JP2009083556A - コラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置 - Google Patents

コラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置 Download PDF

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修 深渡瀬
Koukei Sanada
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Abstract

【課題】胴振りタイプのチルト機構を備えたステアリングコラムを搭載した車両において、チルト角がその乗員の体格に合っていないときにも、当該乗員の膝に対してニーエアバッグを適切な角度で膨張展開させる。
【解決手段】ステアリングコラム12はチルト中心軸72回りに車両上下方向へ揺動可能とされている。ステアリングコラム12には電動式のチルト機構60が搭載されており、プリクラッシュセンサ66によって衝突が予知されると、ECU68によってチルト機構60が自動的に作動され、小柄な体格の乗員であれば、二点鎖線図示位置から実線図示位置へチルト角θ1だけ車両下方側へステアリングコラム12が揺動される。これにより、エアバッグモジュール48と乗員の膝との距離(間隔)が適切化され、適切な角度でニーエアバッグ52を膨張展開させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ニーエアバッグを膨張展開させて乗員の膝を拘束するコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置に関する。
従来から、乗員の膝部を保護する目的で種々のコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置が提案されている。例えば、下記特許文献1、2には、ステアリングコラムのコラムカバー内にエアバッグモジュールが配設された所謂コラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置が開示されている。
これらのコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置では、エアバッグモジュールがステアリングコラムのコラムチューブに固定されており、前面衝突時になるとコラムロアカバーがティアラインに沿って破断してエアバッグドアとして展開し、その結果、ニーエアバッグが乗員の膝とインストルメントパネルとの間に介在されるようになっている。
特開平9−104317号公報 特開2002−37003号公報
しかしながら、上記先行技術は、以下の点において改良の余地がある。すなわち、昨今ではステアリングコラムにチルト機構が搭載されている車両が多いが、乗員がチルト操作をした場合、ステアリングコラムの傾斜角も調整後の位置に変更される。これに伴い、コラムチューブに固定されているエアバッグモジュールもステアリングコラムと一緒にチルト操作角方向へ移動する。その結果、ステアリングホイールの上下位置(チルト角)を調節した後の状態では、当該乗員の膝に対する適切な保護領域からニーエアバッグの膨張展開範囲が車両上下方向にずれる可能性がある。
本発明は上記事実を考慮し、胴振りタイプのチルト機構を備えたステアリングコラムを搭載した車両において、チルト角がその乗員の体格に合っていないときにも、当該乗員の膝に対してニーエアバッグを適切な角度で膨張展開させることができるコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置を得ることが目的である。
請求項1の発明に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置は、コラム前端側に設定されたチルト中心軸回りに所定角度の範囲内でコラム全体を車両上下方向へ揺動させることによりステアリングホイールの高さを調節するモータ駆動方式のチルト機構を備えたステアリングコラムと、このステアリングコラムの後端側に一体的に設けられ、車両の所定位置に設けられたガス発生手段が作動することにより折り畳み状態でコラムカバー内に格納されたニーエアバッグを乗員の膝部側へ展開させるエアバッグモジュールと、乗員の体格を直接又は間接的に検知する体格検知手段と、この体格検知手段の検知結果に基づいてニーエアバッグの車両上下方向の展開高さが乗員の膝の高さに合うようにチルト機構の駆動モータを所定量だけ所定方向へ駆動回転させる制御手段と、を有することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載のコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置において、前記制御手段は、前記体格検知手段によって検知された検知結果に基づいて乗員の体格が標準体格よりも大柄であると判断しかつチルト角が標準体格時のチルト角以下に設定されている場合には、チルト角が標準体格時のチルト角よりも大きくなるようにチルト機構の駆動モータを制御し、前記体格検知手段によって検知された検知結果に基づいて乗員の体格が標準体格よりも小柄であると判断しかつチルト角が標準体格時のチルト角以上に設定されている場合には、チルト角が標準体格時のチルト角よりも小さくなるようにチルト機構の駆動モータを制御する、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載のコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置において、前記制御手段は、前記体格検知手段によって検知された検知結果に基づいて求めた乗員の膝の高さに対し、チルト角から演算したニーエアバッグの展開高さとのずれ量が所定量未満のときにはそのままの状態とし、前記体格検知手段によって検知された検知結果に基づいて求めた乗員の膝の高さに対し、チルト角から演算したニーエアバッグの展開高さとのずれ量が所定量以上のときには当該ずれ量が当該所定量未満になるようにチルト機構の駆動モータを制御する、ことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3記載のコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置において、前記体格検知手段は、乗員の少なくとも顔の高さを検知する撮像手段である、ことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項2又は請求項3記載のコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置において、前記体格検知手段は、シートスライドに設けられ車両用シートの車両前後方向のシートポジションを検知するシートスライド位置検知手段である、ことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載のコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置において、前記制御手段は、ステアリングコラムのチルト角変更操作をエンジン始動時に行う、ことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載のコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置において、前記制御手段は、ステアリングコラムのチルト角変更操作を、車両に搭載されかつ衝突を予知する衝突予知手段によって衝突することが予知されたときに行う、ことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1に記載のコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置において、前記ステアリングコラムは所定ストロークの範囲内で当該ステアリングコラムをコラム軸方向に伸縮させることによりステーホイールの前後位置を調節するモータ駆動方式のテレスコピック機構を備えており、前記制御手段は、前記体格検知手段によって検知された検知結果に基づいてニーエアバッグの車両上下方向の展開高さが乗員の膝の高さに合うようにテレスコピック機構の駆動モータを所定量だけ所定方向へ駆動回転させる、ことを特徴とする。
請求項1記載の本発明によれば、チルト角を変更する場合には、チルト機構の駆動モータを駆動回転させる。これにより、コラム前端側に設定されたチルト中心軸回りに所定角度の範囲内でコラム全体が車両上下方向へ揺動され、ステアリングホイールの高さがその乗員にとって最適な高さに変更される。
ここで、本発明では、ステアリングコラムの後端側にエアバッグモジュールが一体的に設けられているため、胴振りタイプのチルト機構が操作されてステアリングホイールの高さが変更されると、それに伴ってエアバッグモジュールの車両上下方向の高さも変化する。従って、エアバッグモジュール内に折り畳み状態で格納されたニーエアバッグがガス発生手段の作動により膨張展開した際に、当該ニーエアバッグの展開高さがその乗員の膝から車両上下方向にずれている(即ち、ニーエアバッグの展開高さが膝の高さと合っていない)ことが考えられる。他の例として、例えば普段乗車する乗員は小柄な体格であり、チルト角度を小さく設定している場合に、当該乗員とは異なる体格が大柄な家人等が乗員になる場合で、チルト角を変更しなかった場合には、着座姿勢の膝の高さが高いにも拘わらず、ニーエアバッグの展開高さが低いことになる。
しかし、本発明では、体格検知手段を備えており、乗員の体格を直接又は間接的に検知することが可能である。そして、体格検知手段によって検知された検知結果に基づいて制御手段が乗員の膝の高さを特定し、その乗員の膝の高さに対してニーエアバッグの展開高さが車両上下方向にずれている場合には、チルト機構の駆動モータが所定量だけ所定方向へ駆動回転される。これにより、ニーエアバッグの車両上下方向の展開高さがその乗員の膝の高さに合うように変更される。
請求項2記載の本発明によれば、体格検知手段によって検知された検知結果に基づいて乗員の体格が標準体格よりも大柄であるか小柄であるかが、制御手段によって判断される。標準体格よりも大柄であると判断されかつチルト角が標準体格時のチルト角以下に設定されている場合には、チルト角が標準体格時のチルト角よりも大きくなるようにチルト機構の駆動モータが制御される。これにより、エアバッグモジュールの高さが標準体格時のエアバッグモジュールの高さよりも高くなり、ニーエアバッグが展開したときのニーエアバッグの高さと大柄な乗員の膝の高さとの関係(エアバッグモジュールと乗員の膝との距離(間隔))が変更前よりも適切化される。
逆に、標準体格よりも小柄であると判断されかつチルト角が標準体格時のチルト角以上に設定されている場合には、チルト角が標準体格時のチルト角よりも小さくなるようにチルト機構の駆動モータが制御される。これにより、エアバッグモジュールの高さが標準体格時のエアバッグモジュールの高さよりも低くなり、ニーエアバッグが展開したときのニーエアバッグの高さと小柄な乗員の膝の高さとの関係(エアバッグモジュールと乗員の膝との距離(間隔))が変更前よりも適切化される。
請求項3記載の本発明によれば、体格検知手段によって検知された検知結果に基づいて乗員の膝の高さが、制御手段によって求められる。求めた膝の高さに対し、チルト角から演算したニーエアバッグの展開高さとのずれ量が所定量未満のときには、適切と判断し、そのままの状態が維持される。
一方、制御手段によって求めた膝の高さとチルト角から演算したニーエアバッグの展開高さとのずれ量が所定量以上のときには、不適切と判断し、当該ずれ量が当該所定量未満になるようにチルト機構の駆動モータが制御される。これにより、ニーエアバッグの展開高さと膝の高さとの関係が適切になる。
請求項4記載の本発明によれば、体格検知手段が乗員の少なくとも顔の高さを検知する撮像手段によって構成されているので、既存の技術を利用してある程度の精度を期待できる。つまり、一般には、着座姿勢において顔の高さが高い乗員は大柄な乗員と考えてよく、逆に着座姿勢において顔の高さが低い乗員は小柄な乗員と考えてよいため、ある程度の精度を確保できる。
請求項5記載の本発明によれば、体格検知手段がシートスライドに設けられ車両用シートの車両前後方向のシートポジションを検知するシートスライド位置検知手段によって構成されているので、既存の技術を利用してある程度の精度を期待できる。つまり、一般には、シートポジションが車両後方側に設定されている場合には大柄な乗員が着座していると考えてよく、逆にシートポジションが車両前方側に設定されている場合には小柄な乗員が着座していると考えてよいため、ある程度の精度を確保できる。
請求項6記載の本発明によれば、制御手段はステアリングコラムのチルト角変更操作をエンジン始動時に行うので、車両走行状態になる前にチルト角変更操作が完了することになる。
請求項7記載の本発明によれば、制御手段はステアリングコラムのチルト角変更操作を、車両に搭載されかつ衝突を予知する衝突予知手段によって衝突することが予知されたときに行うので、車両走行時において衝突する直前にチルト角変更操作が行われることになる。従って、チルト角変更操作が例外なく確実に行われる。
請求項8記載の本発明によれば、ステアリングコラムがテレスコピック機構を備えている場合、ステアリングホイールの前後位置を変更することができる。この場合、チルトほどではないが、ステアリングコラムが収縮することに伴ってエアバッグモジュールのコラム前後方向の位置が変化するため、ニーエアバッグの展開高さが変化する。
この点に着目し、本発明では、ステアリングコラムの車両上下方向の位置の変化(エアバッグモジュールの車両上下方向の高さの変化)に加えて、ステアリングコラムの車両前後方向の位置の変化(エアバッグモジュールの車両前後方向の位置の変化によって生じるエアバッグモジュールの高さの変化)をも加味して、ニーエアバッグの高さを調節するというものである。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置は、胴振りタイプのチルト機構を備えたステアリングコラムを搭載した車両において、チルト角がその乗員の体格に合っていないときにも、当該乗員の膝に対してニーエアバッグを適切な角度で膨張展開させることができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置は、標準体格時のエアバッグモジュールの高さ(チルト角)を基準にしてチルト機構を制御することとしたので、ニーエアバッグの高さと乗員の膝の高さとのずれ量を演算するステップが不要になり、その分、制御が複雑化せず、その結果、チルト角の調整が完了するまでの時間を短縮化できるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置は、体格検知手段の検知結果から求めた乗員の膝の高さとチルト角から演算したニーエアバッグの展開高さのずれ量でチルト機構を制御することとしたので、乗員の体格が大柄か小柄かの判断が不要になり、その分、制御が複雑化せず、その結果、チルト角の調整が完了するまでの時間を短縮化できるという優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置は、低コストである程度の精度を確保することができるという優れた効果を有する。
請求項5記載の本発明に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置は、低コストである程度の精度を確保することができるという優れた効果を有する。
請求項6記載の本発明に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置は、プリクラッシュシステムを搭載していない車両の場合に特に有効であるという優れた効果を有する。
請求項7記載の本発明に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置は、プリクラッシュシステムを搭載している車両の場合に特に有効であるという優れた効果を有する。
請求項8記載の本発明に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置は、チルト角だけでなく、テレスコピックストロークも加味してニーエアバッグの高さを乗員の膝の高さに合わせるので、より一層精度を高めることができるという優れた効果を有する。
〔第1実施形態〕
以下、図1及び図2を用いて、本発明に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置の第1実施形態について説明する。なお、これらの図において示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示している。
図1は、第1実施形態に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置の全体構成を小柄な体格の乗員との関係で示す概略側面図である。また、図2は、当該コラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置の全体構成を大柄な体格の乗員との関係で示す概略側面図である。
これらの図に示されるように、コラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置10は、電動式のチルト機構60及びテレスコピック機構62(後述する第4実施形態の図7及び図8参照)を備えたステアリングコラム12と、このステアリングコラム12の後端側の下部に一体的に設けられたエアバッグモジュール48と、体格検知手段及び撮像手段としてのカメラ64と、衝突を予知する衝突予知手段としてのプリクラッシュセンサ66と、カメラ64及びプリクラッシュセンサ66の検知結果に基づいてチルト機構60の作動を制御する制御手段としてのECU68と、を含んで構成されている。
インストルメントパネル14の運転席側にはステアリングコラム挿通用の開口部16が形成されており、かかる開口部16を通してステアリングコラム12が前傾した状態で配置されている。また、インストルメントパネル14の開口部16に臨む位置には、ステアリングコラム12の後端側を覆うコラムカバー18がキャビン19側に突出した状態で配置されている。コラムカバー18は、上下二分割構造とされており、コラム上方側に配置されるコラムアッパカバー20とコラム下方側に配置されるコラムロアカバー22とによって構成されている。
本実施形態のステアリングコラム12は電動式のステアリングコラムとされており、乗員のスイッチ操作によってチルトモータ70が駆動回転し、ステアリングコラム12をチルト中心軸72回りに車両上下方向に揺動させる(振る)ことにより、ステアリングホイール30の上下位置(チルト角度)を調節するチルト機構60及び乗員のスイッチ操作によってテレスコピックモータ74(後述する第4実施形態の図7及び図8参照)が駆動回転し、ステアリングホイール30をコラム軸方向へ所定ストロークの範囲内でスライドさせることによりステアリングホイール30の前後位置(テレスコピックストローク)を調節するテレスコピック機構62(後述する第4実施形態の図7及び図8参照)を備えている。
ステアリングコラム12の構造について概説すると、ステアリングコラム12は円筒状のコラムチューブ26を備えており、このコラムチューブ26の軸芯部に図示しないステアリングメインシャフトが回転自在に支持されている。ステアリングメインシャフトはコラム軸方向に二分割されており、アッパ側のシャフトとロア側のシャフトとはスプライン嵌合によって連結されている。従って、アッパ側のシャフトはロア側のシャフトに対して所定ストロークの範囲内で軸方向に相対移動可能であるが、アッパ側のシャフトはロア側のシャフトに対して軸線回りに相対回転不能である。アッパ側のシャフトの後端部には、乗員(ドライバ)の操舵力が付与されるステアリングホイール30が図示しないナットで固定されている。
ステアリングメインシャフトを覆うコラムチューブ26もコラム軸方向に二分割(二重管構造と)されており、乗員側に配置されるインナチューブ36と反乗員側(ステアリングギヤボックス側)に配置されるアウタチューブ38とはスプライン嵌合によって連結されている。また、アウタチューブ38はインナチューブ36よりも径が大きく設定されており、インストルメントパネル14内に車両幅方向に沿って延在する高強度・高剛性部材である図示しないパイプ状のインパネリインフォースに支持されている。なお、アウタチューブ38とインナチューブ36の径の大小関係は逆でもよい。
上述したインナチューブ36の後端部には、側面視でL字状に形成された図示しないブラケットを介してエアバッグモジュール48が取り付けられている。エアバッグモジュール48は、組付状態でコラム後端側に配置されるガス発生手段としてのインフレータ50と、インフレータ50のコラム前方側に折り畳み状態で配置されたニーエアバッグ52と、インフレータ50及び折り畳み状態のニーエアバッグ52をコラム上方側から覆う布製の図示しないモジュールケースと、を含んで構成されている。
インフレータ50は略円柱形状に形成されており、車両幅方向を長手方向として配置されている。なお、インフレータ50は、高圧ガスが封入されたガスボンベタイプでもよいし、燃焼することによりガスを発生するガス発生剤封入タイプでもよい。
ニーエアバッグ52は蛇腹折りによって折り畳まれているが、ロール折りによって折り畳まれていてもよいし、両者を組み合わせた折り畳み方を採用してもよい。なお、インフレータ50及び折り畳み状態のニーエアバッグ52は図示しない保護布によって覆われており、これにより折り畳み状態のニーエアバッグ52の形状が崩れないように保持されている。
ここで、上述したチルトモータ70にはECU68が接続されている。さらに、ECU68には、カメラ64及び衝突予知手段としてのプリクラッシュセンサ66が接続されている。プリクラッシュセンサ66はフロントバンパの中央部等に配設されており、ミリ波レーダ等によって衝突体との衝突を予知し、その検知信号をECU68に出力するようになっている。また、カメラ64はインストルメントパネル14の上面部に設けられており、乗員の顔の高さを検知し、その検知信号をECU68に出力するようになっている。なお、カメラ64はコラムアッパカバー20の上面側に設けてもよい。
補足すると、本実施形態に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置10が適用されるステアリングコラム12のチルト機構は、コラムチューブ26の全体がその前端側上部に設けられた揺動中心軸(チルト中心軸)72回りに車両上下方向へ揺動される所謂胴振りタイプのチルト機構であり、ステアリングメインシャフトのアッパシャフトが更に分割されていて分割部位に設定されたチルト中心軸回りにステアリングホイール30のみが車両上下方向へ揺動可能とされた所謂首振りタイプのチルト機構は除外される。
また、乗員が着座する車両用シート76は、シートクッション78、シートバック80、及びヘッドレスト82によって構成されており、車体フロア84に設けられたシートスライドレール86に沿って車両前後方向にスライド移動可能とされている。
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
図1に二点鎖線で示される状態が、ステアリングコラム12及びステアリングホイール30の標準状態である。すなわち、チルト操作がなされておらず、チルト角が±0度になっている状態である。この標準状態は、標準体格の乗員にとって最適なチルト角になるように設定されており、この角度はECU68にも予め記憶されている。
この状態において小柄な乗員が車両用シート76に着座した場合、カメラ64によって当該乗員の顔の高さが検知され、検知信号がECU68に出力される。ECU68では、検知信号に基づいて、現在、車両用シート76に着座している乗員が小柄な乗員であると判断する。
また、上記(体格)検知信号の取込みと同時に、プリクラッシュセンサ66からの衝突予知信号がECU68に出力される。
ここで、仮に車両用シート76に着座した小柄な乗員がチルト操作せずに、標準体格用のステアリングコラム12及びステアリングホイール30の高さを変更しなかったとすると、コラムロアカバー22内に格納されたエアバッグモジュール48が、当該乗員の膝の高さよりも高い位置に位置される。従って、この状態で、プリクラッシュセンサ66によって衝突が予知されてECU68によってエアバッグモジュール48が作動されると、ニーエアバッグ52による当該乗員の膝に対する拘束力が弱まる。
しかし、本実施形態では、カメラ64によって当該乗員の顔の高さが予め検知され、ECU68で車両用シート76に着座している乗員の体格が小柄な体格であることが予め把握されているので、プリクラッシュセンサ66によって衝突することが予知されると、ECU68によってチルト機構60のチルトモータ70が所定回転数だけ正転駆動される。これにより、チルト機構60が作動し、ステアリングコラム12がチルト中心軸72回りにチルト角θ1だけ車両下方側へ揺動される。その結果、ステアリングコラム12及びステアリングホイール30は二点鎖線図示位置から実線図示位置まで車両下方側へ移動し、それに伴ってコラムチューブ26に固定されたエアバッグモジュール48も車両下方側へ移動する。これにより、エアバッグモジュール48の高さと乗員の膝の高さとが最適化され(換言すれば、エアバッグモジュール48と乗員の膝との距離(間隔)が適切な距離となり)、ニーエアバッグ52が膨張展開すると、適切な拘束力でニーエアバッグ52が乗員の膝を拘束する。
逆に、図2に示されるように、車両用シート76に着座した乗員が大柄な体格であるのにも拘わらず、チルト操作せずに、標準体格用のステアリングコラム12及びステアリングホイール30の高さを変更しなかったとすると、コラムロアカバー22内に格納されたエアバッグモジュール48が、当該乗員の膝の高さよりもかなり近い位置に位置される。従って、この状態で、プリクラッシュセンサ66によって衝突が予知されてECU68によってエアバッグモジュール48が作動されると、ニーエアバッグ52による当該乗員の膝に対する拘束力が強くなり過ぎることになる。
しかし、本実施形態では、カメラ64によって当該乗員の顔の高さが予め検知され、ECU68で車両用シート76に着座している乗員の体格が大柄な体格であることが予め把握されているので、プリクラッシュセンサ66によって衝突することが予知されると、ECU68によってチルト機構60のチルトモータ70が所定回転数だけ逆転駆動される。これにより、チルト機構60が作動し、ステアリングコラム12がチルト中心軸72回りにチルト角θ2だけ車両上方側へ揺動される。その結果、ステアリングコラム12及びステアリングホイール30は二点鎖線図示位置から実線図示位置まで車両上方側へ移動し、それに伴ってコラムチューブ26に固定されたエアバッグモジュール48も車両上方側へ移動する。これにより、エアバッグモジュール48の高さと乗員の膝の高さとが最適化され(換言すれば、エアバッグモジュール48と乗員の膝との距離(間隔)が適切な距離となり)、ニーエアバッグ52が膨張展開すると、適切な拘束力でニーエアバッグ52が乗員の膝を拘束する。
なお、以上は制御の一例であり、ECU68によって、乗員の体格が標準体格よりも大柄であると判断されかつチルト角が標準体格時のチルト角以下に設定されている場合に、チルト角が標準体格時のチルト角(±0度)よりも大きくなるようにチルト機構60のチルトモータ70を作動させるように制御されていればよい。従って、必ずしもベストモードである必要はなく、極端な例として、例えば、乗員の体格が大柄であると判断され、かつそのときのチルト角が−5度に設定されていた場合に、衝突予知時にECU68によって一律にチルト角が+10度になるようにチルト機構60を制御してもよい。この場合においても、チルト角を全く変えない場合に比べれば、充分良好な拘束力が得られる。
以上説明したように、本実施形態に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置10によれば、胴振りタイプのチルト機構60を備えたステアリングコラム12を搭載した車両において、チルト角がその乗員の体格に合っていないときにも、当該乗員の膝に対してニーエアバッグ52を適切な角度で膨張展開させることができる。
また、本実施形態では、標準体格時のエアバッグモジュール48の高さ(チルト角)を基準にしてチルト機構60を制御することとしたので、ニーエアバッグ52の高さと乗員の膝の高さとのずれ量を演算するステップが不要になり、その分、制御が複雑化せず、その結果、チルト角の調整が完了するまでの時間を短縮化できる。
さらに、本実施形態では、カメラ64によって乗員の顔の高さを検知する体格検知手段を採用したので、既存の技術を利用してある程度の精度を期待できる。つまり、一般には、着座姿勢において顔の高さが高い乗員は大柄な乗員と考えてよく、逆に着座姿勢において顔の高さが低い乗員は小柄な乗員と考えてよいため、ある程度の精度を確保できる。従って、低コストな構成で、ある程度の精度を確保することができる点で優れている。
また、本実施形態では、ECU68によるチルト機構60の制御を衝突予知時に行うこととしたので、車両走行時において衝突する直前にチルト角変更操作が行われることになる。従って、チルト角変更操作が例外なく確実に行われる。よって、プリクラッシュシステムを搭載している車両の場合には特に有効なシステムである。
〔第2実施形態〕
以下、図3及び図4を用いて、本発明に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置の第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
これらの図に示されるように、この第2実施形態では、体格検知手段としてカメラ64の替わりにシートスライド位置検知センサ90を用いた点に特徴がある。
シートスライド位置検知センサ90はシートスライドレール86の所定位置に設けられており、車両用シート76のシートポジションを検知し、その検知信号をECU68に出力するようになっている。
(作用・効果)
上記構成によっても、前述した第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。すなわち、図3に示されるように、仮に車両用シート76に着座した大柄な乗員がチルト操作せずに、標準体格用のステアリングコラム12及びステアリングホイール30の高さを変更しなかったとすると、コラムロアカバー22内に格納されたエアバッグモジュール48が、当該乗員の膝の高さよりも高い位置に位置される。従って、この状態で、プリクラッシュセンサ66によって衝突が予知されてECU68によってエアバッグモジュール48が作動されると、ニーエアバッグ52による当該乗員の膝に対する拘束力が弱まる。
ここで、本実施形態では、シートスライド位置検知センサ90によって当該乗員のシートポジションが予め検知されてその検知信号がECU68に出力されている。一般に、小柄な体格の乗員は、シートポジションを標準位置よりも車両前方側にセットするので、その情報がECU68に出力されて、ECU68では小柄な体格の乗員が車両用シート76に着座していると判断する。
そして、プリクラッシュセンサ66によって衝突することが予知されると、前述した第1実施形態と同様にして、ECU68によってチルト機構60のチルトモータ70が所定回転数だけ正転駆動される。これにより、チルト機構60が作動し、ステアリングコラム12がチルト中心軸72回りにチルト角θ1だけ車両下方側へ揺動される。その結果、ステアリングコラム12及びステアリングホイール30は二点鎖線図示位置から実線図示位置まで車両下方側へ移動し、それに伴ってコラムチューブ26に固定されたエアバッグモジュール48も車両下方側へ移動する。これにより、エアバッグモジュール48の高さと乗員の膝の高さとが最適化され(換言すれば、エアバッグモジュール48と乗員の膝との距離(間隔)が適切な距離(間隔)となり)、ニーエアバッグ52が膨張展開すると、適切な拘束力でニーエアバッグ52が乗員の膝を拘束する。
逆に、図4に示されるように、車両用シート76に着座した乗員が大柄な体格であるのにも拘わらず、チルト操作せずに、標準体格用のステアリングコラム12及びステアリングホイール30の高さを変更しなかったとすると、コラムロアカバー22内に格納されたエアバッグモジュール48が、当該乗員の膝に近い位置に位置される。従って、この状態で、プリクラッシュセンサ66によって衝突が予知されてECU68によってエアバッグモジュール48が作動されると、ニーエアバッグ52による当該乗員の膝に対する拘束力が強くなり過ぎることになる。
しかし、本実施形態では、シートスライド位置検知センサ90よって当該乗員のシートポジションが予め検知され、ECU68で車両用シート76に着座している乗員の体格が大柄な体格であることが予め把握されているので、プリクラッシュセンサ66によって衝突することが予知されると、ECU68によってチルト機構60のチルトモータ70が所定回転数だけ逆転駆動される。これにより、チルト機構60が作動し、ステアリングコラム12がチルト中心軸72回りにチルト角θ2だけ車両上方側へ揺動される。その結果、ステアリングコラム12及びステアリングホイール30は二点鎖線図示位置から実線図示位置まで車両上方側へ移動し、それに伴ってコラムチューブ26に固定されたエアバッグモジュール48も車両上方側へ移動する。これにより、エアバッグモジュール48の高さと乗員の膝の高さとの関係が最適化され(換言すれば、エアバッグモジュール48と乗員の膝との距離(間隔)が適切な距離(間隔)となり)、ニーエアバッグ52が膨張展開すると、適切な拘束力でニーエアバッグ52が乗員の膝を拘束する。
上記より、本実施形態に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置10によっても、前述した第1実施形態と同様に、胴振りタイプのチルト機構60を備えたステアリングコラム12を搭載した車両において、チルト角がその乗員の体格に合っていないときにも、当該乗員の膝に対してニーエアバッグ52を適切な角度で膨張展開させることができる。
また、本実施形態では、標準体格時のエアバッグモジュール48の高さ(チルト角)を基準にしてチルト機構60を制御することとしたので、ニーエアバッグ52の高さと乗員の膝の高さとのずれ量を演算するステップが不要になり、その分、制御が複雑化せず、その結果、チルト角の調整が完了するまでの時間を短縮化できる。
さらに、本実施形態では、体格検知手段がシートスライドレール86に設けられ車両用シート76の車両前後方向のシートポジションを検知するシートスライド位置検知センサ90によって構成されているので、既存の技術を利用してある程度の精度を期待できる。つまり、一般には、シートポジションが車両後方側に設定されている場合には大柄な乗員が着座していると考えてよく、逆にシートポジションが車両前方側に設定されている場合には小柄な乗員が着座していると考えてよいため、ある程度の精度を確保できる。従って、低コストな構成で、ある程度の精度を確保することができる点で優れている。
また、本実施形態では、ECU68によるチルト機構60の制御を衝突予知時に行うこととしたので、車両走行時において衝突する直前にチルト角変更操作が行われることになる。従って、チルト角変更操作が例外なく確実に行われる。よって、プリクラッシュシステムを搭載している車両の場合には特に有効なシステムである。
〔第3実施形態〕
以下、図5及び図6を用いて、本発明に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置の第3実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態等と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図5及び図6に示されるように、この第3実施形態では、シートスライド位置検知センサ90の替わりに着座センサ92を用いた点に特徴がある。すなわち、車両用シート76のシートクッション78の座面近傍(シートクッション表皮の下面側)には、シート状の着座センサ92が配設されている。着座センサ92は一例として多数の圧力センサを所定の配列で分布させることによって構成されており、乗員が着座した際にONされる圧力センサの数(分布)等から乗員の体格をECU68で判断するようになっている。
(作用・効果)
上記構成によっても、前述した第1実施形態及び第2実施形態と同様の作用効果が得られる。なお、制御の仕方は、前述した第2実施形態と実質的に同一であるので、その説明は省略する。
〔第4実施形態〕
以下、図7及び図8を用いて、本発明に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置の第4実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態等と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
この図に示されるように、この第4実施形態では、第1実施形態の構成に、テレスコピックとの関係を付加した点に特徴がある。すなわち、チルト機構60のチルトモータ70並びにテレスコピック機構62のテレスコピックモータ74の双方がECU68に接続されており、それぞれその作動が制御されている。
(作用・効果)
上記構成によれば、乗員は、図示しないスイッチを操作することにより、テレスコピック機構62によってコラムチューブ26を伸縮させ、ステアリングホイール30の前後位置を変更することができる。この場合、チルトほどではないが、ステアリングコラム12が収縮することに伴ってエアバッグモジュール48のコラム前後方向の位置が変化するため、ニーエアバッグ52の展開高さも変化する。
この点に着目し、本実施形態では、チルト操作によるステアリングコラム12の車両上下方向の位置の変化(エアバッグモジュール48の車両上下方向の高さの変化)に加えて、ステアリングコラム12の車両前後方向の位置の変化(エアバッグモジュールの車両前後方向の位置の変化によって生じるエアバッグモジュール48の高さの変化)をも加味して、ニーエアバッグ52の高さを調節するというものである。
例えば、図7に示されるように、小柄な乗員がテレスコピック操作をせず、ステアリングホイール30を二点鎖線で示される標準位置にセットしていたとすると、エアバッグモジュール48が乗員の膝に比較的接近する。すなわち、エアバッグモジュール48と乗員の膝との距離(間隔)が狭過ぎる。この状態で、プリクラッシュセンサ66によって衝突が予知されると、ECU68によってテレスコピック機構62のテレスコピックモータ74に駆動信号が送られて、インナチューブ36が二点鎖線図示位置から実線図示位置までコラム前方側(矢印L1方向側)へ軸方向移動される。これにより、エアバッグモジュール48の高さが乗員の膝の高さに対して適切になり、ニーエアバッグ52で乗員の膝を適切に拘束することができる。
逆に、図8に示されるように、大柄な乗員がテレスコピック操作をせず、ステアリングホイール30を二点鎖線で示される標準位置にセットしていたとすると、エアバッグモジュール48が乗員の膝から比較的遠ざかる。すなわち、エアバッグモジュール48と乗員の膝との距離(間隔)が空き過ぎる。この状態で、プリクラッシュセンサ66によって衝突が予知されると、ECU68によってテレスコピック機構62のテレスコピックモータ74に駆動信号が送られて、インナチューブ36が二点鎖線図示位置から実線図示位置までコラム後方側(矢印L2方向側)へ軸方向移動される。これにより、エアバッグモジュール48の高さが乗員の膝の高さに対して適切になり、ニーエアバッグ52で乗員の膝を適切に拘束することができる。
従って、チルト角だけでなく、テレスコピックストロークも加味してニーエアバッグ52の高さを乗員の膝の高さに合わせることができるので、システムの精度をより一層高めることができる。
なお、上記のようにテレスコピック操作をチルト操作に加えて行う場合、テレスコピック操作を先に完了させてからチルト操作を行うようにしてもよいし、その逆にしてもよい。
〔上記実施形態の補足説明〕
(1) 上述した実施形態では、前面衝突予知時にチルト操作(及びテレスコピック操作)を行うものとして説明したが、これに限らず、エンジン始動時にこの操作を行ってもよい。つまり、前面衝突予知時に上記操作を行う場合には、プリクラッシュシステムを車両に搭載していることが前提となるが、必ずしもプリクラッシュシステムを搭載している車両でなければ本発明を適用できないというものではない。プリクラッシュシステムを搭載していない車両の場合には、一例として、乗員が車両用シート76に着座してエンジンを始動させた際に、乗員の体格の検知及びそれに基づくチルト操作(及びテレスコピック操作)を行うようにすればよい。つまり、走行前に予めニーエアバッグ52の展開高さを当該乗員の膝の高さに対して最適化するようにしてもよい。補足すると、エンジン始動時にチルト操作(及びテレスコピック操作)がなされ、その後に当該乗員が更にチルト操作(又はテレスコピック操作或いは両方操作)してチルト角を多少変更したり、テレスコピックストロークを多少変更したりした場合には、その状態を維持することで乗員(ドライバ)の快適性を担保するようにすればよい。
(2) 上述した実施形態では、標準位置を基準にしてチルト操作(及びテレスコピック操作)を行う制御としたが、これに限らず、他の制御方法を採用してもよい。例えば、体格検知手段によって検知された検知結果に基づいて、ECU68で乗員の膝の高さを求める。そして、求めた膝の高さとチルト角から演算したニーエアバッグ52の展開高さとのずれ量が所定量未満のときには、適切と判断し、そのままの状態を維持し、求めた膝の高さとチルト角から演算したニーエアバッグ52の展開高さとのずれ量が所定量以上のときには、不適切と判断し、当該ずれ量が当該所定量未満になるようにチルト機構60のチルトモータ70(及びテレスコピック機構62のテレスコピックモータ74)を制御するようにしてもよい。この制御方法によっても、ニーエアバッグ52の展開高さと膝の高さとの関係が適切になる。
上記制御方法を採る場合、体格検知手段の検知結果から求めた乗員の膝の高さとチルト角から演算したニーエアバッグの展開高さとのずれ量でチルト機構60(及びテレスコピック機構62)を制御することになるので、乗員の体格が大柄か小柄かの判断が不要になる。従って、その分、制御が複雑化せず、チルト角の調整(及びテレスコピックストロークの調整)が完了するまでの時間を短縮化できる。
(3) 上述した実施形態では、体格検知手段としてカメラ64やシートスライド位置検知センサ90、着座センサ92等を用いたが、これに限らず、乗員の体格を直接又は間接的に検知することができればすべて適用可能である。例えば、シートベルト装置のウエビングの引出量を検知して、ウエビングの引出量から乗員の体格を判断してもよい。
第1実施形態に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置の全体構成を小柄な体格の乗員との関係で示す概略側面図である。 第1実施形態に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置の全体構成を大柄な体格の乗員との関係で示す概略側面図である。 第2実施形態に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置の全体構成を小柄な体格の乗員との関係で示す概略側面図である。 第2実施形態に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置の全体構成を大柄な体格の乗員との関係で示す概略側面図である。 第3実施形態に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置の全体構成を小柄な体格の乗員との関係で示す概略側面図である。 第3実施形態に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置の全体構成を大柄な体格の乗員との関係で示す概略側面図である。 第4実施形態に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置の全体構成を小柄な体格の乗員との関係で示す概略側面図である。 第4実施形態に係るコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置の全体構成を大柄な体格の乗員との関係で示す概略側面図である。
符号の説明
10 コラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置
12 ステアリングコラム
18 コラムカバー
30 ステアリングホイール
48 エアバッグモジュール
50 インフレータ(ガス発生手段)
52 ニーエアバッグ
60 チルト機構
62 テレスコピック機構
64 カメラ(体格検知手段、撮像手段)
66 プリクラッシュセンサ(衝突予知手段)
68 ECU(制御手段)
70 チルトモータ
72 チルト中心軸
74 テレスコピックモータ
76 車両用シート
86 シートスライドレール
90 シートスライド位置検知センサ
(体格予知手段、シートスライド位置検知手段)
92 着座センサ(体格予知手段)

Claims (8)

  1. コラム前端側に設定されたチルト中心軸回りに所定角度の範囲内でコラム全体を車両上下方向へ揺動させることによりステアリングホイールの高さを調節するモータ駆動方式のチルト機構を備えたステアリングコラムと、
    このステアリングコラムの後端側に一体的に設けられ、車両の所定位置に設けられたガス発生手段が作動することにより折り畳み状態でコラムカバー内に格納されたニーエアバッグを乗員の膝部側へ展開させるエアバッグモジュールと、
    乗員の体格を直接又は間接的に検知する体格検知手段と、
    この体格検知手段の検知結果に基づいてニーエアバッグの車両上下方向の展開高さが乗員の膝の高さに合うようにチルト機構の駆動モータを所定量だけ所定方向へ駆動回転させる制御手段と、
    を有することを特徴とするコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置。
  2. 前記制御手段は、前記体格検知手段によって検知された検知結果に基づいて乗員の体格が標準体格よりも大柄であると判断しかつチルト角が標準体格時のチルト角以下に設定されている場合には、チルト角が標準体格時のチルト角よりも大きくなるようにチルト機構の駆動モータを制御し、前記体格検知手段によって検知された検知結果に基づいて乗員の体格が標準体格よりも小柄であると判断しかつチルト角が標準体格時のチルト角以上に設定されている場合には、チルト角が標準体格時のチルト角よりも小さくなるようにチルト機構の駆動モータを制御する、
    ことを特徴とする請求項1記載のコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置。
  3. 前記制御手段は、前記体格検知手段によって検知された検知結果に基づいて求めた乗員の膝の高さに対し、チルト角から演算したニーエアバッグの展開高さとのずれ量が所定量未満のときにはそのままの状態とし、前記体格検知手段によって検知された検知結果に基づいて求めた乗員の膝の高さに対し、チルト角から演算したニーエアバッグの展開高さとのずれ量が所定量以上のときには当該ずれ量が当該所定量未満になるようにチルト機構の駆動モータを制御する、
    ことを特徴とする請求項1記載のコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置。
  4. 前記体格検知手段は、乗員の少なくとも顔の高さを検知する撮像手段である、
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載のコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置。
  5. 前記体格検知手段は、シートスライドに設けられ車両用シートの車両前後方向のシートポジションを検知するシートスライド位置検知手段である、
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載のコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置。
  6. 前記制御手段は、ステアリングコラムのチルト角変更操作をエンジン始動時に行う、
    ことを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載のコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置。
  7. 前記制御手段は、ステアリングコラムのチルト角変更操作を、車両に搭載されかつ衝突を予知する衝突予知手段によって衝突することが予知されたときに行う、
    ことを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載のコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置。
  8. 前記ステアリングコラムは所定ストロークの範囲内で当該ステアリングコラムをコラム軸方向に伸縮させることによりステーホイールの前後位置を調節するモータ駆動方式のテレスコピック機構を備えており、
    前記制御手段は、前記体格検知手段によって検知された検知結果に基づいてニーエアバッグの車両上下方向の展開高さが乗員の膝の高さに合うようにテレスコピック機構の駆動モータを所定量だけ所定方向へ駆動回転させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のコラム付けニーエアバッグを備えたステアリング装置。
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