JP4173938B2 - Egrガス冷却装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気系からEGR管路を介して吸気マニホールドに再循環されるEGRガスを冷却するためのEGRガス冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジンでは、排気ガス中における窒素酸化物(NOx)を低減させるために、排気ガスの一部を排気系から取り出し、混合気に加えるEGR(Exhaust Gas Recirculation:排気再循環)が行われている。
【0003】
このようなEGRを行うためのEGR装置は、排気系からの排気ガスの一部をEGRガスとして燃焼室に吸入される混合気に再循環させるように構成されている。
そして、このようなEGR装置では、EGRガスが混合気と共に燃焼室に取り込まれるため、EGRガスの温度を適度な温度に維持する必要がある。
【0004】
すなわち、EGRガスは、本来高温であるが、このEGRガスの温度が高すぎると、混合気が加熱されて熱膨張することにより空気の充填効率が悪くなり、混合気の燃焼率が悪化してエンジンの出力低下を招く虞がある。
一方、EGRガスの温度が低すぎると、EGRガス中のタール等の付着物質の粘度が増加して、付着物質がEGR通路,EGR弁等に付着し易くなり、装置の信頼性を低下させるおそれがある。
【0005】
従来、EGRガスを冷却するEGRガス冷却装置として、例えば、特開平9−310995号公報,特開平10−227591号公報等に開示されるものが知られている。
図6は、特開平10−227591号公報に開示されるEGRガス冷却装置を示すもので、この冷却装置では、外筒1の軸長方向に、多数のパイプ部材2が配置され、パイプ部材2の両端が端板3に支持されている。
【0006】
外筒1の外周には、冷却水の入口パイプ4および出口パイプ5が開口されている。
また、外筒1の上端には、EGRガスが流入される流入部6が形成され、下端には、EGRガスが流出される流出部7が形成されている。
そして、外筒1内に、パイプ部材2が挿通される支持板8が配置されている。
【0007】
この冷却装置では、外筒1内に支持板8を配置し、パイプ部材2を支持するようにしたので、パイプ部材2の振動を有効に抑制することが可能になり、パイプ部材2の振動によりパイプ部材2の端板3近傍に亀裂等が発生するおそれを低減することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のEGRガス冷却装置では、外筒1内に単に支持板8を配置しているため、外筒1内の所定位置に支持板8を容易,確実に固定することが困難であるという問題があった。
本発明は、かかる従来の問題を解決するためになされたもので、外筒内の所定位置に支持板を容易,確実に固定することができるEGRガス冷却装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1のEGRガス冷却装置は、冷却液の入口パイプおよび出口パイプが開口される円筒状の外筒の両側に、一対の端板を配置するとともに、前記一対の端板の間に複数のパイプ部材を配置し、前記外筒の一側にEGRガスが流入される流入部を形成し、前記外筒の他側にEGRガスが流出される流出部を形成してなるEGRガス冷却装置において、前記外筒の外周に半円状の切欠溝を形成するとともに、前記切欠溝から前記外筒内に、前記複数のパイプ部材が挿通される貫通穴および冷却液通路が形成される略円形状の支持板を挿入し、前記支持板の前側半部の外周と前記外筒の内周との間に間隙部を形成し、前記支持板の後側半部を前記切欠溝に接合してなり、前記外筒を前記間隙部が上方になるように配置し、前記外筒の前記間隙部側に前記出口パイプを開口してなることを特徴とする。
【0011】
(作用)
請求項1のEGRガス冷却装置では、外筒の外周に半円状の切欠溝が形成され、この切欠溝に、複数のパイプ部材が挿通される貫通穴および冷却液通路が形成される略円形状の支持板が挿入される。
【0012】
また、支持板の前側半部の外周と外筒の内周との間に間隙部が形成され、支持板の後側半部が切欠溝に接合される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図面に示す実施形態について説明する。
図1および図2は、本発明のEGRガス冷却装置の第1の実施形態を示しており、図において符号11は、外筒を示している。
この外筒11は、円筒状をしておりステンレス鋼により形成されている。
【0014】
この外筒11の外周には、冷却液の入口パイプ13および出口パイプ15が開口されている。
外筒11の両側には、ステンレス鋼からなる一対の端板17が配置されている。
端板17には、多数の貫通穴17aが形成されており、この貫通穴17aにパイプ部材19の端部が嵌挿されている。
【0015】
パイプ部材19は、ステンレス鋼により形成されている。
外筒11の一側には、EGRガスが流入される流入部21が形成され、また、外筒11の他側には、EGRガスが流出される流出部23が形成されている。
流入部21および流出部23は、ステンレス鋼により形成されている。
流入部21および流出部23には、EGRガスの入口パイプおよび出口パイプが接続されるフランジ部25,27が形成されている。
【0016】
この実施形態では、外筒11内には、支持板29が配置されている。
すなわち、外筒11には、図3に示すように、半円状の切欠溝31が形成されている。
そして、この切欠溝31から外筒11内に、略円形状の支持板29が挿入されている。
【0017】
支持板29の前側半部29Aの外周と外筒11の内周との間には、間隙部33が形成されている。
そして、支持板29の後側半部29Bが、切欠溝31に嵌合され切欠溝31に接合されている。
すなわち、この実施形態では、支持板29の前側半部29Aが、支持板29の後側半部29Bより小径にされ、前側半部29Aと後側半部29Bとの間に段部29cが形成されている。
【0018】
そして、この段部29cを、切欠溝31の両縁に当接することにより、支持板29の位置決めが行われている。
支持板29は、ステンレス鋼により形成されており、図2に示したように、パイプ部材19が挿通される貫通穴29aが形成されている。
支持板29の内側に配置される貫通穴29aは、接続開口29bにより連続されており、接続開口29bにより冷却液通路が形成されている。
【0019】
また、支持板29の前側半部29Aの外側に配置される貫通穴29aは、半円状に形成されている。
上述したEGRガス冷却装置では、外筒11に形成される切欠溝31から、支持板29を挿入することにより、外筒11の軸長方向に対する支持板29の位置決めが行われる。
【0020】
また、支持板29の前側半部29Aと後側半部29Bとの間に形成される段部29cを、切欠溝31の両縁に当接することにより、支持板29の径方向に対する位置決めが行われる。
【0021】
そして、切欠溝31に支持板29を挿入した後、支持板29の貫通穴29aにパイプ部材19が挿通され、この状態で、外筒11の両端に端板25,27を配置し、さらに、流入部21,流出部23等を外筒11に組み付け、この状態で各部材の接触部を、例えば、ニッケルろう付けすることにより製造される。
そして、上述したEGRガス冷却装置では、排気系からのEGRガスが、外筒11の一側に形成される流入部21のフランジ部25から流入部21内に流入した後、外筒11の端板25,27の間に配置されるパイプ部材19に流入し、このパイプ部材19において外筒11の端板25,27の間を流れる冷却液と熱交換し冷却された後、外筒11の他側に形成される流出部23のフランジ部27から吸気マニホールド側に流出される。
【0022】
上述したEGRガス冷却装置では、外筒11の外周に半円状の切欠溝31を形成し、この切欠溝31に、複数のパイプ部材19が挿通される貫通穴29aおよび接続開口29bが形成される略円形状の支持板29を挿入したので、外筒11内の所定位置に支持板29を容易,確実に固定することができる。
また、支持板29の前側半部29Aの外周と外筒11の内周との間に間隙部33を形成したので、この間隙部33が上方になるように外筒11を配置することにより、冷却液の沸騰により生じた空気を間隙部33を介して出口パイプ15側に効率良く排出することができる。
【0023】
図4および図5は、本発明のEGRガス冷却装置の第2の実施形態を示すもので、この実施形態では、外筒11の軸長方向には、間隔を置いて3枚の支持板29が配置されている。
すなわち、この実施形態では、外筒11には、図5に示すように、半円状の切欠溝31が間隔を置いて3箇所に形成されている。
【0024】
そして、隣り合う切欠溝31が逆方向から形成されている。
なお、この実施形態において、上述した以外は、第1の実施形態と同様に構成されているため、同一の部材には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
【0025】
この実施形態のEGRガス冷却装置では、隣り合う切欠溝31を逆方向から形成したので、間隙部33が外筒11の内周の一側と他側とに交互に形成される。そして、交互に形成される間隙部33を、冷却液が順次流れる時に、冷却液が効率的に攪拌されるため、熱交換効率を向上することができる。
また、パイプ部材19が所定間隔を置いて3枚の支持板29により支持されるため、パイプ部材19に発生する振動をより確実に抑制することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1のEGRガス冷却装置では、外筒の外周に半円状の切欠溝を形成し、この切欠溝に、複数のパイプ部材が挿通される貫通穴および冷却液通路が形成される略円形状の支持板を挿入したので、外筒内の所定位置に支持板を容易,確実に固定することができる。
【0027】
また、支持板の前側半部の外周と外筒の内周との間に間隙部を形成したので、この間隙部が上方になるように外筒を配置することにより、冷却液の沸騰により生じた空気を間隙部を介して出口パイプ側に効率良く排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のEGRガス冷却装置の第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の支持板を示す正面図である。
【図3】図1の外筒を示す斜視図である。
【図4】本発明のEGRガス冷却装置の第2の実施形態を示す断面図である。
【図5】図4の外筒を示す斜視図である。
【図6】従来のEGRガス冷却装置を示す側面図である。
【符号の説明】
11 外筒
13 入口パイプ
15 出口パイプ
17 端板
19 パイプ部材
21 流入部
23 流出部
29 支持板
29A 前側半部
29B 後側半部
29a 貫通穴
29b 接続開口
31 切欠溝
33 間隙部
Claims (1)
- 冷却液の入口パイプ(13)および出口パイプ(15)が開口される円筒状の外筒(11)の両側に、一対の端板(17)を配置するとともに、前記一対の端板(17)の間に複数のパイプ部材(19)を配置し、前記外筒(11)の一側にEGRガスが流入される流入部(21)を形成し、前記外筒(11)の他側にEGRガスが流出される流出部(23)を形成してなるEGRガス冷却装置において、
前記外筒(11)の外周に半円状の切欠溝(31)を形成するとともに、前記切欠溝(31)から前記外筒(11)内に、前記複数のパイプ部材(19)が挿通される貫通穴(29a)および冷却液通路(29b)が形成される略円形状の支持板(29)を挿入し、前記支持板(29)の前側半部(29A)の外周と前記外筒(11)の内周との間に間隙部(33)を形成し、前記支持板(29)の後側半部(29B)を前記切欠溝(31)に接合してなり、
前記外筒(11)を前記間隙部(33)が上方になるように配置し、前記外筒(11)の前記間隙部(33)側に前記出口パイプ(15)を開口してなることを特徴とするEGRガス冷却装置。
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