JP2007276716A - 乗員保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】保護性能の向上を図ること。
【解決手段】ステアリングホイール3をフロアパネル5に片持ち支持する支持アーム1と、車両衝突時にステアリングホイール3と乗員との間にエアバッグが展開するエアバッグ装置2と、を備えた乗員保護装置であって、支持アーム1が、車両衝突時に、ステアリングホイール3を、想定される乗員の膝の位置よりも車両後方の通常位置から前記膝の位置よりも車両前方の退避位置へ移動させる退避作動を行い、エアバッグ装置2から展開されるエアバッグで、衝突時の乗員からステアリングホイール3または支持アーム2への入力を吸収するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両において、衝突時に乗員を保護する装置に関し、特に、ステアリングホイールと乗員との間で保護を行う乗員保護装置に関する。
従来、ステアリングホイールにエアバッグ装置を備えた乗員保護装置が知られている。また、このような乗員保護装置において、ステアリングホイールを支持アームに片持ち支持したステアリング装置に適用したものも知られている(例えば、特許文献1参照)。
この乗員保護装置は、ステアリングホイールを片持ち支持する支持アームが設けられ、ステアリングホイールには、第1エアバッグと第2エアバッグとが設けられ、第1エアバッグは、ステアリングホイールと乗員との間に展開し、第2エアバッグは、ステアリングホイールとインストルメントパネルとの間に展開するように設けられている。
特開2004−175150号公報
しかしながら、上述の従来の乗員保護装置にあっては、常にステアリングホイールが乗員の膝の上に存在し、衝突時に乗員が車両前方へ移動したときに、乗員がステアリングホイールに接触するおそれがあり、さらなる保護性能の向上が望まれる。
本発明は、上述の事情に鑑みなされたものであって、保護性能の向上を図ることのできる乗員保護装置を提供することを目的とするものである。
上述の目的を達成するため本発明は、ステアリングホイールを片持ち支持する支持アームが、車両衝突時に、前記ステアリングホイールを、想定される乗員の膝の位置よりも車両後方の通常位置から前記膝の位置よりも車両前方の退避位置へ移動させる退避作動を行い、前記エアバッグ装置から展開されるエアバッグで、衝突時の乗員からステアリングホイールまたは支持アームへの入力を吸収する乗員保護装置とした。
本発明では、通常時すなわち衝突前の時点において、ステアリングホイールが想定される乗員の膝の位置よりも車両後方の通常位置に配置されている。すなわち、乗員が操舵しやすい位置に配置されている。
一方、車両衝突時には、支持アームが退避作動を行い、ステアリングホイールが通常位置から、想定される乗員の膝の位置よりも車両前方の退避位置へ移動される。
また、同時に、エアバッグ装置のエアバッグが、ステアリングホイールまたは支持アームと乗員との間に展開し、乗員の車両前方への移動がエアバッグで受け止められて荷重が吸収される。
以上のように、エアバッグが展開するのに加え、ステアリングホイールが乗員の膝よりも車両前方へ移動するため、車両衝突により乗員が車両前方へ移動した際に、乗員がステアリングホイールと干渉しにくくなり、乗員の保護性能が向上する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施の形態の乗員保護装置は、ステアリングホイール(3)を車体(5)に片持ち支持する支持アーム(1)と、車両衝突時にステアリングホイール(3)と乗員との間にエアバッグ(21)が展開するエアバッグ装置(2)と、を備えた乗員保護装置であって、前記支持アーム(1)が、車両衝突時に、前記ステアリングホイール(3)を、想定される乗員の膝の位置よりも車両後方の通常位置から前記膝の位置よりも車両前方の退避位置へ移動させる退避作動を行い、前記エアバッグ装置から展開されるエアバッグで、衝突時の乗員からステアリングホイールまたは支持アームへの入力を吸収することを特徴とする。
図1〜図4に基づき、この発明の最良の実施の形態の実施例1の乗員保護装置Aについて説明する。
まず、構成から説明すると、実施例1の乗員保護装置Aは、図1に示すように、支持アーム1とエアバッグ装置2とを備えている。
支持アーム1は、ステアリングホイール3を片持ち支持するもので、支持手段としての支持ブラケット4によりフロアパネル5に取り付けられている。
支持ブラケット4は、金属板により平面視で略コの字状に形成され、車両のフロアパネル5の車幅方向の略中央位置において車両前後方向(矢印FRが車両前方を示す)に延在されたフロアトンネル部51の近傍位置に締結されている。
また、支持ブラケット4は、フロアトンネル部51を挟んで上方に立ち上げられ、対向した左右一対の立上げ片41,42を有している。
支持アーム1は、金属板により略四角の筒状に形成され、フロアパネル5から立ち上げられた下部アーム11と、この下部アーム11の上端部に結合された上部アーム12と、を備えている。
下部アーム11は、フロアパネル5から車両上方へ立ち上げられた起立部(起立アーム)11aと、この起立部11aの上端において車両左方向へ折曲された横方向アーム部(横方向アーム)11bと、を備え、図示のように車両前方視で略逆L字状に折曲されている。
上部アーム12は、下部アーム11の横方向アーム部11bの先端に一端が結合されるとともに、この横方向アーム部(横方向アーム)11bに連続して車幅方向に延在された横方向アーム部12aと、この横方向アーム部12aの他端から車両後方へ折曲されてステアリングホイール3を支持する支持部12bと、を備え、平面視で略逆L字状に形成されている。
なお、ステアリングホイール3は、いわゆるステアリングバイワイヤ構造で、ステアリングホイール3の操作が電気的に図外の転舵装置に伝達されるようになっている。
そして、下部アーム11は、その下端部が支持ブラケット4の立上げ片41,42の間に挟まれた状態で、支持ブラケット4に、車幅方向の回動軸P(図2、図3参照)を中心に車両前後方向に回動可能に支持されている。
また、図2および図3に示すように、下部アーム11の下端は、フロアパネル5に設けられた図示を省略した開口を貫通してフロアパネル5の下方に突出されている。
なお、一方の立上げ片42と下部アーム11との間に、下部アーム11の回動をガイドするとともに、回動可能範囲を設定範囲に制限する回動制限手段6が設けられている。
この回動制限手段6は、立上げ片42に円弧状に形成されたガイド穴61と、下部アーム11から車幅方向に突設してガイド穴61に挿入され、このガイド穴61に沿って移動可能であるとともに、ガイド穴61の端部と係合してそれ以上の回動が規制されるボルト62と、を備えている。
この回動制限手段6により、下部アーム11および支持アーム1は、図2に示す起立状態の衝突前位置と、図3に示す上端部が下端部よりも車両前方に配置された前傾状態の衝突後位置との間に回動可能な範囲が制限されている。
そして、支持アーム1および下部アーム11が図2の衝突前位置に配置されたときのステアリングホイール3の位置が、通常位置であって、この通常位置を、図4において符号3(Nom)で示している。ステアリングホイール3は、この通常位置では、図4に示すように、運転席DSに着座した乗員DRの想定される平均的な膝NPの位置よりも車両後方に配置されている。
一方、支持アーム1および下部アーム11が図3の衝突後位置に配置されたときのステアリングホイール3の位置が退避位置であって、この退避位置を、図4において符号3(Ts)で示している。ステアリングホイール3は、この退避位置では、図4に示すように、運転席DSに着座した乗員DRの想定される平均的な膝NPの位置よりも車両前方に配置される。
なお、下部アーム11は、図1および図2に示す衝突前位置で、回動制限手段6のボルト62に図示を省略したナットを締め付けることで、立上げ片42に設定された締結力で固定されている。すなわち、ボルト62および図示を省略したナットが、支持アーム1を衝突前位置に保持する保持手段に相当する。
また、図4に示すように、支持アーム1およびステアリングホイール3と、その車両前方のインストルメントパネル8との間には、上述の支持アーム1の回動を許容する移動用空間SPが確保されている。したがって、ステアリングホイール3の退避位置で、その前方のインストルメントパネル8との干渉が抑制される。
図2に戻り、フロアパネル5の車両下方位置において、下部アーム11の下端部に駆動手段としての駆動機構7が連結されている。
この駆動機構7は、フロアパネル5の下側に配置され、インフレータ71と駆動シャフト72と連結ピン73とガイドブラケット74とロック部材75とを備えている。
インフレータ71は、駆動機構7の駆動源となるガスを発生させる一般にエアバッグ装置に用いられるもので、駆動シャフト72の前端部に設けられ、このインフレータ71による推進力が駆動シャフト72に車両前方へ入力される。
駆動シャフト72は、外周に雄ねじが形成された金属ボルトであり、フロアパネル5の下面に沿って車両前後方向に延在され、その後端部が連結ピン73を介して下部アーム11の下端部に連結されている。
ガイドブラケット74は、金属板により形成され、フロアパネル5の下面に車両前後方向に延在された状態でフロアパネル5に結合され、かつ、車両前後方向に延在された長穴状のガイド穴74aが形成されている。そして、このガイド穴74aに連結ピン73が挿通されている。
したがって、連結ピン73および駆動シャフト72の後端部は、ガイド穴74aにガイドされて車両前後方向に移動可能であり、この駆動シャフト72の移動に伴い、下部アーム11(支持アーム1)が車両前後方向に回動する。なお、連結ピン73と下部アーム11との間には、下部アーム11の回動に伴う車両上下方向の相対変位を吸収可能な下部アーム11の長手方向に長くなった図示を省略した長穴を介して結合されている。
ロック部材75は、駆動シャフト72の外周に装着され、かつ、フロアパネル5の下面に固定されている。このロック部材75は、詳細な図示は省略するが、駆動シャフト72の外周に形成されたねじ山に対して、一方に係合し、他方には係合しないワンウエイのロック構造となっており、駆動シャフト72が車両後方へ相対移動するのを許容する一方で、その逆の車両前方へ相対移動するのを規制する。
図1に戻り、エアバッグ装置2は、下部アーム11の下端部の車両後方を向いた面に配置され、エアバッグ21を、退避位置のステアリングホイール3と乗員DRとの間に展開するように設置されている。
なお、このエアバッグ装置2は、エアバッグ21が、退避位置のステアリングホイール3と乗員DRとの間に展開するのに十分な大きさを有しており、かつ、図外のインフレータ(このインフレータは、図6に示す実施例2のインフレータ22に相当する)も、このエアバッグ21を確実に展開できるガス発生容量を有している。
また、エアバッグ装置2には、衝突を検出する周知の衝突センサが設けられており、衝突検出時には、図示を省略したインフレータが駆動し、エアバッグ21が展開される。なお、駆動機構7のインフレータ71も、このエアバッグ装置2の衝突センサが衝突を検出した時に駆動されるようになっている。
次に、実施例1の作用を説明する。
(通常時)
支持アーム1は、通常時、すなわち非衝突時には、図2に示す衝突前位置で、ボルト62および図外のナットにより支持ブラケット4に固定されている。
このように支持アーム1が衝突前位置に配置されているときには、ステアリングホイール3は、図4において符号3(Nom)で示す通常位置に配置されている。この通常位置では、乗員DRの膝NPよりも車両後方に配置され、操舵性に優れている。
(衝突時)
次に、エアバッグ装置2の衝突センサにより衝突が検出されたときには、エアバッグ装置2の図外のインフレータおよび駆動機構7のインフレータ71が駆動され、駆動機構7による支持アーム1の回動と、エアバッグ21の展開とが行われる。
駆動機構7では、インフレータ71が駆動することにより、駆動シャフト72に車両後方向向きに駆動力が与えられ、これに伴い、支持アーム1に対しても図3に示す衝突後位置方向に向けて回動する駆動力が与えられる。
この駆動力が、支持アーム1を支持ブラケット4に固定しているボルト62による規制力を越えた時点で、支持アーム1は、図2に示す衝突前位置から図3に示す衝突後位置へ向けて回動軸Pを中心に回動する。
その後、駆動シャフト72が、図3に示すように、その前端の連結ピン73がガイド穴74aの前端に達するとともに、支持アーム1のボルト62がガイド穴61の下端に達した時点で、支持アーム1が衝突後位置に配置される。
そして、支持アーム1に支持されたステアリングホイール3は、図4において3(Ts)で示す退避位置に移動する。この退避位置では、ステアリングホイール3は、乗員DRの膝NPよりも車両前方に配置されている。
このとき、駆動シャフト72は、ロック部材75に係合して、車両前方へ移動するのが規制されている。このため、支持アーム1が衝突前位置方向へ戻ることがなく、よって、ステアリングホイール3も衝突前の通常位置へ戻ることはない。
また、上記作動と同時にエアバッグ装置2のエアバッグが、図4に示すように、ステアリングホイール3と乗員DRとの間に展開されて、乗員DRからの荷重を吸収する。
このとき、ステアリングホイール3を支持する支持アーム1は衝突後位置に固定されているため、エアバッグ21を介しステアリングホイール3へ入力された荷重は、この支持アーム1の衝突後位置よりも車両前方への回動を規制する要素であるボルト62および連結ピン73の部分の変形により、2次荷重の吸収を行う。
なお、エアバッグ装置2が、下部アーム11の車両後方を向いた面に設けられているために、エアバッグ21を展開する際の反力により支持アーム1の衝突後位置への回動が促進される。
以上のように、実施例1にあっては、車両の衝突時にステアリングホイール3が乗員DRの膝NPよりも車両後方の通常位置から、膝NPよりも車両前方の退避位置へ移動するため、乗員DRがステアリングホイール3に接する可能性が低くなり、保護性能の向上を図ることができる。
また、実施例1では、ロック部材75により駆動シャフト72の戻りが防止されることで、ステアリングホイール3が退避位置から通常位置の方向へ戻るのが防止され、上記保護性能の向上を確実なものにできる。
さらに、支持アーム1は、下部アーム11と上部アーム12とで、それぞれ、略L字に折曲され、フロアパネル5の略中央に下部アーム11が立設され、乗員DRと車両前後方向で重なる部分(11b,12b)は、ステアリングホイール3よりも車両前方に配置されている。
このため、衝突時に支持アーム1が乗員DRと干渉しにくく、より保護性能を高めることができる。しかも、支持アームを乗員DRの車両前方で支持するようにした場合と比較して、移動用空間SPなどのスペースの確保を乗員DRの車両前方に確保するのが容易であり、少ないスペースで、ステアリングホイール3の大きな移動代を確保することができる。
加えて、本実施例1では、エアバッグ装置2を支持アーム1の車両後方を向いた面に設けたため、このエアバッグ装置2の展開時の反力により支持アーム1が衝突後位置方向へ回動するのが促進され、作動応答性が良好となる。さらに、エアバッグ装置2を支持アーム1に設けるにあたって、支持アーム1の基端部に配置したため、支持アーム1の上部に配置するのに比べて、支持アーム1が回動する際の慣性力を減らして、作動応答性が良好となる。
また、実施例1では、支持アーム1を回動させる駆動機構7をフロアパネル5の車両下方位置に配置させたため、駆動機構7をフロアパネル5の車両上方に配置するのと比較して、駆動機構7の設置が容易であり、設計自由度が高い。
次に、図5〜図8に基づいて本発明の実施の形態の実施例2の乗員保護装置Bについて説明する。なお、この実施例2を説明するにあたり、前記実施例1と同一ないし均等な部分については、同一符号を付して、相違する部分を中心として説明する。
この実施例2の乗員保護装置Bは、支持アーム201に、退避作動時に、ステアリングホイール3を支持アーム201に対して変位させる伸長変位手段221および回動変位手段としてのチルト機構222を設けた例である。
すなわち、実施例1では、支持アーム1が回動軸Pを中心に回動することで、ステアリングホイール3を通常位置から退避位置へ移動させるもので、支持アーム1とステアリングホイール3との相対位置は一定であった。
それに対し、実施例2では、図5の作動説明図に示すように、衝突時に、支持アーム201が回動軸Pを中心に回動するのに加えて、伸長変位手段221およびチルト機構222により、ステアリングホイール3が支持アーム201に対して変位するようになっている。
まず、伸長変位手段221について説明する。
実施例2では、下部アーム211が、下部筒211bと上部筒211aとの2部材で構成され、図6に示すように、上部筒211aの下端部が下部筒211bの上端部に挿入され、上部筒211aが下部筒211bに対して上下方向へ摺動可能に支持されている。これにより、下部アーム211は、軸方向に伸縮可能となっている。
なお、下部筒211bは、実施例1と同様に、支持ブラケット4に回動軸Pを中心に車両前後方向へ回動可能に支持されている。
また、下部筒211bの内部には、反力受け板211cが内部の空間を塞ぐように内部を横断して設けられている。一方、上部筒211aには、エアバッグ装置2のインフレータ22が、その発生ガスの一部が反力受け板211cに向かって噴出するように取り付けられている。
よって、インフレータ22の駆動時には、反力受け板211cに発生ガスが噴射され、その反力で上部筒211aが下部筒211bに対して上方へスライドする。
以上の下部アーム211を伸縮させる手段およびインフレータ22により上部筒211aへ駆動力を与える手段により伸長変位手段221が構成されている。
したがって、この伸長変位手段221により、ステアリングホイール3は、支持アーム201の基端部(回動軸P)に対し、軸方向に移動する。
次に、チルト機構222について説明する。
実施例2では、図7に示すように、下部アーム211の上端部に連結された上部アーム212には、ステアリングホイール3を支持する支持部213に電動式のチルト機構222が設けられている。このチルト機構222は、周知のように、ステアリングホイール3の位置調整のためにステアリングホイール3の軸方向を上下に変位させるもので、モータ222aとギヤ222bとを備えている。
ギヤ222bは、ステアリングホイール3および支持部213と一体的に上部アーム212に対して回動可能に回動軸P2と同軸に取り付けられている。
また、モータ222aは、上部アーム212の内部に取り付けられ、駆動軸と一体回動するウォーム222cがギヤ222bと噛み合わされている。
したがって、チルト機構222は、必要に応じてモータ222aを正逆回転させることにより、ギヤ222bが回動し、これに伴い、ステアリングホイール3の中心軸を上下に移動させることができる。
さらに、モータ222aは、エアバッグ装置2の衝突検出時には、エアバッグ装置2に連動して、ステアリングホイール3の中心軸の通常の可動範囲を超えて、矢印UPで示す車両上方へ回動させる退避作動を実行する。この退避作動により、ステアリングホイール3は、上部アーム212に対して、図7(a)に示す通常位置から図7(b)に示す退避位置へ回動する。
次に、実施例2の作用を説明する。
通常は、支持アーム201は、図8において二点鎖線で示すように、僅かに前傾した起立状態である衝突前位置に配置され、このときステアリングホイール3は、通常位置に配置されている。
この通常位置では、ステアリングホイール3は、実施例1で説明したように、乗員DRの膝NPの位置よりも後方に配置されており、操舵に良好な位置に配置されている。また、ステアリングホイール3および支持アーム201の車両前方には、移動用空間SPが確保されている。
次に、衝突時には、エアバッグ装置2が衝突を検出すると、実施例1で説明した駆動機構7のインフレータ71およびエアバッグ装置2のインフレータ22が駆動するのに加え、チルト機構222のモータ222aも駆動する。
そこで、まず、エアバッグ装置2のインフレータ22が駆動することにより、図5(c)に示すように、エアバッグ21が図外の乗員に向けて展開される。それと同時に、このインフレータ22の駆動により、下部アーム211では、下部筒211bに対して上部筒211aが上方へ摺動し、その結果、下部アーム211は、同図(b)に示す状態から同図(c)に示す状態へ伸長する。
さらに、チルト機構222のモータ222aの駆動により、ステアリングホイール3の回動軸P2が上部アーム212に対して上方へ回動し、その結果、ステアリングホイール3は、図7の(a)に示す位置から同図(b)に示す位置へ回動する。
同時に、実施例1で説明した駆動機構7の作動により、支持アーム201が、支持ブラケット4の回動軸Pを中心に車両前方へ回動して図5(d)に示す前傾状態となる。
以上の動作により、ステアリングホイール3は、図8において二点鎖線で示す通常位置から、同図において実線で示すように、乗員DRの膝NPよりも車両前方であってインストルメントパネル8に近接された退避位置へ移動され、乗員DRから大きく離される。また、図5(d)に示すように、エアバッグ21がステアリングホイール3と図外の乗員DRとの間に展開される。
以上説明したように、実施例2では、退避作動時に、支持アーム201を、回動軸Pを中心に車両前方へ回動させるのに加え、伸長変位手段221により下部アーム211を伸長させ、かつ、チルト機構222によりステアリングホイール3を回動させるようにした。
このため、支持アーム201を回動させるだけの場合に比べて、支持アーム201の少ない回動角度で、ステアリングホイール3を、より車両前方へ移動させることができ、乗員の保護性能を向上させることができる。
次に、図9に基づいて本発明の実施の形態の実施例3の乗員保護装置Cについて説明する。なお、この実施例3を説明するにあたり、他の実施例1と同一ないし均等な部分については、同一符号を付して、相違する部分を中心として説明する。
この実施例3の乗員保護装置Cは、退避作動時に、支持アーム301を車両前方へスライドさせるようにした例である。
すなわち、フロアパネル305には、フロアトンネル部305aの左右両側に沿ってフロアパネル305に形成された長穴から成るガイドレール305bが車両前後方向に延在されている。
一方、実施例1と同様の下部アーム311と上部アーム312を有した支持アーム301は、その下端部にスライドブラケット313が設けられている。そして、スライドブラケット313の左右両側に形成されたフランジ313aに挿通されたボルト313bが、車両前後方向へ移動可能にガイドレール305bに挿入されている。
さらに、ステアリングホイール3を図9(a)に示す通常位置に配置させた状態で、スライドブラケット313は、ガイドレール305bの後端に配置されている。支持アーム301のこの位置が、衝突前位置であり、この位置で、支持アーム301の車両前方には、移動用空間SPが確保されている。
また、スライドブラケット313のこの位置で、ボルト313bには図外のナットが締結され、この締結力で支持アーム301は、衝突前位置に保持されている。
さらに、ボルト313bは、フロアパネル305の下方位置で、実施例1で示した駆動機構7が設けられ、図外のインフレータ71の駆動力がスライドブラケット313に対して車両前方向きに伝達されるように構成されている。
また、図9では、図示は省略するが、上部アーム312には、実施例2で示したチルト機構222が設けられている。
次に、実施例3の作用を説明する。
通常時には、スライドブラケット313は、図9(a)に示すように、ガイドレール305bの車両後端部に配置されており、このとき、支持アーム301は、衝突前位置に配置され、よって、ステアリングホイール3は、図外の乗員DRの膝NPよりも車両後方に配置されている。
衝突時には、実施例1と同様に、エアバッグ装置2が衝突を検出すると、エアバッグ装置2のインフレータ22および駆動機構7のインフレータ71が駆動し、スライドブラケット313がガイドレール305bに沿って車両前方へ移動する。
それと同時に、実施例2と同様に、チルト機構222のモータ222aも駆動して、ステアリングホイール3が上部アーム312に対して車両上方へ回動される。
したがって、実施例3にあっても、ステアリングホイール3が乗員DRの膝NPよりも車両前方へ移動し、乗員保護性能が向上する。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態および実施例1〜実施例3を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態および各実施例1〜3に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、支持アーム1,201,301は、フロアパネル5,305に立設した例を示したが、これに限定されず、フロアパネル5,305以外にも車幅方向外側のピラーやサイドパネル、あるいは乗員の車両前方のインストルメントパネルから立設させてもよい。また、フロアパネル5から立設されたものでも、その立設する位置は、車幅方向略中央に限定されず、車幅方向外側や乗員の車両前方位置でもよい。
また、実施例1〜3では、支持アーム1,201,301を移動させる駆動手段としての駆動機構7において、駆動源としてインフレータ71を示したが、これに限定されず、電気的に駆動するモータなどのアクチュエータや、金属ばねなどの弾性手段の弾性力を用いる手段などを用いることもできる。
また、支持アーム1,201,301が衝突後位置から元の位置へ戻るのを規制するロック手段としてロック部材75および駆動シャフト72の外周の雄ねじを示したが、これに限定されず、一方に非係合で他方に係合するラッチ構造などを用いてもよい。あるいは、駆動シャフト72や支持アーム1,201,301にばねなどによって付勢された係合ピンを設けておき、支持アーム1,201,301が衝突後位置へ達したときに、係合ピンが車体側の係合穴と係合する手段を用いてもよい。
また、実施例1〜3では、エアバッグ装置2を、支持アーム1に設けた例を示したが、これに限定されず、退避位置のステアリングホイール3と乗員DRとの間にエアバッグ21を展開できるならば、例えば、ステアリングホイールや、車室の天井部分や、ピラーやサイドパネルなど、支持アーム1,201,301とは異なる位置に設けてもよい。
また、支持アーム1,201が車体に回動する例として、実施例1,2では、支持アーム1,201が車幅方向の回動軸Pを中心に車両前後方向に回動するものを示したが、車両上下方向の軸を中心に水平方向に回動させてもよい。
この発明の最良の実施の形態の実施例1の乗員保護装置Aを示す車両斜め後方から見た斜視図である。 本発明の実施の形態の実施例1の乗員保護装置Aの退避作動前の状態を示す車両側方から見た側面図である。 本発明の実施の形態の実施例1の乗員保護装置Aの退避作動後の状態を示す車両側方から見た側面図である。 本発明の実施の形態の実施例1の乗員保護装置Aの作動を示す作動説明図である。 本発明の実施の形態の実施例2の乗員保護装置Bの作動を示す作動説明図である。 本発明の実施の形態の実施例2の乗員保護装置Bの要部を示す断面図である。 本発明の実施の形態の実施例2の乗員保護装置Bの要部を示す側面図であり、(a)は退避作動前の状態を示し、(b)は退避作動後の状態を示している。 本発明の実施の形態の実施例2の乗員保護装置Bの作動を示す作動説明図である。 本発明の実施の形態の実施例3の乗員保護装置Cを示す車両斜め後方から見た斜視図である。
符号の説明
1 支持アーム
2 エアバッグ装置
3 ステアリングホイール
4 支持ブラケット(支持手段)
5 フロアパネル(車体)
7 駆動機構(駆動手段)
11a 起立部(起立アーム)
11b 横方向アーム部
12a 横方向アーム部
62 ボルト(保持手段)
75 ロック部材
201 支持アーム
221 伸長変位手段
222 チルト機構(回動変位手段)
301 支持アーム
305 フロアパネル(車体)
313 スライドブラケット(支持手段)
DS 運転席
DR 乗員
NP 膝
P 回動軸
SP 移動用空間

Claims (11)

  1. ステアリングホイールを車体に片持ち支持する支持アームと、
    車両衝突時にステアリングホイールまたは支持アームと乗員との間にエアバッグが展開するエアバッグ装置と、
    を備えた乗員保護装置であって、
    前記支持アームが、車両衝突時に、前記ステアリングホイールを、想定される乗員の膝の位置よりも車両後方の通常位置から前記膝の位置よりも車両前方の退避位置へ移動させる退避作動を行い、前記エアバッグ装置から展開されるエアバッグで、衝突時の乗員からステアリングホイールまたは支持アームへの入力を吸収することを特徴とする乗員保護装置。
  2. 前記支持アームを、前記退避作動に伴い、ステアリングホイールを通常位置に配置させたときの衝突前位置から、ステアリングホイールを退避位置に配置させたときの衝突後位置まで車体に移動可能に支持する支持手段と、
    前記衝突前位置の支持アームを退避作動させる駆動手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。
  3. 前記支持手段は、前記支持アームを、車幅方向の回動軸を中心として車両前後方向に回動可能に支持する手段であり、
    前記駆動手段は、退避作動時に支持アームを車両前方へ回動させる手段であることを特徴とする請求項2に記載の乗員保護装置。
  4. 前記支持アームが、車両前後方向で乗員と重ならない位置でフロアパネルから立ち上げられ、車体に回動可能に支持された起立アームと、この起立アームの上部からステアリングホイールの支持部に向けて車幅方向に延在された横方向アームと、を備えていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の乗員保護装置。
  5. 前記支持アームに設けられ、前記退避作動時に、前記ステアリングホイールを車両前方へ移動させるよう変位する変位手段と、
    この変位手段を、駆動させる変位用駆動手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の乗員保護装置。
  6. 前記変位手段が、前記支持アームの先端部において、前記ステアリングホイールを支持する支持部を、この支持部よりも車体側の基端側部に対して車幅方向の回動軸を中心に車両前方に変位させる回動変位手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載の乗員保護装置。
  7. 前記変位手段が、前記支持アームを軸方向に伸長させる伸長変位手段を備えていることを特徴とする請求項6に記載の乗員保護装置。
  8. 前記支持アームの回動を規制して衝突前位置に保持する保持手段を備え、
    前記駆動手段は、退避作動時に保持手段による回動規制力を越える駆動力を支持アームに入力することを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の乗員保護装置。
  9. 前記支持アームが退避作動したときに、支持アームが元の位置へ戻るのを規制するロック手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の乗員保護装置。
  10. 前記変位用駆動手段が、前記エアバッグ装置のガス発生手段であることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の乗員保護装置。
  11. 前記エアバッグ装置が、前記支持アームの回動中心の近傍に設けられていることを特徴とする請求項5〜10のいずれか1項に記載の乗員保護装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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NL2025398B1 (en) * 2020-04-22 2021-10-28 Daf Trucks Nv A vehicle comprising a steering wheel assembly and an airbag assembly.

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