JP2007015436A - 車両用乗降ステップ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 可動ステップの展開・格納作動時の利便性を向上させると共に、展開位置または格納位置以外では可動ステップの支持機構に対する負荷の発生を防止する。
【解決手段】 可動ステップ50と、可動ステップ50を車両床下にある格納位置と車両外側にある展開位置との間で移動させる展開格納部30と、展開格納部30を駆動する駆動部20と、駆動部20を制御する中央制御部70と、駆動モータ21の電流を検出する電流検出部73と、可動ステップ50の位置を検出する位置検出部74と、を備えた車両用乗降ステップ装置Sであって、中央制御部70は、電流検出部73および位置検出部74の出力に基づいて駆動モータ21が過負荷状態か否か判定し、過負荷状態であれば可動ステップ50を反転させ、反転前よりも低速で展開位置または格納位置に復帰させる。
【選択図】 図15

Description

本発明は、車両用乗降ステップ装置に係り、特に、車両での乗員の乗降を補助するための可動式のステップ構造を備えた車両用乗降ステップ装置に関する。
一般に、ワンボックスカー等の車両においては、車室のフロアが比較的高く設定されている。このため、車両乗降口において、乗降時に可動フロアを車両床下から車両外側へ展開させて乗降を補助するように構成された車両用乗降ステップ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、車両床下に車両用乗降ステップ装置を配設するには、既設の燃料タンク等の構造物を避けて車両床下に配設する必要があると共に、地上物との接触を避けるために所定の地上高を確保する必要がある。そこで、車両床下の限られたスペースに配設するために、駆動源を可動ステップの底部に設けた車両用乗降ステップ装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−188197公報(第2−4頁、図1−図2) 特開2002−240631号公報(第2−4頁、図1、図4)
特許文献1の可動式ステップは、平行リンクによって車体と連結され車体床下で水平移動する基準バーを設け、この基準バーからステップ板が載置されたステーが水平方向に延出される。この可動ステップは、平行リンクのリンクアームの回動に伴って基準バー,ステー,ステップ板を水平移動させることによりステップ板を車両乗降口下部から張出しまたは格納する。これにより、装置全体を車両の下部に設置することができ、必要に応じてステップ板を車両乗降口から張出して使用することができる。
また、特許文献1の構成では、駆動力伝動手段とリンクの回動軸とがトルク制限状態で連結されている。これにより、ステップ板の駆動中にステップ板が障害物に接触して過負荷状態となると、リンクの回動が作動途中で停止されてステップの移動が停止するようになっている。
また、特許文献2に記載の格納式補助ステップは、車両乗降口の車両ステップの下部に設けられた支軸に一端が回動可能に連結された支持アームと、その先端に設けられた踏板(補助ステップ)とを略水平に設置したものである。この踏板は、支持アームが支軸まわりに回動されることにより、横向きとなって車両下部の格納位置に格納された格納状態と、縦向きとなって車両ステップ側方の踏板張出し位置に張り出した展開状態との間において、同一水平面上で回転往復移動されるようになっている。
しかしながら、特許文献1の構成では、平行リンクの先端にさらにステーを連結して車両側方に延出しているので、ステップ装置全体の奥行きが大きくなってしまう。そして、このように、装置が大型化してしまうと、装置を車両床下の限られたスペースに配設することができる搭載車種が制限されたり、可動ステップの格納状態において装置が外部から見えて見栄えが悪くなってしまったりするという問題があった。
また、特許文献1の構成では、障害物に接触したことによりステップ板が展開途中または格納途中の位置で停止状態となると、展開途中または格納途中のステップ板に搭乗者が乗ったりして荷重が掛かる可能性がある。そして、このように中間位置でステップ板に荷重が掛かると、ステップ板の支持機構に対して大きな負担が掛かり、装置が破損する可能性があった。
また、特許文献2の構成は、1本の支持アームで踏板を支持しているため乗降時の安定性に欠けるという問題点があった。また、踏板が横向きとなって収納されるため、ステップ幅を確保するためには車両側の収納空間の奥行きを深くする必要があった。従って、装置が大型化してしまうという問題点があった。このため、車両床下に装置を配設した場合には、格納状態において外から見えてしまったり、搭載スペースとの関係から搭載車種が制限されてしまったりするという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、可動ステップが展開・格納動作中に障害物等に接触したときに反転させて展開位置または格納位置まで復帰させることにより、利便性を向上させると共に、展開位置または格納位置以外の位置における可動ステップの支持機構への負荷の発生を防止した車両用乗降ステップ装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、装置全体の大きさをコンパクトにして車両床下への搭載性を良好とし、可動ステップの格納状態において外部から視認し難いようにして見栄えを良好とすることができる車両用乗降ステップ装置を提供することにある。
前記課題は、本発明によれば、乗降を補助するための可動ステップと、該可動ステップを車両床下に格納された格納位置と車両外側に展開された展開位置との間で移動させる展開格納部と、該展開格納部を駆動する駆動部と、該駆動部を制御する制御部と、を備えた車両用乗降ステップ装置であって、前記展開格納部は、一端部が前記可動ステップに第1の垂直軸を介して回動可能に連結されたアーム部材と、該アーム部材の他端部に第2の垂直軸を介して連結され該第2の垂直軸回りに前記アーム部材を回動させる水平移動機構と、前記アーム部材の他端部側に連結され該アーム部材を上下移動させる上下移動機構と、を備え、前記水平移動機構および前記上下移動機構は、前記駆動部からの駆動力によって前記アーム部材の上下移動および回動を同時に行うことが可能に形成され、前記可動ステップの展開動作または格納動作が妨げられたことによって前記駆動部が過負荷状態となったことを検出する負荷検出部を備え、前記制御部は、前記負荷検出部が前記過負荷状態を検出したことに基づいて、前記駆動部の駆動方向を反転させて前記可動ステップを前記格納位置または前記展開位置まで復帰させることにより解決される。
このように本発明の車両用乗降ステップ装置は、可動ステップの展開動作または格納動作が障害物により妨げられたことによって駆動部が過負荷状態となったことを検出し、過負荷状態が検出されたときは駆動部の駆動方向を反転させて可動ステップを格納位置または展開位置まで復帰させることができる。このように可動ステップが自動的に反転され、格納位置または展開位置まで復帰してはじめて停止するように構成されていると、展開途中または格納途中で停止状態とならないので、格納位置または展開位置以外の位置において可動ステップが乗降に使用されて支持機構に荷重が掛かることがない。従って、展開位置または格納位置以外の位置における可動ステップへの荷重を考慮して支持機構を構成する必要がなく、構成を簡易化して装置の小型化および軽量化を図ることができる。
また、本発明では、上下移動および回動を同時に行うことが可能なアーム部材に可動ステップを回動可能に連結することにより、可動ステップを車両上下方向および水平方向に移動可能とされている。このように展開格納部を構成すると、車両水平方向の奥行き,幅をコンパクトにまとめることができ、装置を車両床下の限られたスペースに容易に配設することが可能となる。従って、車種等によらず搭載性が良好となる。また、このような構成によれば、所定の上下移動ストロークおよび水平移動ストロークを確保することが可能であるので、可動ステップの格納時に外部から装置を視認しにくくすることができ、見栄えを向上させることが可能となる。
また、本発明ではアーム部材の上下移動および回動を同時に行うことが可能とされているので、格納位置から展開位置までの展開時間を短くして、可動ステップをすばやく展開させることができる。
また、本発明において、前記駆動部は、モータと、該モータの駆動軸に接続される減速機構と、を有し、前記負荷検出部は、前記モータの電流検出を行う電流検出部および前記可動ステップの位置検出を行う位置検出部を有し、前記電流検出部の出力および前記位置検出部の出力に基づいて前記過負荷状態の検出を行い、前記制御部は、前記モータの回転方向を逆転させることにより前記駆動部の駆動方向を反転させるように構成することができる。
このように、モータの電流検出と可動ステップの位置検出を行うことにより、可動ステップの展開格納軌道上の位置に応じて異なる可動ステップの支持機構の支持状態に対応付けて、適正な過負荷状態の検出を行うことができる。
また、本発明において、前記制御部は、前記駆動部の駆動方向が反転された後は、前記駆動方向が反転される前よりも低速で前記可動ステップを移動させるように前記駆動部を制御すると好適である。このように、反転後は反転前の通常の展開・格納動作よりも低速で可動ステップを移動させることにより、反転後に格納位置または展開位置に復帰するまでの間に再び障害物に衝突したり挟み込んだりする可能性が減少し、反転による装置の損傷を防止することができる。
また、本発明において、前記制御部は、前記過負荷状態が検出された後、前記駆動部を所定時間停止させてから反転させると好適であり、さらに、前記制御部は、前記過負荷状態が検出された後、前記駆動部の駆動を所定時間継続してから停止させるように構成すると好適である。このようにすると、不意の反転による障害物への衝突や挟み込みの発生の可能性が減少する。従って、反転による装置の損傷を防止することができる。
また、本発明において、前記負荷検出部は、前記可動ステップの展開格納軌道上の各位置において、前記駆動部が、前記可動ステップの動作が障害物により妨げられていない状態における前記駆動部の実負荷に所定の値を加算した閾値を上回る負荷状態となったことに基づいて、前記過負荷状態の検出を行うように構成すると好適である。このように、実負荷に基づいて過負荷状態の検出に用いる閾値を設定すると、過負荷状態か否かの判定において誤判定が発生しにくくなり、適正に可動ステップを反転制御させることができる。
また、本発明において、前記閾値は、前記可動ステップの展開格納軌道上の各位置における前記可動ステップの移動に含まれる上下移動と水平移動との比率に対応づけられた値を前記実負荷に加算して算出されていると好適である。このようにすると、上下方向からの障害物の接触と水平方向からの障害物の接触による衝突時の衝撃状況や破損状況の違いを考慮して反転制御を行うことができる。
(イ)本発明によれば、障害物により可動ステップの移動が妨げられたときに自動的に反転され、格納位置または展開位置まで復帰してはじめて停止するので、展開位置または格納位置以外の位置における可動ステップへの荷重を考慮して支持機構を構成する必要がなく、構成を簡易化して装置の小型化および軽量化を図ることができる。
(ロ)本発明によれば、上下移動および回動を同時に行うことが可能なアーム部材に可動ステップを回動可能に連結することにより、可動ステップを車両上下方向および水平方向に移動可能とされている。従って、格納位置から展開位置までの展開時間を短くして、可動ステップをすばやく展開させることができる。
(ハ)本発明によれば、モータの電流検出と可動ステップの位置検出を行うことにより、可動ステップの展開格納軌道上の位置に応じて異なる可動ステップの支持機構の支持状態に対応付けて、適正な過負荷状態の検出を行うことができる。
(ニ)本発明によれば、反転後は反転前の通常の展開・格納動作よりも低速で可動ステップを移動させることにより、反転後に格納位置または展開位置に復帰するまでの間に再び障害物に衝突したり挟み込んだりする可能性が減少する。また、所定時間停止させてから反転させるので、不意の反転による障害物への衝突や挟み込みの発生の可能性が減少する。従って、反転による装置の損傷を防止することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1〜図12は、本発明の一実施形態の車両用乗降ステップ装置に係るものであり、図1は可動ステップが展開した状態を示す説明図、図2は車両用乗降ステップ装置の斜視図、図3は車両用乗降ステップ装置の断面説明図、図4は上側から見た説明図、図5は作動機構の要部説明図、図6は図5の分解図、図7は上側から見た動作説明図、図8は側部から見た動作説明図、図9は電気的構成の説明図、図10は格納状態の説明図、図11は展開作動途中の説明図、図12は展開状態の説明図である。
また、図13、図14は過負荷判定に用いる閾値を示す説明図、図15は展開・格納動作時における処理を示すフローチャート、図16は展開動作時における制御を示す説明図、図17は格納動作時における制御を示す説明図である。
また、図18、図19、図21は他の実施形態に係る制御を示す説明図、図20は他の実施形態に係る制御に用いられる閾値を示す説明図である。
本実施形態に係る車両用乗降ステップ装置Sは、例えば、ワンボックスカーや、いわゆるミニバン、トラック等のように、地上から乗降口が高い位置にある車両に好適に搭載されるものである。
図1は車両用乗降ステップ装置S(以下「装置S」という)を車両1の左側後部乗降口に適用した例を示すものである。図1に示すように、装置Sは車両1の床下に配設され、ドア2の開閉動作に連動して可動ステップ50を展開・格納させるように構成されている。すなわち、本例では、ドア2が閉じた状態では可動ステップ50が床下の格納位置に保持され、ドア2が開くと可動ステップ50が車両1の車幅方向外側の展開位置まで展開する。
図2に示すように本例の装置Sは、車両1に取付けるための支持部材10に駆動部20,展開格納部30等が配設された構成であり、ユニット化された状態で車両1に取付けることが可能である。装置Sは、支持部材10を車両床下にボルト等で固定することにより車両1に取付けることができる。
本例の装置Sでは、駆動部20が作動することによって展開格納部30が駆動し、展開格納部30によって可動ステップ50が格納位置(一点鎖線で表示)から展開位置(実線で表示)まで移動させることができるようになっている。
支持部材10は、剛性を有する板状部材から形成されたものであり、地表面に対して水平な状態で車両1の床下に取付けられる本体部11と、本体部11の平面部分の一部を切り欠いて形成された切欠孔10aを塞ぐように配設される機構取付部材12を備えている。
本体部11には、車両1への取付部や、後述するストッパ爪48,49を係止するためのストッパ13,14が形成されている。
機構取付部材12には、駆動部20や展開格納部30が取付けられ、これらが取付けられた状態で、機構取付部材12は切欠孔10aを上側から塞ぐようにして本体部11にボルト留めされている。
なお、本例では、支持部材10は板状の部材であるが、板状の部材でなくてもよく、例えば、枠体のようなものであってもよい。
図3に示すように、駆動部20は、減速機構を有する駆動モータ21からの回転出力を出力軸22から出力する。駆動モータ21は正逆回転可能であり、回転方向に応じて可動ステップ50が展開または格納される。駆動モータ21等は凹状のモータケース23によって覆われ、モータケース23は機構取付部材12にネジ留めされている。
駆動モータ21は機構取付部材12の上側に固定されており、出力軸22は下側に延出している。
図4は、格納状態の装置Sを上側から見た図であり、支持部材10等の図示を省略している。本例の展開格納部30は、図3,図4に示すように、駆動モータ21の回転駆動力を伝達する駆動力伝達機構30Aと、伝達された回転駆動力によって可動ステップ50を上下移動・水平移動させる上下移動機構・水平移動機構としての駆動機構30Bが、凹部を有する取付プレート31に配設されて構成されている。取付プレート31は、凹部空間が機構取付部材12で塞がれた状態で支持部材10の切欠孔10aに嵌めこまれ、機構取付部材12にボルトで固定されている。
駆動力伝達機構30Aは、モータ軸ギヤ32と、モータ軸ギヤ32の両側に噛合して配設された2のアイドルギヤ33と、各アイドルギヤ33の外側に噛合して配設された回転筒34を主要構成要素としている。これらは、所定のギヤ径の平歯車を有し、これらが互いに噛合した状態で配置されている。
モータ軸ギヤ32,アイドルギヤ33は、取付プレート31に垂直上向きに植設された支軸37が軸取付孔に挿入された状態で取付プレート31に取付けられ、支軸37回りに回動可能となっている。
モータ軸ギヤ32には、出力軸22が上側から嵌め込まれており、駆動モータ21の作動に伴って、モータ軸ギヤ32は支軸37を回動軸として正逆回転可能となっている。
回転筒34は、図6に示すように、円筒部35と、円筒部35の下端側に設けられた円環状の歯車36とが同軸状に一体に形成されたものであり、内部空間に円柱状のアーム軸43を下側から挿入可能となっている。円筒部35の周面には軸方向に伸びる長孔35a,35bが穿設されている。長孔35a,35bは、円筒部35の周面において略180度離れた位置に対向するように形成されている。
回転筒34は、取付プレート31上に配設され、円筒部35が上部に突出するようになっている。そして、回転筒34は、有底円筒状の機構ケース38によって覆われている。機構ケース38は、機構取付部材12に取付けられており、底部(上部内側)には、軸受39bが配設されている。軸受39bは円筒部35の上端部と摺接可能となっている。また、回転筒34の取付プレート31に近い側面には軸受39aが配設されている。このように、回転筒34は、軸受39a,39bによって回動可能に支持されている。
図4に示すように、モータ軸ギヤ32、アイドルギヤ33、回転筒34の回転軸は、直線上に並ぶように配設されており、また、モータ軸ギヤ32、アイドルギヤ33、回転筒34は、出力軸22に対して対称に配設されている。これにより、駆動力伝達機構30Aは、駆動モータ21の駆動力を効率的かつコンパクトな構成で下流側へ伝達できるようになっている。
図5,図6に基づいて本例の駆動機構30Bについて説明する。駆動機構30Bは、駆動モータ21を挟むように同一構成のものが2箇所に配設されている。
駆動機構30Bは、機構取付部材12に固設されたカム部材40に、回転筒34の円筒部35が挿入され、内部で回動可能となっている。また、回転筒34には、下側から略円柱状のアーム軸43が進退動(上下動)可能に挿入されている。アーム軸43は、回転筒34内で車両上下方向に略垂直に保持される。アーム軸43は、第2の垂直軸に相当する。
アーム軸43の上端付近には、2のカムフォロア44,45が配設されている。このカムフォロア44,45は、周面において略180度離間して径方向外側へ互いに対向するように突出している。カムフォロア44,45は、それぞれ基軸44b,45b(不図示)と、これらの先端部に取付けられた円柱部44a,45aからなる。基軸44b,45bの外径は、長孔35a,35bの幅と略同じかわずかに小径に形成されている。一方、円柱部44a,45aの外径は基軸44b,45bの外径よりも大きく設定されている。
カム部材40は、略円筒カムと同様の機能を有すると共に、軸中心に回転筒34の円筒部35を挿通させて回動させることが可能な空間が形成されている。カム部材40は、機構取付部材12に取付けるための円環部40aと、円環部40aから上方へ向かって螺旋状に延出する回転レール41,42を備える。回転レール41,42によって円環部40aの円形開口に連続して軸方向に仮想的な円柱状の空間が形成される。回転レール41,42は、軸中心に対して点対称に形成されている。
回転レール41,42は、一部で上下方向に離間しつつ重なった状態となっており、上面側には、それぞれカムフォロア44,45と当接して回転または摺接させながら上下方向へ導くための傾斜面41a,42aが形成されている。また、回転レール41,42の下面側には、直接カムフォロア44,45とは通常は当接しないが、アーム軸43が上下方向でがたついたときに上下移動を規制するための規制面41b,42bが形成されている。
傾斜面41a,42aは傾斜角が上部位置では緩やかまたは略水平となっており、可動ステップ50の格納状態ではこの緩やかな面を上がりきった略水平な面にカムフォロア44,45が保持される。また、螺旋状の傾斜面41a,42aは中間位置ではスプライン形状をなすような傾斜角をなしており、円環部40aとなだらかに連続している。
カムフォロア44,45は、通常は、展開・格納動作により傾斜面41a,42aおよび円環部40aの上面と当接するようになっている。カムフォロア44,45が傾斜面41a,42aと当接しながら回転するときは、アーム軸43は上下移動も行う。しかし、カムフォロア44,45が円環部40aの上面と当接しながら回転するときは、アーム軸43は上下移動を行わない。
カム部材40,回転筒34,アーム軸43は、カム部材40内に下側から回転筒34,アーム軸43を挿入し、カムフォロア44,45を長孔35a,35bを通してアーム軸43の先端部分に対向させて取付けることによって一体に組み付けることができる。図5は、一体に組み付けられた状態を示している。
このように組み付けられた状態では、回転筒34が回動すると、長孔35a,35bの側面に基軸44b,45bが押されて、アーム軸43は回転筒34と連動して同方向へ回動しようとする。そして、アーム軸43が回動すると、カムフォロア44,45は重力にしたがって、回転レール41,42の傾斜面41a,42aに当接した状態で案内される。
本例では、カムフォロア44,45が回転レール41,42および円環部40aに案内されることによって、回転筒34が少なくとも180度以上回動可能に形成されている。
これにより、回転筒34が上から見て反時計方向へ回転したときには、カムフォロア44,45が回転レール41,42を上部から下部へと案内され、これに伴ってアーム軸43が下方へ移動していく。また、回転筒34が上から見て時計方向へ回転したときには、カムフォロア44,45が回転レール41,42を下部から上部へと案内され、これに伴ってアーム軸43が上方へ移動していく。
このように、本例の駆動機構30Bでは、回転筒34の回動によって、アーム軸43を回動させる(回転機構,水平移動機構)と共に、軸方向に所定距離だけ上下動させること(上下移動機構)が可能である。
また、本例では、アーム軸43の下端部には、アーム部材46を介して可動ステップ50が連結される。したがって、アーム軸43には下向きに大きな荷重が掛かる。本例では、この荷重をアーム軸43の上端部に設けたカムフォロア44,45とカム部材40とを当接させることによって、カム部材40から機構取付部材12を介して本体部11へ逃がしている。そして、対向して配設されたカムフォロア44,45をカム部材40で支持させて、荷重をそれぞれのカムフォロア44,45に等しく負担させることにより、アーム軸43が軸ぶれしにくくなるようにしている。
可動ステップ50の展開状態では、カムフォロア44,45は、カム部材40の円環部40a上面と当接した状態となっている。展開したときに乗降者の荷重が可動ステップ50を介してアーム軸43に掛かるから、最も荷重が掛かる展開時にはカムフォロア44,45から円環部40aを介して支持部材10側へ荷重が伝達される。回転レール41,42には、格納時や展開途中において、可動ステップ50等の構造物自体の荷重が掛かるだけであるから、回転レール41,42は、この荷重を支持するだけの強度があればよい。
また、本例では、2のカムフォロア44,45が配設されているが、カムフォロアの数はこれに限定されるものではなく、1であってもよいし、3以上であってもよい。
なお、本例では、回転筒34の回動角度が180度程度であるが、これに限らず、任意に設定してもよい。例えば、回動角度を180度以上に設定する場合には、回転レール41,42をさらに上方へ螺旋状に延出させればよい。
また、アーム軸43の上下移動距離を大きくする場合には、回動角度をそのままにして回転レール41,42の傾斜角度を大きくするか、傾斜角度はそのままにして回動角度をさらに大きく設定すればよい。
左右の2本のアーム軸43の下端部には、同じ長さのアーム部材46がアーム軸43から径方向外側でかつ同方向へ平行に延出するように固設されている。
アーム部材46の先端部には、車両上下方向に略垂直な支軸47を介して可動ステップ50が回動可能に取付けられている。支軸47は、第1の垂直軸に相当する。
また、2本のアーム部材46には、それぞれストッパ13,14と係合するストッパ爪48,49が配設されている。
本例の可動ステップ50は、略矩形状に形成された板状の部材である。本例の可動ステップ50では、車両中央側端部の長手方向に離間する2箇所の部位が車両中央側へ延出するように形成されている。この延出部位に支軸47が取付けられている。
図7は、本例の装置Sの作動範囲を示したものである。図中、斜線部分が可動部(可動ステップ50及びアーム部材46)の作動範囲である。
可動ステップ50が格納位置(実線)にある状態では、アーム部材46の先端側が車両中央側に向いており、アーム部材46は可動ステップ50と上下方向に重なった状態となっている。
なお、この状態において、可動ステップ50の端部が支持部材10に設けられた格納用ストッパ51に当接している。これにより、可動ステップ50は設定された格納位置(実線)を越えてさらに奥まで格納作動しないように位置規制されている。
可動ステップ50が格納位置(実線)にある状態で駆動モータ21が作動すると、2本の平行なアーム部材46が平行状態を保持したまま反時計方向へ略180度回動する。
これにより、支軸47によって回動可能に保持された可動ステップ50は、一旦、車両前方へ移動した後、再び車両後方へ移動して格納位置と同じ車両前後位置に戻る。展開状態では、アーム部材46と可動ステップ50とが上下方向に支軸47付近を除いて重ならない状態となる。なお、このとき、可動ステップ50は車両下方向にも移動している。
これにより、可動ステップ50は、アーム部材46の略2倍の距離だけ水平方向へ移動する。本例では、アーム部材46の回転中心であるアーム軸43が車両外側に近い位置に配設されており、アーム部材46の先端が連結された支軸47は可動ステップ50の車両中央側端部付近に配設されている。これにより、アーム部材46の長さを大きくとることができ、これに伴い、可動ステップ50の水平移動距離を大きく設定することが可能となる。
本例では、格納位置において展開格納部30や駆動部20が可動ステップ50の上面側で可動ステップ50の略垂直投影面内に配設された構成となっている。これにより、装置Sの大きさを略可動ステップ50の大きさと同程度とすることができる。そして、このような構成により、走行時に路面からの飛石等は可動ステップ50に当たるため、飛石等によって展開格納部30や駆動部20が破損してしまうことを防止することができる。
図8(A)に示すように、本例の車両1の床下には燃料タンク等の構造物が配設されており、サイドシル1bと床下構造物との間には凹部空間1aが形成されている。この凹部空間1aに支持部材10が固定されることにより、装置Sが取付けられている。なお、図8では、アーム部材46の先端側にはアームカバーが配設されている。
本例では、格納状態では上述のように、可動ステップ50の略垂直投影面内に機構部分が配置されているので、装置Sをコンパクトに構成することができる。したがって、凹部空間1aが狭いような場合でも、装置Sを取付けることができる。
また、展開格納部30は、可動ステップ50の移動範囲の略垂直投影面内で作動するように構成されている。したがって、作動時に車両の構造物に展開格納部30が当接してしまうことがない。
このように、本例の装置Sは車両1への搭載性が良好であり、凹部空間1aに確実に搭載できるので、可動ステップ50が格納された状態では、外部からほとんど視認することができず車両1の見栄えを向上させることができる。
図8(B)に示すように、可動ステップ50が展開する際には、アーム軸43が下方へ移動しながら回動するので、可動ステップ50は、その分だけ下方へ移動する。これにより、格納位置では、サイドシル1b下端よりもアーム部材46や可動ステップ50が上側にあっても、展開するときには、このサイドシル1bの下端高さをクリアして可動ステップ50を車両外側へ水平移動させることができる。
そして、本例の装置Sでは、可動ステップ50はその板厚以上、くわしくは可動ステップ50の板厚とアーム部材46の板厚を合計した長さと同程度だけ、上下方向に移動するように構成されている。このように、本例では上下方向のストローク量を確保することができるので、装置Sを凹部空間1a内の車両上側に取付けることができる。これにより、格納状態において地上高を確保することができ、走行時に凹凸面や地上物と接触してしまうことを防止することが可能となる。
また、本例の装置Sでは、格納位置で可動ステップ50が最高地上高さに位置し、展開位置で最低地上高さに位置する。これにより、展開・格納動作中に、可動ステップ50が地上物と当接してしまったり、雪や地上物を掬い上げてしまったりすることを防止することができる。
図9は本例の装置Sの電気的構成を示すブロック図である。
中央制御部70は、例えば、各種演算を行なうためのCPUと、このCPUを動作させるためのプログラムが格納されたROMと、CPUによって処理された情報を一時的に保存するRAM等を備えた電気回路で構成されている。この中央制御部70は、ドア開閉検出部72、電流検出部73、位置検出部74等からの信号に基づいて、電源供給部71に電源供給指令信号を出力するように構成されている。
電源供給部71は、車両1に備えられたバッテリを含む電源装置によって構成されており、中央制御部70からの電源供給指令信号に応じて、駆動モータ21に所定の電圧を印加することができるように構成されている。
ドア開閉検出部72は、車両1に備えられたドア2の開閉を検出するものであり、ドア2が閉じた状態にあるときには、ドア閉信号を中央制御部70へ出力すると共に、ドア2が開いたときには、ドア開信号を中央制御部70へ出力するように構成されている。ドア開閉検出部72を、カーテシスイッチとしてもよいし、専用のスイッチとしてもよい。また、ドア開閉検出部72は、ドア2が完全に閉まった状態でドア閉信号を出力し、ドア2が完全に閉まった状態から僅かに開方向に移動したときにドア開信号を出力するようにしてもよいし、ドア2が完全に開いた状態でドア開信号を出力し、ドア2が完全に開いた状態から僅かに閉方向に移動したときにドア閉信号を出力するようにしてもよい。
本例では、可動ステップ50の展開・格納中に、障害物等によりその作動を妨げるような過負荷が発生していることを検出するために、駆動モータ21に通電される電流に応じた信号を中央制御部70に出力可能な電流検出部73と、可動ステップ50の展開格納軌道上の位置を検出してその検出位置に応じた信号を中央制御部70に出力可能な位置検出部74が設けられている。
中央制御部70は、電流検出部73と位置検出部74の出力に基づき、駆動モータ21の電流が予め設定された所定の閾値パターンに基づいて閾値を超えているか否か判定し、閾値を超えている場合には、可動ステップ50の作動を妨げるような過負荷が発生していると判定し、可動ステップ50を反転させる制御を行う。
位置検出部74は、本例では、駆動モータ21の出力軸に設けたエンコーダやホールIC等の回転角検出器により構成されている。この回転角検出器は、駆動モータ21の出力軸の回転角に応じた数のパルスを出力する。本例において、中央制御部70は、出力されたパルスをカウントし、カウントしたパルスに基づき駆動モータ21の回動量を算出し、算出した回動量に基づいて回転筒34に対するアーム軸43の回動量を算出する。そして、アーム軸43の回動量に基づき、可動ステップ50の位置を算出することができる。回転角検出器は、駆動力伝達機構30Aを構成するいずれかのギヤの出力軸や、回転筒34に設けるように構成してもよい。
なお、本例の電流検出部73、位置検出部74、中央制御部70が本発明の負荷検出部に相当する。
次に、図10〜図12に基づいて、本例の装置Sの展開・格納動作について説明する。
図10は格納状態を示している。この状態では、アーム軸43上端に連結されたカムフォロア44,45がカム部材40の回転レール41,42の上部に保持されている。すなわち、カムフォロア44,45は、回転レール41,42の傾斜面41a,42aのうち傾斜角度が略水平な位置に保持されている。また、このとき、可動ステップ50は格納用ストッパ51(図7参照)に当接している。
なお、格納状態で可動ステップ50を介してアーム軸43に展開方向の回転力や下方への荷重が掛かった場合には、駆動モータ21や駆動力伝達機構30A等による回転阻止力によって外部力による展開動作は阻止される。
図11に示すように、駆動モータ21が展開方向へ作動すると、駆動力伝達機構30Aを介して駆動機構30Bが駆動される。これにより、アーム軸43が展開方向へ回転する。この回転により、カムフォロア44,45が回転レール41,42上を案内されて、車両下方へ移動する。この動作によって、アーム軸43に連結されたアーム部材46は回転すると共に、下方へ移動する。そして、2本のアーム部材46によって回動可能に連結された可動ステップ50は、下方へ移動すると共に、車両外側へ向けて移動する。
図12に示すように、駆動モータ21が所定の回転数だけ回転すると、アーム軸43が約180度展開方向へ回転する。これにより、格納状態で車両中央側を向いていたアーム部材46は、車両外側を向く。これにより、アーム部材46の先端部に回動可能に連結された可動ステップ50が展開位置まで展開される。なお、展開位置では、アーム部材46に配設されたストッパ爪48,49が、支持部材10のストッパ13,14内に入り込む。これにより、確実にアーム部材46の回動が停止されると共に、ストッパ爪48,49が、ストッパ13,14によって保持されることにより、可動ステップ50に掛かる下向きの荷重は、2本のアーム軸43とカム部材40との当接、およびストッパ爪48,49とストッパ13,14との係合によって分散して支持される。
次に、図13〜図17に基づき、展開・格納動作中において行われる可動ステップ50の作動を妨げるような過負荷検出と、この過負荷検出がなされた場合に行われる可動ステップ50の反転制御について説明する。
(過負荷発生の判定方法)
はじめに、本例において行われる過負荷発生の判定方法について説明する。本例では、駆動モータ21の電流検出値と可動ステップ50の位置検出値に基づいて適正に過負荷発生の判定を行うために、その判定基準となる閾値を以下のように設定している。
本例の展開格納部30は、上述のように、カムフォロア44,45を回転レール41,42の傾斜面41a,42aまたは円環部40aの上面に当接させて回転させることにより上下移動と水平移動を組み合わせた展開・格納動作を行う。このように、傾斜面や水平面等を組み合わせた複雑な機構形状とされていると、一定のモータ指令値で展開・格納作動を行った場合でも駆動モータ21に通電される電流(実負荷)は一定にはならず、機構が作動途中のどの状態にあるか、すなわち可動ステップ50が展開格納軌道上のどの位置にあるかに応じて電流が変動する。言い換えれば、可動ステップ50の移動量に基づいて電流が変化する。また、可動ステップ50を移動開始させる起動時には、作動中よりも大きな起動電流が必要とされている。
従って、単に駆動モータ21の電流値がある一定の閾値を超えたときに過負荷発生と判定とする方法では、閾値を小さく設定すると起動時や作動途中の実負荷が大きいときに、実際には過負荷が発生していないのに発生しているとする誤判定が生じてしまう。一方、誤判定が生じないように閾値を大きめに設定すると、実負荷が小さいときには過負荷発生を検出しにくくなって適正に判定を行うことができない。
そこで、本例では、作動開始後一定時間(例えば0.2秒間)は起動区間として扱い、起動電流によって過負荷発生の誤判定が行われないようした。また、起動区間を除く区間における過負荷発生の判定は、障害物などの外的負荷が存在せずに所定のモータ指令値で可動ステップ50を移動させたときの実負荷値を基準として、実負荷値よりも電流が一定以上上回ったときに過負荷発生と判定するようにした。
図13、図14は、それぞれ、展開作動時および格納作動時における過負荷発生の判定に用いる電流の閾値パターンを示すグラフであり、横軸は展開格納軌道上の各位置(本例ではアーム軸43の回動角によって示す)を示している。この図に示すように、実負荷値に対して一定の加算値(図13、図14におけるd、−d)を加えたオフセット値(図13、図14に示す閾値)が閾値とされている。また、区間Aは駆動モータ21に起動電流が流れている起動区間であり、閾値は、この起動区間において起動電流よりも十分大きな値となるように設定されている。このようにすれば、起動電流により過負荷発生と判定されることはない。
図13、図14における電流の実負荷値は、例えば展開格納軌道上のいくつかの位置において実負荷を実際に測定し、測定点以外の位置における電流値は直線補間することにより求めることができる。
なお、可動ステップ50の移動速度を変えるなどの制御を行っている場合には、その速度制御パターンを実施するためのモータ指令値で駆動したときの電流の実負荷値に基づいてオフセット値を算出すればよい。また、起動区間の閾値を大きくするかわりに、起動区間において閾値の判定を行わないように制御を行っても良い。
(過負荷発生時の反転制御)
図15は本例の装置Sの展開・格納動作時における処理を示すフローチャートである。また、図16、図17は、それぞれ、展開動作時および格納動作時において過負荷が発生した場合の制御信号等の変化を示す説明図である。
以下、図15、図16を参照しながら、本例の可動ステップ50の展開動作及び展開時に過負荷が発生した場合の反転動作の流れについて説明する。
はじめに、可動ステップ50が車両床下にある格納位置において、中央制御部70は、図16(a)に示すように、ドア開閉検出部72の出力が0(ドア閉信号)からH(ドア開信号)へ変化したか否かを判定する。0からHに変化したと判定した場合には(ステップS1:Yes)、ドアの開動作が行われたとしてステップS3へ進み、展開動作を開始する。一方、0からHへ変化しなかったと判定した場合には(ステップS1:No)、ステップS2において、H(ドア開信号)から0(ドア閉信号)へ変化したか否かを判定し、ドアの閉動作が行われたか否かを判定する。そして、Hから0へ変化しなかったと判定した場合には(ステップS2:No)、一定時間間隔(例えば、4m秒毎)でステップS1、S2の処理を繰返し行う。
ステップS1においてドアの開動作が行われたと判定されると、中央制御部70は、駆動モータ21を展開方向に駆動させるために、予め設定された展開作動時のモータ指令値(図16(c)に示すモータ指令値P2)に相当する電源供給指令信号を出力する(ステップS3)。これにより、駆動モータ21に正の電圧で電源供給が行われ、可動ステップ50が展開方向に移動する。
なお、本例において、駆動モータ21に対する制御は、駆動モータ21に印加する電圧を変動させるかわりに、高速でモータ電源のオンオフを行ってオンとオフの時間比率(デューティ比)を変化させるPWM制御により行う。すなわち、図16、図17に示すモータ指令値に応じたデューティ比で駆動モータ21に電源供給が行われる。
次に、中央制御部70は、一定時間間隔で、位置検出部74の出力に基づき、可動ステップ50が展開位置に到達したか否かを判定する(ステップS4)。例えば、アーム軸43の回動角が180度未満か否かを判定する。そして、180度未満ではないと判定された場合には(ステップS4:No)、展開位置に到達したとして駆動モータ21への電源供給を停止する信号を出力し、モータ指令値を0に切り換える(ステップS8)。これにより、駆動モータ21が停止して展開作動が終了する。
一方、180度未満であると判定された場合には(ステップS4:Yes)、中央制御部70は、電流検出部73および位置検出部74の出力に基づき、可動ステップ50に過負荷が発生しているか否か判定する(ステップS5)。ステップS5では、まず、位置検出部74の出力に基づいて可動ステップ50の現在位置を算出し、図13に示した予め準備された閾値パターンに基づいて、現在位置に対応付けられた電流の閾値を抽出する。
続いて、電流検出部73の出力に基づき、現在の駆動モータ21の電流が抽出した閾値を超えている場合には過負荷発生と判定し(ステップS5:Yes)、ステップS6に進む。一方、電流検出部73の出力が閾値を超えていない場合には過負荷が発生していないと判定し(ステップS5:No)、ステップS3に戻って展開作動を継続する。図16に示す矢印BはステップS5において過負荷発生の判定(過負荷検出)がなされたことを示す。
中央制御部70は、ステップS6において、可動ステップ50を反転作動させるためにモータ指令値を正の電圧に相当する指令値から負の電圧に相当する指令値に切り換える。本例では、反転作動された後の可動ステップ50の移動速度は、反転前の移動速度よりも低速とされている。すなわち、ステップS6において、中央制御部70は低速駆動のための電源供給指令信号(図16(c)に示すモータ指令値−P1)を出力し、可動ステップ50を格納位置に向けて低速移動させる。
次に、中央制御部70は、一定時間間隔で、位置検出部74の出力に基づき、可動ステップ50が格納位置に到達したか否かを判定する(ステップS7)。例えば、アーム軸43の回動角が0より大きいか否かを判定する。そして、0より大きいと判定された場合には(ステップS7:Yes)、モータ指令値を−P1に維持して可動ステップ50の低速移動を継続する(ステップS5)。一方、アーム軸43の回動角が0になったと判定された場合には(ステップS7:No)、駆動モータ21への電源供給を停止する信号を出力し、モータ指令値を0に切り換える(ステップS8)。これにより、駆動モータ21が停止して反転作動が終了する。
なお、本例では、可動ステップ50が展開位置に到達すると、ストッパ13,14とストッパ爪48,49とが係合して可動ステップ50の移動が停止される。従って、ステップS6における可動ステップ50が展開位置に到達したことの判定は、ストッパ13,14とストッパ爪48,49との接触や近接を検出するリミットスイッチ等の位置検出スイッチを設け、この位置検出スイッチの出力があったときに展開位置に到達したと判定するようにしてもよい。
また、本例において、可動ステップ50を正確な格納位置まで移動させ、可動ステップ50の位置と位置検出部74の出力とが整合するように初期化する処理を行ってもよい。例えば、ステップS3において展開方向へ作動させるように正の電圧を印加する前に、一旦、格納方向へ作動させる負の電圧を駆動モータ21に印加する。これにより、可動ステップ50が正確な格納位置に戻り、格納用ストッパ51に当接した状態となる。そして、駆動モータ21の負荷検出により、可動ステップ50が正確な格納位置に戻ったことを確認し、展開方向へ作動させるように正の電圧に切り換える処理を行う。それと共に、この状態における位置検出部74の出力が可動ステップ50が格納位置にあることを示す出力となるように初期化する処理を行う。以上のようにすれば、作動中の可動ステップ50の位置検出を正確に行うことができる。
このような初期化処理は、車両1のエンジン始動ごとに行うようにすると好適である。すなわち、エンジン始動時に初期化処理を一度行って可動ステップ50の位置と位置検出部74の出力とを整合させ、次回のエンジン始動時まではこの初期化処理に基づいて制御を行う。このようにすれば、エンジン始動ごとに可動ステップ50の位置と位置検出部74の出力とが整合するように更新することができるので、正確な位置情報に基づいて可動ステップ50の展開・格納制御を行うことができる。
また、展開・格納中に位置検出部74の出力から算出された可動ステップ50の位置情報と、可動ステップ50に発生している負荷とが整合しないことが検出された場合、例えば展開位置または格納位置に到達した旨の位置検出部74の出力がなされているにも拘わらず、可動ステップ50がストッパ部材に当接してそれ以上移動できなくかったことを示す負荷検出信号が出力されないとの不整合が生じた場合に、上記初期化処理を行うように構成してもよい。
また、上記制御において、ステップS5における過負荷発生の判定は、ステップS3の電源供給開始から所定時間(例えば、0.2秒間)は行わないようにしてもよい。展開格納開始するときに駆動モータ21に加えられる起動電流は、一旦動き出してから加えられる電流よりも大きな値とされているため、この起動電流により過負荷発生の誤判定を行わないようにするためである。
続いて、図15、図17を参照しながら本例の可動ステップ50の格納動作の流れについて説明する。まず、可動ステップ50が車両側方に張り出された展開位置において、中央制御部70は、上述の展開動作と同様にステップS1、ステップS2の処理を行う。そして、ステップS2において、図17(a)に示すドア開閉検出部72の出力がH(ドア開信号)から0(ドア閉信号)へ変化したと判定した場合には(ステップS2:Yes)、ドアの閉動作が行われたとしてステップS9へ進み、格納動作を開始する。
格納動作では、上述の展開動作と逆の流れで可動ステップ50を作動させる。
まず、中央制御部70は、駆動モータ21を格納方向に駆動させるために、予め設定された格納駆動時のモータ指令値(図17(c)に示すモータ指令値−P2)に相当する電源供給指令信号を出力する(ステップS9)。これにより、駆動モータ21に負の電圧で電源供給が行われ、可動ステップ50が格納方向に移動する。
次に、中央制御部70は、格納位置に到達したか否かの判定および過負荷発生の判定を行う。まず、位置検出部74の出力に基づき、一定時間間隔で、ステップS7と同様に可動ステップ50が格納位置に到達したか否かを判定する(ステップS10)。アーム軸43の回動角が0になったと判定された場合には(ステップS10:No)、格納位置に到達したとしてモータ指令値を0に切り換えて駆動モータ21を停止させる(ステップS14)。
一方、アーム軸43の回動角が0より大きいと判定された場合には(ステップS10:Yes)、中央制御部70は、電流検出部73および位置検出部74の出力に基づき、可動ステップ50に過負荷が発生しているか否か判定する(ステップS11)。この判定は、図14の閾値パターンに基づいて、ステップS5と同様に行う。すなわち、位置検出部74の出力に基づいて可動ステップ50の現在位置を算出し、図14の予め準備された閾値パターンに基づいて、現在位置に対応付けられた電流の閾値を抽出し、電流検出部73の出力が閾値を超えているか否か判定する。
ステップS11において過負荷発生と判定された場合には(ステップS11:Yes)、ステップS12に進む。一方、過負荷が発生していないと判定された場合には(ステップS11:No)、ステップS9に戻って格納作動を継続する。図17に示す矢印CはステップS11において過負荷発生の判定(過負荷検出)がなされたことを示す。
ステップS12において、中央制御部70は、可動ステップ50を反転作動させるためにモータ指令値を負の電圧に相当する指令値から正の電圧に相当する指令値に切り換える。格納時の反転制御は、展開時の反転制御と同様に、反転後の移動速度が反転前の移動速度よりも低速となるように行われる。すなわち、ステップS12において、中央制御部70は低速駆動のための電源供給指令信号(図17(c)に示すモータ指令値P1)を出力し、可動ステップ50を展開位置に向けて低速移動させる。
そして、中央制御部70は、一定時間間隔で、位置検出部74の出力に基づいて可動ステップ50が展開位置に戻った否かを判定し(ステップS13)、戻ったと判定された場合には(ステップS13:No)、駆動モータ21への電源供給を停止する信号を出力し、モータ指令値を0に切り換える(ステップS14)。これにより、駆動モータ21が停止して反転作動が終了する。
なお、展開時と同様に、エンジン始動時に可動ステップ50の位置と位置検出部74の出力とを整合させる初期化処理を行っていれば、格納動作時にも正確な位置情報に基づいて可動ステップ50の制御を行うことができる。また、ステップS11において、ステップS5と同様に、過負荷発生の判定を電源供給開始から所定時間(例えば、0.2秒間)は行わないようにしてもよい。
以上のように、本例では、駆動モータ21の電流検出および可動ステップ50の位置検出(移動量検出)に基づき、可動ステップ50の作動が妨げられているか否か(過負荷状態か否か)を判定することができる。そして、過負荷状態であると判定された場合には反転作動に切り換えて展開位置または格納位置まで可動ステップ50を復帰させる。つまり、可動ステップ50が停止した状態となるのは展開位置または格納位置の2箇所だけであり、それ以外の展開・格納途中の位置で可動ステップ50に荷重が掛かることを想定する必要がない。従って、展開格納部30を構成するアーム部材、カム部材、ギヤ等の諸部材を展開・格納途中の状態で荷重を支持可能に構成する必要がなく、機構の構成を簡易化することができる。従って、装置の小型化、軽量化を図ることができる。
また、可動ステップ50の展開格納軌道上の位置に応じて異なる可動ステップ50の支持機構の支持状態に対応付けて、適正な過負荷状態の検出を行うことができる。
また、本例では、本例の機構において所定のモータ指令値で駆動モータ21を駆動したときの実負荷の電流値に一定の値を加えたオフセット値を予め算出して閾値として設定し、この閾値に基づいて駆動中の可動ステップ50が過負荷状態(移動が妨げられた状態)であるか否かの判定を行う。また、起動電流に対しては過負荷状態と判定しない。このような構成により、可動ステップ50の過負荷状態か否かの判定に誤判定が発生しにくくなり、適正に可動ステップ50を反転制御させることができる。
また、本例では、反転した後は反転前の通常の展開・格納動作よりも低速で可動ステップ50が移動するので、反転後に元の位置に復帰するまでの間に再び障害物に衝突したり挟み込んだりする可能性が減少し、反転による装置の損傷を防止することができる。
上記実施形態は以下のように改変してもよい。なお、上記構成要素と同じ構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(過負荷発生後、所定時間停止してから反転開始する制御)
本例では、上記実施例のステップS5、ステップS11において過負荷発生と判定された場合、その直後に可動ステップ50を一定時間停止させ、その後反転作動を開始する。図18に本例の展開動作時における制御信号等の変化を示す。以下、この図を参照しながら、本例の展開動作時に過負荷発生の判定が行われた場合について説明する。
本例では、上記実施例のステップS5において駆動モータ21の電流が閾値を超えているとして過負荷発生の判定(図18の矢印D)が行われた場合には(ステップS5:Yes)、中央制御部70は、ステップS6に進んでモータを反転駆動させる前に、一旦、モータ指令値を0に切り換えて一定時間(例えば、t1秒間)その状態を維持する処理を行い(ステップS5a)、その後、ステップS6において、低速で反転駆動させるためにモータ指令値を−P1に切り換える処理を行う。これにより、可動ステップ50がt1秒間停止された後、反転開始される。
また、格納動作時においても同様に、過負荷発生の判定(ステップS11:Yes)が行われた場合に、中央制御部70は、ステップS12に進んでモータを反転駆動させる前に、一旦、モータ指令値を0に切り換えて一定時間(例えば、t1秒間)その状態を維持する処理を行い(ステップS11a)、その後、ステップS12において、低速で反転駆動させるためにモータ指令値をP1に切り換える処理を行う。
本例では、以上のように反転開始前に一旦停止状態とすることにより、不意の反転による障害物への衝突や挟み込みの発生の可能性が減少する。従って、反転による装置の損傷を防止することができる。
(過負荷発生後、所定時間経過してから停止し、その後反転開始する制御)
本例では、上記実施例のステップS5、ステップS11において過負荷発生と判定された場合、その後一定時間(例えば、t2秒間)そのまま駆動を継続し、続いて一定時間(例えば、t3秒間)可動ステップ50を停止させてから反転作動を開始する。図19に本例の展開動作時における制御信号等の変化を示す。以下、この図を参照しながら、本例の展開動作時に過負荷発生の判定が行われた場合について説明する。
本例では、上記実施例のステップS5において駆動モータ21の電流が閾値を超えているとして過負荷発生の判定(図19の矢印E)が行われた場合には(ステップS5:Yes)、中央制御部70は、ステップS6に進んでモータを反転駆動させる前に、以下のステップS5b、ステップS5cの処理を行う。まず、ステップS5bにおいて、モータ指令値をt2秒間P2に維持する。続いて、ステップS5cにおいてモータ指令値を0に切り換えてt3秒間その状態を維持する。続いて、ステップS6において、低速で反転駆動させるためにモータ指令値を−P1に切り換える処理を行う。
また、格納動作時においても同様に、過負荷発生の判定(ステップS11:Yes)が行われた場合に、中央制御部70は、ステップS12に進んでモータを反転駆動させる前に、モータ指令値をt2秒間の間−P2に維持する処理(ステップS11b)、モータ指令値を0に切り換えてt3秒間その状態を維持する処理(ステップS11c)を行うことができる。
本例では、以上のように、過負荷検出後、反転開始前に一定時間駆動を継続したのち一定時間停止することにより、不意の反転による障害物への衝突や挟み込みの発生の可能性が減少する。従って、反転による装置の損傷を防止することができる。
(閾値の設定方法)
上記実施例では、図13、14に示すように駆動モータ21の電流の実負荷値に一定値を加えたオフセット値を過負荷発生の判定のための閾値として設定したが、オフセット値を算出するための加算値を、可動ステップ50の移動方向に応じて調整してもよい。
上記実施例では、可動ステップ50は、上下移動と水平移動を組み合わせた移動を行っている。ここで、上下移動は車両下部から地面までの空間における移動であるため、上下方向の移動により障害物などに接触すると逃げ場がなく、水平時よりも障害物の衝突時の衝撃や障害物の挟み込み時の破損が大きい。そこで、本例では、上下移動を含む作動区間ではオフセット値を算出するための加算値を小さくし、上下移動を含まない作動区間ではオフセット値を算出するための加算値を大きくして閾値を設定することにより、障害物による衝撃や破損の程度を常に小さくすることができる。
図20は本例の展開作動時における閾値パターンのグラフを示す図である。この図に示す区間Fは、カムフォロア44,45が傾斜面41a,42aと当接しながら回転している区間である。従って区間Fにおいてアーム軸43及び可動ステップ50が上下移動している。一方、区間Gはカムフォロア44,45が円環部40aの上面と当接しながら回転する区間であり、この区間では及び可動ステップ50アーム軸43は上下移動を行わない。本例の閾値は、上下移動を行わない区間Gのオフセット値を算出するための加算値d1よりも上下移動が行われる区間Fのオフセット値を算出するための加算値dの方が小さい値とされている。また、格納作動時の閾値についても同様に、上下移動時には加算値を小さくすることができる。
また、可動ステップ50の移動方向のベクトルを上下移動のベクトルと水平移動のベクトルに分解し、その移動方向中の上下移動のベクトルの比率が高いほど加算値を大きくするように設定してもよい。このように、可動ステップの移動に含まれる上下移動と水平移動との比率に応じて加算値を異ならせることにより、障害物による衝撃や破損の程度を常に小さくすることができる。
(速度制御)
上記実施例において、可動ステップ50の展開・格納作動完了直前に可動ステップ50の速度を徐々に低下させてスローストップさせる制御を行ってもよい。また、可動ステップの格納作動開始時に可動ステップの速度をゼロから徐々に増加させ、スロースタートさせる制御を行ってもよい。
図21は、本例の格納動作時における制御信号等の変化を示す図である。図21(c)に示すように、展開位置において移動開始した直後の初期動作において、モータ指令値を0から−P2まで直線的に増加させる。また、反転し展開位置まで復帰する場合にも、復帰完了直前の作動区間において、モータ指令値をP1から0まで直線的に減少させ、これにより、可動ステップ50の速度を徐々に低下させる。なお、上記実施例では、駆動モータ21に対する制御をPWM制御により行っているので、モータ指令値、すなわちデューティ比の増減に応じて、連続的に電圧を増減したのと同じように駆動モータ21を制御することができる。従って、可動ステップ50の速度を連続的に増減させることができる。
このように速度制御すると、可動ステップ50は、停止状態から徐々に速度が増加されるので、作動開始時の動きがなめらかとなる。また、不意の作動による可動ステップ50と障害物や搭乗者との衝突を防止することができる。また、停止時にストッパ13,14や格納用ストッパ51に可動ステップ50が当接して停止する際の衝突音の発生を低減することができると共に、可動ステップ50をなめらかに停止させることができる。
(ドア開閉動作と連動した制御)
上記各実施例では、図15のステップS1、S2において、ドア開閉検出部72の出力が0(ドア閉信号)からH(ドア開信号)へ、またはHから0へ変化したことに基づき、可動ステップ50の作動を開始するように構成されていた。そして、ドア開閉検出部72は、カーテシスイッチ等の出力に基づいて、ドア2が完全に閉まった状態ではドア閉信号を出力し、ドア2が完全に閉まった状態から僅かに開方向に移動したときにはドア開信号を出力するように構成されていた。
本例では、ドア開閉検出部72が、カーテシスイッチの信号に加えてドアラッチ信号を検出し、カーテシスイッチ信号とドアラッチ信号のいずれかの検出を条件として、中央制御部70にドア開信号又はドア閉信号を出力するように構成されている。
例えば、可動ステップ50が展開状態にあるときには、ドア開閉検出部72は、ドアラッチがハーフラッチ位置にあることを示すドアラッチ信号を検出したときにドア閉信号を出力する。このようにすると、ドアが完全に閉められていない半ドア状態でも可動ステップ50を格納することができるので、利便性が向上される。
また、カーテシスイッチ信号とドアラッチ信号の両方が検出されたことを条件として、ドア開信号又はドア閉信号を出力するようにしてもよい。
なお、ドア開閉動作と連動した制御のバリエーションとしては、これ以外にも、ドア開閉検出部72が車両ドアのドアヒンジに設けたエンコーダ等の検出器の出力によりドアの開度を検出するように構成しておき、ドア閉時にはドアの開度が所定の角度よりも小さくなったことに基づいて可動ステップ50の格納作動を開始するようにしてもよい。このようにすると、ドアが完全に閉鎖されるタイミングと可動ステップ50の格納動作が終了するタイミングとを一致させることができる。従って、車両発進を速やかに行うことができる。また、ドア2を操作するためのワイヤレスリモコンや、ドア2の車両内部側に設けられた内側ドアハンドル、ドア2の車両外部側に設けられた外側ドアハンドル、運転席に設けられた運転席操作スイッチなどの各種操作部を操作することにより出力されたドア開閉操作信号が検出されたことを条件として、作動開始するようにしてもよい。
上記実施形態では、装置Sはドアの開閉動作に連動して作動するように構成されていたが、これに限らず、操作スイッチを設けて、乗員によるスイッチ操作によって、可動ステップ50を展開・格納させるように構成してもよい。
また、上記本実施形態では、ワンボックスカーや、いわゆるミニバンなどのように、車両フロアから乗降口へかけて一段低くなるように乗降用固定ステップが設けられた車両に設けられる例を示したが、これ以外にも、バス、トラック、福祉車両、航空機、鉄道車両等に適用することが可能である。
本発明の一実施形態に係る車両用乗降ステップ装置の可動ステップが展開した状態を示す説明図である。 車両用乗降ステップ装置の斜視図である。 車両用乗降ステップ装置の断面説明図である。 車両用乗降ステップ装置を上側から見た説明図である。 車両用乗降ステップ装置の作動機構の要部説明図である。 図5の分解図である。 車両用乗降ステップ装置を上側から見た動作説明図である。 車両用乗降ステップ装置を側部から見た動作説明図である。 車両用乗降ステップ装置の電気的構成の説明図である。 車両用乗降ステップ装置の格納状態の説明図である。 車両用乗降ステップ装置の展開作動途中の説明図である。 車両用乗降ステップ装置の展開状態の説明図である。 展開動作時における過負荷判定に用いる閾値を示す説明図である。 展開動作時における過負荷判定に用いる閾値を示す説明図である。 展開・格納動作時における処理を示すフローチャートである。 展開動作時における制御を示す説明図である。 格納動作時における制御を示す説明図である。 他の実施形態に係る展開動作時の制御を示す説明図である。 他の実施形態に係る展開動作時の制御を示す説明図である。 他の実施形態に係る過負荷判定に用いる閾値を示す説明図である。 他の実施形態に係る格納動作時の制御を示す説明図である。
符号の説明
1‥車両、1a‥凹部空間、1b‥サイドシル、2‥ドア、
10‥支持部材、11‥本体部、12‥機構取付部材、13,14‥ストッパ、
20‥駆動部、21‥駆動モータ、22‥出力軸、23‥モータケース、
30‥展開格納部、30A‥駆動力伝達機構、30B‥駆動機構、
31‥取付プレート、32‥モータ軸ギヤ、33‥アイドルギヤ、
34‥回転筒、35‥円筒部、35a,35b‥長孔、36‥歯車、37‥支軸、
38‥機構ケース、39a,39b‥軸受、40‥カム部材、40a‥円環部、
41,42‥回転レール、41a,42a‥傾斜面、41b,42b‥規制面、
43‥アーム軸、44,45‥カムフォロア、44a,45a‥円柱部、
44b,45b‥基軸、46‥アーム部材、47‥支軸、48,49‥ストッパ爪、
50‥可動ステップ、51‥格納用ストッパ、70‥中央制御部、71‥電源供給部、
72‥ドア開閉検出部、73‥電流検出部、74‥位置検出部
S‥車両用乗降ステップ装置

Claims (7)

  1. 乗降を補助するための可動ステップと、該可動ステップを車両床下に格納された格納位置と車両外側に展開された展開位置との間で移動させる展開格納部と、該展開格納部を駆動する駆動部と、該駆動部を制御する制御部と、を備えた車両用乗降ステップ装置であって、
    前記展開格納部は、一端部が前記可動ステップに第1の垂直軸を介して回動可能に連結されたアーム部材と、該アーム部材の他端部に第2の垂直軸を介して連結され該第2の垂直軸回りに前記アーム部材を回動させる水平移動機構と、前記アーム部材の他端部側に連結され該アーム部材を上下移動させる上下移動機構と、を備え、前記水平移動機構および前記上下移動機構は、前記駆動部からの駆動力によって前記アーム部材の上下移動および回動を同時に行うことが可能に形成され、
    前記可動ステップの展開動作または格納動作が妨げられたことによって前記駆動部が過負荷状態となったことを検出する負荷検出部を備え、
    前記制御部は、前記負荷検出部が前記過負荷状態を検出したことに基づいて、前記駆動部の駆動方向を反転させて前記可動ステップを前記格納位置または前記展開位置まで復帰させることを特徴とする車両用乗降ステップ装置。
  2. 前記駆動部はモータを有して構成され、
    前記負荷検出部は、前記モータの電流検出を行う電流検出部および前記可動ステップの位置検出を行う位置検出部を有し、前記電流検出部の出力および前記位置検出部の出力に基づいて前記過負荷状態の検出を行い、
    前記制御部は、前記モータの回転方向を逆転させることにより前記駆動部の駆動方向を反転させることを特徴とする請求項1に記載の車両用乗降ステップ装置。
  3. 前記制御部は、前記駆動部の駆動方向が反転された後は、前記駆動方向が反転される前よりも低速で前記可動ステップを移動させるように前記駆動部を制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用乗降ステップ装置。
  4. 前記制御部は、前記過負荷状態が検出された後、前記駆動部を所定時間停止させてから反転させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車両用乗降ステップ装置。
  5. 前記制御部は、前記過負荷状態が検出された後、前記駆動部の駆動を所定時間継続してから停止させることを特徴とする請求項4に記載の車両用乗降ステップ装置。
  6. 前記負荷検出部は、前記可動ステップの展開格納軌道上の各位置において、前記駆動部が、前記可動ステップの動作が障害物により妨げられていない状態における前記駆動部の実負荷に所定の値を加算した閾値を上回る負荷状態となったことに基づいて、前記過負荷状態の検出を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用乗降ステップ装置。
  7. 前記閾値は、前記可動ステップの展開格納軌道上の各位置における前記可動ステップの移動に含まれる上下移動と水平移動との比率に対応づけられた値を前記実負荷に加算して算出されたことを特徴とする請求項6に記載の車両用乗降ステップ装置。
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