JP4180876B2 - 荷受台 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、貨物自動車などの車両に装備される荷受台昇降装置に組み込まれる荷受台、特に車両の荷箱とプラットホームなどとの間で渡し板として使用できる荷受台に関する。
【0002】
【従来の技術】
図15は、例えば下記の特許文献1に記載された荷受台昇降装置に装着された荷受台を示す側面図である。図において、この従来の荷受台100は、昇降装置側の平行リンク(図の一点鎖線にて図示)に取り付けられるリンク体101と、このリンク体101に順次連結されたメインプレート102及びサブプレート103とを備えている。これらのメインプレート102及びサブプレート103は、それぞれヒンジ104,105を介してリンク体101及びメインプレート102の上方に折り畳み可能に連結されている。また、この荷受台100では、上記リンク体101とメインプレート102との間に設けた切換装置106により、リンク体101に対してメインプレート102及びサブプレート103を水平に展開した水平状態(同図(a)参照)と、リンク体101に対してメインプレート102及びサブプレート103を下方に傾斜させた前下がり状態(同図(b)参照)とのいずれかの状態に当該荷受台100を切り換えるようになっている。
【0003】
詳細には、上記切換装置106は、メインプレート102の基端に回動可能に設けられた切換部材106aと、リンク体101に取り付けられて切換部材106aと接する接触部材106bと、上記切換部材106aを回動させる操作部材106cと、図15(a)及び(b)に示す位置で切換部材106aを保持するためのバネ106dとを備えている。そして、切換装置106は、同図(a)に示すように、切換部材106aを接触部材106bに接触させることにより、荷受台100を上記水平状態に保持する。また、切換装置106は、同図(b)に示すように、切換部材106aの接触部材106bとの接触状態を解除することにより、メインプレート102及びサブプレート103がリンク体101に対して下方に下がるのを許容し荷受台100を上記前下がり状態とする。そして、この荷受台100では、前下がり状態にした当該荷受台100を、荷箱床面80よりも低い位置にあるプラットホーム81に架け渡して荷物の積み降ろし作業時に渡し板として使用できるようになっている。
【0004】
また、上記荷受台100には、メインプレート102及びサブプレート103を一体化する規制装置107が設けられており、上記前下がり状態にして渡し板として使用するときに、荷物などの重量によって当該荷受台100に屈折が発生するのを防いでいる。
上記規制装置107には、荷受台100の左右の各側方部に設けられ、サブプレート103がメインプレート102側に折れ曲がるのを規制する規制部材108と、この規制部材108をロックするロック部109とが設けられている。
【0005】
上記規制部材108は、断面コ字状に形成されたものであり、図15(a)に示すように、メインプレート102の側面及び上下面を囲むように当該プレートの側方部に取り付けられている。この規制部材108の側面(荷受台側面の外側面)には、作業者が当該規制部材108を同図(a)の右方向又はその逆方向にスライド移動させるための取っ手108aが設けられており、同図(b)に示すように、メインプレート102及びサブプレート103に跨るように規制部材108を移動させることにより、当該規制部材108がこれらのプレート102,103を一体化してサブプレート103のメインプレート102側への折れ曲がりを規制する。
また、規制部材108の上記側面に形成された長孔108bには、メインプレート102に固定されたボルト110が挿通されており、規制部材108はボルト110により案内されてそのスライド移動が円滑に行えるようになっている。
【0006】
上記ロック部109は、メインプレート102の下面に固定されたものであり、図示しないバネにより図の紙面の垂直方向で手前側に突出するよう付勢された上記ロックピン109aと上記バネの付勢力に抗して当該ピン109aを付勢方向と反対方向に押し込むための取っ手109bとを備えている。上記ロックピン109aの先端部はテーパ状に形成されており、規制部材108がサブプレート103側にスライド移動されるときに、上記先端部が当該部材の下面に設けられた係合ピン108cと接触することで当該ピン104aは上記付勢力に抗して徐々にかつ自動的に押し込まれ、規制部材108のサブプレート103側へのスライド移動を許容する。また、ロックピン109aの先端部が係合ピン108cから外れると、このロックピン109aは上記付勢力によって突出し係合ピン108cと係合可能な状態となる。そして、ロック部109は、そのロックピン109aと係合ピン108cとが係合することにより、規制部材108のメインプレート102側へのスライド移動を制限して規制部材108によるメインプレート102とサブプレート103とを一体化した状態を保持する。
【0007】
以上のように、この従来の荷受台100では、切換装置106により前下がり状態に切り換え、当該荷受台100を渡し板として使用するときに、規制装置107がメインプレート102とサブプレート103とを一体化した状態で保持することにより、サブプレート103が上記ヒンジ105を起点としてメインプレート102側に折れ曲がるのを規制して、荷受台100上を移載される荷物などの重量によってメインプレート102がリンク体101に対して下方に下がる屈折が当該荷受台100に生じるのを防いでいた。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−240617号公報(第3〜4頁、図5〜8)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の荷受台100では、上記前下がり状態にして渡し板として使用するときに、作業者は切換装置106を操作するだけでなく、荷物などの重量に起因する上記屈折が当該荷受台100に発生するのを防止するために規制装置107も操作する必要があった。このため、渡し板として使用したときでの荷物の積み降ろし作業に時間及び手間を要し、その作業を効率よく行えないことがあった。
【0010】
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、渡し板として使用したときでも荷物の積み降ろし作業を効率よく行うことができる荷受台を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基部材に対して折り畳み可能に連結されたメインプレートと、このメインプレートに対してヒンジを介して折り畳み可能に連結されたサブプレートとを具備し、前記基部材及びメインプレートに対して前記メインプレート及びサブプレートをそれぞれ展開して渡し板として使用可能な荷受台であって、
前記基部材及びメインプレートの一方側に設けられるとともに、前記基部材に対してメインプレートを展開したときに、前記基部材及びメインプレートの他方側に接触することによって前記メインプレートが基部材に対して展開する方向に回動するのを規制し、かつ当該メインプレートの基部材に対する展開角度を調整する調整部材を備え、前記調整部材が、前記メインプレートを水平にした状態と、前記メインプレートを複数段階又は無段階に傾斜させた状態とで、前記基部材に対する前記メインプレートの展開方向への回動を規制するように構成されていることを特徴とするものである(請求項1)。
【0012】
上記のように構成された荷受台では、基部材に対してメインプレートを展開したときに基部材及びメインプレートの一方側に設けた上記調整部材がそれらの他方側に接触してメインプレートが基部材に対して展開する方向に回動するのを規制しているので、荷物などの重量によってメインプレートが基部材に対し下方に下がるのを防止することができ、荷受台を渡し板として使用するときに当該調整部材は荷物などの重量に起因する屈折が荷受台に生じるのを防ぐことができる。しかも、調整部材はメインプレートの基部材に対する展開角度を調整するので、渡し板として使用するときにプラットホームの高さなどに対応して荷受台の角度を変更することができる。
【0013】
また、上記荷受台(請求項1)において、前記調整部材が、前記基部材及びメインプレートの他方側に接触する複数の当接面を有し、前記基部材及びメインプレートの一方側に回動可能に設けられてもよい(請求項2)。
この場合、メインプレートの展開角度に対応して上記調整部材を回動させることにより、複数の当接面のうち、いずれかの当接面を基部材及びメインプレートの他方側に接触させることができる。
【0014】
また、上記荷受台(請求項1)において、前記基部材及びメインプレートの一方側に偏心して回動するように設けられた円形板材により、前記調整部材を構成するとともに、前記円形板材を前記メインプレートの展開角度に対応して回動させ、当該円形板材の外周面を前記基部材及びメインプレートの他方側に接触させることが好ましい(請求項3)。
この場合、上記円形板材の外周面がメインプレートの展開角度に応じて、対応する基部材またはメインプレートに接触することとなり、当該円形板材からなる調整部材は上記展開角度を無段階的に調整することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の荷受台を示す好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、以下の説明では、本発明を床下格納式の荷受台昇降装置に適用した場合を例示して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る荷受台を示す側面図である。図2は上記荷受台が組み込まれた荷受台昇降装置を適用した車体後部の側面図であり、図3は図2の状態から荷受台を展開した状態を示す側面図である。
まず図2及び図3を参照して、上記荷受台昇降装置について説明する。尚、図2及び図3は車体の左側面側から見た図であるが、車体の右側面側からみた図は左右対称な同様の構造となる(以下同様)。
図において、車体50のシャーシ51の上方には開閉可能な扉を後部に設けた荷箱52が搭載されている。また、この荷箱52の下方には、本発明の荷受台7が装着された荷受台昇降装置1が設けられており、作業者の負担を大幅に軽減して荷箱52に対する荷物の積み降ろし作業を行えるようになっている。
【0016】
上記荷受台昇降装置1は、シャーシ51に垂直に取り付けられたアングル状の一対の支持部材2及びこれら支持部材2の間で水平に固定されたガイドフレーム3を有する支持装置4と、車体前後方向にスライド移動可能に上記ガイドフレーム3に取り付けられた取付部材5とを備えている。上記支持装置4と取付部材5との間にはスライドシリンダ6が設けられており、このスライドシリンダ6を駆動することで取付部材5は上記ガイドフレーム3に沿って移動する。これにより、荷受台昇降装置1は、車両走行時には上記荷受台7を荷箱52の下方に格納した状態とし(図2参照)、荷受台使用時には当該荷受台7を荷箱52の後方に引きだした状態とするようになっている(図3参照)。
【0017】
また、上記取付部材5には平行リンク8を構成する上リンク9及び下リンク10の各一端部が軸支されており、これら上リンク9及び下リンク10の各他端部には荷受台7が連結されている。また、取付部材5と上リンク9との間には、昇降シリンダ11が設けられており、荷受台昇降装置1は、図3に示すように、この昇降シリンダ11を伸縮動作させることで荷受台7を地面側に下降するとともに、その最上昇端位置で荷受台上面が荷箱床面と同一高さとなるまで当該荷受台7を上昇するようになっている。
【0018】
上記荷受台7は、図1も参照して、平行リンク8に回動可能に連結された基部材としてのリンク体7aと、このリンク体7aにヒンジ7dを介して連結されたメインプレート7bと、このメインプレート7bにヒンジ7eを介して連結されたサブプレート7cとを備えており、上記メインプレート7b及びサブプレート7cはそれぞれリンク体7aの上方及びメインプレート7bの上方にそれぞれ折り畳み可能に構成されている。そして、この荷受台7は、メインプレート7b及びサブプレート7cをそれぞれリンク体7a及びメインプレート7bに対して折り畳んだコンパクトな状態(図2)からメインプレート7bを展開した状態(図1(b))を経て、サブプレート7cを展開しリンク体7a、メインプレート7b、及びサブプレート7cによって同一平面(荷受面)を形成した状態(図1(a))とすることができる。尚、メインプレート7bに設けられたロック装置12にサブプレート7c側のロック部材(図示せず)が係合することにより、サブプレート7cを折り畳んだ状態でロックすることができるようになっている。また、荷受台7は、サブプレート7cを折り畳んだ状態で、上記スライドシリンダ6のシリンダ部(図示せず)を内部に収めたシリンダ支持部材6a(図3)の後端部に取り付けられたガイドローラ6b(図3)に立て掛けることが可能となっている。
【0019】
また、上記荷受台7は、上記平行リンク8の基部の一部が若干移動することにより、サブプレート7cの先端部7c1が地面に接するように傾くことが可能となっており、荷箱52と地上との間の荷物の移動作業を上記荷受面を用いて容易に行うことができる。尚、上記先端部7c1が地面に接したときには、リンク体7a、メインプレート7b、及びサブプレート7cの各々の下面に取り付けられたクッションゴム7a1,7b1;7b2,及び7c2が地面に接して、荷物の移動作業を安定した状態で行えるようになっている(図3も参照)。
【0020】
また、荷受台7には、渡し板機構13がリンク体7aとメインプレート7bとの間に設けられており、荷受台7をプラットホームや他の車両荷箱などに架け渡して渡し板として使用するときに当該荷受台7の荷箱52の床面に対する角度を変更しつつ、その変更した角度で荷受台7を保持するようになっている。具体的には、例えばプラットホームが荷箱52の床面とほぼ同じ高さの場合には、渡し板機構13は図1(a)に示したように荷受台全体を水平にした水平状態(水平モード)で荷受台7を保持する。また、上記荷箱床面とプラットホームとの高さが異なる場合には、渡し板機構13はリンク体7aに対して当該メインプレート7bを下方に傾斜させた前下がり状態または上方に傾斜させた前上がり状態のいずれかの状態(ブリッジモード)にし、かつこの状態で荷受台7を保持する。尚、図3に示したように、荷受台7は上記水平状態でその昇降動作が行われるようになっている。
【0021】
上記渡し板機構13は、図4及び図5に示すように、メインプレート7b側に設けられ、当該メインプレート7bのリンク体7aに対する展開角度を調整する調整部材14と、リンク体7a側に設けられ、調整部材14の表面に接する接触部材15とを備えている。また、渡し板機構13には、メインプレート7bに設けられた一対の支持板7b3に回動自在に設けられるとともに、荷受台7の左右の側方部に一対に設けられた上記の各調整部材14を当該プレート7b側に回動可能に取り付ける取付軸16と、この取付軸16に連結され、上記各調整部材14を同時に回転操作する操作部材17とが設けられている。これらの取付軸16及び操作部材17は、ボルト20,21により互いに固定されている。
【0022】
詳細には、上記取付軸16は、図7も参照して、調整部材14の取付孔14g(図6(a))に挿通される円柱部材16aと、この円柱部材16aの一端部側に固定され、上記操作部材17に連結される板状部材16bとを備えている。上記円柱部材16aには、貫通孔16a1が形成されており、調整部材14の固定孔14h(図6(a))内に挿入されたピン部材19(図5(b))が挿通されることで調整部材14及び取付軸16が一体回転可能に連結されている。また、この円柱部材16aには、板状部材16b側の端面に上記ボルト20が螺着されるボルト穴16a2が形成されている。また、板状部材16bには、上記ボルト21が挿入される挿入孔16b1が設けられている。
【0023】
また、上記操作部材17は、図8も参照して、荷受台7の左右方向に配置される筒状部材17aと、この筒状部材17aの両端部に固定された連結プレート17bと、筒状部材17aの内部に配置されるように連結プレート17bに溶着されたナット17cとを備えている。上記連結プレート17bには、挿通孔17b1が形成されており、上記ボルト20が筒状部材17a側から当該孔17b1を挿入され、上記取付軸側のボルト穴16a2内に取り付けられる。また、この連結プレート17bには、挿入孔17b2が形成されており、上記ボルト21は上記挿入孔16b1及び17b2を順次挿入されて上記ナット17cに取り付けられている。
【0024】
上記調整部材14は、図6も参照して、部材本体14aと、この部材本体14aに形成されたボルト穴に螺着される調節ボルト14bとにより構成されている。また、調整部材14には、メインプレート7bのリンク体7aに対する上記展開角度を例えば4段階に調整するための4つの当接面14c、14d、14e、14fが図6(a)の時計方向回りに順次形成されている。これらの当接面14c〜14fは、上記接触部材15の表面に面接触した場合での接触部材表面と調整部材14の回動中心(つまり、上記円柱部材16aの中心)との距離を変更できるよう設けられたものであり、調整部材14が上記操作部材17で図5(a)の反時計方向回りに回動されることによって上記当接面14c〜14fが接触部材15の表面に順次当接され、上記展開角度が4段階に変更される。詳細には、これら当接面14c〜14fでは、当接面14d、14c、14e、及び14fの順番で上記距離が長くなるよう構成されており、この順番で上記展開角度は小さくなるようになっている。
また、上記当接面14cは調節ボルト14bの頭面により構成されており、上記距離を微調整することが可能となっている。また、調整部材14は上記支持板7b3間に設けられたストッパ7b4によって図5(a)の状態から時計方向回りの回動及び図9(c)の状態から反時計方向回りの回動が制限される。
【0025】
上記部材本体14aには、当接面14c〜14fが接触部材15に当接したときに調整部材14をロックするためのロック孔14p、14q、14r、14sが形成されている(図6参照)。これらのロック孔14p〜14sには、例えば荷受台外側の上記支持板7b3に設けられたロック部18のボール18c(図5(b))が係合するようになっている。詳細には、上記ロック部18は、図5(b)に示すように、上記支持板7b3に固定された筒部18aに螺着されたボルト18bと、一端側が筒部18a内でボルト18bの先端部に接するスプリング18cと、このスプリング18cの他端側に接して付勢されるボール18dとを備えており、スプリング18cの付勢力によりボール18dを押圧することでボール18dの対応するロック孔14p〜14sとの係合状態を強固なものとして調整部材14が回動するのを制限する。また、上記ボルト18bを回動することにより、ボール18dに対するスプリング18cの付勢力を調整することができる。さらに、上記調整部材14の回動動作は、メインプレート7bをリンク体7aから起立させ、サブプレート7cをガイドローラ6b(図3)に立て掛けた状態で行われるものであり、上記操作部材17によって取付軸16及び調整部材14が順次回動されると、ボール18dはスプリング18cの付勢力に抗してボルト18d側に押されて当該調整部材14の回動を許容する。
【0026】
ここで、上記当接面14c〜14fが接触部材表面に当接したときでの荷受台全体の動作例を図5及び図9〜図13を参照して、具体的に説明する。
図5(a)に示すように、上記当接面14cが接触部材15に当接する場合、調整部材14は標準位置にセットされ、メインプレート7bのリンク体7aに対する展開角度はほぼ180度に設定される。このように標準位置に設定されると、荷受台7は上記水平モードとされ、図10(a)に示すように、荷箱床面52aとほぼ同じ高さのプラットホーム70に架け渡されて渡し板として使用できる。また、図10(b)に示すように、プラットホーム71が上記ホーム70より若干高い場合でも、それらの高低差でサブプレート7cがメインプレート7bに対し折り畳み方向に5度程度、自然に回動して渡し板として使用できる。
【0027】
また、図9(a)に示すように、上記当接面14dが接触部材15に当接する場合、調整部材14は上側1段目位置にセットされ、メインプレート7bのリンク体7aに対する展開角度はほぼ175度に設定される。このように上側1段目位置に設定されると、荷受台7は上記ブリッジモードの前上がり状態とされ、図11(a)に示すように、荷箱床面52aよりも高いプラットホーム72に架け渡されて渡し板として使用できる。また、図11(b)に示すように、プラットホーム73が上記ホーム72より若干高い場合でも、それらの高低差でサブプレート7cがメインプレート7bに対し折り畳み方向に5度程度、自然に回動して渡し板として使用できる。
【0028】
また、図9(b)に示すように、上記当接面14eが接触部材15に当接する場合、調整部材14は下側1段目位置にセットされ、メインプレート7bのリンク体7aに対する展開角度はほぼ185度に設定される。このように下側1段目位置に設定されると、荷受台7は上記ブリッジモードの前下がり状態とされ、図12(a)に示すように、荷箱床面52aよりも若干低いプラットホーム74に架け渡されて渡し板として使用できる。また、図12(b)に示すように、プラットホーム75が上記ホーム74より若干高い場合でも、それらの高低差でサブプレート7cがメインプレート7bに対し折り畳み方向に5度程度、自然に回動して渡し板として使用できる。さらに、図12(c)に示すように、プラットホーム76が上記ホーム75より若干高い場合でも、それらの高低差でサブプレート7cがメインプレート7bに対し折り畳み方向に2度程度、自然に回動して渡し板として使用できる。
【0029】
また、図9(c)に示すように、上記当接面14fが接触部材15に当接する場合、調整部材14は下側2段目位置にセットされ、メインプレート7bのリンク体7aに対する展開角度はほぼ190度に設定される。このように下側2段目位置に設定されると、荷受台7は上記ブリッジモードの前下がり状態とされ、図13(a)に示すように、荷箱床面52aよりも低いプラットホーム77に架け渡されて渡し板として使用できる。また、図13(b)に示すように、プラットホーム78が上記ホーム77より若干高い場合でも、それらの高低差でサブプレート7cがメインプレート7bに対し折り畳み方向に5度程度、自然に回動して渡し板として使用できる。
【0030】
以上のように構成された本実施形態の荷受台1では、上記渡し板機構13の調整部材14が上記展開角度を4段階のいずれの段階にする場合でも、対応する当接面14c〜14fが接触部材15の表面に接触している。これにより、荷受台7を上記水平モードまたはブリッジモードとし渡し板として使用しているときに、調整部材14は上記展開角度を調整するとともに、メインプレート7bがリンク体7aに対して展開する方向に回動するのを規制することができる。従って、調整部材14は、荷受台7上を移載される荷物や作業者の重量によってメインプレート7bがリンク体7aに対して下がる屈折が当該荷受台7に生じるのを防ぐことができる。この結果、上記従来例と異なり、作業者は上記屈折を防止するための規制装置等を操作する必要がなく、渡し板として使用するときでも荷物の積み降ろし作業を効率よく行うことができる。また、上記規制装置を省略できることから荷受台構造を簡単化することができ、コスト安価な荷受台を容易に構成することができる。
【0031】
尚、上記の説明では、4段階に上記展開角度を調整する調整部材14を有する渡し板機構13を用いた場合について説明したが、本発明はリンク体(基部材)及びメインプレートの一方側に当該メインプレートのリンク体に対する展開角度を調整する調整部材を設けて、この調整部材を、リンク体に対してメインプレートを展開したときに、リンク体及びメインプレートの他方側に接触させてメインプレートがリンク体に対して展開する方向に回動するのを規制するものであればよく、調整部材の形状や設置数、その操作方法等は上記のものに何等限定されない。例えば図14に示す円形板材24により、上記調整部材を構成してもよい。
【0032】
詳細には、図14に示すように、上記円形板材24は、その中心と異なる位置に回転軸25が一体回転可能に連結されたものであり、回転軸25の回転操作に応じて上記一対の支持板7b3の間でメインプレート7bに偏心して回動するように設けられている。上記回転軸25には、ギヤ27が一体的に取り付けられており、このギヤ27と噛み合うウォームギヤ28aを有する操作部材28の持ち手28aが回転操作されることで回転軸25が回転するようになっている。また、このようにウォームギヤ28aを用いることにより、操作部材28による操作時以外での回転軸25及び円形板材24の回動動作は停止されている。
【0033】
また、上記円形板材24は、その外周面24aがリンク体7a側に設けられた接触部材26に面接触するよう構成されている。詳細には、この接触部材26は、リンク体7aに対し図の上下方向にスライド移動可能に固定されており、円形板材24の回転に応じて上下方向に移動することで外周面24aと常に面接触し、かつその上下方向での移動が規制される。そして、円形板材24は、メインプレート7bがリンク体7aに対して展開する方向に回動するのを規制しつつ、例えば上記下側2段目位置で調整される展開角度(図14(a))から上記上側1段目位置で調整される展開角度(同図(b))までリンク体7aに対するメインプレート7bの角度を無段階的に変更する。このように上記展開角度を無段階的に変更するので、例えば図10(b)に示したようにサブプレート7cが荷箱床面52aとプラットホーム71との高低差で折り畳み方向に自然に回動することなく、プラットホームの高さなどに対応して荷受台7の角度をより簡単に変更することができる。この結果、当該荷受台7を渡し板として用いたときでの荷物の積み降ろし作業をさらに効率よく行うことができる。尚、上記の説明以外に、リンク体7aに対して揺動可能に設けた接触部材26を用いてもよい。
【0034】
また、上記の説明では、車体50の後方に引き出される荷受台昇降装置1に適用した場合について説明したが、本発明は側方に引き出される荷受台昇降装置にも同様に適用することができる。
また、上記の説明では、床下格納式の荷受台昇降装置に適用した場合について説明したが、リンク体に対してメインプレートを直角方向に起立させた状態で荷箱後部側に収納する起立格納式の荷受台昇降装置、あるいは車体後端に立設された左右一対のコラム内に配置された昇降スライダに基部材としてのブラケットを介してメインプレートが連結された荷受台を垂直昇降させる垂直昇降式の荷受台昇降装置にも適用することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明は以下の効果を奏する。
請求項1の荷受台によれば、上記調整部材がプラットホームの高さなどに対応して荷受台の角度を変更することができるとともに、荷物などの重量に起因する屈折が当該荷受台に生じるのを防ぐことができるので、渡し板として使用するときでも荷物の積み降ろし作業を効率よく行うことができる。
【0036】
また、請求項2の荷受台によれば、上記複数の当接面のうち、いずれかの当接面を基部材及びメインプレートの他方側に接触させることができるので、調整部材の構造を簡単化することができるとともに、渡し板として使用するときでも上記屈折が荷受台に生じるのを防ぎつつ、プラットホームの高さなどに対応して荷受台の角度を変更することができる。
【0037】
また、請求項3の荷受台によれば、調整部材が上記展開角度を無段階的に調整することができるので、プラットホームの高さなどに対応して荷受台の角度をより簡単に変更することができ、当該荷受台を渡し板として用いたときでの荷物の積み降ろし作業をさらに効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る荷受台を示す側面図であり、(a)はサブプレート及びメインプレートを展開した状態での同荷受台の側面図であり、(b)は上記サブプレートを折り畳んだ状態での同荷受台の側面図である。
【図2】上記荷受台が組み込まれた荷受台昇降装置を適用した車体後部の側面図である。
【図3】図2の状態から荷受台を展開した状態を示す側面図である。
【図4】上記荷受台の主要部を同荷受台の底面側からみた図である。
【図5】(a)は上記荷受台の主要部を示す拡大側面図であり、(b)は(a)のb−b線拡大断面図である。
【図6】(a)は上記調整部材の拡大平面図であり、(b)は(a)の矢印bからみたときの拡大平面図である。
【図7】(a)は図4に示した取付軸の拡大平面図であり、(b)は(a)の矢印bからみた同取付軸の図である。
【図8】(a)は図4に示した操作部材の拡大平面図であり、(b)は(a)のb−b線断面図である。
【図9】(a)〜(c)は図5に示した調整部材を異なる位置にそれぞれ回動させた場合での拡大側面図である。
【図10】上記調整部材を標準位置にセットした場合での荷受台の側面図であり、(a)及び(b)は同荷受台がそれぞれ異なる高さのプラットホームに架け渡された状態を示す図である。
【図11】上記調整部材を上側1段目位置にセットした場合での荷受台の側面図であり、(a)及び(b)は同荷受台がそれぞれ異なる高さのプラットホームに架け渡された状態を示す図である。
【図12】上記調整部材を下側1段目位置にセットした場合での荷受台の側面図であり、(a)、(b)、及び(c)は同荷受台がそれぞれ異なる高さのプラットホームに架け渡された状態を示す図である。
【図13】上記調整部材を下側2段目位置にセットした場合での荷受台の側面図であり、(a)及び(b)は同荷受台がそれぞれ異なる高さのプラットホームに架け渡された状態を示す図である。
【図14】他の実施形態の荷受台の主要部を示す拡大図であり、(a)及び(b)はリンク体に対しそれぞれ異なる展開角度でメインプレートを展開した状態での同荷受台の拡大側面図であり、(c)は同荷受台の調整部材及び操作部材の構成例を示す斜視図である。
【図15】(a)及び(b)はそれぞれ水平状態及び前下がり状態における従来の荷受台を示す側面図である。
【符号の説明】
7 荷受台
7a リンク体(基部材)
7b メインプレート
7c サブプレート
14 調整部材
14c〜14f 当接面
24 円形板材(調整部材)

Claims (3)

  1. 基部材に対して折り畳み可能に連結されたメインプレートと、このメインプレートに対してヒンジを介して折り畳み可能に連結されたサブプレートとを具備し、前記基部材及びメインプレートに対して前記メインプレート及びサブプレートをそれぞれ展開して渡し板として使用可能な荷受台であって、
    前記基部材及びメインプレートの一方側に設けられるとともに、前記基部材に対してメインプレートを展開したときに、前記基部材及びメインプレートの他方側に接触することによって前記メインプレートが基部材に対して展開する方向に回動するのを規制し、かつ当該メインプレートの基部材に対する展開角度を調整する調整部材を備え
    前記調整部材が、前記メインプレートを水平にした状態と、前記メインプレートを複数段階又は無段階に傾斜させた状態とで、前記基部材に対する前記メインプレートの展開方向への回動を規制するように構成されていることを特徴とする荷受台。
  2. 前記調整部材が、前記基部材及びメインプレートの他方側に接触する複数の当接面を有し、前記基部材及びメインプレートの一方側に回動可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の荷受台。
  3. 前記基部材及びメインプレートの一方側に、偏心して回動するように設けられた円形板材により、前記調整部材を構成するとともに、
    前記円形板材を前記メインプレートの展開角度に対応して回動させて、当該円形板材の外周面を前記基部材及びメインプレートの他方側に接触させることを特徴とする請求項1記載の荷受台。
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