JP4180265B2 - 真空排気装置の運転方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体製造工程に用いられるドライ真空ポンプの省電力化を図った真空排気装置の運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体製造装置用の真空排気装置として油回転真空ポンプが用いられていたが、近年、作動油を使用しないクリーンなドライ真空ポンプが利用されている。ここでいうドライ真空ポンプとは、大気圧からの真空排気が可能であり、吸入室にシール油(作動油)を有しない機械的真空ポンプ(以下、同じ。)であって、容積移動型のルーツ型、クロー形、スクリュー型が多く使用されている。これらのポンプはいずれも2軸構造で、一対のロータは互いに僅かの隙間を保って反対方向に回転することで真空排気を行うもので、接触部分をもたないことから寿命が長く、製造装置から流入するガス中に含まれる固形成分も排気でき、腐食性ガスに対しても耐食性を容易に持たせることができる。
【0003】
しかし、ドライ真空ポンプは、油回転真空ポンプに比べて消費電力が大きいという問題を有している。特に、環境上の問題からエネルギー消費を抑える必要が生じたことと、半導体製造のコストダウンが要求されることから、ドライ真空ポンプの消費電力を50%以下に抑制したいとの要望が生じている。
【0004】
例えば、ルーツ型ドライ真空ポンプは、回転軸に沿って複数のロータを備えた回転体を相隣接して設け、相対向したロータが互いに僅かの隙間を保って逆方向に回転したガスの吸入、排気を行うもので、3段から6段のポンプ室から構成され、各段のポンプ室で順次ポンプ作用を行うものである。このポンプでは、ロータの回転により排気ガスを前段部から後段部へと移送するが、ロータ最終段においてガス移送空間が吐出側空間と連通した瞬間に、吐出側気体がポンプ内に逆流して上記ガス移送空間内の排気ガスを圧縮する。したがって、吸入口側を真空に保つためには、圧縮行程で逆流ガスを押し戻してやる必要があり、大気圧からの逆流を受け止めるロータ最終段では、ガスを押し戻すためにポンプ全体の所要動力の約70%から80%程度が費やされている。
【0005】
そこで、特開平6−129384号公報には、図3に示すように真空処理室1を真空排気するドライ真空ポンプ2の後段に、ドライ真空ポンプ2側から大気側へのガスの流れのみを許容する逆止弁4を設けるとともに、ドライ真空ポンプ2よりも排気容量の小さい補助ポンプ3を上記逆止弁4をバイパスするようにドライ真空ポンプ2の吐出側に設けることによって、ドライ真空ポンプ2の吐出側を大気圧以下に排気しポンプ最終段に逆流するガスの押し戻し仕事を低減する技術が開示されている。
【0006】
この技術によれば、従来では大気圧とされていたドライ真空ポンプ2の吐出側が補助ポンプ3によって大気圧以下の所定の真空度に排気、維持されるために、ドライ真空ポンプ2への逆流ガスが大幅に低減され、よって、逆流ガスの押し戻しに必要とされる動力を確実に低減することが可能となるので、ドライ真空ポンプ2の駆動電力の大幅な削減つまり省エネルギー(以下、省エネともいう。)化を図ることが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一般に半導体製造装置は、ローディング室や成膜室、真空熱処理室などの複数の真空処理室が直線的または環状に配置され、ウェーハ等の被処理基板が順次各処理室を搬送されて製品とされる場合が多い。このため、ドライ真空ポンプは、所定の真空処理室に各々対応して配置され、各室を独立して真空排気できるようにしている。
【0008】
このような場合、各真空処理室に対して図3に示した構成の真空排気装置をそれぞれ設けるとなると、ドライ真空ポンプ2の設置台数に対応して補助ポンプ3が同数必要となるだけでなく、複数台の補助ポンプ3を設置するスペースが必要となる。また、補助ポンプ3をドライ真空ポンプ2に内蔵することも考えられるが、これではドライ真空ポンプが大型化し、同様な設置スペースの問題が生じることとなる。
【0009】
更には、補助ポンプ3の設置台数に対応してメンテナンス時間およびコストが上昇し、スループットの低下および製造コストの上昇を招き、本来目的とされていた真空排気装置の省エネ効果が薄らいでしまうことになる。
【0010】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、補助ポンプの設置スペースを小さくしながらも複数台のドライ真空ポンプを配置でき、メンテナンスコストの低減を図って真空排気系の省エネ効果を実効あらしめる真空排気装置の運転方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するに当たり、本発明の真空排気装置の運転方法は、真空処理室に各々連絡する互いに並列的に配置された容積移送式の複数台のドライ真空ポンプと、これらのドライ真空ポンプの吐出側に各々接続され前記ドライ真空ポンプから大気側へのガスの流れのみを許容する逆止弁と、前記複数台のドライ真空ポンプの吐出側に前記逆止弁に対して並列的に配置され前記複数台のドライ真空ポンプの運転中それらの吐出側を共通に排気する一台の補助ポンプと、前記複数台のドライ真空ポンプの各吐出側と前記補助ポンプとを連絡する配管に各々設けられ、前記各吐出側と前記補助ポンプとの間を連通/遮断する開閉弁とを備えた真空排気装置の運転方法であって、前記ドライ真空ポンプの運転開始時は、前記補助ポンプを第1の回転数で駆動し、前記ドライ真空ポンプの吐出圧が第1の設定値にまで低下したときは、前記補助ポンプを前記第1の回転数よりも低い第2の回転数で駆動し、前記ドライ真空ポンプの吐出圧が前記第1の設定値よりも低い第2の設定値にまで低下したときは、前記開閉弁の各々を閉弁するとともに前記補助ポンプの運転を停止させることを特徴とする。
また、本発明の真空排気装置の運転方法は、真空処理室に各々連絡する互いに並列的に配置された容積移送式の複数台のドライ真空ポンプと、これらのドライ真空ポンプの吐出側に各々接続され前記ドライ真空ポンプから大気側へのガスの流れのみを許容する逆止弁と、前記複数台のドライ真空ポンプの吐出側に前記逆止弁に対して並列的に配置され前記複数台のドライ真空ポンプの運転中それらの吐出側を共通に排気する一台の補助ポンプと、前記複数台のドライ真空ポンプの各吐出側と前記補助ポンプとを連絡する配管に各々設けられ、前記各吐出側と前記補助ポンプとの間を連通/遮断する開閉弁とを備えた真空排気装置の運転方法であって、前記ドライ真空ポンプの運転開始時は、前記補助ポンプを第1の回転数で駆動し、前記ドライ真空ポンプの駆動電流又は消費電力が第1の設定値にまで低下したときは、前記補助ポンプを前記第1の回転数よりも低い第2の回転数で駆動し、前記ドライ真空ポンプの駆動電流又は消費電力が前記第1の設定値よりも低い第2の設定値にまで低下したときは、前記開閉弁の各々を閉弁するとともに前記補助ポンプの運転を停止させることを特徴とする。
【0012】
本発明では、複数台のドライ真空ポンプの吐出側を単一の補助ポンプで共通に排気するようにしているので、補助ポンプの設置台数は原則として一台で済み、したがって、補助ポンプの設置スペースを最小にすることが可能となる。また、ドライ真空ポンプの各吐出側と補助ポンプとの間に各々開閉弁が設けられているので、何れかのドライ真空ポンプの運転が停止されている場合には対応する開閉弁を閉じ、残りの動作中のドライ真空ポンプの吐出側のみを排気するようにして排気動作の効率化、および補助ポンプの消費電力の低減化を図り、真空排気装置全体の消費電力の省エネ化を図ることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態では、スパッタリングや蒸着など、排気ガス中にポンプ内で析出堆積する成分を含まないプロセス(ライトプロセス)における真空処理室用の真空排気装置を例に挙げて説明する。
【0014】
図1は本発明の実施の形態による真空排気装置の概略配管構成を示している。並列的に複数台(本実施の形態では3台)配置されるドライ真空ポンプ20A〜20Cの吸入配管11A〜11Cには、図示しない真空処理室が各々接続されている。これら各真空処理室は互いに独立して真空排気可能に構成されている。一方、ドライ真空ポンプ20A〜20Cの吐出配管12A〜12Cには、ドライ真空ポンプ20A〜20Cからの排気ガスを大気に解放するための逆止弁28A〜28Cと、補助ポンプ30との間を連通/遮断する圧空式、電磁式、電動式等の開閉弁40A〜40Cが互いに並列的に設けられている。補助ポンプ30は、一台で、各ドライ真空ポンプ20A〜20Cの吐出側を、開閉弁40A〜40Cを介して共通に排気するようになっている。
【0015】
ドライ真空ポンプ20A〜20Cは、容積移送式のルーツ型ドライ真空ポンプで構成されるが、勿論これに限られず、クロー型やスクリュー型といった他の容積移送式あるいは容積移動型のドライ真空ポンプを用いることも可能である。
【0016】
一方、補助ポンプ30は、ダイアフラムポンプ、ベーンポンプ、ピストンポンプ、スクロールポンプ、ネジ溝(スクリュー)ポンプ、多段ルーツポンプ等の容積移送型ポンプであって、ドライ真空ポンプとは独立した駆動源を有し、回転数により排気能力を調整することができるポンプであればよい。補助ポンプ30の運転状態は、制御装置33によって制御される。補助ポンプ30の駆動源としては、起動電力の低いDCブラシレスモータが採用され、制御装置33は、当該モータに供給する駆動電圧を調整することによって回転数制御を行う一方、当該モータのON/OFF制御によって補助ポンプ30の運転/停止操作が可能となっている。
【0017】
なお、DCモータの制御方法は上記のような電圧制御に限らず、例えばPWM制御なども採用可能である。また、補助モータ30の駆動源はDCモータに限らず、ACモータも適用可能である。この場合の回転数制御方法としては、インバータ制御が代表的である。
【0018】
制御装置33は、補助ポンプ30の回転数を制御する本発明の制御手段として構成される。制御装置33には、各ドライ真空ポンプ20A〜20Cの吸入配管11A〜11Cに設けられた吸入圧力センサ34A〜34Cの出力と、各開閉弁40A〜40Cと補助ポンプ30との間を連絡する連絡配管13に設けられた吐出圧力センサ35の出力と、各ドライ真空ポンプ20A〜20Cの駆動電流または消費電力を検出する電流センサ36A〜36Cの出力とが、それぞれ供給されるようになっている。制御装置33は、これらの信号に基づいて、補助ポンプ30の運転状態を制御するように構成されている。
【0019】
また、制御装置33は、上記各センサの出力に基づいて、開閉弁40A〜40Cを各々独立して開閉するように構成されており、運転が停止されたポンプに対応する開閉弁を閉じて連絡配管13との連通を遮断できるようになっている。
【0020】
ここで本実施の形態では、吐出圧力センサ35には半導体トランスジューサ式圧力センサが用いられ、吸入圧力センサ34A〜34Cにはピラニ真空計が用いられる。なお、吸入圧力センサ34A〜34Cとしては、各真空処理室に設置される例えば隔膜式真空計を代用することも可能である。
【0021】
次に、以上のように構成される本実施の形態の作用について説明する。図2は、本実施の形態の作用の結果得られるドライ真空ポンプ20A〜20Cの吸入側圧力および吐出側圧力、ならびに真空排気装置全体の有効電力(消費電力)のタイムチャートの一例と、このときの補助ポンプ30の運転状態との関係を示している。
【0022】
今、開閉弁40A〜40Cはすべて開弁状態にあり、各ドライ真空ポンプ20A〜20Cが運転しているとする。図示しない各々の真空処理室においては、ドライ真空ポンプ20A〜20Cによって大気圧から所定の真空度にまで粗引き排気される。真空処理室20A〜20Cの圧力は図2Aに示すように低下する。また、吐出配管12A〜12C内の吐出ガスは、逆止弁28A〜28Cを開弁して大気へ解放されるとともに補助ポンプ30の排気作用によって減圧される(図2B)。更に、ドライ真空ポンプ20A〜20Cの消費電力は、排気動作開始直後は最終段におけるガスの圧縮仕事によって多少上昇するものの、補助ポンプ30による排気作用によって直ぐに低下するため、装置全体としての消費電力は減少する(図2C)。
【0023】
補助ポンプ30は運転開始から定常回転数で連続運転されるが、ドライ真空ポンプ20の吐出側圧力が設定値P1(例えば100Pa)にまで低下すると、制御装置33は、補助ポンプ30の駆動回転数を予め設定された、定常回転数よりも低い回転数(以下、制御回転数という。)に変更し、補助ポンプ30の排気速度を低下させる。変更後の回転数(排気速度)は適宜設定可能であるが、圧力P1以下においてドライ真空ポンプ20A〜20Cの排気特性に影響を与えず、かつドライ真空ポンプ20A〜20Cの消費電力が悪化しない程度の排気速度が最低限必要とされる。これにより、補助ポンプ30の消費電力を低減でき、真空排気装置全体の省エネ化を図ることができる。
【0024】
吐出圧力センサ35の出力が更に低下し、これが設定値P2(例えば1Pa)に到達すると、本実施の形態では、開閉弁40A〜40Cを閉弁するとともに補助ポンプ30の運転を停止させる。補助ポンプ30の停止中、補助ポンプ30に費やされる消費電力はゼロであるので、真空排気装置全体としての消費電力は瞬間的に大きく低下する(図2C)。これにより、装置全体の消費電力を短時間ではあるが最小とすることができる。
【0025】
なお、開閉弁40A〜40Cの閉弁制御によって、停止中の補助ポンプ30および連絡配管13を介しての吐出配管12A〜12Cへのガスの逆流を防止することができる。特にこの制御は、ルーツ型やスクリュー型等の構造的に吐出弁をもたない真空ポンプを補助ポンプ30として用いられている場合に有効であり、ベーン型やダイアフラム型等の構造的に吐出弁をもち当該吐出弁のシール性に優れたポンプが補助ポンプ30として用いられている場合には、開閉弁40A〜40Cの閉弁制御は不要である。
【0026】
補助ポンプ30の停止中、ドライ真空ポンプ20A〜20Cの内部の放出ガスやバラストガス(N2 )により、ドライ真空ポンプ20A〜20Cの吐出側圧力は徐々に上昇し、これに伴う逆流ガスの押し戻し仕事が増大してドライ真空ポンプ20A〜20Cの消費電力が僅かながらも増大し始める(図2B,C)。このときの消費電力が設定値Wにまで上昇したことが電流センサ36A〜36Cにより検出されると、制御装置33は、補助ポンプ30の運転を再開させるとともに開閉弁40A〜40Cを開き、吐出配管12A〜12Cを減圧する。このときの補助ポンプ30の駆動回転数は、上記制御回転数とされる。
【0027】
以後、上記の動作を繰り返すことによって、ドライ真空ポンプ20A〜20Cの吸入側を所定の真空度(例えば1Pa)に維持する。これにより、補助ポンプ30の運転状態として、定常回転数よりも低い制御回転数で運転される時間と運転が停止される時間とができるので、補助ポンプ30の低消費電力化を図ることができ、もって、真空排気装置全体の省エネ化を図ることができる。
【0028】
本実施の形態によれば、補助ポンプ30は一台だけでよいので、補助ポンプ30の設置スペースを最小限にすることができる。また、真空排気装置のメンテナンスも容易となるので、メンテナンスコストの低減は勿論、半導体製造装置のスループットの向上を図ることができる。
【0029】
次に、例えばドライ真空ポンプ20Aに連絡する真空処理室が大気に解放されドライ真空ポンプ20Aの運転が停止されたとすると、吸入圧力センサ34Aの所定以上の圧力検出値を制御装置33が判別して開閉弁40Aを閉弁制御する。この場合、動作中の2台のドライ真空ポンプ20B,20Cからの吐出ガスのみを排気する能力があればよいので、ドライ真空ポンプが3台とも動作しているときに比べて補助ポンプ30の排気能力を低くすることが可能となる。
【0030】
そこで本実施の形態では、上記のような場合には制御装置33が補助ポンプ30の回転数を定常回転数よりも低く設定して、補助ポンプ30の消費電力を低減するようにしている。また、停止したドライ真空ポンプが2台である場合には、更に補助ポンプ30の回転数を低くして補助ポンプ30の消費電力の更なる低減化を図ることができる。つまり、本実施の形態によれば、ドライ真空ポンプ20A〜20Cの動作台数に対応した回転数で補助ポンプ30を運転させるようにしているので、真空排気装置全体の消費電力を効率良く低減することができる。
【0031】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0032】
例えば以上の実施の形態では、吐出圧力センサ35の出力に基づいて補助ポンプ30の駆動回転数を制御するようにしたが、これに代えて、ドライ真空ポンプ20A〜20Cの消費電力を検出する電流センサ36A〜36Cの出力に基づいて補助ポンプ30の駆動回転数を制御するようにしてもよい。ドライ真空ポンプ20A〜20Cの消費電力は、ドライ真空ポンプ20A〜20Cの吐出圧力に比例して増減するからである。
【0033】
その他、ドライ真空ポンプ20A〜20Cのポンプ温度あるいは吐出ガス温度に基づいて補助ポンプ30の駆動回転数を制御することも可能である。これらのパラメータは、ドライ真空ポンプの最終段における逆流ガスの押し戻し仕事の大きさに関係しているからである。ただし、この例では、外気温度やポンプ等のもつ熱容量により追従性に問題がある点に留意する必要がある。
【0034】
また、真空処理室が所定の真空処理中かまたはスタンバイ中かによって、補助ポンプ30の駆動回転数を制御することも可能である。つまり、真空処理中であれば、プロセスガスの導入あるいは反応ガスの生成によってドライ真空ポンプ20A〜20Cの吸入圧が上昇するので、これを吸入圧力センサ34A〜34Cによって検出し、これが所定値を上回っている場合には補助ポンプ30を定常回転数で回転させるようにし、また、これらのガスが消失した際(つまりスタンバイ中)は補助ポンプ30を定常回転数よりも低い所定の制御回転数で駆動させることも可能である。
【0035】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の真空排気装置の運転方法によれば、各ドライ真空ポンプの動作環境に応じて補助ポンプの運転状態を調整するようにしているので、ドライ真空ポンプ及び補助ポンプの消費電力を効率良く削減することができるとともに、真空排気装置全体としての省エネ効果を一層実効的なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による真空排気装置の概略配管構成図である。
【図2】本発明の実施の形態の作用の一例を示す図であり、Aはドライ真空ポンプの吸入側圧力、Bはドライ真空ポンプの吐出側圧力、Cは真空排気装置全体の消費電力、そしてDは補助ポンプの運転状態をそれぞれ示している。
【図3】従来の真空排気装置の概略配管構成図である。
【符号の説明】
12A〜12C 吐出配管
20A〜20C ドライ真空ポンプ
28A〜28C 逆止弁
30 補助ポンプ
33 制御装置(制御手段)
34A〜34C 吸入圧力センサ(圧力検出手段)
35 吐出圧力センサ(圧力検出手段)
36A〜36C 電流センサ(センサ手段)
40A〜40C 開閉弁
Claims (3)
- 真空処理室に各々連絡する互いに並列的に配置された容積移送式の複数台のドライ真空ポンプと、これらのドライ真空ポンプの吐出側に各々接続され前記ドライ真空ポンプから大気側へのガスの流れのみを許容する逆止弁と、前記複数台のドライ真空ポンプの吐出側に前記逆止弁に対して並列的に配置され前記複数台のドライ真空ポンプの運転中それらの吐出側を共通に排気する一台の補助ポンプと、前記複数台のドライ真空ポンプの各吐出側と前記補助ポンプとを連絡する配管に各々設けられ、前記各吐出側と前記補助ポンプとの間を連通/遮断する開閉弁とを備えた真空排気装置の運転方法であって、
前記ドライ真空ポンプの運転開始時は、前記補助ポンプを第1の回転数で駆動し、
前記ドライ真空ポンプの吐出圧が第1の設定値にまで低下したときは、前記補助ポンプを前記第1の回転数よりも低い第2の回転数で駆動し、
前記ドライ真空ポンプの吐出圧が前記第1の設定値よりも低い第2の設定値にまで低下したときは、前記開閉弁の各々を閉弁するとともに前記補助ポンプの運転を停止させることを特徴とする真空排気装置の運転方法。 - 請求項1に記載の真空排気装置の運転方法であって、
前記複数台のドライ真空ポンプのうち何れかのドライ真空ポンプの吸入圧が所定値を上回っているときは、当該ドライ真空ポンプに対応する前記開閉弁を閉弁することを特徴とする真空排気装置の運転方法。 - 真空処理室に各々連絡する互いに並列的に配置された容積移送式の複数台のドライ真空ポンプと、これらのドライ真空ポンプの吐出側に各々接続され前記ドライ真空ポンプから大気側へのガスの流れのみを許容する逆止弁と、前記複数台のドライ真空ポンプの吐出側に前記逆止弁に対して並列的に配置され前記複数台のドライ真空ポンプの運転中それらの吐出側を共通に排気する一台の補助ポンプと、前記複数台のドライ真空ポンプの各吐出側と前記補助ポンプとを連絡する配管に各々設けられ、前記各吐出側と前記補助ポンプとの間を連通/遮断する開閉弁とを備えた真空排気装置の運転方法であって、
前記ドライ真空ポンプの運転開始時は、前記補助ポンプを第1の回転数で駆動し、
前記ドライ真空ポンプの駆動電流又は消費電力が第1の設定値にまで低下したときは、前記補助ポンプを前記第1の回転数よりも低い第2の回転数で駆動し、
前記ドライ真空ポンプの駆動電流又は消費電力が前記第1の設定値よりも低い第2の設定値にまで低下したときは、前記開閉弁の各々を閉弁するとともに前記補助ポンプの運転を停止させることを特徴とする真空排気装置の運転方法。
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