JP4005816B2 - タービン制御装置 - Google Patents

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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はタービンに蒸気を供給して、当該タービンを起動させるためのタービン制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
タービン制御装置は、例えば原子力発電プラントにおける原子炉隔離時冷却(Reactor Core Isolation Cooling:以下RCICと略す)システム、即ち蒸気加減弁が開いた状態で、その上流にある蒸気止弁を急開してタービンに蒸気を流入し、タービンを起動開始するようなシステムに用いられる。
【0003】
この原子炉隔離時冷却システムは、原子炉が主蒸気系及び給水系から隔離されたときに、当該原子炉で必要な水位及び冷却水量を確保することを主目的に設置されている。
【0004】
このようなRCICシステムの構成を、図16に示して説明する。当該RCICシステムが起動される前は、蒸気加減弁14は全開、蒸気止弁13は全閉の状態となっており、タービン起動要求が発生すると蒸気止弁操作器11により蒸気止弁13が全開される。
【0005】
これにより、蒸気は蒸気加減弁14を通過してタービン16に供給されて、当該タービン16が回転を開始する。
【0006】
タービン16が回転を始めると、そのタービン軸に直結された油圧ポンプ15が駆動されて蒸気加減弁操作器10の油圧が確保され、その油圧力により蒸気加減弁14の弁開度制御が可能となる。
【0007】
蒸気加減弁14の弁開度が制御されることによりタービン16に供給される蒸気量が調整されて、当該タービン16の回転数(以下、単に回転数と記載する)が制御され、これに伴い給水ポンプ18の駆動量が制御されて原子炉への給水流量が調節される。
【0008】
このように蒸気加減弁14は蒸気加減弁操作器10により制御され、そのときの制御信号は後述するタービン制御装置2からの蒸気加減弁開度指令60として出力される。
【0009】
当該タービン制御装置2は、タービンの定格回転数よりも高めの回転数を目標として設定された回転数設定指令に基づき該タービンがその目標回転数になるように、回転数の変化率を設定し、当該変化率に基づき回転数設定して、これを第1回転数指令55として出力する回転数設定手段35、第1回転数指令55が入力すると共に給水ポンプ18で給水されている給水流量に対応する第2回転数指令56が入力して、これらの低値を選択して回転数指令57として出力する低値選択手段36、回転数指令57が入力すると共にタービン16の実際の回転数を示すタービン実回転数信号58が入力して、これらの偏差を回転数制御のために最適な増幅度で増幅して、これを蒸気加減弁開度指令60として出力する弁開度指令発生手段37等を有している。
【0010】
回転数設定手段35は、タービンの定格回転数よりも高めの回転数を目標回転数とし、これを起動回転数設定指令51として出力する起動回転数設定器3、タービン停止時に蒸気加減弁操作器10に入力する蒸気加減弁開度指令60が弁開方向の極性と逆の回転数を設定して、これを停止回転数設定指令52として出力する停止回転数設定器4、入力信号を切替信号に従い切替えて、これを回転数設定指令54として出力する切替器5、回転数の変化率を設定し、これに基づく回転数を第1回転数指令55として出力する変化率設定器6等により構成されている。
【0011】
低値選択手段36は、入力した複数の信号のうち値の小さい方の信号を選択して出力する低値選択器7により構成されている。
【0012】
弁開度指令発生手段37は、入力した信号の加減算を行い、その結果を回転数偏差信号59として出力する加算器8、回転数を制御するための最適な増幅度を設定すると共に、入力した信号を当該増幅度で増幅して、これを蒸気加減弁開度指令60として出力する係数器9等により構成されている。
【0013】
このような構成で、蒸気止弁13の弁開開始は、位置検出器12により機械的に検出され、その検出結果はタービン起動信号53として切替器5に入力する。
【0014】
そして、切替器5は蒸気止弁13が開いてタービン起動信号53が成立しているときは、起動回転数設定指令51を回転数設定指令54として出力する。
【0015】
一方、蒸気止弁13が弁全閉してタービン起動信号53が成立していないときは、停止回転数設定指令52を回転数設定指令54として出力する。
【0016】
なお、本明細書では、例えばタービン起動信号53や回転数急上昇信号65等のように信号が2値の値を取る場合にあり、この信号が「ON」のとき(ハイレベル信号のとき)には信号が「成立している」と適宜記載する。無論、これは便宜的なものであり、「OFF」のとき(ローレベル信号のとき)に信号が「成立している」としてもよいことは明らかである。
【0017】
この回転数設定指令54は、変化率設定器6に入力し、当該変化率設定器6で回転数の変化率が設定されて、これが第1回転数指令55として低値選択器7に出力される。
【0018】
この低値選択器7には、給水制御系1から給水ポンプ18で給水されている給水量に対応した回転数を示す第2回転数指令56が入力しており、第1回転数指令55と第2回転数指令56との低値が当該低値選択器7で選択されて回転数指令57として出力される。
【0019】
なお、給水ポンプ18の特性から、実際に給水量が始まるのはタービン16が定格回転数の数十%以上になったときからである。
【0020】
また、第1回転数指令55は、タービン停止時に蒸気加減弁開度指令60が弁開方向となる回転数を最低値、定格回転数よりも高めの値を最高値となるように設定されている。
【0021】
このため低値選択器7においては、タービン16の起動開始から給水が行われる回転数までは第1回転数指令55が選択され、それ以降は第2回転数指令56が選択されて、回転数指令57として出力されることになる。
【0022】
タービン実回転数は、タービン軸に近接して設けられた回転数検出器17により検出されて、この検出結果がタービン実回転数信号58として出力される。
【0023】
そして、このタービン実回転数信号58と回転数指令57とが加算器8に入力して、回転数指令57からタービン実回転数信号58を差し引いて得られた回転数偏差信号59が係数器9に入力する。
【0024】
係数器9では、タービン16の回転数を制御するために最適な増幅度で回転数偏差信号59を増幅して蒸気加減弁開度指令60として蒸気加減弁操作器10に出力する。
【0025】
蒸気加減弁操作器10は、蒸気加減弁開度指令60の極性が正のときには蒸気加減弁14を弁開方向に駆動し、極性が負のときには蒸気加減弁14を弁閉方向に駆動する。
【0026】
また、蒸気加減弁操作器10は、蒸気加減弁開度指令60の大きさに比例して蒸気加減弁14の開閉速度を変えて当該蒸気加減弁14の開閉速度を調節する。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以下のような理由により、タービン実回転数信号58が第1回転数指令55より大きくなる場合が生じ、危険回転数に上昇したことを検知する図示しない過速度検出器が作動して、蒸気止弁操作器11に対して停止指令を出力したり、またタービン16の回転数に動揺が生じて目標値に到達するまで長時間を要するようになってタービン起動要求の発生から所定の給水量が確保されるまでの時間制約を守ることができなくなってしまう可能性が生じる問題があった。
【0028】
即ち、起動前の蒸気加減弁14は全開状態にあるために、蒸気止弁13が開かれるとタービン16には最大蒸気量が供給されて最大回転数に向かって回転数が上昇するようになる。
【0029】
このとき、蒸気加減弁開度指令60による蒸気加減弁14の制御が可能となるのは、回転数がある程度上昇して油圧ポンプ15の油圧が確保された後となる。
【0030】
また、係数器9は増幅度を回転数指令57に対する回転数制御性を最適にするような構成であるため、当該増幅度は余り大きな値には設定されず、起動時においては蒸気加減弁開度指令60の値は小さく、蒸気加減弁14を弁閉方向に速く動作させることができない。
【0031】
従って、タービン実回転数信号58が第1回転数指令55に対して大きくなる可能性が生じ、また回転数に動揺が生じて上述した問題が発生する。
【0032】
そこで、本発明は、起動直後の急速な回転数上昇時に蒸気加減弁を急速に弁閉方向に動作させることができるようにして過大な蒸気がタービンに流入するのを抑制すると共に、タービン実回転数の動揺を抑えて短時間で目標回転数に静定できるようにしたタービン制御装置を提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、蒸気加減弁が開いた状態で該蒸気加減弁の上流に設けられた蒸気止弁が蒸気止弁操作器により急弁開されて、給水ポンプが連結されたタービンに蒸気を流入させることにより当該タービンを起動して給水を開始した際に、該タービンの定格回転数よりも高めの回転数に設定された回転数設定指令に基づき当該タービンがその目標回転数になるように、回転数の変化率を設定し、当該変化率に基づいて回転数を設定して第1回転数指令として出力する回転数設定手段と、前記第1回転数指令が入力すると共に前記給水ポンプで給水されている給水量に対応した回転数を示す第2回転数指令とが入力して、これらの低値を選択して回転数指令として出力する低値選択手段と、前記回転数指令が入力すると共にタービンの実際の回転数を示すタービン実回転数信号が入力して、これらの偏差を回転数制御のために最適な増幅度で増幅して、これを蒸気加減弁開度指令として出力する弁開度指令発生手段とを有して、所定量の給水が行われるようにタービンの回転数を制御するタービン制御装置において、前記蒸気止弁の開閉状態を示すタービン起動信号に基づき当該蒸気止弁が開状態になったことを検出し、かつ、前記タービン実回転数信号に基づき前記回転数の変化率が予め設定された値より大きくなったことを検出した際には、そのことを示す信号を切替信号として出力する変化率判断手段と、前記蒸気加減弁を弁全閉方向に駆動させる弁全閉指令を発生する信号発生器と、前記切替信号が入力すると共に少なくとも前記弁全閉指令が入力して、前記切替信号が成立した場合には前記弁全閉指令を出力して、当該弁全閉指令に基づき前記蒸気加減弁操作器に前記蒸気加減弁を弁閉駆動させる切替器と、を備え、前記回転数設定手段が、前記回転数設定指令、前記タービン実回転数信号及び前記切替信号が入力して、前記切替信号が成立した場合には前記タービン実回転数信号に追従した信号を前記第1回転数指令として出力し、当該切替信号が成立しなくなった場合には、出力がその時に出力していた前記第1回転数指令から前記回転数設定指令を目標に変化するように変化率を設定してなる前記第1回転数指令を出力する変化率設定器を有することを特徴とする。
【0035】
請求項2にかかる発明は、切替器に、第1回転数指令と弁全閉指令とが入力すると共に、切替信号が入力して、切替信号が成立した場合には弁全閉指令を低値選択手段に出力し、当該切替信号が成立していない場合には第1回転数指令を低値選択手段に出力することを特徴とする。
【0037】
請求項3にかかる発明は、変化率判断手段が、タービン実回転数信号に基づき回転数の変化率が予め設定された値より大きいか否かを検出して、その結果を変化率検出信号として出力する変化率検出器と、タービン起動信号と変化率検出信号との論理積演算を行い、蒸気止弁が開状態になり、かつ、回転数の変化率が予め設定された値より大きくなった場合には、そのことを示す回転数急上昇信号を切替信号として出力する変化率論理積演算器とを有することを特徴とする。
【0038】
請求項4にかかる発明は、変化率判断手段が、タービン実回転数信号に基づき回転数の変化率が予め設定された値より大きいか否かを検出して、その結果を変化率検出信号として出力する変化率検出器と、タービン起動信号と変化率検出信号との論理積演算を行い、蒸気止弁が開状態になり、かつ、回転数の変化率が予め設定された値より大きくなった場合には、そのことを示す回転数急上昇信号を出力する変化率論理積演算器と、タービン起動信号に基づき蒸気止弁が開状態になったことを検出した際には、そのときから予め設定された時間だけ所定レベルの限時動作信号を出力する限時動作器と、限時動作信号と回転数急上昇信号との論理積演算を行い、限時動作器で設定された時間内に、蒸気止弁が開状態になり、かつ、回転数の変化率が予め設定された値より大きくなった場合には、そのことを示す信号を切替信号として出力する限時変化率論理積演算器とを有することを特徴とする。
【0039】
請求項5にかかる発明は、蒸気加減弁が開いた状態で該蒸気加減弁の上流に設けられた蒸気止弁が蒸気止弁操作器により急弁開されて、給水ポンプが連結されたタービンに蒸気を流入させることにより当該タービンを起動して給水を開始した際に、該タービンの定格回転数よりも高めの回転数に設定された回転数設定指令に基づき当該タービンがその目標回転数になるように、回転数の変化率を設定し、当該変化率に基づいて回転数を設定して第1回転数指令として出力する回転数設定手段と、前記第1回転数指令が入力すると共に前記給水ポンプで給水されている給水量に対応した回転数を示す第2回転数指令が入力して、これらの低値を選択して回転数指令として出力する低値選択手段と、前記回転数指令が入力すると共にタービンの実際の回転数を示すタービン実回転数信号が入力して、これらの偏差を回転数制御のために最適な増幅度で増幅して、これを蒸気加減弁開度指令として出力する弁開度指令発生手段とを有して、所定量の給水が行われるようにタービンの回転数を制御するタービン制御装置において、前記タービン実回転数信号の変化率を検出する微分器と、該微分器で検出した変化率に所定の比例定数を乗じて減算値信号として出力する係数器と、前記第1回転数指令が前記低値選択手段に入力する際に、当該第1回転数指令から前記減算値信号を減じて入力させる加算器とを有することを特徴とする。
【0040】
請求項6にかかる発明は、蒸気加減弁が開いた状態で該蒸気加減弁の上流に設けられた蒸気止弁が蒸気止弁操作器により急弁開されて、給水ポンプが連結されたタービンに蒸気を流入させることにより当該タービンを起動して給水を開始した際に、該タービンの定格回転数よりも高めの回転数に設定された回転数設定指令に基づき当該タービンがその目標回転数になるように、回転数の変化率を設定し、当該変化率に基づいて回転数を設定して第1回転数指令として出力する回転数設定手段と、前記第1回転数指令が入力すると共に前記給水ポンプで給水されている給水量に対応した回転数を示す第2回転数指令が入力して、これらの低値を選択して回転数指令として出力する低値選択手段と、前記回転数指令が入力すると共にタービンの実際の回転数を示すタービン実回転数信号が入力して、これらの偏差を演算する加算器及び該加算器からの偏差信号を回転数制御のために最適な増幅度で増幅して、これを蒸気加減弁開度指令として出力する係数器とを備えた弁開度指令発生手段とを有して、所定量の給水が行われるようにタービンの回転数を制御するタービン制御装置において、前記タービン実回転数信号の変化率を検出する微分器と、該微分器で検出した変化率に所定の比例定数を乗じて減算値信号として前記加算器に出力する係数器とを有することを特徴とする。
【0041】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図を参照して説明する。なお、従来と同一構成に関しては同一符号を付して説明を適宜省略する。
【0042】
図1は第1の実施の形態にかかるタービン制御装置の部分構成図で、図16に示す従来構成に対して追設した部分の構成を示している。
【0043】
即ち、図16に示す変化率設定器6と低値選択器7との間に追設され、主に変化率設定器6から出力された第1回転指令55を入力し、低値選択器7に新たな第1回転数指令として出力するものである。
【0044】
本実施の形態に係るタービン制御装置においては、蒸気加減弁14の全閉指令に相当する弁全閉指令62を発生させる信号発生器22、端子Cに入力される切替信号に応じて複数の入力信号のうちの1の入力信号を出力する切替器23、タービン実回転数の変化率が予め設定された変化率より大きい値か否かを判断して、その判断結果を回転数急上昇信号65として出力する変化率判断手段20とが追設されている。
【0045】
この変化率判断手段20には、回転数検出器17からのタービン実回転数信号58が入力して、その変化率が当該変化率判断手段20に予め設定されている変化率より大きいか否かを検出し、その結果を変化率検出信号64として出力する変化率検出器24、変化率検出信号64と位置検出器12からの蒸気止弁13が弁開開始を示すタービン起動信号53との論理積を演算して、この演算結果を回転数急上昇信号65として出力する変化率論理積演算器25により形成されている。
【0046】
なお、図1に示すように、回転数急上昇信号65は、切替器23の切替信号入力端子Cに入力して、この意味で当該回転数急上昇信号65は切替信号として作用している。
【0047】
次に、このような構成のタービン制御装置2の動作を図2に示す動作図を参照して説明する。同図においては、A−B間でタービン実回転数信号58の変化率が変化率検出器24に設定されている変化率より大きい場合を示している(以下、各実施の形態においても同様とする)。
【0048】
変化率判断手段20には、タービン実回転数信号58とタービン起動信号53とが入力して、これらが共に成立したとき「ON」の回転数急上昇信号65を出力する。
【0049】
即ち、タービン実回転数信号58の変化率が、変化率検出器24に予め設定されている変化率より大きい場合には「ON」の変化率検出信号64が変化率論理積演算器25に出力される。
【0050】
そして、この変化率論理積演算器25で、タービン起動信号53と変化率検出信号64との論理演算が行われて、蒸気止弁13が弁開を開始して「ON」の
タービン起動信号53が入力し、かつ、「ON」の変化率検出信号64が入力したときには「ON」の回転数急上昇信号65を切替信号として切替器23に出力する(図2のA−B間)。
【0051】
切替器23には、信号発生器22から蒸気加減弁14の全閉指令に相当する弁全閉指令62が入力すると共に、変化率設定器6において設定された回転数の変化率である第1回転数指令55が入力して、切替信号である回転数急上昇信号65の成否に応じて入力信号を選択し、これを新たに第1回転数指令63として出力する。
【0052】
即ち、回転数急上昇信号65が成立している場合(「ON」の場合)には、タービン実回転数が急上昇しているので、蒸気加減弁14を弁閉方向に駆動して当該タービン実回転数の急上昇を抑制すべく、弁全閉指令62を選択する。
【0053】
一方、回転数急上昇信号65が成立していない場合(「OFF」の場合)には、従来と同様な処理を行うべく第1回転数指令55を選択する。
【0054】
このようにして、切替器23から出力される第1回転数指令63は、回転数急上昇信号65の成否に応じて切替えられて低値選択器7に入力する。
【0055】
これにより、低値選択器7には、給水制御系1からの第2回転数指令56と、当該第1回転数指令63とが入力することになり、これらの低値を選択して回転数指令57として出力する。
【0056】
このとき、回転数急上昇信号65が成立して信号発生器22からの弁全閉指令62が切替器23で選択されている場合には、第1回転数指令63は第2回転数指令56より小さくなるように設定されているので、低値選択器7は当該第1回転数指令63を選択する。
【0057】
また、回転数急上昇信号65が成立していない場合には、切替器23は第1回転数指令55を選択して出力するので、低値選択器7は当該第1回転数指令55に基づく第1回転数指令63と第2回転数指令56とを比較して、その低値の指令を出力する。
【0058】
このようにして選択された回転数指令57と回転数検出器17からのタービン実回転数信号58とが加算器8に入力し、これらの偏差が回転数偏差信号59として係数器9に出力される。
【0059】
係数器9では、タービン16の回転数を制御するために最適な増幅度で回転数偏差信号59を増幅して蒸気加減弁開度指令60として蒸気加減弁操作器10に出力する。
【0060】
なお、回転数急上昇信号65が成立している場合には、低値選択器7から出力される回転数指令57は、信号発生器22からの時間変化しない弁全閉指令62に基づく指令であり、当該回転数指令57はタービン実回転数信号58より小さく設定されているので、回転数偏差信号59の極性は負で時間的に変化しない蒸気加減弁開度指令60となる(図2のA−B間の蒸気加減弁開度指令60)。
【0061】
一方、回転数急上昇信号65が成立していない場合には、本来の制御を行うべく、変化率設定器6からの第1回転数指令55に基づく回転数指令57とタービン実回転数58との大小に応じて回転数偏差信号59の極性が変り、その値も変化する。
【0062】
蒸気加減弁操作器10は、蒸気加減弁開度指令60の極性が正のときにはその大きさに応じた弁開速度で蒸気加減弁14を弁開方向に駆動し、極性が負のときにはその大きさに応じた弁閉速度で蒸気加減弁14を弁閉方向に駆動する。
【0063】
以上により、起動直後にタービン実回転数が急上昇した場合には、蒸気加減弁開度指令60の極性が負となり蒸気加減弁14は強制的に弁閉方向に駆動されて、過大な蒸気がタービン16に流入するのを抑制することができるようになる。
【0064】
また、回転数急上昇信号65の成否はタービン実回転数にのみで判断され、かつ、信号発生器22から蒸気加減弁14の全閉指令に相当する弁全閉指令62が出力される構成であるため、タービン16が定格回転数の数十%以上にならないと給水量が始まらないような特性の給水ポンプ18からの給水量に基づく第2回転数指令56に関わらず、適切にタービン16の回転数を制御できるようになる。
【0065】
そして、このような回転数制御によりタービン実回転数の著しい上昇が抑制できるため、回転数の動揺を抑えることができ、短時間で目標回転数に静定できるようになる。
【0066】
< 次に、本発明の第2の実施の形態を図を参照して説明する。なお、上述した実施の形態と同一構成に関しては同一符号を付して説明を適宜省略する。
【0067】
図3は本実施の形態にかかるタービン制御装置の部分構成図で、図16の従来構成と異なる部分を図示したものである。
【0068】
即ち、図16に示す係数器9と蒸気加減弁操作器10との間に、信号発生器27、切替器23、変化率判断手段20等を設けて、係数器9からの信号と信号発生器27からの信号とを後述する条件に応じて切替えて蒸気加減弁操作器10に入力させるようにしたものである。
【0069】
上記実施の形態においては、起動直後におけるタービン実回転数の急速な上昇を抑制するために、タービン実回転数の変化率が予め設定されている変化率より大きくなった際には、蒸気加減弁14の全閉指令に相当する変化率設定器6からの第1回転数指令に優先して信号発生器22からの蒸気加減弁14の全閉指令に相当する弁全閉指令62に基づき蒸気加減弁開度指令60を出力して制御するようにした。
【0070】
しかし本発明は、これに限定されるものではなく、蒸気加減弁開度指令60の出力は従来と同様に行うが、上述したようなタービン実回転数の急上昇が生じた場合には、図3に示すように、この蒸気加減弁開度指令60に代り後述する信号発生器27からの信号を蒸気加減弁操作器10に入力させることにより、かかる制御を行うようにしてもよい。
【0071】
このため、当該タービン制御装置2においては、蒸気加減弁14の弁全閉指令67を発生させる信号発生器27、端子Cに入力される切替信号に応じて複数の入力信号のうちの1の入力信号を出力する切替器23、タービン実回転数の変化率が予め設定された変化率より大きい値か否かを判断して、その判断結果を回転数急上昇信号65として出力する変化率判断手段20とが従来構成に対して追設されている。
【0072】
なお、切替器23及び変化率判断手段20は、第1の実施の形態に係る構成と同じで、起動直後におけるタービン実回転数の急上昇の検出も同様に行われる。
【0073】
しかし、本実施の形態にかかる信号発生器27は、蒸気加減弁開度指令60に代る蒸気加減弁14の弁全閉指令67を出力するのに対して、第1の実施の形態にかかる信号発生器22は蒸気加減弁14の全閉指令に相当する弁全閉指令62を発生させる点で相違している。
【0074】
即ち、第1の実施の形態の場合には、信号発生器22からの弁全閉指令62は、低値選択器7、加算器8、係数器9等を経て蒸気加減弁開度指令60が生成されるが、本実施の形態の場合には信号発生器27から蒸気加減弁開度指令60に相当する弁全閉指令67が出力される。
【0075】
これにより低値選択器7、加算器8、係数器9でどのような処理が行われるかを考慮することなく、蒸気加減弁14を全閉させる弁全閉指令67を信号発生器27から出力するように設計すればよいので、設計が容易になる利点がある。
【0076】
切替器23には係数器9からの蒸気加減弁開度指令60と信号発生器27からの弁全閉指令67とが入力して、変化率判断手段20からの回転数急上昇信号65に応じて、これらのいずれかを蒸気加減弁開度指令72として出力する。
【0077】
従って、図4に示す動作図から分るように、タービン実回転数が急上昇してタービン実回転数信号58の変化率が変化率検出器24に設定されている変化率より大きくなるA−B間では、従来の制御によれば単調、かつ、徐々に小さくなる蒸気加減弁開度指令60で制御するのに対して、本実施の形態によれば、この区間は信号発生器27からの弁全閉指令67に基づく蒸気加減弁開度指令72により制御することになる。
【0078】
以上により、起動直後にタービン実回転数が急上昇した場合には、蒸気加減弁14を強制的に弁閉方向に駆動して、タービン16に過大な蒸気が流入するのを容易に抑制することが可能となる。
【0079】
また、回転数急上昇信号65の成否はタービン実回転数にのみで判断され、かつ、信号発生器27から弁全閉指令72が出力される構成であるため、例え給水ポンプ18の特性により実際に給水量が始まるのがタービン16が定格回転数の数十%以上になったときであっても、当該給水ポンプ18の特性に関わらず、適切にタービン16の回転数が制御できるようになると共に、回転数の動揺が抑えられて短時間で目標回転数に静定できるようになる。
【0080】
< 次に、本発明の第3の実施の形態を図を参照して説明する。なお、上述した実施の形態と同一構成に関しては同一符号を付して説明を適宜省略する。
【0081】
図5は本実施の形態にかかるタービン制御装置の部分構成図で、図16の従来構成と異なる部分を図示したものである。
【0082】
即ち、図16に示す変化率設定器6と低値選択器7との間に、信号発生器22、切替器23、変化率判断手段20を設けて、変化率設定器6からの信号と信号発生器22からの信号とを後述する条件に応じて切替えて低値選択器7に入力させるようにしたものである。
【0083】
上述した第1及び第2の実施の形態においては、タービン実回転数の変化率が予め設定されている変化率より大きくなると、信号発生器22等からの弁全閉指令62に基づき蒸気加減弁14を全閉するように制御した。
【0084】
これに対して、本実施の形態では、かかる制御を蒸気止弁13が弁開開始してから所定時間(後述する限時動作器21に設定されている時間)の間だけ行うようにして、信頼性を高めたものである。
【0085】
このため当該タービン制御装置2においては、蒸気加減弁14の全閉指令に相当する弁全閉指令62を発生させる信号発生器22、端子Cに入力される切替信号に応じて出力信号を切替える切替器23、所定時間内にタービン実回転数の変化率が予め設定された変化率より大きくなったか否かを検出する変化率判断手段20が従来構成に対して追設されている。
【0086】
この変化率判断手段20は、タービン実回転数の変化率が予め設定されている変化率より大きい値か否かを検出して、その結果を変化率検出信号64として出力する変化率検出器24、変化率検出信号64とタービン起動信号53との論理積を演算して、これを回転数急上昇信号65として出力する変化率論理積演算器25、タービン起動信号53の成立を計時のタイミングとして、予め設定された時間だけ「ON」の限時動作信号61を出力する限時動作器21、限時動作信号61と回転数急上昇信号65との論理積を演算して、この結果を限時回転数急上昇信号66として出力する限時変化率論理積演算器26を備えている。
【0087】
なお、図5において示すように、限時回転数急上昇信号66は、切替器23の切替信号入力端子Cに入力しており、この意味で当該限時回転数急上昇信号66は切替信号として作用している。
【0088】
次に、このような構成のタービン制御装置2の動作を図6に示す動作図を参照して説明する。
【0089】
先の実施の形態で述べたように、タービン起動信号53と変化率検出信号64との論理積演算が変化率論理積演算器25で行われて回転数急上昇信号65が出力される。
【0090】
一方、位置検出器12からのタービン起動信号53は、限時動作器21にも入力して、当該タービン起動信号53が「OFF」から「ON」に変化すると、即ち蒸気止弁13が弁開開始すると、予め設定されている一定の時間の間(図6のA−C間)だけ「ON」の限時動作信号61を限時変化率論理積演算器26に出力する。
【0091】
そして、限時変化率論理積演算器26は、限時動作信号61及び回転数急上昇信号65が共に「ON」のときには、「ON」の限時回転数急上昇信号66を切替信号として切替器23に出力する。
【0092】
従って、タービン実回転数が急上昇し(回転数急上昇信号65が「ON」)、かつ、それが起動開始から限時動作器21で設定されている時間内に生じている場合(限時動作信号61が「ON」)には、限時回転数急上昇信号66が「ON」となる。
【0093】
また、タービン実回転数が急上昇しても(回転数急上昇信号65が「ON」)、それが起動開始から限時動作器21で設定されている時間内に生じていない場合(限時動作信号61が「OFF」)のように回転数急上昇信号65又は限時動作信号61のいずれか1が「OFF」の場合には、「OFF」の限時回転数急上昇信号66が出力される。
【0094】
これにより切替器23は、限時回転数急上昇信号66が成立する場合には、蒸気加減弁14を弁閉方向に駆動してタービン実回転数が急上昇を抑制すべく、信号発生器22からの弁全閉指令62を選択して、これを第1回転数指令63として低値選択器7に出力する。
【0095】
また、限時回転数急上昇信号66が成立しない場合には、本来の回転指令である第1回転数指令55を選択し、これを第1回転数指令63として上述した低値選択器7に出力する。
【0096】
これにより、低値選択器7には、給水制御系1からの第2回転数指令56と、当該第1回転数指令63とが入力することになり、これらの低値を選択して回転数指令57として出力する。
【0097】
このとき、回転数急上昇信号65が成立して信号発生器22からの弁全閉指令62が切替器23で選択されている場合には、第1回転数指令63は第2回転数指令56より小さくなるように設定されているので、低値選択器7は当該第1回転数指令63を選択する。
【0098】
また、回転数急上昇信号65が成立していない場合には、切替器23は第1回転数指令55を選択して出力するので、低値選択器7は当該第1回転数指令55に基づく第1回転数指令63と第2回転数指令56とを比較して、その低値の指令を出力する。
【0099】
このようにして選択された回転数指令57と回転数検出器17からのタービン実回転数信号58とが加算器8に入力し、これらの偏差が回転数偏差信号59として係数器9に出力される。
【0100】
係数器9では、タービン16の回転数を制御するために最適な増幅度で回転数偏差信号59を増幅して蒸気加減弁開度指令60として蒸気加減弁操作器10に出力する。
【0101】
なお、回転数急上昇信号65が成立している場合には、低値選択器7から出力される回転数指令57は、信号発生器22からの時間変化しない弁全閉指令62に基づく指令であり、当該回転数指令57はタービン実回転数信号58より小さく設定されているので、回転数偏差信号59の極性は負で時間的に変化しない蒸気加減弁開度指令60となる(図6のA−B間の蒸気加減弁開度指令60)。
【0102】
一方、回転数急上昇信号65が成立していない場合には、本来の制御を行うべく、変化率設定器6からの第1回転数指令55に基づく回転数指令57とタービン実回転数58との大小に応じて回転数偏差信号59の極性が代り、その値も変化する。
【0103】
蒸気加減弁操作器10は、蒸気加減弁開度指令60の極性が正のときにはその大きさに応じた弁開速度で蒸気加減弁14を弁開方向に駆動し、極性が負のときにはその大きさに応じた弁閉速度で蒸気加減弁14を弁閉方向に駆動する。
【0104】
以上により、起動直後にタービン実回転数が急上昇した場合には、蒸気加減弁開度指令60の極性が負となり蒸気加減弁14は強制的に弁閉方向に駆動されて、過大な蒸気がタービン16に流入するのを抑制することができるようになる。
【0105】
また、回転数急上昇信号65の成否はタービン実回転数にのみで判断され、かつ、信号発生器22から蒸気加減弁14の全閉指令に相当する弁全閉指令62が出力される構成であるため、タービン16が定格回転数の数十%以上にならないと給水量が始まらないような特性の給水ポンプ18からの給水量に基づく第2回転数指令56に関わらず、適切にタービン16の回転数を制御できるようになる。
【0106】
そして、このような回転数制御によりタービン実回転数の著しい上昇が抑制できるため、回転数の動揺を抑えることができ、短時間で目標回転数に静定できるようになる。
【0107】
特に、このような制御を起動してから所定時間内(限時動作器21で計時する時間)に制限することで、タービン16へ流入する蒸気条件が悪く、回転数条件が成立するまでに回転数が上昇しなかった場合でも、蒸気加減弁14の全閉を防止することが可能になり信頼性が向上する。
【0108】
< 次に、本発明の第4の実施の形態を図を参照して説明する。なお、上述した実施の形態と同一構成に関しては同一符号を付して説明を適宜省略する。
【0109】
図7は本実施の形態にかかるタービン制御装置の部分構成図で、図16の従来構成と異なる部分を図示したものである。
【0110】
即ち、図16に示す係数器9と蒸気加減弁操作器10との間に、信号発生器27、切替器23、変化率判断手段20を設けて、係数器9からの信号と信号発生器27からの信号とを後述する条件に応じて切替えて蒸気加減弁操作器10に入力させるようにしたものである。
【0111】
上述した第3の実施の形態においては、起動直後で限時動作器21で規定される時間内でのタービン実回転数の急速な上昇を抑制するために、タービン実回転数の変化率が予め設定されている変化率より大きくなった際には、蒸気加減弁14の全閉指令に相当する変化率設定器6からの第1回転数指令に優先して信号発生器22からの蒸気加減弁14の全閉指令に相当する弁全閉指令62に基づき蒸気加減弁開度指令60を出力して制御するようにした。
【0112】
しかし本発明は、これに限定されるものではなく、蒸気加減弁開度指令60の出力は従来と同様に行うが、上述したようなタービン実回転数の急上昇が生じた場合には、図7に示すように、この蒸気加減弁開度指令60に代り後述する信号発生器27からの信号を蒸気加減弁操作器10に入力させることにより、かかる制御を行うようにしてもよい。
【0113】
このため、当該タービン制御装置2においては、蒸気加減弁14の弁全閉指令67を発生させる信号発生器27、端子Cに入力される切替信号に応じて出力信号を切替える切替器23、
所定時間内にタービン実回転数の変化率が予め設定された変化率より大きくなったか否かを検出する変化率判断手段20が従来構成に対して追設されている。
【0114】
なお、変化率判断手段20は、第3の実施の形態と同様にタービン実回転数の変化率が予め設定されている変化率より大きい値か否かを検出して、その結果を変化率検出信号64として出力する変化率検出器24、変化率検出信号64とタービン起動信号53との論理積を演算して、これを回転数急上昇信号65として出力する変化率論理積演算器25、タービン起動信号53の成立を計時のタイミングとして、予め設定された時間だけ「ON」の限時動作信号61を出力する限時動作器21、限時動作信号61と回転数急上昇信号65との論理積を演算して、この結果を限時回転数急上昇信号66として出力する限時変化率論理積演算器26を備えている。
【0115】
また、切替器23及び変化率判断手段20の作用も第3の実施の形態と同じであり、信号発生器27は第2の実施の形態に係る構成と同じである。
【0116】
切替器23には係数器9からの蒸気加減弁開度指令60と信号発生器27からの弁全閉指令67とが入力して、変化率判断手段20からの回転数急上昇信号65に応じて、これらのいずれかを蒸気加減弁開度指令72として出力する。
【0117】
従って、図8に示す動作図から分るように、タービン実回転数が急上昇してタービン実回転数信号58の変化率が変化率検出器24に設定されている変化率より大きくなり、かつ、限時動作器21から「ON」の限時動作信号61が出力されているA−B間では、従来の制御によれば単調、かつ、徐々に小さくなる蒸気加減弁開度指令60で制御するのに対して、本実施の形態によれば、この区間は信号発生器27からの弁全閉指令67に基づく蒸気加減弁開度指令72により制御することになる。
【0118】
以上により、起動直後にタービン実回転数が急上昇した場合には、蒸気加減弁14を強制的に弁閉方向に駆動して、タービン16に過大な蒸気が流入するのを容易に抑制することが可能となる。
【0119】
また、回転数急上昇信号65の成否はタービン実回転数にのみで判断され、かつ、信号発生器27から弁全閉指令72が出力される構成であるため、例え給水ポンプ18の特性により実際に給水量が始まるのがタービン16が定格回転数の数十%以上になったときであっても、当該給水ポンプ18の特性に関わらず、適切にタービン16の回転数が制御できるようになると共に、回転数の動揺が抑えられて短時間で目標回転数に静定できるようになる。
【0120】
特に、このような制御を起動してから所定時間内(限時動作器21で計時する時間)に制御を制限することで、タービン16へ流入する蒸気条件が悪く、回転数条件が成立するまでに回転数が上昇しなかった場合でも、蒸気加減弁14の全閉を防止することが可能になり信頼性が向上する。
【0121】
また、信号発生器27から蒸気加減弁開度指令60に相当する弁全閉指令67を出力するので、低値選択器7、加算器8、係数器9でどのような処理が行われるかを考慮する必要がなく当該信号発生器27の設計が容易になる利点がある。
【0122】
< 次に、本発明の第5の実施の形態を図を参照して説明する。なお、上述した実施の形態と同一構成に関しては同一符号を付して説明を適宜省略する。
【0123】
図9は本実施の形態にかかるタービン制御装置の部分構成図で、図16の従来構成と異なる部分を図示したものである。
【0124】
即ち、図16に示す変化率設定器6を変化率設定器19に変えると共に、当該変化率設定器19と低値選択器7との間に、信号発生器22、切替器23、変化率判断手段20を設けたものである。
【0125】
これまで説明した各実施の形態においては、起動直後にタービン実回転数の急上昇が検出されたときには信号発生器22等からの弁全閉指令62に基づき蒸気加減弁14を弁閉方向に駆動してタービン実回転数が急上昇を抑制し、当該タービン実回転数の急上昇が検出されなくなると、従来の制御に戻すようにした。
【0126】
しかし、タービン実回転数の急上昇が検出されなくなったときのタービン実回転数に対して、回転数設定指令54に基づく回転数指令57との間に大きな差が残っているため、加算器8からの蒸気加減弁開度指令60には大きな変化が伴うようになり、回転数の動揺を十分に抑制できなくなる場合がある。
【0127】
そこで、本実施の形態では、かかる回転数の動揺をより十分に抑制できるようにしたものである。
【0128】
このため、当該タービン制御装置2においては、蒸気加減弁14の全閉指令に相当する弁全閉指令62を発生させる信号発生器22、端子Cに入力される切替信号に応じて複数の入力信号のうちの1の入力信号を出力する切替器23、端子B’に入力される設定条件信号に応じて複数の入力信号のうちの1の入力信号に基づき回転数の変化率を設定する変化率設定器19、タービン実回転数の変化率が予め設定された変化率より大きい値か否かを判断して、その判断結果を回転数急上昇信号65として出力する変化率判断手段20とが従来構成に対して追設されている。
【0129】
そして、変化率判断手段20からの回転数急上昇信号65は、切替器23の端子Cに入力して切替信号として作用すると共に、また変化率設定器19の端子B’に入力して設定条件信号として作用している。
【0130】
変化率判断手段20、信号発生器22、切替器23は、第1の実施の形態等において説明したと同様の構成であるが、変化率設定器19は従来の変化率設定器6と異なる構成となっている点が相違している。
【0131】
即ち、変化率設定器19には、タービン実回転数信号58及び回転数設定指令54が入力し、回転数急上昇信号65が「ON」となっている間は、タービン実回転数信号58に追従した信号を第1回転数指令68として出力し、回転数急上昇信号65が「OFF」になると、その時の値から回転数設定指令54の値を目標に、当該変化率設定器19に設定されている変化率で変化する第1回転数指令68を出力するようになっている。
【0132】
次に、このような構成のタービン制御装置2の動作を図10に示す動作図を参照して説明する。
【0133】
変化率判断手段20からの回転数急上昇信号65が「ON」となると、変化率設定器19からはタービン実回転数信号58に追従した第1回転数指令68が出力されるが、このときは切替器23は信号発生器22から弁全閉指令62を選択して出力する。
【0134】
但し、回転数急上昇信号65が「ON」となっている間は、変化率設定器19からの第1回転数指令68は低値選択器7に出力されることはないが、この場合であっても当該第1回転数指令68の値は変化している(図10のA−B間における2点鎖線を参照)。
【0135】
そして、回転数急上昇信号65が「OFF」となると、切替器23は変化率設定器19からの第1回転数指令68を低値選択器7に出力する。
【0136】
従って、回転数急上昇信号65が「OFF」となった直後の第1回転数指令68は、そのときのタービン実回転数から回転数設定指令54の値を目標に変化する第1回転数指令68が出力される。
【0137】
以上により、起動直後にタービン実回転数が急上昇した場合には、蒸気加減弁14を強制的に弁閉方向に駆動して、タービン16に過大な蒸気が流入するのを容易に抑制することが可能となる。
【0138】
また、回転数急上昇信号65の成否はタービン実回転数にのみで判断され、かつ、信号発生器27から弁全閉指令72が出力される構成であるため、例え給水ポンプ18の特性により実際に給水量が始まるのがタービン16が定格回転数の数十%以上になったときであっても、当該給水ポンプ18の特性に関わらず、適切にタービン16の回転数が制御できるようになる。
【0139】
特に、回転数急上昇信号65が「OFF」となった直後の第1回転数指令68は、そのときのタービン実回転数から回転数設定指令54の値を目標に変化する第1回転数指令68が出力されるため、回転数急上昇信号65が「OFF」となった直後からのタービン実回転数の変動を抑制することが可能になる。
【0140】
< 次に、本発明の第6の実施の形態を図を参照して説明する。なお、上述した実施の形態と同一構成に関しては同一符号を付して説明を適宜省略する。
【0141】
図11は本実施の形態にかかるタービン制御装置の部分構成図で、図16の従来構成と異なる部分を図示したものである。
【0142】
即ち、図16に示す変化率設定器6を変化率設定器19に変えると共に、当該変化率設定器19と低値選択器7との間に、信号発生器22、切替器23、変化率判断手段20を設けたものである。
【0143】
本実施の形態に係る発明は、上記第5の実施の形態に係る発明に対して、第2の実施の形態に係る発明のように限時動作器21を設けて、起動してから所定時間内だけに限って蒸気加減弁14を全閉させる制御を行うようにしたものである。
【0144】
このため、当該タービン制御装置2においては、蒸気加減弁14の全閉指令に相当する弁全閉指令62を発生させる信号発生器22、端子Cに入力される切替信号に応じて複数の入力信号のうちの1の入力信号を出力する切替器23、端子B’に入力される設定条件信号に応じて複数の入力信号のうちの1の入力信号に基づき回転数の変化率を設定する変化率設定器19、
所定時間内にタービン実回転数の変化率が予め設定された変化率より大きい値か否かを判断して出力する変化率判断手段20が従来構成に対して追設されている。
【0145】
変化率判断手段20、信号発生器22、切替器23、変化率設定器19は、第3の実施の形態等において説明したと同様の構成であるが、限時動作器21からの限時動作信号61と変化率判断手段20からの回転数急上昇信号65との論理積演算の結果を示す限時回転数急上昇信号66が切替器23の端子Cに入力して切替信号として作用すると共に、また変化率設定器19の端子B’に入力して設定条件信号として作用している点が相違している。
【0146】
このような構成のタービン制御装置2は、図12に示す動作図からもわかるように限時動作器21からの限時動作信号61が「ON」となっているときにのみ(図12のA−C間)、信号発生器22から弁全閉指令62に基づく制御が行われて、タービン実回転数の急上昇が抑制される(図12のA−B間)。
【0147】
従って、例えばタービン16へ流入する蒸気条件が悪いために、タービン実回転数の変化率が変化率判断手段20で急上昇であると検出されるぎりぎりの状態が長時間続くような場合には、当該限時動作信号61が「ON」であることを条件として蒸気加減弁14の全閉制御を行うことで短時間で目標回転数に静定できるようになる。
【0148】
また、限時回転数急上昇信号66が「OFF」となると、そのときのタービン実回転数から回転数設定指令54の値を目標に変化する第1回転数指令68が第1回転数指令63として低値選択器7に出力されるので(図12のB−D間)、限時回転数急上昇信号66が「OFF」となってから後のタービン実回転数の変動を抑制することが可能になる。
【0149】
< 次に、本発明の第7の実施の形態を図を参照して説明する。なお、上述した実施の形態と同一構成に関しては同一符号を付して説明を適宜省略する。
【0150】
図13は本実施の形態にかかるタービン制御装置の部分構成図で、図16の従来構成と異なる部分を図示したものである。
【0151】
即ち、図16に示す低値選択器7の前に微分器29、係数器(KD)30、加算器31を設けて、変化率設定器6からの第1回転数指令55と係数器30からの減算値信号73とを加算して低値選択器7に入力させるようにしたものである。
【0152】
これまで説明した各実施の形態においては、タービン実回転数の変化率が予め設定されている変化率より大きくなると、信号発生器22からの弁全閉指令62等に基づき蒸気加減弁14を全閉するように制御した。
【0153】
これに対して、本実施の形態では、タービン実回転数の変化率に対応する値を演算し、これを第1回転数指令55から減じることでタービン実回転数の急上昇を抑制するようにしたものである。
【0154】
このため、当該タービン制御装置2においては、タービン実回転数の変化率に比例した信号を出力する微分器29、入力信号に所定の比例定数を乗じて出力する係数器30、加算器31とが従来構成に対して追設されている。
【0155】
次に、このような構成のタービン制御装置2の動作を図14に示す動作図を参照して説明する。
【0156】
微分器29にはタービン実回転数信号58が入力して、その変化率が出力される。従って、タービン実回転数が急上昇しているような場合には、当該変化率は大きな値となり、ゆっくり変化している場合には当該変化率は小さな値となる。
【0157】
このタービン実回転数信号58の変化率は係数器30に入力して、予め設定された比例定数が乗じられて減算値信号73として加算器31に出力される。
【0158】
そして、この加算器31で変化率設定器6から第1回転数指令55との偏差が演算されて、その結果が低値選択器7に出力されることになる。
【0159】
なお、タービン実回転数の変化率が小さい場合には、加算器31で減じられる値が略ゼロになるように係数器30が設定されていることは言うまでもない。
【0160】
以上により、タービン実回転数の急上昇率が大きい場合には、第1回転数指令55から大きな値が減じられるようになって、低値選択器7、加算器8を経て得られる回転数偏差信号59は図14に示すように小さな値となり、蒸気加減弁14を急弁閉させることが可能となる。
【0161】
特に、これまで説明したように、タービン実回転数の急上昇が検出された場合に信号発生器22からの弁全閉指令62等に基づき蒸気加減弁14を全閉する場合には、蒸気加減弁14の急弁閉操作が行われるが、本発明の場合には図14に示すように係数器9に入力する回転数偏差信号59は連続的に変化するため、タービン実回転数が急上昇しているような場合でも蒸気加減弁14は連続的に急弁閉されるようになって(図14のA−B間)、当該蒸気加減弁14に加わる負荷変動を小さくできる利点がある。
【0162】
また、タービン実回転数の急上昇が検出された場合に信号発生器22からの弁全閉指令62等に基づき蒸気加減弁14を全閉する場合には、少なくともタービン実回転数の急上昇が起きるが、本発明に場合にはかかるタービン実回転数の急上昇が本質的に抑制されるため信頼性を更に向上させることが可能になる。
【0163】
なお、上記説明では、加算器31を低値選択器7の前に設けて、第1回転数指令55及び減算値信号73との偏差が低値選択器7に入力するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図15に示すように減算値信号73を加算器8に入力して低値選択器7からの出力から減算値信号73を減算するようにしても良い。
【0164】
この場合には、新たに加算器31を設ける必要が無くなるので、部品点数が削減できる利点がある。
【0165】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、蒸気止弁の開閉状態を示すタービン起動信号に基づき当該蒸気止弁が開状態になったことを検出し、かつ、タービン実回転数信号に基づき回転数の変化率が予め設定された値より大きくなったことを検出した際には、そのことを示す信号を切替信号として出力する変化率判断手段と、蒸気加減弁を弁全閉方向に駆動させる弁全閉指令を発生する信号発生器と、切替信号が入力すると共に少なくとも弁全閉指令が入力して、切替信号が成立した場合には弁全閉指令を出力して、当該弁全閉指令に基づき蒸気加減弁操作器が蒸気止弁を弁閉駆動するようにする切替器とを設けたので、起動直後における回転数が急上昇時に蒸気加減弁を急速に弁閉方向に動作させて過大な蒸気がタービンに流入するのを抑制すると共に、タービン実回転数の動揺を抑えて短時間で目標回転数に静定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の説明に適用されるタービン制御装置の従来構成と異なる部分を示す図である。
【図2】図1に示すタービン制御装置の動作図である。
【図3】第2の実施の形態の説明に適用されるタービン制御装置の従来構成と異なる部分を示す図である。
【図4】図3に示すタービン制御装置の動作図である。
【図5】第3の実施の形態の説明に適用されるタービン制御装置の従来構成と異なる部分を示す図である。
【図6】図5に示すタービン制御装置の動作図である。
【図7】第4の実施の形態の説明に適用されるタービン制御装置の従来構成と異なる部分を示す図である。
【図8】図7に示すタービン制御装置の動作図である。
【図9】第5の実施の形態の説明に適用されるタービン制御装置の従来構成と異なる部分を示す図である。
【図10】図9に示すタービン制御装置の動作図である。
【図11】第6の実施の形態の説明に適用されるタービン制御装置の従来構成と異なる部分を示す図である。
【図12】図11に示すタービン制御装置の動作図である。
【図13】第7の実施の形態の説明に適用されるタービン制御装置の従来構成と異なる部分を示す図である。
【図14】図13に示すタービン制御装置の動作図である。
【図15】図13に代る構成のタービン制御装置の従来構成と異なる部分を示す図である。
【図16】従来の技術の説明に適用されるタービン制御装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 給水制御系
2 タービン制御装置
5,23 切替器
6 変化率設定器
7 低値選択器
8,31 加算器
9,30 係数器
10 蒸気加減弁操作器
12 位置検出器
13 蒸気止弁
14 蒸気加減弁
16 タービン
17 回転数検出器
18 給水ポンプ
19 変化率設定器
20 変化率判断手段
21 限時動作器
22,27 信号発生器
24 変化率検出器
25 変化率論理積演算器
26 限時変化率論理積演算器
29 微分器
35 回転数設定手段
36 低値選択手段

Claims (6)

  1. 蒸気加減弁が開いた状態で該蒸気加減弁の上流に設けられた蒸気止弁が蒸気止弁操作器により急弁開されて、給水ポンプが連結されたタービンに蒸気を流入させることにより当該タービンを起動して給水を開始した際に、該タービンの定格回転数よりも高めの回転数に設定された回転数設定指令に基づき当該タービンがその目標回転数になるように、回転数の変化率を設定し、当該変化率に基づいて回転数を設定して第1回転数指令として出力する回転数設定手段と、前記第1回転数指令が入力すると共に前記給水ポンプで給水されている給水量に対応した回転数を示す第2回転数指令とが入力して、これらの低値を選択して回転数指令として出力する低値選択手段と、前記回転数指令が入力すると共にタービンの実際の回転数を示すタービン実回転数信号が入力して、これらの偏差を回転数制御のために最適な増幅度で増幅して、これを蒸気加減弁開度指令として出力する弁開度指令発生手段とを有して、所定量の給水が行われるようにタービンの回転数を制御するタービン制御装置において、
    前記蒸気止弁の開閉状態を示すタービン起動信号に基づき当該蒸気止弁が開状態になったことを検出し、かつ、前記タービン実回転数信号に基づき前記回転数の変化率が予め設定された値より大きくなったことを検出した際には、そのことを示す信号を切替信号として出力する変化率判断手段と、
    前記蒸気加減弁を弁全閉方向に駆動させる弁全閉指令を発生する信号発生器と、前記切替信号が入力すると共に少なくとも前記弁全閉指令が入力して、前記切替信号が成立した場合には前記弁全閉指令を出力して、当該弁全閉指令に基づき前記蒸気加減弁操作器に前記蒸気加減弁を弁閉駆動させる切替器と、を備え、
    前記回転数設定手段が、前記回転数設定指令、前記タービン実回転数信号及び前記切替信号が入力して、前記切替信号が成立した場合には前記タービン実回転数信号に追従した信号を前記第1回転数指令として出力し、当該切替信号が成立しなくなった場合には、出力がその時に出力していた前記第1回転数指令から前記回転数設定指令を目標に変化するように変化率を設定してなる前記第1回転数指令を出力する変化率設定器を有することを特徴とするタービン制御装置。
  2. 前記切替器に、前記第1回転数指令と前記弁全閉指令とが入力すると共に、前記切替信号が入力して、前記切替信号が成立した場合には前記弁全閉指令を前記低値選択手段に出力し、当該切替信号が成立していない場合には前記第1回転数指令を前記低値選択手段に出力することを特徴とする請求項1記載のタービン制御装置。
  3. 前記変化率判断手段が、前記タービン実回転数信号に基づき前記回転数の変化率が予め設定された値より大きいか否かを検出して、その結果を変化率検出信号として出力する変化率検出器と、前記タービン起動信号と前記変化率検出信号との論理積演算を行い、前記蒸気止弁が開状態になり、かつ、前記回転数の変化率が予め設定された値より大きくなった場合には、そのことを示す回転数急上昇信号を前記切替信号として出力する変化率論理積演算器とを有することを特徴とする請求項1または2記載のタービン制御装置。
  4. 前記変化率判断手段が、前記タービン実回転数信号に基づき前記回転数の変化率が予め設定された値より大きいか否かを検出して、その結果を変化率検出信号として出力する変化率検出器と、
    前記タービン起動信号と前記変化率検出信号との論理積演算を行い、前記蒸気止弁が開状態になり、かつ、前記回転数の変化率が予め設定された値より大きくなった場合には、そのことを示す回転数急上昇信号を出力する変化率論理積演算器と、
    前記タービン起動信号に基づき前記蒸気止弁が開状態になったことを検出した際には、そのときから予め設定された時間だけ所定レベルの限時動作信号を出力する限時動作器と、前記限時動作信号と前記回転数急上昇信号との論理積演算を行い、前記限時動作器で設定された時間内に、前記蒸気止弁が開状態になり、かつ、前記回転数の変化率が予め設定された値より大きくなった場合には、そのことを示す信号を前記切替信号として出力する限時変化率論理積演算器とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のタービン制御装置。
  5. 蒸気加減弁が開いた状態で該蒸気加減弁の上流に設けられた蒸気止弁が蒸気止弁操作器により急弁開されて、給水ポンプが連結されたタービンに蒸気を流入させることにより当該タービンを起動して給水を開始した際に、該タービンの定格回転数よりも高めの回転数に設定された回転数設定指令に基づき当該タービンがその目標回転数になるように、回転数の変化率を設定し、当該変化率に基づいて回転数を設定して第1回転数指令として出力する回転数設定手段と、前記第1回転数指令が入力すると共に前記給水ポンプで給水されている給水量に対応した回転数を示す第2回転数指令が入力して、これらの低値を選択して回転数指令として出力する低値選択手段と、前記回転数指令が入力すると共にタービンの実際の回転数を示すタービン実回転数信号が入力して、これらの偏差を回転数制御のために最適な増幅度で増幅して、これを蒸気加減弁開度指令として出力する弁開度指令発生手段とを有して、所定量の給水が行われるようにタービンの回転数を制御するタービン制御装置において、
    前記タービン実回転数信号の変化率を検出する微分器と、
    該微分器で検出した変化率に所定の比例定数を乗じて減算値信号として出力する係数器と、
    前記第1回転数指令が前記低値選択手段に入力する際に、当該第1回転数指令から前記減算値信号を減じて入力させる加算器とを有することを特徴とするタービン制御装置。
  6. 蒸気加減弁が開いた状態で該蒸気加減弁の上流に設けられた蒸気止弁が蒸気止弁操作器により急弁開されて、給水ポンプが連結されたタービンに蒸気を流入させることにより当該タービンを起動して給水を開始した際に、該タービンの定格回転数よりも高めの回転数に設定された回転数設定指令に基づき当該タービンがその目標回転数になるように、回転数の変化率を設定し、当該変化率に基づいて回転数を設定して第1回転数指令として出力する回転数設定手段と、前記第1回転数指令が入力すると共に前記給水ポンプで給水されている給水量に対応した回転数を示す第2回転数指令が入力して、これらの低値を選択して回転数指令として出力する低値選択手段と、前記回転数指令が入力すると共にタービンの実際の回転数を示すタービン実回転数信号が入力して、これらの偏差を演算する加算器及び該加算器からの偏差信号を回転数制御のために最適な増幅度で増幅して、これを蒸気加減弁開度指令として出力する係数器とを備えた弁開度指令発生手段とを有して、所定量の給水が行われるようにタービンの回転数を制御するタービン制御装置において、
    前記タービン実回転数信号の変化率を検出する微分器と、
    該微分器で検出した変化率に所定の比例定数を乗じて減算値信号として前記加算器に出力する係数器とを有することを特徴とするタービン制御装置。
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