JP4174119B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ装置、複写機あるいはこれらの複合機等の電子写真式の画像形成装置の改良に関し、特に、熱定着器にて発生する熱が画像形成部に伝導することを防止することができる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真式の画像形成装置に用いられる熱定着器は、転写紙上に形成されたトナー像を定着させるために摂氏120度以上の高温となる。一方、現像に使用されるトナー等を保持する現像ユニットは、トナーの変質を避けるためになるべく常温に保つ方が好ましい。トナーは、高温になると寿命が極端に短縮され、帯電量(Q)/質量(M)の特性値が小さくなることから性能が悪化することが知られている。そこで、一般的に現像ユニットは電動ファンにより冷却されている。例えば、特開平9−222841号公報に記載された「画像形成装置における冷却装置」においては、プリンタ本体のケーシングを利用し、冷却ファンを傾斜して配置することによって、冷却ファンから離れた位置への冷却性を向上させている。
また、特開平9−222841号公報に記載された「電子写真記録装置」おいては、電源ユニットが隣接する定着装置からの熱を受けにくいように、垂直方向の下から上に向かって電源を冷却した後、その冷却した空気を用いて定着装置から熱が伝わることを防止するようにしている。
即ち、ファンの気流を特定方向に導くようにケーシングの形状を設定したりダクトを設けることにより、ファンの気流によって現像ユニットを冷却する冷却効率を高める発明が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年の画像形成装置に対する小型化要望等により現像ユニットが定着装置とが近接配置される場合には、上記したように単にケーシング形状やダクトによりファンの気流を特定方向に導くのみでは不十分になってきた。
例えば、カラー現像装置におけるトナー(現像剤)は、摂氏38度より高温になるとQ/M特性値が極端に変化(劣化)し、このことがトナー飛散或いはトナーの寿命劣化の原因となる。従って、カラー現像装置においては、機械の保証温度が摂氏32度であるなら、内部の温度上昇を摂氏6度以下に抑制する必要がある。
しかし、レイアウト上、現像ユニットと定着装置とが近接する場合には、従来の方法のみにより内部の温度上昇を摂氏6度以下の低い値に抑制することは非常に困難である。
本発明では、画像形成装置のレイアウト上、現像ユニットが定着装置と近接する場合においても、内部の温度上昇を非常に低く抑制することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するため、請求項1に記載の本発明の画像形成装置は、像担持体上にトナー像を形成する現像ユニットと、前記現像ユニットとの間に空冷用ダクト収容空間を介して直接対向配置されて転写紙上のトナー像を定着させる定着器と、前記現像ユニットを冷却する気流を前記空冷用ダクト収容空間へ向けて送るファンと、前記空冷用ダクト収容空間内に配置されて前記ファンからの気流を内部に導入してから前記現像ユニットへ向けて排気させる空冷用ダクトと、を有する電子写真方式の画像形成装置であって、前記空冷用ダクトは、外壁を構成するダクト本体と、該ダクト本体に形成された気流導入口と、該ダクト本体内部に配置されて前記気流を前記現像ユニット側の気流と前記定着器側の気流とに分離するための仕切板と、該ダクト本体に設けられて前記現像ユニット側の気流を前記現像ユニットに向けて排気する開口部と、前記定着器からの輻射熱または空気伝導される熱を吸熱した前記定着器側の気流を前記開口部とは異なる向きに排気する排気口と、を備え、前記現像ユニットと前記定着器とを前記空冷用ダクトで遮蔽するようにしたことを特徴とする。
請求項2の本発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記開口部は、前記現像ユニットに対向して配置されていることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示した実施形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態であるフルカラーレーザービームプリンタ(LBP)の内部機構の一部を示す概略構成図である。
図1に示す様に、本実施形態のフルカラーレーザービームプリンタ(以下、プリンタと記す)は、表面に画像を形成する像担持体としての感光体ドラム1と、感光体ドラム1を帯電させるための帯電チャージャ2と、書き込み用レーザー光を発生させる書き込みユニット3と、静電潜像を現像してトナー像に形成する各色(ブラック(Bk)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M))の現像ユニット4a〜4dと、現像ユニット4a〜4dを回転可能に支持する現像ユニット支持部5と、各色の画像が重なった画像を一旦形成する中間転写ベルト6と、クリーニング前の電荷除去を行うプリクリーニングチャージャ7と、感光体ドラム1上の残りトナーをクリーニングする感光体クリーニングユニット8と、感光体ドラム1上に帯電した電荷を除去する除電器9と、トナー像が転写された転写紙18を搬送する2次転写ベルト10と、中間転写ベルト6上の残りトナーをクリーニングするクリーニングユニット11と、転写紙18を2次転写ベルト10から分離させる電荷を発生する分離チャージャ12と、転写紙18を後述する定着器14に搬送する搬送手段13と、転写紙18上のトナー画像を定着させる定着器14と、現像ユニット4a〜4d等を冷却する気流17を発生させるファン15と、気流17を導くダクト16とを備えている。尚、現像ユニット4a〜4dは、各々がブラック(Bk)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の各色に対応している。ダクト16は、現像ユニット4a〜4dと定着器14との間の僅かな空間(空冷用ダクト収容空間)に沿って、現像ユニット4a〜4dを定着器14から遮蔽するように配置されている。
【0006】
画像形成装置内部の給紙カセット等から給送された転写紙18は、中間転写ベルト6の転写位置の近傍に設けられている不図示のレジストローラまで搬送される。矢示方向に回転駆動される感光体ドラム1は、帯電チャージャ2により表面が一様に帯電され、書込ユニット20からの画像データに対応して変調されたレーザー光により走査されて表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム1上に形成された静電潜像は、現像ユニット4a〜4d中の1つの現像ユニットによってトナーが付着されたトナー像となり可視像化される。感光体ドラム1上のトナー像は、中間転写ベルト6上に転写される。感光体ドラム1上への静電潜像の形成から中間転写ベルト6へのトナー像の転写までを各色(ブラック(Bk)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M))について順に実施する。中間転写ベルト6上には、ブラック(Bk)→イエロー(Y)→シアン(C)→マゼンタ(M)の順にトナー像が重ねて転写される。中間転写ベルト6上に4色のトナー像が重なると、2次転写ベルト10が中間転写ベルト6に接すると共。転写紙18は、2次転写ベルト10上を搬送されて分離チャージャ12により除電されて2次転写ベルト10と分離する。除電された転写紙18は、続いて搬送手段13により定着器14に搬送される。転写紙18上の4色のトナー像は、定着器14により定着される。
中間転写ベルト6上にトナー像が転写された後の感光体ドラム1は、プリクリーニングチャージャ7にて一旦逆電荷が印加されてから感光体クリーニングユニット8によりクリーニングされ、除電器9にて除電され、次の静電潜像の形成が行われる。
一方、2次転写ベルト10へ4色のトナー像を転写した後の中間転写ベルト6は、ベルトクリーニングユニット11によりクリーニングされる。
ダクト16は、現像ユニット4a〜4dと定着器14との間に両者を遮蔽する範囲にわたって設置され、ファン15から発生した気流(装置外の外気)17は、ダクト16の上部に設けられた開口部19a(気流導入口)からダクト16内に流入し、ダクト16の内部を流れてダクト16の後端或いは下端に設けられた別の開口部19bから排出される。
【0007】
図2は、図1のダクト16の詳細な構造を示す図であり、図3は、図2のA−A’断面図である。
図2及び図3に示すように、ダクト16内には、図中における上側の気流17aと、下側の気流17b及び17cとを仕切るように仕切板20が設けられる。また、ダクト16の上蓋部16aの側面板16d側位置にはスリット形状に開口された開口部23(19b)が設けられる。また、ダクト16の側面板16c側には開口部22が設けられ、開口部22から排出される下側の気流17b及び17cをダクト16から所定排出位置まで導くための排出ダクト21が接続されている。また、側面板16dの内部には開口部23よりも側面板16d寄りの位置に側面板16dと平行に仕切板24が設けられている。
ファン15から発生した気流17a〜17cは、ダクト16の開口部19から流入し、仕切板20により、ダクト16内において仕切板20の上側を流れる気流17aと下側を流れる気流17b、17cに分離される。上側の気流17aは、ダクト16の上蓋部16aと仕切板20との間を仕切板24まで流れて開口部23から排出される。一方の下側の気流17bは、ダクト16の下蓋部16bと仕切板20との間を仕切板24まで流れた後、仕切板24に沿って流れ、開口部22から排出ダクト21を介して排出される。他方の下側の気流17cは、ダクト16の下蓋部16bと仕切板20との間を仕切板24まで流れ、開口部22から排出ダクト21を介して排出される。
【0008】
尚、図2中ではダクト16の上側中央部を流れる気流17aのみ示しているが、上側を流れる気流17aはダクト16の上蓋部16aと仕切板20との間の全体を流れている。また、図2中ではダクト16の両端部を流れる気流17b及び17cのみ示しているが、下側を流れる気流17b及び17cは、ダクト16の下蓋部16bと仕切板20との間の全体を流れている。
下側を流れる気流17b及び17cは、定着器14からダクト16の下蓋部16bに向けて輻射される熱、或いは空気伝導される熱を吸熱して開口部22から排出ダクト21を介して排出される。このため、定着器14からダクト16の下蓋部16bに向けて輻射或いは空気伝導される熱は、仕切板20により遮蔽された上側を流れる気流17aに直接に吸熱されることはない。
従って、本発明では、ファン15から発生した上側の気流17aは、定着器14からの熱によりほとんど温度上昇せずに現像ユニット4a〜4dを冷却することとなり、レイアウト上から現像ユニットが定着装置と近接する場合においても、内部の温度上昇を非常に低く抑制することができ、カラー現像装置のトナーが劣化することを避けることができる。
また、本発明では、一つのファン15から発生しダクト内に流入する気流を仕切板20により分割してダクト16内の上側を流れる気流17aと下側を流れる気流17b及び17cという2つの経路を流れる気流とし、ファンを追加させずに2経路の気流を得ているので、構成を簡単にできコストを押さえることができる。
【0009】
【発明の効果】
上記のように本発明では、画像形成装置のレイアウト上から現像ユニットが定着装置と近接する場合においても、内部の温度上昇を非常に低く抑制することができ、カラー現像装置のトナーが劣化することを避けることができる。
また、ファンを追加させずに2経路の気流を得ているので、構成を簡単にできコストを押さえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態であるフルカラーレーザービームプリンタ(LBP)の内部機構の一部を示す概略構成図である。
【図2】(a)、(b)は図1のダクトの詳細な構造を示す図である。
【図3】図2のA−A’断面図である。
【符号の説明】
1・・・感光体ドラム、2・・・帯電チャージャ、3・・・書込ユニット、4・・・現像ユニット、5・・・現像ユニット支持部、6・・・中間転写ベルト、7・・・プリクリーニングチャージ、8・・・感光体クリーニングユニット、9・・・除電器、10・・・2次転写ベルト、11・・・クリーニングユニット、12・・・分離チャージャ、13・・・搬送手段、14・・・定着器、15・・・ファン、16・・・ダクト、17・・・気流、18・・・、19、22、23・・・開口部、20、24・・・仕切板、21・・・ダクト
Claims (2)
- 像担持体上にトナー像を形成する現像ユニットと、前記現像ユニットとの間に空冷用ダクト収容空間を介して直接対向配置されて転写紙上のトナー像を定着させる定着器と、前記現像ユニットを冷却する気流を前記空冷用ダクト収容空間へ向けて送るファンと、前記空冷用ダクト収容空間内に配置されて前記ファンからの気流を内部に導入してから前記現像ユニットへ向けて排気させる空冷用ダクトと、を有する電子写真方式の画像形成装置であって、
前記空冷用ダクトは、外壁を構成するダクト本体と、該ダクト本体に形成された気流導入口と、該ダクト本体内部に配置されて前記気流を前記現像ユニット側の気流と前記定着器側の気流とに分離するための仕切板と、該ダクト本体に設けられて前記現像ユニット側の気流を前記現像ユニットに向けて排気する開口部と、前記定着器からの輻射熱または空気伝導される熱を吸熱した前記定着器側の気流を前記開口部とは異なる向きに排気する排気口と、を備え、前記現像ユニットと前記定着器とを前記空冷用ダクトで遮蔽するようにしたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記開口部は、前記現像ユニットに対向して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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