JP4177654B2 - 軌道近傍舗装工法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軌道の近傍に舗装部材を設置することにより道路の路面を構成する軌道近傍舗装工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄道線路と道路が平面交差する踏切道に幅広のコンクリート板を隙間なく並べて設置する連接軌道、あるいは鉄道列車と自動車が併走するように構成された併用軌道等が知られている(例えば、特許文献1参照)。これらの連接軌道や併用軌道の工事は、いずれも既に設置されている軌道を改良又は強化するための工事が大部分であった。
【0003】
そのような改良工事の場合には、既設の軌道のレールが、位置決めのための基準定規部材となり、あるいは、コンクリート板等を吊り下げて所定位置に設置する際の支持部材となっており、工事用の設備として有効に活用されてきた。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−27103号公報(第1−4頁、図1−4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、既設の道路敷に路面電車の軌道を新たに建設するような場合には、上記した工事設備としての既設軌道のレールが存在しないため、コンクリート板の敷設工事の位置決め用基準定規部材として、既設レール以外の他の手段を講じる必要がある、という問題があった。
【0006】
また、上記したような既設の道路敷に路面電車の軌道を新たに建設する場合には、諸外国では、新設区間の道路を全面的に閉鎖したり、片側のみの通行に交通規制し、工事専用のスペースを確保して工事を行うことが一般的である。しかし、我が国においては、道路交通量が多いことから、上記のような工事は困難であり、道路交通量が少ない夜間の数時間の間にコンクリート板等の設置を行い、早朝には道路交通に供用するという方法をとらざるを得ない、という問題もあった。
【0007】
また、上記したような既設の道路敷に路面電車の軌道を新たに建設する場合に、レールを溶接して接合しロングレール化することは、今後は不可欠と考えられるが、その方法については、確立されていない、という問題もあった。
【0008】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、連接軌道等の新設工事における位置決め等を容易に行い得る軌道近傍舗装工法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る軌道近傍舗装工法は、
軌道の近傍に舗装部材を設置することにより道路の路面を構成する軌道近傍舗装工法であって、
前記舗装部材は、コンクリート製の板状部材であり、レールを収容する溝状のレール収容凹部が設けられ、
鋼材からなり略コ字状断面を有する樋状に形成され、両側の側壁板部が切除された第1空間部を2個以上有する樋状部材が、水平板部が最下部となる状態で前記レール収容凹部に収容されるとともに、前記樋状部材の一端であるホゾ突出端が前記舗装部材の一端から第1ホゾ距離だけ突出しかつ前記樋状部材の他端であるホゾ引込端が前記舗装部材の他端から前記第1ホゾ距離だけ引込む状態で設置され、
前記第1空間部に対応する前記樋状部材の水平板部を押さえ付けるように前記レール収容凹部に挿入可能な屈曲部と、前記屈曲部に接続するとともに前記舗装部材に形成された雌ネジ孔に対応する位置にボルト挿通孔を有する本体部を有する運搬用取付部材が取付ボルトにより前記舗装部材に取り付けられて、前記舗装部材が吊り下げられ、既に設置された舗装部材のホゾ引込端に新たな舗装部材のホゾ突出端を嵌合させるようにして前記舗装部材を順次設置し、
次いで、前記樋状部材の水平板部が最上部となるように逆転して設置し、前記水平板部の上面を道路交通に供用させつつ、工事期間中は前記樋状部材を取り外してレールを設置すること
を特徴とする。
【0010】
上記の軌道近傍舗装工法において、好ましくは、前記舗装部材は、連接軌道板である。
【0011】
また、上記の軌道近傍舗装工法において、好ましくは、前記レールは、樹脂により前記レール収容凹部に固定される。
【0012】
また、上記の軌道近傍舗装工法において、好ましくは、前記舗装部材は、レール溶接を行うためのレール溶接用空間を形成する切欠部を少なくとも一端に有する。
【0013】
また、上記の軌道近傍舗装工法において、好ましくは、前記工事期間中に前記レール溶接用空間を仮設閉塞部材により閉塞する。
【0014】
また、上記の軌道近傍舗装工法において、好ましくは、前記工事終了後に前記レール溶接用空間を本設閉塞部材により閉塞する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態である軌道近傍舗装工法に用いる舗装板の構成を示す斜視図である。
【0017】
図1に示すように、舗装板1は、コンクリート製の板状部材1aであり、レールを収容する溝状のレール収容凹部1b、1cが設けられるとともに、埋込栓2a〜2dが設けられている。ここに、舗装板1は、特許請求の範囲における舗装部材に相当している。
【0018】
板状部材1aを構成するコンクリートは、鉄筋コンクリート(RC)、プレストレストコンクリート(PC)等が採用可能である。板状部材1aは、長さがL0となっている。また、レール収容凹部1b、1cの断面は、幅がB1で深さがH1の四角形状となっており、長さはL0となっている。また、舗装板1におけるレール収容凹部1bと1cの内側距離は、d1となっている。
【0019】
次に、上記した舗装板1を運搬し、あるいは設置時に吊り下げる方法について説明する。図2は、本発明の第1実施形態である軌道近傍舗装工法に用いる樋状部材の構成を示す図であり、図2(A)は斜視図を、図2(B)は側面図を、それぞれ示している。
【0020】
図2に示すように、この樋状部材3は、鋼材からなり、略コ字状断面を有する樋状に形成された部材である。樋状部材3は、細長い長方形状の板状部材である水平板部3aと、水平板部3aの短手方向の一端部に接続して直立し水平板部3aの長手方向に延びる側壁板部3bと、水平板部3aの短手方向の他の端部に接続して直立し水平板部3aの長手方向に延びる他の側壁板部3cを有して構成されている。すなわち、図2に示す状態では、樋状部材3の水平板部3aが最下部となっている。
【0021】
また、樋状部材3は、幅がB2、高さがH2、長さがL5となっている。この幅B2は、上記したレール収容凹部1b、1cの溝の幅B1よりもやや小さい値に設定されている。また、高さH2は、上記したレール収容凹部1b、1cの溝の深さH1と等しい値に設定されている。また、長さL5は、上記したレール収容凹部1b、1cの溝の長さL0と等しい値に設定されている。
【0022】
また、樋状部材3には、図3において符号S1、S2で示す2箇所で、両側の側壁板部3b、3cが切除され水平板部3aのみとなった部分が設けられており、この箇所の空間S1、S2は、第1空間部となっている。樋状部材3の長手方向の第1空間部S1、S2の長さは、L3となっている。
【0023】
また、樋状部材3の長手方向の一端部(図2(B)における左端。以下、「ホゾ突出端」という。)E1から第1空間部S1の端部(図2(B)における左端)までの長さは、(L1+L2)となっている。また、樋状部材3の長手方向の他の端部(図2(B)における右端。以下、「ホゾ引込端」という。)E2から第1空間部S2の端部(図2(B)における右端)までの長さは、L2となっている。すなわち、ホゾ突出端E1から第1空間部S1の端部(図2(B)における左端)までの長さは、ホゾ引込端E2から第1空間部S2の端部(図2(B)における右端)までの長さよりも、L1だけ長くなるように設定されている。以下、L1を「第1ホゾ距離」という。
【0024】
次に、上記した樋状部材3を2個用意し、舗装板1のレール収容凹部1b、1cにそれぞれ収容する。この状態について、図3を参照しつつ説明を行う。図3は、本発明の第1実施形態である軌道近傍舗装工法におけるホゾ突出端とホゾ引込端の構成と作用を示す図であり、図3(A)は舗装板1のレール収容凹部1b、1cにそれぞれ樋状部材3を収容した状態での平面図を示している。また、図3(B)は、樋状部材3のホゾ突出端E1付近の拡大した部分的な平面図である。また、図3(C)は、樋状部材3のホゾ引込端E2付近の拡大した部分的な平面図である。
【0025】
樋状部材3は、図2に示す状態(水平板部3aが最下部となっている状態)で、レール収容凹部1b、1c内に収容される。したがって、水平板部3aの下面が、レール収容凹部1b、1cの溝底面に接触した状態で載置される。
【0026】
また、2個の樋状部材3がそれぞれレール収容凹部1b、1cの内部に収容された状態においては、図3(B)に示すように、舗装板1の一方の端部P1(図3(A)における左端)から、ホゾ突出端E1が第1ホゾ距離L1だけ外方(図3(A)における左方)へ突出している。また、この状態では、図3(C)に示すように、舗装板1の他方の端部P2(図3(A)における右端)から、ホゾ引込E2が第1ホゾ距離L1だけ内方(図3(A)における右方)へ引込んだ状態となっている。
【0027】
また、この状態では、図3(A)に示すように、樋状部材3の第1空間部S1の中心を通る線の上に埋込栓2aと2bの中心が位置するようになっている。また、この状態では、図3(A)に示すように、樋状部材3の第1空間部S2の中心を通る線の上に埋込栓2cと2dの中心が位置するようになっている。
【0028】
次に、図3に示す状態で、上記した舗装板1の埋込栓2a、2bに運搬用取付部材を取り付ける。この運搬用取付部材について、図4を参照しつつ説明を行う。図4(A)は、運搬用取付部材5の構成を示す斜視図である。
【0029】
図4(A)に示すように、この運搬用取付部材5は、帯状の鋼板を曲げ加工等することにより作製され、水平板状の本体部5aと、本体部5aの両端部に接続する屈曲部5b及び5cを有して構成されている。屈曲部5bは、本体部5aの一端部から垂直に垂下する垂下部5b1と、垂下部5b1の下端に水平に接続して外方へ延びる押え板部5b2を有している。また、屈曲部5cは、本体部5aの他端部から垂直に垂下する垂下部5c1と、垂下部5c1の下端に水平に接続して外方へ延びる押え板部5c2を有している。
【0030】
また、本体部5aには、ボルト挿通孔5d及び5eが設けられている。このボルト挿通孔5d及び5eの位置は、舗装板1の埋込栓抜2a及び2b、あるいは舗装板1の埋込栓抜2c及び2dに対応した位置となっている。
【0031】
また、運搬用取付部材5は、本体部5a、垂下部5b1及び5c1、押え板部5b2及び5c2とも幅がL6となっている。また、本体部5aの内側の長さはL7となっている。運搬用取付部材5の幅L6は、上記した第1空間部S1又はS2の長さL3よりもやや小さい値に設定されている。また、運搬用取付部材5の本体部5aの内側の長さL7は、上記した舗装板1のレール収容凹部1bと1cの内側距離d1よりわずかに大きな値に設定されている。
【0032】
上記のような構成により、運搬用取付部材5の屈曲部5b、5cは、図3(A)の状態におけるレール収容凹部1bの第1空間部S1、レール収容凹部1bの第1空間部S2、レール収容凹部1cの第1空間部S1、レール収容凹部1cの第1空間部S2に、挿入し嵌合させることができる。この状態では、図4(B)に示すように、運搬用取付部材5の屈曲部5bを構成する押え板部5b2(又は5c2)の下面は、樋状部材3の第1空間部S1(又はS2)の上面を押さえ付けるように接触した状態で載置される。
【0033】
また、図4(B)に示す状態では、舗装板1の埋込栓2a(又は2b、又は2c、若しくは2d)に形成された雌ネジ孔の中心位置と、運搬用取付部材5の本体部5aのボルト挿通孔5d(又は5e)の中心位置が一致するように対応する。
【0034】
この図4(B)の状態で、図4(B)に示す構成の取付ボルト6の雄ネジ部6aを埋込栓2a(又は2b、又は2c、若しくは2d)に形成された雌ネジ孔と螺合させ、締め込むことにより、取付ボルト6の締付部6cが、運搬用取付部材5の本体部5aを上方から締め付ける。同様にして、図4(C)に示すように、他の取付ボルト7の雄ネジ部7aを舗装板1の埋込栓(図示せず)に形成された雌ネジ孔と螺合させ、締め込むことにより、取付ボルト7の締付部(図示せず)が、運搬用取付部材5の本体部5aを上方から締め付ける。
【0035】
上記した図4(C)の状態で、取付ボルト6の環状部6bにワイヤー8を固定するとともに、取付ボルト7の環状部7bにワイヤー9を固定し、ワイヤー8と9を連結具11で連結し、ワイヤー10に取り付けることにより、舗装板1を吊り下げて運搬、又は所望位置に設置することができる。図4(C)の状態では、運搬用取付部材5の押え板部5b2及び5c2により、樋状部材3の水平板部3aは、強固に押さえ付けられ、ズレ移動等が生じないようになっている。
【0036】
上記したように、樋状部材3は、舗装板1に対しては、図3(A)に示すように、ホゾ突出端E1が第1ホゾ距離L1だけ外方へ突出し、ホゾ引込端E2が第1ホゾ距離L1だけ内方へ引込んでいる。したがって、ホゾ引込端E2の箇所にホゾ突出端E1をあてがうことにより、既に設置された舗装板1のホゾ引込端E2に新たな舗装板のホゾ突出端E1を嵌合させることができ、これにより、舗装板1を順次設置していくことができる。
【0037】
したがって、軌道が直線区間の場合には、最初の舗装板1の位置を正確に決定すれば、その後の舗装板1は、上記したホゾの作用により、既設の舗装板1に合わせて順次設置していくことができる。これにより、従来の既設軌道における軌道改良工事の場合と同様に、簡易でかつ正確な位置決めを行うことができる。
【0038】
上記のようにして、舗装板1を並べ終えた後、道路交通に供用する場合には、図5に示すような方法で、樋状部材3の設置変えを行う。図5(A)は、舗装板1A〜1D(上記した舗装板1と同様の部材)が敷設された後に、樋状部材3の設置変えが行われた後の状態を示す平面図である。また、図5(B)は、図5(A)におけるA−A断面図である。
【0039】
図5(B)に示すように、樋状部材3の設置変えの後においては、樋状部材3A〜3F(上記した樋状部材3と同様の部材)の上下は逆転しており、樋状部材3Bの水平板部3aが最上部となるように設置されている。上述したように、樋状部材3Bの高さは、レール収容凹部1b(又は1c)の深さと同一の値に設定されているから、レール収容凹部1b(又は1c)は、樋状部材3Bの水平板部3aの下面で閉塞され、水平板部3aの下面の高さは、周囲の舗装板の上面の高さと同一となり、全体として平面を構成する。したがって、水平板部3aの上面を道路交通に供用させることができる。
【0040】
また、図5(B)に示すように、樋状部材3Bの水平板部3aによって閉塞されたレール収容凹部1b(又は1c)の内部には、その後に設置するレールR1等を格納しておくことも可能である。このためには、樋状部材3B等の内側の深さの値を、レールR1の高さの値よりも大きく設定しておく必要がある。このように、逆転配置させた樋状部材3Bの内部にレールR1等を格納しておけば、その箇所の樋状部材を取り外すことにより、その箇所のレールを設置することが短時間で行える。
【0041】
また、図5(A)に示すように、樋状部材3の設置変えの後においては、樋状部材3A〜3Fの端部eは、舗装板1A〜1Dのほぼ中央部付近に移動されている。これは、舗装板1A〜1Dの長手方向に直角な方向に作用する水平力に抵抗する強度を増大させるためである。
【0042】
上記した舗装板1、1A〜1Dとしては、連接軌道板を用いることができる。図6は、本発明の第1実施形態である軌道近傍舗装工法において舗装板として連接軌道板を用いる場合のレール締結の構成を示す図である。
【0043】
図6(A)に示すように、連接軌道においては、RC又はPCからなる連接軌道板21を用い、この連接軌道板21の上面に設けられた2つのレール収容凹部21aと21bの内部に、それぞれ左右のレールR3、R4を収容し、図6(B)に示すように、取付ボルト31や36、及びナット30や35によって締結・支持するように構成されている。
【0044】
また、上記した舗装板1、1A〜1Dとしては、いわゆる樹脂固定軌道の舗装板を用いることもできる。図7は、本発明の第1実施形態である軌道近傍舗装工法において樹脂によりレールを固定する場合の構成を示す図である。
【0045】
図7(A)に示すように、この樹脂固定軌道においては、RC又はPCからなる板状部材41aからなる舗装板41を用い、この舗装板41の上面に設けられた2つのレール収容凹部41bと41cの内部に、図7(B)に示すように、レールR5を収容し、流動状態の樹脂42を流し込み、時間の経過により樹脂42を硬化させることによってレールR5を固定するように構成されている。符号43は、高さ調整用のパッドを示している。
【0046】
この場合には、レール収容凹部41b(又は41c)の深さH3、樋状部材3の内側の深さ、レールR5の高さ、高さ調整用パッド43の高さを、適宜に設定することにより、逆転配置させた樋状部材3の内部にレールR5等を格納させることができ、かつ、樹脂固定後のレールR5の高さを所定の値に設定することができる。
【0047】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図8は、本発明の第2実施形態である軌道近傍舗装工法に用いる舗装板の構成を示す図である。また、図9は、本発明の第2実施形態である軌道近傍舗装工法に用いる樋状部材の構成及び作用を示す図である。また、図10は、本発明の第2実施形態である軌道近傍舗装工法に用いる閉塞部材の構成及び作用を示す図である。
【0048】
図8(A)は側面図を、図8(B)は端部の斜視図を、図8(C)は2つの舗装板の接する部分の側面図を、それぞれ示している。図8に示すように、舗装板51は、コンクリート製の板状部材51aであり、レールを収容する溝状のレール収容凹部51b、51cが設けられるとともに、その両端に、切欠部51d及び51eが設けられている。ここに、舗装板51は、特許請求の範囲における舗装部材に相当している。なお、舗装板51は、切欠部51d及び51e以外の構成は、上記した舗装板1の場合と全く同様である。
【0049】
図8(C)に示すように、隣接する各舗装板51A、51Bは、切欠部51e1と51d2により構成される空間(以下、「レール溶接用空間」という。)により、レール溶接を容易に行うことができる。
【0050】
この第2実施形態の樋状部材53は、図9(A)の側面図に示すように、鋼材からなり、略コ字状断面を有する樋状に形成された部材であり、樋状部材53は、細長い長方形状の板状部材である水平板部53aと、水平板部53aの短手方向の一端部に接続して直立し水平板部53aの長手方向に延びる側壁板部53bと、同様の側壁板部(図示せず)を有して構成されている。
【0051】
また、樋状部材53の長手方向の一端(図9(A)における右端)に切欠部C1が形成されている。この切欠部C1の位置は、上記したレール溶接用空間の位置に対応している。また、図9(B)に示すように、樋状部材53の端部E3は、隣接する舗装板51Bのレール収容凹部51bとホゾ接合している。これにより、第1実施形態の場合と同様に、舗装板51をホゾ接合によって順次設置していくことができる。
【0052】
図10は、道路交通に供用する場合に、逆転配置させた樋状部材53以外の箇所のレール溶接用空間の凹部を閉塞する構造を示している。図10に示すように、舗装板51A、51Bには、切欠部にあらかじめ埋込栓52A、52Bを設置しておく。この埋込栓52A、52Bを利用して、閉塞部材54を固定ボルト56A、56Bによって固定する。閉塞部材54は、RC部材等によって構成する。なお、工事期間中においては、木材等の仮設部材を用いてもよい。
【0053】
図11は、本発明の第3実施形態である軌道近傍舗装工法に用いる舗装板の構成を示す図である。このように、中央部に凹部61fを有する舗装板61を用いてもよい。図において61b及び61cは、レール収容凹部を示している。凹部61fは、芝生等の植物のための土を収容する目的等に用いられる。
【0054】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0055】
例えば、上記実施形態においては、鉄道線路と道路との平面交差部である踏切付近の路面を構成する例について説明したが、本発明はこれには限定されず、軌道は、鉄道線路以外の軌道、例えば路面電車の軌道等であってもよい。また、舗装を行う箇所についても、踏切以外の箇所、例えば路面電車の停留所付近、路面電車の道路交差点付近等であってもよい。
【0056】
また、第2実施形態における切欠部51d又は51eは、少なくとも一方の端部に設けるようにしてもよい。また、第1空間部S1等は、3個以上であってもよい。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、軌道の近傍に舗装部材を設置することにより道路の路面を構成する軌道近傍舗装工法であって、舗装部材は、コンクリート製の板状部材であり、レールを収容する溝状のレール収容凹部が設けられ、鋼材からなり略コ字状断面を有する樋状に形成され、両側の側壁板部が切除された第1空間部を2個以上有する樋状部材が、水平板部が最下部となる状態でレール収容凹部に収容されるとともに、樋状部材の一端であるホゾ突出端が舗装部材の一端から第1ホゾ距離だけ突出しかつ樋状部材の他端であるホゾ引込端が舗装部材の他端から第1ホゾ距離だけ引込む状態で設置され、第1空間部に対応する樋状部材の水平板部を押さえ付けるようにレール収容凹部に挿入可能な屈曲部と、屈曲部に接続するとともに舗装部材に形成された雌ネジ孔に対応する位置にボルト挿通孔を有する本体部を有する運搬用取付部材が取付ボルトにより舗装部材に取り付けられて、舗装部材が吊り下げられ、既に設置された舗装部材のホゾ引込端に新たな舗装部材のホゾ突出端を嵌合させるようにして舗装部材を順次設置し、次いで、樋状部材の水平板部が最上部となるように逆転して設置し、水平板部の上面を道路交通に供用させつつ、工事期間中は樋状部材を取り外してレールを設置するように構成したので、連接軌道等の新設工事における位置決め等を容易に行うことができる、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である軌道近傍舗装工法に用いる舗装板の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態である軌道近傍舗装工法に用いる樋状部材の構成を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態である軌道近傍舗装工法におけるホゾ突出端とホゾ引込端の構成と作用を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態である軌道近傍舗装工法に用いる運搬用取付部材の構成及び作用を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態である軌道近傍舗装工法において道路交通に供用する場合の樋状部材の設置状態を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態である軌道近傍舗装工法において舗装板として連接軌道板を用いる場合のレール締結の構成を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態である軌道近傍舗装工法において樹脂によりレールを固定する場合の構成を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態である軌道近傍舗装工法に用いる舗装板の構成を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態である軌道近傍舗装工法に用いる樋状部材の構成及び作用を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態である軌道近傍舗装工法に用いる閉塞部材の構成及び作用を示す図である。
【図11】本発明の第3実施形態である軌道近傍舗装工法に用いる舗装板の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 舗装板
1a 板状部材
1b、1c レール収容凹部
2a〜2d 埋込栓
3 樋状部材
3a 水平板部
3b、3c 側壁板部
5 運搬用取付部材
5a 本体部
5b 屈曲部
5b1 垂下部
5b2 押え板部
5c 屈曲部
5c1 垂下部
5c2 押え板部
5d、5e ボルト挿通孔
6 吊下用ボルト
6a 雄ネジ部
6b 環状部
6c 締付部
7 吊下用ボルト
7a 雄ネジ部
7b 環状部
8〜10 ワイヤー
11 連結具
21 連接軌道板
21a、21b レール収容凹部
22、23 舗装ブロック
24 PC鋼棒
25 タイプレート
26 レールパッド
27 タイプレートパッド
28 クリップ部材
29 竹の子状バネ
30 ナット
31 取付ボルト
32 ゴムシュート
33 座金
34 コイルバネ
35 ナット
36 取付ボルト
37 ゴムシュート
38 クサビ
41 舗装板
41a 板状部材
41b、41c レール収容凹部
42 樹脂
43 高さ調整用パッド
51 舗装板
51a 板状部材
51b、51c レール収容凹部
51d、51e 切欠部
52A、52B 埋込栓
53 樋状部材
53a 水平板部
53b 側壁板部
54 閉塞部材
54a、54b ボルト挿通孔
54c、54d 凹部
56A、56B 固定ボルト
61 舗装板
61a 板状部材
61b、61c レール収容凹部
61f 凹部
E1 ホゾ突出端
E2 ホゾ引込端
L1 第1ホゾ距離
R1〜R5 レール
S1〜S4 第1空間部
V1 レール溶接用空間
W 車輪
W1 フランジ

Claims (6)

  1. 軌道の近傍に舗装部材を設置することにより道路の路面を構成する軌道近傍舗装工法であって、
    前記舗装部材は、コンクリート製の板状部材であり、レールを収容する溝状のレール収容凹部が設けられ、
    鋼材からなり略コ字状断面を有する樋状に形成され、両側の側壁板部が切除された第1空間部を2個以上有する樋状部材が、水平板部が最下部となる状態で前記レール収容凹部に収容されるとともに、前記樋状部材の一端であるホゾ突出端が前記舗装部材の一端から第1ホゾ距離だけ突出しかつ前記樋状部材の他端であるホゾ引込端が前記舗装部材の他端から前記第1ホゾ距離だけ引込む状態で設置され、
    前記第1空間部に対応する前記樋状部材の水平板部を押さえ付けるように前記レール収容凹部に挿入可能な屈曲部と、前記屈曲部に接続するとともに前記舗装部材に形成された雌ネジ孔に対応する位置にボルト挿通孔を有する本体部を有する運搬用取付部材が取付ボルトにより前記舗装部材に取り付けられて、前記舗装部材が吊り下げられ、既に設置された舗装部材のホゾ引込端に新たな舗装部材のホゾ突出端を嵌合させるようにして前記舗装部材を順次設置し、
    次いで、前記樋状部材の水平板部が最上部となるように逆転して設置し、前記水平板部の上面を道路交通に供用させつつ、工事期間中は前記樋状部材を取り外してレールを設置すること
    を特徴とする軌道近傍舗装工法。
  2. 請求項1記載の軌道近傍舗装工法において、
    前記舗装部材は、連接軌道板であること
    を特徴とする軌道近傍舗装工法。
  3. 請求項1記載の軌道近傍舗装工法において、
    前記レールは、樹脂により前記レール収容凹部に固定されること
    を特徴とする軌道近傍舗装工法。
  4. 請求項1記載の軌道近傍舗装工法において、
    前記舗装部材は、レール溶接を行うためのレール溶接用空間を形成する切欠部を少なくとも一端に有すること
    を特徴とする軌道近傍舗装工法。
  5. 請求項4記載の軌道近傍舗装工法において、
    前記工事期間中に前記レール溶接用空間を仮設閉塞部材により閉塞すること
    を特徴とする軌道近傍舗装工法。
  6. 請求項4記載の軌道近傍舗装工法において、
    前記工事終了後に前記レール溶接用空間を本設閉塞部材により閉塞すること
    を特徴とする軌道近傍舗装工法。
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