平面図、(j)は同側面図である。
【図8】 係止ピンの参考例を示し、(a)はその正面図、(b)はその底面図である。
【図9】 同係止ピンを示し、(a)〜(d)は係止ピンとプレートの四面図、(e)は受け座の正面図、(f)は同底面図、(g)はコイルばねの正面図、(h)はワッシャの二面図である。
【図10】 係止ピンの参考例を示し、(a)〜(c)はその動きを示す正面図、(d)は係止ピンの底面図、(e)は係止ピンとプレートの組み立て図、(f)は係止ピンの組み立て図、(g)は係止ピンの側面図である。
【図11】 係止ピンの参考例を示し、(a)はその平面図、(b)は突出状態を示す説明図、(c)は室内側に倒した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 係止アーム
2 スライド溝
3 頭部
4 係止ピン
41 軸
5 係止アーム本体
51 溝
52 ケーシング
53 ハウジング部材
54 嵌合孔
55 貫通孔
56 ロックカム用凹部
57 縦溝
58 シリンダーカム用凹部
6 シリンダーカム
61 カム溝
62 前壁
63 斜溝
64 ラック
7 ロック用部材
71 突起
8 移動機構
81 ギヤ
9 施錠機構
91 シリンダー
10 受け座
11 長溝
12 裏板
13 コイルばね
14 台座
15 枢軸
16 プレート
17 枢着部
18 波型座金
19 ワッシャ
20 突起
Claims (1)
- ドア又はドアフレームの一方に揺動可能に取り付けた係止アームのスライド溝に、ドア又はドアフレームのもう一方に固定した係止ピンをスライド可能に掛け止めるドアガード装置において、前記係止ピンをプレート上に立設し、該プレートを受け座に摺動可能に配設するとともに、プレートと受け座の裏板との間にコイルばねを配設して、プレートを弾支することにより、前記係止ピンを、ドア又はドアフレームに固定される受け座に対し、少なくとも上下移動可能にして、任意の移動位置で係止しかつ前記係止アームのずれに伴い移動可能に支持せしめたことを特徴とするドアガード装置。
Priority Applications (1)
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JP2002364623A JP4180905B2 (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | ドアガード装置 |
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2002
- 2002-12-17 JP JP2002364623A patent/JP4180905B2/ja not_active Expired - Fee Related
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