JP4174021B2 - 車両用フロア装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用フロア装置に係り、特に、車室のフロアが比較的高く設定されているために、乗降口に一段低くなるようにステップが設けられた車両に適用され、乗降時以外はステップ上の空間を塞いで車両フロアの有効面積を拡大させる構造を備えた車両用フロア装置に関する。
一般に、ワンボックスカー等の車両においては、車室のフロアが比較的高く設定されているため、車両フロアの乗降口側には、一段低くなるようにステップが設けられている。しかし、単に、車両フロアの乗降口にステップを設けた従来の乗降ステップ構造では、ステップを設けた分だけ車両フロアの有効面積が小さくなるため、実用上において以下のような問題点があった。すなわち、ステップの側部や後部の車両フロア上には座席が設置されているが、これら座席に着座した乗員の足元にステップを設けたことによって凹部空間が形成されるために、乗員が不自然な着座姿勢を強いられたり、或いは車室内に積み込んだ荷物が前記凹部空間へ落下してしまったりするという問題があった。そこで、これらの事情に鑑み、種々の車両用フロア装置等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1に記載の車両フロア構造は、乗車口にフロアより一段低いステップを有した車両において、ステップの上方に設けられると共にフロアの縁部に回動自在に設けられたステップカバーを備えるものである。この特許文献1に記載の車両フロア構造では、スライドドアが開けられることにより、ステップカバーに連結されたワイヤにステップ側面方向への張力が生じ、ステップカバーがフロアとステップとの間の側面部に格納されて乗降口にステップを出現させる構成となっている。また、スライドドアが閉められることにより、ワイヤの張力が消失して、ステップカバーが車両フロアと同一面上に並ぶように展開され、ステップの上方における凹部空間が塞がれて車両フロアの面積が拡大する構成となっている。
実公平7−10957号公報(第2頁、図1−図6)
しかしながら、特許文献1に記載の車両フロア構造は、車両フロアの有効面積を拡大させる機能を有するものであるが、乗降車時においてステップ部の面積を拡大する構造を備えたものではないので、乗員の乗降車を補助することができないという問題がある。また、特許文献1に記載の車両フロア構造では、ステップカバーを回動させるワイヤが必要になると共に、ワイヤの配線処理が必要になるなど、装置全体の構造がたいへん複雑である。従って、上記特許文献1に記載の車両フロア構造を、一般的なワンボックスカーや、いわゆるミニバンなどの乗用車等に容易に搭載することは困難であるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、簡易な構成で、車両フロアを拡大することができると共に乗員の乗降車時における利便性を向上させることが可能な車両用フロア装置を提供することにある。
前記課題は、請求項1に記載の車両用フロア装置によれば、車両フロアの乗降口側と連続するように設けられると共に、車両内側に格納された格納状態と格納状態から車両外側へ向けてスライドされた展開状態とに変位可能な可動フロアと、可動フロアが設けられた乗降口に該可動フロアよりも低くなるように設けられると共に、車両内側に格納された格納状態と格納状態から車両外側へスライドされた展開状態とに変位可能な可動ステップと、前記可動フロアを車両内側へスライドさせることに連動させて前記可動ステップを車両外側へスライドさせると共に、前記可動フロアを車両外側へ向けてスライドさせることに連動させて前記可動ステップを車両内側へスライドさせる駆動部と、を備えてなること、により解決される。
このように、本発明の車両用フロア装置によれば、車両フロアの乗降口側と連続するように設けられると共に、車両内側に格納された格納状態と格納状態から車両外側へ向けてスライドされた展開状態とに変位可能な可動フロアを備える構成となっているので、乗車後に、可動フロアを車両外側へ展開させることにより、可動ステップの上方に形成された凹部空間を塞ぐことが可能となるので、車両フロアの有効面積を拡大させることが可能となる。このように、可動ステップの上方に形成された凹部空間を塞ぐことにより、乗員が不自然な着座姿勢を強いられたり、或いは車室内に積み込んだ荷物が凹部空間へ落下してしまったりすることを防止することが可能となるので、より快適な車内空間とすることが可能となる。
また、本発明の車両用フロア装置によれば、上記可動フロアが設けられた乗降口に可動フロアよりも低くなるように設けられると共に、車両内側に格納された格納状態と格納状態から車両外側へスライドされた展開状態とに変位可能な可動ステップを備える構成となっているので、乗降車時に、可動ステップを車両外側に展開させることにより、乗員が可動ステップを乗降用の補助ステップとして使用することが可能となる。これにより、乗員が老人や子供であっても可動ステップを用いて容易に乗り降りすることが可能となる。
さらに、本発明の車両用フロア装置では、乗降車を補助するための可動ステップが、車両フロアを拡大させるための可動フロアとは別体に設けられている。従って、可動ステップは、車両フロアの面積を拡大させるための機能を備える必要がなく、乗降車を補助するための機能のみを備えていれば良いので、例えば、その表面に滑り止め部材を配設するなど、可動フロアとは異なる形状や機能を追加することができる。また、可動フロア側には、カーペットを貼り付けるなどして車両フロアとの一体感を図ることが可能となる。
また、本発明の車両用フロア装置では、可動フロアを車両内側へスライドさせることに連動させて可動ステップを車両外側へスライドさせると共に、可動フロアを車両外側へ向けてスライドさせることに連動させて可動ステップを車両内側へスライドさせる駆動部を備えた構成となっている。従って、上述のように、乗降車を補助するための可動ステップが、車両フロアを拡大させるための可動フロアとは別体に設けられていても、これら可動ステップと可動フロアとを共通の駆動部を用いてスライドさせることができるので、可動ステップと車両フロアとそれぞれ別個の駆動部を用いて駆動させる場合と比較して、駆動部の構成をコンパクトにできると共に、その構成を簡略化することにより製造コストを低減させることが可能となる。
このとき、請求項2に記載のように、本発明の車両用フロア装置において、前記駆動部は、より具体的には、出力軸を有する駆動モータと、一端が可動フロアに連結されると共に、他端が可動ステップに連結され、出力軸の回動に伴って両端部を揺動可能なリンク部材と、を有して構成される。このように、本発明の車両用フロア装置では、可動フロアと可動ステップとを駆動させるための機構がモータとリンク機構を用いた非常に簡易な構成であるので、装置全体を簡略化および小型化でき好適である。
また、請求項3に記載のように、請求項2に記載の駆動部におけるリンク部材の両端部には、さらに具体的には、リンク部材の長手方向に延びる第一,第二の長孔が形成され、可動フロアには、第一の長孔に挿入され第一の長孔の長手方向に沿って移動可能な第一のピンが形成され、可動ステップには、第二の長孔に挿入され第二の長孔の長手方向に沿って移動可能な第二のピンが形成される。ここで、リンク部材の両端部に可動フロアおよび可動ステップを直接接続した場合には、リンク部材の回動に伴って、可動フロアおよび可動ステップが弧を描くように移動されてしまうが、本発明の車両用フロア装置では、上記構成により、リンク部材の回動に伴って、第一のピンとリンク部材の回動中心との相対的な距離、および第二のピンとリンク部材の回動中心との相対距離を、可動フロアおよび可動ステップがスライドする軌跡に応じてそれぞれ可変させることができる。これにより、リンク部材の回動に伴って可動フロアおよび可動ステップを直線的にスライドさせるという構成を確実に実現することが可能となる。
さらに、上述のように、リンク部材の回動に伴って可動フロアおよび可動ステップを直線的にスライドさせた場合でも、本発明の車両用フロア装置では、上述のように、第一のピンが第一の長孔内を移動可能に構成され、第二のピンが第二の長孔内を移動可能に構成されているので、リンク部材が回動する際における第一のピンとリンク部材の回動中心との距離、および第二のピンとリンク部材との回動中心との距離がリンク部材の回動に応じて最適に調整される。これにより、第一のピンおよび第二のピンによってリンク部材の回動軸にかかる負荷を低減することができるので、可動フロアおよび可動ステップを円滑にスライドさせることが可能となる。
また、請求項4に記載のように、本発明の車両用フロア装置において、可動フロアと可動ステップとは、さらに具体的には、可動フロアが展開状態で可動ステップが格納状態にあるときに、車両上下方向に重なるように配置されると共に、可動ステップは、可動フロアが格納状態で可動ステップが展開状態にあるときに、可動フロアよりも車両外側に配置される。ここで、本発明の車両用フロア装置では、上述のように、可動フロアを車両内側へスライドさせることに連動させて可動ステップを車両外側へスライドさせると共に、可動フロアを車両外側へ向けてスライドさせることに連動させて可動ステップを車両内側へスライドさせる構成となっている。
すなわち、本発明の車両用フロア装置では、可動ステップは、可動フロアと車両上下方向に重なるように配置された格納状態から、可動フロアのスライド方向とは反対の方向へスライドすることにより、可動フロアよりも車両外側へ配置された展開状態となる。また、可動ステップは、可動フロアよりも車両外側へ配置された展開状態から、可動フロアのスライド方向とは反対の方向へスライドすることにより、可動フロアと車両上下方向に重なるように配置された格納状態となる。この構成により、可動ステップが格納状態から展開されるまでに要する時間あるいは可動ステップが展開状態から格納されるまでに要する時間を、可動フロアをスライドさせずに可動ステップのみをスライドさせた場合と比較して半減させることができる。従って、可動フロアおよび可動ステップが作動してから乗員の乗降車が可能になるまでの時間、および乗員が乗降車を行ってからドアが閉扉可能になるまでの時間が短縮されるので、乗員の乗降車時における利便性を向上させることが可能となる。
さらに、上述のように、可動ステップを車両外側へ展開させる際に、可動フロアを可動ステップのスライド方向と反対方向である車両内側へスライドさせることにより、可動ステップを必要最小限のスライド量で全体が露出された状態とすることができる。従って、可動ステップを必要以上に車両外側へスライドさせる必要がないので、例えば、狭い駐車場等に車両を駐車した場合などは特に有益である。また、上述のように、可動ステップのスライド量を必要最小限とすることにより、車両における配置スペースを省略化でき好適である。
また、請求項5に記載のように、本発明の車両用フロア装置において、前記可動ステップの車両内側には、より好適には、載置物の載置位置を規制する規制部材が設けられる。このように構成すると、例えば、可動ステップの車両内側の部分に載置物が入り込んでしまうことを防止することが可能となる。
そして、請求項6に記載のように、本発明の車両用フロア装置は、より好適には、乗降口に設けられたドアが開けられたことを検出してドア開検出信号を出力するドア開閉検出部と、駆動モータを制御する制御部と、を備え、制御部は、ドア開検出信号を検出することにより、可動フロアが車両内側へ格納されると共に可動ステップが車両外側へ展開されるように駆動モータを駆動させるように構成される。このように構成すると、ドアの開動作に連動して、可動フロアが自動的に格納されると共に、可動ステップが自動的に展開されるので、乗員の乗降車時における煩わしい操作等を不要にでき好適である。
また、請求項7に記載のように、本発明の車両用フロア装置は、より好適には、可動フロアが格納状態となったことを検出して格納状態検出信号を出力すると共に、可動フロアが展開状態となったことを検出して展開状態検出信号を出力する可動フロア位置検出部と、駆動モータを制御する制御部と、を備え、制御部は、展開状態検出信号および格納状態検出信号のいずれか一方を検出することにより、駆動モータの駆動を停止させるように構成しても良い。このように構成すると、可動フロアが展開若しくは格納された状態となったときに自動的に停止されるので、乗員の乗降車時における煩わしい操作を不要にでき好適である。
なお、請求項8に記載のように、本発明の車両用フロア装置は、可動ステップが格納状態となったことを検出して格納状態検出信号を出力すると共に、可動ステップが展開状態となったことを検出して展開状態検出信号を出力する可動ステップ位置検出部と、駆動モータを制御する制御部と、を備え、制御部は、展開状態検出信号および格納状態検出信号のいずれか一方を検出することにより、駆動モータの駆動を停止させる構成であっても良い。このように構成すると、可動ステップが展開若しくは格納された状態となったときに自動的に停止されるので、乗員の乗降車時における煩わしい操作を不要にでき好適である。
また、請求項9に記載のように、本発明の車両用フロア装置は、可動フロア又は可動ステップが障害物と接触したことを検出して接触検出信号を出力する接触検出部と、駆動モータを制御する制御部と、を備え、制御部は、接触検出信号を検出することにより、駆動モータの駆動を逆転させるように構成であっても良い。このように構成すると、可動フロア又は可動ステップが作動しているときに、可動フロア又は可動ステップに障害物等が接触した場合でも、直ちに可動フロア又は可動ステップの作動方向が逆になり、障害物等の挟み込みを未然に防止することが可能となる。
さらに、請求項10に記載のように、本発明の車両用フロア装置は、可動ステップが格納状態にあることを検出して格納状態検出信号を出力する位置検出部と、駆動モータを制御する制御部と、を備え、制御部は、格納状態検出信号を検出することにより、ドアを閉扉可能にさせる構成であっても良い。このように構成すると、可動ステップが完全に車両内側に格納されてからドアが閉扉可能にされるので、可動ステップが車両外側へ展開された状態でドアが閉められてしまうことを防止することが可能となる。
そして、請求項11に記載のように、本発明の車両用フロア装置において、可動フロアは、より好適には、乗降用固定ステップの上方を覆うように展開された展開状態にあるときに、車両フロアと面一な状態となるように構成される。このように構成されていると、可動フロアが展開した状態にあるときに、可動フロアを含む車両フロア全体が平面状になるので、これにより、車両フロアの有効面積をより拡大することが可能となる。
また、請求項12に記載のように、本発明の車両用フロア装置において、可動フロア、可動ステップ、および駆動部は、より好適には、車両に着脱可能な単一のユニットにより構成される。このように構成されていると、車両への搭載を容易に行うことが可能となり、また、車両に後付けで設置することができ好適である。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1乃至図10は本発明の一実施形態を示す図で、図1は車両用フロア装置の電気的な接続構成を示す図、図2は車両用フロア装置が搭載される車両を示す斜視図、図3は可動フロアユニットの構成を示す斜視図、図4は可動フロアユニットの構成を示す正面図、図5は可動フロアユニットを図4のA−A方向から見た図、図6は可動フロアユニットを図4のB−B方向から見た図、図7は図5に示す可動フロアユニットにおいて可動フロアおよび可動ステップが作動した状態を示す図、図8はタッチセンサの構成を示す要部拡大図、図9は図2に示す車両に本実施形態に係る可動フロアユニットを搭載した状態を示す説明図、図10は図9に示す車両において可動フロアユニットの可動フロアおよび可動ステップが作動した状態を示す図である。
はじめに、図1乃至図8を参照しながら、本発明の一実施形態に係る車両用フロア装置の構成について説明する。
本実施形態に係る車両用フロア装置Sは、例えば、図2に示すようなワンボックスカーや、いわゆるミニバンなど、車両フロア62が比較的高く設定されているために乗降口61に一段低く乗降用固定ステップ63が設けられた車両60に好適に適用されるものである。本実施形態に係る車両用フロア装置Sは、図1に示すように、可動フロアユニット10と、中央制御部40と、電源供給部50とを有して構成されている。
可動フロアユニット10は、図3に示すように、筐体11と、モータ駆動部12と、可動フロア13と、可動ステップ14等を備えてなる単一のユニットにより構成されており、車両60の乗降用固定ステップ63(図2参照)に着脱自在に配設されている。筐体11は、図4乃至図7に示すように、側面11a,11b、背面11c、底面11d、上面カバー11eを有して構成されており、可動フロア13および可動ステップ14や、後述するシャフト18、リンク部材19a,19b等を収容するものである。側面11a,11bのそれぞれの天面開口11f側には、可動フロア13の両端を支持するための支持部材11g,11hが配設されており、可動フロア13は、天面開口11fを塞ぐような状態で支持部材11g,11hに進退動自在に支持されている。
筐体11の側面11aには、図4に示すように、モータ駆動部12が配設されており、このモータ駆動部12は、駆動モータ15、ウォームギア16、ギア17を有して構成されている。ウォームギア16は、駆動モータ15の回転軸に配設されており、ギア17は、ウォームギア16に歯合されている。ギア17には、シャフト18が一体に形成されており、このシャフト18は、側面11aに形成された孔部11iを貫通して、側面11b側へ延出している。リンク部材19a,19bは、シャフト18の回転動作を可動フロア13および可動ステップ14の進退動作に変換するためのものであり、リンク部材19a、19bのそれぞれの中央部は、シャフト18に固設されている。そして、リンク部材19aの長手方向における両端側には、長手方向に延びる長孔21a,22aがそれぞれ形成されている。同様に、リンク部材19bの長手方向における両端側にも、長手方向に延びる長孔21b,22bがそれぞれ形成されている。なお、本例では、ギア17にシャフト18を一体に形成したが、その他にも、ギア17とシャフト18との間に減速機構を設け、ギア17の回転が減速されてシャフト18に伝達される構成であっても良い。
可動フロア13は、乗員の乗車時における車両フロア62の有効面積を拡大するためのものであり、筐体11の天面開口11fを塞ぐ平板により形成されている。可動フロア13の裏面13aには、筐体11の底面11d側(車両下方)へ突出すると共に筐体11の横方向(車両前後方向)に延びるように構成された突条部23が設けられており、この突条部23の両端には、ピン23a,23bが形成されている。ピン23aは、リンク部材19aの長孔21aに挿入されると共に、この長孔21aの長手方向に沿って移動可能となっている。同様に、ピン23bは、リンク部材19bの長孔21bに挿入されると共に、この長孔21bの長手方向に沿って移動可能となっている。この構成により、可動フロア13は、車両内側に格納された格納状態と当該格納状態から車両外側へ向けてスライドされた展開状態とに変位可能となっている。そして、図5に示すように、本実施形態に係る可動フロアユニット10を車両60に搭載したときに、可動フロア13は、車両フロア62の乗降口61側と連続するように配置されている。また、可動フロア13は、車両外側へ向けてスライドされた状態にあるときに、車両フロア62と面一な状態となると共に車両外側へ飛び出さないようになっている。
可動ステップ14は、筐体11の正面開口11jから外側へせり出すことによって乗員の乗降車の補助をするためのものである。この可動ステップ14は、平板状に形成され、筐体11の底面11d上に配設されると共に、底面11d上を進退動自在となっている。可動ステップ14の上面14aには、ゴム材やカーペット等により構成される滑り止め部材24と、突条部25が設けられている。突条部25は、筐体11の天面開口11e側(車両上方)へ突出すると共に筐体11の横方向(車両前後方向)に延びるように構成されている。この突条部25は、上述のように、可動ステップ14の上面14aに突条に設けられることにより、載置物が可動ステップ14に載せられたときに、可動ステップ14の奥側(車両内側)に当該載置物が入り込んでしまうことを防止する規制部材の役割も果たすものである。この突条部25は、リンク部材19a,19bの回動軸であるシャフト18よりも低くなるように形成されており、可動ステップ14のスライド時にシャフト18と干渉しないようになっている。
そして、突条部25の両端には、ピン25a,25bが形成されている。ピン25aは、リンク部材19aの長孔22aに挿入されると共に、この長孔22aの長手方向に沿って移動可能となっている。同様に、ピン25bは、リンク部材19bの長孔22bに挿入されると共に、この長孔22bの長手方向に沿って移動可能となっている。この構成により、可動ステップ14は、車両内側に格納された格納状態と当該格納状態から車両外側へスライドされた展開状態とに変位可能となっている。また、図5,図6に示すように、可動フロア13と可動ステップ14とは、可動フロア13が展開状態で可動ステップ14が格納状態にあるときに、車両上下方向に重なるように配置されると共に、図7に示すように、可動ステップ14は、可動フロア13が格納状態で可動ステップ14が展開状態にあるときに、可動フロア13よりも車両外側に配置されるようになっている。
位置検出センサ26(図1参照)は、可動フロア13および可動ステップ14が展開状態もしくは格納状態にあることを検出するためのもので、例えば、可動ステップ14の動作に応じて作動する一対のリミットスイッチ等により構成されている。すなわち、この位置検出センサ26は、可動ステップ14が展開した状態にあるときにスイッチオンとなる第一リミットスイッチと、可動ステップ14が格納した状態にあるときにスイッチオンとなる第二リミットスイッチとから構成される。この位置検出センサ26を構成する第一リミットスイッチおよび第二リミットスイッチは、筐体11内の可動ステップ14と接触可能な位置にそれぞれ配置され、スイッチオンとなったときに展開状態検出信号、格納状態検出信号をそれぞれ出力することができるように構成されている。
なお、上記実施例では、可動ステップ14の動作に応じて作動する一対のリミットスイッチを設けた構成を示したが、その他にも、可動フロア13の動作に応じて作動する一対のリミットスイッチを設けた構成としても良い。すなわち、この場合には、位置検出センサ26は、可動フロア13が展開した状態にあるときにスイッチオンとなる第一リミットスイッチと、可動ステップ14が格納した状態にあるときにスイッチオンとなる第二リミットスイッチとから構成される。また、位置検出センサ26は、駆動モータ15の回転角度を検出可能なエンコーダ等により構成されても良い。
タッチセンサ27は、図8に示すように、可動フロア13の自由端13bに配設され、例えば、可動片27aおよびプランジャ27bを備えてなるプランジャタイプのスイッチにより構成されている。このタッチセンサ27は、図8(a)に示すように、可動フロア13の自由端13b側が載置物などの障害物100と接触した状態となっているときに、プランジャ27bが可動片27aに押し込まれてスイッチオンとなるように構成されている。また、タッチセンサ27は、図8(b)に示すように、可動フロア13の自由端13bが障害物100から離れた状態となっているときに、可動片27aとプランジャ27bとが離間し、これにより、スイッチオフとなるように構成されている。また、このタッチセンサ27は、上述のようにしてスイッチオンとなったときに、後述する中央制御部40に接触検出信号を出力することができるように構成されている。
なお、本例では、可動フロア13の自由端にのみタッチセンサ27を設けた構成としたが、これに限らず、可動ステップ14の自由端に上記タッチセンサ27を設けても良い。また、可動フロア13の自由端および可動ステップ14の自由端の両方に、上記タッチセンサ27をそれぞれ設けても良いことは勿論である。
そして、上記構成からなる可動フロアユニット10は、車両60に着脱可能な単一のユニットにより構成されている。このため、車両60へ容易に組み付けることが可能である。従って、本例における車両用フロア装置Sは、車両60におけるオプション装備(ユーザの希望に応じて自由に取付を選択できる装備)などに好適である。
中央制御部40(図1参照)は、例えば、各種演算を行うためのCPUと、このCPUを動作させるためのプログラムが格納されたROMと、CPUによって処理された情報を一時的に保存するRAM等を備えた電気回路で構成されている。この中央制御部40は、上述の位置検出センサ26やタッチセンサ27からの検出信号や、後述するドア開閉検出部65およびドア閉操作検出部66からの検出信号を検出することにより、電源供給部50に電源供給指令信号を出力することができるように構成されている。なお、中央制御部40は、車両60に備えられた不図示の中央制御装置に一体に組み込まれていても良い。
電源供給部50(図1参照)は、車両60に備えられたバッテリを含む電源装置によって構成されており、上記中央制御部40からの電源供給指令信号に応じて、駆動モータ15に所定の電圧を印加することができるように構成されている。
ドア開閉検出部65(図1参照)は、スライドドア64の開閉状態を検出するものであり、例えば、スライドドア64の開閉状態に応じて作動する一対のリミットスイッチ等により構成されている。すなわち、このドア開閉検出部65は、スライドドア64が完全に開いた状態にあるときにスイッチオンとなるドア全開検出スイッチと、スライドドア64が完全に閉まった状態にあるときにスイッチオンとなるドア全閉検出スイッチとから構成される。このドア開閉検出部65を構成するドア全開検出スイッチおよびドア全閉検出スイッチは、車両60の乗降口61付近におけるスライドドア64と接触可能な位置にそれぞれ配置され、スイッチオンとなったときにドア全開検出信号、ドア全閉検出信号をそれぞれ出力することができるように構成されている。
ドア閉操作検出部66(図1参照)は、キーレスエントリなどの携帯型電子キーによって車外から送信されるドア閉指令信号を受信したり、乗員が車外のドアノブ64aを操作してスライドドア64を閉操作したことを検出したりした場合にドア閉操作検出信号を中央制御部40に送信するものである。
なお、本実施形態に係る車両60としては、例えば、車室のフロアが比較的高く設定されたワンボックスカーや、いわゆるミニバンなどが好適である。車両60の乗降口61には、車両フロア62よりも一段低くなるように乗降用固定ステップ63が設けられている。車両60の乗降口61には、車両前後方向に沿ってスライド可能なスライドドア64が配設されており、このスライドドア64は、車両60に備えられた不図示の電動ドア開閉装置によって、自動的に開閉されるようになっている。
次に、上記各構成からなる車両用フロア装置Sの動作について説明する。
図5,図6に示すように、本実施形態の車両用フロア装置Sでは、スライドドア64が閉まっている状態にあるときに、可動ステップ14が格納された状態となると共に可動フロア13が展開された状態となっている。この状態では、可動フロア13を含む車両フロア62全体が平面状になり、車両フロア62の有効面積が十分に確保されている。そして、スライドドア64が手動又は自動により完全に開いた状態(図9参照)となると、ドア開閉検出部65からドア全開検出信号が中央制御部40に出力され、中央制御部40においてスライドドア64が完全に開けられたことが認識される。
中央制御部40は、前記ドア全開検出信号を検出すると、電源供給部50に所定の電源供給指令信号を出力する。また、電源供給部50は、前記電源供給信号を検出すると、可動フロアユニット10の駆動モータ15に所定の極性からなる電圧を印加する。これにより、駆動モータ15が作動し、リンク部材19a,19bがシャフト18を回動軸としてR1方向(図5,図6参照)へそれぞれ回動する。これにより、リンク部材19aの長孔21aに挿入されたピン23aと、リンク部材19bの長孔21bに挿入されたピン23bとが車両内側へ向けて引っ張られ、可動フロア13が車両内側へスライドする。また、リンク部材19a,19bがシャフト18を回動軸としてR1方向へそれぞれ回動することにより、リンク部材19aの長孔22aに挿入されたピン25aと、リンク部材19bの長孔22bに挿入されたピン25bとが車両外側へ向けて押し出され、可動ステップ14が車両外側へスライドする。このようにして、可動フロア13が車両内側へ格納された状態となると共に、可動ステップ14が車両外側へ展開された状態となる(図10参照)。
このように、本実施形態に係る可動フロアユニット10では、可動フロア13と可動ステップ14とがリンク部材19a,19bによって接続されることにより、可動フロア13が格納されることに連動して可動ステップ14が展開されるようになっている。また、可動フロア13が格納されるときに、リンク部材19a,19bの回動に伴って、ピン23a,23bとシャフト18との相対的な距離が変化するが、本例の可動フロアユニット10では、上述のように、ピン23a,23bがリンク部材19a,19bの長孔21a,21b内を移動可能に構成されているので、リンク部材19a,19bが回動する際に、ピン23a、23bとシャフト18との長さが最適に調整され、これにより、シャフト18にかかる負荷を低減でき、可動フロア13を円滑に格納させることが可能となる。
同様に、可動ステップ14が展開されるときにも、リンク部材19a,19bが回動に伴って、ピン25a,25bとシャフト18との相対的な距離が変化するが、本例の可動フロアユニット10では、上述のように、ピン25a,25bがリンク部材19a,19bの長孔22a,22b内を移動可能に構成されているので、リンク部材19a,19bが回動する際に、ピン25a、25bとシャフト18との長さが最適に調整され、これにより、シャフト18にかかる負荷を低減でき、可動ステップ14を円滑に展開させることが可能となる。
また、リンク部材19a,19bの両端部に可動フロア13および可動ステップ14を直接接続した場合には、リンク部材19a,19bの回動に伴って、可動フロア13および可動ステップ14が弧を描くように移動されてしまうが、本実施形態に係る車両用フロア装置Sでは、上記構成により、リンク部材19a,19bの回動に伴って、ピン23a,23bとリンク部材19a,19bの回動中心との相対的な距離、およびピン25a,25bとリンク部材19a,19bの回動中心との相対距離を、可動フロア13および可動ステップ14がスライドする軌跡に応じてそれぞれ可変させることができる。これにより、リンク部材19a,19bの回動に伴って、可動フロア13および可動ステップ14を直線的にスライドさせることが可能となっている。
そして、図7に示すように、可動フロア13が格納された状態となると、位置検出センサ26(図1参照)によって可動フロア13が格納されたことが検出され、位置検出センサ26から格納状態検出信号が中央制御部40へ出力される。これにより、中央制御部40において可動フロア13が格納されたことが検出され、中央制御部40から電源供給部50への電源供給停止信号が出力されて駆動モータ15の回転が停止される。なお、上記構成以外にも、位置検出センサ26によって可動ステップ14が展開されたことを検出して展開状態検出信号を中央制御部40へ出力し、中央制御部40から電源供給部50への電源供給停止信号が出力されて駆動モータ15の回転が停止される構成でも良い。
このように、本実施形態に係る車両用フロア装置Sでは、乗降車時に、可動ステップ14を車両外側に展開させることができると共に、可動フロア13を車両内側に格納させることができる(図10参照)。これにより、乗降車時における乗員の足の踏み場を拡大させることができるので、乗員における乗降車の利便性を向上させることが可能となる。また、本実施形態に係る車両用フロア装置Sでは、可動ステップ14は、可動フロア13と車両上下方向に重なるように配置された格納状態から、可動フロア13のスライド方向とは反対の方向へスライドすることにより、可動フロア13よりも車両外側へ配置された展開状態となる。これにより、可動ステップ14が格納状態から展開されるまでに要する時間を、可動フロア13をスライドさせずに可動ステップ14のみをスライドさせた場合と比較して半減させることができる。従って、可動フロア13および可動ステップ14が作動してから乗員の乗降車が可能になるまでの時間が短縮され、乗員は速やかに乗降車を行うことができる。
また、上述のように、可動ステップ14を車両外側へ展開させる際に、可動フロア13を可動ステップ14のスライド方向と反対方向である車両内側へスライドさせることにより、可動ステップ14を必要最小限のスライド量で全体が露出された状態とすることができる。従って、可動ステップ14を必要以上に車両外側へスライドさせる必要がないので、例えば、狭い駐車場等に車両を駐車した場合などは特に有益である。また、上述のように、可動ステップ14のスライド量を必要最小限とすることにより、車両60における配置スペースを省略化でき好適である。
なお、本実施形態に係る車両用フロア装置Sにおいては、可動ステップが展開される際に、不図示の表示器で報知したりスピーカから警告音を発したりするような構成であっても良い。また、可動ステップ14にタッチセンサを設け、可動ステップ14において乗員の挟み込み等が発生した場合に、駆動モータ15の駆動が逆転され、可動ステップ14が格納される構成となっていても良い。このとき、格納された可動ステップ14は、一定時間停止した後、再度、展開されても良く、また、スライドドア64が再度開け直されたことに応じて、展開されても良い。
一方、スライドドア64が開けられた状態において、車外から不図示のキーレスエントリを用いてドア閉操作を行ったり、車外のドアノブ64aを操作してスライドドア64を閉操作したり等すると、このドア閉操作により出力されたドア閉操作信号がドア閉操作検出部66において検出され、ドア閉操作検出部66から中央制御部40へドア閉操作検出信号が出力される。そして、中央制御部40において上記ドア閉操作検出信号が検出されると、中央制御部40は、スライドドア64の閉操作が行われたことを認識し、電源供給部50に電源供給指令信号を出力する。
なお、可動ステップ14が格納されている途中で、スライドドア64を閉めてしまうと、可動ステップ14とスライドドア64とが干渉してしまう虞がある。そこで、本実施形態の車両用ステップ装置では、中央制御部40から電動ドア開閉装置へ動作禁止信号を出力することにより、スライドドア64の閉動作が禁止されるようになっている。そして、電源供給部50は、前記電源供給信号を検出すると、駆動モータ15に所定極性からなる電圧を印加する。このときの極性は、上述のように、可動フロア13を格納させると共に可動ステップ14を展開させたときと逆の極性である。
これにより、駆動モータ15が作動し、リンク部材19a,19bがシャフト18を回動軸としてR2方向(図7参照)へそれぞれ回動する。これにより、リンク部材19aの長孔21aに挿入されたピン23aと、リンク部材19bの長孔21bに挿入されたピン23bとが車両外側へ向けて押し出され、可動フロア13が車両外側へ向けてスライドする。また、リンク部材19a,19bがシャフト18を回動軸としてR2方向へそれぞれ回動することにより、リンク部材19aの長孔22aに挿入されたピン25aと、リンク部材19bの長孔22bに挿入されたピン25bとが車両内側へ向けて引っ張られ、可動ステップ14が車両内側へスライドする。このようにして、可動フロア13が車両外側へ展開された状態となると共に、可動ステップ14が車両内側へ格納された状態となる。
そして、図5,図6に示すように、可動フロア13が展開された状態となると、位置検出センサ26(図1参照)によって可動フロア13が展開されたことが検出され、位置検出センサ26から展開状態検出信号が中央制御部40へ出力される。これにより、中央制御部40において可動フロア13が展開されたことが検出され、中央制御部40から電源供給部50への電源供給停止信号が出力されて駆動モータ15の回転が停止される。なお、位置検出センサ26によって可動ステップ14が格納されたことを検出して格納状態検出信号を中央制御部40へ出力し、中央制御部40から電源供給部50への電源供給停止信号が出力されて駆動モータ15の回転が停止されても良い。
中央制御部40において可動フロア13が展開されると共に可動ステップ14が格納されたことが検出されると、中央制御部40は、不図示の電動ドア開閉装置へ動作許可信号を出力する。そして、上記電動ドア開閉装置は、上記動作許可信号を検出すると、スライドドア64を電動で閉扉させる。これにより、スライドドア64が、完全に閉じられた状態となる。なお、スライドドア64が完全に閉じた状態では、ドア開閉検出部65から中央制御部40へドア全閉検出信号が出力され、これにより、中央制御部40においてスライドドア64が完全に閉じた状態にあることが認識される。この状態では、中央制御部40は、駆動モータ15の動作を禁止する。これにより、可動ステップ14が誤作動によりスライドドア64と干渉してしまうということを防止することができる。
そして、上述のようにして、可動フロア13が展開されることにより、可動フロア13を含む車両フロア62全体がほぼ平面状になり、車両フロア62の有効面積を十分に確保することが可能となる。また、可動フロア13が展開された状態では、可動ステップ14の上方に形成された凹部空間が可動フロア13によって塞がれるので、乗員が不自然な着座姿勢を強いられたり、或いは車室内に積み込んだ荷物が凹部空間へ落下してしまったりすることを防止することが可能となり、乗員の乗車時における利便性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態に係る車両用フロア装置Sでは、可動ステップ14は、可動フロア13よりも車両外側へ配置された展開状態から、可動フロア13のスライド方向とは反対の方向へスライドすることにより、可動フロア13と車両上下方向に重なるように配置された格納状態となる。これにより、可動ステップ14が展開状態から格納されるまでに要する時間を、可動フロア13をスライドさせずに可動ステップ14のみをスライドさせた場合と比較して半減させることができる。従って、乗員が乗降車を行ってからスライドドア64が閉扉可能になるまでの時間を短縮することができる。
ここで、例えば、乗員が可動フロア13に搭乗した状態にあるときに、可動フロア13が格納状態から展開状態へ移行し、この移行中に可動フロア13が障害物等に接触した状態となったときは、タッチセンサ27によって直ちに障害物等の挟み込みが検出され、駆動モータ15の駆動が逆転される。これにより、展開中の可動フロア13が格納され、障害物等の挟み込み状態を解除することができる。このとき、格納された可動フロア13は、一定時間停止した後、再度、展開されても良く、また、スライドドア64が再度閉め直されたことに応じて、展開されても良い。また、本実施形態に係る車両用フロア装置Sにおいては、可動フロア13が展開する際に、不図示の表示器で報知したりスピーカから警告音を発したりするような構成であっても良い。
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(a)本実施形態に係る車両用フロア装置Sによれば、乗車時に、可動フロア13を車両外側へ展開させることにより、可動ステップ14の上方に形成された凹部空間も塞ぐことが可能となるので、車両フロア13の有効面積を拡大させることが可能となる。また、上述のように、可動ステップ14の上方に形成された凹部空間を塞ぐことにより、乗員が不自然な着座姿勢を強いられたり、或いは車室内に積み込んだ荷物が凹部空間へ落下してしまったりすることを防止することが可能となるので、より快適な車内空間とすることが可能となる。
(b)また、本実施形態に係る車両用フロア装置Sによれば、乗降車時に、可動ステップ14を車両外側に展開させることにより、乗員が可動ステップ14を乗降用の補助ステップとして使用することが可能となる。これにより、乗員が老人や子供であっても可動ステップ14を用いて容易に乗り降りすることが可能となる。
(c)そして、本実施形態に係る車両用フロア装置Sでは、乗降車を補助するための可動ステップ14が、車両フロア62を拡大させるための可動フロア13とは別体に設けられているので、可動ステップ14は、車両フロア62の面積を拡大させるための機能を備える必要がなく、乗降車を補助するための機能のみを備えていれば良い。従って、例えば、可動ステップ14の表面に滑り止め部材24等を配設するなど、可動フロア13とは異なる形状や機能を追加することが可能となるので、装置全体の実用性をより高めることが可能となる。また、可動フロア13側には、カーペットを貼り付けるなどして車両フロア62との一体感を図ることが可能となる。
(d)また、本実施形態に係る車両用フロア装置Sでは、可動フロア13を車両内側へスライドさせることに連動させて可動ステップ14を車両外側へスライドさせると共に、可動フロア13を車両外側へ向けてスライドさせることに連動させて可動ステップ14を車両内側へスライドさせる駆動部を備えた構成となっている。従って、上述のように、乗降車を補助するための可動ステップ14が、車両フロア62を拡大させるための可動フロア13とは別体に設けられていても、これら可動ステップ14と可動フロア13とを共通の駆動部を用いてスライドさせることができるので、可動ステップ14と車両フロア13とそれぞれ別個の駆動部を用いて駆動させる場合と比較して、駆動部の構成をコンパクトにできると共に、その構成を簡略化することにより製造コストを低減させることが可能となる。
(e)また、本実施形態に係る車両用フロア装置Sにおいて、可動ステップ14および可動フロア13をスライドさせる駆動部は、より具体的には、出力軸を有する駆動モータ15と、一端が可動フロア13に連結されると共に、他端が可動ステップ14に連結され、出力軸の回動に伴って両端部を揺動可能なリンク部材19a,19bと、を有して構成される。このように、本実施形態に係る車両用フロア装置Sでは、可動フロア13と可動ステップ14とを駆動させるための機構がモータとリンク機構を用いた非常に簡易な構成であるので、装置全体を簡略化および小型化でき好適である。
(f)さらに、本実施形態に係る車両用フロア装置Sにおいて、リンク部材19a,19bの両端部には、当該リンク部材19a,19bの長手方向に延びる第一の長孔21a,21bおよび第二の長孔22a,22bが形成され、可動フロア13には、第一の長孔21a,21bに挿入され当該第一の長孔21a,21bの長手方向に沿って移動可能な第一のピン23a,23bが形成され、可動ステップ14には、第二の長孔22a,22bに挿入され当該第二の長孔22a,22bの長手方向に沿って移動可能な第二のピン25a,25bが形成される。この構成により、リンク部材19a,19bの回動に伴って、第一のピン23a,23bとリンク部材19a,19bの回動中心との相対的な距離、および第二のピン22a,22bとリンク部材19a,19bの回動中心との相対距離を、可動フロア13および可動ステップ14がスライドする軌跡に応じてそれぞれ可変させることが可能となるので、リンク部材19a,19bの回動に伴って可動フロア13および可動ステップ14を直線的にスライドさせるという構成を確実に実現することが可能となる。
(g)また、上述のように、リンク部材19a,19bの回動に伴って可動フロア13および可動ステップ14を直線的にスライドさせた場合でも、本実施形態に係る車両用フロア装置Sでは、上述のように、第一のピン23a,23bが第一の長孔21a,21b内を移動可能に構成され、第二のピン25a,25bが第二の長孔22a,22b内を移動可能に構成されているので、リンク部材19a,19bが回動する際における第一のピンとリンク部材の回動中心との距離、および第二のピンとリンク部材との回動中心との距離がリンク部材の回動に応じて最適に調整される。これにより、第一のピン23a,23bおよび第二のピン25a,25bによってリンク部材19a,19bの回動軸にかかる負荷を低減することができるので、可動フロア13および可動ステップ14を円滑にスライドさせることが可能となる。
(h)さらに、本実施形態に係る車両用フロア装置Sでは、可動ステップ14が、可動フロア13と車両上下方向に重なるように配置された格納状態から、可動フロア13のスライド方向とは反対の方向へスライドすることにより、可動フロア13よりも車両外側へ配置された展開状態となる。また、可動ステップ14は、可動フロア13よりも車両外側へ配置された展開状態から、可動フロア13のスライド方向とは反対の方向へスライドすることにより、可動フロア13と車両上下方向に重なるように配置された格納状態となる。この構成により、可動ステップ14が格納状態から展開されるまでに要する時間あるいは可動ステップ14が展開状態から格納されるまでに要する時間を、可動フロア13をスライドさせずに可動ステップ14のみをスライドさせた場合と比較して半減させることができる。従って、可動フロア13および可動ステップ14が作動してから乗員の乗降車が可能になるまでの時間、および乗員が乗降車を行ってからスライドドア64が閉扉可能になるまでの時間が短縮されるので、乗員の乗降車時における利便性を向上させることが可能となる。
(i)また、本実施形態に係る車両用フロア装置Sでは、上述のように、可動ステップ14を車両外側へ展開させる際に、可動フロア13を可動ステップ14のスライド方向と反対方向である車両内側へスライドさせることにより、可動ステップ14を必要最小限のスライド量で全体が露出された状態とすることができる。従って、可動ステップ14を必要以上に車両外側へスライドさせる必要がないので、例えば、狭い駐車場等に車両を駐車した場合などは特に有益である。また、上述のように、可動ステップ14のスライド量を必要最小限とすることにより、車両60における配置スペースを省略化でき好適である。
上記各実施の形態から把握できる請求項以外の技術的思想について、以下に記載する。
(1)前記リンク部材は、前記可動ステップが展開された状態にあるときに前記可動フロアの下方に位置するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用フロア装置。
(2)前記規制部材は、前記リンク部材の回動軸よりも低くなるように形成されてことを特徴とする請求項5に記載の車両用フロア装置。
このように形成されていると、可動ステップの展開又は格納時に規制部材とリンク部材の回動軸とが干渉してしまうことを防止することができ好適である。
(3)前記規制部材には、前記第二のピンが形成されていることを特徴とする請求項5に記載の車両用フロア装置。このように構成されていると、可動ステップの構成を簡略化でき好適である。
本実施形態に係る車両用フロア装置は、上述のように、ワンボックスカーや、いわゆるミニバンなどのように、車両フロアから乗降口へかけて一段低くなるように乗降用固定ステップが設けられた車両以外にも、バスや福祉車両、航空機、鉄道車両等に適用することが可能である。
本実施形態に係る車両用フロア装置の電気的な接続構成を示す図である。 本実施形態に係る車両用フロア装置が搭載される車両を示す斜視図である。 本実施形態に係る可動フロアユニットの構成を示す斜視図である。 本実施形態に係る可動フロアユニットの構成を示す正面図である。 本実施形態に係る可動フロアユニットを図4のA−A方向から見た図である。 本実施形態に係る可動フロアユニットを図4のB−B方向から見た図である。 図5に示す可動フロアユニットにおいて可動フロアおよび可動ステップが作動した状態を示す図である。 本実施形態に係るタッチセンサの構成を示す要部拡大図である。 図2に示す車両に本実施形態に係る可動フロアユニットを搭載した状態を示す説明図である。 図9に示す車両において可動フロアユニットの可動フロアおよび可動ステップが作動した状態を示す図である。
符号の説明
10 可動フロアユニット、11 筐体、11a,11b 側面、11c 背面、11e 上面カバー、11d 底面、11e 天面開口、11f 天面開口、11g,11h 支持部材、11i 孔部、11j 正面開口、12 駆動部、13 可動フロア、13a 裏面、13b 自由端、14 可動ステップ、14a 上面、15 駆動モータ、16 ウォームギア、17 ギア、18 シャフト、19a,19b リンク部材、21a,21b,22a,22b 長孔、23a,23b,25a,25b ピン、23,25 突条部、24 滑り止め部材、26 位置検出センサ、27 タッチセンサ、27a 可動片、27b プランジャ、40 中央制御部、50 電源供給部、60 車両、61 乗降口、62 車両フロア、63 乗降用固定ステップ、64 スライドドア、64a ドアノブ、65 ドア開閉検出部、66 ドア閉操作検出部、100 障害物、S 車両用フロア装置

Claims (12)

  1. 両フロアの乗降口側と連続するように設けられると共に、車両内側に格納された格納状態と格納状態から車両外側へ向けてスライドされた展開状態とに変位可能な可動フロアと、
    可動フロアが設けられた乗降口に該可動フロアよりも低くなるように設けられると共に、車両内側に格納された格納状態と格納状態から車両外側へスライドされた展開状態とに変位可能な可動ステップと、
    前記可動フロアを車両内側へスライドさせることに連動させて前記可動ステップを車両外側へスライドさせると共に、前記可動フロアを車両外側へ向けてスライドさせることに連動させて前記可動ステップを車両内側へスライドさせる駆動部と、を備えたことを特徴とする車両用フロア装置。
  2. 前記駆動部は、出力軸を有する駆動モータと、
    一端が前記可動フロアに連結されると共に、他端が前記可動ステップに連結され、前記出力軸の回動に伴って両端部を揺動可能なリンク部材と、を有して構成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用フロア装置。
  3. 前記リンク部材の両端部には、リンク部材の長手方向に延びる第一,第二の長孔が形成され、
    前記可動フロアには、前記第一の長孔に挿入され第一の長孔の長手方向に沿って移動可能な第一のピンが形成され、
    前記可動ステップには、前記第二の長孔に挿入され第二の長孔の長手方向に沿って移動可能な第二のピンが形成されたことを特徴とする請求項2に記載の車両用フロア装置。
  4. 前記可動フロアと前記可動ステップとは、前記可動フロアが展開状態で前記可動ステップが格納状態にあるときに、車両上下方向に重なるように配置されると共に、
    前記可動ステップは、前記可動フロアが格納状態で前記可動ステップが展開状態にあるときに、前記可動フロアよりも車両外側に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車両用フロア装置。
  5. 前記可動ステップの車両内側には、載置物の載置位置を規制する規制部材が設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の車両用フロア装置。
  6. 前記乗降口に設けられたドアを開けられたことを検出してドア開検出信号を出力するドア開閉検出部と、
    前記駆動モータを制御する制御部と、を備え、
    該制御部は、前記ドア開検出信号を検出することにより、前記可動フロアが車両内側へ格納されると共に前記可動ステップが車両外側へ展開されるように前記駆動モータを駆動させてなることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の車両用フロア装置。
  7. 前記可動フロアが格納状態となったことを検出して格納状態検出信号を出力すると共に、前記可動フロアが展開状態となったことを検出して展開状態検出信号を出力する可動フロア位置検出部と、
    前記駆動モータを制御する制御部と、を備え、
    該制御部は、前記展開状態検出信号および前記格納状態検出信号のいずれか一方を検出することにより、前記駆動モータの駆動を停止させてなることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の車両用フロア装置。
  8. 前記可動ステップが格納状態となったことを検出して格納状態検出信号を出力すると共に、前記可動ステップが展開状態となったことを検出して展開状態検出信号を出力する可動ステップ位置検出部と、
    前記駆動モータを制御する制御部と、を備え、
    該制御部は、前記展開状態検出信号および前記格納状態検出信号のいずれか一方を検出することにより、前記駆動モータの駆動を停止させてなることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の車両用フロア装置。
  9. 前記可動フロア又は前記可動ステップが障害物と接触したことを検出して接触検出信号を出力する接触検出部と、
    前記駆動モータを制御する制御部と、を備え、
    該制御部は、前記接触検出信号を検出することにより、前記駆動モータの駆動を逆転させてなることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の車両用フロア装置。
  10. 前記可動ステップが格納状態にあることを検出して格納状態検出信号を出力する位置検出部と、
    前記駆動モータを制御する制御部と、を備え、
    該制御部は、前記格納状態検出信号を検出することにより、前記ドアを閉扉可能にさせてなることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の車両用フロア装置。
  11. 前記可動フロアは、展開状態にあるときに、前記車両フロアと面一な状態となるように構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の車両用フロア装置。
  12. 前記可動フロア、前記可動ステップ、および前記駆動部は、前記車両に着脱可能な単一のユニットにより構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の車両用フロア装置。
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