JP4178506B2 - 反射下地感光性エレメント - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、白黒並びにカラー等に用いられる反射下地感光性エレメントに関し、詳しくは、(c)保護フィルムとしてアクリルポリマを主成分とし、保護フィルム張り合わせ時の微小突起欠陥を無くし、後工程での欠陥を皆無にして、製造歩留り、信頼性を向上することができる反射下地感光性エレメントに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶カラーテレビ、液晶カラー表示のコンピューターなどが実用化されているが、これらの液晶表示装置は、透明電極を設けたガラス等の透明な基板間に1〜10μm程度の間隔を設けて、その間に液晶物質を封入し、電極間に印加した電圧により液晶物質を配向しその濃淡により表示する仕組になっている。更に、カラー表示のため、ガラスなどの光学的に透明な基板の表面に2種以上の色相を異にする極めて微細なストライプ状又はモザイク状のパターンを一定間隔に開けて、平行又は交差して並べたカラーフィルタを設置している。カラーフィルタは、通常、透明基板、着色パターン、保護膜、透明電極の順に形成されている。着色パターンは2種以上の色相を異にする極めて微細なストライプ状又はモザイク状のパターンからなるものである。
近年、携帯パソコン、携帯電話及び小型ゲーム機などが急速に普及しているが、これら装置は内蔵電池での使用時間をできるだけ長く保持できることが望まれている。その対策の1つとして、内蔵電池の消費電力を低減する方法がいくつか提案されている。具体的にはディスプレイを視認する際の周囲の明るさに応じ、液晶画面の後面を照らすバックライトの点灯をさせず、自然光や蛍光灯などの外光を画面に反射させ、画面を認識する方式が取られている。これらを以下反射型液晶装置と称する。この反射型液晶装置の反射板の作製方法として(1)感光性液状レジストを使用したフォト法、(2)規定の大きさのビーズを液状レジストに分散、スピンコートで成膜した後、熱硬化などを行う方法が提案され、実用化されている。また、(3)プリント配線板の製造に頻繁に使用されている、ドライフィルムの形態に類似したフィルム状のレジストに凹凸形状をラミネートにより転写し、露光、熱硬化し、反射下地層を形成する方法がある。その後、これら方法で作製した反射下地層に金属膜をスパッタ等で形成、カラーフィルタ並びにオーバーコート等を成膜し、ITO電極形成、液晶封入等を行うことによって、携帯パソコン、携帯電話及び小型ゲーム機などの製品を製造する。しかしながら、前記反射板を作製する際、動画対応用に反射下地層にTFT、TFD等の信号用の接続穴をあける必要がある場合には、従来方法でラミネートしたままではフィルム状のレジストの微小欠陥が十分に消えず、接続穴に形成する信号線の接続性が低下する問題が生じ、さらなる生産性向上が困難である。この問題は、保護フィルム表面に存在する微小凹凸に起因しており、従来の保護フィルムは、ポリエチレンフィルム、2軸延伸PETフィルム、2軸延伸PPフィルム、離型処理PET等を用いていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−243226号公報
【特許文献2】
特開平11−42649号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記したラミネート時の微小欠陥を低減させ、反射下地感光性樹脂層のパターニング工程やその後工程での製造歩留りを向上させ、部品の信頼性を向上することができる反射下地感光性エレメントを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、[1](a)凹凸形成層支持体フィルム(b)反射下地感光性樹脂層及び(c)保護フィルムの順に積層された反射下地感光性エレメントにおいて、(c)保護フィルムがアクリルポリマを主成分とすることを特徴とする反射下地感光性エレメントである。
また、本発明は、[2](c)保護フィルムのアクリルポリマが、メタクリル酸メチルまたは、アクリル酸メチルを主成分とし、共重合比率が、65〜95重量%であることを特徴とする上記[1]に記載の反射下地感光性エレメントである。
また、本発明は、[3](c)保護フィルムがアクリルポリマを主成分とし、さらに、不飽和二重結合を有するアクリルモノマと、光重合開始材を含有することを特徴とする上記[1]または上記[2]に記載の反射下地感光性エレメントである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明における反射下地感光性エレメントの(a)凹凸形成層支持体フィルムは、紫外線を透過できるものであれば特に制限はないが、好ましくは厚さが2〜100μm程度のポリエステルフィルムが好適に用いられる。このようなポリエステルフィルムとしては、例えば、帝人株式会社製テトロンフィルム、デュポン社製マイラーフィルム等のポリエステルフィルムの他東レ株式会社、三菱化学株式会社、東洋紡績株式会社製のPETフィルムが挙げられる。フィルム膜厚はさらに好ましくは16〜80μmのフィルムを用いることが望ましい。16μm未満ではフィルムの剛性が弱く、ラミネート時にシワになりやすい。また、80μmを超えると反射下地感光性樹脂層を塗工する際に抜けすじ(塗工欠陥)等の外観不良になりやすい傾向がある。
(a)凹凸形成層支持体フィルムは、光硬化または熱硬化樹脂を塗布して、凹凸を形成した金型を押し当てて、凹凸面を形成する方法、透明支持体フィルムにサンドブラスト、レーザー加工等の処理を施し、表面に凹凸を形成する方法、及び透明支持体フィルムに規定の直径のビーズまたは滑剤を混練したものをフィルム化し、形成する方法が挙げられる。(a)凹凸形成層支持体フィルムの表面凹凸のRmax(最大表面粗さ)は、0.5〜5μmであることが望ましく、0.5μm未満、5μmを超えると、いずれも十分な反射特性が得られない。
【0007】
本発明における(b)反射下地感光性樹脂層の一例として、(A)カルボキシル基を有する分子量20,000〜300,000の有機高分子化合物に不飽和基を有するモノマの不飽和基を残すように付加重合させた反応性有機高分子化合物、(B)少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤及び(D)顔料又は染料を含有する組成物が用いられる。
(A)カルボキシル基を有する分子量20,000〜300,000の有機高分子化合物としては、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステル((メタ)アクリル酸はメタクリル酸又はアクリル酸を意味する。以下、同じ。)と(メタ)アクリル酸との共重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸とこれらと共重合し得るビニルモノマーとの共重合体等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルや(メタ)アクリル酸とこれらと共重合し得るビニルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸ジメチルエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、2,2, 2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート((メタ)アクリレートはメタクリレート又はアクリレートを意味する。以下同じ。)、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。更に(メタ)アクリル酸を共重合成分として含むテレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸等のポリエステル、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、メチルセルロース、エチルセルロース等も用いることができる。カルボキシル基を有する有機高分子化合物の分子量が20,000未満では反射下地感光性樹脂層の流動性及び粘着力が顕著に増大し、凹凸形成層支持体フィルムとの密着力が強くなりすぎるため凹凸形成層支持体フィルムと反射下地感光性樹脂層の界面で剥離しずらくなる傾向がある。分子量が300,000を超えると反射下地感光性樹脂層の流動性及び粘着力が顕著に低下し、ラミネート時にガラス基板等の基板へ張り付かなかったり、エレメントを基板サイズに切断する際、反射下地感光性樹脂層の微小な切断くずが出やすくなり、周辺装置の汚れの原因になるなどの問題が生ずる傾向がある。なお、この分子量はGPC法で測定し標準ポリスチレン検量線を用いて換算した重量平均分子量を意味する。この有機高分子化合物に不飽和基を有するモノマを付加重合させた反応性有機高分子化合物を得るにはカルボン酸と反応できる官能基を有し、かつ不飽和基を有するモノマであれば良く、官能基としてグリシジル基及び不飽和基を有するモノマとして、グリシジルメタクリレート、β-メチルグリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物、それらの誘導体等が例示される。
(A)成分の配合量は(A)成分と(B)成分の総量100重量部に対して、好ましくは50〜90重量部である。この配合量が50重量部未満では塗膜性が不十分となり、90重量部を超えると硬化物の膜特性が低下する傾向がある。
【0008】
(B)少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物(トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等)、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物(トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等)、多価カルボン酸(無水フタル酸等)と水酸基及びエチレン性不飽和基を有する化合物(β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)とのエステル化合物、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル((メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナートと2価アルコールと(メタ)アクリル酸ヒドロキシモノエステルとを反応させて得られるウレタンジアクリレート化合物、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等が挙げられる。これらの化合物は2種以上用いてもよい。(B)成分の配合量は(A)成分と(B)成分の総量100重量部に対して好ましくは10〜50重量部である。この配合量が10重量部未満では光感度が不十分で硬化物の膜特性が低下し、50重量部を超えると塗膜性が不十分となる傾向がある。
【0009】
(C)光重合開始剤としては、1,6-(ビス(9-アクリジニル)ヘキサン、1,7-(ビス(9-アクリジニル)ヘプタン、1,8-ビス((9-アクリジニル)オクタン、1,6-(ビス(9-アクリジニル)ノナン、1,10-(ビス(9-アクリジニル)デカン、1,11-(ビス(9-アクリジニル)ウンデカン、1,12-(ビス(9-アクリジニル)ドデカン、ベンゾフェノン、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾイン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ)−1−プロパノンを任意で組み合わせることができる。
(C)成分の配合量は(A)成分と(B)成分の総量100重量部に対して好ましくは0.1〜10重量部である。この配合量が0.1重量部未満では光感度が不十分となり、10重量部を超えると露光の際感光性樹脂層の表面での光吸収が増大し、内部の光硬化が不十分となる傾向があること及び反射下地感光性樹脂層内部で光開始剤が結晶化し、製品として使用できなくなる。さらに望ましくは5重量部以下であり、保存安定性の向上並びに製品のコスト低減になる。
【0010】
(D)成分の顔料又は染料としては、公知の着色剤が使用でき、感光性樹脂層の成分、特にカルボキシル基を有する分子量20,000〜300,000の有機高分子化合物又は少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物に対する相溶性、目標とする色相、光透過性等を考慮して選択される。
(D)成分の配合量は、(A)成分と(B)成分の総量100重量部に対して好ましくは0.05〜50重量部である。この配合量が0.05重量部未満では着色が不十分となり、50重量部を超えると光透過率が低下する傾向がある。その他、反射下地感光性樹脂層には、熱重合性成分安定剤、ヘキサメトキシメラミン等のメラミン樹脂などの熱硬化性樹脂等を含有させてもよい。
【0011】
本発明の反射下地感光性エレメントは、(a)凹凸形成層支持体フィルム上に、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセトン、トルエン、ジメチルジグリコール等の溶液で希釈した反射下地感光性樹脂層の溶液をロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ、スライドダイコータなどで塗布し乾燥後、後述の保護フィルムを積層し反射下地感光性エレメントを得る。
【0012】
(c)保護フィルムは、アクリルポリマを主成分とする。また、このアクリルポリマが、メタクリル酸メチルまたは、アクリル酸メチルを主成分とし、共重合比率が、65〜95重量%であると好ましい。さらに、このアクリルポリマ以外の成分として、(c)保護フィルム内で、不飽和二重結合を有するアクリルモノマは、0.1〜7重量%、光重合開始材を0.1〜5重量%含有することが好ましい。これら、不飽和二重結合アクリルモノマ及び光重合開始材は、前記(A)及び(B)記載の成分のものを用いることができる。これら保護フィルムの膜厚は、2〜50μmが望ましい。2μm未満では、フィルム成形時の表面平滑性が悪化し、50μmを超えると後工程で保護フィルムを巻き取る際にしわになり、作業性が低下する。
アクリルポリマを主成分とする保護フィルムは、ポリエステルフィルムまたは、ポリエステルに離型処理を施したフィルム等に一旦塗工してフィルム化しておき、(a)凹凸形成層支持体フィルムと(b)反射下地感光性樹脂層を積層したフィルムの(b)反射下地感光性樹脂層側に積層する。
【0013】
本発明の反射下地感光性エレメントを図面を用いて説明する。図1は、従来の製造方法の概略を示したもので、図1の(i)凹凸形成層支持体フィルム1上に(ii)反射下地感光性樹脂層2を形成し、さらに、(iii),(iv)保護フィルム3を積層する。そして、(v)保護フィルムを剥がして基板5に反射下地感光性樹脂層2の凹凸形成層支持体フィルム1とは反対側の面を積層する。この後、図示していないが、必要に応じて反射下地感光性樹脂層2にマスクを用いて露光、現像など行い接続穴を形成する工程をもうける。(vi) 凹凸形成層支持体フィルム1を剥離して反射下地感光性エレメントを形成する。この際、保護フィルムに用いるフィルムにフィッシュアイなどの表面微小凹凸があると反射下地感光性樹脂層2に、その表面凹凸が転写され、それを基板に積層しても、その凹凸が残り空隙を生じて接続穴を形成する際に信号線の接続性の低下を招いたり、この空隙に水分吸着を生じ、熱処理工程で急激膨張して界面剥離するなどの問題が生じる。これに対し、本発明は、図2に示すように、アクリルポリマを主成分とする保護フィルムを用いると表面凹凸が解消され反射下地感光性樹脂層表面が平滑になり空隙が生じなく、それに起因する信号線の接続性の低下がなく、また、耐熱性が向上する。
【0014】
本発明の反射下地感光性エレメントは、保護フィルムを剥がし基板に積層する。基板は、透明であれば特に制限はなく、その材質として、例えばガラス、プラスチック等が挙げられる。まず、透明基板上を必要に応じて加熱(100〜200℃、3〜30分間)した後、その基板上に反射下地感光性エレメントの保護フィルムを剥がしながら感光性樹脂層をラミネート(貼合わせ)し、反射下地感光性樹脂層の表面の凹凸形成層支持体フィルム(透明支持体フィルム及び凹凸転写層)を剥離した後、露光する。
ラミネート工程は、一般に加熱可能なホットロール又は加熱用のジャケット(ヒートシュー)とラミネートロールとにより、反射下地感光性樹脂層を加熱し軟化しながら行う。加熱ロールはゴム硬度50〜90の一般的なラミネータ専用のゴムを使用するのが好ましい。さらに好ましくはゴム硬度60〜80のゴムを使用すると良い。ゴム硬度が50未満では長期ランニング時にゴムが割れやすい。また、ゴム硬度が90を超えるとガラス板の微小気泡を消す効果が低減する。この際のロール温度は80〜160℃であれば良いが、さらに好ましくは100〜140℃で使用すると良く、80℃未満では後加熱の効果が極めて低下し、160℃を超えるとラミネータのゴムの耐久性が極めて低下し、長期ランニング困難となる。
露光工程は、一般に専用の露光機があり、接触又は非接触型のものを用いて行う。ランプとしては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものを用いることができる。その後、露光終了後のラミネート製品は、必要に応じて200〜280℃で10分〜60分間加熱し、(b)反射下地感光性樹脂層を硬化する。加熱には熱風乾燥機、遠赤外線加熱機等の一般的な加熱方式を取ることができる。
【0015】
【実施例】
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
実施例
ポリエステルフィルム(厚み;50μm)上に凹凸転写形成用の感光性樹脂層を塗布し、表面に凹凸が形成された金型を用いてその凹凸を感光性樹脂層に転写し、光硬化し凹凸形成層支持体フィルムを作製した。その後、表1の反射下地感光性樹脂組成物の溶液を凹凸転写面上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で約2分間乾燥して乾燥後の膜厚が2.0μmの反射下地感光性樹脂層を形成し、その後、表2記載の組成で16μmのポリエステルフィルム上に塗工乾燥後の膜厚が5μmになるように塗工しアクリルポリマを主成分とする保護フィルムを作製して、アクリルポリマを主成分とする面を反射下地感光性樹脂層側にして積層し、反射下地感光性エレメントを得た。得られた反射下地感光性エレメントの保護フィルムを剥がしながら、反射下地感光性樹脂層を常温(23℃)のガラス基板上にロール温度140℃、ロール圧0.58MPa、速度1.5m/分でラミネートした。次いで、露光機HMW−201B(3KW、超高圧水銀灯、オーク製作所製)で露光した後、凹凸形成層支持体フィルム(ポリエステルフィルム+凹凸転写形成用の感光性樹脂層)を除去し、260℃で30分熱硬化した。この際の露光量は、240mJ/cm2とした。その際の、直径5〜100μm微小気泡数と反射液晶表示装置に組み込んだ際のパネル欠陥数を測定し、その評価結果を表3に示した。比較例として、23μmのポリエチレンフィルム(比較例1)、30μmポリプロピレンフィルム(比較例2),25μm離型処理PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを保護フィルムとして同様にして用いた場合を比較例として示した。
【0016】
【表1】
Figure 0004178506
【0017】
【表2】
Figure 0004178506
表2記載のポリマ以外の成分として、
BPE-100=0.5重量部
N-1717/BP/EAB=0.08/0.15/0.03重量部
前記組成の材料は、塗液用にメチルエチルケトンで固形分30重量%になるように調整。
その後、16μmポリエステルフィルムに膜厚が5μmになるように塗工。(乾燥条件:80℃,2分とした。)
【0018】
【表3】
Figure 0004178506
NG…パネル製造時に問題のあるレベル
OK…パネル製造時に問題のないレベル
【0019】
比較例1〜3の場合、微小気泡数が生じ、パネルに組み込んだ場合でも微小気泡数に応じパネル欠陥を生じた。これに対し、アクリルポリマを主成分とする保護フィルムを用いた実施例1,2では、微小気泡がなく、パネル欠陥も生じない。
【0020】
【発明の効果】
(a)凹凸形成層支持体フィルム(b)反射下地感光性樹脂層及び(c)保護フィルムの順に積層された反射下地感光性エレメントにおいて、(c)の保護フィルムがアクリルポリマを主成分とする反射下地感光性エレメントを用いた場合、パネル欠陥がなく反射下地感光性樹脂層のパターニング工程やその後工程での製造歩留りを向上させ、部品の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (i)〜(iv)は、従来の反射下地感光性エレメントの製造方法を説明する概略図。
【図2】 (i)〜(iv)は、本発明の反射下地感光性エレメントの製造方法を説明する概略図。
【符号の説明】
1.凹凸形成層支持体フィルム
2.反射下地感光性樹脂層
3.保護フィルム
4.空隙
5.基板(ガラス板)

Claims (3)

  1. (a)凹凸形成層支持体フィルム、(b)反射下地感光性樹脂層及び(c)保護フィルムの順に積層された反射下地感光性エレメントにおいて、(c)保護フィルムがアクリルポリマを主成分とすることを特徴とする反射下地感光性エレメント。
  2. (c)保護フィルムのアクリルポリマが、メタクリル酸メチルまたは、アクリル酸メチルを主成分とし、共重合比率が、65〜95重量%であることを特徴とする請求項1に記載の反射下地感光性エレメント。
  3. (c)保護フィルムがアクリルポリマを主成分とし、さらに、不飽和二重結合を有するアクリルモノマと、光重合開始材を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の反射下地感光性エレメント。
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