JP3469685B2 - 給水ポンプ用タービンの制御方法および制御装置 - Google Patents

給水ポンプ用タービンの制御方法および制御装置

Info

Publication number
JP3469685B2
JP3469685B2 JP24143595A JP24143595A JP3469685B2 JP 3469685 B2 JP3469685 B2 JP 3469685B2 JP 24143595 A JP24143595 A JP 24143595A JP 24143595 A JP24143595 A JP 24143595A JP 3469685 B2 JP3469685 B2 JP 3469685B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steam
turbine
deviation
water supply
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP24143595A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0988507A (ja
Inventor
裕夫 今橋
真太郎 辻
巧 河合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP24143595A priority Critical patent/JP3469685B2/ja
Publication of JPH0988507A publication Critical patent/JPH0988507A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3469685B2 publication Critical patent/JP3469685B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Turbines (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は火力発電プラントの給水
ポンプ用タービン制御装置に関し、特に制御偏差大のと
きの制御方式に関する。
【0002】
【従来の技術】給水ポンプ用タービン制御装置は、給水
制御装置から給水ポンプ用タービン回転数指令を入力し
て、実タービン回転数との偏差による比例積分演算を行
い、この結果で蒸気加減弁を操作して給水ポンプ用ター
ビンの駆動蒸気を調整し、給水ポンプ用タービンの回転
数を制御する。
【0003】給水ポンプ用タービンの駆動蒸気には、高
圧蒸気と低圧蒸気の2種類がある。低圧蒸気には、発電
用蒸気タービンに流入された蒸気を途中から抽出した蒸
気(以下、抽出蒸気と略称する)と、補助ボイラや他の
発電用ボイラからの補助蒸気(以下、補助蒸気と略称す
る)があり、この2種類の蒸気の一方を切り替えて使用
する。
【0004】すなわち、発電用蒸気タービンが一定の発
電機出力に到達するまでのプラント起動時は、抽出蒸気
では給水ポンプ用タービンに安定した駆動蒸気を供給で
きないことから補助蒸気を使用し、発電用蒸気タービン
が一定の発電機出力に到達した後の通常運転時は抽出蒸
気を使用する。さらに、プラントの停止時など出力が一
定以下に低下した時は補助蒸気を使用する。
【0005】一方、高圧蒸気は、低圧蒸気が発電用蒸気
タービンの抽出蒸気から補助蒸気に切り替わるまでの間
のバックアップとして使用する。すなわち、発電用蒸気
タービンの運転中に、電気系統の事故により発電用蒸気
タービンに流入する蒸気が遮断されると、発電用蒸気タ
ービンの抽出蒸気が供給できなくなるためである。
【0006】高圧蒸気と低圧蒸気は、それぞれ高圧蒸気
加減弁と低圧蒸気加減弁へ導かれ、給水ポンプ用タービ
ンへ供給される。低圧蒸気系はその前段で、発電用蒸気
タービンからの抽出蒸気ラインとボイラからの補助蒸気
ラインに蒸気元弁が設置してあり、一方の元弁を開して
蒸気を供給する。補助蒸気ラインには圧力調整弁が設置
されており、通常運転に使用する発電用蒸気タービンの
抽出蒸気と同等の圧力に調整されている。
【0007】高圧蒸気加減弁と低圧蒸気加減弁は、給水
ポンプ用タービン制御装置からは一つの操作端を介して
制御され、先ず低圧蒸気加減弁が開し、低圧蒸気加減弁
が全開後に高圧蒸気加減弁が開する機構になっている。
【0008】このような給水ポンプ用タービン制御装置
においては、特開昭59−29704号公報に記載され
ているように、複数の駆動蒸気とそれを制御する各々の
制御弁を、各々に最適な比例積分演算回路を設置して切
替る方法で制御している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
低圧蒸気の補助蒸気ラインには、通常運転時に使用する
発電用蒸気タービンの抽出蒸気と同等の圧力にするため
に、圧力調整弁を設置していた。
【0010】ところで、低圧蒸気が最終的に導かれる給
水ポンプ用タービン制御装置の操作端である低圧蒸気加
減弁に、圧力調整の役割を持たせ、補助蒸気ラインの圧
力調整弁を省略することができる。この場合、圧力調整
のされていない補助蒸気は、抽出蒸気に比べて圧力が高
いので、蒸気源の切替時にタービン回転数の変動が発生
する。同様なタービン回転数の変動は、高圧蒸気による
バックアップ時やボイラ補機故障による負荷の急減時な
どにも生じる。
【0011】かかる場合、給水ポンプ用タービン制御装
置において、比例積分演算の制御ゲインを大きくして、
蒸気加減弁を適切な開度に速やかに移動できるが、反
面、高ゲインによる通常運転時の給水制御の安定性を欠
く。また、従来のように、運転状態に最適な比例積分演
算回路を設置することは、制御装置の構成を複雑にする
ばかりでなく、回路の切替時に操作量が不連続となるの
で、バンプレスな制御が困難になる。
【0012】本発明の目的は、蒸気源の切替時等に給水
ポンプ用タービン回転数の変動を抑制するとともに、通
常運転時の給水制御の安定性を損なわない、給水ポンプ
用タービンの制御方法を提供することにある。
【0013】本発明の目的は、前記制御方法を1つの制
御演算回路によって実現し、制御の連続性を保持して、
バンプレスで安定性の高い給水ポンプ用タービンの制御
装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記した本発明の目的
は、給水制御装置からの給水ポンプ用タービン回転数指
令と実タービン回転数の偏差による比例積分演算によっ
て操作量を求めて、給水ポンプ用蒸気タービンの駆動蒸
気系の調節弁を操作する操作端を制御し、火力発電プラ
ントにおける給水ポンプ用タービンの回転数を制御する
方法において、所定の信号偏差が予め定めた偏差範囲を
超える場合に、前記比例積分演算の制御ゲインより高い
ゲインで比例演算した補正量を加算して、前記操作量を
補正することにより達成される。
【0015】前記信号偏差は、前記給水ポンプ用タービ
ン回転数指令と前記実タービン回転数の偏差、または、
ボイラ給水圧力とタービン駆動給水ポンプ出口圧力の偏
差であることを特徴とする。
【0016】前記偏差範囲は、通常運転時での信号偏差
はその範囲内にあり、前記駆動蒸気系の切り替え時や負
荷急減時での信号偏差はその範囲を超えるように設定さ
れることを特徴とする。
【0017】また、本発明を適用した給水ポンプ用ター
ビンの制御装置は、発電用蒸気タービンからの抽出蒸気
と補助蒸気の2系統を切り替えて使用する低圧蒸気を調
整する蒸気加減弁を操作する操作端と、ボイラ給水制御
装置からの給水ポンプ用タービン回転数指令と実タービ
ン回転数との偏差から前記操作端の操作量を演算する比
例積分演算手段を備えるものにおいて、所定の信号偏差
が大なるときに前記操作端の補正量を比例演算する補正
用演算手段を前記比例積分演算手段と並列に設けたこと
により実現できる。
【0018】
【作用】通常運転時における給水ポンプ用タービン回転
数指令と実タービン回転数との偏差は大きくないので、
低ゲインによる安定な制御が可能になる。しかし、駆動
蒸気の切替時は駆動蒸気の圧力変化により、タービン回
転数が大きく変動するために、給水ポンプ用タービン回
転数指令と実タービン回転数との偏差が大になり、低ゲ
インの制御回路では蒸気加減弁を適切な開度に速やかに
移動させることができない。
【0019】本発明の構成によれば、前記補正用演算手
段は、通常運転時における給水ポンプ用タービン回転数
指令の変化に対しては応答しないので、低ゲインの比例
積分演算による蒸気加減弁の安定な制御を可能にする。
【0020】一方、駆動蒸気の切替時は、回転数指令と
実タービン回転数との偏差が大になって通常運転時の制
御範囲を超え、比例積分演算回路による追従が困難にな
る。このとき、前記補正用演算回路によって操作端補正
信号が加算され、操作端の操作量は連続性を維持しなが
ら急速に増大し、蒸気加減弁を速やかに適切な開度に調
節するので、ポンプ回転数の変動が抑制される。
【0021】この補正用演算回路の動作/不動作は、前
記信号偏差範囲のみに依存し、且つ、補正量は通常の比
例積分演算量に加算されるので、操作量がステップ変化
することなく制御の連続性が維持され、バンプレスで安
定性の高い制御となる。
【0022】また、本発明の前記補正用演算手段は、ボ
イラ給水圧力とタービン駆動給水ポンプ出口圧力の偏差
を基に補正するようにしてもよい。すなわち、負荷変化
率の小さい通常運転時には、ボイラ給水圧力とタービン
駆動給水ポンプ出口圧力は、プラント負荷変化に対して
同様に動作しその偏差は小さいので、補正出力は生じな
い。一方、駆動蒸気の切り替え時は、蒸気圧力の変化に
より給水ポンプ用蒸気タービン回転数が大きく変動し、
これに比例してタービン駆動給水ポンプ出口圧力が変動
するために、前記補正用演算回路による操作端補正信号
が加算され、操作量を急速に増大して、ポンプ回転数の
変動を抑制する。
【0023】
【実施例】本発明による第1の実施例を、図を用いて詳
細に説明する。
【0024】図1は、給水ポンプ用タービンの駆動蒸気
ラインを含むボイラ給水系に適用した、第一の実施例に
よる給水ポンプ用タービン制御装置の構成を示す。
【0025】ボイラ14へ水を供給する給水ポンプ1、
給水ポンプ1を駆動する給水ポンプ用蒸気タービン2、
蒸気タービン2への駆動蒸気を調整する高圧蒸気加減弁
5、及び低圧蒸気加減弁6、蒸気加減弁5及び6を機械
式レバー機構40を介して操作するアクチュエータ4、
給水制御部9からの給水ポンプ用タービン回転数指令1
00及び給水ポンプ用蒸気タービン2の回転数検出器2
0からのタービン回転数101を入力し、アクチュエー
タ4に蒸気加減弁開度指令106を出力する給水ポンプ
用タービン制御部3、発電用蒸気タービンの抽出蒸気ラ
イン111と補助蒸気ライン112を切り替えて低圧蒸
気加減弁6へ供給するために、各蒸気ラインに設置され
た蒸気元弁11、12、及び給水ポンプ1の給水出口に
設置された給水出口弁10より構成される。なお、本実
施例では、補助蒸気ライン112に圧力調整弁を設置し
ないシステムである。
【0026】アクチュエータ4と機械式レバー機構40
は、先ず低圧蒸気加減弁6から開し、その全開後に高圧
蒸気加減弁5を開する、各駆動蒸気に共通の操作端を構
成している。
【0027】本実施例による給水ポンプ用タービン制御
部3は、ボイラ給水時の制御回路を示しており、給水ポ
ンプ用タービン回転数指令100と給水ポンプ用蒸気タ
ービン回転数101の偏差信号102を演算する減算器
31、偏差信号102を入力とする比例積分演算で蒸気
加減弁操作量103を出力する比例積分演算器32、偏
差信号102を入力して偏差大信号104を出力する偏
差大検出器33、偏差大信号104により蒸気加減弁補
正量105を演算する蒸気加減弁補正量発生器34、蒸
気加減弁操作量103と蒸気加減弁補正量105を加算
しアクチュエータ4に蒸気加減弁開度指令106を出力
する加算器35より構成される。この偏差大検出器3
3、蒸気加減弁補正量発生器34及び加算器35より補
正用演算回路が構成される。
【0028】図2は比例積分演算器32の特性図、図3
はタービン補正用演算回路の特性図を示す。比例積分演
算器32は、入力される偏差信号に対し、勾配αの制御
ゲインで演算した蒸気加減弁開度(操作量)103を出
力する。
【0029】補正回路の偏差大検出器33は、図3
(a)に示すように、入力される偏差信号の絶対値が設
定値±a以下の範囲では出力を零とし、設定値±aを超
える偏差信号に1対1に比例した偏差大信号を出力す
る。蒸気加減弁補正量発生器34は、図3(b)に示す
ように、発電用蒸気タービンの抽出蒸気を駆動蒸気とし
た場合の低圧蒸気加減弁開度と、補助蒸気を駆動蒸気と
した場合の低圧蒸気加減弁開度の最大偏差量±bを上下
限値として、入力される偏差大信号に対し勾配β(β>
α)の制御ゲインで比例演算した蒸気加減弁開度補正量
104を出力する。
【0030】ところで、減算器31の出力する偏差信号
102は、プラントの負荷変化に応じて給水制御部9か
ら出力される回転数指令100により変化する。通常の
給水運転時は、偏差信号102が図3の±a領域内の小
さな値であり、偏差大検出器33からの偏差大信号10
4は零となる。従って、アクチュエータ4に出力される
蒸気加減弁開度指令106は、比例積分演算器32の低
制御ゲインαによる出力信号103をそのまま出力し、
補正回路の影響を受けることなく制御される。
【0031】一方、給水ポンプ用蒸気タービンの駆動蒸
気の切り替え運転時は、抽出蒸気と補助蒸気の蒸気圧力
の変化により、給水ポンプ用タービン回転数101が大
幅に変動する。このとき、減算器31から出力される偏
差信号102は、図3の±a領域を超えるので、偏差大
検出器33は±a以上の偏差信号102に比例した偏差
大信号104を出力する。蒸気加減弁補正量発生器34
は、入力され偏差大信号104に対し高制御ゲインβに
よる蒸気加減弁補正量106を出力する。そして、図3
(c)に示すように、蒸気加減弁補正量106と比例積
分演算器33の出力信号103を加算した蒸気加減弁開
度指令106をアクチュエータ4に出力する。
【0032】この結果、切り替え時の蒸気加減弁6は、
比例積分演算器32の低ゲインの出力では追従できない
大きな開度変化分を、補正回路から高制御ゲインによる
補正量加算によってすばやく移動され、適切な開度に調
整される。このとき、補正前後の操作量はステップ変化
せずに連続性を保っているので、バンプレスな制御が実
現できる。しかも、通常運転時には補正回路の影響を全
く回避でき、通常運転時に最適化された制御ゲインの比
例積分演算回路によって、給水ポンプ用タービン制御系
の安定性を確保する。
【0033】図6に、従来と比較した本実施例によるプ
ラントの動作特性を示す。図示の実線は本実施例、点線
は従来例による特性を示す。
【0034】発電用蒸気タービンがが一定の発電機出力
に達しないプラント起動時は(A点以前)、給水ポンプ
用タービン2は補助蒸気ライン112からの低圧蒸気で
駆動しており、抽出蒸気ライン111からの抽出蒸気に
比べて蒸気圧力が高いので、低圧蒸気加減弁6の開度は
低い位置に制御されている。
【0035】ここで、駆動蒸気を補助蒸気から抽出蒸気
に切り替える。すなわち、抽出蒸気ライン111の元弁
11を開し、補助蒸気ライン112の元弁12を閉じる
と、駆動蒸気圧力が低下するためにタービン回転数もA
点⇒B点のように低下する。従来は、比例積分演算器3
2のみによる出力のため、給水制御部9からの回転数指
令と実回転数指令との偏差に対し、比例積分演算器32
からの低制御ゲインの出力で徐々に低圧蒸気加減弁6の
開度を上昇するが、この間に給水ポンプ用タービン回転
数がさらに低下するために、制御偏差は所定範囲(±
a)を超えて(B点⇒)ますます増大し、図示のように
振動を発生するなどして(C点⇒)、安定な回転数に制
定するのには長時間を要していた。
【0036】しかし、本実施例では制御偏差が増大して
B点で所定範囲(+a)を超えると、補正回路が動作し
て高制御ゲインの出力で低圧蒸気加減弁6の開度を急速
に上昇する(B点⇒C点)。これに伴いタービン回転数
も上昇に点じ、制御偏差はC点で再び所定範囲(+a)
に収束する。補正回路は不動作となって、再び比例積分
演算器32のみによる制御に移行する。
【0037】発電機用蒸気タービンが発電機出力を減少
して、給水ポンプ用タービンの低圧蒸気源を抽出蒸気か
ら補助蒸気に切り替える場合は、上記とは逆の動作とな
る。すなわち、切り替えによって給水ポンプ用ターンビ
ンの回転数が上昇し、制御偏差が所定範囲(−a)を超
えると、本実施例の補助回路が動作して低圧蒸気加減弁
6の開度を急速に減少し、給水ポンプ用タービンの回転
数の変動を短時間に収束する。
【0038】以上、本実施例による補正回路について、
低圧蒸気源の切り替えによる偏差増大に応答する動作を
説明した。しかし、給水ポンプ用タービン制御装置にお
ける制御偏差の増大は、電気系統の事故による発電機用
蒸気タービンの流入蒸気遮断、あるいはボイラ補機故障
による負荷の急減などによっても発生する。本実施例の
補正回路は、かかる変動要因にも適用可能である。
【0039】すなわち、発電用蒸気タービンの抽出蒸気
を駆動蒸気として使用中に、電気系統の事故による発電
用蒸気タービン流入遮断が発生すると、タービン制御装
置の操作端制御は低圧加減弁6からボイラの出口蒸気を
使用する高圧加減弁5の開制御へと移行し、次いで高圧
蒸気加減弁6から補助蒸気を使用する低圧加減弁6への
制御へと切り替わる。この場合、抽出蒸気とボイラの出
口蒸気及びボイラの出口蒸気と補助蒸気の間で、蒸気圧
力が大きく変化することから、給水ポンプ用蒸気タービ
ンの実回転数が大幅に変動し、上述のように補正回路が
働いて操作端を急速に移動し、回転数の変動を短時間に
収束する。
【0040】また、ボイラ補機故障による負荷の急激な
減少運転においては、給水制御部9からのタービン回転
数指令が通常運転時よりも大幅に変動するために、偏差
大信号が検出されて、同様に補正回路が動作する。
【0041】以上のように、本発明の第一の実施例によ
る給水ポンプ用タービン制御装置は、給水制御部からの
給水ポンプ用タービン回転数指令と実タービン回転数と
の偏差による比例積分演算回路と並列に、制御偏差の大
きい時に操作端を補正する高制御ゲインの補正回路を設
けているので、低圧の駆動蒸気源である補助蒸気と抽出
蒸気の切り替え時の偏差増大による回転数の変動を、前
記補正回路の出力によって蒸気加減弁の開度を速やかに
調整して収束できる。しかも、通常の運転時には補正回
路の影響を回避するようにしているので、低制御ゲイン
による安定な制御系を構成できる。
【0042】次に、本発明の第二の実施例を説明する。
【0043】図4は、第一の実施例と同様のボイラ給水
系に適用した、第二の実施例による給水ポンプ用タービ
ン制御装置の構成を示す。なお、通常は複数のボイラ給
水系113が設置されている。
【0044】本実施例と図1の相違は補正用演算回路
に、ボイラ給水圧力検出器22からのボイラ給水圧力信
号109と、タービン駆動給水ポンプ1の出口圧力検出
器21からのタービン駆動給水ポンプ出口圧力信号10
8の偏差を演算する第2の減算器36を付加した点にあ
る。
【0045】図5に、偏差大検出器の特性を示す。図示
のように、減算器36の出力する偏差信号が−c以下、
+d以上の場合に偏差大信号を出力する。ここで、c≠
dに設定されるのは、正常な給水状態ではポンプ出口圧
力108がボイラ給水圧力109より一定値だけ高くな
るため、その分だけ原点を負側に移動させていることに
よる。
【0046】ボイラ給水圧力は、給水だけでなくその他
の運転条件にも応答するが、プラント負荷に比例して変
化する。タービン駆動給水ポンプ出口圧力は、給水制御
部9がプラントの負荷に対応して給水ポンプ用タービン
回転数指令100を変化させ、これに実タービン回転数
が追随することで、応答遅れ少なくプラント負荷に比例
して変化する。
【0047】従って、負荷変化率の小さい通常運転時に
は、ボイラ給水圧力とタービン駆動給水ポンプ出口圧力
は、プラント負荷変化に対して同様に動作し、減算器3
6による偏差信号107は、図5の−c〜+d領域内の
値となり、偏差大検出器33の出力104は零となる。
従って、アクチュエータ4への蒸気加減弁開度指令10
6は、比例積分演算器32の出力103がそのまま出力
される。
【0048】一方、給水ポンプ用蒸気タービンの駆動蒸
気を、発電用蒸気タービンの抽出蒸気と補助蒸気の間で
切り替える時は、蒸気圧力の変化により給水ポンプ用蒸
気タービン回転数が大きく変動し、これに比例してター
ビン駆動給水ポンプ1の出口圧力108が変動する。こ
の結果、減算器36の偏差信号107は−c〜+d領域
を超え、偏差大検出器33からの偏差大信号104を入
力として、高制御ゲインを持つ蒸気加減弁補正量発生器
34からの補正量105が出力される。この補正量を加
算した蒸気加減弁開度指令106により、蒸気加減弁開
度を急速に移動させることができる。なお、高圧蒸気に
よるバックアップ時など、他の要因による回転数変動時
にも適応できることは言う間でもない。
【0049】図6に示すように、第二の実施例による補
正は、給水ポンプ用蒸気タービンの回転数の変動による
給水ポンプ出口圧力の変動と、あまり変動しないボイラ
給水圧力による偏差を用いるために、第一の実施例に比
べて厳密には応答性が少々低下するが、実用上は同程度
の動作特性を実現できる。また、ボイラ給水圧力とター
ビン駆動給水ポンプ出口圧力の信号は、ボイラ制御装置
に使用されている信号であり、本実施例の構成は容易で
ある。
【0050】
【発明の効果】本発明の給水ポンプ用タービンの制御方
法によれば、制御偏差が所定範囲内となる通常運転時の
場合は、低ゲインの比例積分演算で操作端操作量を出力
し、制御偏差が所定範囲を超える場合は、高ゲインで比
例演算した補正量を加算した操作量を出力するので、駆
動蒸気圧力や負荷の急変動によるタービン回転数の変動
を速やかに且つ、バンプレスに抑制するとともに、通常
運転時の給水制御の安定性を維持する効果がある。
【0051】本発明の給水ポンプ用タービンの制御装置
によれば、通常運転時に最適化された低ゲインの比例積
分演算手段と並列に、制御偏差が所定範囲を超える場合
に、高ゲインで補正量を比例演算する補正手段を設けて
いるので、駆動蒸気圧力や負荷の急変動時にも切り替え
不要な実質1台の制御演算装置によって簡単に制御で
き、シンプルで信頼性の高いシステムを構成できる果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示す給水ポンプ用ター
ビン制御装置の構成図。
【図2】第一の実施例による制御偏差大検出器の特性
図。
【図3】第一の実施例による蒸気加減弁補正量発生器の
特性図。
【図4】本発明の第二の実施例を示す給水ポンプ用ター
ビン制御装置の構成図。
【図5】第二の実施例による制御偏差大検出器の特性
図。
【図6】本発明の適用前後におけるボイラ給水系の動作
を示す動特性図。
【符号の説明】
1…給水ポンプ、2…給水ポンプ用蒸気タービン、3…
給水ポンプ用タービン制御装置、4…アクチュエータ、
5…高圧蒸気加減弁、6…低圧蒸気加減弁、9…給水制
御装置、10…給水出口弁、11,12…蒸気元弁、1
4…ボイラ、20…回転数検出器、21…給水ポンプの
出口圧力検出器、22…ボイラ給水圧力検出器、31,
36…減算器、32…比例積分演算器、33…偏差大検
出器、34…蒸気加減弁補正量発生器、35…加算器、
40…機械式レバー機構、110…高圧蒸気ライン、1
11…抽出蒸気ライン、112…補助蒸気ライン、11
3…他のポンプ給水系。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G05B 13/02 G05B 13/02 B (72)発明者 河合 巧 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社日立製作所大みか工場内 (56)参考文献 特開 昭54−7002(JP,A) 特開 昭54−53704(JP,A) 特開 昭54−59501(JP,A) 特開 昭59−3107(JP,A) 特開 昭61−108810(JP,A) 特開 平5−1505(JP,A) 特開 平4−262003(JP,A) 特開 平7−324603(JP,A) 特開 平8−334005(JP,A) 特開 平5−288006(JP,A) 特開 昭59−29704(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01D 17/24 G05B 11/36 G05B 13/02

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給水制御装置からの給水ポンプ用タービ
    ン回転数指令と実タービン回転数の偏差による比例積分
    演算によって操作量を求めて、給水ポンプ用蒸気タービ
    ンの駆動蒸気系の調節弁を操作する操作端を制御し、火
    力発電プラントにおける給水ポンプ用タービンの回転数
    を制御する方法において、 所定の信号偏差が予め定めた偏差範囲を超える場合に、
    前記比例積分演算の制御ゲインより高いゲインで比例演
    算した補正量を加算して、前記操作量を補正することを
    特徴とする給水ポンプ用タービンの制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記信号偏差は、前記給水ポンプ用タービン回転数指令
    と前記実タービン回転数の偏差であることを特徴とする
    給水ポンプ用タービンの制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記信号偏差は、ボイラ給水圧力とタービン駆動給水ポ
    ンプ出口圧力の偏差であることを特徴とする給水ポンプ
    用タービンの制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2または3において、 前記偏差範囲は、通常運転時での信号偏差はその範囲内
    にあり、前記駆動蒸気系の切り替え時や負荷急減時での
    信号偏差はその範囲を超えるように設定されることを特
    徴とする給水ポンプ用タービンの制御方法。
  5. 【請求項5】 発電用蒸気タービンからの抽出蒸気(以
    下、抽出蒸気と称する)と補助蒸気の2系統を切り替え
    て使用する低圧蒸気を調整する蒸気加減弁を操作する操
    作端と、ボイラ給水制御装置からの給水ポンプ用タービ
    ン回転数指令と実タービン回転数との偏差から前記操作
    端の操作量を演算する比例積分演算手段を備えて、火力
    発電プラントにおける給水ポンプ用タービンの回転数を
    制御する装置において、 前記比例積分演算手段と並列に、所定の信号偏差が大な
    るときに前記操作端の補正量を演算する補正用演算手段
    を設けたことを特徴とする給水ポンプ用タービンの制御
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記補正用演算手段は、前記信号偏差が前記給水ポンプ
    用タービン回転数指令と前記実タービン回転数の偏差あ
    るいは他の偏差の場合に、予め定めた偏差範囲を超える
    値の偏差を出力する偏差大検出手段、前記比例積分演算
    手段より高い制御ゲインを有して前記偏差大検出手段の
    出力から前記補正量を比例演算する補正量演算手段及び
    前記操作量と前記補正量を加算して前記操作端に出力す
    る加算手段を備えることを特徴とする給水ポンプ用ター
    ビンの制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記補正用演算手段は、前記他の偏差の場合にボイラ給
    水圧力とタービン駆動給水ポンプ出口圧力の偏差を求め
    る減算手段を備えることを特徴とする給水ポンプ用ター
    ビンの制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または7において、 前記偏差範囲は、前記2系統の切り替え時やボイラ補機
    故障による負荷の急減時に、前記信号偏差がその範囲を
    超えるように設定されてなることを特徴とする給水ポン
    プ用タービンの制御装置。
  9. 【請求項9】 発電用蒸気タービンからの抽出蒸気と補
    助蒸気の2系統の蒸気を切り替えて使用する低圧蒸気
    と、ボイラ出口からの高圧蒸気の2種類の蒸気を駆動蒸
    気とし、前記低圧蒸気と高圧蒸気を各々調整する蒸気加
    減弁を先ず低圧蒸気加減弁から開し、低圧蒸気加減弁が
    全開に到達後高圧蒸気加減弁を開する操作端と、ボイラ
    給水制御装置からの給水ポンプ用タービン回転数指令と
    実タービン回転数の偏差から前記操作端の操作量を演算
    する比例積分演算手段を備えて、火力発電プラントにお
    ける給水ポンプ用タービンの回転数を制御する装置にお
    いて、 前記給水ポンプ用タービン回転数指令と前記実タービン
    回転数の信号偏差又はボイラ給水圧力とタービン駆動給
    水ポンプ出口圧力の信号偏差が予め定めた偏差範囲を超
    える場合にその値を出力する偏差大検出手段と、前記比
    例積分演算手段より高い制御ゲインを有して前記偏差大
    検出手段の出力から補正量を比例演算する補正量演算手
    段と、前記操作量と前記補正量を加算して前記操作端に
    出力する加算手段とを含む操作量補正手段を、前記比例
    積分演算手段と並列に設けることを特徴とする給水ポン
    プ用タービンの制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 通常の運転時における信号偏差は前記偏差範囲内にあ
    り、前記駆動蒸気として使用する蒸気の切り替え時や負
    荷の急減時における信号偏差は前記偏差範囲外となるよ
    うに、前記偏差大検出手段の偏差範囲を設定してなるこ
    とを特徴とする給水ポンプ用タービンの制御装置。
JP24143595A 1995-09-20 1995-09-20 給水ポンプ用タービンの制御方法および制御装置 Expired - Lifetime JP3469685B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24143595A JP3469685B2 (ja) 1995-09-20 1995-09-20 給水ポンプ用タービンの制御方法および制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24143595A JP3469685B2 (ja) 1995-09-20 1995-09-20 給水ポンプ用タービンの制御方法および制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0988507A JPH0988507A (ja) 1997-03-31
JP3469685B2 true JP3469685B2 (ja) 2003-11-25

Family

ID=17074270

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24143595A Expired - Lifetime JP3469685B2 (ja) 1995-09-20 1995-09-20 給水ポンプ用タービンの制御方法および制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3469685B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110894796A (zh) * 2019-11-06 2020-03-20 大唐郓城发电有限公司 带功率平衡发电机的抽汽背压式小汽轮机控制调节系统及方法
CN113605998B (zh) * 2021-07-23 2023-08-22 中国能源建设集团华中电力试验研究院有限公司 一种火电厂发电机组运行故障处理方法及系统
CN114017146B (zh) * 2021-10-29 2023-10-31 华能秦煤瑞金发电有限责任公司 一种双机回热小汽轮机无电泵启动带负荷方法
CN114233407B (zh) * 2021-12-02 2023-11-24 中国船舶重工集团公司第七0三研究所 一种给水电动阀与汽轮机转速联锁控制方法
CN117294214B (zh) * 2023-11-27 2024-02-02 河北众瑞电气科技有限公司 一种转子变频调速控制方法及装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0988507A (ja) 1997-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101206711B1 (ko) 드럼형 보일러의 드럼 수위 제어 장치 및 그 방법
KR890001172B1 (ko) 복합형 순환 발전 설비용 증기 터어빈의 동작 및 댐퍼 제어시스템
JP3469685B2 (ja) 給水ポンプ用タービンの制御方法および制御装置
JP4734184B2 (ja) 蒸気タービン制御装置および蒸気タービン制御方法
JP2000297608A (ja) 発電所の給水ポンプ制御装置
JP3026049B2 (ja) タービン制御装置
JP3183937B2 (ja) 給水制御装置
JP3324899B2 (ja) タービングランド蒸気圧力制御装置
JP2982035B2 (ja) タービン制御装置
JP2999884B2 (ja) 給水ポンプ駆動用タービン制御方法及びその装置
JPH0122521B2 (ja)
JP4624255B2 (ja) タービン制御装置
JPS6326802B2 (ja)
JPH03246306A (ja) 抽気タービン制御装置
JPS62162703A (ja) タ−ビン制御装置
JPH059604B2 (ja)
JPH0256481B2 (ja)
JPH0979508A (ja) 蒸気発生プラントの給水制御装置
JPS60200004A (ja) 給水ポンプの制御方式
JPH06273582A (ja) 原子炉給水流量制御装置
JPS6212361B2 (ja)
JPS6156401B2 (ja)
JPH06133589A (ja) ボイラ給水制御装置
JPH06272233A (ja) 水力発電所の自動負荷制御装置
JPH02159607A (ja) 水車発電機用電気調速装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090905

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090905

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100905

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100905

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120905

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130905

Year of fee payment: 10

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term