JP2021110315A - 補助ポンプ制御装置、および、真空ポンプシステム - Google Patents

補助ポンプ制御装置、および、真空ポンプシステム Download PDF

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Abstract

【課題】消費電力量を低減可能にした補助ポンプ制御装置、および、真空ポンプシステムを提供する。【解決手段】コントローラー11は、補助ポンプ20を駆動させながら真空ポンプ10を駆動するときの真空ポンプ10の駆動に要する消費電力量が第1消費電力量であり、補助ポンプ20を駆動させずに真空ポンプ10を駆動するときの真空ポンプ10の駆動に要する消費電力量が第2消費電力量である。また、第2消費電力量のなかで、第1消費電力量が当該第1消費電力量を要する吸気圧での第2消費電力量以上である範囲が、高負荷範囲である。そして、第1消費電力量の検出値が高負荷範囲内であるときに、補助ポンプの駆動を停止する。【選択図】図1

Description

本発明は、補助ポンプ制御装置、および、真空ポンプシステムに関する。
真空ポンプの消費電力量を低減する技術として、真空ポンプの排気配管に真空ポンプよりも排気速度が低い補助ポンプを接続する提案がなされている。真空ポンプの排気圧は、一般的には大気圧であるが、一定の条件を満たす場合には、補助ポンプの駆動によって低下する。一定の条件とは、例えば、真空槽などの排気対象が真空ポンプの排気によって到達し得る圧力範囲となる場合である。こうした一定の条件が満たされる場合には、気体の移送に伴う損失よりも、吸気口と排気口との間での差圧の高低が、消費電力量の支配的な要因となる。そして、補助ポンプの駆動によって排気圧が低下すると、真空ポンプの負荷は、差圧を保つことから解放されて大幅に軽減される。補助ポンプは、こうした差圧の確保を担っている。なお、消費電力量の低減を図るうえで、例えば、真空ポンプの排気速度が1000L/minであれば、補助ポンプの排気量は10L/minで足りる(例えば、特許文献1を参照)。これは、一定の条件下では気体の移送量が減少するためである。
特開2008−8302号公報
一方、真空ポンプと補助ポンプの組み合わせとなる真空ポンプシステムにおいて、真空ポンプの吸気口圧力である吸気圧は、排気対象が大気圧から到達圧となるまでの広い範囲にわたる。そのため、真空ポンプの排気口圧力である排気圧、すなわち、補助ポンプの吸気口圧力は真空ポンプの吸気圧に応じて区々となる。このように、補助ポンプの吸気口圧力が区々となることは、単位時間あたりにおける気体の移送量が真空ポンプと補助ポンプとの間で互いに異なるために生じる。そして、真空ポンプの排気圧の範囲には、上述した消費電力量を低減させる観点において、補助ポンプの排気に適した範囲の他に、補助ポンプの排気に適さない範囲も含まれてしまう。真空ポンプの排気圧が補助ポンプの排気に適さない範囲では、真空ポンプの排気圧を下げるように補助ポンプを駆動させるとしても、消費電力量を低減させるに足る排気圧が十分に期待されず、結果として、消費電力量を低減させるに至らない状況を招いている。
本発明の目的は、消費電力量を低減可能にした補助ポンプ制御装置、および、真空ポンプシステムを提供することである。
上記課題を解決するための補助ポンプ制御装置は、真空ポンプの排気圧を下げるための補助ポンプの制御装置であって、前記補助ポンプを駆動させながら前記真空ポンプを駆動するときの前記真空ポンプの駆動に要する消費電力量が第1消費電力量であり、前記補助ポンプを駆動させずに前記真空ポンプを駆動するときの前記真空ポンプの駆動に要する前記真空ポンプの消費電力量が第2消費電力量である。また、前記第2消費電力量のなかで、前記第1消費電力量が当該第1消費電力量を要する吸気圧での前記第2消費電力量以上である範囲が、高負荷範囲である。そして、前記第2消費電力量の検出値が前記高負荷範囲のなかの所定値以上であるときに、前記補助ポンプの駆動を停止する。
上記課題を解決するための補助ポンプ制御装置は、真空ポンプの排気圧を下げるための補助ポンプの制御装置であって、前記補助ポンプを駆動させながら前記真空ポンプを駆動するときの前記真空ポンプの駆動に要する前記真空ポンプの消費電力量、および、前記補助ポンプの消費電力量の合計が第1消費電力量であり、前記補助ポンプを駆動させずに前記真空ポンプを駆動するときの前記真空ポンプの駆動に要する前記真空ポンプの消費電力量が第2消費電力量であり、前記第2消費電力量のなかで、前記第1消費電力量が当該第1消費電力量を要する吸気圧での前記第2消費電力量以上である前記第1消費電力量の範囲が、高負荷範囲であり、前記第2消費電力量の検出値が前記高負荷範囲のなかの所定値以上であるときに、前記補助ポンプの駆動を停止する。
真空ポンプの駆動に要する消費電力量は、真空ポンプの駆動に要する負荷が高いほど高い。真空ポンプの駆動に要する負荷は、真空ポンプの吸気圧が高いほど高い。真空ポンプの吸気圧が大気圧を含むような高圧領域や、真空ポンプの排気圧が補助ポンプの作動圧を越えるような高圧領域では、補助ポンプによる効率的な排気圧の低下が期待されがたい。結果として、補助ポンプの減圧によって低減される消費電力量が、補助ポンプの駆動に要する消費電力量を下回ってしまう。
この点、上記補助ポンプ制御装置によれば、第2消費電力量のなかで、第1消費電力量が当該第1消費電力量を要する吸気圧での第2消費電力量以上である範囲が、高負荷範囲として定められる。そして、第2消費電力量が高負荷範囲のなかの所定値以上であるときに、補助ポンプの駆動が停止される。これにより、補助ポンプの減圧による消費電力量の低減が期待されない排気状態で補助ポンプを駆動することが抑えられる。結果として、真空ポンプの吸気圧が高圧領域であるような排気状態において補助ポンプの駆動が停止される分だけ、消費電力量を低めることができる。
上記補助ポンプ制御装置において、前記真空ポンプの排気配管の途中に逆止弁と温度検出部とが位置する。前記逆止弁は、前記真空ポンプに向けて排気が逆流することを抑え、前記温度検出部は、前記排気配管における前記逆止弁の下流での温度を検出する。また、前記補助ポンプは、前記排気配管における前記逆止弁の上流に接続される。そして、上記補助ポンプ制御装置は、前記温度検出部での検出値が所定値以上であるときに、前記補助ポンプの駆動を停止してもよい。
真空ポンプの吸気圧が大気圧を含む高圧領域では、真空ポンプの排気圧もまた高く、真空ポンプの排気は、逆止弁を通じて外部に出る。さらに、真空ポンプの排気の温度もまた高く、高温の排気が補助ポンプを通過することは、補助ポンプの耐久性を低下させやすい。この点、上記補助ポンプ制御装置によれば、逆止弁の下流での温度が所定値以上であるときに、補助ポンプの駆動が停止される。すなわち、逆止弁を開弁させる程度に高圧、かつ、高温の排気が真空ポンプから出るときは、補助ポンプの駆動が停止される。そのため、消費電力量が低減できることに加えて、所定値以上を有した高温の排気が補助ポンプを流れることも抑えられる。
上記補助ポンプ制御装置において、前記第2消費電力量のなかで、前記第1消費電力量が当該第1消費電力量を要する吸気圧での前記第2消費電力量未満である範囲が、低負荷範囲である。そして、上記補助ポンプ制御装置は、前記第2消費電力量の検出値が前記低負荷範囲内であるときに、前記補助ポンプを所定期間だけ駆動したときの、前記補助ポンプの駆動に要する電力量の単位時間あたりの変化量が所定値以下であるときに、前記補助ポンプの駆動を停止してもよい。
真空ポンプの吸気圧が到達圧に近い排気状態では、真空ポンプの排気圧が低い値に保たれて、補助ポンプの駆動に要する消費電力量も変化しがたい。この点、上記補助ポンプ制御装置によれば、補助ポンプの駆動に要する電力量の単位時間あたりの変化量が所定値以下であるときに、補助ポンプの駆動が停止される。すなわち、補助ポンプの駆動に要する負荷が変わらないと見なされる程度に吸気圧が低圧であるときは、補助ポンプの駆動が停止される。結果として、吸気圧が低圧領域であると推定される排気状態のなかでも消費電力量の低減を期待されない状態において補助ポンプの駆動が停止されるため、消費電力量を低めることが可能となる。
上記補助ポンプ制御装置において、第1消費電力量のなかで、前記第1消費電力量が当該第1消費電力量を要する吸気圧での前記第2消費電力量未満である範囲が、低負荷範囲である。そして、補助ポンプ制御装置は、前記第2消費電力量の検出値が前記低負荷範囲内であるときに、前記補助ポンプを所定期間だけ駆動したときの前記第1消費電力量の検出値が所定値以上であるときに、前記補助ポンプの駆動を停止してもよい。
補助ポンプが作動圧で効率的に駆動されると、真空ポンプの排気圧が補助ポンプの駆動によって効果的に低められて、真空ポンプの駆動に要する消費電力量が効果的に低められる。この点、上記補助ポンプ制御装置によれば、補助ポンプが所定期間だけ駆動されて、第1消費電力量の検出値が所定値以上であれば、補助ポンプの駆動が停止される。すなわち、補助ポンプの駆動によって消費電力量が効果的に低められる状態であるか否かが、所定期間の補助ポンプの駆動を通じて確認される。そして、第1消費電力量の検出値が所定値以上であれば、消費電力量が効果的に低められる状態ではないと推定されて、補助ポンプの駆動が停止される。結果として、低負荷範囲のなかでも消費電力量が効果的に低められない状態では補助ポンプの駆動が停止されるため、消費電力量を低めることの実効性がさらに高められる。
上記課題を解決するための真空ポンプシステムは、真空ポンプと、前記真空ポンプの排気圧を下げるための補助ポンプと、前記補助ポンプの駆動を制御する補助ポンプ制御装置と、を備え、前記補助ポンプ制御装置が、上述した補助ポンプ制御装置である。
第1実施形態における真空ポンプシステムの構成を示す構成図。 補助ポンプの駆動処理の流れを示すフローチャート。 真空ポンプの消費電力量について圧力推移の一例を示すグラフ。 第2実施形態における真空ポンプシステムの構成を示す構成図。 補助ポンプの駆動処理の流れを示すフローチャート。 真空ポンプの消費電力量と排気の温度との圧力推移の一例を示すグラフ。 第3実施形態における真空ポンプシステムの構成を示す構成図。 補助ポンプの駆動処理の流れを示すフローチャート。 真空ポンプの消費電力量について圧力推移の一例を示すグラフ。 第4実施形態での補助ポンプの駆動処理の流れを示すフローチャート。 真空ポンプの消費電力量について圧力推移の一例を示すグラフ。
(第1実施形態)
以下、図1から図3を参照して、補助ポンプ制御装置、および、真空ポンプシステムの第1実施形態を説明する。
図1が示すように、真空ポンプシステムは、真空ポンプ10を備える。真空ポンプ10は、例えば、ドライポンプ、メカニカルブースターポンプ、油回転ポンプである。真空ポンプ10の吸気口は、真空室などの排気対象に接続されている。真空ポンプ10の排気口は、サイレンサ30に接続されている。サイレンサ30の排気口は、大気環境へと接続されている。
真空ポンプ10とサイレンサ30とを接続する排気配管の途中には、逆止弁が位置する。逆止弁は、真空ポンプ10からサイレンサ30に向けた方向を順方向とする。典型的には、真空ポンプ10の排気圧が大気圧よりも高い所定の開弁圧以上であるときに、逆止弁は開弁し、気体がサイレンサ30へ導かれる。真空ポンプ10の排気圧が大気圧よりも開弁圧未満であるときに、逆止弁は閉弁しており、気体がサイレンサ30側から真空ポンプ10の排気口へと導かれることを阻止する。
排気配管のなかで逆止弁と真空ポンプ10との間には、分岐配管を通じて、補助ポンプ20の吸気口が接続されている。補助ポンプ20は、真空ポンプ10よりも排気速度が十分に低いポンプであって、例えば、ダイアフラムポンプである。補助ポンプ20の排気速度は、例えば、真空ポンプ10の排気速度の1/10から1/100が選択される。サイレンサ30と補助ポンプ20とは、真空ポンプ10に対して並列に接続されている。補助ポンプ20の排気口は大気環境へと接続されている。
真空ポンプシステムは、コントローラー11を備える。コントローラー11は、補助ポンプ制御装置の一例である。コントローラー11は、例えば、CPU、RAM、ROMなどのコンピュータに用いられるハードウェア要素、および、ソフトウェアを備える。コントローラー11は、各種の処理を全てソフトウェアで処理するものに限らない。例えば、コントローラー11は、各種の処理のうちの少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェアである特定用途向け集積回路(ASIC)を備えてもよい。コントローラー11は、ASICなどの1つ以上の専用のハードウェア回路、コンピュータプログラムであるソフトウェアに従って動作する1つ以上のプロセッサであるマイクロコンピュータ、あるいは、これらの組み合わせ、を含む回路を備えてもよい。
コントローラー11は、インバーター装置を備える。インバーター装置は、真空ポンプ10が備えるモーターに、所定の回転数で駆動するための電流を供給する。コントローラー11がモーターを回転させると、吸気口から排気口へと気体が移送される。この気体の移送に伴い圧力差が生まれることで、排気対象に存在する気体は排気配管へと移送され、逆止弁を開けてサイレンサ30から大気環境へと導かれる。
コントローラー11は、モーターに供給された電流値を検出して、真空ポンプ10の駆動に要した電力量を検出する。またコントローラー11は、後述する補助ポンプ20の駆動に要した電力量を合算して検出することを可能としてもよい。コントローラー11は真空ポンプ10の駆動に要した電力量のみの値を第2消費電力量の検出値として取り扱う。コントローラー11は、所定の制御周期で検出される第2消費電力量の検出値を用いて、補助ポンプ20の駆動と停止とを切り換える。
真空ポンプシステムは、補助ポンプ20を駆動するための駆動装置21を備える。駆動装置21は、補助ポンプ20を駆動するための指令SIG1をコントローラー11から受けて、補助ポンプ20を所定の回転速度で駆動する。駆動装置21は、補助ポンプ20の駆動を停止するための指令SIG1をコントローラー11から受けて、補助ポンプの駆動を停止する。駆動装置21が補助ポンプ20を駆動し、真空ポンプ10の排気口における排気圧が大気圧以下に下がる場合、真空ポンプ10における排気の負担が軽減される。
第1消費電力量は、真空ポンプ10の駆動に要する消費電力量であって、補助ポンプ20を駆動させながら真空ポンプ10を駆動するときの消費電力量である。第2消費電力量は、真空ポンプ10の駆動に要する消費電力量であって、補助ポンプ20を駆動させずに真空ポンプ10を駆動するときの消費電力量である。なお、第1消費電力量は、真空ポンプ10の消費電力量と、補助ポンプ20の消費電力量との合計である合算消費電力量であってもよい。
コントローラー11は、第1閾値を記憶している。第1閾値は、第2消費電力量が取り得る高負荷範囲のなかの所定値である。高負荷範囲は、第2消費電力量の取り得る範囲のなかの一部分である。高負荷範囲では、第1消費電力量が当該第1消費電力量を要する吸気圧での第2消費電力量以上である。吸気口での吸気圧が互いに等しい状態において、第1消費電力量が第2消費電力量以上であることは、第1消費電力量が第2消費電力量と実質的に等しいことを含む。第1消費電力量が第2消費電力量と実質的に等しいことは、例えば、第1消費電力量が第2消費電力量の誤差の範囲に含まれることである。
なお、第1消費電力量が、真空ポンプ10の消費電力量と、補助ポンプ20の消費電力量との合計である合算消費電力量であって、第2消費電力量が、真空ポンプ10のみの単独消費電力量である場合に、第1消費電力量は、第2消費電力量以上になりやすい。つまり、高負荷範囲とは、補助ポンプ20の駆動によって真空ポンプシステムがシステム全体としての消費電力量を低減できない範囲、すなわち、消費電力低減の効果が十分に発揮できない範囲と言い換えることも可能である。
第1閾値は、予め実施される試験等に基づいて定められる。予め実施される試験は、例えば、大気圧から真空ポンプ10の到達圧までの全ての吸気圧の範囲において、第1消費電力量と第2消費電力量とを各別に検出することである。例えば、大気圧から到達圧までの全ての吸気圧の範囲において、第1消費電力量が2.0kW以上3.0kW以下であり、第2消費電力量が0.5kW以上3.0kW以下である。そして、吸気圧が2×10Pa以上では、第2消費電力量が2.5kW以上であって、第1消費電力量以上である。このとき、第1閾値は、例えば、2.5kW以上の値であり、第1消費電力量のなかで2.5kW以上の範囲は、高負荷範囲である。
コントローラー11は、所定の制御周期で検出する第2消費電力量の検出値と、第1閾値とを比較し、第2消費電力量の検出値が第1閾値以上であるとき、補助ポンプ20の駆動を停止するための指令SIG1を出力する。コントローラー11は、第2消費電力量の検出値が第1閾値未満であるとき、補助ポンプ20を駆動するための指令SIG1を出力する。
[作用]
次に、上記真空ポンプシステムの作用として、真空ポンプシステムが実施する補助ポンプの駆動処理の流れを説明する。なお、補助ポンプの駆動処理は、所定の制御周期で繰り返される。
図2が示すように、コントローラー11が真空ポンプ10の駆動を開始すると、コントローラー11は、第2消費電力量の検出値を、真空ポンプ10の駆動に要した電力量として入力する(ステップS11)。
次いで、コントローラー11は、第2消費電力量の検出値と第1閾値とを比較し、第2消費電力量の検出値が第1閾値未満であると判断すると(ステップS12においてYES)、補助ポンプ20の駆動を開始する(ステップS13)。
一方、コントローラー11は、第2消費電力量の検出値と第1閾値とを比較し、第2消費電力量の検出値が第1閾値以上であると判断すると(ステップS12においてNO)、補助ポンプ20の駆動を停止する(ステップS14)。
図3は、真空ポンプ10の吸気圧に対する消費電力量の推移の一例を示すグラフであって、吸気圧と第1消費電力量との関係、および、吸気圧と第2消費電力量との関係を示すグラフである。なお、第1消費電力量は、真空ポンプ10の消費電力量と、補助ポンプ20の消費電力量との合計である合算消費電力量として示されている。
図3が示すように、真空ポンプ10の駆動に要する消費電力量は、真空ポンプ10の駆動に要する負荷が高いほど高い。一方で、真空ポンプ10の吸気圧が一定圧力を下回ると、真空ポンプ10の吸気口における吸気圧と、真空ポンプ10の排気口における排気圧との差圧が、真空ポンプ10における負荷の支配的要因となり、真空ポンプ10の消費電力量は、略一定となる。
真空ポンプ10の駆動に要する負荷は、真空ポンプ10の吸気圧が高いほど、気体の移送に伴う仕事量が高い。真空ポンプ10の吸気圧が大気圧を含む高圧領域であるとき、真空ポンプ10の排気口における排気圧は、略大気圧と同等であり、排気口における気体の移送量は、補助ポンプ20が移送量できる量よりも十分に大きいため、第1消費電力量と第2消費電力量とがほぼ等しい。補助ポンプ20の消費電力量は、真空ポンプ10の定格電力に対して略1/100であるため、その影響は、確認できない程度の測定結果となっている。結果として、補助ポンプ20の減圧によって低減されるべき消費電力量が発生できず、補助ポンプ20の駆動に要する消費電力量は、有効な効果を奏しない状態となっている。
この点、上述した補助ポンプ20の駆動処理によれば、第1消費電力量、あるいは、第2消費電力量のなかで、第1消費電力量が当該第1消費電力量を要する吸気圧での第2消費電力量以上であることを満たす範囲が、高負荷範囲として定められる。そして、第1消費電力量、あるいは、第2消費電力量の検出値が高負荷範囲のなかの第1閾値以上であるときに、補助ポンプ20の駆動が停止される。
例えば、第1消費電力量と第2消費電力量との差は、すなわち、補助ポンプ20の減圧による消費電力量の低減は、2.0kW以上の範囲でほぼ認められず、2.0kW未満の範囲で認められる。第1消費電力量と第2消費電力量との差が増大する排気状態であれば、補助ポンプ20の駆動による消費電力量の低減が大きく期待される。例えば、図3において、5×10Pa以上5×10Pa以下の範囲は、消費電力量の低減幅が増大する有効吸気圧である。
そして、第1閾値として2.5kWが設定される構成によれば、第2消費電力量の検出値が2.5kW以上であるときに、補助ポンプ20の駆動が停止される。これにより、吸気圧が有効吸気圧に到達する以前について、補助ポンプ20の駆動を停止する期間を設けられる。
以上、第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1−1)補助ポンプ20の減圧による消費電力量の低減が期待されない吸気圧で補助ポンプ20を駆動することが抑えられる。結果として、真空ポンプ10の吸気口における吸気圧が高圧領域であるような排気状態、すなわち、移送する気体量が大きい状態において補助ポンプ20の駆動が停止される分だけ、真空ポンプシステムでの消費電力量を低めることができる。
(1−2)第1閾値は、真空ポンプ10の吸気圧が有効吸気圧に到達する以前の第2消費電力量である。これにより、上記(1)に準じた効果を得つつも、消費電力量の低減がなされない状態の継続を防ぎ、補助ポンプ20を確実に駆動させることが可能ともなる。
なお第1閾値を下回る状態となった後、排気対象に対してガス導入が行われる等で真空ポンプ10の吸気圧が上昇し、第1消費電力量が第1閾値を上回る状態となった場合でも、補助ポンプ20の駆動が停止される分だけ、真空ポンプシステムでの消費電力量を低めることができる。
(第2実施形態)
以下、図4から図6を参照して、補助ポンプ制御装置、および、真空ポンプシステムの第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態は、真空ポンプ10の排気配管に温度検出部を備え、補助ポンプを停止させる条件に、温度検出部が検出した結果を用いることが、第1実施形態とは異なる。以下では、第1実施形態と異なる構成に関して主に説明し、第1実施形態の構成と共通する構成に関しては、同じ符号を付して、その説明を割愛する。
図4が示すように、真空ポンプ10の排気配管には、逆止弁とサイレンサ30との間に、温度検出部31が位置する。温度検出部31は、排気配管における逆止弁の下流での温度を検出する。温度検出部31が検出した温度検出値SIG2は、コントローラー11に入力される。
コントローラー11は、温度閾値を記憶している。温度閾値は、第2消費電力量が高負荷範囲であるときに、逆止弁の下流が取り得る温度である。第1実施形態において説明したように、高負荷範囲とは、補助ポンプ20の駆動によって真空ポンプシステムがシステム全体としての消費電力量を低減できない範囲、すなわち、消費電力低減の効果が十分に発揮できない範囲である。温度閾値は、例えば、55℃である。温度閾値は、大気圧から真空ポンプ10の到達圧までの全ての吸気圧の範囲において、逆止弁の下流での温度を検出する試験に基づいて、予め定められる。
第1実施形態において説明したように、真空ポンプ10の吸気口での吸気圧が高いほど、気体の移送に伴う仕事量は高く、逆止弁の下流における温度も高い。一方で、真空ポンプ10の吸気圧が一定圧力を下回ると、吸気圧と排気圧との差圧が真空ポンプ10における負荷を支配して、真空ポンプ10の消費電力量が略一定となり、逆止弁の下流における温度も低められる。
なお、第2実施形態における第1閾値と温度閾値との間では、以下の関係が満たされる。すなわち、第2消費電力量の検出値が第1閾値以上となる排気状態において、逆止弁の下流での温度は、温度閾値よりも高い値を示す。第2消費電力量の検出値が第1閾値未満となる排気状態において、逆止弁の下流での温度は、温度閾値以上の値と、温度閾値未満の値とを示す。
コントローラー11は、温度検出部31が検出する温度検出値SIG2と、温度閾値とを所定の制御周期で比較し、温度検出値SIG2が温度閾値以上であるとき、補助ポンプ20の駆動を停止するための指令SIG1を出力する。コントローラー11は、温度検出値SIG2が温度閾値未満であるとき、補助ポンプ20を駆動するための指令SIG1を出力する。
[作用]
次に、上記真空ポンプシステムの作用として、真空ポンプシステムが実施する補助ポンプの駆動処理の流れを説明する。なお、補助ポンプの駆動処理は、所定の制御周期で繰り返される。
図5が示すように、コントローラー11が真空ポンプ10の駆動を開始すると、コントローラー11は、第2消費電力量の検出値を、真空ポンプ10の駆動に要した電力量として入力する(ステップS21)。
次いで、コントローラー11は、第2消費電力量の検出値と第1閾値とを比較し、第2消費電力量の検出値が第1閾値以上であると判断すると(ステップS22においてNO)、補助ポンプの駆動を停止する(ステップS26)。
一方、コントローラー11は、第2消費電力量の検出値と第1閾値とを比較し、第2消費電力量の検出値が第1閾値未満であると判断すると(ステップS22においてYES)、温度検出部31が出力する温度検出値SIG2を、逆止弁の下流での温度として入力する(ステップS23)。
続いて、コントローラー11は、温度検出部31が出力する温度検出値SIG2と温度閾値とを比較し、温度検出値SIG2が温度閾値未満であると判断すると(ステップS24においてYES)、補助ポンプ20の駆動を開始する(ステップS25)。一方、コントローラー11は、温度検出値SIG2と温度閾値とを比較し、温度検出値SIG2が温度閾値以上であると判断すると(ステップS24においてNO)、補助ポンプ20の駆動を停止する(ステップS26)。
図6は、消費電力量と排気の温度との圧力推移の一例を示すグラフであって、吸気圧と消費電力量との関係、および、吸気圧と排気の温度との関係を示すグラフである。
図6が示すように、逆止弁の下流での温度は、真空ポンプ10の移送する気体の圧力損失と、真空ポンプ10の冷却系による冷却との熱収支によって変わる。真空ポンプ10の移送する気体の圧力損失が真空ポンプ10による冷却よりも高いほど、すなわち、真空ポンプ10の移送する気体の量が大きいほど、逆止弁の下流での温度は高い。例えば、逆止弁の下流での温度は、真空ポンプ10の駆動に要する負荷が高いほど高く、真空ポンプ10の吸気圧が高いほどおよそ高い。
真空ポンプ10の吸気圧が大気圧を含む高圧領域では、第1実施形態において説明したように、真空ポンプ10の排気圧が高く、第1消費電力量と第2消費電力量とがほぼ等しい。結果として、補助ポンプ20の減圧によって低減される消費電力量が、補助ポンプ20の駆動に要する消費電力量を下回ってしまう。また、真空ポンプ10の吸気圧が大気圧を含む高圧領域では、真空ポンプ10の排気の温度もまた高く、高温の排気が補助ポンプ20を通過することは、補助ポンプ20の耐久性を低下させやすい。
この点、上述した補助ポンプ20の駆動処理によれば、第2消費電力量の検出値が高負荷範囲に含まれる第1閾値以上であるときに、補助ポンプ20の駆動が停止される。さらに、第2消費電力量が第1閾値未満であっても、逆止弁の下流での温度が温度閾値以上であるときは、補助ポンプ20の駆動が停止される。すなわち、逆止弁を開弁させる程度に高圧、かつ、高温の排気が真空ポンプ10から出るときは、補助ポンプ20の駆動が停止される。例えば、真空ポンプ10の吸気圧が有効吸気圧よりも高い排気状態では、補助ポンプ20の駆動が停止される。
以上、第2実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(2−1)消費電力量が低減できることに加えて、温度閾値以上を有した高温の排気が補助ポンプ20を流れることも抑えられる。特に、排気速度が小さいダイアフラムポンプなどを補助ポンプ20として採用する場合、ダイアフラムのシール構造における耐熱性は他の部材と比べて低い。そのため、温度閾値以上を有した高温の排気が流れることを抑えられることによる効果が著しい。
(2−2)逆止弁を経由して気体を移送する構成において、逆止弁の下流での温度は、真空ポンプ10の吸気圧が低まるほど徐々に下がる傾向を有する。また、真空ポンプ10の吸気圧を大気圧から下げる形態においては、逆止弁の下流での温度に、第1消費電力量と第2消費電力量との差のような、真空ポンプ10の吸気圧の低下に対して急に大きく下がるという傾向は認められない。これに対して、排気対象となるチャンバーがリークする場合のように、真空ポンプ10の吸気圧が急に高まる場合には、逆止弁が急に開弁して、逆止弁の下流での温度が急に高まる。そのため、逆止弁の下流での温度を検出する上記構成であれば、第1消費電力量と第2消費電力量との差が真空ポンプ10の吸気圧の上昇に対して急に大きくなる直前の排気状態を検出することが容易となる。すなわち、第1消費電力量と第2消費電力量との差が急に大きくなる直前の温度を温度閾値として設定することによって、消費電力量の低減が期待される直前に、補助ポンプ20を駆動することが可能となる。
(第3実施形態)
以下、図7から図9を参照して、補助ポンプ制御装置、および、真空ポンプシステムの第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態は、補助ポンプを停止させる条件に、補助ポンプ20における電力量の変動を用いることが、第1実施形態とは異なる。以下では、第1実施形態と異なる構成に関して主に説明し、第1実施形態の構成と共通する構成に関しては、同じ符号を付して、その説明を割愛する。
図7が示すように、駆動装置21は、補助ポンプ20の駆動に要する補助電力量SIG3を、所定の制御周期でコントローラー11に入力する。
コントローラー11は、変化量閾値を記憶している。変化量閾値は、補助ポンプ20の駆動に要する電力量が予め設定した時間あたりで変化しているか否かを判断するための値である。補助ポンプ20の駆動に要する電力量は、真空ポンプ10の排気圧が補助ポンプ20の駆動によって大きく低められるときに変化する。すなわち、補助ポンプ20の駆動に要する電力量は、第1消費電力量と第2消費電力量との差が真空ポンプ10の吸気圧の低下に対して急に大きくなるとき、言い換えれば、真空ポンプ10の吸気圧が有効吸気圧であるときに変化しやすい。変化量閾値は、大気圧から真空ポンプ10の到達圧までの全ての吸気圧の範囲において補助ポンプ20を駆動させる試験に基づいて、予め定められる。
コントローラー11は、前回の制御周期での補助電力量SIG3と、今回の制御周期での補助電力量SIG3との差分から、補助ポンプ20の駆動に要する電力量の変化量を算出する。前回の制御周期での補助電力量SIG3と、今回の制御周期での補助電力量SIG3との差分は、最短周期での算出結果が得られるが、必要に応じてこの周期より長い時間を別途予め設定した時間とし、変化量を算出してもよい。コントローラー11は、今回の制御周期での変化量と、変化量閾値とを比較し、変化量が変化量閾値以下であるとき、補助ポンプ20の駆動を停止するための指令SIG1を出力する。コントローラー11は、今回の制御周期での変化量と、変化量閾値とを比較し、変化量が変化量閾値を越えるとき、補助ポンプ20を駆動するための指令SIG1を出力する。
[作用]
次に、上記真空ポンプシステムの作用として、真空ポンプシステムが実施する補助ポンプの駆動処理の流れを説明する。なお、補助ポンプの駆動処理は、所定の制御周期で繰り返される。
図8が示すように、コントローラー11が真空ポンプ10の駆動を開始すると、コントローラー11は、第2消費電力量の検出値を、真空ポンプ10の駆動に要した電力量として入力する(ステップS31)。
次いで、コントローラー11は、第2消費電力量の検出値と第1閾値とを比較し、第1消費電力量の検出値が第1閾値未満であると判断すると(ステップS32においてYES)、補助ポンプ20が駆動中であるか否かを判断する(ステップS33)。
次いで、コントローラー11は、補助ポンプ20が駆動中であると判断すると(ステップS33においてYES)、前回の制御周期、あるいは予め設定した時間周期における前回の値での補助電力量SIG3と、今回の制御周期での補助電力量SIG3との差分から、補助ポンプ20の駆動に要する電力量の変化量を算出する(ステップS35)。一方、コントローラー11は、補助ポンプ20が駆動中でないと判断すると(ステップS33においてNO)、補助ポンプ20を所定期間だけ駆動させて(ステップS34)、補助ポンプ20の駆動に要する電力量の変化量を算出する(ステップS35)。
次いで、コントローラー11は、算出された変化量と変化量閾値とを比較し、変化量が変化量閾値以下であるとき(ステップS36においてNO)、補助ポンプ20の駆動を停止するための指令SIG1を出力する(ステップS38)。一方、コントローラー11は、算出された変化量と変化量閾値とを比較し、変化量が変化量閾値を越えるとき(ステップS36においてYES)、補助ポンプ20を駆動するための指令SIG1を出力する(ステップS37)。
図9は、第1消費電力量、第2消費電力量、および、補助ポンプ20の駆動に要する電力変化量の圧力推移の一例を示すグラフである。
図9が示すように、補助ポンプ20の駆動に要する電力変化量は、真空ポンプ10の吸気圧に対して、1×10Pa付近に最大値を有した1つのピークを有する。補助ポンプ20の駆動に要する電力変化量は、1つのピークよりも高い吸気圧でほぼ一定値を示し、1つのピークよりも低い吸気圧でもほぼ一定値を示す。補助ポンプ20の駆動に要する電力変化量は、1つのピーク内において変化する。そして、補助ポンプ20の駆動に要する電力変化量が1つのピークに位置するときの排気状態と、真空ポンプ10の吸気圧が上述した有効吸気圧であるときの排気状態とは、相互にほぼ重なっている。
真空ポンプ10の吸気圧が大気圧を含む高圧領域では、第1実施形態において説明したように、真空ポンプ10の排気圧が高く、第1消費電力量と第2消費電力量とがほぼ等しい。また、真空ポンプ10の吸気圧が大気圧を含む高圧領域では、補助ポンプ20の駆動に要する電力変化量がほぼ一定値である。こうした高圧領域では、補助ポンプ20の減圧によって低減される消費電力量は、ほぼ期待されない。
また、真空ポンプ10の吸気圧が低圧領域であっても、真空ポンプ10の排気圧が補助ポンプ20の到達圧に近いような低圧領域では、補助ポンプ20の駆動に要する電力変化量がほぼ一定値である。こうした低圧領域でも、補助ポンプ20の減圧によって低減される消費電力量が、ほぼ期待されないと言える。
この点、上述した補助ポンプ20の駆動処理によれば、第2消費電力量が高負荷範囲のなかの第1閾値以上であるときに、補助ポンプ20の駆動が停止される。さらに、第2消費電力量が第1閾値未満であっても、補助電力量SIG3の変化量が変化量閾値以下であれば、補助ポンプ20の駆動が停止される。すなわち、第2消費電力量が第1閾値未満であっても、補助ポンプ20の駆動に要する電力量が一定値と見なされるときは、補助ポンプ20の駆動が停止される。
以上、第3実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(3−1)吸気圧が低圧領域であると見なされる排気状態のなかでも、消費電力量の低減が期待されない状態では、補助ポンプ20の駆動が停止される。そのため、消費電力量を低めることの実効性をさらに高めることが可能となる。
(3−2)真空ポンプ10の吸気圧が有効吸気圧に達する直前、および、第1消費電力量と第2消費電力量との差が飽和した低圧領域、これらの両方において、補助ポンプ20の駆動が停止される。そのため、消費電力量をさらに低めることが可能となる。
(第4実施形態)
以下、図10から図11を参照して、補助ポンプ制御装置、および、真空ポンプシステムの第4実施形態を説明する。なお、第4実施形態は、低負荷範囲において補助ポンプを停止させる条件に、補助ポンプ20を所定期間だけ駆動させたときの第1消費電力量を用いることが、第1実施形態とは異なる。低負荷範囲は、第2消費電力量のなかで、第1消費電力量が当該第1消費電力量を要する吸気圧での第2消費電力量未満であることを満たす範囲である。以下では、第1実施形態と異なる構成に関して主に説明し、第1実施形態の構成と共通する構成に関しは、同じ符号を付して、その説明を割愛する。
コントローラー11は、第2閾値を記憶している。第2閾値は、第1消費電力量が取り得る値である。第2閾値は、第1消費電力量のなかで、真空ポンプ10の吸気圧が有効吸気圧であるときに得られる値である。解りやすくは、第1消費電力量が取り得る値、かつ第2消費電力量が取り得ない値であって、その範囲で中間値以上の電力量を第2閾値として選べばよい。第2閾値は、第2消費電力量が低負荷範囲であるときに、当該第2消費電力量を要する吸気圧での第1消費電力量である。第2閾値は、大気圧から真空ポンプ10の到達圧までの全ての吸気圧の範囲において、第1消費電力量と第2消費電力量とを各別に検出する試験に基づいて、予め定められる。
コントローラー11は、所定の制御周期で検出する第1消費電力量の検出値と、第2閾値とを比較し、第1消費電力量の検出値が第2閾値未満であるとき、補助ポンプ20の駆動を停止するための指令SIG1を出力する。コントローラー11は、第1消費電力量の検出値が第2閾値以上であるとき、補助ポンプ20を駆動するための指令SIG1を出力する。
[作用]
次に、上記真空ポンプシステムの作用として、真空ポンプシステムが実施する補助ポンプの駆動処理の流れを説明する。なお、補助ポンプの駆動処理は、補助ポンプ20の消費電力量を検出する所定の制御周期で繰り返される。
図10が示すように、コントローラー11が真空ポンプ10の駆動を開始すると、コントローラー11は、第2消費電力量の検出値を、真空ポンプ10の駆動に要した電力量として入力する(ステップS41)。
次いで、コントローラー11は、第2消費電力量の検出値と第1閾値とを比較し、第2消費電力量の検出値が第1閾値未満であると判断すると(ステップS42においてYES)、補助ポンプ20が駆動中であるか否かを判断する(ステップS43)。
次いで、コントローラー11は、補助ポンプ20が駆動中であると判断すると(ステップS43においてYES)、所定時間が経過した後に、第1消費電力量の検出値を入力する(ステップS45)。一方、コントローラー11は、補助ポンプ20が駆動中でないと判断すると(ステップS43においてNO)、補助ポンプ20を所定期間だけ駆動させて(ステップS44)、第1消費電力量の検出値を入力する(ステップS45)。
次いで、コントローラー11は、ステップS45で入力された第1消費電力量の検出値と第2閾値とを比較し、第1消費電力量の検出値が第2閾値以下であるとき(ステップS46においてYES)、補助ポンプ20の駆動を継続するための指令SIG1を出力する(ステップS47)。一方、コントローラー11は、第1消費電力量の検出値と第2閾値とを比較し、第1消費電力量の検出値が第2閾値よりも大きいとき(ステップS46においてYES)、補助ポンプ20の駆動を停止するための指令SIG1を出力する(ステップS48)。
図11は、第1消費電力量、および、第2消費電力量の圧力推移の一例を、第1閾値、および、第2閾値の一例と共に示すグラフである。
図11が示すように、真空ポンプ10の駆動に要する消費電力量は、真空ポンプ10の吸気圧が高いほど高い。真空ポンプ10の吸気圧が大気圧を含む高圧領域であるとき、補助ポンプ20の減圧によって低減される消費電力量が、補助ポンプ20の駆動に要する消費電力量を下回ってしまう。
この点、上述した補助ポンプ20の駆動処理によれば、第1消費電力量が高負荷範囲に含まれる第1閾値以上であるときに、補助ポンプ20の駆動が停止される。そして、第2消費電力量の検出値が高負荷範囲のなかの第1閾値未満になると、補助ポンプ20が所定期間だけ駆動されて、第1消費電力量の検出値が第2閾値以下であれば、補助ポンプ20の駆動が継続される。
以上、第4実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(4−1)第2消費電力が低負荷範囲となるような排気状態において、補助ポンプ20が所定期間だけ駆動される。そして、第1消費電力量の検出値が第2閾値以上であれば、補助ポンプ20の駆動が停止されるため、低負荷範囲のなかでも消費電力量が効果的に低められない状態では、補助ポンプの駆動が停止される。結果として、消費電力量を低めることの実効性がさらに高められる。
(4−2)補助ポンプ20を駆動した状態での消費電力量に基づいて、補助ポンプ20の駆動とその停止とが制御される。そのため、補助ポンプ20の排気速度などに仮に誤差が生じる場合であっても、その誤差が加味された排気状態で、補助ポンプ20の駆動とその停止とが制御される。結果として、消費電力量を低めることの確度が高められる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・第2実施形態において、コントローラー11は、第2消費電力量の検出値と第1閾値との比較を割愛してもよい。すなわち、コントローラー11は、ステップS21、および、ステップS22の処理を割愛してもよい。この構成であっても、上記(2−1),(2−2)に準じた効果を得ることは可能である。なお、コントローラー11がステップS21、および、ステップS22の処理を実行する構成であれば、上記(1−1),(1−2)に準じた効果が得られる観点において好ましい。
・第3実施形態において、コントローラー11は、第2消費電力量の検出値と第1閾値との比較を割愛してもよい。すなわち、コントローラー11は、ステップS31、および、ステップS32の処理を割愛してもよい。この構成であっても、上記(3−1),(3−2)に準じた効果を得ることは可能である。なお、コントローラー11がステップS31、および、ステップS32の処理を実行する構成であれば、上記(1−1),(1−2)に準じた効果が得られる観点において好ましい。
・第4実施形態において、コントローラー11は、第2消費電力量の検出値と第1閾値との比較を割愛してもよい。すなわち、コントローラー11は、ステップS41、および、ステップS42の処理を割愛してもよい。この構成であっても、上記(4−1),(4−2)に準じた効果を得ることは可能である。なお、コントローラー11がステップS41、および、ステップS42の処理を実行する構成であれば、上記(1−1),(1−2)に準じた効果が得られる観点において好ましい。
10…真空ポンプ、11…コントローラー、20…補助ポンプ、21…駆動装置、30…サイレンサ、31…温度検出部。

Claims (6)

  1. 真空ポンプの排気圧を下げるための補助ポンプの制御装置であって、
    前記補助ポンプを駆動させながら前記真空ポンプを駆動するときの前記真空ポンプの駆動に要する前記真空ポンプの消費電力量が第1消費電力量であり、
    前記補助ポンプを駆動させずに前記真空ポンプを駆動するときの前記真空ポンプの駆動に要する前記真空ポンプの消費電力量が第2消費電力量であり、
    前記第2消費電力量のなかで、前記第1消費電力量が当該第1消費電力量を要する吸気圧での前記第2消費電力量以上である前記第1消費電力量の範囲が、高負荷範囲であり、
    前記第2消費電力量の検出値が前記高負荷範囲のなかの所定値以上であるときに、前記補助ポンプの駆動を停止する
    補助ポンプ制御装置。
  2. 真空ポンプの排気圧を下げるための補助ポンプの制御装置であって、
    前記補助ポンプを駆動させながら前記真空ポンプを駆動するときの前記真空ポンプの駆動に要する前記真空ポンプの消費電力量、および、前記補助ポンプの消費電力量の合計が第1消費電力量であり、
    前記補助ポンプを駆動させずに前記真空ポンプを駆動するときの前記真空ポンプの駆動に要する前記真空ポンプの消費電力量が第2消費電力量であり、
    前記第2消費電力量のなかで、前記第1消費電力量が当該第1消費電力量を要する吸気圧での前記第2消費電力量以上である前記第1消費電力量の範囲が、高負荷範囲であり、
    前記第2消費電力量の検出値が前記高負荷範囲のなかの所定値以上であるときに、前記補助ポンプの駆動を停止する
    補助ポンプ制御装置。
  3. 前記真空ポンプの排気配管の途中に逆止弁と温度検出部とが位置し、
    前記逆止弁は、前記真空ポンプに向けて排気が逆流することを抑え、
    前記温度検出部は、前記排気配管における前記逆止弁の下流での温度を検出し、
    前記補助ポンプは、前記排気配管における前記逆止弁の上流に接続され、
    前記温度検出部での検出値が所定値以上であるときに、前記補助ポンプの駆動を停止する
    請求項1または2に記載の補助ポンプ制御装置。
  4. 前記第2消費電力量のなかで、前記第1消費電力量が当該第1消費電力量を要する吸気圧での前記第2消費電力量未満である範囲が、低負荷範囲であり、
    前記第2消費電力量の検出値が前記低負荷範囲内であるときに、前記補助ポンプを所定期間だけ駆動したときの、前記補助ポンプの駆動に要する電力量の単位時間あたりの変化量が所定値以下であるときに、前記補助ポンプの駆動を停止する
    請求項1から3のいずれか一項に記載の補助ポンプ制御装置。
  5. 前記第2消費電力量のなかで、前記第1消費電力量が当該第1消費電力量を要する吸気圧での前記第2消費電力量未満である範囲が、低負荷範囲であり、
    前記第2消費電力量の検出値が前記低負荷範囲内であるときに、前記補助ポンプを所定期間だけ駆動したときの前記第1消費電力量の検出値が所定値以上であるときに、前記補助ポンプの駆動を停止する
    請求項1から3のいずれか一項に記載の補助ポンプ制御装置。
  6. 真空ポンプと、
    前記真空ポンプの排気圧を下げるための補助ポンプと、
    前記補助ポンプの駆動を制御する補助ポンプ制御装置と、を備え、
    前記補助ポンプ制御装置が、請求項1から5のいずれか一項に記載の補助ポンプ制御装置である、
    真空ポンプシステム。
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