JP4095928B2 - 車両用乗員保護装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用乗員保護装置に係り、特に、自動車等の車両に搭載される車両用乗員保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等の車両に搭載される車両用乗員保護装置においては、車両が衝突すると、Gセンサがフロアの対象乗員足配置部の対象乗員に対する後退速度を検知し、この検知後退速度が制御装置に予め設定された所定値を越えたときに、膝部が跳ね上がる前に、アクチュエータに駆動信号を出力して、アクティブニーボルスターを膝部の上方に移動させ、このアクティブニーボルスターで跳ね上がろうとする膝部を押さえ込んで対象乗員を拘束する構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−221276号公報(図1、図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来技術では、車両衝突時に下肢拘束装置(アクティブニーボルスター)を車体前方側から車体後方側へ移動し対象乗員の膝部を拘束する構成である。このため、特に、運転席乗員のように、対象乗員が開脚状態でシートに着座している場合には、下肢拘束装置で跳ね上がりが拘束された左右の脚部が、対象乗員の車体前方への移動に伴って更に開脚される。この結果、下肢拘束装置による対象乗員の拘束性能が低下する。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、対象乗員が開脚状態でシートに着座している場合の下肢拘束手段による対象乗員の拘束性能を向上できる車両用乗員保護装置を得ることが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、車両の衝突検知と衝突予知との少なくとも何れか一方を行う衝突判定手段と、
前記衝突判定手段の出力信号を受けてシートに着座した対象乗員の左右の下肢を車両前方斜め上側から拘束することで、前記対象乗員の脚部が跳ね上がるのを防止する下肢拘束手段と、
サイドドアの車室内側部におけるシートクッションの側壁部と対向する部位の上方近傍と、コンソールボックスにおける前記シートクッションの側壁部と対向する部位の上方近傍とに配置されて、前記衝突判定手段の出力信号を受けて前記シートに着座した対象乗員の左右の膝部近傍に当接することで、前記対象乗員の脚部が股開き状態となるのを防止する開脚防止手段と、
を有することを特徴とする。
【0007】
従って、下肢拘束手段は衝突判定手段の出力信号を受けて、シートに着座した対象乗員の左右の下肢を車両前方斜め上側から拘束することで、対象乗員の脚部が跳ね上がるのを防止する。また、サイドドアの車室内側部におけるシートクッションの側壁部と対向する部位の上方近傍と、コンソールボックスにおけるシートクッションの側壁部と対向する部位の上方近傍とに配置された開脚防止手段は衝突判定手段の出力信号を受けて、シートに着座した対象乗員の左右の膝部近傍に当接することで、対象乗員の脚部が股開き状態となるのを防止する。この結果、下肢拘束手段で跳ね上がりが拘束された左右の脚部が、対象乗員の車体前方への移動に伴って対象乗員の脚部が股開き状態となるのを開脚防止手段によって防止できる。このため、対象乗員が開脚状態でシートに着座している場合の下肢拘束手段による対象乗員の拘束性能を向上できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明における車両用乗員保護装置の第1実施形態を図1〜図3に従って説明する。
【0015】
なお、図中矢印FRは車体前方方向を、矢印UPは車体上方方向を、矢印INは車幅内側方向を示す。
【0016】
図3に示される如く、本実施形態の車両用乗員保護装置は、車体10の前端部に車両の衝突を検知する衝突判定手段としての加速度センサ12を備えており、加速度センサ12は衝突判定手段としての制御回路14に接続されている。即ち、制御回路14は加速度センサ12からの入力信号に基づいて車両の衝突を検知するようになっている。
【0017】
車体10のインストルメントパネル18には、フロントシート(運転席)20のシートクッション22の斜め前方上側となる部位に、下肢拘束手段としてのアクティブニーボルスター24が配設されている。アクティブニーボルスター24は、図3に実線で示す位置から二点鎖線で示す位置へ移動し、シート20に着座した乗員28の下肢(特に、膝部)28Aを車体前方斜め上側から拘束することで、脚部28Bが図3に実線で示す位置から二点鎖線で示す位置へ跳ね上がるのを防止するようになっている。また、アクティブニーボルスター24は、本体30と、本体30を乗員28の下肢28A側へ移動するアクチュエータ32とで構成されている。
【0018】
図1に示される如く、アクティブニーボルスター24の本体30は、乗員28の左右の下肢28Aをそれぞれ保持するように左右一対あり、アクティブニーボルスター24の本体30における基盤30Aの乗員側面には、ウレタン等からなるEA材30Bが配設されている。
【0019】
図3に示される如く、アクティブニーボルスター24の本体30における、EA材30Bの乗員側面には樹脂等からなる表皮30Cが配設されており、表皮30Cは、インストルメントパネル18の一般面18Aの一部を構成している。
【0020】
また、アクティブニーボルスター24のアクチュエータ32は、制御回路14に接続されたスクイブにより作動するインフレータからのガス圧によって駆動されるシリンダ構造のパイロアクチュエータで構成されており、アクチュエータ32が作動すると、本体30が基盤30Aの下部に車幅方向に沿って配設した車体との連結軸34を中心に図3に実線で示す格納位置から、乗員28の下肢28A側(図3の矢印Y方向)へ回転移動し、図3に二点鎖線で示す拘束位置へ移動するようになっている。
【0021】
図1に示される如く、フロントサイドドア38の車室内側部におけるシートクッション22の右側壁部と対向する部位の上方近傍には、乗員28の開脚を防止する開脚防止手段としての開脚防止装置40が配設されている。開脚防止装置40は、シート20に着座した乗員28の右足の膝部近傍に当接することで、乗員28の脚部28Bが股開き状態となるのを防止する本体42と、本体42を移動するアクチュエータ44とで構成されている。
【0022】
なお、開脚防止装置40は、コンソールボックス45におけるシートクッション22の左側壁部と対向する部位の上方近傍にも配設されており、本体42がシート20に着座した乗員28の左足の膝部近傍に当接し、乗員28の脚部28Bが股開き状態となるのを防止するようになっている。
【0023】
図2に示される如く、開脚防止装置40の本体42は、例えば、アクティブニーボルスター24の本体30と同様に、樹脂製の基盤の乗員側面にウレタン等からなるEA材が配設されており、EA材は布等からなる表皮で覆われている。また、本体42の後端部42Aのシートクッション側には、回転軸46が車体上下方向に延設されており、この回転軸46は図示を省略したフロントサイドドアのドアフレームまたは、コンソールボックス内のブラケットに回転可能に軸支されている。
【0024】
本体42の後端部42Aにおける回転軸46と反対側には、ピン48が車体上下方向に沿って配設されている。ピン48には、アクチュエータ44のロッド44Aの先端部44Bが回転可能に連結されており、アクチュエータ44が作動し、ロッド44Aが矢印S方向に延びると本体42が回転軸46を中心に図2に示す格納位置から、乗員28の脚部側(図2の矢印A方向)へ回転移動し、二点鎖線で示す開脚防止位置へ移動するようになっている。
【0025】
なお、開脚防止装置40のアクチュエータ44は、制御回路14に接続されており、スクイブ44Cにより瞬時に作動するシリンダ構造のパイロアクチュエータで構成されている。
【0026】
また、本実施形態では、図3に示される如く、インストルメントパネル18の上部18B及びステアリングホイール50に、助手席用及び運転席用のエアバッグ52が配設されており(図3では運転席用のエアバッグのみを示している)、これらのエアバッグ52を作動させるインフレータは、それぞれ制御回路14に接続されている。
【0027】
なお、図3の符号56はシートベルトを示している。
【0028】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0029】
本実施形態では、車体が衝突した際に、制御回路14は、先ず、加速度センサ12で検知した車体の減速度が所定値以上か否か判定する。次に、例えば、車体が衝突し、加速度センサ12で検知した車体の減速度が所定値以上となり、制御回路14が、車体の減速度が所定値以上と判定した場合には、助手席用及び運転席用のエアバッグ52を作動させる。
【0030】
また、加速度センサ12で検知した車体の減速度が所定値以上と判定した場合には、アクティブニーボルスター24のアクチュエータ32を作動させ、アクティブニーボルスター24の本体30を図3に実線で示す格納位置から、二点鎖線で示す乗員28の下肢28Aを拘束する拘束位置へ移動する。
【0031】
また、加速度センサ12で検知した車体の減速度が所定値以上と判定した場合には、図1に示される開脚防止装置40のアクチュエータ44を作動させ、開脚防止装置40の本体42を実線で示す格納位置から、二点鎖線で示す脚部28Bの開脚方向の移動を防止する開脚防止位置へ移動する。
【0032】
この結果、アクティブニーボルスター24で跳ね上がりが拘束された乗員28の脚部28Bが、乗員28の車体前方への移動に伴って開脚するのを、開脚防止装置40によって防止できる。このため、乗員28が開脚状態でシートに着座している場合のアクティブニーボルスター24による乗員28の拘束性能を向上できる。
【0033】
また、本実施形態では、開脚防止装置40をフロントサイドドア38とコンソールボックス45とにそれぞれ設けたため、左右の開脚防止装置40により乗員28の開脚を確実に防止できる。
【0034】
なお、本実施形態では、衝突判定手段として加速度センサ12を使用し、開脚防止装置40のアクチュエータ44としてスクイブ44Cにより瞬時に作動するシリンダ構造のパイロアクチュエータを使用したが、これに代えて、衝突判定手段として図3に符号59で示すカメラ、レダー等を使用することで衝突前に車両の衝突を感知し衝突予知(プリクラッシュ)を行う構成とし、図4に示される如く、開脚防止装置40のアクチュエータ44をモータ60、ピニオン62及びラック64または、図示を省略したウオーム歯車等を使用した他の構成としても良い。
【0035】
次に、本発明に係る車両用乗員保護装置の第2実施形態を図5及び図6に従って説明する。
【0036】
なお、第1実施形態と同一部材は、同一符号を付してその説明を省略する。
【0037】
図6に示される如く、本実施形態では、開脚防止装置40のアクチュエータ44が、スクイブにより瞬時に作動するシリンダ構造のパイロアクチュエータで構成されており、開脚防止装置40の本体42に形成された凹部43に内蔵されている。
【0038】
図5に示される如く、開脚防止装置40の本体42における後端部42Aのシートクッション側には、回転軸46が車体上下方向に延設されており、この回転軸46は図示を省略したフロントサイドドアのドアフレームまたは、コンソールボックス内のブラケットに回転可能に軸支されている。
【0039】
本体42の後端部42Aにおける回転軸46と反対側には、係合凹部66が形成されており、この係合凹部66はフロントサイドドア内に上下方向に沿った配設された軸68、または、コンソールボックス内に上下方向に沿った配設された軸に係合している。また、軸68にはアクチュエータ44の後端部44Dが回転可能に支持されている。
【0040】
開脚防止装置40の本体42における前端部42Bには、ピン70が車体上下方向に沿って配設されている。ピン70には、アクチュエータ44のロッド44Aの先端部44Bが回転可能に連結されており、アクチュエータ44が作動し、ロッド44Aが矢印B方向へ延びると本体42が回転軸46を中心に図6に実線で示す格納位置から、乗員28の脚部側(図5の矢印A方向)へ回転移動し、図6に二点鎖線で示す開脚防止位置へ移動するようになっている。
【0041】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0042】
本実施形態では、第1実施形態と同様に、加速度センサ12で検知した車体の減速度が所定値以上と判定した場合には、アクティブニーボルスター24のアクチュエータ32を作動させ、アクティブニーボルスター24の本体30を図3に実線で示す格納位置から、二点鎖線で示す乗員28の下肢28Aを拘束する拘束位置へ移動する。
【0043】
また、加速度センサ12で検知した車体の減速度が所定値以上と判定した場合には、開脚防止装置40のアクチュエータ44を作動させ、図5に示される如く、開脚防止装置40の本体42を実線で示す格納位置から、二点鎖線で示す脚部28Bの開脚方向の移動を防止する開脚防止位置へ移動する。
【0044】
この結果、アクティブニーボルスター24で跳ね上がりが拘束された乗員28の脚部28Bが、乗員28の車体前方への移動に伴って開脚するのを、開脚防止装置40によって防止できる。このため、乗員28が開脚状態でシートに着座している場合のアクティブニーボルスター24による乗員28の拘束性能を向上できる。
【0045】
また、本実施形態では、開脚防止装置40のアクチュエータ44を本体42に形成された凹部43に内蔵したため、装置を小型化できる。
【0046】
次に、本発明に係る車両用乗員保護装置の第3実施形態を図7及び図8に従って説明する。
【0047】
なお、第1実施形態と同一部材は、同一符号を付してその説明を省略する。
【0048】
図7に示される如く、本実施形態では、シート20のシートクッションフレーム72の左右両側部72Aに、それぞれ乗員28の脚部28Bが股開き状態となるのを防止する開脚防止装置80の本体82が、前後のブラケット84、86を介して回転可能に取付けられている。
【0049】
開脚防止装置80の本体82は、丸棒材で構成され、コ字状に屈曲されており、本体82の基部82Aはシートクッションフレーム72の左右両側部72Aと平行に配設されている。本体82の前脚部82Bの先端部はカム88に連結されており、カム88は車体前後方向に沿って配設されたピン90によって、ブラケット84に回転可能に取付けられている。また、本体82の後脚部82Cの先端部82Dは車体後方へ屈曲されており、先端部82Dはブラケット86に回転可能に軸支されている。
【0050】
シート20のシートクッションフレーム72の前部72Aには、開脚防止装置80のアクチュエータ92がブラケット94を介して取付けられている。アクチュエータ92はモータ96で構成されており、モータ96から左右に延設されたトルクケーブル98が連結されたギアボックス100にロッド102が連結されている。また、ロッド102のモータ96と反対側の端部102Aは、車体前後方向に沿って配設されたピン104によって、カム88に回転可能に取付けられている。
【0051】
従って、モータ96が回転すると、トルクケーブル98とギアボックス100を介して、ロッド102が反モータ96側(図7の矢印D方向)へ移動する。このため、カム88とともに本体82がピン90を中心に、図7に実線で示す格納位置から、車体上方(図7の矢印E方向)へ回転し、図7に二点鎖線で示す開脚防止位置へ移動するようになっている。
【0052】
この結果、図8に示される如く、シートクッション22の車幅方向両側部22Aが、図8に実線で示す通常状態から、車体上方シート内側(図8の矢印E方向)へ移動し、脚部28Bの開脚方向の移動を防止する二点鎖線で示す開脚防止位置へ移動するようになっている。
【0053】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0054】
本実施形態では、衝突判定手段として図3に符号59で示すカメラ、レダー等を使用することで衝突前に車両の衝突を感知し衝突予知を行い、制御回路14が、車体が衝突すると判定した場合には、アクティブニーボルスター24を作動させると共に、図7に示される開脚防止装置80のモータ96を作動させ、開脚防止装置80の本体82を実線で示す格納位置から、二点鎖線で示す脚部28Bの開脚方向の移動を防止する開脚防止位置へ移動する。
【0055】
この結果、アクティブニーボルスター24で跳ね上がりが拘束された乗員28の脚部28Bが、乗員28の車体前方への移動に伴って開脚するのを、開脚防止装置80によって防止できる。このため、乗員28が開脚状態でシートに着座している場合のアクティブニーボルスター24による乗員28の拘束性能を向上できる。
【0056】
また、本実施形態では、開脚防止装置80をシートクッション22に設けたため、シート20の前後方向のスライド位置に関係無く開脚防止装置80により脚部28Bの開脚方向の移動を確実に防止できる。
【0057】
また、本実施形態では、シートクッションフレーム72の左右両側部72Aに設けた開脚防止装置80の本体82が1個のモータ96で作動するため、コストを低減できる。
【0058】
次に、本発明に係る車両用乗員保護装置の第4実施形態を図9に従って説明する。
【0059】
なお、第3実施形態と同一部材は、同一符号を付してその説明を省略する。
【0060】
図9に示される如く、本実施形態では、本体82の前脚部82Bがセクタギア106に連結されており、セクタギア106がギアボックス100内のギア100Aに噛合している。
【0061】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0062】
本実施形態では、第3実施形態と同様に、衝突判定手段として図3に符号59で示すカメラ、レダー等を使用することで衝突前に車両の衝突を感知し衝突予知を行い、制御回路14が、車体が衝突すると判定した場合には、アクティブニーボルスター24を作動させると共にモータ96を作動させ、ギアボックス100とセクタギア106により、開脚防止装置80の本体82を実線で示す格納位置から、二点鎖線で示す脚部28Bの開脚方向の移動を防止する開脚防止位置へ移動する。
【0063】
この結果、第3実施形態と同様に、図8に示される如く、アクティブニーボルスター24で跳ね上がりが拘束された乗員28の脚部28Bが、乗員28の車体前方への移動に伴って開脚するのを、開脚防止装置80によって防止できる。このため、乗員28が開脚状態でシートに着座している場合のアクティブニーボルスター24による乗員28の拘束性能を向上できる。
【0064】
また、本実施形態では、第3実施形態と同様に、開脚防止装置80をシートクッション22に設けたため、シート20の前後方向のスライド位置に関係無く開脚防止装置80により脚部28Bの開脚方向の移動を確実に防止できる。
【0065】
また、本実施形態では、第3実施形態と同様に、シートクッションフレーム72の左右両側部72Aに設けた開脚防止装置80の本体82が1個のアクチュエータ92で作動するため、コストを低減できる。
【0066】
なお、図10に示される如く、ロッド102のモータ96と反対側の端部102Aにラック103を配設し、ラック103とセクタギア106を噛合させた構成としても良い。また、図示を省略したが、ラック103をスクイブにより瞬時に作動するシリンダ構造のパイロアクチュエータで作動する構成としても良い。
【0067】
また、図11に示される如く、シートクッションフレーム72の一方の側部72Aに、開脚防止装置80のモータ96とギアボックス100を固定し、一方の本体82の前脚部82Bに固定したセクタギア106に他方の本体82をリンク機構110により連結した構成としても良い。
【0068】
また、図12に示される如く、スクイブにより瞬時に作動するシリンダ構造のパイロアクチュエータ107により、カム88とリンク機構110とを作動する構成としても良い。
【0069】
また、図13に示される如く、開脚防止装置80の本体82を、板材で構成したフレーム形状としても良い。
【0070】
また、図14に示される如く、開脚防止装置80の本体82を三角トラス構造、即ち、上方に凸形状の円弧状の前アーム120の後端部120Aと上方に凸形状の円弧状の後アーム122の前端部122Aとをピン124によって回転可能に連結し、前アーム120の前端部120Bをピン126によってシートクッションフレーム72の左右両側部72Aに固定されたブラケット128に回転可能に軸支すると共に、後アーム122の後端部122Aをピン130によってロッド102のモータ96と反対側の端部102Aに回転可能に軸支した構造とし、モータ96が作動するとピン130がブラケット128に車体前後方向に沿って形成したスリット132に沿って前方へ移動し、アーム120とアーム122とが実線で示す格納位置から、二点鎖線で示す開脚防止位置へ移動するようにしても良い。また、図示を省略したが、開脚防止装置80のアクチュエータ92をスクイブにより瞬時に作動するパイロアクチュエータとしても良い。
【0071】
また、図15に示される如く、開脚防止装置80の本体82をリンク機構、即ち、前方側のセクタギア132の上端部と後方側のリンク134の上端部とに架設された前後方向リンク136が、モータ96の回転によって、実線で示す格納位置から、車体前側上方(矢印F方向)へ移動し二点鎖線で示す開脚防止位置へ至る構成としても良い。
【0072】
また、図16に示される如く、開脚防止装置80の本体82を、前側リンク140の上端部と後側リンク142の上端部とに架設された前後方向リンク144が、パイロアクチュエータ164によって、実線で示す格納位置から、車体前側上方(矢印F方向)へ移動し二点鎖線で示す開脚防止位置へ至る構成としても良い。
【0073】
この時、図17に示される如く、格納位置にある前側リンク140及び後側リンク142の傾斜角θ1を小さくし、作動後の入力荷重Kに対して前側リンク140及び後側リンク142が戻り方向(矢印L方向)へ回転しない位置、即ち、図16に二点鎖線で示す垂直位置を越えた位置でストッパーピン、ストッパーゴム等のストロークストッパ150で、前側リンク140を保持することで、前後方向リンク144の上昇量Hを大きくできると共に、後側リンク142を開脚防止位置に確実に保持し、作動後は格納位置に容易に戻すことができる。
【0074】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記各実施形態では、衝突判定手段の出力信号を受けて下肢拘束手段(アクティブニーボルスター)と開脚防止手段(開脚防止装置)とを同時に作動したが、これに代えて、下肢拘束手段と開脚防止手段との作動開始時間をずらしても良い。例えば、衝突を予知する衝突判定手段の出力信号を受けて開脚防止手段を作動し、衝突を検知する衝突判定手段の出力信号を受けて下肢拘束手段を作動する構成としても良い。
【0075】
また、上記各実施形態では、本発明の車両用乗員保護装置を運転席に着座する乗員を想定して構成したが、本発明の車両用乗員保護装置は、運手席以外の助手席、後席等の他の座席に対しても適用可能である。
【0076】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明は、車両の衝突検知と衝突予知との少なくとも何れか一方を行う衝突判定手段と、衝突判定手段の出力信号を受けてシートに着座した対象乗員の左右の下肢を車両前方斜め上側から拘束することで、対象乗員の脚部が跳ね上がるのを防止する下肢拘束手段と、サイドドアの車室内側部におけるシートクッションの側壁部と対向する部位の上方近傍と、コンソールボックスにおけるシートクッションの側壁部と対向する部位の上方近傍とに配置されて、衝突判定手段の出力信号を受けてシートに着座した対象乗員の左右の膝部近傍に当接することで、対象乗員の脚部が股開き状態となるのを防止する開脚防止手段と、を有するため、対象乗員が開脚状態でシートに着座している場合の下肢拘束手段による対象乗員の拘束性能を向上できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る車両用乗員保護装置を示す車両斜め前方内側から見た斜視図である。
【図2】 本発明の第1実施形態に係る車両用乗員保護装置の要部を示す車両斜め前方内側から見た拡大斜視図である。
【図3】 本発明の第1実施形態に係る車両用乗員保護装置が適用された車室前部を示す概略側断面図である。
【図4】 本発明の第1実施形態の変形例に係る車両用乗員保護装置の要部を示す車両斜め前方内側から見た拡大斜視図である。
【図5】 本発明の第2実施形態に係る車両用乗員保護装置の要部を示す車両斜め前方内側から見た拡大斜視図である。
【図6】 本発明の第2実施形態に係る車両用乗員保護装置の要部を示す平断面図である。
【図7】 本発明の第3実施形態に係る車両用乗員保護装置の要部を示す車両斜め前方内側から見た斜視図である。
【図8】 本発明の第3実施形態に係る車両用乗員保護装置を示す車両斜め前方内側から見た斜視図である。
【図9】 本発明の第4実施形態に係る車両用乗員保護装置の要部を示す車両斜め前方内側から見た斜視図である。
【図10】 本発明の第4実施形態の変形例に係る車両用乗員保護装置の要部を示す車両斜め前方内側から見た斜視図である。
【図11】 本発明の第4実施形態の変形例に係る車両用乗員保護装置の要部を示す車両斜め前方内側から見た斜視図である。
【図12】 本発明の第4実施形態の変形例に係る車両用乗員保護装置の要部を示す車両斜め前方内側から見た斜視図である。
【図13】 本発明の第4実施形態の変形例に係る車両用乗員保護装置の要部を示す車両斜め前方内側から見た斜視図である。
【図14】 本発明の第4実施形態の変形例に係る車両用乗員保護装置の要部を示す車両斜め前方内側から見た斜視図である。
【図15】 本発明の第4実施形態の変形例に係る車両用乗員保護装置の要部を示す車両斜め前方内側から見た斜視図である。
【図16】 本発明の第4実施形態の変形例に係る車両用乗員保護装置の要部を示す車両斜め前方内側から見た斜視図である。
【図17】 本発明の第4実施形態の変形例に係る車両用乗員保護装置の要部を示す概略側面図である。
【符号の説明】
12 加速度センサ(衝突判定手段)
14 制御回路(衝突判定手段)
20 フロントシート
22 シートクッション
24 アクティブニーボルスター(下肢拘束手段)
28 乗員
28A 乗員の下肢
28B 乗員の脚部
30 アクティブニーボルスターの本体
32 アクティブニーボルスターのアクチュエータ
38 フロントサイドドア
40 開脚防止装置(開脚防止手段)
42 開脚防止装置の本体
44 開脚防止装置のアクチュエータ
45 コンソールボックス
80 開脚防止装置(開脚防止手段)
82 開脚防止装置の本体
92 開脚防止装置のアクチュエータ
Claims (1)
- 車両の衝突検知と衝突予知との少なくとも何れか一方を行う衝突判定手段と、
前記衝突判定手段の出力信号を受けてシートに着座した対象乗員の左右の下肢を車両前方斜め上側から拘束することで、前記対象乗員の脚部が跳ね上がるのを防止する下肢拘束手段と、
サイドドアの車室内側部におけるシートクッションの側壁部と対向する部位の上方近傍と、コンソールボックスにおける前記シートクッションの側壁部と対向する部位の上方近傍とに配置されて、前記衝突判定手段の出力信号を受けて前記シートに着座した対象乗員の左右の膝部近傍に当接することで、前記対象乗員の脚部が股開き状態となるのを防止する開脚防止手段と、
を有することを特徴とする車両用乗員保護装置。
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