JP4177520B2 - 支柱への脚の取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、上部に棚等が設けられる作業台等を構成する支柱への脚の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、作業スペースとしての天板や、適宜物品を載置可能な棚(図示略)等が設けられる作業台としては、例えば図5に示されるような、互いに離間する左右の支柱01と、左右の支柱01を支持する脚02、03とからなる作業台04等がある。
【0003】
このような作業台04を構成する支柱01を支持する脚02、03は、図6に示されるように、その端面を支柱01の前後面に対して当接し、当接部を溶接等により固定して取り付けることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように溶接により脚02、03を支柱01に対して取り付ける場合、溶接作業が繁雑であるとともに、図6のように溶接部が外部に露呈して見映えが悪かった。
【0005】
また、例えば支柱01の上部に取り付ける天板05や棚板(図示略)の数量やサイズを使用目的に応じて変更したい場合、それに対応して天板05や棚板等を安全に支持出来るように支柱01の脚02、03を取り替える必要があるが、溶接固定されている場合取り外しを容易に行えないため、支柱01ごと取り替えなければならず、コストが嵩むといった問題があった。
【0006】
本発明は、支柱に対する着脱が容易で、かつ、支柱を安定して支持することが出来る支柱への脚の取付構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の支柱への脚の取付構造は、上部に棚等が設けられる左右に離間した支柱への脚の取付構造であって、前記支柱の下部における左右側に係止孔を形成し、また、前記脚における支柱側の端部左右側に、前記係止孔に係止可能な係止爪をそれぞれ設けるとともに、前記脚の下部を前記支柱の下部面に当接可能に張り出し、この脚の下部を、固定手段を介して支柱に対して着脱自在に固定出来るようにしたものであって、前記脚の本体部を板材により中空状に構成するとともに、前記係止爪を前記本体部の左右の側板間に固着される係止部材に形成し、かつ、少なくとも左右一対の係止爪を前記側板の支柱側端面よりそれぞれ内向きに屈曲形成される屈曲片に形成される挿通孔より支柱側に突出させた状態で、前記係止部材を前記左右側板間に固着したことを特徴としている。この特徴によれば、係止爪を支柱の係止孔に係止した状態で、脚の下部が支柱の下部面に対して固定することで、係止孔内での係止爪の上下移動が規制され、係止爪の係止孔からの逸脱が防止されるため、脚が支柱に対して強固に固定される。また、固定手段を外して係止孔から係止爪を逸脱するだけで、脚の取り替えを容易に行える。更に脚の本体部の軽量化が図れるとともに、少なくとも左右一対の係止爪が挿通孔内に挿通されているため、万が一係止部材が脚本体部を構成する側板からはずれても、挿通孔と係止爪との係止作用により支柱の転倒が阻止されるため、安全性が確保される。
【0008】
本発明の支柱への脚の取付構造は、前記係止片を上向きに形成したことが好ましい。
このようにすれば、支柱の上部に脚側へ傾こうとする負荷が加わった場合、係止爪と係止孔との係止作用が効果的に働くため、支柱が安定して支持される。
【0010】
本発明の支柱への脚の取付構造は、前記係止部材を、肉厚の板材により横断面略コ字状に形成するとともに、この左右の遊端面に前記係止爪を形成したことが好ましい。
このようにすれば、強度の高い係止爪を容易に形成できるとともに、係止爪が脚の本体部の側面を構成する左右の側板の内側にそれぞれ形成されるため、取付け時において脚の本体部の側面と支柱の側面とを面一にすることが可能となる。
【0011】
本発明の支柱への脚の取付構造は、前記係止部材の下部を、前記固定手段を介して支柱に取り付けてなることが好ましい。
このようにすれば、脚の本体部に加工を施すことなく、脚を支柱に取り付けることが出来る。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。本発明の実施例としての脚1は、図1、2に示されるように、左右側面、及び前面を構成する板部材2、3とから下向きコ字状に形成される脚1の本体部4と、この左右の板部材2、3の上面片2a、3aを連結する連結板5と、本体部4の下面開口を閉塞する上向き略コ字状の閉塞部材6と、下面が床面Fに接地する接地部材7と、作業台を構成する支柱8(図3参照)の前後面における上下方向に複数形成される係止孔9に係止可能な上向きの係止爪10が形成された係止部材11とから構成される。
【0013】
そして図2に示されるように、連結板5により互いの上面片2a、3aの裏面をスポット溶接により連結するとともに、閉塞部材6、接地部材7、係止部材11を左右の板部材2、3により狭持した状態で、これら各部材を側面から図中×印の箇所をスポット溶接することで、中空で軽量の脚1が形成されるようになっている。
【0014】
係止部材11は、板部材2、3より肉厚な板材により、基片11a及びその両端縁から支柱8に向けて屈曲する側片11bとから横断面略コ字状に形成され、本体部4における支柱側端部に上下方向を向くように固着される。この係止部材11の下部は本体部4の下端より下方に垂下されており、その下部における基片11aには後述する固定用のネジ12の挿通孔13が形成されている。
【0015】
係止爪10の先端は全て上向きであり、2枚の側片11aの前端面にそれぞれ4箇所ずつ形成されている。その内、図中下から2番目の左右の係止爪10aは、図2、図4に示されるように板部材2、3の前端面所定箇所よりそれぞれ内向きに屈曲形成される屈曲片14に形成された挿通孔15内を挿通し、該挿通孔15に係止された状態で、両板部材2、3の間に固着されている。
【0016】
なお、この係止爪10aの基部における上下には、屈曲片14の肉厚とほぼ同寸の深さを有する切欠部16が形成されているため(図4参照)、板部材2、3間への取り付け時において、係止部材11の前端面と板部材2、3の前端面とが面一になっている。
【0017】
支柱8の下部における前面8aの左右側には、図3に示されるように脚1の係止爪10を係止可能な係止孔9が上下方向にそれぞれ複数形成されているとともに、最下位に位置する係止孔9のさらに下方には、裏面に脚1の固定手段としてのネジ12が螺入可能なナット17が固着された孔部18が形成されている。なお、本実施例における係止孔9は、支柱の側面を構成する側板の肉厚分だけ前面8aにおいて内寄りに形成されている
【0018】
次に、このように構成される脚1の支柱8への取付方法及び取付時における作用を説明する。
【0019】
脚1を支柱8の前面8aに取り付ける場合、脚1を図3中矢印方向に移動して係止爪10を係止孔9内に挿入し、図4に示されるように脚1全体を上方に移動させ、係止爪10を係止孔9に対して確実に係止させる。この状態で、挿通孔13とネジ孔18とが合致するため、固定用のネジ12を挿通孔13を挿通してネジ孔18のナット17内に螺入し、締め付けることで、脚1を支柱8に対して取付出来る。
【0020】
ネジ12をネジ孔18内に螺入することで、係止爪10の係止孔9内における上下方向への移動が規制され、係止爪10と係止孔9との係止状態が確実に保持される。
【0021】
このように支柱8に取り付けられた脚1は、前端面の上下方向に構成される複数の係止爪10と係止孔9との係止作用により取り付けられるとともに、この係止状態がネジ12の螺入により保持されるため、支柱8に対して確実に取り付けられる。
【0022】
なお、支柱8の前面8aの下部に脚1を取り付けた後、特に図1に示される短寸の脚20が支柱8の後面に取り付けられる。この脚20は、特に図示しないが、脚1と同様の取付け構造を有しており、脚1と同様の取付方法にて支柱8の後面に取り付けられるようになっている。 このように取り付けられた脚1、20における先端側の接地部材7の接地面が床面F上に設置されることで、支柱8が脚1、20により安定して支持される。
【0023】
また、本実施例における脚1の係止爪10は上向きに形成されているため、支柱8の上部に前後方向への傾き力が働いた場合、係止爪10と係止孔9との係止作用が効果的に働くため、支柱8が安定して支持される。
【0024】
また、係止爪10は板部材2、3の間に狭持される係止部材11の側板11bの前端面に形成されているので、板部材2、3よりも内側に形成されているとともに、また、支柱8の係止孔9は、側面を構成する側板の肉厚分、前面8aにおける左右側端より内寄りに形成されているため、係止爪10の係止孔9内への係止状態において、脚1の側面と支柱8の側面とが面一になり、見映えが向上する。
【0025】
さらに、係止部材11の係止爪10aが、板部材2、3の屈曲片14に形成された挿通孔15内を挿通しているため、万が一係止部材11の側片11bと板部材2、3の内面との溶接部に負荷が加わり、両者の溶接がはずれても、支柱8に対して取り付けられた係止部材11の係止爪10aと挿通孔15との係止作用により支柱8が支持されるため、安全性が確保される。
【0026】
また、このように脚1を中空状に形成し、係止爪10を別途係止部材11に形成することで、脚1の軽量化が図れるとともに、係止部材11を板材により構成することで、係止爪10を容易に形成出来るばかりか、肉厚の板材を使用することで強度を高めることが出来る。なお、この係止部材11を下方に垂下し、この下部にネジ12挿通用の挿通孔13を設けることで、脚1の本体部4に加工を施すことなく脚1を支柱8に取付出来る。
【0027】
なお、脚1を仕様に応じて変更したい場合は、ネジ12を外して係止爪10と係止孔9との係止状態を解除すれば、脚1を支柱8から容易に取り外し出来るため、交換作業等を容易に行える。
【0028】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0029】
例えば、左右一対の係止爪10は上下方向に複数形成されていてもよく、その数は任意である。また、係止爪10は支柱8における係止孔9の下部に係止するように下向きに形成されていても良い。
【0030】
固定手段はネジに限らず、その他種々の固定方法により脚1を支柱8に対して固定しても良い。
【0031】
【発明の効果】
本発明は以下の効果を奏する。
【0032】
(a)請求項1項の発明によれば、係止爪を支柱の係止孔に係止した状態で、脚の下部が支柱の下部面に対して固定することで、係止孔内での係止爪の上下移動が規制され、係止爪の係止孔からの逸脱が防止されるため、脚が支柱に対して強固に固定される。また、固定手段を外して係止孔から係止爪を逸脱するだけで、脚の取り替えを容易に行える。更に脚の本体部の軽量化が図れるとともに、少なくとも左右一対の係止爪が挿通孔内に挿通されているため、万が一係止部材が脚本体部を構成する側板からはずれても、挿通孔と係止爪との係止作用により支柱の転倒が阻止されるため、安全性が確保される。
【0033】
(b)請求項2項の発明によれば、支柱の上部に脚側へ傾こうとする負荷が加わった場合、係止爪と係止孔との係止作用が効果的に働くため、支柱が安定して支持される。
【0035】
(c)請求項3項の発明によれば、前記係止部材を、肉厚の板材により横断面略コ字状に形成するとともに、この左右の遊端面に前記係止爪を形成した。
【0036】
(d)請求項4項の発明によれば、脚の本体部に加工を施すことなく、脚を支柱に取り付けることが出来る。
【0037】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脚を示す側面図である。
【図2】図1の要部拡大斜視図である。
【図3】支柱への脚の取付状態を示す斜視図である。
【図4】脚の取付状態を示す断面図である。
【図5】従来例を示す斜視図である。
【図6】同じく従来例としての脚の取付方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1 脚
2、3 板部材
2a、3a 上面片
4 本体部
5 連結板
6 閉塞部材
7 接地部材
8 支柱
8a 前面
9 係止孔
10、10a 係止爪
11 係止部材
11a 基片
11b 側板
12 ネジ(固定手段)
13 挿通孔
14 屈曲片
15 挿通孔
16 切欠部
17 ナット
18 ネジ孔
18 孔部
20 脚
F 床面
Claims (4)
- 上部に棚等が設けられる左右に離間した支柱への脚の取付構造であって、前記支柱の下部における左右側に係止孔を形成し、また、前記脚における支柱側の端部左右側に、前記係止孔に係止可能な係止爪をそれぞれ設けるとともに、前記脚の下部を前記支柱の下部面に当接可能に張り出し、この脚の下部を、固定手段を介して支柱に対して着脱自在に固定出来るようにしたものであって、前記脚の本体部を板材により中空状に構成するとともに、前記係止爪を前記本体部の左右の側板間に固着される係止部材に形成し、かつ、少なくとも左右一対の係止爪を前記側板の支柱側端面よりそれぞれ内向きに屈曲形成される屈曲片に形成される挿通孔より支柱側に突出させた状態で、前記係止部材を前記左右側板間に固着したことを特徴とする支柱への脚の取付構造。
- 前記係止爪を上向きに形成した請求項1に記載の支柱への脚の取付構造。
- 前記係止部材を、肉厚の板材により横断面略コ字状に形成するとともに、この左右の遊端面に前記係止爪を形成した請求項1または2に記載の支柱への脚の取付構造。
- 前記係止部材の下部を、前記固定手段を介して支柱に取り付けてなる請求項1ないし3のいずれかに記載の支柱への脚の取付構造。
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