JP4174363B2 - 湿式多板摩擦力伝達装置、及びウインチ装置、並びにクレーン - Google Patents

湿式多板摩擦力伝達装置、及びウインチ装置、並びにクレーン Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばウインチ装置に用いられる湿式多板ブレーキ装置や車両や農業機械の走行駆動系に用いられる湿式多板クラッチ装置等を含む、湿式多板摩擦力伝達装置、及びこれを用いたウインチ装置、並びにクレーンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の湿式多板摩擦力伝達装置の一例として、例えば大型ダンプカー等の車両や農業機械等における走行時の制動用に、湿式多板ブレーキ装置が広く使用されている。
【0003】
この湿式多板ブレーキ装置は、外径側に多数の第1外噛合部(歯形)を備えた外歯伝達体(インナーギア)と、内径側に上記多数の第1外噛合部と噛合する多数の第1内噛合部(内接歯形)を備えた複数のインナーディスク(ディスク)と、外径側に多数の第2外噛合部(歯形)を備え、上記インナーディスクの間に交互に差し込まれるように、かつそれら複数のインナーディスクと軸方向に密着し摩擦力を伝達可能に配置された複数のアウターディスク(プレート)と、内径側に上記多数の第2外噛合部と噛合する多数の第2内噛合部(内接歯形)を備えた内歯伝達体(アウターギア)とを有している。
【0004】
そして、操作者がブレーキング操作をすると、油圧で作動するピストンの押圧力によってインナーディスクとアウターディスクとが互いに密着され、これによって例えば固定側である内歯伝達体からの摩擦制動力が、アウターディスク、インナーディスクを介し外歯伝達体に伝えられ、外歯伝達体の回転が制動されるようになっている。そして、このときインナーディスク及びアウターディスクに発生する摩擦熱を冷却するために、軸方向に交互に配設された多数のインナーディスク及びアウターディスクの軸方向一方側から冷却材が導入され、第1内・外噛合部相互の間又は第2内・外噛合部相互の間を通って軸方向他方側へと流れ、各インナーディスク及びアウターディスクを冷却するようになっている。またこのとき、この冷却材の流通を向上させるために、内歯伝達体の第2内噛合部のうち周方向一部分(例えば周方向等間隔に6箇所)を切り欠いた形状としている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、例えば道路、橋または高層ビル等の土木・建設現場において用いられるクレーンは、吊り荷を吊り上げるロープを配設するブームと、ロープを巻き取り巻き出すウインチ装置とを備えている。このウインチ装置には、ロープを巻くドラムと、このドラムを回転させるモータと、このモータからの駆動力を減速してドラムに伝える減速機構と、吊り荷のフリーフォール時において吊り荷の自重によるドラムの回転を制動するブレーキ装置が設けられている。近年、このようなクレーンのウインチ装置に備えられるブレーキ装置にも、上記同様の湿式多板ブレーキ装置を使用することが既に提唱されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−264349号公報(図2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には以下のような課題が存在する。
【0008】
すなわち、摩擦熱を冷却するために、多数のインナーディスク及びアウターディスクの軸方向一方側から導入した冷却材を内・外噛合部相互の間を通って軸方向に流す場合、すべてのインナーディスク及びアウターディスクを十分に冷却するには、本来、各インナーディスク及び各アウターディスクの周方向全周において均一に冷却材を流すことが望ましい。しかしながら、上記従来技術では、内歯伝達体第2内噛合部の周方向一部分を部分的に切り欠いて(歯を削除した形状として)周方向複数箇所に断続的に(非連続的に)冷却材通路を形成しているため、各冷却材通路付近は十分な冷却材が流通して冷却が促進されるものの、冷却材通路から周方向に離れるほど冷却材が十分に行き渡らなくなる傾向となる。このため、各インナーディスク及び各アウターディスクにおいて周方向に冷却不均一が発生し、全体として十分な冷却効果を得るのが困難である。
【0009】
なお、湿式多板摩擦力伝達装置としては、上記のようなブレーキ装置のみならず、摩擦力を利用して、回転する内歯伝達体からの回転駆動力を、アウターディスク、インナーディスクを介し外歯伝達体に伝える、いわゆる湿式多板クラッチ装置も知られており、これについても同様の課題が存在する。
【0010】
本発明の目的は、インナーディスク及びアウターディスクに軸方向に冷却材を流す際の周方向冷却均一化を図れ、全体として十分な冷却効果を得ることができる湿式多板摩擦力伝達装置、及びウインチ装置、並びにクレーンを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の湿式多板摩擦力伝達装置は、外径側に多数の第1外噛合部を備えた外歯伝達体と、内径側に前記多数の第1外噛合部と噛合する多数の第1内噛合部を備えた複数のインナーディスクと、外径側に多数の第2外噛合部を備え、前記複数のインナーディスクの間に交互に差し込まれるように、かつそれら複数のインナーディスクと軸方向に密着し摩擦力を伝達可能に配置された複数のアウターディスクと、
内径側に前記多数の第2外噛合部と噛合する多数の第2内噛合部を備えた内歯伝達体とを有し、前記多数の第1外・内噛合部は、それらの間に多数の第1冷却材通路を形成するように、第1外噛合部の凸状部分の径方向寸法を第1内噛合部の凹状部分の径方向寸法よりも周方向全周にわたって均一に小さくし、前記多数の第2外・内噛合部は、それらの間に、前記第1冷却材通路よりもそれぞれ断面積の大きい多数の第2冷却材通路を形成するように、第2内噛合部の凸状部分の径方向寸法を第2外噛合部の凹状部分の径方向寸法よりも周方向全周にわたって均一に小さくする。
【0018】
本発明では、径方向外周側に位置する多数の第2外・内噛合部と径方向内周側に位置する多数の第1外・内噛合部とが存在する。これら外・内噛合部は、実際の製造時においては、例えば外歯伝達体については略丸軸形の素材の外周部に対して第1外噛合部としてのスプライン等を切削加工で形成し、内歯伝達体については略円筒形の素材の内周部に対して同様に第2内噛合部としてのスプライン等を切削加工で形成することとなる。すなわち、いずれの場合も丸軸状または円筒形の外表面に溝を切っていくこととなるため、加工のしやすさ、間違いのなさという観点からは、第2冷却材通路加工時における上記溝切り加工代を第1冷却材通路加工時と同じとする、すなわち、各第2冷却材通路の断面積を第1冷却材通路と同じにするのが、自然である。
【0019】
あるいは、前述したように多数の第2外・内噛合部のほうが多数の第1外・内噛合部よりも径方向外周側に位置することから、同一ピッチの歯で考えた場合、通常は、円周長さの関係より第2外・内噛合部の数の方が第1外・内噛合部の数よりも多くなる。このため、例えば冷却材を、第1外・内噛合部における第1冷却材通路を経て第2外・内噛合部における第2冷却材通路へと流すように(あるいはその逆に第2冷却材通路→第1冷却材通路へと流すように)した場合、流路総断面積を連続的に同一とするという観点からは、数の多い第2外・内噛合部における各第2冷却材通路ひとつひとつの断面積を、第1外・内噛合部の各第1冷却材通路の断面積よりも小さくすることも考えられる。
【0020】
ここで、各第2冷却材通路の断面積を小さくすることは、第2外・内噛合部どうしがそれだけ深い噛合関係とすることとなり、第2外噛合部又は第2内噛合部における凹状部分の径方向寸法(溝深さ)を深くすることとなる。しかしながら、確実な摩擦力伝達のための噛合時における面圧の確保という観点に立つと、前述したように第2外・内噛合部は第1外・内噛合部よりも数が多いことから、全体で見れば第2外・内噛合部の噛合関係は比較的浅いままでも十分な面圧は確保でき、敢えて第2外噛合部又は第2内噛合部における凹状部分の径方向寸法(溝深さ)を深くする必要はない。また、加工費用の面で見ると、第2外噛合部又は第2内噛合部における凹状部分の径方向寸法(溝深さ)をできるだけ小さくするほうが、その溝切り加工代を小さくできてコスト低減を図れる。
【0021】
本発明は、これらの点に着目したものであり、上記のように数の多い第2外・内噛合部について、各第2冷却材通路ひとつひとつの断面積を敢えて各第1冷却材通路の断面積よりも大きくしたものである。これにより、第2外・内噛合部は比較的浅い噛合関係となって第2外噛合部又は第2内噛合部における凹状部分の径方向寸法(溝深さ)は浅くなるので、上記の加工代を小さくすることができる。したがってその分、加工費用を低減することができる。
【0022】
記目的を達成するために、また本発明のウインチ装置は、キャリア軸、このキャリア軸により支持されるプラネタリギア、及びこのプラネタリギアに噛合するサンギアを備えた遊星歯車機構と;前記プラネタリギアに噛合するギアを内側に設けたウインチドラムと;
このウインチドラムを回転する駆動力を発生し、その出力軸を前記サンギアに連結したモータと;外径側に多数の第1外噛合部を備え前記キャリア軸に連結された回転体と、内径側に前記多数の第1外噛合部と噛合する多数の第1内噛合部を備えた複数のインナーディスクと、外径側に多数の第2外噛合部を備え、前記複数のインナーディスクの間に交互に差し込まれるように、かつそれら複数のインナーディスクと軸方向に密着し制動力を伝達可能に配置された複数のアウターディスクと、内径側に前記多数の第2外噛合部と噛合する多数の第2内噛合部を備えた固定体とを有し、前記多数の第1外・内噛合部は、それらの間に多数の第1冷却材通路を形成するように、第1外噛合部の凸状部分の径方向寸法を第1内噛合部の凹状部分の径方向寸法よりも周方向全周にわたって均一に小さくし、前記多数の第2外・内噛合部は、それらの間に、前記第1冷却材通路よりもそれぞれ断面積の大きい多数の第2冷却材通路を形成するように、第2内噛合部の凸状部分の径方向寸法を第2外噛合部の凹状部分の径方向寸法よりも周方向全周にわたって均一に小さくした湿式多板ブレーキ装置と;を備える。
【0023】
記目的を達成するために、本発明のクレーンは、ロープを介し吊り荷を支持するフロント装置と、前記ロープを巻き取り巻き出すウインチ装置とを有し、このウインチ装置は、キャリア軸、このキャリア軸により支持されるプラネタリギア、及びこのプラネタリギアに噛合するサンギアを備えた遊星歯車機構と;前記プラネタリギアに噛合するギアを内側に設けたウインチドラムと;このウインチドラムを回転する駆動力を発生し、その出力軸を前記サンギアに連結したモータと;外径側に多数の第1外噛合部を備え前記キャリア軸に連結された回転体と、内径側に前記多数の第1外噛合部と噛合する多数の第1内噛合部を備えた複数のインナーディスクと、外径側に多数の第2外噛合部を備え、前記複数のインナーディスクの間に交互に差し込まれるように、かつそれら複数のインナーディスクと軸方向に密着し制動力を伝達可能に配置された複数のアウターディスクと、内径側に前記多数の第2外噛合部と噛合する多数の第2内噛合部を備えた固定体とを有し、前記多数の第1外・内噛合部は、それらの間に多数の第1冷却材通路を形成するように、第1外噛合部の凸状部分の径方向寸法を第1内噛合部の凹状部分の径方向寸法よりも周方向全周にわたって均一に小さくし、前記多数の第2外・内噛合部は、それらの間に、前記第1冷却材通路よりもそれぞれ断面積の大きい多数の第2冷却材通路を形成するように、第2内噛合部の凸状部分の径方向寸法を第2外噛合部の凹状部分の径方向寸法よりも周方向全周にわたって均一に小さくした湿式多板ブレーキ装置と;を備える。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、本発明を自走式クローラクレーンに備えられた湿式多板ブレーキ装置に適用した場合の実施形態である。
【0025】
図1は、本発明の適用対象となる自走式クローラクレーンの全体構造を表す一部透視側面図であり、図2はその一部透視上面図である。
【0026】
これら図1及び図2において、この自走式クレーンは、走行体1と、この走行体1に旋回可能に設けた旋回体2と、この旋回体2に設けられ、図示しない吊上用ロープを介し吊り荷を支持するブーム(通常の斜ブームでもよいし、いわゆるタワークレーン用の略鉛直のブームでもよい)を備えたフロント装置(図示せず)とを有している。
【0027】
走行体1は、トラックフレーム3と、このトラックフレーム3の左・右両側においてそれぞれ循環駆動可能に巻き回された無限軌道履帯(クローラ)4とを備え、走行用油圧モータ5が駆動されることによって前後進する。
【0028】
旋回体2は、右前方部に操作者が搭乗する運転室(キャブ)6を備え、旋回用油圧モータ7,7が駆動されることで走行体に対し旋回する。また、その幅方向中央部に設けたメインフレーム8上に、吊り荷を吊り上げるフック(図示せず)を先端に備えた吊上用ロープ(図示せず)を巻き取り巻き出す主巻(吊上用)ウインチ装置9と、俯仰動可能に設けた上記ブームを起伏させる起伏用ロープ10を巻き取り巻き出す起伏ウインチ装置11とを備えている。なお、12及び13は、詳細な説明は省略するがその他の補助的な用途に適宜利用可能な補巻(補助用)ウインチ装置及び第3ウインチ装置である。
【0029】
また旋回体2の左側部分には、上記主巻ウインチ装置9、起伏ウインチ装置11、補巻ウインチ装置12、第3ウインチ装置13のウインチドラム9A,11A,12A,13Aをそれぞれ回転駆動する吊上ウインチ用油圧モータ14、起伏ウインチ用油圧モータ15、補助ウインチ用油圧モータ16、第3ウインチ用油圧モータ17、及び前述の旋回用油圧モータ7、走行用油圧モータ5への圧油を吐出する油圧ポンプ18と、この油圧ポンプ18を駆動するエンジン19とを備えた機械室20が備えられている。さらに旋回体2の右側部分には、上記油圧ポンプ18から吐出され上記の各油圧アクチュエータ14,15,16,17へ供給される圧油の流れを制御するコントロールバルブ群21a,21b,21cを備えた弁装置21が備えられている。
【0030】
図3は、上記のような自走式クローラクレーンのうち本発明の適用に係わる主巻ウインチ装置9の構成を表す概念的構成図である。
【0031】
図3において、主巻ウインチ装置9は、上記ウインチドラム9A及び吊上ウインチ用油圧モータ14と、この油圧モータ14に駆動圧油を供給する油圧ポンプ22と、この油圧ポンプ22から油圧モータ14への圧油の流れを制御する弁装置21を構成する方向制御弁23と、油圧モータ14の駆動力をウインチドラム9Aに伝達または非伝達する遊星減速機構24と、遊星減速機構24の作動を制御する湿式多板式ブレーキ装置25とを有する。
【0032】
遊星歯車機構24は、キャリア軸26、このキャリア軸26により支持されるプラネタリギア27、及びこのプラネタリギア27に噛合するサンギア28を備えている。
【0033】
サンギア28には上記油圧モータ14の出力軸14aが連結されている。プラネタリギア27にはウインチドラム9Aの内側に設けられたリングギア29が噛合されている。
【0034】
図4は、図3に示した湿式多板ブレーキ装置25の詳細構造を表す縦断面図であり、図5(a)は図4中例えばA部拡大図であり、図5(b)は図5(a)中B−B断面による横断面図である(図5(a)は図5(b)中C−C断面による縦断面図に相当)。なお、図4では、ディスク(後述)の圧接状態を示している。
【0035】
これら図4、図5(a)、及び図5(b)において、湿式多板式ブレーキ装置25は、外径側に多数の外スプライン(第1外噛合部)30Aを備え上記キャリア軸26に連結された回転体としての回転軸30(あるいはキャリア軸26そのものを延在させてもよい)と、上記多数の外スプライン30Aと噛合する多数の内スプライン(第1内噛合部)31Aを内径側に備えた複数のインナーディスク31と、外径側に多数の外スプライン(第2外噛合部)32Aを備え、上記複数のインナーディスク31の間に交互に差し込まれるように配置された複数のアウターディスク32と、上記多数の外スプライン32Aと噛合する多数の内スプライン(第2内噛合部)33Aを内径側に備えた固定体としてのブレーキケース(ハウジング)33とを有している。
【0036】
キャリア軸26はブレーキケース33の側壁33aを貫通して先端部がケース33内に達しており、その先端部に上記回転軸30が設けられている。
【0037】
インナーディスク31は回転軸30に対し上記外スプライン30A及び内スプライン31Aを介したスプライン結合によって軸方向に移動可能に係合され、回転軸30と一体に回転可能となっている。アウターディスク32は、ブレーキケース33の内周面に対し上記内スプライン33A及び外スプライン32Aを介したスプライン結合によって軸方向に移動可能に係合されている。
【0038】
ブレーキケース33内におけるディスク31,32の軸方向一方側(図4中右側)にはブレーキピストン34がその外周側摺動部34aを介し軸方向に摺動可能に配設されており、このブレーキピストン34の軸方向他端側(図4中左側)の略円環状の凸部34bが、上記ディスク31,32の上記軸方向一方側に当接している。またこのブレーキピストン34は、ブレーキケース33内のさらに上記軸方向一方側に位置する油室35に設けたばね36によって、上記ディスク31,32側に付勢押圧されている。このとき、ディスク31又は32は、径方向外周側に位置する上記外スプライン32A又は内スプライン31Aを除く厚さ方向両面に、隣接するディスク31又は32と摩擦接触するための公知の摩擦材領域(摩擦力伝達領域)37を備えている。これにより、インナーディスク31とアウターディスク32とが軸方向に密着した場合に制動力を伝達可能に構成されている。またこのとき、上記凸部34bの外周側には、上記ディスク31,32を冷却する冷却材(この例では油)を導入するための略円環形状の冷却材溜まり38が形成されており、この冷却材溜まり38はその例えば周方向一箇所において、ブレーキケース33内を軸方向に延設された冷却材導入通路39の先端部に連通している。この冷却材導入通路39は、ブレーキケース33の上記軸方向一方側に孔設した冷却材導入ポート40にさらに連通している。なおこの冷却材導入ポート40は、管路41を介して油圧源(この例では油圧ポンプ)42に接続されている。
【0039】
回転軸30は、ブレーキケース側壁33aに対し軸受42を介し回転自在に支持されている。このとき、ブレーキピストン34の上記回転軸30の端面に臨む円板部34cには、その径方向中央部に貫通孔34dが孔設されている。この結果、ブレーキピストン34の上記凸部34bの径方向内側部分において回転軸30との間に形成される油室43と、ばね36が配設された前述の油室35とが、上記貫通孔34dによって連通されている。
【0040】
一方、ブレーキケース33に設けたストッパ部33bと上記ブレーキピストン34の外周側摺動部34aとの間には略円環状の油室44が形成されている。この油室44はその例えば周方向一箇所において、ブレーキケース33内を軸方向に延設された油導入通路45aの先端部に連通している。この油導入通路45aは、ブレーキケース33の上記軸方向一方側に孔設した油導入ポート45bにさらに連通している。この油導入ポート45bは、管路46、電磁切換弁47を介して油圧源(この例では油圧ポンプ)48に接続されている。
【0041】
電磁切換弁47は、フリーフォールを指令するフリーフォールスイッチ49の操作信号Sがソレノイド駆動部47aに入力されることにより、切り換えられる。
【0042】
例えば上記フリーフォールスイッチ49がOFFのときは駆動信号SがOFFになり、電磁切換弁47はばね47bの付勢力で図3に示す遮断位置47Aに復帰し、油圧ポンプ48からの圧油は電磁切換弁47によって遮断される。これにより、ブレーキケース33の油室44内の圧油が、油導入通路45a、油導入ポート45b、管路46、電磁切換弁遮断位置47Aを介してタンク52へ排出されるので、ブレーキピストン34がばね36の付勢力によって(ばねが100%効いて)図4中左方向に移動する。このブレーキピストン34の移動により、ディスク31,32はブレーキケース33の軸方向他方側壁面33a側に押動され、図4に示すようにその他方側壁面33aとブレーキピストン34との間で圧接される。これにより、インナーディスク31に摩擦力が作用し、インナーディスク31の回転が阻止される(ブレーキ作動)ようになっている。
【0043】
このようにしてブレーキが作動すると、回転軸30を介しキャリア軸26の回転が阻止されため、油圧モータ14の回転はサンギア28、プラネタリギア27、リングギア29を介して主巻ウインチ装置9のウインチドラム9Aに伝達される。この状態で、操作者が運転室6内に設けた操作レバー装置Tを巻上または巻下操作して方向切換弁23のパイロット駆動部23a,23bにパイロット圧油を作用させると、方向切換弁23が中立位置23Aから切換位置23B又は切換位置23Cに切り換えられ、油圧ポンプ22からの圧油がこれに対応した向きで油圧モータ14に供給されて駆動され、油圧モータ14が巻上または巻下方向に回転する。これにより、ウインチドラム9Aが巻上または巻下駆動され、吊り荷の巻上作業などを行うことができる。なお、ウインチドラム9Aの駆動は、多板式ブレーキ装置25とは別に設けられた図示しないブレーキ装置の作動により停止されるようになっている。
【0044】
一方、上記操作レバーを中立位置に操作して方向切換弁23をばね23c,23dの付勢力で中立位置23Aに復帰させた状態でフリーフォールスイッチ49をON操作すると、駆動信号SがONとなり、電磁切換弁47が図3中左側の連通位置47Bに切り換えられる。
【0045】
このとき、ブレーキペダル50には減圧弁51が連結され、ブレーキペダル50の踏み込み状況に応じて切り換えられる。ブレーキペダル50を踏み込み操作しないときは、減圧弁51はばね51bの付勢力で図3中右側の連通位置51Aに復帰し、油圧ポンプ48からの圧油が電磁切換弁連通位置47B、管路46、ブレーキケース33の油導入ポート45b、油導入通路45aを介し、油室44に流入する。これによって、ブレーキピストン34はばね36のばね力に抗して図4の右方向に移動し、ディスク31,32に作用する圧接力が除去される(ブレーキ解除)。このようにしてブレーキが解除されると、インナーディスク31が回転可能となりキャリア軸26の回転が許容される。この結果、ウインチドラム9Aに吊り荷の負荷による回転力が作用すると、キャリア軸26は自由回転状態となって吊り荷をフリーフォールすることができる。
【0046】
そしてこの状態でブレーキペダル50を踏み込み操作すると、その踏み込み量に応じて連結部51aを介し減圧弁51が図3に示す遮断位置51B側へと切り換えられ油圧ポンプ48から油室44への供給圧油が減圧される。この結果、ブレーキピストン34はばね36の付勢力と上記減圧された油室44内の圧力とがバランスする位置まで図4中左側に移動し、ディスク31,32が圧接され、ブレーキが作動する(作動状態が制御される)。その結果、ウインチドラム9Aを停止することができる。
【0047】
なお、以上は主巻ウインチ装置9についてその詳細構造を説明したが、補巻ウインチ装置12、第3ウインチ装置13についても同様の構成となっており、上記と同様の湿式多板ブレーキ装置25が設けられている。
【0048】
以上のような基本構成及び基本動作において、本実施形態の最も大きな特徴は、上記ブレーキ作動時における冷却材によるディスク31,32の冷却にある。
【0049】
すなわち、図5(a)及び図5(b)において、本実施形態においては、回転軸30の外スプライン30Aの凸状部分の径方向寸法(=歯先高さ)H1が、対応するインナーディスク31の内スプライン31Aの凹状部分の径方向寸法(=溝深さ)h1よりも、周方向全周にわたって均一に小さく(同一高さだけ小さく)している。そして、この結果、外スプライン30Aと内スプライン31Aとの間に、周方向全周にわたって互いに同一横断面積(ハッチング領域参照)の冷却材通路(第1冷却材通路)R1を形成している。
【0050】
また同様に、ブレーキケース33の内スプライン33Aの凸状部分の径方向寸法(=歯先高さ)H2が、対応するアウターディスク32の外スプライン32Aの凹状部分の径方向寸法(=溝深さ)h2よりも、周方向全周にわたって均一に小さく(同一高さだけ小さく)している。そして、この結果、外スプライン32Aと内スプライン33Aとの間に、周方向全周にわたって互いに同一横断面積(ハッチング領域参照)の冷却材通路(第2冷却材通路)R2を形成している。なお、上記冷却材通路R1と、冷却材通路R2とは、互いに略同一横断面積となっている。
【0051】
次に、以上のような構成である本実施形態の動作及び効果を説明する。
【0052】
前述したように、フリーフォールスイッチ49がOFFのとき、あるいはフリーフォールスイッチ49がONでブレーキペダル50を踏み込み操作したときのブレーキ作動状態においては、インナーディスク31とアウターディスク32とが軸方向に密着圧接されて摩擦力が作用し、これによって摩擦熱が発生する。これを冷却するために、油圧源(例えば油圧ポンプ)42から吐出された冷却材(この例では油)が、図4に示されるように、管路41、冷却材導入ポート40、冷却材導入通路39を介して冷却材溜まり38に導入される(図4中矢印ア,イ参照)。そしてさらに、冷却材溜まり38から、多数のインナーディスク31及びアウターディスク32が交互に積層密着されている状態においてその径方向外周側に形成されている前述の冷却材通路R2を次々と軸方向に(図4中左側に)通過しつつ各ディスクの摩擦熱を冷却していく(矢印ウ,エ参照)。最奥部のディスクまで冷却したら、例えばブレーキケース側壁33aに設けた図示しない溝(あるいはディスクに設けた溝でもよい)を介して径方向内側へ転向し導入され(Uターン、矢印オ,カ参照)、今度は上記ディスク31,32の積層密着状態においてその径方向内周側に形成されている冷却材通路R1を次々と軸方向反対側に(図4中右側に)通過し冷却し、ブレーキピストン凸部34bの径方向内側の油室43へ導出される(矢印キ,ク参照)。その後、貫通孔34dを介し油室35へ導出され、最終的には油室35からブレーキケース端壁33cに設けた排出ポート53から(矢印ケ参照)、例えばこれに連通する管路(図示せず)及びフィルタ(図示せず)を介し、タンク52へ戻る。
【0053】
このような冷却材流れにおいて、本実施形態では、前述のように、冷却材をディスク31,32の積層構造中に軸方向に通過させる(矢印ウ,エ,オ,カ,キ参照)際、ブレーキケース内スプライン33Aの凸状部分の径方向寸法H2をアウターディスク外スプライン32Aの凹状部分の径方向寸法h2よりも小さくして周方向全周にわたってそれぞれ同一形状、同一高さ、同一断面積の均一な冷却材通路R2を形成するとともに、同様に回転軸外スプライン30Aの凸状部分の径方向寸法H1をインナーディスク内スプライン31Aの凹状部分の径方向寸法h1よりも小さくして周方向全周にわたってそれぞれ同一形状、同一高さ、同一断面積の均一な冷却材通路R1を形成している。これら周方向に均一な冷却材通路R1,R2により、歯形の周方向一部分を部分的に切り欠いて周方向複数箇所に非連続的に冷却材通路を形成する従来構造と異なり、周方向に均一にまんべんなく冷却材を十分に行き渡らせることができる。したがって、各インナーディスク31及び各アウターディスク32において周方向に均一に冷却を行うことができるので、多数のディスク31,32全体として十分な冷却効果を得ることができる。
【0054】
なお、ここで、例えば軸方向に交互に配設された多数のディスク積層体31,32の軸方向複数箇所において径方向外周側から冷却材を導入する構成も考えられなくもないが、この場合、上記径方向外周側からの冷却材導入通路を新たにブレーキケース33の壁面に設けなければならないため、構造が複雑となってコスト増大を招くとともに、限られたスペースの中ではその外周側冷却材導入通路を新設する分ディスク31,32の摩擦材領域37の径方向面積が小さくなるため、摩擦力伝達能力(ブレーキ性能)が低下する。
【0055】
本実施形態によれば、上記冷却材通路R1,R2を用いて周方向均一冷却を行うことができるので、上記のようなコスト増大やブレーキ性能低下を招くことなく、十分な冷却効果を得ることができる。
【0056】
また、この種の湿式多板ブレーキ装置を構成する際においては、一般に、インナーディスク31、アウターディスク32については既製品を用いることが多い。本実施形態においては、冷却材通路R1,R2を形成するに際し、既製品であるインナーディスク31やアウターディスク32でなく、回転軸外スプライン30Aあるいはブレーキケース内スプライン33A側の寸法を小さく加工する。このように既製品はそのまま活用しつつ非既製品側を加工するようにすることで、製造時の工数を低減し、製造コストをさらに低減することが可能となる。
【0057】
なお、上記実施形態においては、冷却材通路R1と、冷却材通路R2とは、互いに略同一横断面積となっていたが、これに限られず、冷却材通路R2の横断面積を、冷却材通路R1の横断面積よりも大きくしてもよい。この場合、以下のような意義がある。
【0058】
上述した回転軸30の外スプライン30Aやブレーキケース33の内スプライン33Aは、実際の製造時においては、例えば回転軸30については略丸軸形の素材の外周部に対し外スプライン30Aを切削加工で形成し、ブレーキケース33については略円筒形の素材の内周部に対して同様に内スプライン33Aを切削加工で形成することとなる。すなわち、いずれの場合も丸軸状または円筒形の外表面に溝を切っていくこととなるため、加工のしやすさ、間違いのなさという観点からは、内スプライン33A加工時における上記溝切り加工代を外スプライン30Aと同じとする、すなわち、各冷却材通路R2の断面積を冷却材通路R1と同じにするのが、自然である。
【0059】
あるいは、前述したように冷却材通路R2のほうが冷却材通路R1よりも径方向外周側に位置することから、同一ピッチで考えた場合、通常は、円周長さの関係よりブレーキケース内スプライン33Aの数の方が回転軸外スプライン30Aの数よりも多くなる。このため、前述のように冷却材を冷却材通路R2を流した後冷却材通路R1へと流すように(あるいはその逆に流す場合も同様の事情である)した場合、流路総断面積を連続的に同一とするという観点からは、数の多い冷却材通路R2ひとつひとつの横断面積を、冷却材通路R1の横断面積よりも小さくすることも考えられる。
【0060】
ここで、冷却材通路R2の横断面積を小さくすることは、ブレーキケース内スプライン33Aとアウターディスク外スプライン32Aどうしがそれだけ深い噛合関係とすることとなり、アウターディスク外スプライン32Aの凹状部分の径方向寸法(=溝深さ)h2を深くすることとなる。しかしながら、確実な摩擦力伝達のための噛合時における面圧の確保という観点に立つと、前述したようにブレーキケース内スプライン33A及びアウターディスク外スプライン32Aは回転軸外スプライン30A及びインナーディスク内スプライン31Aよりも数が多いことから、全体で見ればブレーキケース内スプライン33Aとアウターディスク外スプライン32Aの噛合関係は比較的浅いままでも十分な面圧は確保でき、敢えてアウターディスク外スプライン32Aの凹状部分の径方向寸法h2を深くする必要はない。また、加工費用の面で見ると、アウターディスク外スプライン32Aの凹状部分の径方向寸法h2をできるだけ小さくするほうが、その溝切り加工代を小さくできてコスト低減を図れる。
【0061】
上記のように、冷却材通路R2の横断面積を、冷却材通路R1の横断面積よりも大きくすれば、ブレーキケース内スプライン33Aとアウターディスク外スプライン32Aは比較的浅い噛合関係となってアウターディスク外スプライン32Aの凹状部分の径方向寸法h2は浅くなるので、上記の加工代を小さくすることができる。したがってその分、加工費用を低減することができる。
【0062】
また、上記実施形態においては、冷却材通路R1を形成するために、回転軸外スプライン30Aの凸状部分の径方向寸法H1を、インナーディスク内スプライン31Aの凹状部分の径方向寸法h1よりも均一に小さくしたが、これに限られない。すなわち、インナーディスク内スプライン31Aの凸状部分の径方向寸法を回転軸外スプライン30Aの凹状部分の径方向寸法よりも均一に小さくし、これによって同様の冷却材通路を形成するようにしても良い。あるいは、これら両方の寸法関係を同時に満たすように設定してもよい。同様に、冷却材通路R2を形成するためにブレーキケース内スプライン33Aの凸状部分の径方向寸法H2を、アウターディスク外スプライン32Aの凹状部分の径方向寸法h2よりも均一に小さくするのに限られず、アウターディスク外スプライン32Aの凸状部分の径方向寸法をブレーキケース内スプライン33Aの凹状部分の径方向寸法より小さくしたり、これら両方の寸法関係を同時に満たすように設定してもよい。これらの場合も、上記実施形態同様、ディスク31,32における周方向均一冷却に基づく十分な冷却効果を得ることができる。
【0063】
さらに、上記実施形態においては、回転軸外スプライン30Aとインナーディスク内スプライン31Aとの間に周方向全周にわたって均一に冷却材通路R1を形成するとともに、ブレーキケース内スプライン33Aとアウターディスク外スプライン32Aとの間にも周方向全周にわたって均一に冷却材通路R2を形成したが、必ずしもこれらの両方が必要なわけではない。すなわち、回転軸外スプライン30Aとインナーディスク内スプライン31Aとの間、若しくは、ブレーキケース内スプライン33Aとアウターディスク外スプライン32Aとの間のいずれか一方については、従来構造と同様の欠歯方式により冷却材を流通させるようにしてもよい。この場合も、周方向に均一な冷却材通路R1又は冷却材通路R2のいずれか1つが設けられることにより、少なくとも、均一冷却材通路が全く存在しなかった欠歯方式の従来構造よりは、周方向均一冷却を向上できるので、多数のディスク31,32全体として十分な冷却効果を得ることができる。
【0064】
さらに、上記実施形態においては、第1・第2内・外噛合部としてディスク31,32に内・外スプライン31A,32Aを、また回転軸30には外スプライン30Aを、ブレーキケース33には内スプライン33Aを設けたが、このようなスプラインに限られない。すなわち、前述したようなディスク31,32の軸方向摺動を許容しつつブレーキケース33及び回転軸30との係合が可能な構造であれば歯車等他の構成でもよい。これらの場合も同様の効果を得る。
【0065】
さらに、以上は、本発明の湿式多板摩擦力伝達装置の一例として、クレーンに用いられる湿式多板ブレーキ装置を例にとって説明したが、本発明の適用はこれに限られず、例えば大型ダンプカー等の車両や農業機械等に備えられる湿式多板ブレーキ装置に適用してもよい。さらに、ブレーキ装置に限られず、例えば、車両や農業機械の走行駆動系に用いられる、摩擦力を利用して回転する内歯伝達体(例えばドラム)からの回転駆動力をアウターディスク(例えばクラッチディスク等)、インナーディスク(例えばドリブンプレート等)を介し外歯伝達体(例えばギア)に伝える、いわゆる湿式多板クラッチ装置に適用してもよい。この場合も同様の効果を得る。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、多数の外・内噛合部の間に周方向全周にわたって、それぞれ同一形状、同一高さ、同一断面積の多数の冷却材通路を形成することができる。したがって、周方向に均一にまんべんなく冷却材が十分に行き渡るようになるので、各インナーディスク及び各アウターディスクにおいて周方向に均一に冷却を行うことができ、全体として十分な冷却効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用対象となる自走式クローラクレーンの全体構造を表す一部透視側面図である。
【図2】本発明の適用対象となる自走式クローラクレーンの全体構造を表す一部透視側面図である。
【図3】図1及び図2に示した自走式クローラクレーンのうち本発明の適用に係わる主巻ウインチ装置の構成を表す概念的構成図である。
【図4】図3に示した湿式多板ブレーキ装置25の詳細構造を表す縦断面図である。
【図5】図4中例えばA部拡大図、及び図5(a)中B−B断面による横断面図である。
【符号の説明】
9 主巻ウインチ装置
9A ウインチドラム
12 補巻ウインチ装置
12A ウインチドラム
13 第3ウインチ装置
13A ウインチドラム
14 吊上ウインチ用油圧モータ
16 補助ウインチ用油圧モータ
17 第3ウインチ用油圧モータ
24 遊星歯車機構
25 湿式多板式ブレーキ装置(湿式多板式摩擦力伝達装置)
26 キャリア軸
27 プラネタリギア
28 サンギア
30 回転軸(外歯伝達体)
30A 外スプライン(第1外噛合部)
31 インナーディスク
31A 内スプライン(第1内噛合部)
32 アウターディスク
32A 外スプライン(第2外噛合部)
33 ブレーキケース(内歯伝達体)
33A 内スプライン(第2内噛合部)
H1 凸状部分の径方向寸法
h1 凹状部分の径方向寸法
H2 凸状部分の径方向寸法
h2 凹状部分の径方向寸法
R1 冷却材通路(第1冷却材通路)
R2 冷却材通路(第2冷却材通路)

Claims (3)

  1. 外径側に多数の第1外噛合部を備えた外歯伝達体と、
    内径側に前記多数の第1外噛合部と噛合する多数の第1内噛合部を備えた複数のインナーディスクと、
    外径側に多数の第2外噛合部を備え、前記複数のインナーディスクの間に交互に差し込まれるように、かつそれら複数のインナーディスクと軸方向に密着し摩擦力を伝達可能に配置された複数のアウターディスクと、
    内径側に前記多数の第2外噛合部と噛合する多数の第2内噛合部を備えた内歯伝達体とを有し、
    前記多数の第1外・内噛合部は、それらの間に多数の第1冷却材通路を形成するように、第1外噛合部の凸状部分の径方向寸法を第1内噛合部の凹状部分の径方向寸法よりも周方向全周にわたって均一に小さくし、
    前記多数の第2外・内噛合部は、それらの間に、前記第1冷却材通路よりもそれぞれ断面積の大きい多数の第2冷却材通路を形成するように、第2内噛合部の凸状部分の径方向寸法を第2外噛合部の凹状部分の径方向寸法よりも周方向全周にわたって均一に小さくした
    ことを特徴とする湿式多板摩擦力伝達装置。
  2. キャリア軸、このキャリア軸により支持されるプラネタリギア、及びこのプラネタリギアに噛合するサンギアを備えた遊星歯車機構と;
    前記プラネタリギアに噛合するギアを内側に設けたウインチドラムと;
    このウインチドラムを回転する駆動力を発生し、その出力軸を前記サンギアに連結したモータと;
    外径側に多数の第1外噛合部を備え前記キャリア軸に連結された回転体と、内径側に前記多数の第1外噛合部と噛合する多数の第1内噛合部を備えた複数のインナーディスクと、外径側に多数の第2外噛合部を備え、前記複数のインナーディスクの間に交互に差し込まれるように、かつそれら複数のインナーディスクと軸方向に密着し制動力を伝達可能に配置された複数のアウターディスクと、内径側に前記多数の第2外噛合部と噛合する多数の第2内噛合部を備えた固定体とを有し、
    前記多数の第1外・内噛合部は、それらの間に多数の第1冷却材通路を形成するように、第1外噛合部の凸状部分の径方向寸法を第1内噛合部の凹状部分の径方向寸法よりも周方向全周にわたって均一に小さくし、前記多数の第2外・内噛合部は、それらの間に、前記第1冷却材通路よりもそれぞれ断面積の大きい多数の第2冷却材通路を形成するように、第2内噛合部の凸状部分の径方向寸法を第2外噛合部の凹状部分の径方向寸法よりも周方向全周にわたって均一に小さくした湿式多板ブレーキ装置と;
    を備えることを特徴とするウインチ装置。
  3. ロープを介し吊り荷を支持するフロント装置と、前記ロープを巻き取り巻き出すウインチ装置とを有し、
    このウインチ装置は、
    キャリア軸、このキャリア軸により支持されるプラネタリギア、及びこのプラネタリギアに噛合するサンギアを備えた遊星歯車機構と;
    前記プラネタリギアに噛合するギアを内側に設けたウインチドラムと;
    このウインチドラムを回転する駆動力を発生し、その出力軸を前記サンギアに連結したモータと;
    外径側に多数の第1外噛合部を備え前記キャリア軸に連結された回転体と、内径側に前記多数の第1外噛合部と噛合する多数の第1内噛合部を備えた複数のインナーディスクと、外径側に多数の第2外噛合部を備え、前記複数のインナーディスクの間に交互に差し込まれるように、かつそれら複数のインナーディスクと軸方向に密着し制動力を伝達可能に配置された複数のアウターディスクと、内径側に前記多数の第2外噛合部と噛合する多数の第2内噛合部を備えた固定体とを有し、
    前記多数の第1外・内噛合部は、それらの間に多数の第1冷却材通路を形成するように、第1外噛合部の凸状部分の径方向寸法を第1内噛合部の凹状部分の径方向寸法よりも周方向全周にわたって均一に小さくし、前記多数の第2外・内噛合部は、それらの間に、前記第1冷却材通路よりもそれぞれ断面積の大きい多数の第2冷却材通路を形成するように、第2内噛合部の凸状部分の径方向寸法を第2外噛合部の凹状部分の径方向寸法よりも周方向全周にわたって均一に小さくした湿式多板ブレーキ装置と;
    を備えることを特徴とするクレーン。
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