JP4173465B2 - センサの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、軸線方向に延びる板状形状をなし、測定対象物に向けられる先端側に検出部が形成され、後端側に電極端子部が形成される板型検出素子と、軸線方向に貫通する貫通孔を有し、貫通孔に挿通された板型検出素子を保持する主体金具と、を備えるセンサの製造方法に関する。
従来より、センサの1種として、筒型形状の検出素子(以下、筒型検出素子ともいう)を主体金具の内側に保持させた構造の酸素センサが知られている。このような酸素センサは、筒型形状の検出素子として、軸線方向における略中央に径方向外側に向かって突出して後端側に対向する鍔部(フランジ部)が一体成形された筒型検出素子を備える構成のものがある。この筒型検出素子は、主体金具の貫通孔内面から径方向内側に向かって突出する棚部に対して、自身の鍔部(フランジ部)を直接または他部材(パッキンなど)を介して係合させることで、主体金具の内部に配置される。
一方、近年、酸素センサとして、筒型形状の検出素子に代わり、板型形状(積層型)の検出素子(以下、板型検出素子ともいう)を用いたものが提案されている。このような板型形状の検出素子は、主体金具の棚部に保持させるための鍔部(フランジ部)が一体成形されていないため、主体金具の棚部に係合させるための係合面が形成された筒状の絶縁碍子を用いることで、板型検出素子を主体金具に保持させている。つまり、絶縁碍子と板型検出素子とを一体に固定すると共に、この絶縁碍子の係合面をフランジ部として主体金具の棚部に係合させることで、板型形状の検出素子を主体金具に保持させている(特許文献1参照)。
なお、このような絶縁碍子をフランジ部として用いることで、筒型検出素子に対応するように設計された主体金具に対して、板型検出素子を組み付けることが可能となるため、筒型検出素子を備えるセンサと、板型検出素子を備えるセンサとの間で、主体金具を共通部品として利用することができる。このような部品の共通化により、センサにおける部品コストの低減を図ることができる。
他方、板型形状の検出素子を用いた酸素センサとして、板型検出素子の径方向周囲に絶縁ホルダ、粉末充填材、絶縁スリーブが積層される構成のものがある。このセンサの製造工程においては、絶縁ホルダおよび粉末充填材を主体金具の内部に配置した後、絶縁スリーブが組み付けられた状態の板型検出素子を粉末充填材および絶縁ホルダの素子挿通孔に挿通することで、板型検出素子と主体金具との組付け作業を行う。この後、粉末充填材に圧力を加えることで、粉末充填材の圧縮応力によって板型検出素子を主体金具に保持させることで、板型検出素子と主体金具とを一体に組み付けている(特許文献2参照)。
特開2002−174622号公報(図1、図3) 特開2002−168823号公報(図1)
しかし、上記の特許文献1に示された従来の酸素センサは、絶縁碍子と検出素子とをガラス封止材により固定させる構造であり、ガラス溶着のために高温熱処理が必要となる。とりわけ、高温熱処理は、急激な温度変化に伴う検出素子の割れ(破損)が発生する虞があり、このような検出素子の破損を防止するために、昇温スピードを緩慢にして熱処理にかける時間を長く設定する必要がある。しかし、センサの製造工程において、高温熱処理の処理時間が長くなると、センサの製造効率が低下するという問題が生じる。
一方、上記の特許文献2に示された従来の酸素センサでは、ガラス封止材に代えて粉末充填材(粉体物が固められたリング状部材(以下、粉体リングともいう))を用いることから、ガラス溶着のための熱処理工程が不要となるため、高温熱処理時間の長期化に伴うセンサ製造効率の低下を避けることができる。
そして、粉末充填材(粉体リング)は、例えば、中心部分に素子挿通孔を有する環状形状に形成することができ、素子挿通孔の開口面積を板型検出素子の断面形状よりもわずかに大きく形成することで、板型検出素子を挿通できるよう構成することができる。
しかし、そのような形状の素子挿通孔を有する粉末充填材(粉体リング)を用いるセンサにおいては、主体金具の貫通孔に粉体リングを配置した後に、粉体リングの素子挿通孔に板型検出素子を挿通しつつ板型検出素子と主体金具とを組み付けるという手順で組み付け作業を行う場合、組み付け作業が煩雑となる問題が生じる。つまり、板型検出素子を素子挿通孔に挿通する際には、板型検出素子の回転方向位置(軸線方向を回転軸とする回転方向位置)を、素子挿通孔に挿通可能な所定方向に定める必要がある。とりわけ、貫通孔の深い位置に粉体リングが配置される構造の主体金具を用いる場合には、粉体リングの素子挿通孔の方向が判別し難くなるため、板型検出素子と主体金具との組み付け作業が煩雑となる問題が生じてしまう。
そこで、本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、ガラス封止材を用いることなく、主体金具の棚部に係合するフランジ部(係り止め係合部)を板型検出素子に形成すると共に、主体金具への板型検出素子の組付け作業が容易となるセンサの製造方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明方法は、軸線方向に延びる板状形状をなし、測定対象物に向けられる先端側に検出部が形成され、後端側に電極端子部が形成される板型検出素子と、板型検出素子を取り囲む形態で一体に組み付けられるフランジ部と、板型検出素子を挿通するために軸線方向に貫通する貫通孔を有し、フランジ部に係合するように貫通孔の内周面から径方向内向きに突出して形成される棚部を有する主体金具と、を備えるセンサの製造方法であって、フランジ部は、粉体物が固められて環状形状をなす粉体リングを少なくとも備える形態で板型検出素子に一体に組み付けられるものであり、板型検出素子を粉体リングに挿通する前の状態において、軸線方向に垂直な面における板型検出素子の断面形状よりも開口断面積が大きい素子挿通孔を有する当該粉体リングの素子挿通孔に対して、板型検出素子を挿通すると共に、板型検出素子の軸線方向における粉体リングの位置決めを行う第1工程と、粉体リングに対して軸線方向に圧縮する圧縮用圧力を印加し、素子挿通孔の開口断面積が縮小するよう粉体リングを圧縮変形させて、板型検出素子に対して粉体リングを少なくとも含むフランジ部を一体に組み付ける第2工程と、板型検出素子を主体金具の貫通孔の内部に配置する際に、フランジ部を直接または軸線方向に延びる中心軸を回転中心として板型検出素子を回転可能な大きさの中空部を有する中間部材を介して棚部に係合させて、貫通孔の内部での板型検出素子の軸線方向における位置決めを行う第3工程と、を有することを特徴とするセンサの製造方法である。
このセンサの製造方法では、まず、第1工程にて、粉体リングの素子挿通孔に対して板型検出素子を挿通すると共に、板型検出素子の軸線方向に対し粉末リングの位置決めを行う。
そして、次の第2工程において、圧力印加により素子挿通孔の断面積が縮小するよう粉体リングを圧縮変形させて、板型検出素子に対して粉体リングを少なくとも含むフランジ部を一体に組み付けている。これにより、粉体リングを含むフランジ部は、板型検出素子から軸線方向に対する垂直方向(径方向外向き)に突出した状態で、検出素子に一体に組み付けられ、主体金具の棚部に係合可能に備えられる。
そして、第3工程において、板型検出素子を主体金具の貫通孔に配置する際に、フランジ部を直接または中間部材を介して棚部に係合させて、フランジ部を係り止め係合部として用いることで、主体金具の内部での板型検出素子の軸線方向における位置決めを行う。このようにして、主体金具における板型検出素子の位置決めを行うことから、ガラス封止材が不要となるため、高温熱処理作業に伴うセンサ製造効率の低下を防ぐことができる。
また、本発明の製造方法によれば、フランジ部と板型検出素子との組み付け作業を、板型検出素子と主体金具との組み付け作業と同時に行うのではなく、板型検出素子と主体金具との組み付け作業時期よりも早い時期に実行している。
このため、板型検出素子の回転方向位置を所定方向に定める必要が無くなり、板型検出素子の回転方向位置を所定方向に定める手間を省略できることから、主体金具に対する板型検出素子の組み付け作業の煩雑さを軽減することができる。
さらに、粉体リングを少なくとも含むフランジ部が一体に組み付けられた板型検出素子は、主体金具に組み付けるにあたり、フランジ部と棚部とを係合させることで、軸線方向における主体金具と板型検出素子との相対位置を一定に定めることができる。このため、板型検出素子におけるフランジ部(粉体リング)の組付け位置を、主体金具における棚部の位置を考慮して予め設定することで、主体金具に対する板型検出素子の相対位置を一定位置に定めることができ、主体金具に対する板型検出素子の位置決め作業(軸線方向における位置決め作業)が容易となる。
また、中間部材は、中空部を有しており、中空部は、軸線方向に延びる中心軸を回転中心として板型検出素子を回転可能な大きさに形成されている。このため、中間部材が板型検出素子の回転方向位置を制限することはない。なお、中間部材は、例えば、パッキンなどで構成することができる。
そして、中間部材を用いる場合には、板型検出素子を中間部材の中空部に挿通して、フランジ部を中間部材を介して主体金具の棚部に間接的に当接させることになる。なお、中間部材をパッキンで構成する場合には、板型検出素子と主体金具との間の気密性の向上を図ることができる。
次に、上記のセンサの製造方法においては、請求項2に記載のように、フランジ部は、粉体リングの側面を覆う筒状の保護カバーを備えて構成され、第1工程において、板型検出素子を粉体リングの素子挿通孔に挿通するにあたり、保護カバーを粉体リングの側面を覆う位置に配置し、第2工程において、粉体リングに圧力を印加するにあたり、素子挿通孔の断面積を縮小させると共に、粉体リングと保護カバーとの隙間を無くすよう粉体リングを圧縮変形させて、粉体リングおよび保護カバーを含むフランジ部を板型検出素子に一体に組み付けるとよい。
つまり、粉体リングに加えて、保護カバーを板型検出素子に一体に組み付けることで、粉体リングおよび保護カバーを含むフランジ部を板型検出素子の係り止め係止部として備えるのである。このように、粉体リングおよび保護カバーを含むフランジ部からなる係り止め係止部は、粉体リング単体で構成される係り止め係止部に比べて、強度の向上を図ることができ、センサの製造工程での割れや欠けなどの破損を防止できる。
また、この製造方法においては、保護カバーが粉体リングの側面を覆う(包囲する)状態で配置されることから、第2工程において粉体リングを圧縮変形させる際に、粉体リングの側面を包囲する治具が不要となるため、センサの製造装置(製造設備)の簡略化を図ることができる。
そして、保護カバーを用いるセンサの製造方法においては、請求項3に記載のように、フランジ部は、粉体リングの先端側に環状形状の絶縁材料からなる絶縁ホルダを備え、保護カバーは、金属材料で形成されており、粉体リングの側面および絶縁ホルダの側面を覆う筒状形状に形成される側面部と、絶縁ホルダの先端側表面に当接する底面部と、を備え、絶縁ホルダは、軸線方向に垂直な面における板型検出素子の断面形状よりも開口断面積が大きい開口挿通部を有し、保護カバーの底面部は、軸線方向に垂直な面における板型検出素子の断面形状よりも開口断面積が大きい開口部を有し、第1工程において、底面部が絶縁ホルダの先端側に配置されるように粉体リングおよび絶縁ホルダを保護カバーで覆い、底面部の開口部、絶縁ホルダの開口挿通部、粉体リングの素子挿通孔に対して、板型検出素子を挿通し、第2工程において、圧縮用圧力を印加することにより、粉体リングを圧縮変形させると共に、粉体リング、絶縁ホルダおよび保護カバーを含むフランジ部を板型検出素子に一体に組み付けるとよい。
このように底面部を有する保護カバーは、粉体リングの圧縮変形により板型検出素子に一体に組み付けられると共に、底面部により絶縁ホルダを自身の内部に保持することができる。これにより、フランジ部が一体に組み付けられた板型検出素子を把持するにあたり、先端部を上下左右のいずれの方向に設定する場合であっても、絶縁ホルダが板型検出素子から脱落するのを防止することができる。
これにより、センサの製造工程において、フランジ部が組み付けられた後の板型検出素子を把持する際に、把持方向の制約をなくすことができ、製造工程における煩雑さを軽減することができる。
また、保護カバーの底面部は、絶縁ホルダと主体金具の棚部との間に隙間が生じるのを防止するパッキンとして備えることも可能であり、パッキンとして機能させることで、センサにおける板型検出素子と主体金具との間の気密性を向上することができる。
なお、保護カバーを構成する金属材料としては、弾性変形可能で、高温環境下での使用に耐えられる特性を有する金属材料を用いることが望ましい。また、絶縁ホルダは、粉体リングを構成する粉状物が主体金具の貫通孔から外部にこぼれ落ちるのを防ぐために備えられている。
そして、底面部を有する保護カバーを用いる場合には、請求項4に記載のように、主体金具に形成される棚部は、後端側向き拡径状のテーパ面として形成され、絶縁ホルダの先端側表面には、先端側向き縮径状のテーパ面が少なくとも形成され、保護カバーの底面部は、粉体リングおよび絶縁ホルダを覆う前の段階では、絶縁ホルダのテーパ面とは異なる角度に形成されており、第2工程において、圧縮用圧力を印加することにより、粉体リングを圧縮変形させると共に、保護カバーの底面部を絶縁ホルダのテーパ面と略同一角度に変形させて、フランジ部を板型検出素子に一体に組み付けるとよい。
このセンサの製造方法においては、保護カバーの底面部のテーパ角度を、保護カバーを板型検出素子に一体に組み付ける前段階から絶縁ホルダの先端側表面におけるテーパ面と略同一角度に設定するのではなく、第2工程において、粉体リングを圧縮変形させると共に、保護カバーの底面部を絶縁ホルダの先端側表面のテーパ面と略同一角度に変形させている。
このように、圧力印加前における保護カバーの底面部におけるテーパ面のテーパ角度(開き角)を絶縁ホルダの先端側表面のテーパ角度(開き角)と異なる角度に設定することで、絶縁ホルダの先端側表面におけるテーパ面のテーパ角度が較差範囲内で誤差を生じている場合にも、圧力印加時に保護カバーの底面部の内周面を良好に絶縁ホルダの先端側表面におけるテーパ面に沿わせることができる。
よって、本発明方法によれば、絶縁ホルダの先端側表面におけるテーパ面のテーパ角度に寸法誤差が生じている場合であっても、保護カバーの底面部を適切に絶縁ホルダに当接させることができ、センサの製造工程において、センサを構成する部材の寸法誤差による悪影響を抑えることができる。
ところで、粉体リング、絶縁ホルダおよび保護カバーを含むフランジ部が一体に組み立てられた板型検出素子が主体金具の内側に配置された後、主体金具の棚部に係合された状態のフランジ部に対し先端側に向けて圧力が印加された場合(例えば、主体金具の後端側を加締めてフランジ部を先端側に向けて押圧させた場合)、保護カバーの底面部と側面部との接続部分近傍が内向きに膨らむように変形することがある。すると、この膨らみ変形部分が絶縁ホルダに対して不適切な圧力を加えて、絶縁ホルダを破損させる虞がある。
そこで、上記のセンサの製造方法においては、請求項5に記載のように、絶縁ホルダは、第2工程を実行して保護カバーの内部に配置された際に、保護カバーにおける底面部と側面部との接続部分の内面との間に、環状の隙間を生じさせる形状に予め形成されるとよい。
つまり、このような形状の絶縁ホルダを用いることで、保護カバーにおける底面部と側面部との接続部分近傍が内向きに膨らんだ場合であっても、膨らみ部分が絶縁ホルダに接触するのを防止でき、絶縁ホルダの破損を防止することができる。
このような形状の絶縁ホルダとしては、以下の2つの形状を例示することができる。
まず、第1に、主体金具に形成される棚部が後端側向き拡径状のテーパ面として形成される場合に、保護カバーの底面部に当接する先端側向き縮径状のテーパ面(以下、第1テーパ面ともいう)を絶縁ホルダの先端側側面に設け、さらにこの第1テーパ面の後端に連なるようにして先端側向き縮径状のテーパ面(以下、第2テーパ面ともいう)を絶縁ホルダの先端側側面に設けるようにして、絶縁ホルダを形成することができる。このとき、第1テーパ面の開き角を主体金具の棚部の開き角と略等しくし、第2テーパ面のテーパ角度を、第1テーパ面の開き角よりも小さい角度に調整するものとする。これにより、板型検出素子にフランジ部を組み付けた後に、保護カバーにおける底面部と側面部との接続部分の内面と、絶縁ホルダの第2テーパ面との間に環状の隙間を生じさせることができる。
また、他の絶縁ホルダの形状として、主体金具に形成される棚部が後端側向き拡径状のテーパ面として形成される場合に、絶縁ホルダの先端側側面に単一の先端側向き縮径状のテーパ面を設けるものが挙げられる。このとき、絶縁ホルダの上記テーパ面の開き角を主体金具の棚部の開き角よりも小さい角度に調整するものとする。この場合にも、板型検出素子にフランジ部を組み付けた際に、保護カバーにおける底面部と側面部との接続部分の内面と、絶縁ホルダのテーパ面との間に環状の隙間を生じさせることができる。
よって、この絶縁ホルダを用いるセンサの製造方法によれば、保護カバーの膨らみ変形に伴う絶縁ホルダの破損を防止でき、不適合品の発生率を低下させることができるため、センサの製造効率を向上できるという利点がある。
次に、上述のセンサの製造方法においては、請求項6に記載のように、センサは、板型検出素子のうち検出部が形成される先端側を覆う形状のプロテクタ部を備え、保護カバーは、主体金具の棚部に係合するカバー側係合部を備えると共に、プロテクタ部と一体に形成されており、第1工程において、プロテクタ部が一体に形成された保護カバーで粉体リングの側面を覆うと共に、プロテクタ部で板型検出素子の検出部を覆うとよい。
このセンサの製造方法によれば、保護カバーを粉体リングの側面を覆う位置に配置する作業と、プロテクタ部を板状検出素子の検出部を覆う位置に配置する作業とを、1回の作業で同時に実行できるため、保護カバーとプロテクタ部とが個別に形成される場合に比べて、センサの製造工程における作業工数を削減することができる。
また、センサの製造工程の途中段階で板型検出素子がプロテクタ部に覆われて保護されることから、その後の製造工程における板型検出素子の破損を防止でき、とりわけ、板型検出素子を主体金具の貫通孔に配置する際に、誤って板型検出素子が主体金具に接触するのを防止できる。このため、主体金具への板型検出素子の組み付け作業において、板型検出素子と主体金具とが接触しないように特別な注意を払う必要が無くなり、組み付け作業の煩雑さを軽減することができる。
さらに、保護カバーとプロテクタ部とを一体に形成することで、センサを構成する部材の個数を削減することができ、製造コストの低減を図ることができる。
次に、上述のセンサの製造方法においては、請求項7に記載のように、板型検出素子は、先端側のうち少なくとも測定対象物に晒される電極の表面上に保護層を備え、第1工程において、粉体リングの素子挿通孔に対して板型検出素子を後端側から挿通するとよい。
このセンサの製造方法によれば、第1工程において、粉体リングの素子挿通孔に対して板型検出素子の後端側を先頭として板型検出素子を挿通することから、粉体リングの挿通にあたり、粉体リングが板型検出素子の先端側に形成される保護層を削り取ることはない。
よって、本発明方法によれば、保護層を備える板状検出素子に対して粉体リングを含むフランジ部を一体に組み付けるにあたり、保護層の剥離が生じないように注意を払う必要がなくなり、センサの製造工程における作業の煩雑さを軽減することができる。
次に、上述のセンサの製造方法においては、請求項8に記載のように、センサは、板型検出素子のうちフランジ部よりも後端側の周囲に、環状形状に固められた粉状物からなる充填部材を備えて構成され、第3工程において、板型検出素子のうちフランジ部よりも後端部分に充填部材を配置した状態で、板型検出素子を主体金具の貫通孔に配置し、第3工程の実行後、充填部材に対して棚部に向かう圧力を印加して、板型検出素子と主体金具との間に充填部材を加圧充填することにより、板型検出素子と主体金具との間を充填部材により気密封止するとよい。
このセンサの製造方法によれば、フランジ部を板型検出素子に一体に組み付ける第2工程が実施された後の第3工程において、板型検出素子に対して環状形状の充填部材を挿通することから、フランジ部により充填部材を支持できる。つまり、板型検出素子を先端が下側となる状態にして、板型検出素子の後端から充填部材を挿通すると、充填部材は、フランジ部により係止される状態で板型検出素子の周囲に配置される。
このように、板型検出素子を主体金具の貫通孔に配置する前段階で、充填部材を板型検出素子の周囲に配置できる場合には、板型検出素子に対する充填部材の配置状態を容易に確認することができ、充填部材の配置状態を適切な状態に設定することができる。
なお、主体金具の貫通孔に板型検出素子が配置された後に、充填部材を貫通孔に挿入配置する場合には、主体金具の貫通孔の内部は視認し難いため配置状態の確認が難しく、また、狭い空間であるため配置状態を変更し難いことから、充填部材が不適切な配置状態(例えば、充填部材が傾いた状態など)になる虞がある。これに対して、本発明のセンサの製造方法によれば、板型検出素子に対する充填部材の配置状態を容易に適切な状態に設定できるため、センサの組み立て作業の煩雑さを軽減することができる。
また、主体金具の貫通孔に板型検出素子が配置された後に、充填部材を貫通孔に挿入配置する場合には、主体金具の構造によっては、充填部材が落下する距離が長くなり、落下の衝撃で充填部材が破損する虞がある。
これに対して、本発明のセンサの製造方法であれば、板型検出素子を主体金具の貫通孔に配置する前に、予め充填部材を板型検出素子の周囲に配置できるため、落下時の衝撃に伴う充填部材の破損を防止することができる。つまり、フランジ部の上に積層する状態で充填部材を板型検出素子に配置して、板型検出素子の後端部分を把持した状態で、板型検出素子および充填部材を主体金具の貫通孔に配置することにより、落下の衝撃が生じるのを防止でき、充填部材の破損を防止することができる。
さらに、充填部材が板型検出素子と主体金具との間に加圧充填されるため、板型検出素子と主体金具との組み付け状態がより強固になると共に、両者間の気密封止を良好に図ることができる。
以下に、本発明を適用した実施形態を図面と共に説明する。
なお、本実施形態では、ガスセンサの一種であって、自動車や各種内燃機関における空燃比フィードバック制御に使用するために、測定対象となる排ガス中の特定ガスを検出する検出素子(ガスセンサ素子)が組み付けられるとともに、内燃機関の排気管に装着される全領域空燃比センサ2(以下、空燃比センサ2ともいう)について説明する。
図1は、本発明方法を適用した実施形態の空燃比センサ2の全体構成を示す断面図である。
空燃比センサ2は、排気管に固定するためのネジ部103が外表面に形成された筒状の主体金具102と、軸線方向(図中上下方向)に延びる板状形状をなす検出素子4と、検出素子4の径方向周囲を取り囲むように配置される筒状のセラミックスリーブ6と、軸線方向に貫通するコンタクト挿通孔84の内壁面が検出素子4の後端部の周囲を取り囲む状態で配置される絶縁コンタクト部材82と、検出素子4と絶縁コンタクト部材82との間に配置される5個のリードフレーム10と、を備えている。
検出素子4は、軸線方向に延びる板状形状をなし、測定対象となるガスに向けられる先端側(図中下方)に保護層25に覆われた検出部8が形成され、後端側(図中上方)の外表面のうち表裏の位置関係となる第1板面21および第2板面23に電極端子部30,31,32,34,36が形成されている。リードフレーム10は、検出素子4と絶縁コンタクト部材82との間に配置されることで、検出素子4の電極端子部30,31,32,34,36にそれぞれ電気的に接続される。また、リードフレーム10は、外部からセンサの内部に配設されるリード線46にも電気的に接続されており、リード線46が接続される外部機器と電極端子部30,31,32,34,36との間に流れる電流の電流経路を形成する。
主体金具102は、軸線方向に貫通すると共に、この軸線方向に垂直な断面における内周が円形の貫通孔109を有し、貫通孔109の径方向内側に突出する棚部107を有する略筒状形状に構成されている。また、主体金具102は、検出部8を貫通孔109の先端側外部に配置し、電極端子部30,31,32,34,36を貫通孔109の後端側外部に配置する状態で貫通孔109に挿通された検出素子4を保持するよう構成されている。さらに、棚部107は、軸線方向に垂直な平面に対して傾きを有する後端側向き拡径状のテーパ面を有している。
なお、主体金具102の貫通孔109の内部には、検出素子4の径方向周囲を取り囲む状態で、環状形状のセラミックホルダ106、粉末充填層108(以下、滑石リング108ともいう)、第2充填層110および上述のセラミックスリーブ6が、この順に先端側から後端側にかけて積層されている。また、セラミックスリーブ6と主体金具102の後端部104との間には、加締リング112が配置されており、主体金具102の後端部104は、加締リング112を介してセラミックスリーブ6を先端側に押し付けるように、加締められている。
ここで、検出素子4の概略構造を表す斜視図を、図2に示す。なお、図2では、軸線方向における中間部分を省略して検出素子4を表している。
検出素子4は、軸線方向(図2における左右方向)に延びる板状形状に形成された素子部20と、同じく軸線方向に延びる板状形状に形成されたヒータ22とが積層されて、長方形状の軸断面を有する板状形状に形成されている。なお、空燃比センサ2として用いられる検出素子4は従来公知のものであるため、その内部構造等の詳細な説明は省略するが、その概略構成は以下のようである。
まず、素子部20は、固体電解質基板の両側に多孔質電極を形成した酸素濃淡電池素子と、同じく固体電解質基板の両側に多孔質電極を形成した酸素ポンプ素子と、これらの両素子の間に積層され、中空の測定ガス室を形成するためのスペーサとから構成される。この固体電解質基板は、イットリアを安定化剤として固溶させたジルコニアから形成され、多孔質電極は、Ptを主体に形成される。また、測定ガス室を形成するスペーサは、アルミナを主体に構成されており、中空の測定ガス室の内側には、酸素濃淡電池素子の一方の多孔質電極と、酸素ポンプ素子の一方の多孔質電極が露出するように配置されている。なお、測定ガス室は、素子部20の先端側に位置するように形成されると共に、スペーサの先端側には測定ガス室と外部とを連通するための多孔質のセラミックからなる拡散律速部が形成されており、この測定ガス室が形成される部分が検出部8に相当する。
ついで、ヒータ22は、アルミナを主体とする絶縁基板の間に、Ptを主体とする発熱抵抗体パターンが挟み込まれて形成されている。
そして、素子部20とヒータ22とは、セラミック層(例えば、ジルコニア系セラミックやアルミナ系セラミック)を介して互いに接合される。また、検出素子4は、先端側のうち少なくとも測定対象物(本実施形態では排ガス)に晒される多孔質電極の表面上には、耐被毒防止用の多孔質のセラミックからなる保護層25が形成される。なお、本実施形態では、検出素子4のうち排ガスに晒される多孔質電極の表面を含む先端側全面を保護層25にて覆っている。
このような検出素子4では、図2に示すように、第1板面21の後端側(図2における右側)に3個の電極端子部30,31,32が形成され、第2板面23の後端側に2個の電極端子部34,36が形成されている。電極端子部30,31,32は、素子部20に形成されるものであり、1つの電極端子部は、測定ガス室の内側に露出する酸素濃淡電池素子の一方の多孔質電極と酸素ポンプ素子の一方の多孔質電極と共用する形で電気的に接続される。また、電極端子部30,31,32のうち残りの2つの電極端子部は、酸素濃淡電池素子の他方の多孔質電極と酸素ポンプ素子の他方の多孔質電極と各々電気的に接続されている。また、電極端子部34,36は、ヒータ22に形成されるものであり、ヒータの厚さ方向に横切るビア(図示せず)を介して発熱抵抗体パターンの両端に各々接続されている。
なお、検出素子4は、幅方向寸法W1が4.2[mm]に形成されており、高さ寸法H1が1.3[mm]に形成されている。
このように構成された検出素子4は、図1に示すように、先端側(図1における下方)の検出部8が排気管に固定される主体金具102の先端より突出すると共に、後端側の電極端子部30,31,32,34,36が主体金具102の後端より突出した状態で、主体金具102の内部に固定される。
一方、図1に示すように、主体金具102の先端側(図1における下方)外周には、検出素子4の突出部分を覆うと共に、複数の孔部を有する金属製(例えば、ステンレスなど)の二重の外部プロテクタ42および内部プロテクタ43が、溶接等によって取り付けられている。
そして、主体金具102の後端側外周には、外筒44が固定されている。また、外筒44の後端側(図1における上方)の開口部には、検出素子4の各電極端子部30,31,32,34,36とそれぞれ電気的に接続される5本のリード線46が挿通されるリード線挿通孔61が形成されたセラミックセパレータ48とグロメット50とが配置されている。
また、主体金具102の後端部104より突出された検出素子4の後端側(図1における上方)には、絶縁コンタクト部材82が配置される。尚、この絶縁コンタクト部材82は、検出素子4の後端側の表面に形成される電極端子部30,31,32,34,36の周囲に配置されている。
次に、絶縁性材料からなるセラミックホルダ106、タルク粉末からなる滑石リング108およびタルク粉末からなる第2充填層110について説明する。図3に、検出素子4に組み付けられる前における、セラミックホルダ106、滑石リング108および第2充填層110の斜視図を示す。なお、図3では、図における下側を先端側、図における上側を後端側として、各部材を表している。
セラミックホルダ106は、軸線方向に貫通する開口挿通部113を有する環状形状に形成されており、先端側表面のうちで先端テーパ面114が主体金具102の棚部107に後述する保護カバーを介して係合する先端側向き縮径状のテーパ面として形成されている。
なお、セラミックホルダ106は、外径寸法φ1が10.46[mm]、高さ寸法L3が3.6[mm]となるように形成されており、開口挿通部113は、短辺寸法L1が1.6[mm]、長辺寸法L2が4.5[mm]となるように形成されている。
ここで、空燃比センサ2のうちセラミックホルダ106が配置される部分の拡大断面図を図6に示す。
図6に示すように、セラミックホルダ106の先端テーパ面114の開き角β[度]は、主体金具102の棚部107におけるテーパ面の開き角γ[度]と略等しい角度に調整されている。また、セラミックホルダ106は、図6に示すように、自身の表面のうち側面173と先端テーパ面114との間に第2テーパ面171が形成されている。なお、セラミックホルダ106を中心軸線に沿って平行な向きに断面をとったときには、図6に示すように、第2テーパ面171における開き角α[度]と先端テーパ面114の開き角β[度]との間には、α<βの関係が成立するように、先端テーパ面114および第2テーパ面171が形成されている。本実施形態では、具体的には、α=110[度]、β=120[度]に形成している。
図3に戻り、検出素子4を挿通する前段階における開口挿通部113の開口断面積は、軸線方向に垂直な面における検出素子4の断面形状よりもわずかに大きく形成されており、セラミックホルダ106の開口挿通部113は、検出素子4を挿通可能な大きさに形成されている。なお、セラミックホルダ106は、滑石リング108を構成するタルク粉末が、主体金具102の貫通孔109から外部にこぼれ落ちるのを防止するために備えられている。
滑石リング108は、タルク粉末が固められて形成されており、軸線方向に貫通する素子挿通孔115を有する環状形状に形成されている。素子挿通孔115の開口断面積は、軸線方向に垂直な面における検出素子4の断面形状よりもわずかに大きく形成されており、滑石リング108の素子挿通孔115は、検出素子4を挿通可能な大きさに形成されている。
なお、滑石リング108は、外径寸法φ2が10.46[mm]、高さ寸法L6が4.0[mm]となるように形成されており、素子挿通孔115は、短辺寸法L5が1.7[mm]、長辺寸法L4が4.5[mm]となるように形成されている。
第2充填層110は、タルク粉末が固められて形成されており、軸線方向に貫通する第2素子挿通孔117を有する環状形状に形成されている。第2素子挿通孔117の開口断面積は、軸線方向に垂直な面における検出素子4の断面形状よりもわずかに大きく形成されており、第2充填層110の第2素子挿通孔117は、検出素子4を挿通可能な大きさに形成されている。
なお、滑石リング108および第2充填層110の製造に際しては、例えば、水ガラスなどをバインダとして用いることで、タルク粉末を一定形状に固めることができる。
次に、保護カバー125について説明する。図4に、保護カバー125の斜視図を示す。なお、図4では、図における上側を先端側とし、図における下側を後端側として、保護カバー125を表している。
保護カバー125は、金属材料(例えば、ステンレス鋼等)からなり、セラミックホルダ106および滑石リング108を内部に収容可能な大きさの筒状形状に形成された側面部128と、筒状の側面部128の先端に連結される底面部126と、を備えて構成されている。なお、底面部126は、主体金具102への組み付け後において、セラミックホルダ106の先端テーパ面114に当接する。つまり、保護カバー125は、セラミックホルダ106および滑石リング108の側面を覆うと共に、セラミックホルダ106の先端側を覆う筒状形状に形成されている。
保護カバー125の底面部126は、滑石リング108が圧縮充填されて検出素子4と一体化される前段階では、詳細は後述するが、主体金具102の棚部107のテーパ角度とは異なる角度のテーパ形状に形成されている。また、保護カバー125の底面部126は、軸線方向に貫通する開口部127が形成されており、開口部127の開口断面積は、検出素子4のうち軸線方向に垂直な面における断面形状よりも大きく形成され、開口部127は、検出素子4のみを挿通させた状態で、当該検出素子4を中心軸線を回転中心として回転させることが可能な大きさに形成されている。
なお、保護カバー125は、側面部128の外径寸法φ3が11.43[mm]、側面部128の高さ寸法L7が8.5[mm]、厚さ寸法d1が0.4[mm]となるように形成されている。
次に、検出素子4に対して、セラミックホルダ106、滑石リング108および保護カバー125を一体に組み付けることで構成される素子ユニット7の製造作業について説明する。図5に、素子ユニット製造用治具150を用いた素子ユニット7の製造工程における各段階を表した説明図を示す。
なお、本実施形態においては、この素子ユニット7の製造工程前において、先端側の表面に保護層25を形成した検出素子4(図2参照)を形成している。
素子ユニット製造用治具150は、検出素子4の後端側部分を収容するための素子配置部152を有する基台部151と、検出素子4と略同様の断面形状に形成された長尺状のピン部材153と、滑石リング108を検出素子4の軸線方向に沿って圧縮変形させるための圧力を印加する圧力印加部材155と、を備えて構成されている。
図5に示すように、素子ユニット7の製造工程における第1ステップでは、基台部151の素子配置部152に対してピン部材153を配置する作業を行い、次の第2ステップでは、ピン部材153に対して滑石リング108およびセラミックホルダ106をこの順に挿通したあと、滑石リング108およびセラミックホルダ106を覆うように、保護カバー125を配置する。
続く第3ステップでは、ピン部材153を引き抜く作業を行う。この結果、保護カバー125,セラミックホルダ106,滑石リング108が、基台部151の上側において、積層された状態で配置される。
第4ステップでは、後端側(電極端子部30が形成されている側)を先頭とする状態で、検出素子4を、保護カバー125の開口部127、セラミックホルダ106の開口挿通部113、滑石リング108の素子挿通孔115および素子配置部152の内部に対して挿入する。このとき、検出素子4が基台部151の内部で係止されることで、検出素子4に対する滑石リング108の相対位置が位置決めされる。
このように、第4ステップにおいて、後端側を先頭とする状態で、検出素子4をセラミックホルダ106の開口挿通部113や滑石リング108の素子挿通孔115などに挿通することで、挿入時における検出素子4の先端側に予め形成した保護層25の剥離を有効に抑制することができる。
なお、基台部151は、このときの検出素子4と滑石リング108との相対位置が、空燃比センサ2の完成時における検出素子4と滑石リング108との相対位置となるように、素子配置部152の深さ寸法などが適宜設定された上で構成されている。
そのあと、圧力印加部材155により保護カバー125を介してセラミックホルダ106に対して基台部151に向かう圧力を印加することで、滑石リング108に対して軸線方向に圧縮する圧縮用圧力を印加する。このとき、圧力印加部材155のうちで保護カバー125に当接して滑石リング108に圧力を印加することになる当接面157は、テーパ形状に形成されており、この当接面157の開き角は、セラミックホルダ106の先端テーパ面114と略等しい開き角β(図6参照)に形成されている。つまり、圧力印加部材155の当接面157の開き角は、主体金具102の棚部107の開き角γ(図6参照)と略等しい値に予め調整されている。こうして、圧力印加部材155により滑石リング108に対して圧縮用圧力を印加することで、素子挿通孔115の開口断面積が縮小するように、滑石リング108が圧縮変形し、検出素子4に対して滑石リング108が一体に組み付けられる。また、このとき、滑石リング108の側面と保護カバー125の内周面とが密着するように、滑石リング108が圧縮変形し、保護カバー125およびセラミックホルダ106が滑石リング108と共に、検出素子4に一体に組み付けられる。
なお、この圧力印加部材155による圧力印加前(換言すれば、第4ステップ前)の保護カバー125の底面部126においては、予めテーパ形状に形成されてはいるものの、セラミックホルダ106の先端テーパ面114の開き角βとは異なる開き角に形成されている。このように、圧力印加前において保護カバー125の底面部126の開き角をセラミックホルダ106の先端テーパ面114の開き角βと異ならせておくことで、セラミックホルダ106の開き角βが較差範囲内でズレを生じている場合にも、圧力印加時に底面部126の内周面を良好にセラミックホルダ106の先端テーパ面114に沿わせることができる。
次の第5ステップにおいて、滑石リング108、セラミックホルダ106、保護カバー125および検出素子4が一体に組み付けられて構成される素子ユニット7を基台部151から取り外すことで、素子ユニット7が完成する。
次に、上記のようにして組み立てられた素子ユニット7(滑石リング108、セラミックホルダ106、保護カバー125および検出素子4)を、主体金具102に一体に組み付ける作業について説明する。
まず、素子ユニット7として備えられる検出素子4の後端側に、第2充填層110を挿通し、先端側に向けて第2充填層110を移動させて、滑石リング108の後端側に第2充填層110を積層する。そして、素子ユニット7(滑石リング108、セラミックホルダ106、保護カバー125および検出素子4)を、第2充填層110と共に、検出素子4の先端側を先頭とする状態で、主体金具102の貫通孔109に挿入する。
このとき、先端側を下側とする状態で主体金具102を配置し、検出素子4のうち第2充填層110よりも後端側となる部分を把持して、素子ユニット7を下降させ、保護カバー125の底面部126を主体金具102の棚部107に当接させることで、貫通孔109に対する素子ユニット7の挿入作業を行うことができる。
この挿入作業により、保護カバー125の底面部126が主体金具102の棚部107に係止されることで、素子ユニット7は、主体金具102の内部での軸線方向における配置位置が定められる。換言すれば、滑石リング108がセラミックホルダ106および保護カバー125を介して主体金具102の棚部107に係止されることで、検出素子4は、主体金具102の内部での軸線方向位置が定められる。
次に、主体金具102の内部に配置された検出素子4の後端側に、セラミックスリーブ6を挿通すると共に、滑石リング108の後端側に、第2充填層110、セラミックスリーブ6および加締リング112を積層する。その後、加締リング112を介してセラミックスリーブ6を先端側に押し付けるように、主体金具102の後端部104を先端側に向けて加締める加締め変形作業を行う。
この加締め変形作業により、第2充填層110に対して棚部107に向かう圧力(軸線方向に圧縮する圧力)を印加することで、第2充填層110を圧縮変形させて、図1に示すように、検出素子4(素子ユニット7)を主体金具102に一体に組み付ける。
また、主体金具102の後端部104の加締め変形作業においては、保護カバー125の底面部126をセラミックホルダ106と棚部107との間で挟み込むことにより、棚部107、セラミックホルダ106との間の気密固定が図られる。
ところで、このような加締め変形作業により第2充填層110に対して軸線方向先端側への圧力を加えると、素子ユニット7における保護カバー125の底面部126においても先端側に向かう圧力が印加されるために、加える圧力の大きさによっては、底面部126と側面部128の接続部位(連結部位)近傍が内側凸状に膨らみ変形を生じ、その凸状の膨らみがセラミックホルダ106に応力を加えて、セラミックホルダ106に亀裂を生じさせる虞がある。しかし、本実施形態においては、図6を援用して示すように、セラミックホルダ106に先端テーパ面114の開き角βおよび主体金具102の棚部107の開き角γよりも小さい開き角αをなす第2テーパ面171を形成しており、この第2テーパ面171と保護カバー125の内周面との間に環状の隙間を形成してなるものである。これにより、主体金具102の棚部107に素子ユニット7を係合させた状態で第2充填層110を圧縮し、底面部126と側面部128の接続部位近傍が内側凸状に膨らみ変形が生じても、その膨らみがセラミックホルダ106(第2テーパ面171)に接触し難くなるので、上記のような亀裂の発生を有効に抑えることができる。
なお、素子ユニット7は、セラミックスリーブ6や主体金具102などの他部材が一体に組み付けられることで、中間組立部品105を構成する。中間組立部品105の斜視図を、図7に示す。なお、図7では、外部プロテクタ42が組み付けられた状態の中間組立部品105を表している。
この中間組立部品105に対して、リードフレーム10、絶縁コンタクト部材82および外筒44などの各部材を組み付けることで、図1に示すような空燃比センサ2が完成する。
なお、本実施形態においては、検出素子4が特許請求の範囲に記載の板型検出素子に相当し、粉末充填層108(滑石リング108)が粉体リングに相当し、セラミックホルダ106が絶縁ホルダに相当し、粉末充填層108(滑石リング108)、セラミックホルダ106および保護カバー125がフランジ部に相当し、第2充填層110が充填部材に相当する。
また、素子ユニット7の製造工程における第4ステップにおいて、検出素子4を保護カバー125、セラミックホルダ106および滑石リング108に挿通する工程が、特許請求の範囲に記載の第1工程に相当し、圧力印加部材155により滑石リング108に対して軸線方向に圧縮する圧縮用圧力を印加する工程が、第2工程に相当する。さらに、素子ユニット7の製造工程の終了後、素子ユニット7を主体金具102の貫通孔109に挿入し、保護カバー125の底面部126およびセラミックホルダ106を介して滑石リング108を棚部107に係合させる工程が、特許請求の範囲に記載の第3工程に相当する。
以上、説明したように、空燃比センサ2の製造方法では、素子ユニット7の製造工程における第4ステップにおいて、保護カバー125の開口部127、セラミックホルダ106の開口挿通部113および滑石リング108の素子挿通孔115に対して、後端側(電極端子部30が形成されている側)を先頭とする状態で、検出素子4を挿通している。このため、検出素子4を挿通するにあたり、保護カバー125、セラミックホルダ106および滑石リング108が、検出素子4の先端側に形成される保護層25を削り取ることはない。
よって、センサの製造工程において、主体金具102の棚部107に係合する係り止め係合部を検出素子4に形成するために、検出素子4に対して保護カバー125、セラミックホルダ106および滑石リング108を一体に組み付けるにあたり、保護層25の剥離が生じるのを防止することができる。
また、第4ステップでは、圧力印加により素子挿通孔115の断面積が縮小するよう滑石リング108を圧縮変形させて、検出素子4に対して滑石リング108および保護カバー125を一体に組み付ける作業を行う。これにより、滑石リング108および保護カバー125を、検出素子4の側面から側方に突出する係り止め係合部として利用することができる。
そして、素子ユニット7の一部として備えられる検出素子4を、主体金具102の貫通孔109に配置する際に、滑石リング108、セラミックホルダ106および保護カバー125を棚部107に係合させることで、主体金具102の内部での検出素子4の軸線方向における位置決めを行う。このようにして、主体金具102における検出素子4の位置決めを行うことから、ガラス封止材が不要となるため、高温熱処理作業に伴うセンサ製造効率の低下を防ぐことができる。
また、本実施形態の製造方法においては、滑石リング108などが一体に組み付けられた検出素子4を主体金具102の貫通孔109に配置するにあたり、検出素子4の回転方向位置(軸線方向を回転軸とする回転方向位置)がいずれの方向であっても主体金具102の貫通孔109に配置可能となる。このため、検出素子4の回転方向位置を所定方向に定める必要が無くなり、主体金具102に対する検出素子4の組み付け作業の煩雑さを軽減することができる。
さらに、素子ユニット製造用治具150は、基台部151にて組み付けられるときの検出素子4と滑石リング108(または、保護カバー125)との相対位置が、空燃比センサ2の完成時における検出素子4と滑石リング108(または、保護カバー125)との相対位置と略等しくなるように、各部の寸法が決定されて構成されている。
このため、滑石リング108および保護カバー125が一体に組み付けられた検出素子4は、主体金具102に組み付けるにあたり、保護カバー125と棚部107とを係合させることで、検出素子4と主体金具102との軸線方向における相対位置を適切な位置に定めることができる。これにより、主体金具102に対する検出素子4の位置決め作業(軸線方向における位置決め作業)が容易となり、作業の煩雑さを軽減できる。
また、本実施形態では、滑石リング108に加えて保護カバー125を検出素子4に一体に組み付けることから、滑石リング108および保護カバー125を検出素子4の係り止め係止部として利用できる。そして、滑石リング108および保護カバー125からなる係り止め係止部は、滑石リング108のみで構成される係り止め係止部に比べて、強度に優れるため、センサの製造工程での割れや欠けなどの破損を防止できる。
さらに、この製造方法においては、保護カバー125が滑石リング108の側面を覆う(包囲する)状態で配置されることから、素子ユニット製造用治具150を用いて滑石リング108を圧縮変形させる際に、滑石リング108の側面を包囲する部材が不要となる。このため、素子ユニット製造用治具150の構造を簡略化することができ、センサの製造コストの低減を図ることができる。
そして、空燃比センサ2においては、金属材料からなる保護カバー125の底面部126が、セラミックホルダ106と主体金具102(詳細には棚部107)との間に配置されている。このように配置される保護カバー125の底面部126は、セラミックホルダ106と主体金具102(詳細には棚部107)との間に隙間が生じるのを防止するパッキンとして機能するため、センサの気密性を向上することができる。
さらに、このセンサの製造方法によれば、滑石リング108を検出素子4に一体に組み付けた後の工程において、検出素子4に対して環状形状の第2充填層110を挿通することから、滑石リング108により第2充填層110を支持できる。つまり、検出素子4を先端が下側となる状態にして、検出素子4の後端から第2充填層110を挿通すると、第2充填層110は、滑石リング108により係止される状態で検出素子4の周囲に配置される。
このように、検出素子4を主体金具102の貫通孔109に配置する前段階で、第2充填層110を検出素子4の周囲に配置できる場合には、検出素子4に対する第2充填層110の配置状態を容易に確認することができ、第2充填層110の配置状態を適切な状態に設定することができる。
さらに、第2充填層110を備えることで、保護カバー125の底面部126に加えて、第2充填層110が検出素子4と主体金具102との間に加圧充填されるため、検出素子4と主体金具102との間における気密性の向上をより有効に図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、検出素子の検出部を覆うプロテクタ部は、保護カバーと一体に形成しても良い。ここで、保護カバーとプロテクタ部とが一体に形成された第2保護カバー161を備える第2全領域空燃比センサ160の全体構成を示す断面図を、図8に示す。
なお、第2全領域空燃比センサ160は、上記実施形態(以下、第1実施形態ともいう)の全領域空燃比センサ2に対して、保護カバー125および内部プロテクタ43を第2保護カバー161に置き換え、外部プロテクタ42を第2外部プロテクタ165に置き換えることで構成できる。図8では、第1実施形態と共通の部材については、同一符号を付して示している。
第2保護カバー161は、上述の保護カバー125と同形状のカバー部162に対して、先端側に向けて延設されるプロテクタ部163を備えることで構成されている。なお、カバー部162のうち、第1実施形態における保護カバー125の底面部126に相当する部分が、カバー側係合部164である。
また、プロテクタ部163は、カバー側係合部164の開口部から先端側に向けて延設され、先端側が閉じた筒状形状に形成されると共に、側壁部に測定対象ガスを通過させるための複数の孔部が形成されている。なお、プロテクタ部163は、外径寸法が主体金具102の貫通孔109の先端側開口部の内径に略等しく形成されており、第1実施形態の内部プロテクタ43に比べて、外径寸法が縮小されて形成されている。
次に、第2外部プロテクタ165は、第1実施形態の外部プロテクタ42と略同様の形状であり、外部プロテクタ42に比べて外径寸法が縮小されて形成されている。
そして、第2全領域空燃比センサ160の製造工程においては、第1実施形態における素子ユニットの製造工程での第2ステップに相当する工程において、カバー部162で滑石リング108およびセラミックホルダ106の側面を覆うと共に、プロテクタ部163で検出素子4の検出部8を覆うように、第2保護カバー161を配置する。
このように、カバー部162とプロテクタ部163とが一体に形成された第2保護カバー161を用いるセンサの製造方法によれば、カバー部162を滑石リング108の側面を覆う位置に配置する作業と、プロテクタ部163を検出素子4の検出部8を覆う位置に配置する作業とを、1回の作業で同時に実行できる。このため、プロテクタ部とカバー部とが一体に形成される第2保護カバー161を用いることで、保護カバーとプロテクタ部とが個別に備えられる場合に比べて、センサの製造工程における作業工数を削減することができる。
また、センサの製造工程の途中段階で検出素子4がプロテクタ部163に覆われて保護されることから、その後の製造工程における検出素子4の破損を防止でき、とりわけ、検出素子4を主体金具102の貫通孔109に配置する際に、誤って検出素子4が主体金具102に接触するのを防止できる。このため、主体金具102への検出素子4の組み付け作業において、検出素子4と主体金具102とが接触しないように特別な注意を払う必要が無くなり、組み付け作業の煩雑さを軽減することができる。
さらに、カバー部162とプロテクタ部163とが一体に形成された第2保護カバー161を用いることで、保護カバーとプロテクタ部とを別個に備える場合に比べて、センサを構成する部材の個数を削減でき、部品の製造コストの削減に伴い、センサ全体としての製造コストの低減を図ることができる。
また、第2全領域空燃比センサ160においては、主体金具102の棚部107に係合するカバー側係合部164が第2保護カバー161に備えられていることから、カバー部162が主体金具102の先端側に抜け落ちることはない。そして、このカバー部162と一体に形成されるプロテクタ部163は、カバー部162から切り離されない限り、主体金具102から脱落することはない。
このため、内部プロテクタ43を主体金具102に対して溶接などにより組み付ける構造の全領域空燃比センサ2に比べて、第2全領域空燃比センサ160は、プロテクタ部163が脱落し難い構造となり、外力などの影響によるプロテクタ部163の脱落を防止できるため、プロテクタ部163により検出素子4を確実に保護することができる。
よって、第2全領域空燃比センサ160は、検出素子4に対して外力が作用しやすい環境においても、プロテクタ部により保護できるため、検出素子4に対する外力の影響を抑えることができ、高い気密性が要求される用途に適したセンサとなる。
次に、他の実施形態としては、保護カバーとして、滑石リングが圧縮充填されて検出素子と一体化される前段階における底面部の形状が、軸線方向に垂直な平面として形成された保護カバーを備えるセンサが挙げられる。つまり、図5を援用して示すように、素子ユニットの製造工程における第4ステップの前段階における保護カバーの底面部は、テーパ形状に限られることはなく、最終的に素子ユニットを形成する時点で、主体金具の棚部に係合する形状に形成されていればよい。
なお、保護カバーを構成する金属材料としては、弾性変形可能で、高温環境下での使用に耐えられる特性を有する金属材料を用いることが望ましい。
また、上述した実施形態において、粉体リングに相当する粉末充填層108、充填部材に相当する第2充填層110は、タルク粉末(滑石)によって形成されるものに限定されず、例えば、六方晶系窒化ホウ素粉末などで形成したものであってもよい。
次に、検出素子の径方向周囲を取り囲む状態で配置されるセラミックホルダは、第1実施形態のセラミックホルダ106のように先端側表面が複数のテーパ面(先端テーパ面114、第2テーパ面171)を有する形状のものに限られることはない。ここで、先端側に単一のテーパ面が形成された第2セラミックホルダ206を備える第3全領域空燃比センサ200の全体構成を示す断面図を、図9に示す。また、第3全領域空燃比センサ200のうち第2セラミックホルダ206が配置される部分の拡大断面図を、図10に示す。
なお、第3全領域空燃比センサ200は、上述の第1実施形態の全領域空燃比センサ2に対して、セラミックホルダ106を第2セラミックホルダ206に置き換えることで構成できる。図9および図10では、第1実施形態と共通の部材については、同一符号を付して示している。
第2セラミックホルダ206は、軸線方向に貫通する開口挿通部を有する環状形状に形成されており、先端側表面に単一の先端側向き縮径状の単一テーパ面214を備えて構成されている。なお、第2セラミックホルダ206は、先端側表面以外の部分については、セラミックホルダ106と同様に構成されている。
そして、第3全領域空燃比センサ200のうち主体金具102の棚部107は、軸線方向に垂直な平面に対して傾きを有する後端側向き拡径状のテーパ面を有しており、そのテーパ面の開き角γは120[度]に設定されている。また、第2セラミックホルダ206は、単一テーパ面214の開き角βが90[度]に設定されている。つまり、第2セラミックホルダ206の単一テーパ面214の開き角βは、主体金具102の棚部107の開き角γよりも小さい角度に設定されている。
このため、検出素子4にフランジ部(粉末充填層108、第2セラミックホルダ206、保護カバー125)を組み付けた際には、保護カバー125における底面部126と側面部128との接続部分の内面と、第2セラミックホルダ206の単一テーパ面214との間に、保護カバー125の内面周方向わたり環状の隙間129が形成される。
このように保護カバー125の内面との間に隙間129が形成される構成の第2セラミックホルダ206を用いることで、保護カバー125における底面部126と側面部128との接続部分近傍が内向きに膨らんで保護カバー125が変形した場合であっても、膨らみ部分が第2セラミックホルダ206に接触するのを防止できる。
よって、第2セラミックホルダ206を備える第3全領域空燃比センサ200の製造方法によれば、製造工程において保護カバー125が変形した場合であっても、その変形に起因して第2セラミックホルダ206が破損するのを防止でき、不適合品の発生率を低下させることができるため、センサの製造効率を向上できる。
実施形態の空燃比センサの全体構成を示す断面図である。 検出素子の概略構造を表す斜視図である。 検出素子に組み付けられる前における、セラミックホルダ、滑石リングおよび第2充填層の斜視図である。 保護カバーの斜視図である。 素子ユニット製造用治具を用いた素子ユニットの製造工程における各段階を表した説明図である。 空燃比センサのうちセラミックホルダが配置される部分の拡大断面図である。 検出素子に滑石リングや主体金具などの他部材が一体に組み付けられて構成される中間組立部品の斜視図である。 第2全領域空燃比センサの全体構成を示す断面図である。 第2セラミックホルダを備える第3全領域空燃比センサの全体構成を示す断面図である、 第3全領域空燃比センサのうち第2セラミックホルダが配置される部分の拡大断面図である。
符号の説明
2…全領域空燃比センサ、4…検出素子、8…検出部、30,31,32,34,36…電極端子部、102…主体金具、106…セラミックホルダ、107…棚部、108…粉末充填層(滑石リング)、109…貫通孔、110…第2充填層110、125…保護カバー、126…底面部、160…第2全領域空燃比センサ、161…第2保護カバー、162…カバー部、163…プロテクタ部、164…カバー側係合部、200…第3全領域空燃比センサ、206…第2セラミックホルダ。

Claims (8)

  1. 軸線方向に延びる板状形状をなし、測定対象物に向けられる先端側に検出部が形成され、後端側に電極端子部が形成される板型検出素子と、
    前記板型検出素子を取り囲む形態で一体に組み付けられるフランジ部と、
    前記板型検出素子を挿通するために軸線方向に貫通する貫通孔を有し、前記フランジ部に係合するように前記貫通孔の内周面から径方向内向きに突出して形成される棚部を有する主体金具と、
    を備えるセンサの製造方法であって、
    前記フランジ部は、粉体物が固められて環状形状をなす粉体リングを少なくとも備える形態で前記板型検出素子に一体に組み付けられるものであり、
    前記板型検出素子を前記粉体リングに挿通する前の状態において、軸線方向に垂直な面における前記板型検出素子の断面形状よりも開口断面積が大きい素子挿通孔を有する当該粉体リングの前記素子挿通孔に対して、前記板型検出素子を挿通すると共に、前記板型検出素子の軸線方向における前記粉体リングの位置決めを行う第1工程と、
    前記粉体リングに対して軸線方向に圧縮する圧縮用圧力を印加し、前記素子挿通孔の開口断面積が縮小するよう前記粉体リングを圧縮変形させて、前記板型検出素子に対して前記粉体リングを少なくとも含む前記フランジ部を一体に組み付ける第2工程と、
    前記板型検出素子を前記主体金具の前記貫通孔の内部に配置する際に、前記フランジ部を直接または前記軸線方向に延びる中心軸を回転中心として前記板型検出素子を回転可能な大きさの中空部を有する中間部材を介して前記棚部に係合させて、前記貫通孔の内部での前記板型検出素子の軸線方向における位置決めを行う第3工程と、
    を有することを特徴とするセンサの製造方法。
  2. 前記フランジ部は、前記粉体リングの側面を覆う筒状の保護カバーを備えて構成され、
    前記第1工程において、前記板型検出素子を前記粉体リングの前記素子挿通孔に挿通するにあたり、前記保護カバーを前記粉体リングの側面を覆う位置に配置し、
    前記第2工程において、前記粉体リングに圧力を印加するにあたり、前記素子挿通孔の断面積を縮小させると共に、前記粉体リングと前記保護カバーとの隙間を無くすよう前記粉体リングを圧縮変形させて、前記粉体リングおよび前記保護カバーを含む前記フランジ部を前記板型検出素子に一体に組み付けること、
    を特徴とする請求項1に記載のセンサの製造方法。
  3. 前記フランジ部は、前記粉体リングの先端側に環状形状の絶縁材料からなる絶縁ホルダを備え、
    前記保護カバーは、金属材料で形成されており、前記粉体リングの側面および前記絶縁ホルダの側面を覆う筒状形状に形成される側面部と、前記絶縁ホルダの先端側表面に当接する底面部と、を備え、
    前記絶縁ホルダは、軸線方向に垂直な面における前記板型検出素子の断面形状よりも開口断面積が大きい開口挿通部を有し、
    前記保護カバーの前記底面部は、軸線方向に垂直な面における前記板型検出素子の断面形状よりも開口断面積が大きい開口部を有し、
    前記第1工程において、前記底面部が前記絶縁ホルダの先端側に配置されるように前記粉体リングおよび前記絶縁ホルダを前記保護カバーで覆い、前記底面部の前記開口部、前記絶縁ホルダの前記開口挿通部、前記粉体リングの前記素子挿通孔に対して、前記板型検出素子を挿通し、
    前記第2工程において、前記圧縮用圧力を印加することにより、前記粉体リングを圧縮変形させると共に、前記粉体リング、前記絶縁ホルダおよび前記保護カバーを含む前記フランジ部を前記板型検出素子に一体に組み付けること、
    を特徴とする請求項2に記載のセンサの製造方法。
  4. 前記主体金具に形成される前記棚部は、後端側向き拡径状のテーパ面として形成され、
    前記絶縁ホルダの先端側表面には、先端側向き縮径状のテーパ面が少なくとも形成され、
    前記保護カバーの前記底面部は、前記粉体リングおよび前記絶縁ホルダを覆う前の段階では、前記絶縁ホルダの前記テーパ面とは異なる角度に形成されており、
    前記第2工程において、前記圧縮用圧力を印加することにより、前記粉体リングを圧縮変形させると共に、前記保護カバーの前記底面部を前記絶縁ホルダの前記テーパ面と略同一角度に変形させて、前記フランジ部を前記板型検出素子に一体に組み付けること、
    を特徴とする請求項3に記載のセンサの製造方法。
  5. 前記絶縁ホルダは、前記第2工程を実行して前記保護カバーの内部に配置された際に、前記保護カバーにおける前記底面部と前記側面部との接続部分の内面との間に環状の隙間を生じさせる形状に予め形成されていること、
    を特徴とする請求項3または請求項4に記載のセンサの製造方法。
  6. 当該センサは、前記板型検出素子のうち前記検出部が形成される先端側を覆う形状のプロテクタ部を備え、
    前記保護カバーは、前記主体金具の前記棚部に係合するカバー側係合部を備えると共に、前記プロテクタ部と一体に形成されており、
    前記第1工程において、前記プロテクタ部が一体に形成された前記保護カバーで前記粉体リングの側面を覆うと共に、前記プロテクタ部で前記板型検出素子の前記検出部を覆うこと、
    を特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載のセンサの製造方法。
  7. 前記板型検出素子は、先端側のうち少なくとも測定対象物に晒される電極の表面上に保護層を備え、
    前記第1工程において、前記粉体リングの前記素子挿通孔に対して前記板型検出素子を後端側から挿通すること、
    を特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のセンサの製造方法。
  8. 前記センサは、前記板型検出素子のうち前記フランジ部よりも後端側の周囲に、環状形状に固められた粉状物からなる充填部材を備えて構成されており、
    前記第3工程において、前記板型検出素子のうち前記フランジ部よりも後端部分に前記充填部材を配置した状態で、前記板型検出素子を前記主体金具の貫通孔に配置し、
    前記第3工程の実行後、前記充填部材に対して前記棚部に向かう圧力を印加して、前記板型検出素子と前記主体金具との間に前記充填部材を加圧充填することにより、前記板型検出素子と前記主体金具との間を前記充填部材により気密封止すること、
    を特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のセンサの製造方法。
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