JP2005007906A - 車両用乗降ステップ装置 - Google Patents

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JP2005007906A JP2003170735A JP2003170735A JP2005007906A JP 2005007906 A JP2005007906 A JP 2005007906A JP 2003170735 A JP2003170735 A JP 2003170735A JP 2003170735 A JP2003170735 A JP 2003170735A JP 2005007906 A JP2005007906 A JP 2005007906A
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Abstract

【課題】本発明の目的は、乗降ステップ部全体及び車両フロア全体の有効面積を拡大することが可能であると共に、可動ステップの不意による作動を防止することが可能な車両用乗降ステップ装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は、車両乗降口62に設けられた固定ステップ16上に格納された状態と車両外側へ展開された状態とに変位可能な可動ステップ11と、可動ステップを展開および格納させる展開格納手段と、を備えた車両用乗降ステップ装置に関する。
可動ステップ11は、クランクアーム21が車両内側に傾斜した状態にあるときに固定ステップ16上に格納された状態となると共に、クランクアーム21が車両外側へ横臥した状態にあるときに車両外側へ展開された状態となる。また、クランクアーム21の回動により、可動ステップ11は、格納状態から一旦上昇された後に車両外側へ展開された状態となる。
【選択図】 図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用乗降ステップ装置に係り、特に、車両乗降口に設けられた固定ステップ上に格納された格納状態と前記固定ステップから車両外側へ展開された展開状態とに変位可能な可動ステップを備えた車両用乗降ステップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ワンボックスカー等の車両においては、車室のフロアが比較的高く設定されているため、車両フロアの乗降口には、一段低くなるようにステップが設けられている。しかし、単に、車両フロアの乗降口にステップを設けた従来の乗降ステップ構造では、ステップを設けた分だけ車両フロアの有効面積が小さくなるため、実用上において以下のような問題点があった。すなわち、ステップの側部や後部の車両フロア上には座席が設置されているが、これら座席に着座した乗員の足元にステップを設けたことによって凹部空間が形成されるために、乗員が不自然な着座姿勢を強いられたり、或いは車室内に積み込んだ荷物が前記凹部空間へ落下してしまったりするという問題があった。そこで、これらの事情に鑑み、種々の車両用ステップ装置等が提案されている(例えば、特許文献1,特許文献2参照)
【0003】
特許文献1に記載の車両用ステップ装置では、スライドドアの開閉動作に連動させて可動ステップを出し入れする構成となっており、これにより、乗降ステップ全体の面積拡大が図られている。また、特許文献2に記載の乗降ステップ構造では、スライドドアの閉扉時にステップカバーを車両フロアと同一面上に並ぶように展開させてステップの上部における凹部空間を塞ぐことにより、車両フロア面積を確保し、また、スライドドアの開扉時に、ステップカバーを格納させて乗降口にステップが出現する構成となっている。
【0004】
【特許文献1】
実公平4−3870号公報(第2−3頁、図2、図3)
【0005】
【特許文献2】
実公平7−10957号公報(第3頁、図1−図6)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の車両用ステップ装置では、可動ステップが展開することにより乗降ステップ全体の面積が拡大されるが、可動ステップが格納された状態では、乗降ステップ上に凹部空間が形成されてしまい、車両フロアの有効面積を減少させる要因となっている。
また、特許文献2に記載の乗降ステップ構造では、ステップカバーを回動させるワイヤが必要になると共に、ワイヤの配線処理が必要になるなど、装置全体の構造が複雑化するという問題がある。
さらに、上記特許文献2に記載の乗降ステップ構造では、乗員がステップカバー上に搭乗している場合における誤作動防止機能が備えられていないという問題がある。
また、以前より、可動ステップを出し入れして乗降ステップ全体の面積を拡大させる機能と、ステップカバーを作動させて車両フロア全体の面積を拡大させる機能とを兼ね備えた装置を一つのユニットで構成させることが望まれていた。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、簡易な構成で、可動ステップの不意による作動を防止することが可能な車両用乗降ステップ装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、乗降時には、乗降ステップ部全体の有効面積を拡大することができ、また、乗車後には、車両フロア全体の有効面積を拡大することが可能な車両用乗降ステップ装置を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、装置全体構成を簡素化でき、車載性を向上させることが可能な車両用乗降ステップ装置を提供することにある。
また、本発明のさらに他の目的は、従来に比して利便性を向上させることが可能な車両用フロアリフト装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、請求項1に記載の車両用乗降ステップ装置によれば、車両乗降口に設けられた固定ステップ上に格納された格納状態と前記固定ステップから車両外側へ展開された展開状態とに変位可能な可動ステップと、該可動ステップを展開および格納させる展開格納手段と、を備えた車両用乗降ステップ装置であって、前記可動ステップは、前記展開格納手段によって前記固定ステップ上に格納された格納状態から一旦上昇された後に前記固定ステップから車両外側へ展開された展開状態へ変位されてなること、により解決される。
【0009】
このように、車両用乗降ステップ装置では、可動ステップが、展開格納手段によって固定ステップ上に格納された格納状態から一旦上昇された後に固定ステップから車両外側へ展開された展開状態へ変位されるように構成されているので、例えば、可動ステップ上に乗員が搭乗している場合や、荷物が載せられている場合には、可動ステップの上昇が制限され、これにより、可動ステップの不意による作動を防止することが可能となる。
【0010】
また、可動ステップが、車両乗降口に設けられた固定ステップ上に格納された格納状態と固定ステップから車両外側へ展開された展開状態とに変位可能に構成されているので、乗降時には、可動ステップを固定ステップから車両外側へ展開させることにより、乗降ステップ部全体の有効面積を拡大することができ、また、乗車後には、可動ステップを固定ステップ上に格納させてステップカバーとして利用することにより、車両フロア全体の有効面積を拡大することが可能となる。
【0011】
このとき、請求項2に記載のように、前記展開格納手段は、より具体的には、一端側が可動ステップに回動自在に接続されると共に他端側が固定ステップに対して回動自在にされてなるクランクアームと、クランクアームを回動させるモータと、モータを制御する制御部と、を備えて構成される。また、可動ステップは、より具体的には、クランクアームが車両内側に傾斜した状態にあるときに固定ステップ上に格納された格納状態となるように設けられると共に、クランクアームが車両外側へ横臥した状態にあるときに固定ステップから車両外側へ展開された展開状態となるように設けられるものである。
【0012】
この構成により、可動ステップを展開状態から一旦上昇させた後に格納状態へ確実に変位可能とすることが可能となり好適である。また、展開格納手段が上述のようなクランクアームを用いた簡易なリンク機構によって構成されるので、装置全体構成を簡素化でき、車載性を向上させることが可能となる。さらに、上述のように、従来よりも簡易な構成によって、乗降ステップ部全体の有効面積を拡大することが可能となると共に、車両フロア全体の有効面積を拡大することが可能となり好適である。
【0013】
また、請求項3に記載のように、前記可動ステップが、固定ステップ上に格納された格納状態にあるときに、車両フロアと面一な状態となるように構成されていると、可動ステップが格納状態にあるときには、可動ステップを含む車両フロア全体が平面状になるので、これにより、車両フロア面積を十分に確保することが可能となり好適である。
【0014】
さらに、請求項4に記載のように、前記モータの発生トルクが、外力によってクランクアームの回動軸を中心として生ずる負荷トルクよりも小さくなるように設定されていると、可動ステップ上に乗員が搭乗している場合や、荷物が載せられている場合に、可動ステップの上昇が制限されるので、これにより、可動ステップの不意による作動を防止することが可能となる。また、外力が小さい場合でも、可動ステップの上昇により可動ステップが作動することを乗員等へ警告することが可能となり好適である。
【0015】
また、請求項5に記載のように、車両のドアが開扉したことを検出してドア開信号を出力するドア開検出部と、可動ステップが固定ステップ上に格納された格納状態にあることを検出して格納検出信号を出力する展開格納検出部を備え、制御部が、ドア開信号を検出することにより、可動ステップが固定ステップから車両外側へ展開された展開状態となるようにモータを駆動させると共に、格納検出信号を検出することにより、ドアを閉扉させるように構成されていると、ドアの開動作に連動して可動ステップが自動的に展開されるので、乗員による煩わしい操作を不要にでき、従来に比して利便性を向上させることが可能となり好適である。また、可動ステップが完全に格納されてからドアが閉扉可能にされるので、ドアが可動ステップと干渉することを防止することが可能となり好適である。
【0016】
また、請求項6に記載のように、可動ステップが固定ステップ上に格納された格納状態にあることを検出して格納検出信号を出力すると共に、可動ステップが固定ステップから車両外側へ展開された展開状態にあることを検出して展開検出信号を出力する展開格納検出部を備え、制御部が、格納検出信号および展開検出信号のいずれか一方を検出することにより、モータの駆動を停止させる構成となっていると、可動ステップが展開若しくは格納された状態となったときに自動的にモータが停止されるので、乗員による煩わしい操作を不要にでき、従来に比して利便性を向上させることが可能となり好適である。
【0017】
さらに、請求項7に記載のように、可動ステップに一定以上の荷重が加わったことを検出して挟み込み検出信号を出力する挟み込み検出部を備え、制御部が、挟み込み検出信号を検出することにより、モータの駆動を停止させるように構成されていると、例えば、可動ステップの作動中において可動ステップとステップ段差部との間に乗員の足が挟まれた場合や、可動ステップが乗員の足と干渉した場合でも、直ちに可動ステップの作動が停止されるので、従来に比して利便性を向上させることが可能となり好適である。
【0018】
また、請求項8に記載のように、可動ステップ、固定ステップ、展開格納手段が、単一のユニットで構成された可動ステップおよび展開格納手段が、単一のユニットに構成されていると、装置全体構成を簡素化でき、これにより、車載性を向上させることが可能となり好適である。
【0019】
さらに、請求項9に記載のように、可動ステップが固定ステップ上に格納された格納状態又は固定ステップから車両外側へ展開された展開状態にあるときにクランクアームの回動を規制する共に、クランクアームとの当接面に緩衝部材を備えてなるストッパー部材を有して構成されていると、モータは、クランクアームがストッパー部材に当接した状態から、さらにストッパー部材の緩衝部材がクランクアームに押し込まれたことにより撓んだ状態となったときに停止される。従って、緩衝部材によってモータ内のギアや減速機構のがたつきが吸収されると共に、モータ内のギアや減速機構が噛合った状態で停止されるので、可動ステップのがたつきを抑制することが可能となり好適である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1乃至図12は本発明の一実施形態を示す図で、図1は乗降ステップユニットの斜視図、図2は乗降ステップユニットを車両に搭載した状態を示す説明図、図3は乗降ステップユニットの側面図、図4は乗降ステップユニットにおいて可動ステップが格納した状態を示す動作説明図、図5は乗降ステップユニットにおいて可動ステップが上昇した状態を示す動作説明図、図6は乗降ステップユニットにおいて可動ステップが展開した状態を示す動作説明図、図7は挟み込み検出部の構成を示す第一説明図、図8は挟み込み検出部の構成を示す第二説明図、図9は車両用乗降ステップ装置の構成を示すブロック図、図10は車両用乗降ステップ装置の第一動作説明図(格納状態)、図11は車両用乗降ステップ装置の第二動作説明図(展開状態)、図12は車両用乗降ステップ装置において挟み込み検出部が作動する様子を示す説明図である。
【0021】
はじめに、図1乃至図12を参照しながら、本発明の一実施形態に係る車両用乗降ステップ装置の構成について説明する。
図9において、符号Sは、本発明の一実施形態に係る車両用乗降ステップ装置である。本実施形態に係る車両用乗降ステップ装置Sは、例えば、ワンボックスカーや、いわゆるミニバンなどに好適に搭載されるものであり、乗降ステップユニット10と、中央制御部30と、電源供給部40と、ドア開閉検出部50と、挟み込み検出部51と、を有して構成されている。
【0022】
乗降ステップユニット10は、図2に示すように、車両60に対して着脱自在なワンユニット化された装置として構成されており、車両60において、車両フロア61の乗降口62側に設けられた一段下がったステップ段差部63に一体に取付けられるものである。本実施形態の乗降ステップユニット10は、図1に示すように、可動ステップ11と、リンク機構12と、駆動モータ13と、減速機構14と、本体筐体部15と、を主要構成とするものである。
【0023】
可動ステップ11は、図1,図2に示すように、平板状に形成されている。この可動ステップ11は、車両内側に格納された状態となることにより、車両フロア61の乗降口62側に一段下がるように形成される固定ステップ16上の凹部空間を塞いで車両フロア61全体の有効面積を拡大する役割を果たすものである。リンク機構12は、駆動モータ13によって駆動される減速機構14の動作に応じて、可動ステップ11を展開および格納させるためのものであり、クランクアーム21と、リンク部材22,23,24と、を有して構成されている。クランクアーム21の上端は、可動ステップ11の側面に回動自在に連結されており、クランクアーム21の下端に固定された回動軸21a(図3参照)は、後述する減速機構14の構成要素であるギア14dの出力軸に接続されている。また、リンク部材22,23,24の上端は、可動ステップ11の側面にそれぞれ回動自在に連結されており、リンク部材22,23,24の下端は、本体筐体部15に対して回動自在となっている。
【0024】
ここで、図4乃至図6を参照しながら、本実施形態に係るリンク機構12の構成をさらに詳述する。なお、図4乃至図6では、クランクアーム21およびリンク部材22について図示しているが、リンク部材23およびリンク部材24についても、クランクアーム21およびリンク部材22と同様に構成されるものである。本実施形態の乗降ステップユニット10におけるリンク機構12は、図4に示すように、可動ステップ11が固定ステップ16上に格納された状態、すなわち、可動ステップ11が水平な状態で本体筐体部15の内壁面15aに当接した状態(以下、格納状態と言う)にあるときに、クランクアーム21およびリンク部材22が車両内側に傾いた状態となるように設定されている。
【0025】
すなわち、可動ステップ11が固定ステップ16に形成された内壁面15aに当接し、クランクアーム21およびリンク部材22を含む可動ステップ11全体が内壁面15aに寄り掛かるようになっている。この構成により、可動ステップ11が格納状態にあるときには、クランクアーム21およびリンク部材22が車室内側に傾斜した状態となるので、可動ステップ11の安定した格納状態を保つことができるようになっている。
【0026】
また、リンク機構12は、図5に示すように、クランクアーム21およびリンク部材22が鉛直方向に沿って直立した状態となるときに、可動ステップ11が車両フロア基準面Aよりも上方へ持ち上げられた状態となるように設定されている。さらに、リンク機構12は、図6に示すように、クランクアーム21およびリンク部材22が水平方向に沿って横臥した状態となるときに、可動ステップ11が固定ステップ16から車両外側へ展開された状態、すなわち、可動ステップ11が乗降口62から車両外側へ突出した状態(以下、展開状態と言う)となるように設定されている。なお、上記構成からなるリンク機構12の動作詳細については後述するが、本実施形態の乗降ステップユニット10では、上記リンク構成により、可動ステップ11を格納状態から一旦上昇させた後に展開状態へ変位することができるようになっている。
【0027】
また、図10に示すように、本実施形態の乗降ステップユニット10を車両60に搭載した状態では、可動ステップ11が格納状態にあるときに車両フロア61と面一な状態となるように設定されている。このように設定されることにより、可動ステップ11が格納状態にあるときには、可動ステップ11を含む車両フロア61全体が平面状になり、車両フロア面積を十分に確保することが可能となる。
また、図11に示すように、可動ステップ11が展開状態にあるときには、可動ステップ11が乗降口62より車両外側へ突出した状態となるため、乗降ステップ部全体の有効面積を拡大することができ、乗員Pの乗降時における利便性を従来に比して向上させることが可能となる。
【0028】
本実施形態の駆動モータ13は、電源供給部40から電源供給を受けることにより正逆方向に回転を切り替えて駆動するものであり、例えば、ブラシ付き直流モータ等で構成されている。駆動モータ13の回転軸には、図3に示すように、減速機構14のウォームギア14aが形成されている。本実施形態の減速機構14は、前記ウォームギア14aと、複数のギア14b,14c,14dと、から構成されており、最終段のギア14dの出力軸には、クランクアーム21の回動軸21aが接続されている。そして、上記構成により、駆動モータ13の駆動に伴って減速機構14が作動し、クランクアーム21が回動するようになっている。なお、本実施形態では、駆動モータ13の発生トルクは、乗員等が可動ステップ11に搭乗することによって回動軸21aを中心として生ずる負荷トルクよりも小さくなるように設定されている。
【0029】
本体筐体部15は、図1に示すように、可動ステップ11、駆動モータ13、減速機構14を支持すると共に、固定ステップ16を有して構成されている。この本体筐体部15は、車両60の乗降口62側に形成された一段下がったステップ段差部63に固定される。また、本体筐体部15には、図3に示すように、格納状態検出スイッチ18および展開状態検出スイッチ19が設けられており、クランクアーム21の回動位置検出を行うことにより、可動ステップ11の展開状態および格納状態を検出することができるようになっている。
【0030】
すなわち、図4に示すように、可動ステップ11が格納した状態にあるときには、クランクアーム21が格納状態検出スイッチ18に当接するようになっており、これにより、格納状態検出スイッチ18がスイッチオンとなって、中央制御部30(図9参照)に格納状態検出信号が出力されるようになっている。同様に、図6に示すように、可動ステップ11が展開した状態にあるときには、クランクアーム21が展開状態検出スイッチ19に当接するようになっており、これにより、展開状態検出スイッチ19がスイッチオンとなって、中央制御部30に展開状態検出信号が出力されるようになっている。
【0031】
中央制御部30は、例えば、各種演算を行うためのCPUと、このCPUを動作させるためのプログラムが格納されたROMと、CPUによって処理された情報を一時的に保存するRAM等を備えた電気回路で構成されている。この中央制御部30は、後述するドア開閉検出部50からの検出信号や、上述の格納状態検出スイッチ18、展開状態検出スイッチ19からの検出信号を検出することにより、電源供給部40に電源供給指令信号を出力することができるように構成されている。なお、中央制御部30は、車両60に備えられた不図示の中央制御装置に一体に組み込まれていても良い。
【0032】
電源供給部40は、車両60に備えられたバッテリを含む電源装置によって構成されており、上記中央制御部30からの電源供給指令信号に応じて、乗降ステップユニット10の駆動モータ13に所定の電圧を印加することができるように構成されている。本実施形態に係るドア開閉検出部50は、車両60に備えられたドア64(本実施形態では、スライド式ドアで構成されている)の開閉を検出するものであり、ドア64が閉じた状態にあるときには、ドア閉信号を中央制御部30へ出力すると共に、ドア64が開いたときには、ドア開信号を中央制御部30へ出力するように構成されている。
【0033】
挟み込み検出部51は、乗降口ステップ部における乗員Pの挟み込みを防止するものであり、図7,図8に示すように、いわゆる感圧接点スイッチで構成されている。すなわち、可動ステップ11の内部には、空間部11aが設けられており、クランクアーム21を回動自在に支持する支持軸21bは、空間部11a内を移動可能となっている。空間部11aには、第一接点52aが設けられており、支持軸21bに形成された突出部21cの先端には、第二接点52bが設けられている。
【0034】
突出部21cには、バネ53が配設されており、このバネ53の弾性力によって、無負荷時には、図7に示すように、第一接点52aと第二接点52bが離間された状態となっている。一方、可動ステップ11に車内内側方向(図8に示すX方向)に負荷が加わったときには、図8に示すように、第一接点52aと第二接点52bが接触し、これにより、挟み込み検出部51から中央制御部30へ挟み込み検出信号が出力される構成となっている。なお、挟み込み検出部51は、上記のような感圧接点スイッチに限らず、可動ステップ11のフロア面上に配設された感圧マット等のセンサにより構成されていても良い。また、検出部の配設位置は、可動ステップ11内部に限らず、その他にも、リンク機構12に組み込むようにしてリンク機構12に加わる負荷を検出するようにしても良い。さらに、可動ステップ11の車両外側面に接点スイッチを設けたり、乗降ステップ部に超音波センサやフォトセンサ等を設けたりして乗員や障害物の有無を検出するような構成であっても良い。
【0035】
次に、図4乃至図6を参照しながら、上記各構成からなる車両用乗降ステップ装置Sの動作について説明する。
本実施形態の車両用乗降ステップ装置Sでは、可動ステップ11が、車両60に設けられたドア64の開閉動作に連動するように作動する。すなわち、ドア64が閉まっている状態では、図4に示すように、可動ステップ11が車内に格納され、車両フロア61の有効面積を拡大した状態となり、また、ドア64が開いたことに連動して、図6に示すように、可動ステップ11が展開され、乗降ステップ部全体の有効面積を拡大した状態となる。また、ドア64が開いている状態でドア64の閉操作(例えば、ドアハンドルの操作等)が行われた場合には、直ちに可動ステップ11が格納された状態となるように構成されている。なお、ドア64が開けられてしばらくしてから可動ステップ11が展開された状態となるような構成であっても良い。さらに、可動ステップ11が展開又は格納する際に、不図示の表示器で報知したりスピーカから警告音を発したりするような構成であっても良い。
【0036】
そして、本実施形態の車両用乗降ステップ装置Sにおいては、ドア64が閉められた状態から開けられると、ドア開閉検出部50からドア開信号が中央制御部30に出力され、中央制御部30は、ドア64が開けられたことを認識する。中央制御部30は、前記ドア開信号を検出すると、電源供給部40に所定の電源供給指令信号を出力し、また、電源供給部40は、前記電源供給信号を検出すると、乗降ステップユニット10の駆動モータ13に所定極性からなる電圧を印加する。これにより、駆動モータ13が正方向に回転し、クランクアーム21は、回動軸21aを支軸として、図4に示すR1方向に回動する。
【0037】
上述のようにして、クランクアーム21がR1方向に回動すると、やがて図5に示すように、クランクアーム21が鉛直方向に沿って直立した状態となる。このとき、可動ステップ11は、車両フロア基準面Aよりも上方へ持ち上げられた状態となる。この状態からさらにクランクアーム21がR1方向に回動すると、やがて図6に示すように、クランクアーム21が水平方向に沿って横臥した状態となり、可動ステップ11が乗降口62から車両外側へ突出した展開状態となる。また、上述のように、クランクアーム21が水平方向に沿って横臥した状態になったときには、展開状態検出スイッチ19がスイッチオンとなる。これにより、中央制御部30において可動ステップ11が展開されたことが検出され、駆動モータ13の回転が停止される。このように、本実施形態の車両用乗降ステップ装置Sでは、可動ステップ11が格納状態から一旦上昇された後に展開状態へ変位するようになっている。
【0038】
一方、本実施形態の車両用乗降ステップ装置Sにおいて、図6に示すように、可動ステップ11が展開状態にあるときに、ドア64の閉操作(例えば、ドアハンドルの操作等)が行われると、ドア開閉検出部50からドア閉信号が中央制御部30に出力され、中央制御部30は、ドア64の閉操作があったことを認識する。中央制御部30は、前記ドア閉信号を検出すると、電源供給部40に所定の電源供給指令信号を出力し、また、電源供給部40は、前記電源供給信号を検出すると、乗降ステップユニット10の駆動モータ13に所定極性からなる電圧を印加する。このときの極性は、上述のように、駆動モータ13を正回転させたときと逆の極性である。これにより、駆動モータ13が逆方向に回転し、クランクアーム21は、回動軸21aを支軸として、図6に示すR2方向に回動する。
【0039】
上述のようにして、クランクアーム21がR2方向に回動すると、やがて図4に示すように、可動ステップ11が格納された状態となる。このとき、クランクアーム21が格納状態検出スイッチ18に当接し、格納状態検出スイッチ18がスイッチオンとなる。これにより、中央制御部30において、可動ステップ11が格納されたことが検出され、駆動モータ13の回転が停止される。また、このとき、可動ステップ11が固定ステップ16に形成された内壁面15aに当接し、クランクアーム21およびリンク部材22を含む可動ステップ11全体が内壁面15aに寄り掛かるようになっているので、可動ステップ11の安定した格納状態を保つことが可能である。なお、内壁面15aの可動ステップ11との当接面又は可動ステップ11の内壁面15aとの当接面にゴム等の緩衝部材を配設しても良い。このようにしておくと、可動ステップ11が内壁面15aと接触する際の衝撃を吸収することができ、また、衝突音も軽減することができるので好適である。
そして、本実施形態の車両用乗降ステップ装置Sでは、中央制御部30が、格納状態検出スイッチ18から出力された格納検出信号を検出することにより、ドア64を閉扉させるように構成されている。すなわち、中央制御部30によって、ドア64を全開状態に保持していた不図示の保持機構の保持状態が解除されて手動閉扉可能な状態にされたり、ドア64を自動的に閉扉させる不図示のオートクローザが作動されたりする。
【0040】
次に、図10,図11を参照しながら、上記のように動作する本実施形態の車両用乗降ステップ装置Sを、実際に使用したときにおける具体的な作用効果について説明する。
図10は、本実施形態に係る車両用乗降ステップ装置Sを車両60に適用した際の使用状況を示す説明図である。図10に示す車両60について簡単に説明すると、車両フロア61の乗降口62側には、一段下がったステップ段差部63が設けられており、このステップ段差部63に乗降ステップユニット10が組み付けられている。また、図10に示す符合Pは、乗員を示しており、この乗員Pが可動ステップ11上に搭乗した状態にある。
【0041】
そして、上記車両60において、可動ステップ11が固定ステップ16上に格納された格納状態にあるときに、乗員Pが可動ステップ11上に搭乗していると、乗員Pの体重によって回動軸21aに負荷トルクが生じることとなる。ここで、本実施形態の車両用乗降ステップ装置Sでは、上述のように、回動軸21aに一定以上の負荷が掛かると、駆動モータ13が回転することができないようにトルク設定されているので、乗員Pが可動ステップ11上に搭乗している状態では、可動ステップ11の上昇が制限され、可動ステップ11が展開態勢に移行することができないこととなる。
【0042】
このように、本実施形態の車両用乗降ステップ装置Sによれば、乗員Pが可動ステップ11上に搭乗している状態において、不意による可動ステップ11の作動を防止することが可能である。また、乗員Pの可動ステップ11への荷重が少ないときには、可動ステップ11が上昇しようとすることにより、可動ステップ11の作動を乗員へ警告することが可能である。
【0043】
また、図10に示すように、可動ステップ11が固定ステップ16上に格納された格納状態にあるときには、可動ステップ11を含む車両フロア61全体が平面状になり、車両フロア面積を十分に確保することが可能となる。一方、図11に示すように、可動ステップ11が展開状態にあるときには、可動ステップ11が乗降口62より車両外側に突出した状態となるため、乗降ステップ部全体の有効面積を拡大することができ、乗員Pの乗降時における利便性を従来に比して向上させることが可能となる。
【0044】
そして、本実施形態に係る車両用乗降ステップ装置Sでは、中央制御部30において挟み込み検出信号を検出することにより、電源供給部40への電源供給指令信号の出力を停止し、これにより、駆動モータ13の回転が停止される。従って、例えば、図12に示すように、乗員Pが搭乗しようとするときに、可動ステップ11が格納状態から展開状態へ移行し、この移行中に可動ステップ11が乗員Pに接触しても、挟み込み検出部51(図7,図8参照)によって直ちに乗員Pの挟み込みが検出され、駆動モータ13の回転が停止される。これにより、従来に比して乗降時における利便性を向上させることが可能となる。なお、上記実施形態では、可動ステップ11に対してX方向に加わる荷重を検出して乗員の挟み込みを検出するように説明したが、その他にも、可動ステップ11に対してZ方向に加わる荷重を検出して乗員の挟み込みを検出するように構成しても良いことは勿論である。
また、挟み込みを検出して、駆動モータ13を停止させた後に、ドア64を開扉状態に保持する保持機構を作動させて、ドア64が可動ステップ11に干渉しないようにしておくことが望ましい。
【0045】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(a)上記実施形態に係る車両用乗降ステップ装置Sでは、上述のように、可動ステップ11が、固定ステップ16上に格納された格納状態から一旦上昇された後に固定ステップ16から車両外側へ展開された展開状態へ変位されるように構成されている。また、駆動モータ13の発生トルクが、外力によってクランクアーム21の回動軸21aを中心として生ずる負荷トルクよりも小さくなるように設定されている。この構成により、可動ステップ11上に乗員Pが搭乗している場合や、荷物が載せられている場合には、可動ステップ11の上昇が制限されるので、可動ステップ11の不意による作動を防止することが可能となる。また、外力によってクランクアーム21の回動軸21aを中心として生ずる負荷トルクが小さい場合でも、可動ステップ11の上昇により可動ステップ11が作動することを乗員等へ警告することが可能となる。
【0046】
(b)上記実施形態に係る車両用乗降ステップ装置Sでは、可動ステップ11が、乗降口62に設けられた固定ステップ16上に格納された格納状態と固定ステップ16から車両外側へ展開された展開状態とに変位可能に構成されているので、乗降時には、可動ステップ11を固定ステップ16から車両外側へ展開させることにより、乗降ステップ部全体の有効面積を拡大することができ、また、乗車後には、可動ステップ11を固定ステップ16上に格納させてステップカバーとして利用することにより、車両フロア61全体の有効面積を拡大することが可能となる。
【0047】
(c)上記実施形態に係る車両用乗降ステップ装置Sでは、上述のように、可動ステップ11を展開および格納させる展開格納手段が、一端側が可動ステップ11に回動自在に接続されると共に他端側が固定ステップ16に対して回動自在にされてなるクランクアーム21と、クランクアーム21を回動させる駆動モータ13と、駆動モータ13を制御する中央制御部30と、を備えて構成される。また、可動ステップ11は、クランクアーム21が車両内側に傾斜した状態にあるときに固定ステップ16上に格納された格納状態となるように設けられると共に、クランクアーム21が車両外側へ横臥した状態にあるときに固定ステップ16から車両外側へ展開された展開状態となるように設けられている。この構成により、可動ステップを展開状態から一旦上昇させた後に格納状態へ確実に変位可能とすることが可能となる。また、上記展開格納手段がクランクアーム21を用いた簡易なリンク機構によって構成されるので、装置全体構成を簡素化でき、車載性を向上させることが可能となる。さらに、上述のように、従来よりも簡易な構成によって、乗降ステップ部全体の有効面積を拡大することが可能となると共に、車両フロア全体の有効面積を拡大することが可能となる。
【0048】
(d)上記実施形態に係る車両用乗降ステップ装置Sでは、可動ステップ11が、固定ステップ16上に格納された格納状態にあるときに、車両フロア61と面一な状態となるように構成されているので、可動ステップ11が格納状態にあるときには、可動ステップ11を含む車両フロア全体が平面状になるので、これにより、車両フロア面積を十分に確保することが可能となる。
【0049】
(e)上記実施形態に係る車両用乗降ステップ装置Sでは、上述のように、車両60のドア64が開けられたことを検出してドア開信号を出力すると共に、ドア64が閉められたことを検出してドア閉信号を出力するドア開閉検出部50を有して構成されている。また、中央制御部30は、ドア閉信号を検出することにより、可動ステップ11が固定ステップ16上に格納された格納状態となるように駆動モータ13を駆動させると共に、ドア開信号を検出することにより、可動ステップ11が固定ステップ16から車両外側へ展開された展開状態となるように駆動モータ13を駆動させる構成となっている。この構成により、ドア64の開閉動作に連動して可動ステップ11が自動的に展開及び格納されるので、乗員Pによる煩わしい操作を不要にでき、従来に比して利便性を向上させることが可能となる。
【0050】
(f)上記実施形態に係る車両用乗降ステップ装置Sには、上述のように、可動ステップ11が固定ステップ16上に格納された格納状態にあることを検出して格納検出信号を出力する格納検出スイッチ18と、可動ステップ11が固定ステップ16から車両外側へ展開された展開状態にあることを検出して展開検出信号を出力する展開検出スイッチ19が備えられている。また、中央制御部30は、前記格納検出信号および展開検出信号のいずれか一方を検出することにより、駆動モータ13の駆動を停止させる構成となっている。この構成により、可動ステップ11が展開若しくは格納された状態となったときに自動的に駆動モータ13が停止されるので、乗員Pによる煩わしい操作を不要にでき、従来に比して利便性を向上させることが可能となる。
【0051】
(g)上記実施形態に係る車両用乗降ステップ装置Sでは、可動ステップ11に一定以上の荷重が加わったことを検出して挟み込み検出信号を出力する挟み込み検出部51が備えられており、また、中央制御部30は、前記挟み込み検出信号を検出することにより、駆動モータ13の駆動を停止させるように構成されている。従って、例えば、可動ステップ11の作動中において可動ステップ11とステップ段差部63との間に乗員Pの足が挟まれた場合や、可動ステップ11が乗員Pの足と干渉した場合でも、直ちに可動ステップ11の作動が停止されるので、従来に比して利便性を向上させることが可能となる。
【0052】
(h)上記実施形態に係る車両用乗降ステップ装置Sでは、可動ステップ11、リンク機構12、駆動モータ13、減速機構14、本体筐体部15、固定ステップ16が、単一のユニットに構成されているので、装置全体構成を簡素化でき、これにより、車載性を向上させることが可能となる。
【0053】
なお、本発明の実施の形態は、以下のように改変することができる。
(1)上記実施形態において、可動ステップ11のがたつきを防止するために、リンク機構12の位置規制を行うストッパー部材が設けられていても良い。図13は、第一改変例に係る乗降ステップユニットの構成を示す側面図である。本改変例に係る乗降ステップユニット110では、本体筐体部15の所定箇所にストッパー部材125,126が配設されている。ストッパー部材125は、可動ステップ11が格納状態にあるときにクランクアーム21の位置規制を行うものであり、ストッパー部材126は、可動ステップ11が展開状態にあるときにクランクアーム21の位置規制を行うものである。このストッパー部材125,126は、いずれもクランクアーム21との当接面にゴム等の緩衝部材125a,126aを有して構成されており、この緩衝部材125a,126aは、剛体製のブラケット125b、126bにより本体筐体部15にそれぞれ固定されている。
【0054】
このように、本体筐体部15にストッパー部材125,126を設けることにより、クランクアーム21の回動が規制され、可動ステップ11を安定して展開状態および格納状態に保持することが可能となる。特に、駆動モータ13は、クランクアーム21がストッパー部材125(126)に当接し、さらにストッパー部材125(126)の緩衝部材125a(126a)がクランクアーム21と当接することにより撓んだ状態となったときに停止される。従って、緩衝部材125a(126a)によって駆動モータ13内のギアや減速機構14のがたつきが吸収されると共に、駆動モータ13内のギアや減速機構14が噛合った状態で停止されるので、可動ステップ11のがたつきを抑制することが可能となり好適である。
【0055】
なお、ストッパー部材125,126は、クランクアーム21の回動を規制するために設けたが、上記実施形態におけるリンク部材22,23,24の回動を規制するために設けても良いことは勿論である。このように各リンク部材に対して設けることにより、可動ステップ11の停止状態をより安定化でき好適である。また、リンク機構12が複数のリンク部材を有して構成される場合には、これらリンク部材に応じて必要数設けられても良いことは勿論である。
【0056】
(2)上記実施形態では、格納状態検出スイッチ18により可動ステップ11の格納状態を検出すると共に、展開状態検出スイッチ19により可動ステップ11の展開状態を検出するように説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。その他にも、駆動モータ13内にエンコーダ等を設け、このエンコーダにより、可動ステップ11の展開状態および格納状態を検出するように構成しても良い。また、上記第一改変例に係るストッパー部材25(26)内に格納検出スイッチ(展開検出スイッチ)を設けたり、このような格納検出スイッチ(展開検出スイッチ)をストッパー部材25(26)と併設したりしても良い。さらに、リンク機構12がストッパー部材25(26)と当接したときに、駆動モータ13における電流検出により、可動ステップ11の格納状態(展開状態)を検出するように構成しても良い。すなわち、リンク機構12がストッパー部材25(26)に当接することにより駆動モータ13の回転が停止されたときに、駆動モータ13が一定時間回転していないことをエンコーダで検出したり、過電流となったことを電流検出器等により検出したりして、駆動モータ13への通電を停止させる構成でも良い。
【0057】
(3)上記実施形態では、クランクアーム21の回動軸21aに駆動モータ13による駆動力が伝達され、可動ステップ11が作動する構成となっていたが、本発明は、これに限定されるものではない。その他にも、可動ステップ11の両端側に連結されるクランクアームに駆動モータ13の駆動力が伝達される構成であっても良い。図14,図15は、本実施形態の第二改変例を示す図である。
図14,図15に示すように、第二改変例に係る乗降ステップユニット210では、可動ステップ11の両端側にクランクアーム221,223の上端がそれぞれ回動自在に連結されている。ウォームギア14aには、ギア214fが歯合されており、このギア214fに形成されたギア214eには、ギア214gが歯合されている。ギア214gに歯合されたギア214hの出力軸には、クランクアーム221の下端及びシャフト227の一端が連結されており、また、シャフト227の他端には、ギア214iが形成されている。ギア214iには、ギア214jが歯合されており、このギア214jの出力軸には、クランクアーム223の下端が接続されている。このように、クランクアーム221とクランクアーム223とがシャフト227によって一体に連結されており、駆動モータ13の駆動力がクランクアーム221およびクランクアーム223に伝達されるようになっている。このように構成すると、可動ステップ11の両端側に駆動力が伝達されるようになるので、可動ステップ11のがたつきを抑制することが可能となり好適である。
【0058】
(4)上記実施形態において、車両用乗降ステップ装置Sは、ドア開閉検出部50による検出結果に応じて可動ステップ11を作動させる構成となっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の改変が可能である。例えば、ドア開閉検出の他にも、乗員の座席への着座の有無を検出し、この検出結果に応じて可動ステップ11が作動する構成であっても良い。また、不図示の昇降スイッチを設け、この昇降スイッチの操作状況に応じて可動ステップ11が作動する構成であっても良い。
【0059】
(5)上記実施形態では、本発明の一実施形態に係る車両用乗降ステップ装置Sがワンボックスカーや、いわゆるミニバンなどに好適に搭載されるよう説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。その他にも、バス、トラック、福祉車両、キャブオーバー車等に搭載されても良い。また、車両用乗降ステップ装置Sの搭載位置も、後部座席用に限られるものではなく、段差のあるステップ部に対して搭載されるものであれば、運転席や助手席等であっても良い。また、非常降車口等に配設されても良い。
【0060】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、可動ステップが、展開格納手段によって固定ステップ上に格納された格納状態から一旦上昇された後に固定ステップから車両外側へ展開された展開状態へ変位されるように構成されているので、例えば、可動ステップ上に乗員が搭乗している場合や、荷物が載せられている場合には、可動ステップの上昇が制限され、これにより、可動ステップの不意による作動を防止することが可能となる。
【0061】
また、可動ステップが、車両乗降口に設けられた固定ステップ上に格納された格納状態と固定ステップから車両外側へ展開された展開状態とに変位可能に構成されているので、乗降時には、可動ステップを固定ステップから車両外側へ展開させることにより、乗降ステップ部全体の有効面積を拡大することができ、また、乗車後には、可動ステップを固定ステップ上に格納させてステップカバーとして利用することにより、車両フロア全体の有効面積を拡大することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る乗降ステップユニットの斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る乗降ステップユニットを車両に搭載した状態を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る乗降ステップユニットの側面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る乗降ステップユニットにおいて可動ステップが格納した状態を示す動作説明図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る乗降ステップユニットにおいて可動ステップが上昇した状態を示す動作説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る乗降ステップユニットにおいて可動ステップが展開した状態を示す動作説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る挟み込み検出部の構成を示す第一説明図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る挟み込み検出部の構成を示す第二説明図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る車両用乗降ステップ装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る車両用乗降ステップ装置の第一動作説明図(格納状態)である。
【図11】本発明の一実施形態に係る車両用乗降ステップ装置の第二動作説明図(展開状態)である。
【図12】本発明の一実施形態に係る車両用乗降ステップ装置において挟み込み検出部が作動する様子を示す説明図である。
【図13】本実施形態の第一改変例に係る乗降ステップユニットの構成を示す側面図である。
【図14】本実施形態の第二改変例に係る乗降ステップユニットの斜視図である。
【図15】本実施形態の第二改変例に係る乗降ステップユニットの側面図である。
【符号の説明】
10,110,210 乗降ステップユニット、11 可動ステップ、11a 空間部、12 リンク機構、13 駆動モータ、14 減速機構、14a ウォームギア、14b,14c,14d,214e,214f,214g,214h,214i,214j ギア、15 本体筐体部、15a 内壁面、16 固定ステップ、18 格納状態検出スイッチ、19 展開状態検出スイッチ、21,221,223 クランクアーム、21a 回動軸、21b 支持軸、21c 突出部、22,23,24 リンク部材、25,26 ストッパー部材、25a,26a 緩衝部材、25b,26b ブラケット、30 中央制御部、40 電源供給部、50 ドア開閉検出部、51 挟み込み検出部、52a 第一接点、52b 第二接点、53 バネ、60 車両、61 車両フロア、62 乗降口、63 ステップ段差部、64 ドア、227 シャフト、S 車両用乗降ステップ装置

Claims (9)

  1. 車両乗降口に設けられた固定ステップ上に格納された格納状態と前記固定ステップから車両外側へ展開された展開状態とに変位可能な可動ステップと、該可動ステップを展開および格納させる展開格納手段と、を備えた車両用乗降ステップ装置であって、
    前記可動ステップは、前記展開格納手段によって前記固定ステップ上に格納された格納状態から一旦上昇された後に前記固定ステップから車両外側へ展開された展開状態へ変位されてなることを特徴とする車両用乗降ステップ装置。
  2. 前記展開格納手段は、一端側が前記可動ステップに回動自在に接続されると共に他端側が前記固定ステップに対して回動自在にされてなるクランクアームと、該クランクアームを回動させるモータと、該モータを制御する制御部と、を備え、
    前記可動ステップは、前記クランクアームが車両内側に傾斜した状態にあるときに前記固定ステップ上に格納された格納状態となるように設けられると共に、前記クランクアームが車両外側へ横臥した状態にあるときに前記固定ステップから車両外側へ展開された展開状態となるように設けられたことを特徴とする請求項1に記載の車両用乗降ステップ装置。
  3. 前記可動ステップは、前記固定ステップ上に格納された格納状態にあるときに、車両フロアと面一な状態となるように構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用乗降ステップ装置。
  4. 前記モータの発生トルクは、外力によって前記クランクアームの回動軸を中心として生ずる負荷トルクよりも小さくなるように設定されたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車両用乗降ステップ装置。
  5. 車両のドアが開扉したことを検出してドア開信号を出力するドア開検出部と、
    前記可動ステップが前記固定ステップ上に格納された格納状態にあることを検出して格納検出信号を出力する展開格納検出部と、を備え、
    前記制御部は、前記ドア開信号を検出することにより、前記可動ステップが前記固定ステップから車両外側へ展開された展開状態となるように前記モータを駆動させると共に、前記格納検出信号を検出することにより、前記ドアを閉扉可能にさせてなることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の車両用乗降ステップ装置。
  6. 前記可動ステップが前記固定ステップ上に格納された格納状態にあることを検出して格納検出信号を出力すると共に、前記可動ステップが前記固定ステップから車両外側へ展開された展開状態にあることを検出して展開検出信号を出力する展開格納検出部を備え、
    前記制御部は、前記格納検出信号および前記展開検出信号のいずれか一方を検出することにより、前記モータの駆動を停止させてなることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の車両用乗降ステップ装置。
  7. 前記可動ステップに一定以上の荷重が加わったことを検出して挟み込み検出信号を出力する挟み込み検出部を備え、
    前記制御部は、前記挟み込み検出信号を検出することにより、前記モータの駆動を停止させてなることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか一項に記載の車両用乗降ステップ装置。
  8. 前記可動ステップ、前記固定ステップ、前記展開格納手段が、単一のユニットで構成されたことを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか一項に記載の車両用乗降ステップ装置。
  9. 前記可動ステップが前記固定ステップ上に格納された格納状態又は前記固定ステップから車両外側へ展開された展開状態にあるときに前記クランクアームの回動を規制する共に、該クランクアームとの当接面に緩衝部材を備えてなるストッパー部材を有して構成されたことを特徴とする請求項2乃至請求項8のいずれか一項に記載の車両用乗降ステップ装置。
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