JP4180160B2 - ダストコンテナボックスの反転装置 - Google Patents

ダストコンテナボックスの反転装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダストコンテナボックスを塵芥投入口へ反転させることにより、ダストコンテナボックスに収容された塵芥を、塵芥投入口へ投入するダストコンテナボックスの反転装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
塵芥収集では、塵芥収集作業時の労力の軽減と作業能率の向上等を図るために、キャスター付きのダストコンテナボックスを道路端に設置し、回収時、塵芥が収容されているダストコンテナボックスを塵芥収集車の塵芥投入箱の塵芥投入口側まで作業員によって移動させ、これを投入口の上方に反転させて塵芥を塵芥投入箱内に投入するものがある。
【0003】
このような収集方式に対応する塵芥収集車には、上記ダストコンテナボックスを反転させて内部の塵芥を、塵芥収集車の塵芥投入口に投入するためのダストコンテナボックスの反転装置が装備されている。
【0004】
通常、同一収集地域内では、同一形式のダストコンテナボックスが用いられているので、塵芥収集車に装備されるダストコンテナボックスの反転装置は、ダストコンテナボックスの型式に応じた構造を有する。即ち、ダストコンテナボックスと係合して、これを塵芥投入口へ反転させる反転アームには、ダストコンテナボックスの支点軸に対応する高さに、ダストコンテナボックスの反転装置の支点軸と係合する係合部が設けられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようにダストコンテナボックスの反転装置は、ダストコンテナボックスの型式に対応するように設計されるので、ダストコンテナボックスの型式が異なると使用できない場合がある。例えば、ダストコンテナボックスの型式によっては、ダストコンテナボックスの支点軸の高さが異なることがあり、反転装置の係合部の高さが合致せず用いることができなかった。
【0006】
ダストコンテナボックスは、図11(a)に示すように、ダストコンテナボックスの側壁の上縁両側に支点軸32aが設けられた型式32と、図11(b)に示すように、ダストコンテナボックスの側壁角部の中間位置両側に支点軸34aが設けられた型式34とが提案されている。この2種のダストコンテナボックスが同一収集地域内で使用されている場合、一台の塵芥収集車では、1種のダストコンテナボックスの反転作業にしか対応できず、円滑な収集作業が困難な場合がある。
【0007】
そこで、本発明は、支点軸の高さや支点軸の設定される位置の異なるダストコンテナボックスに汎用できるダストコンテナボックスの反転装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のダストコンテナボックスの反転装置は、塵芥収集車の塵芥投入口の左右両縁部に、上下方向に回動自在に配設された反転アームと、前記左右の反転アームにそれぞれ設けられ、ダストコンテナボックスの支点軸と係合可能であり、前記反転アームの塵芥投入口に対する下側の回動位置において、上下方向に並べて配した上側の係合部および下側の係合部と、前記左右の反転アーム間に介在し、ダストコンテナボックスの一側面を支持する支持部とを有し、ダストコンテナボックスを反転アームの上側の係合部又は下側の係合部に係合させた状態で塵芥投入口側へ反転させることによって、ダストコンテナボックスに収容された塵芥を、塵芥投入口へ投入するものである。
【0009】
塵芥投入口の左右両側において投入口内側に突出し、反転アームに支持されて反転するダストコンテナボックスのボックス上縁を係止するストッパを設けることが好ましい。また、左右の反転アーム間に架設された塵芥零れ防止ガイドを有することが好ましい。さらに塵芥零れ防止ガイドは、左右の反転アームの回動基端側に架設された軸部材に、一端が回動自在に配設されプレート状の部材で、上側の回動位置において反転アームに係止させるロック機構を有するものであることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のダストコンテナボックスの反転装置を装備した塵芥収集車について、図面に基づいて説明する。なお、塵芥収集車の前後、左右、上下方向に基づいて、各装置又は各部材の位置関係を説明する。
【0011】
図4に示すように、この塵芥収集車は、車両に塵芥収容箱部(A)と、塵芥圧縮装置(B)と、ダストコンテナボックスの反転装置(C)とを具備する。
【0012】
塵芥収容箱部(A)は、略方形の後側が開口した箱状体で車両荷台部に配置される。塵芥圧縮装置(B)は、塵芥収容箱部(A)の後部と連通して配置され、後部が塵芥投入口10として開口し、内部に塵芥圧縮機構(図示省略)を有する。図5に示すように、塵芥は、塵芥投入口10より塵芥圧縮装置(B)に投入されて圧縮された後、塵芥収容箱部(A)に送られて収容される。塵芥投入口10の下辺には、塵芥の投入の際に、投入される塵芥が外に零れるのを防止するガイドプレート11が設けられている。また、塵芥投入口10の両側縁部には、投入口の内側に突出するストッパ片12が設けられる。ストッパ片12は、ダストコンテナボックスが所定の反転量以上に反転するのを防止するためのもので、ダストコンテナボックスの上縁が当接するように、所定位置で所定量突出して設けられる。
【0013】
図1乃至3に示すように、ダストコンテナボックスの反転装置(C)は、支柱フレーム21と、反転アーム22と、脱落防止アーム23と、コンテナ支持部24と、塵芥零れ防止ガイド25と、第一シリンダ26と、第二シリンダ27とを有する。
【0014】
支柱フレーム21は、塵芥圧縮装置(B)の塵芥投入口10の左右外側部において、一端が塵芥投入口10の中間部に突出するように取付けられる。
【0015】
図6は反転アームを内側から見た図面であり、図7は反転アームを外側から見た図面である。
【0016】
反転アーム22は、塵芥投入口10から突出した左右の支柱フレーム21の先端に、それぞれ上下方向に回動自在に枢着された部材である。左右の反転アーム22の対向する内側に、係合ブラケット22aが設けられる。係合ブラケット22aは、反転アーム22の下側回動位置においてダストコンテナボックスの支点軸に対応する上下2領域に、後側に開口した係合部22b,22cを有する。上下の係合部(22b,22c)は、それぞれダストコンテナボックスの支点軸が上下方向に揺動可能な係合幅を有する。上下の係合部(22b,22c)は、上端と下端にゴム製のクッション材(22d,22e)が取付けられる。
【0017】
図8は、反転アーム22の係合ブラケット部分を、反転アーム22の内側から見た図面である。図8に示すように、この実施形態では、上側の係合部22bの上端、及び、下側の係合部22cの上端と下端のクッション材は反転アーム22に取付けられており、上側の係合部22bの下端のクッション材は、脱落防止アーム23に取付けられている。
【0018】
脱落防止アーム23は、左右それぞれの係合ブラケット22aの先端部内側において上下方向に回動自在に枢着された部材である。脱落防止アーム23は、後周りに回動し、上側回動位置において係合ブラケット22aの係合部(22a,22b)の上縁に適合して閉鎖する。脱落防止アーム23の枢着軸23aは、左右に対向する反転アーム22の外側に貫通し、貫通端に回動操作片23bが一体的に取付けられる。
【0019】
コンテナ支持部24は、左右の反転アーム22の間における回動先端側の領域に架設された軸部材24aと、軸部材の中間部に回転自在に支持されるローラ部材24bとを有する。
【0020】
図5に示すように、塵芥零れ防止ガイド25は、左右の反転アーム22の回動基端側に架設された軸部材に、一端が回動自在に配設されたプレート状の部材で、上側および下側の回動位置において反転アームの係合ブラケット22aに係止させるロック機構(図示省略)を有する。
【0021】
第一シリンダ26は、支柱フレーム21と反転アーム22との間の左右それぞれに配設された油圧シリンダであり、反転アーム22を回動させるものである。
【0022】
第二シリンダ27は、左右の係合ブラケット22aの外側に枢支された油圧シリンダで、その先端が脱落防止アーム23の回動操作片23aに枢支され、反転アーム22に対する脱落防止アーム23を回動させるものである。
【0023】
以下、この塵芥収集車の塵芥収集作業について説明する。
【0024】
図9は、ダストコンテナボックス32についての使用状態を示す図面であり、図10は、ダストコンテナボックス34についての使用状態を示す図面である。
【0025】
この塵芥収集車は、ダストコンテナボックス内に収容された塵芥を収集する場合は、まず、図9,10に示すように、反転アーム22と脱落防止アーム23とを共に下側の回動位置に設定し、塵芥零れ防止ガイド25を上側の回動位置でロックする。
【0026】
次に、ダストコンテナボックスを反転装置に誘導し、ダストコンテナボックス(32,34)の支点軸(32a、34a)を反転アーム22の係合部内に収容する。このとき、ダストコンテナボックス(32,34)は、反転アーム22の上下2領域の係合部のうち、その支点軸(32a,34a)の高さに対応した、反転アーム22の係合部に枢支される。
【0027】
図9に示すように、この実施形態では、ダストコンテナボックス32は、上縁両側に支点軸32aが設けられているので、支点軸32aが反転アーム22の上側の係合部22bに収容され、図10に示すように、ダストコンテナボックス34は、側壁角部の中間位置両側に支点軸34aが設けられているので、支点軸34aが反転アーム22の下側の係合部22cに収容される。
【0028】
次に、第二シリンダ27により脱落防止アーム23を上側の回動位置に回動させて反転アーム22の係合部(22a、22b)を閉鎖し、ダストコンテナボックスの支点軸を係合部(22a、22b)から脱落しないようにする。
【0029】
次に、図1乃至図3に示すように、第一シリンダ26によって反転アーム22を上側回動位置に回動させて、ダストコンテナボックス(32,34)を反転させる。ダストコンテナボックス(32,34)は、反転アーム22と一体的に回動するコンテナ支持部24によって前側の側面が支持されるので、安定した状態で反転する。
【0030】
反転の際、ダストコンテナボックス(32,34)は、図2に示すように、まず支点軸(32a,34b)が係合部(22b,22c)の下端のクッション材22eに当接した状態で持ち上げられる。そして、図3に示すように、ダストコンテナボックス(32,34)は、支点軸(32a,34b)が(反転後下側に位置する)係合部(22b,22c)の上端のクッション材22eに当接する位置まで下に滑り、上端のクッション材22eに当接して止まる。このときダストコンテナボックス(32,34)に生じる慣性力によって、ダストコンテナボックス(32,34)内の塵芥が塵芥投入口10に排出される。
【0031】
塵芥零れ防止ガイド25は、ダストコンテナボックス反転時にダストコンテナボックス(32,34)の開口部の下側において、反転アーム22の角度に沿って傾斜した状態で位置している。これによって、ダストコンテナボックス(32,34)から、塵芥零れ防止ガイド25上に落ちた塵芥を塵芥投入口10に導くことができる。図2に示すように、この塵芥零れガイド25は、反転時において反転アーム22の下側から塵芥投入口10に延在しているので、ダストコンテナボックス32のように、反転時に開口部の位置が塵芥投入口10から遠くなる場合にも、塵芥が道路上等に零れることがない。
【0032】
図3に示すように、例えば、側壁の上縁両側に支点軸が設けられた型式のダストコンテナボックス32は、側壁角部の中間位置両側に支点軸が設けられた型式のダストコンテナボックス34に比べて、反転後のダストコンテナボックスの開口部の位置が、塵芥投入口10から遠くなるが、開口部の下側に塵芥零れ防止ガイド25が延在しているので、道路上に塵芥が零れることがない。
【0033】
また、塵芥投入口10に設けられたストッパ片12は、反転時にダストコンテナボックスが予定された反転位置よりも、反転することを防止するために設けられる。ストッパ片12は、塵芥投入口10の内側に突出して設けられ、ダストコンテナボックス(32,34)の反転量が大きい場合に、ダストコンテナボックス(32,34)の上縁が当接するものである。このため、ダストコンテナボックスの型式に関わらず、その反転量を規制することができる。
【0034】
また、この塵芥収集車は、作業員が塵芥投入口10に直接塵芥を投入する場合は、図5に示すように、反転アームを下側の回動位置に設定し、脱落防止アームを上側の回動位置に設定し、塵芥零れ防止ガイドを下側の回動位置でロックする。塵芥零れ防止ガイドが、下側の回動位置にロックされることにより、塵芥投入口が広く開口するので、作業員が塵芥を塵芥投入口に放り込み易くなる。
【0035】
以上、本発明に係るダストコンテナボックスの反転装置の一実施形態について説明したが、本発明に係るダストコンテナボックスの反転装置は、この実施形態に限定されない。
【0036】
例えば、反転アームは、支柱フレームを介さないで塵芥投入口の左右に直接枢着されるものとしても良い。また、反転アームの係合部は、ダストコンテナボックスの支点軸が脱落しない形態であれば、上述した脱落防止アームを省略することができる。
【0037】
【発明の効果】
上述のように、本発明のダストコンテナボックスの反転装置は、反転アームの上下2領域に、ダストコンテナボックスの支点軸が係合する係合部を有するので、塵芥収集作業において、支点軸の高さの異なるダストコンテナボックスの型式に対応できる。
【0038】
また、本発明のダストコンテナボックスの反転装置は、反転時に反転アームの係合部の下側から塵芥投入口まで延在する塵芥零れ防止ガイドを有するので、反転時に、ダストコンテナボックスの開口部が塵芥投入口から離れている場合にも、塵芥が道路上に零れることを防止できる。さらに塵芥零れ防止ガイドが、左右の反転アームの回動基端側に架設された軸部材に、一端が回動自在に配設されプレート状の部材で、上側の回動位置において反転アームに係止させるロック機構を有することにより、作業員が塵芥投入口に塵芥を直接投入する態様で使用する場合にも、塵芥零れ防止ガイドを下側の回動位置でロックさせることによって、塵芥投入口が広く開口するので、作業員が塵芥を塵芥投入口に放り込み易くなる。
【0039】
また、塵芥投入口の内縁部から塵芥投入口の内側に突出するストッパ片を有するので、ダストコンテナボックスの型式に関係なく、ストッパ片がダストコンテナボックスの開口部に当接することによって、ダストコンテナボックスの反転を所定の反転量で規制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るダストコンテナボックスの反転装置の側面図。
【図2】 本発明の一実施形態に係るダストコンテナボックスの反転装置の側面図。
【図3】 本発明の一実施形態に係るダストコンテナボックスの反転装置の側面図。
【図4】 本発明の一実施形態に係る塵芥収集車を示す図面。
【図5】 本発明の一実施形態に係るダストコンテナボックスの反転装置の塵芥零れ防止ガイド及びストッパ片を示す図面。
【図6】 本発明の一実施形態に係るダストコンテナボックスの反転装置の反転アームを示す図面。
【図7】 本発明の一実施形態に係るダストコンテナボックスの反転装置の反転アームを示す図面。
【図8】 本発明の一実施形態に係るダストコンテナボックスの反転装置の係合ブラケット部分を示す図面。
【図9】 本発明の一実施形態に係るダストコンテナボックスの反転装置のダストコンテナボックス32についての使用状態を示す図図。
【図10】 本発明の一実施形態に係るダストコンテナボックスの反転装置のダストコンテナボックス34についての使用状態を示す図面。
【図11】 (a)はダストコンテナボックス32の側面図である。(b)はダストコンテナボックス34の側面図である。
【符号の説明】
10 塵芥投入口
12 ストッパ片
21 支柱フレーム
22 反転アーム
22a 係合ブラケット
22b 上側係合部
22c 下側係合部
22d 上端クッション材
22e 下端クッション材
23 脱落防止アーム
24 コンテナ支持部
25 塵芥零れ防止ガイド
26 第一シリンダ
27 第二シリンダ
32 ダストコンテナボックス
32a ダストコンテナボックス32の支点軸
34 ダストコンテナボックス
34a ダストコンテナボックス34の支点軸

Claims (4)

  1. 塵芥収集車の塵芥投入口の左右両縁部に、上下方向に回動自在に配設された反転アームと、
    前記左右の反転アームにそれぞれ設けられ、ダストコンテナボックスの支点軸と係合可能であり、前記反転アームの塵芥投入口に対する下側の回動位置において、上下方向に並べて配した上側の係合部および下側の係合部と、
    前記左右の反転アーム間に介在し、ダストコンテナボックスの一側面を支持する支持部とを有し、
    ダストコンテナボックスを反転アームの上側の係合部又は下側の係合部に係合させた状態で塵芥投入口側へ反転させることによって、ダストコンテナボックスに収容された塵芥を、塵芥投入口へ投入するダストコンテナボックスの反転装置。
  2. 前記塵芥投入口の左右両側において投入口内側に突出し、前記反転アームに支持されて反転するダストコンテナボックスのボックス上縁を係止するストッパを有することを特徴とする請求項1記載のダストコンテナボックスの反転装置。
  3. 前記左右の反転アーム間に架設され、反転時に反転アームの係合部の下側から塵芥投入口まで延在する塵芥零れ防止ガイドを有することを特徴とする請求項1又は2記載のダストコンテナボックスの反転装置。
  4. 前記塵芥零れ防止ガイドが、左右の反転アームの回動基端側に架設された軸部材に、一端が回動自在に配設されプレート状の部材で、上側の回動位置において反転アームに係止させるロック機構を有することを特徴とする請求項3記載のダストコンテナボックスの反転装置。
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