JP4198365B2 - 光散乱層形成用転写フィルムとそれを用いた光散乱層の形成方法および光散乱膜並びに光散乱反射板 - Google Patents

光散乱層形成用転写フィルムとそれを用いた光散乱層の形成方法および光散乱膜並びに光散乱反射板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は反射型液晶表示装置などに用いられる光散乱シートまたは光散乱層を有する反射板を製造するための光散乱層形成用転写フィルム、およびそれを用いて光散乱層を形成する方法、その方法により製造された光散乱性を有する光散乱膜及び光散乱反射板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、フラットパネルディスプレイとして最も普及しているカラー液晶表示装置(以下LCD:Liquid Crystal Display)において、液晶パネルの背面にバックライトと呼ばれる光源の配置された透過型LCDが一般的であった。しかし、近年携帯情報端末(以下PDA:Personal Digital Assistant)用ディスプレイとして、また携帯電話用ディスプレイとして、反射型LCDが市場において急速な勢いで普及している。反射型LCDは、透過型LCDのバックライトの代わりに、やはり液晶パネルの背面に反射板を設置することで外光(周囲からの光)を前面に反射して、これを光源として表示を行うものである。このため、反射型LCDは透過型LCDに比べてバックライトがないので、薄くて軽量であり、また低消費電力であり、PDAや携帯電話などのモバイル用途に適している。
【0003】
従来、反射型LCDはその構成上二枚の偏光板を使用していたが、偏光板の光吸収による光量損失でパネルの明るさが乏しかったため、現在は偏光板一枚と位相差板で表示を行う方式が一般的である。この場合、液晶相を挟んだ前面基板(カラーフィルターが形成されている基板)上の観測者側には位相差板、偏光板、及び光散乱板が設けられている構成となっている。この光散乱板は光散乱機能を有するものであり、鏡面である反射板への映り込み防止のため、またパネルに入射した光に適度の散乱を生じさせて視認性(コントラスト)を確保するために必要な部材である。
【0004】
しかしながら、パネル前面に光散乱板が設置されるということは、入射光もその表面により散乱されてしまうため、必ずしも視認性を向上できるとは限らず、また入射光量が減少してしまうことから、パネルの明るさを損なう結果となっていた。また、カラーフィルターが前面基板に形成されていることから、入射光がカラーフィルターを通過後、液晶層を通過して反射板で反射されて再度液晶層、そしてカラーフィルターを通過してパネル外部に出て観測者に至る時、観測者の目の位置により色混ざり、いわゆる視差による画像ボケが発生してしまう問題があった。これらのことは、前面基板にカラーフィルター、その上に光散乱板を配置した反射型LCDでは避けられない問題であった。
【0005】
そのため、より高品質な反射型LCDを得るためには、カラーフィルターを後面基板上に設け、反射板、光散乱板をできるだけカラーフィルターに近い位置に設置する方法や、カラーフィルター自身に光散乱性能を付与させて光散乱板を不要にさせる方法、あるいは光散乱性を有する反射板を用いる方法などが考えられている。
【0006】
光散乱層の形成方法は種々検討されており、例えば感光性高分子樹脂層を基板上に付与し、フォトリソにより凹凸を形成させる方法、透明樹脂に微粒子顔料(有機顔料、無機顔料、あるいは金属フレーク等)を含有させたものを塗布して凹凸を形成する方法、そして二種類以上の透明樹脂を相分離状態で混合させて形成する方法等が知られている。
【0007】
しかし、感光性高分子樹脂を用いるフォトリソ法では、基板上に感光性高分子樹脂組成物を塗布・乾燥後、あらかじめ所定のパターンを有したマスクを介して露光、そして現像処理、リンス処理、ベイク処理を経てガラス基板上にパターンを形成するため、作業は非常に繁雑で、行程数が多いことから歩留まり低下の原因となっていた。品質的にも形成するパターンを考慮しないと、最終的な光散乱反射板としての性能において、その表面で作製されたパターンによる光干渉(虹模様)が発生し、画質が著しく低下してしまう場合がある。なお、フォトリソ法で使用される感光性高分子樹脂組成物が高価であったり、また露光装置、現像装置などの製造装置自身も非常に高価なものであるため、フォトリソ法による光散乱板の製造では製造コストが高くなってしまう問題があった。
【0008】
また、透明樹脂に微粒子顔料を含有させて基板上に付与する方法では使用する顔料の種類、形状、粒径を選択することで表面凹凸をコントロールすることが可能であり、またフォトリソを使用する方法に比べてランダムなパターン形成が可能なため、反射光の光干渉は発生せずに、高品質の光散乱層を形成するには有効な方法である。しかし、散乱層表面に顔料が存在するため、その上に金属薄膜を形成する場合、その表面に存在する樹脂部分と顔料部分において形成される金属薄膜の均一性が劣るため、目標の拡散反射率が得られないことがある。
【0009】
また、暗所における使用を考慮した半透過タイプ反射型LCDの場合、暗所ではバックライトを使用して表示を確認することになるため、パネルの光透過性が重要になる。光散乱層中に顔料が含有されていると、バックライトの光を遮ることになり、また、顔料自身による光吸収のため目標の光透過性を得ることが難しい。光透過性を目標値まで高めるために金属薄膜を薄く形成すると、逆に金属薄膜が薄いため拡散反射率が低下してしまうという問題があった。
さらに透明樹脂の相分離状態を使用して光散乱性能を付与する方法では、その表面に凹凸はほとんどないため、この上に金属薄膜を形成すると、その表面は鏡面状態になり光散乱反射効果はほとんど発生しなくなる。このため、本来目標である光散乱反射板は得られない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、反射型液晶表示装置などに用いられる光散乱反射板の製造方法において、上述のような従来の光散乱層形成方法における種々の問題点を解決し、良好な光散乱性能を有する光散乱層を、非常に簡便で、安価に製造することができる転写フィルムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、請求項1によれば支持体上に順次凹凸を付与した離型層、透明樹脂層を設けてなることを特徴とする光散乱層形成用転写フィルムによって達成される。
この光散乱層形成用転写フィルムにより、被着体上には所定の表面凹凸を有した透明樹脂層を付与することができ、しかもこの層は表面凹凸により光散乱性能を有する。
また、上記課題は、請求項2によれば前記離型層の表面形状が十点平均粗さで0.2〜2.0μmであり、ヘイズ度が30〜60%であることを特徴とする請求項1に記載の光散乱層形成用転写フィルムによって達成される。
このような表面特性をもった離型層を有する転写フィルムにより目標とする光散乱性能が得られる。
また、上記課題は、請求項3によれば前記離型層中に顔料を含有したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光散乱層形成用転写フィルムによって達成される。
このように離型層中に顔料を含有することにより離型層表面を目標とする表面形状で形成することが出来る。
また、上記課題は、請求項4によれば前記離型層中に含有される顔料の平均粒子径が0.1〜4.0μmであることを特徴とする請求項3に記載の光散乱層形成用転写フィルムによって達成される。
このような粒子径をもった顔料を離型層中に含有することにより目標とする表面形状の離型層を形成することが出来る。
また、上記課題は、請求項5によれば前記離型層において樹脂固形分と顔料固形分の比率が95/5〜50/50であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の光散乱層形成用転写フィルムによって達成される。
このように顔料を所定の割合で離型層中に含有することにより目標とする表面形状と適度な剥離性が得られる。
また、上記課題は、請求項6によれば請求項1に記載の光散乱層形成用転写フィルムの透明樹脂層を被着体に加熱、加圧条件下で貼り合わせた後、支持体および離型層を取り去り、被着体表面に離型層の表面形状を移し取った透明樹脂層を転写し、被着体表面に光散乱層を形成することを特徴とする光散乱層の形成方法によって達成される。
このようにして本発明の光散乱層形成用転写フィルムを用いて所定の表面形状を有する光散乱層を簡便で安価に高品質で形成することが出来る。
また、上記課題は、請求項7によればあらかじめ80〜150℃に加熱した被着体に前記透明樹脂層を付与することを特徴とする請求項6に記載の光散乱層の形成方法によって達成される。
被着体をあらかじめ加熱すると転写性が向上し、透明樹脂層と被着体との密着強度が強くなり、被着体から透明樹脂層が剥がれ難くなる。
また、上記課題は、請求項8によれば請求項6または請求項7に記載の光散乱層の形成方法によって形成された光散乱層の全光線透過率が90%以上、表面形状が十点平均粗さで1.0μm以下、そしてヘイズ度が20〜60%であることを特徴とする光散乱膜によって達成される。
このような特性をもった光散乱膜により目標とする光散乱効果が得られる。
また、上記課題は、請求項9によれば請求項6または請求項7に記載の光散乱層の形成方法によって形成された光散乱層上に金属薄膜を形成したことを特徴とする光散乱反射板によって達成される。
本発明による所定の表面形状を有する光散乱層上に金属薄膜を付与して得られた光散乱反射板は光散乱性能に優れ、従来方法で得られる反射板と比べても著しく目標とする光散乱反射性能を有する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明により提供する光散乱層形成用転写フィルムは、一例としては図1の構成よりなる。最も大きな特徴は所定の表面形状を既に形成してある離型層の上に透明樹脂を主成分とした層が形成されており、この透明樹脂層と被着体とを加熱、加圧条件下で貼り合わせた後、透明樹脂層と離型層の間から透明樹脂層以外の層を剥ぎ取ることにより、被着体上には透明樹脂層のみが転写付与できることであり、またこの時、透明樹脂層表面は、所定の凹凸が付与されている離型層(マット化離型層)の表面形状を移し取っていることが大きな特徴である。
【0013】
つまり、本発明の光散乱層形成用転写フィルムにより、被着体上には所定の表面凹凸を有した透明樹脂層を付与することができ、しかもこの層は顔料を含有しないが、表面凹凸により光散乱性能を有することが特徴である。
【0014】
以下、本発明の光散乱層形成用転写フィルムの実施形態について説明する。
図1において、1は保護フィルムであり、透明樹脂層を保護するために設けてある。透明樹脂層を被着体に転写する際に剥がしてしまうので、透明樹脂層から剥離することが可能な程度に疑似接着していることが必要である。使用可能な基材としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のフィルムをそのまま使用するか、場合によってはこれらのフィルム基材に離型処理を施して使用することができる。保護フィルムの厚さは特に制限はないが、10μm厚〜50μm厚が好ましい。
【0015】
2は透明樹脂層で、感光性を有する樹脂、あるいは非感光性の樹脂のいずれも使用することが可能で、場合によっては両者を混合して使用、積層して使用することもできる。また二種類以上の感光性樹脂を積層して使用したり、また非感光性樹脂を積層して使用することもできる。
つまり、被着体に転写付与後、所定の表面形状が透明樹脂層表面に付与されるが、その後工程で加熱処理(ベイキング処理)が施される。これにより、光散乱層の耐溶剤性、表面強度が付与できるのであるが、このとき加熱処理により表面の凹凸がメルトして表面形状が変化することがある。つまり光散乱特性が変化してしまうのである。そのため、感光性樹脂を使用して光照射により表面を硬化させて、加熱処理により表面形状が変化しないようにするか、あるいは非感光性樹脂でも加熱処理で表面形状が大きく変化しないものを使用するか、場合によっては、感光性樹脂と非感光性樹脂を混合して使用し、光照射により表面を硬化させるか、または感光性樹脂と非感光性樹脂を積層させる構成にして、表面に現れる方に感光性樹脂を使用して光照射により表面を硬化させ、被着体に接する方を被着体との接着性を重視した非感光性樹脂を使用することも有効である。
【0016】
透明樹脂層2の塗布量は離型層の表面形状を移し取れる厚みが必要であり、0.5〜20μm厚が好ましい。
透明樹脂層2として用いることができる感光性樹脂の具体例を以下に示す。水溶性の感光性樹脂としては、
(1)ゼラチン、フィッシュグルー、アラビアゴム、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂と重クロム酸アンモニウム、重クロム酸カリウム、クロム酸アンモニウムとの組成物。
(2)クエン酸第二鉄アンモニウム、蓚酸第二鉄アンモニウムの如き露光によって第一鉄イオンを与える感光性第二鉄とゼラチンの如き水溶性樹脂からなる組成物。
(3)ゼラチン、フィッシュグルー、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性樹脂と、p−アミノジフェニルアミン、ベンジン、ジアニシジン、トルイソジンなどのジアミノ化合物のテトラゾニウム塩、またはp−ジアゾジフェニルアミンとパラホルムアルデヒドを縮合したジアゾ樹脂とからなる組成物。
(4)p−ジアゾジフェニルアミンの如きジアゾ化合物とパラホルムアルデヒドを縮合したジアゾ樹脂とからなる組成物。
(5)4,4'−ジアジドスチルベンゼン、2,2'−ジスルホン酸ソーダの如きアジド化合物とポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン等の水溶性樹脂からなる組成物。
(6)4,4'−ジアジドスチルベンゼン、4,4'−ジアジドカルコンなどのアジド化合物の環化ゴムとからなる組成物。
(7)ナフトキノン−(1,2)−ジアジドスルホン酸エステル等のキノンジアジド化合物とアルカリ可溶性フェノールホルムアルデヒド樹脂との組成物。
(8)ポリビニルアルコールの桂皮酸エステルのような分子中に桂皮酸基が導入されたポリマーとニトロアセナフテン、1,2−ベンザンスラキノン、ミヒラーズケトン等の増感剤からなる組成物。
(9)ポリビニルアルコールにスチルビニリウム基、スチルバゾリウム基、スチルキノリウム基等の感光性基を付加した変性ポリビニルアルコール組成物。
などが使用できる。
【0017】
感光性樹脂で溶剤系のものについては、カルボン酸基と不飽和二重結合を有する単量体から得られる重合体樹脂、あるいは二種類以上の単量体を共重合させて得られる重合体樹脂に、光重合性モノマー、光重合性開始剤、溶剤を混合し、必要に応じて界面活性剤を添加して得た感光性樹脂が挙げられる。
【0018】
上記重合体樹脂の具体例としては、カルボン酸基と不飽和二重結合を有する単量体としてアクリル酸、メタアクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに酸無水物を付加させたもの、そして共重合体を形成する他の単量体としてメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらを一種類、または二種類以上を組み合わせて得た共重合体を挙げることができる。
【0019】
光重合性モノマーの具体例としては、二官能モノマー、三官能モノマー、多官能モノマーがある。二官能モノマーとしては、トリエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等がある。三官能モノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等がある。多官能モノマーとしては、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等がある。
【0020】
光重合性モノマーの添加量は特に限定されないが、重合体樹脂の固形分と光重合性モノマーの固形分の比率が90/10〜30/70であることが好ましい。ここで重合体樹脂量の添加量が多い場合、光重合性モノマー量が少ないために光重合が不完全になりやすく、かなり多量の紫外線を照射する必要が出てくるし、場合によっては光重合しなくなる。また光重合性モノマーの添加量が過剰に多い場合、透明樹脂層の凝集力が低下するため被着体への転写行程において、転写フィルムのエッヂ部から透明樹脂のはみ出しが発生したり、支持体を剥離除去する際に透明樹脂層が凝集破壊を起こすなどのトラブルが発生することがある。
【0021】
また光重合性開始剤としてはトリアジン系化合物として、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4'−メトキシ−1'−ナフチル)4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等、及びこれらの混合物が使用できる。
【0022】
さらに、アセトフェノン系化合物としては、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル(4−ドデシル)プルパン−1−オン、2−ベンジルー2−ジメチルアミノー1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンー1等がある。
【0023】
ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、4,4−ジエチルアミノベンゾフェノン、3,3−ジメチルー4−メトキシベンゾフェノン、o−ベンゾフェノン安息香酸メチル等がある。
チオキサンソン系化合物としては、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン等がある。
イミダゾール系化合物としては、2−(2,3−ジクロロフェニル)−4,5−ジフェニルーイミダゾール二量体、2−(2,3−ジクロロフェニル)−4,5−ビス(3−メトキシフェニル)―イミダゾール二量体があげられる。
【0024】
透明樹脂層2に、上記の感光性の樹脂を使用する場合、被着体に付与後、紫外線照射により光重合、あるいは光架橋を充分させる。なお場合によっては被着体に転写後、ベースフィルムを通して露光を実施してからベースフィルムを剥がす場合、あるいは転写後、ベースフィルムを通してプレ露光してからベースフィルムを剥がし、その後、充分に光照射させる場合もあり、透明樹脂層として選択した感光性樹脂の特徴により、最適な転写付与方法を選ぶことができる。
【0025】
また、非感光性の樹脂としては、一般に塗膜形成樹脂として用いられている樹脂が使用可能であり、塗膜形成後無色透明である樹脂が好ましい。例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。また、硬化型樹脂の場合、エポキシ系硬化剤、メラミン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤などを使用する熱硬化系が使用できる。
なお、感光性樹脂と非感光性樹脂を1層中に併用して使用する場合は、相溶性の良いものを選択すれば、その種類に限定されるものではない。
【0026】
3はマット化された離型層であり、表面に凹凸が付与されている。また、このような表面形状をコントロールするために離型層3中には顔料が含有されることが好ましい。離型層3として使用される樹脂は支持体または支持体上に設けられたクッション層との密着性が良好であり、かつ透明樹脂層との180ー剥離時の剥離力が0.8〜10.0g/25mmの範囲(好ましくは1.0〜5.0g/25mm)となる樹脂、が使用でき、例えばウレタン樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、あるいはこれらとの共重合物、混合物等が挙げられる。その他ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、そしてカルボキシメチルセルロース等の一般的な水溶性高分子樹脂も使用できる。
【0027】
また離型層3の表面粗さを十点平均粗さで0.2〜2.0μmになるように、またヘイズ度が30〜60%となるように形成することが好ましい。離型層3の表面形状は、そのまま透明樹脂層2を被着体に転写付与した際の表面形状、つまり光散乱層の表面形状を決めることになる。この表面形状が光散乱層上に金属薄膜を形成して光散乱反射板とした時の光散乱性能を左右する。十点平均粗さが0.2μm未満であると、全反射光量に対する正反射光成分が多くなるため充分な光散乱反射性能が得られなくなる。また十点平均粗さが2.0μmを超えると、表面の凹凸が大きいために、金属薄膜の形成が均一にできなかったり、また金属薄膜上に形成されるカラーフィルター層、オーバーコート層の表面性が劣るため、透明電極が断線する問題がある。
また、十点平均粗さが0.2〜2.0μmであっても、その表面凹凸の密度が光散乱性能を左右する。そこで表面凹凸の突起密度の指標としてヘイズ度の管理が必要である。良好な光散乱性能を得るためには、ヘイズ度は30〜60%であることが望ましい。ヘイズ度が30%を下回る状態では表面の突起密度が疎なため、金属薄膜を形成しても正反射光成分が多くなり充分な光散乱反射性能は得られない。ヘイズ度が60%を超える状況では、その表面は当然突起密度が密な状態になるため表面平滑性が劣り、金属薄膜の形成が不均一になったり、カラーフィルター層が不均一になり色ムラが発生する原因となる。
本発明では特に離型層の十点平均粗さが0.5〜1.5μm、ヘイズ度が40〜60%の範囲であることがより好ましい。
なお、十点平均粗さの測定方法に関してはJIS B 0601、ヘイズ度の測定方法に関してはJIS K 7105に記載されている。
【0028】
さて、離型層3を十点平均粗さ0.2〜2.0μmで作製するには、顔料としては平均粒子径が0.1〜4.0μmの範囲のものであれば、無機系、有機系のいずれのものも使用することができる。また、これらの顔料を二種以上混合して使用することもできる。平均粒子径が0.1μm未満の顔料を使用する場合、離型層表面を所定の表面形状で形成するためには樹脂成分を極端に減配する必要があり、この場合表面強度が弱くなるため顔料の欠落が発生しやすくなる。また、平均粒子径が4.0μmを超えるものであると、顔料が大きいため、十点平均粗さ0.2〜2.0μmで離型層を作製することが困難となる。樹脂成分の増配によりある程度のコントロールはできるが、離型層表面の顔料密度が低下してしまうため、光散乱層の突起密度が疎になることになり光散乱性能は著しく低下する。本発明では上記平均粒子径が0.5〜3.5μmの範囲であることが特に好ましい。
【0029】
顔料の具体例としては、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、酸化セリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウムや、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、シリコン系樹脂などの顔料が使用できる。このなかでも、特に有機系のものは粒度分布の非常に狭いものが得られやすく、均一な面性を得るために好ましい。
【0030】
また、離型層3中の顔料添加量は、離型層の樹脂固形分と顔料固形分の比率が95/5〜50/50であることが望ましいが、前述のごとく使用される樹脂の種類や顔料の種類、そして粒径などにより最適添加量を決める必要がある。顔料の添加量が多くなると、離型性を有する樹脂を使用していても、透明樹脂層と接触する表面積が増えるために剥離が重くなり、前述の剥離力範囲0.8〜10.0g/25mmを越える場合がある。なおこの場合、離型層上に剥離力調整層として離型層で使用している樹脂、あるいは離型層で使用している樹脂と良好な剥離性を有する樹脂を表面形状が損なわれない程度に薄膜で設けることで、剥離力を前述の範囲内にコントロールすることも可能である。また、顔料の添加量が多くなると前述のヘイズ度が60%を超えてしまう場合が考えられる。なお、本発明では上記比率が90/10〜60/40であることが特に望ましい。
離型層3の厚さは特に限定されるものではないが、0.5〜5.0g/m2の乾燥重量が好ましい。
【0031】
また、4はクッション層で、透明樹脂層を被着体に加熱、加圧下で転写する際、被着体の表面に多少の凹凸があってもエアーの混入がなく確実に転写するために設けることが好ましい。また、そのためにはクッション層の厚さはその材料特性にもよるが、5〜50μmが好ましい。5μm未満であると、場合によっては転写不良(エアー混入)の発生することがあるし、また50μmを超えると、クッション層が厚いために転写フィルムの熱伝導性が劣り、転写の際に転写ロールからの熱でクッション層を充分軟化できないため、やはり転写不良の原因となる場合があるし、転写条件によっては軟化できても、転写フィルムのエッヂ部からクッション層材料がはみ出して、転写ロールや被着体表面を汚してしまうことがある。
【0032】
クッション層4の材料としては、熱可塑性の樹脂が使用でき、例えばエチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、スチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、エチレン酢酸ビニル共重合体、低密度ポリエチレン、エチレンエチルアクリレート共重合体、スチレンとイソプレン、あるいはブタジエンの共重合体、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂等があげられる。これらの樹脂を単独で、あるいは適当な配合で混合したり、適当な組み合わせで積層させて使用することができる。また必要であれば、可塑剤を添加しても良い。
【0033】
5の支持体は従来公知のプラスチックフィルムが利用できる。例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、トリアセテート等があげられる。特に機械強度に強く、熱安定性に優れたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましい。支持体の厚さは特に制限はないが、150μm〜35μmが好ましい。これは転写フィルムの製品形態、つまりロール状製品に仕上げる時、支持体が150μmを超える厚さのフィルムの場合では転写フィルムの剛度が高くなるため、ロール仕上げや既定幅へのスリット作業でカバーフィルムにウキが発生したり、製品重量が重くなり既定長にロールが仕上げられない等の、作業上のトラブルが発生することがある。また、転写フィルムの熱伝導性が劣るため、被着体への転写の際に転写温度を高くするか、転写速度を落とさないと良好な転写が得られないことになり、作業性、経済性の点で好ましくない。
【0034】
また35μm未満の厚さではフィルムにシワが入りやすく作業性に劣ったり、あるいはバック層、クッション層付与時のカールの問題が顕著になり好ましくない。
なお、剥離帯電によるゴミの混入防止のために、プラスチックフィルムの面積固有抵抗値は10 10Ωが好ましい。このため、帯電防止処理フィルムを使
用するか、又は/及び6の帯電防止層を付与したフィルムを支持体として使用することが好ましい。
【0035】
次に、上述の構成による図1の光散乱層形成用転写フィルムの製造方法について説明する。まず帯電防止処理された、又は/及び裏面に帯電防止層を付与した支持体上にクッション層を塗設する。クッション層は樹脂塗布液をロールコート、バーコート、コンマコート、ダイコート、グラビアコートなど公知の塗布方式を用いて塗布、乾燥して塗設したり、樹脂を溶融させて支持体と共に共押し出しすることによって塗設することができる。支持体との接着性が悪い場合は、支持体上に接着補助処理(アンカー処理)を施すか、易接着処理された支持体を使用しても良い。なお、本発明におけるクッション層を設けた支持体には、支持体自身がクッション性を有するものも包含されるが、この場合、クッション層を新たに塗設する必要はない。
【0036】
次に離型層をクッション層上に塗設する。離型層は顔料を含有する離型性樹脂の塗布液をロールコート、バーコート、コンマコート、ダイコート、グラビアコートなど公知の塗布方式を用いて塗布、乾燥して塗設する。塗布液の調製について、粉体である顔料は樹脂中にダイレクトに添加しても均一な分散状態を得ることが困難であるため、まず顔料を適当な溶媒中で分散機で分散するか、あるいはガラスビーズを添加して分散機で分散する。また必要に応じて分散剤を添加したりすることで顔料分散液を調製してから樹脂中に添加することで塗布液を調製する。
次に離型層上に透明樹脂層を塗設する。透明樹脂層もクッション層や離型層の塗設方法と同様にロールコート、バーコート、コンマコート、ダイコート、グラビアコートなど公知の塗布方式を用いて塗布、乾燥して塗設することができる。
【0037】
最後に透明樹脂層を保護するために保護フィルムを貼合する。貼合は適当な条件の温度、圧力下で貼合することで、容易に実施することができる。
【0038】
以上説明した図1の転写フィルムを用いて被着体上に所定の表面形状を有する透明樹脂層を付与する工程での転写条件について図2を参照しながら説明する。
まず保護フィルム1を剥離し(図2(a)参照)、現れた透明樹脂層2と被着体7表面とを貼合させる(同(b)参照)。貼合は公知のラミネーターを使用し、ラミネーターのロール温度80〜150℃、圧力3〜10Kg/cm2、速度300〜1500mm/minの条件で実施するのが実用上好ましい。
【0039】
貼合時のロール温度に関して、80℃未満の貼合温度では透明樹脂層2と被着体7との接着性に劣り貼合不良の発生することがある。また150℃を超える貼合温度では転写フィルムの熱変形によるシワの発生や転写フィルムのエッヂから溶融したクッション層樹脂がはみ出して被着体上に残渣として残ったり、ラミネーターロールを汚してしまうなどの問題が発生するので好ましくない。貼合時の圧力に関しては、3Kg/cm2未満の圧力では貼合力が弱くなり、貼合不良となる可能性が高くなり、また10Kg/cm2を超える圧力では貼合力は強くなるものの、ラミネーターロールを痛めたり、転写フィルムの物理的変形によるシワの発生や被着体の破損などの問題が起きやすくなる。なお、貼合速度は貼合温度や貼合圧力との兼ね合いがあるものの、300mm/min未満の速度では生産性の面で実用的ではないし、また1500mm/minを超える速度では転写フィルムの走行不良が発生しやすくなったり、被着体、及び転写フィルムの熱伝導性の点で貼合面の温度が充分高くならないため、貼合不良の発生することがある。また、被着体7をあらかじめ80〜150℃に加熱すると転写性は向上し、透明樹脂層2と被着体7との密着強度が強くなるので、被着体7から透明樹脂層2が剥がれにくくなり好ましい。80℃未満の加熱では転写速度にもよるが、充分な効果が得られにくく、また150℃を超える加熱では転写フィルムが被着体7に接触した瞬間の熱変形によりシワが発生したり、透明樹脂層2が発泡してエアーが発生する場合がある。本発明では特に90〜130℃の範囲に被着体を加熱するのが好ましい。
【0040】
ラミネーターによる貼合が終了した後、離型層3と透明樹脂層2間から透明樹脂層2以外の物(支持体5、クッション層4、離型層3等)を剥離し(同(c)参照)、被着体7上には透明樹脂層2のみを残す(同(d)参照)。この透明樹脂層表面は離型層3表面の凹凸を映し取っており、所定の表面形状を有している。
【0041】
次に透明樹脂層2が感光性を有する場合、必要であれば所定のパターンを有するマスクを介して紫外線照射するか、あるいは不要であればマスクを介さずに全面に対して紫外線照射する。その後、現像工程、リンス工程を経てパターニングされた、あるいは全面光硬化した透明樹脂層を得る。反射板製造のために透明樹脂層の上に金属膜を蒸着法で作製する場合、蒸着中に透明樹脂層に熱がかかるため、透明樹脂層中の揮発成分により金属膜が均一に付与できなかったり、透明樹脂層表面の熱変形により金属膜が均一に付与できないことがある。このため、透明樹脂層を前処理として130〜250℃の熱で加熱処理しておくと良い。透明樹脂層が非感光性の場合、前記の露光、現像工程は不要であるが、硬化を進めるために、場合によっては130℃以下の温度で熱処理を施してから前記前処理をおこなっても良い。
【0042】
以上のようにして、図1の転写フィルムを用いて被着体7上に所定の表面形状を有する透明樹脂層2を形成することができる。なお、得られた透明樹脂層2はマット化離型層3の表面形状を移し取っており、その表面の凹凸形状のために光散乱性を有する。
また、このようにして形成された透明樹脂層(光散乱層)の全光線透過率が90%以上で、十点平均粗さが1.0μm以下、ヘイズ度が20〜60%であることが好ましい。光透過性が低いと半透過タイプ反射型LCDに使用することが困難になる。また、ヘイズ度が20%を下回る状態では表面の突起密度が疎であるため、金属薄膜を形成しても正反射光成分が多くなり充分な光散乱性能は得られない。ヘイズ度が60%を超える状態では、その表面は突起密度が密な状態になるため表面平滑性が劣り、金属薄膜の形成が不均一になったり、また金属薄膜上に形成されるカラーフィルター層に色ムラが発生したり、オーバーコート層の表面性が劣る問題が発生する。
なお、本発明では、光散乱層の十点平均粗さが0.5〜1.0μm、ヘイズ度が30〜60%の範囲であることが特に望ましい。
【0043】
またこのようにして形成した光散乱層に対して、表面の凹凸を覆うように金属薄膜8を形成すると光散乱反射板を作製することができる(同(e)参照)。金属薄膜はアルミニウム、クロム、ニッケル、パラジウム、銀などが単体で、あるいは複合物のかたちで形成することができ、金属薄膜形成方法としては蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法などの公知の方法が採用できる。また、金属薄膜の厚みは200〜1000Å、好ましくは300〜500Åの範囲で、目標透過率と目標光散乱性を得ることができる厚みに設定することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1の発明によれば、所定の表面形状を有する光散乱層を非常に簡便で、安価に、かつ高品質で製造することができるという効果を奏する。
また、請求項2の発明によれば、離型層の表面形状が十点平均粗さで0.2〜2.0μmであり、ヘイズ度が30〜60%である表面特性をもった離型層を有する転写フィルムにより目標とする光散乱性能を得ることができる。
また、請求項3の発明によれば、離型層中に顔料を含有することにより離型層表面を目標とする表面形状で形成することが出来る。
また、請求項4の発明によれば、平均粒子径が0.1〜4.0μmである顔料を離型層中に含有することにより目標とする表面形状の離型層を形成することが出来る。
また、請求項5の発明によれば、顔料を所定の割合で離型層中に含有することにより目標とする表面形状と適度な剥離性が得られる。
また、請求項6の発明によれば、本発明の光散乱層形成用転写フィルムを用いて所定の表面形状を有する光散乱層を簡便で安価に高品質で形成することが出来る。
また、請求項7の発明によれば、被着体をあらかじめ加熱すると転写性が向上し、透明樹脂層と被着体との密着強度が強くなるので、被着体と透明樹脂層との剥離を防止できる。
また、請求項8によれば、形成された光散乱層の全光線透過率が90%以上であり、表面形状が十点平均粗さで1.0μm以下、そしてヘイズ度が20〜60%であるような特性をもった光散乱膜により目標とする光散乱効果が得られる。
また、請求項9の発明によれば、本発明による光散乱層の形成方法によって形成された光散乱層上に金属薄膜を形成したことで得られた光散乱反射板は光散乱性能に優れ、従来方法で得られる反射板と比べても著しく目標とする光散乱反射性能を有する。
【0045】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明の特徴とするところをより具体的に説明する。
実施例1
(転写フィルムの製造)
支持体として、75μmPETフィルム(裏面に帯電防止層を付与:面積固有抵抗値108Ω)を用い、クッション層は、低密度ポリエチレン(ミラソンM11P:三井・デュポンポリケミカル株式会社製)20μmをTダイによる溶融膜で支持体上に付与した。なおこの時、クーリングロールはミラーロールを使用して表面平滑性を高めた。
【0046】
離型層は透明樹脂層と離型性を有する樹脂として、テスファイン322(メラミン系樹脂:日立化成ポリマー株式会社製)を選択し、これへの添加顔料としてエポスターS12(平均粒径1.2μm、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物:株式会社日本触媒製)を用い、これをトルエン/酢酸エチルの混合溶媒中でビーズ分散して得た顔料分散液の状態で樹脂に添加して充分混合することで塗液を得た。なお、顔料の平均粒径はレーザー回折式粒度分布測定装置で測定し、体積50%の粒径値で示した。
この塗液をバーコートにてクッション層上に塗布、乾燥して離型層を形成した。この時、樹脂固形分と顔料固形分の比率が85/15になるように調製し、これをクッション層上に乾燥塗布厚3μmになるように塗設した。
得られたマット化離型層の表面形状として、十点平均粗さは1.02μm(三次元表面粗さ測定器 SE−30K 小坂研究所製使用。以下同じ)であり、ヘイズ度は51.6%(直読ヘイズメーター 東洋精機製作所製使用。以下同じ)であった。
【0047】
透明樹脂層は主成分のベンジルメタアクリレート/メチルメタアクリレート/メタアクリレート共重合体(分子量15000、酸価98.0mgKOH/g)とモノマー成分として多官能アクリレート(M−400:東亞合成株式会社製)を固形分比で50/50になるようにし、これに開始剤である2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(IRGACURE369:チバガイギー株式会社製)を対固形10%で添加した。これを溶剤であるポリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート中で溶解し、20%塗布液とし、バーコート法にて離型層上に乾燥後の塗布厚が2μmになるように塗設した。
【0048】
保護フィルムは両面未処理のポリプロピレンフィルム20μmを透明樹脂層と60℃で貼合し擬似接着させた。
(被着体への転写付与)
カバーフィルムを剥がした後、現れた透明樹脂層と被着体であるガラス基板を合わせてラミネーター(大成ラミネーター製)で貼合し、その後ベースフィルムと離型層を同時に剥離除去することで、ガラス基板上に既定の表面凹凸を有した透明樹脂層を付与した。なおラミネーターでの転写条件を下に示す。この時、ガラス基板は転写直前に100℃になるように予め加熱した。
転写条件
転写温度:120℃、転写圧力:6Kgf/cm2、転写速度:1m/分
ガラス基板に転写後、ベースフィルム背面よりプレ露光として全体にUV照射20mj/cm2(365nmでの積算光量)を実施し、透明樹脂層を半硬化状態にした後、離型層よりベースフィルムを剥離し、さらに透明樹脂層全体にUV照射500mj/cm2により完全に光硬化させ、その後240℃、40分の加熱処理をして目的の光散乱層を得た。
この光散乱層は、十点平均粗さが0.83μm、ヘイズ度40.5%、全光線透過率91.4%であった。
【0049】
(金属薄膜の形成)
このようにしてガラス基板上に形成した光散乱層上に、アルミニウムの薄膜を形成して、光散乱反射板を作製した。アルミニウム薄膜は真空蒸着法により厚さ300Åで形成した。蒸着機は高真空蒸着装置(JEE−4X 日本電子製)を使用し、ターゲット金属はアルミニウム99.99%を使用した。
こうして作製した光散乱反射板の拡散反射率を分光光度計(U−3310形分光光度計:日立製作所製)で測定したところ73%(550nm)であり、きわめて優れた光散乱反射特性を示した。また、このとき透過率は6.1%であった。
【0050】
実施例2
(転写フィルムの製造)
支持体として75μmPETフィルム(裏面に帯電防止層を付与:面積固有抵抗値10Ω)を用い、クッション層はアクリル系共重合樹脂(Mn127000,Tg35℃:三菱レイヨン株式会社製)を乾燥後の塗布厚が15μmになるように塗設した。
離型層は透明樹脂層と離型性を有する材料のなかから、ポリビニルアルコール(B−17:電気化学工業株式会社製)を用い、溶媒として水/メタノールで溶解させたものに、顔料としてX52−854(平均粒径0.8μm、シリコンパウダー:信越化学工業株 式会社製)をあらかじめ水/メタノールの混合溶媒中でビーズ分散して得た顔料分散液の状態で添加して充分混合することで塗液とした。
この塗液をバーコートにてクッション層上に塗布、乾燥して離型層を形成した。この時、離型層塗液は樹脂固形分と顔料固形分の比率が60/40になるように調整し、これをクッション層上に乾燥塗布厚3μmになるように塗設した。
得られたマット化離型層の表面形状は十点平均粗さは0.68μmであり、ヘイズ度は50.8%であった。
【0051】
透明樹脂層は主成分のベンジルメタアクリレート/メチルメタアクリレート/メタアクリレート共重合体(分子量16000,酸価95.8mgKOH・g)にモノマー成分として4官能アクリレート(EB140:ダイセル・ユーシービー株式会社製)を固形分比で40/60になるようにし、これに開始剤である2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィンオキサイド(Lucirin TPO:BASF製)を対固形10%添加した。これを溶剤であるポリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート中で溶解し、20%塗布液としてバーコート法にて離型層上に乾燥後の塗布厚が2μmになるように塗設した。
保護フィルムは両面未処理のポリプロピレンフィルム20μmを透明樹脂層と30℃で貼合し疑似接着させた。
【0052】
(被着体への付与)
実施例1と同じプロセス、各条件でガラス基板へ転写し、やはり実施例1と同じ条件でベイク処理を実施することにより光散乱層を得た。
この光散乱層は十点平均粗さが0.54μm、ヘイズ度46.1%、全光線透過率は92.9%であった。
【0053】
(金属薄膜の形成)
このようにしてガラス基板上に形成した光散乱層上に、実施例1と同じ方法でアルミニウム薄膜を付与した。
得られた光散乱反射板の拡散反射率は73.6%、透過率は6.2%であった。このように表面平滑性に優れ、また光反射特性に優れる光散乱反射板が得られた。
【0054】
実施例3
(転写フィルムの製造)
支持体として75μmPETフィルム(裏面に帯電防止層を付与:面積固有抵抗値10Ω)を用い、クッション層は実施例2と同じ樹脂を同じ方法で支持体上に塗設した。
離型層に使用した樹脂も実施例2と同じであるが、顔料はトスパール130(平均粒径 3μm、シリコンパウダー:東芝シリコーン株式会社製)をあらかじめ水/メタノールの混合溶媒中でビーズ分散して得た顔料分散液の状態で添加して充分混合することで塗液とした。
この塗液をバーコートにてクッション層上に塗布、乾燥して離型層を形成した。この時、離型層塗液は樹脂固形分と顔料固形分の比率が90/10になるように調整し、これをクッション層上に乾燥塗布厚5μmになるように塗設した。
【0055】
得られたマット化離型層の表面形状は十点平均粗さは1.13μmであり、ヘイズ度は57.5%であった。
透明樹脂層は主成分の樹脂は実施例2と同じものを用い、モノマー成分として多官能アクリレート(M−400:東亜合成株式会社製)と3官能アクリレート(M−310: 東亜合成株式会社製)を固形分比で40/10/50になるようにし、これに開始剤である2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィンオキサイド(Lucirin TPO :BASF製)を対固形10%添加した。これを溶剤であるポリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート中で溶解し、20%塗布液としてバーコート法にて離型層上に乾燥後の塗布厚が3μmになるように塗設した。
保護フィルムは両面未処理のポリプロピレンフィルム20μmを透明樹脂層と30℃で貼合し疑似接着させた。
【0056】
(被着体への付与)
基板の予熱温度を120℃にした以外は実施例1と同じプロセス、各条件でガラス基板へ転写し、やはり実施例1と同じ条件でベイク処理を実施することにより光散乱層を得た。
この光散乱層は十点平均粗さが0.94μm、ヘイズ度52.3%、全光線透過率は91.2%であった。
(金属薄膜の形成)
このようにしてガラス基板上に形成した光散乱層上に、実施例1と同じ条件でアルミニウム薄膜を付与した。
得られた光散乱反射板の拡散反射率は78.3%、透過率は4.3%であった。
【0057】
実施例4
(転写フィルムの製造)
支持体として75μmPETフィルム(裏面に帯電防止層を付与:面積固有抵抗値10Ω)を用い、クッション層は実施例2及び実施例3と同じ樹脂を同じ方法で支持体上に塗設した。
離型層に使用した樹脂も実施例2及び実施例3と同じであるが、顔料は実施例1と同じエポスターS12(平均粒径1.2μm、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物:株式会社日本触媒製)をあらかじめ水/メタノールの混合溶媒中でビーズ分散して得た顔料分散液の状態で添加して充分混合することで塗液とした。
この塗液をバーコートにてクッション層上に塗布、乾燥して離型層を形成した。この時、離型層塗液は樹脂固形分と顔料固形分の比率が90/10になるように調整し、これをクッション層上に乾燥塗布厚3μmになるように塗設した。
得られたマット化離型層の表面形状は十点平均粗さは0.89μmであり、ヘイズ度は43.2%であった。
【0058】
透明樹脂層は実施例2と同じ樹脂、モノマー、開始剤を用い、配合量も同じものを使用した。この塗液をバーコートにて離型層上に乾燥後の塗布厚が2μmになるように塗設した。
保護フィルムは両面未処理のポリプロピレンフィルム20μmを透明樹脂層と30℃で貼合し疑似接着させた。
【0059】
(被着体への付与)
実施例1と同じプロセス、各条件でガラス基板へ転写し、やはり実施例1と同じ方法でベイク処理を実施することにより光散乱層を得た。
この光散乱層は十点平均粗さが0.78μm、ヘイズ度38.6%、全光線透過率は93.1%であった。
(金属薄膜の形成)
このようにしてガラス基板上に形成した光散乱層上に、実施例1と同じ条件でアルミニウム薄膜を付与した。
得られた光散乱反射板の拡散反射率は50.1%、透過率は5.1%であった。実施例4で得られた光散乱反射板は拡散反射率は低いものの正反射率が高く、いわゆる指向性の強い光散乱反射板であった。
【0060】
【比較例】
比較例1
(転写フィルムの製造)
支持体は実施例1と同じものを使用した。離型層は顔料を添加しないテスファイン322単独をクッション層上に乾燥塗布厚3μmになるように塗設した。
透明樹脂層は、使用する材料、配合割合は実施例1と同様であるが、これに樹脂固形分と顔料固形分の比率が85/15になるように顔料として実施例1と同じエポスターS12をトルエン/酢酸エチルの混合溶媒中でビーズ分散して得た顔料分散液の状態で添加して充分混合することで塗液とした。これを離型層上に乾燥塗布厚が3μmになるように塗布した。
保護フィルムとして実施例1と同じポリプロピレンフィルムを60℃で貼合し、疑似接着させた。
【0061】
(被着体への転写付与)
実施例1と同方法、同条件で被着体であるガラス基板に転写した。転写後背面からのプレ露光を実施せずに離型層よりベースフィルムを剥離し、その後透明樹脂層全体にUV照射500mj/cm2を実施した。その後240℃、40分の加熱処理を実施し、目的の光散乱層を得た。
この光散乱層は、十点平均粗さが0.98μm、ヘイズ度46.2%、全光線透過率87.8%であった。
(金属薄膜の形成)
このようにしてガラス基板上に形成した光散乱層上に、実施例1と同様にアルミニウムの薄膜を形成して、光散乱反射板を作製した。
作製した光散乱反射板の拡散反射率は65%(550nm)、透過率は5.8%であった。比較例1の場合、光散乱層中には顔料が存在するため、実施例1と比較して光散乱層はヘイズ度の割に全光線透過率が低くなる。そのため、アルミニウム薄膜形成後の透過率を所定値まで上げるには、アルミニウム蒸着量を少なくする必要があり、従って拡散反射率も下がってしまうのである。
【0062】
比較例2
(転写フィルムの製造)
実施例1の離型層処方において、樹脂固形分と顔料固形分の比率が98/2になるように調製した以外は全て同じ材料を使用して、同じ方法で転写フィルムを製造した。
得られたマット化離型層の表面形状として、十点平均粗さは0.48μm、ヘイズ度は19.8%であった。
(被着体への転写付与)
実施例1と同じ条件、方法で被着体であるガラス基板に転写した。
得られた光散乱層は、十点平均粗さは0.33μm、ヘイズ度は18.2%、全光線透過率92.9%であった。
(金属薄膜の形成)
実施例1と同じ条件、方法でアルミニウムの薄膜を形成した。
作製した光散乱反射板の拡散反射率は20.6%(550nm)、透過率は5.3%であり、実施例1に比べてマット化離型層中の顔料添加量が少なく、目標のヘイズ度まで至らなかったことにより、アルミニウム薄膜形成後の性能として正反射光が強くなったため、拡散反射率がかなり低い値になってしまった。
【0063】
比較例3
(転写フィルムの製造)
実施例1の離型層処方において、樹脂固形分と顔料固形分の比率が45/55になるように調製した以外は全て同じ材料を使用して、同じ方法で転写フィルムを製造した。
得られたマット化離型層の表面形状として、十点平均粗さは1.51μmであり、ヘイズ度は83.8%であった。
(被着体への転写付与)
実施例1と同じ条件、方法で被着体であるガラス基板に転写した。この時、離型層中の顔料割合が多く、離型層とクッション層の界面に存在する顔料が多くなるため、密着力が低下する傾向があった。また離型層表面の突起密度が密であるため透明樹脂層と離型層との接触面積が大きくなることで剥離力が重くなっている。さらに透明樹脂層表面が離型層凹凸の影響により塗布厚が不均一であるため、ガラス基板との密着性が不均一になっていることから、転写性が非常に不安定であり、転写不良が発生しやすく一部転写できない部分が発生した。またベイク処理後に光散乱層の一部はガラス基板から剥離してしまった。
得られた光散乱層は、十点平均粗さが1.27μm、ヘイズ度は79.3%、全光線透過率は92.5%であった。
【0064】
(金属薄膜の形成)
実施例1と同じ条件、方法でアルミニウムの薄膜を形成した。
作製した光散乱反射板の拡散反射率は87.5%(550nm)、透過率は4.7%であった。マット化離型層のヘイズ度が高くなったため、ガラス基板に転写後の光散乱層のヘイズ度も高くなり、アルミニウム蒸着後の拡散反射率が高くなったものである。ただし、表面性が悪化して十点平均粗さが1.0μmを超えているため、金属薄膜上に形成される機能層(例えばカラーフィルター層、オーバーコート層、透明電極)を付与する過程でトラブルが発生する。
【0065】
比較例4
(転写フィルムの製造)
支持体は実施例1と同じものを使用した。離型層は実施例1で使用した透明樹脂テスファイン322に添加顔料KMP−600(平均粒径5.0μm、シリコンパウダー:信越化学工業株式会社)をトルエン/酢酸エチルの混合溶媒中でビーズ分散して得た顔料分散液の状態で添加して、充分混合することで塗液を得た。
これを実施例1と同様にクッション層上に塗布、乾燥して離型層を形成した。なお、この時の樹脂固形分と顔料固形分の比率が同様になるように85/15で調整した。また、塗布厚はウエット状態では実施例1と同様に塗布したが、顔料粒子径が大きいため乾燥後の塗布厚は8μmであった。
得られたマット化離型層の表面形状は十点平均粗さが3.60μmであり、ヘイズ度は89.8%であった。
透明樹脂層は実施例1と同処方を同方法にて塗設した。乾燥後の塗布厚が3μmになるように塗設したが、表面粗さが大きいため塗布厚は不均一であった。
保護フィルムとして実施例1と同じポリプロピレンフィルムを80℃で貼合したが、離型層の表面凹凸の影響で透明樹脂層は均一性に劣り、表面粗さが大きいため接着性は弱かった。
【0066】
(被着体への転写付与)
実施例1と同方法、同条件で被着体であるガラス基板に転写した。転写後背面から20mj/cm2 のプレ露光を実施して離型層よりベースフィルムを剥離し、その後透明樹脂層全体にUV照射500mj/cm2 を実施した。その後240℃、40分の加熱処理を実施し、目的の光散乱層を得た。
この光散乱層は、十点平均粗さが2.78μm、ヘイズ度82.3%、全光線透過率91.8%であった。
(金属薄膜の形成)
このようにしてガラス基板上に形成した光散乱層上に、実施例1と同様にアルミニウムの薄膜を形成して、光散乱反射板を作製した。作製した光散乱反射板の拡散反射率は85.5%(550nm)、透過率は4.3%であった。光散乱層表面の粗さが大きいため金属薄膜形成後の光散乱性は良好であったものの、金属薄膜形成後でも表面粗さが大きいため、その上に形成される機能層(例えばカラーフィルター層、オーバーコート層、透明電極)を付与する過程でトラブルが発生する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光散乱層形成用転写フィルムの一実施例を示す概略縦断面図である。
【図2】本発明の光散乱層の形成方法を工程順に示す概略縦断面図である。
【符号の説明】
1 保護フィルム
2 透明樹脂層
3 マット化離型層
4 クッション層
5 支持体
6 帯電防止層
7 被着体
8 金属薄膜

Claims (6)

  1. 支持体上に順次凹凸を付与した離型層、透明樹脂層を設けてなる光散乱層形成用転写フィルムであって、前記離型層中に平均粒子径が0.1〜4.0μmの顔料を含有し、前記離型層の表面形状が十点平均粗さで0.51.5μmであり、ヘイズ度が40〜60%であることを特徴とする光散乱層形成用転写フィルム。
  2. 前記離型層において、樹脂固形分と顔料固形分の比率が95/5〜50/50であることを特徴とする請求項1に記載の光散乱層形成用転写フィルム。
  3. 請求項1に記載の光散乱層形成用転写フィルムの透明樹脂層を被着体に加熱、加圧条件下で貼り合わせた後、支持体および離型層を取り去り、被着体表面に離型層の表面形状を移し取った透明樹脂層を転写し、被着体表面に光散乱層を形成することを特徴とする光散乱層の形成方法。
  4. あらかじめ80〜150℃に加熱した被着体に前記透明樹脂層を付与することを特徴とする請求項3に記載の光散乱層の形成方法。
  5. 請求項3または請求項4に記載の光散乱層の形成方法によって形成された光散乱層の全光線透過率が90%以上、表面形状が十点平均粗さで1.0μm以下、そしてヘイズ度が20〜60%であることを特徴とする光散乱膜。
  6. 請求項3または請求項4に記載の光散乱層の形成方法によって形成された光散乱層上に金属薄膜を形成したことを特徴とする光散乱反射板。
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