JP3536827B2 - 油圧ウインチ装置 - Google Patents

油圧ウインチ装置

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JP3536827B2
JP3536827B2 JP2001158220A JP2001158220A JP3536827B2 JP 3536827 B2 JP3536827 B2 JP 3536827B2 JP 2001158220 A JP2001158220 A JP 2001158220A JP 2001158220 A JP2001158220 A JP 2001158220A JP 3536827 B2 JP3536827 B2 JP 3536827B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クレーン等の建設
機械に搭載される油圧ウインチ装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の油圧ウインチ装置の一般的な構成
は、図4に示すように、駆動モータ100とその出力を減
速させてウインチドラム101に伝達する遊星歯車減速装
置102との間にクラッチ103を備えており、大荷重の低速
巻上げまたは巻下げ時にはそのクラッチ103を接続状態
とし、モータ出力を遊星歯車減速装置102を介してウイ
ンチドラム101に伝達する。すなわち、ウインチドラム1
01を低速回転、高トルクで駆動する。
【0003】一方、軽荷重の高速巻下げ時にはクラッチ
103を切断状態とし、駆動モータ100とウインチドラム10
1とを切り離し、それにより、吊荷及びフックの重量に
よる自由降下、いわゆるフリーフォールを行うようにな
っている(例えば特開昭59−217588号公報参照)。
【0004】ところが、軽荷重の高速巻下げを自由落下
で行う構成では、自由降下時の速度を制御するためにブ
レーキ装置が必要となる。この種のブレーキ装置は、通
常フートブレーキで構成されているために微操作が難し
く、思いどおりに減速または停止させることが難しい。
また、ブレーキ操作を頻繁に行うとブレーキドラムが発
熱して制動能力が低下したりブレーキ装置が傷むという
問題もある。さらには、巻上げについては常に遊星歯車
減速装置を介し低速で行うことになるため、軽荷重を高
速で巻上げることができない。
【0005】そこで、特開平7−206384号公報では、高
速巻上げや高速巻下げが可能であり、しかもフリーフォ
ールも可能にしたウインチ駆動装置が提案されている。
【0006】このウインチ駆動装置は、ウインチドラム
の外部であってそのウインチドラムと駆動モータとの間
に第1遊星ギヤ列と第2遊星ギア列を軸方向に並べて配
置するとともに各遊星ギヤ列にクラッチを設けており、
各クラッチのいずれか一方を接続すれば巻上げまたは巻
下げを行うにあたり高速と低速の速度切換えが行えるよ
うになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のウインチ駆動装置では、ウインチドラムと駆動
モータとの間に複数のクラッチを設けたことによってウ
インチ駆動装置の軸方向長さが増加するため、機体カバ
ー内にウインチ駆動装置を収容する場合にその周辺にレ
イアウトする配管や機器のレイアウトを変更しなければ
ならない。また、配管や機器のレイアウトを変更するこ
とができない場合にはクラッチを組み込んだ分、ウイン
チドラムのドラム長を縮小してウインチ駆動装置を構成
しなければならず、ウインチ巻上げ能力が低下すること
を犠牲にしなければならない。
【0008】本発明は以上のような従来のウインチ駆動
装置における課題を考慮してなされたものであり、巻上
げ能力を犠牲にすることなくフリーフォールに代えて高
速巻下げが行える油圧ウインチ装置を提供するものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ウインチドラ
ムと、このウインチドラムの軸心に配置されるドラム軸
と、このドラム軸まわりに設けられた遊星歯車装置と、
ドラム軸を回転させる油圧モータとを有する油圧ウイン
チ装置において、ドラム軸にサンギヤを有し、ウインチ
ドラム内に、そのサンギヤと歯合する状態で複数の遊星
歯車が配置され、それらの遊星歯車と歯合する状態で遊
星歯車の外側にリングギヤが配置され、このリングギヤ
の内周側に第一クラッチ、外周側に第二クラッチがそれ
ぞれ設けられ、この両クラッチはそれぞれドラム軸方向
に対向配置された摩擦リングを有するとともに、第一ク
ラッチの摩擦リング同士が接続する一方で第二クラッチ
の摩擦リング同士が切断されることにより、遊星歯車が
リングギヤを介しドラム軸に固定された状態で回転し、
また、第一クラッチの摩擦リング同士が切断される一方
で第二クラッチの摩擦リング同士が接続されることによ
り、遊星歯車がウインチドラムに固定されたリングギヤ
に沿って自転しながら公転し、それにより、油圧モータ
の回転力が異なる減速比でウインチドラムに伝達される
ように構成された油圧ウインチ装置である。
【0010】本発明に従えば、第一クラッチが接続状態
で第二クラッチが切断状態であるときにウインチドラム
はフリーフォールに代えて高速回転し、第一クラッチが
切断状態で第二クラッチが接続状態であるときに低速回
転する。また、各クラッチにおいて対向配置される摩擦
リングの一方を、上記第一クラッチと第二クラッチの間
に介設されたリングギヤの外周部と内周部とに支持する
とともに、そのリングギヤを遊星歯車を介してドラム軸
に歯合させて減速手段の構成の一部として使用している
ため、径方向および軸方向の両方向にコンパクト化が図
れるようになる。
【0011】本発明において、第一クラッチにおける他
方の摩擦リングは、ドラム軸の外周部に支持されるとと
もにドラム軸方向に移動するように構成することが好ま
しい。
【0012】上記遊星歯車のキャリアをドラム軸に設け
られた第二のサンギヤと歯合させ、この第二のサンギヤ
を第二の遊星歯車を介して上記ウインチドラムの内歯に
歯合させることができる。
【0013】本発明において、上記第一クラッチと第二
クラッチを、それぞれ圧油の供給を受けて互いに逆方向
に動作するクラッチシリンダに接続し、切り換え可能に
構成することが好ましい。
【0014】また、クラッチシリンダの作動を制御する
制御手段を備えることができる。この場合、制御手段
は、負荷の大きさを検出する負荷検出センサを有し、負
荷が所定の範囲内であるときにクラッチシリンダに対し
て圧油を供給するように構成することができる。
【0015】また、上記制御手段は、高速巻上げまたは
高速巻下げを指令する切換スイッチがオンされたとき
に、第一クラッチが接続される方向への圧油の供給を開
始するように構成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施の形態に
基づいて本発明を詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明に係る油圧ウインチ装置の
一実施形態を示したものである。
【0018】同図において、1はクレーンにおける上部
旋回体のフレームに据え付けられる左スタンド、2は同
じく右スタンドであり、両スタンド1,2に跨がって円
筒状のウインチドラム3が設けられている。なお、以
下、ウインチドラム3における左スタンド1側を前側、
右スタンド2側を後側として説明する。
【0019】右スタンド2には油圧モータ4が取り付け
られており、その出力軸4aは、カップリング5を介し
ウインチドラム3の軸心に配置されたドラム軸6に接続
されている。このドラム軸6の前端部6aは、左スタン
ド1の軸受け部1aに備えられたベアリング7によって
回転自在に支持されている。
【0020】8はドラム軸6を回転軸として回転する円
筒状のリングギヤであり、その後部には拡径部8aが形
成され、その拡径部8aの内側に内歯8bが形成されて
いる。一方、リングギヤ8の前部には第一クラッチ9及
び第二クラッチ10が設けられている。
【0021】以下、各クラッチ9,10の構成について
説明する。
【0022】まず第一クラッチ9はリングギヤ8の内周
側に配置されており、図2の拡大図に示すように、複数
枚の摩擦リング(他方の摩擦リング)9aとこの摩擦リ
ング9aの各隙間に配置される複数枚の摩擦リング(摩
擦リングの一方)8cとから構成されている。各摩擦リ
ング9aは鍔状に形成されており、ドラム軸6の外周面
に形成されているスプライン溝に案内されて移動できる
ようになっている。
【0023】これに対し、摩擦リング8cはリングギヤ
8の内周面に形成されているスプライン溝に案内されて
ドラム軸方向に移動できるようになっている。
【0024】図中、最も左側の摩擦リング9aは、ドラ
ム軸6に嵌合されそのドラム軸6上を摺動するリング状
のピストン11によって矢印A方向に押されるようにな
っており、このピストン11内周面とドラム軸6外周面
との間に確保された隙間に、予め付勢力が働く状態で圧
縮コイルばね12が収納されている。
【0025】この圧縮コイルばね12はピストン11を
矢印A方向と逆方向に付勢しているため、ピストン11
が作動していないときは第一クラッチ9は切断状態とな
っているが、ピストン11がその圧縮コイルばね12の
付勢力に抗して矢印A方向に移動した場合は、摩擦リン
グ9aと摩擦リング8cが接続されリングギヤ8はドラ
ム軸6に一体となる。
【0026】なお、ピストン11は、図1に示すスイベ
ルジョイント13及び油路14を通じて供給される圧油
によって移動することができ、ピストン11の後退移動
限界はストッパ6aによって規制されるようになってい
る。
【0027】次に、第二クラッチ10は、一定の間隔を
空けて上記リングギヤ8の外周面から鍔状に形成される
複数枚の摩擦リング(摩擦リングの一方)8dと、それ
らの摩擦リング8dの各隙間に配置される複数枚の摩擦
リング15aとから構成されている。
【0028】各摩擦リング15aは、ハウジング15の
内側に形成されているスプライン溝に案内されてドラム
軸方向に移動するようになっており、図中、最も左側の
摩擦リング15aはピストン16に当接している。
【0029】このピストン16とハウジング座面15b
との間には圧縮コイルばね17が装着されピストン16
を矢印A方向に付勢しているため、ピストン16が作動
していないときは摩擦リング8dと摩擦リング15aと
は接触状態となっておりリングギヤ8とハウジング15
とを一体に保持している。
【0030】なお、上記圧縮コイルばね17の一方端部
はピストン16に形成された筒孔16a内に収納されて
おり、油路18cを通じて圧油を貯留室18bに圧油を
供給すると、圧縮コイルばね17の付勢力に抗してピス
トン16が矢印B方向に後退する。
【0031】ピストン16が矢印B方向に後退すると摩
擦リング15aと摩擦リング8dの接続が断たれ、第二
クラッチ10が遮断状態となる。
【0032】このように、上記第一クラッチ9とこの第
二クラッチ10は互いに逆動作するように構成されてい
る。
【0033】また、本実施形態では第一クラッチ9と第
二クラッチ10をウインチドラム3内に収容し、さらに
ドラム軸6の径方向に対応させて配置したため、油圧ウ
インチ装置の軸方向長さを短縮してコンパクトにするこ
とができる。
【0034】なお、図中8eはリングギヤ8のリム部で
あり、このリム部8eとドラム軸6との間にはベアリン
グ19が設けられている。
【0035】図1に戻って説明する。
【0036】リングギヤ8の内歯8bに対応してドラム
軸6には第一サンギヤ6bが形成されており、内歯8b
と第一サンギヤ6b双方に歯合する状態で遊星歯車20
が配列されている。
【0037】各遊星歯車20は遊星キャリア21によっ
て支持されており、この遊星キャリア21の後部には階
段状に小径部21aが形成されており、この小径部21
aの内面に内歯21bが形成されている。この内歯21
bは、第二サンギヤ22の前部に歯合しており、従って
遊星キャリア21と第二サンギヤ22は一体に回転す
る。
【0038】また、第二サンギヤ22はウインチドラム
3の内面側に形成された内歯3aと対応するようになっ
ており、第二サンギヤ22と内歯3a双方に歯合する状
態で第二遊星歯車23が配列されている。この第二遊星
歯車23は、右スタンド2から延設された胴部2aによ
って回転自在に支持されている。
【0039】上記第二遊星歯車23を介して回転力が伝
達されるウインチドラム3は、右スタンド2に対しては
ベアリング24及び25を介して、また、左スタンド1
に対してはベアリング26を介して回転自在に支持され
ている。
【0040】図3は上記構成を有する油圧ウインチ装置
の油圧回路を示したものである。
【0041】同図において、巻上げまたは巻下げ操作用
のリモコン弁30は、油圧モータ4に対し方向及び流量
が制御された圧油を供給するためのコントロールバルブ
31に接続されており、操作レバー30aを巻上げ方向
に操作すると、パイロットポンプ32から減圧弁30b
を通じて送り出されるパイロット圧がパイロットポート
31aに与えられ、コントロールバルブ31は中立位置
aから巻上げ位置bに切り換わり、給排路33及びカウ
ンタバランス弁34を通じて油圧モータ4に圧油が供給
され、油圧モータ4が巻上げ方向に回転する。
【0042】一方、操作レバー30aを巻下げ方向に操
作すると、減圧弁30cを通じてパイロット圧がパイロ
ットポート31bに与えられ、コントロールバルブ31
は中立位置aから巻下げ位置cに切り換わり、給排路3
5を通じて油圧モータ4に圧油が供給され、油圧モータ
4が巻下げ方向に回転する。
【0043】この油圧モータ4には油圧モータブレーキ
36が備えられており、操作レバー30aの非操作時に
はシリンダ36a内のピストン36bが、ばね36cに
よって作動し油圧モータ4の出力軸4aを制動するよう
になっている。
【0044】また、シリンダ36aの前側には油室36
dが設けられ、パイロットポンプ32からの圧油が切換
弁37を介して導入されるようになっている。この切換
弁37は通常、d位置にありパイロットポンプ32から
遮断されているが、操作レバー30aが巻上げまたは巻
下げ方向のいずれか一方に操作されると、高圧選択弁3
8及び油路39を通じてブレーキ解除圧がパイロットポ
ート37aに与えられてe位置に切り換わるようになっ
ている。それにより、油室36d内に圧油が送り込ま
れ、ピストン36bがばね36cの付勢力に抗して矢印
e方向に後退し、油圧モータ4に対する制動が解除され
るようになっている。
【0045】上記切換弁37の下流側油路から分岐され
た分岐油路40には電磁切換弁41が接続されており、
この電磁切換弁41から送り出される高速巻上げまたは
巻下げ圧がパイロット切換弁42のパイロットポート4
2aに与えられる。そしてこのパイロット切換弁42か
ら送り出される圧油が第一クラッチ9を作動させるクラ
ッチシリンダ43のヘッド側油室と第二クラッチ10を
作動させるクラッチシリンダ44のロッド側にそれぞれ
並列に供給される。
【0046】また、上記高圧選択弁38で発生する巻上
げまたは巻下げ圧は、例えば圧力スイッチから構成され
る油圧センサ45によって検出され、上記給排路33の
回路圧は油圧センサ46によって検出され、各検出結果
はコントローラ47に与えられる。このコントローラ4
7にはモード切換スイッチ48が接続されており、モー
ド切換スイッチ48が押下されると、コントローラ47
は上記油圧センサ45,46からの検出結果に応じて上
記電磁制御弁41を制御する。
【0047】次に、上記構成を有する油圧回路の動作に
ついて説明する。
【0048】a通常モード時 モード切換スイッチ48がオフの場合、操作レバー30
aを巻上げ方向に操作すると、減圧弁30bからレバー
ストローク量に応じたパイロット圧が導出され、高圧選
択弁38を通じて切換弁37のパイロットポート37a
に巻上げ圧が導入され、切換弁37が遮断位置dから連
通位置eに切り換わる。それにより、油圧モータブレー
キ36の油室36dに圧油が導入されて油圧モータ4の
ブレーキが解除され、油圧モータ4が回転可能になる。
【0049】減圧弁30bからの巻上げ圧はコントロー
ルバルブ31のパイロットポート31aにも与えられ、
コントロールバルブ31は中立位置aから巻上げ位置b
に切り換わる。
【0050】通常モード時ではパイロット切換弁42は
タンク連通位置fに固定されているため、クラッチシリ
ンダ43におけるヘッド側油室の圧力は開放されてお
り、第一クラッチ9のピストン11は圧縮コイルばね1
2の付勢力によって図2の矢印A方向と逆方向に戻され
てストッパ6aと当接している。従って第一クラッチ9
は空転している。
【0051】一方、クラッチシリンダ44におけるロッ
ド側油室の圧力も開放されているため、第二クラッチ1
0は、その圧縮コイルばね17の付勢力によって接続状
態となっている。従ってリングギヤ8は左スタンド1か
ら延設されたハウジング15と一体となり固定されてい
る。
【0052】この状態で、油圧モータ4が回転すると、
その出力トルクがカップリング5を通じてドラム軸6に
伝達され、第一サンギヤ6bと歯合する遊星歯車20
は、固定されたリングギヤ8の内歯8bと噛み合いなが
ら回転し、遊星歯車20を支持している遊星キャリア2
1も回転する。このとき、第一サンギヤ6bに入力され
た動力は減速され、トルク増幅されて第二サンギヤ22
に伝達される。
【0053】この第二サンギヤ22が回転すると、固定
されている胴部2aを回転軸として第二遊星歯車23が
回転し、ウインチドラム3の内歯3aと噛み合うことに
よりウインチドラム3が回転する。このとき、第二サン
ギヤ22に入力された動力はさらに減速、トルク増幅さ
れてウインチドラム3に伝達される。
【0054】従って、通常モードでは油圧ポンプ50か
ら供給される圧油によって油圧モータ4は減速された状
態で巻上げ方向に回転する。
【0055】なお、操作レバー30aを巻下げ方向に操
作した場合も、油圧モータ4が逆方向に回転する以外
は、動作は上記した巻上げ動作と基本的に同じである。
【0056】b高速モード時 モード切換スイッチ48をオンすると、コントローラ4
7を介して電磁切換弁41が遮断位置hから連通位置i
に切り換わる。ただし、コントローラ47は、油圧セン
サ45の出力を監視することにより巻上げまたは巻下げ
操作が行われているかどうか、そして油圧センサ46の
出力を監視することにより給排油路33の回路圧が切り
換え許容範囲(所定の範囲)内にあるかどうかを判断し
ている。
【0057】油圧センサ46において、回路圧が低い場
合、すなわち、負荷が極めて小さい場合は、微操作(イ
ンチング操作)が必要となるため、コントローラ37は
電磁切換弁41に対して高速巻上げ信号または巻下げ信
号を出力せず、第二クラッチ10を接続状態として低速
を維持する。そして回路圧が上昇することによってある
程度負荷が増加したと判断したら本実施形態の高速モー
ドに切り換える。また、重量物を吊る場合は、高速動作
は危険であるために高速に切り換わらないようにしてい
る。
【0058】高速モードにおいて、電磁切換弁41が連
通位置iに切り換わると、パイロット切換弁42が開放
位置fから連通位置gに切り換わり、クラッチシリンダ
43及び44にそれぞれ圧油が供給される。圧油が供給
されたクラッチシリンダ43は、第一クラッチ9を接続
状態とし、クラッチシリンダ44はこれとは逆に第二ク
ラッチ10を切断状態とする。
【0059】従ってリングギヤ8はハウジング15から
自由となり、ドラム軸6に固定されて一体に回転する。
この状態で、ドラム軸6の第一サンギヤ6bは、第一ク
ラッチ9が接続されていることによってリングギヤ8と
一体であるため、第一サンギヤ6bの入力はそのままの
回転数、トルクのまま遊星歯車20から遊星キャリア2
1を通じて第二サンギヤ22に伝達される。そしてその
第二サンギヤ22に歯合する第二遊星歯車23に介して
減速、トルク増幅されウインチドラム3の内歯3aに伝
達され、ウインチドラム3が高速回転する。
【0060】なお、上述した実施形態では複数の油圧セ
ンサ45,46及びモード切換スイッチ48から出力さ
れる3つの信号に基づいてウインチドラム3を高速回転
させるように構成したが、これに限らず、モード切換ス
イッチ48を省略し高速モードへの切り換えを自動化し
てもよく、さらにまた、油圧センサ46から出力される
単独の信号で高速モードへの切り換えを行うように構成
してもよい。
【0061】また、コントローラ47を搭載しない場合
には、例えば切換スイッチ48による切換信号あるいは
油圧センサ46から出力される信号を直接、電磁切換弁
41のソレノイドに入力してもよい。
【0062】また、上記した実施形態に示す油圧ウイン
チ装置では2段減速する構成を示したが、これに限ら
ず、3段以上減速するものであってもよい。
【0063】また、上記実施形態の油圧ウインチ装置は
固定容量形の油圧モータで構成したが、可変容量形油圧
モータを用い高速モードにおける速度を調整できるよう
に構成してもよい。
【0064】また、上記実施形態では第一クラッチ9を
ポジクラッチ、第二クラッチ10をネガクラッチ(クラ
ッチシリンダに圧油を供給することにより接続が解除さ
れる)としたが、これに限らず、第一クラッチ9と第二
クラッチ10の構成を、ネガクラッチ−ポジクラッチ、
ネガクラッチ−ネガクラッチ、或いはポジクラッチ−ポ
ジクラッチの組み合わせで構成することもできる。
【0065】また、上記実施形態では巻上げ時の負荷を
検出する目的で油圧センサ46を給排路33に設けた
が、これに限らず給排路35に設けることもできる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
請求項1の本発明によれば、ウインチドラム内に第一ク
ラッチと第二クラッチとを径方向に並べて配置したた
め、ウインチドラム長を縮小するといった巻上げ能力を
犠牲にすることなく、フリーフォールに代えて高速巻下
げを行うことができる。また、各クラッチにおいて対向
配置される摩擦リングの一方を、上記 第一クラッチと第
二クラッチの間に介設されたリングギヤの外周部と内周
部とに支持するとともに、そのリングギヤを遊星歯車を
介してドラム軸に歯合させて減速手段の構成の一部とし
て使用しているため、第一及び第二クラッチおよび減速
装置を含めてコンパクト化が図れ、ウインチドラム内に
容易に内蔵することができる。
【0067】請求項の本発明によれば、第一クラッチ
の他方の摩擦リングが、上記ドラム軸上で移動するよう
に構成したため、第一クラッチをコンパクトにすること
ができる。
【0068】請求項の本発明によれば、第二のサンギ
ヤが、第二の遊星歯車を介してウインチドラムの内歯に
歯合するように構成したため、減速装置もウインチドラ
ム内に収納することができる。
【0069】請求項の本発明によれば、第一クラッチ
と第二クラッチは、それぞれ圧油の供給を受けて互いに
逆方向に動作するクラッチシリンダに接続されているた
め、簡単な回路構成で速度切り換えが可能になる。
【0070】請求項5及び6の本発明によれば、クラッ
チシリンダに供給する圧油を制御する制御手段を備えた
ため、負荷が所定の範囲内であるときにクラッチシリン
ダに対して圧油を供給し、高速巻上げまたは巻下げを行
うことができる。
【0071】請求項の本発明によれば、切換スイッチ
がオンされたときにクラッチシリンダに対して圧油を供
給されるため、通常の巻上げ(または巻下げ)と高速の
巻上げ(または巻下げ)をオペレータの意志で使い分け
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る油圧ウインチ装置の構成を示す正
面縦断面図である。
【図2】図1のクラッチ部分の構成を示す要部拡大図で
ある。
【図3】本発明に係る油圧ウインチ装置の回路図であ
る。
【図4】従来の油圧ウインチ装置の原理を示すブロック
図である。
【符号の説明】
1 左スタンド 2 右スタンド 3 ウインチドラム 3a 内歯 4a 出力軸 4 油圧モータ 6 ドラム軸 6b 第一サンギヤ 8 リングギヤ 8c 摩擦リング 8d 摩擦リング 8b 内歯 9a 摩擦リング 9 第一クラッチ 10 第二クラッチ 11 ピストン 15 ハウジング 15a 摩擦リング 16 ピストン 20 遊星歯車 21a 小径部 21 遊星キャリア 22 第二サンギヤ 23 第二遊星歯車
フロントページの続き (56)参考文献 特開2001−199687(JP,A) 特開2001−316082(JP,A) 特開2001−19368(JP,A) 特開 平9−216793(JP,A) 実公 平7−11108(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66D 1/00 - 1/82

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウインチドラムと、このウインチドラム
    の軸心に配置されるドラム軸と、このドラム軸まわりに
    設けられた遊星歯車装置と、上記ドラム軸を回転させる
    油圧モータとを有する油圧ウインチ装置において、 上記ドラム軸にサンギヤを有し、上記ウインチドラム内
    に、そのサンギヤと歯合する状態で複数の遊星歯車が配
    置され、それらの遊星歯車と歯合する状態で遊星歯車の
    外側にリングギヤが配置され、このリングギヤの内周側
    に第一クラッチ、外周側に第二クラッチがそれぞれ設け
    られ、この両クラッチはそれぞれドラム軸方向に対向配
    置された摩擦リングを有するとともに、上記第一クラッ
    チの摩擦リング同士が接続する一方で第二クラッチの摩
    擦リング同士が切断されることにより、上記遊星歯車が
    上記リングギヤを介し上記ドラム軸に固定された状態で
    回転し、また、上記第一クラッチの摩擦リング同士が切
    断される一方で第二クラッチの摩擦リング同士が接続さ
    れることにより、上記遊星歯車が上記ウインチドラムに
    固定された上記リングギヤに沿って自転しながら公転
    し、それにより、上記油圧モータの回転力が異なる減速
    比で上記ウインチドラムに伝達されるように構成された
    ことを特徴とする油圧ウインチ装置。
  2. 【請求項2】 上記第一クラッチにおける他方の摩擦リ
    ングが、上記ドラム軸の外周部に支持されるとともにド
    ラム軸方向に移動するように構成されている請求項1記
    載の油圧ウインチ装置。
  3. 【請求項3】 上記遊星歯車のキャリアが上記ドラム軸
    に設けられた第二のサンギヤと歯合し、この第二のサン
    ギヤが第二の遊星歯車を介して上記ウインチドラムの内
    歯に歯合している請求項1または2記載の油圧ウインチ
    装置。
  4. 【請求項4】 上記第一クラッチと第二クラッチは、そ
    れぞれ圧油の供給を受けて互いに逆方向に動作するクラ
    ッチシリンダに接続されて切り換え可能に構成されてい
    る請求項1〜のいずれか1項に記載の油圧ウインチ装
    置。
  5. 【請求項5】 上記クラッチシリンダの作動を制御する
    制御手段を備えてなる請求項記載の油圧ウインチ装
    置。
  6. 【請求項6】 上記制御手段が、負荷の大きさを検出す
    る負荷検出センサを有し、負荷が所定の範囲内であると
    きに上記クラッチシリンダに対して上記第一クラッチが
    接続される方向に圧油を供給するように構成されている
    請求項記載の油圧ウインチ装置。
  7. 【請求項7】 上記制御手段が、高速巻上げまたは高速
    巻下げを指令する切換スイッチがオンされたときに、上
    記第一クラッチが接続される方向への圧油の供給を開始
    するように構成されている請求項または記載の油圧
    ウインチ装置。
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