JP4173225B2 - 固結防止方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉末又は粒子状芳香族化合物の固結を防止する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、常温において固体である芳香族化合物は、作業性の問題から、粉末又は粒子状に形態を整えている。しかしながら、粉末又は粒子状の物質は、粒子同士が強く結合して集合体組織体つくること、つまり固結する場合があることが知られているが、芳香族化合物の粉末又は粒子も例外でなく、粒子間が凝集した塊を作り、乾燥設備からの製品排出、移送及び紙袋等の梱包容器からの取り出しが困難になる場合がある。近年、常温において固体である芳香族化合物の用途として、感熱紙増感剤の需要が高まっているが、感熱紙増感剤である芳香族化合物も粉末又は粒子状に形態を整えている。しかしながら、従来の感熱紙増感剤である芳香族化合物は、容器に充填梱包された後、梱包中に固結し、容器からの取り出し難い問題があるため、感熱紙増感剤である芳香族化合物の固結防止方法の開発が望まれている。
【0003】
粉末又は粒子状の芳香族化合物の固結要因は、例えば、製品の梱包状態における温度、荷重、圧力等の環境要因があるが、製品の粒子径が小さく粒子の接触度合いが大きくなること、結晶表面上の不純物が溶融固化して粒子間を架橋すること、晶析操作等で使用した溶剤が結晶表面に残液して、粒子間に液架橋すること、或いは結晶の再溶解、粒子間溶融による結合などが考えられる。
【0004】
粉末又は粒子状物質の固結防止方法としては、(1)粒子の粗大化、(2)粒子の乾燥、(3)固結防止剤の添加等の方法が知られている。(1)粒子の乾燥又は(2)粒子の粗大化をするには、乾燥、晶析・造粒設備の固有能力に依存するため、必要に応じて設備増強、新たな設備設置等の設備費がかさむケースが多い。一方、(3)固結防止剤の添加は、簡便な方法で経済性もよく、一般的に数多くの実施例が知られており、特に無機薬品、肥料でよく使用されている(例えば、特開平9−28310号公報、特開平10−59924号公報)。しかしながら、固結防止剤としては、粉末又粒子状物質の製品機能を阻害しないもの、生理学的に無害なものが要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、粉末又は粒子状の芳香族化合物に、安全で無害で且つ製品機能に悪影響を及ぼすことのない固結防止剤を添加混合することにより、これの排出、移送及び梱包容器からの取り出し等の作業性を向上する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、常温固体で、平均粒径が300μm以下で、250℃以下の融点を有する芳香族化合物からなる感熱紙増感剤の粉末又は粒子の固結を防止するため、平均粒径が5〜100nmであるシリカゲル微粉末を0.01〜0.1 wt %添加混合し芳香族化合物の粉末又は粒子表面に付着させることを特徴とする粉末又は粒子状芳香族化合物からなる感熱紙増感剤の固結防止方法である。ここで、粉末又は粒子状の芳香族化合物としては、具体的にはm−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル等が挙げられる。
【0007】
本発明で対象とする芳香族化合物は、常温において粉末又は粒子状であり、250℃以下の融点を有するものであれば、特に限定するものでないが、芳香族炭化水素又は水酸基、カルボン酸基等の極性の強い置換基を有しない芳香族化合物が好ましい。このような芳香族炭化水素としては、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、フェントレン、ピレン、ビフェニル、ターフェニル又はこれらの置換体からなる芳香族炭化水素が挙げられ、芳香族エステル、芳香族ケトン、芳香族アミド等の化合物が挙げられる。好ましくは、比較的低分子の芳香族炭化水素である。
【0008】
また、用途との関連からはシリカゲルを添加しても製品機能に影響せず、安全性にも問題のない製品用途に限定される。好ましい製品用途例としては、感熱紙増感剤がある。感熱紙増感剤に一般的に要求される特性としては、中性であること、常温固体であること、感熱紙に記録する時の温度(通常、50〜200℃)において融解すること、比較的シャープな融解温度を有することなどがある。
【0009】
このような特性を満たす芳香族化合物としては、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル等の芳香族炭化水素や、芳香族エステル、アミド等多数の化合物が知られている。好ましくは、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル等の芳香族炭化水素である。
【0010】
芳香族化合物は、単独で用いてもよいし、他の化合物と併用してもよいが、感熱紙用途に使用する場合は、単一の組成からなることが多い。芳香族化合物の粒度等の粉体特性については、フレーク状であっても、球状又はその他の粒状であっても、粉末状であってもよく、特に限定するものでない。また、その平均の粒径についても制限はないが、通常0.01〜10mm程度が適当である。但し、芳香族化合物の比表面積が大きければ、シルカゲルの添加割合が増える。
【0011】
本発明で用いられるシリカゲルは、 分散性に優れた微粒子シリカゲルが好ましい。シリカゲルは、対象物となる粉末又は粒子状の芳香族化合物の表面に付着して単層コーテングを作り、粒子間相互の付着を抑え、また、摩擦を最小にすることにより、対象物の流動性を向上させて固結を防止する。従って、対象物表面に単層付着に有利な分散性に優れた微粒子シリカゲルが好ましい。また、シリカゲルの粒径は、固結防止剤の重要な特性値であり、平均粒径が100nm以下の超微粒子のものが好ましく、特に5〜20nmの微粒子が好ましい。平均粒径が大きいシリカゲルでは、固結の防止機能は低下する。
【0012】
一般的に、シリカゲルの表面上にはシラノール基が残存しており、その残存率によってシリカゲルの親水性、疎水性が決まってくるが、本発明で用いられるシリカゲルは、特に親水性、疎水性を限定するものでなく、いずれの場合も使用できる。従って、残存しているシラノール基を化学処理をして、疎水性を有しているものについても使用できる。
【0013】
適当なシリカゲルの添加量は、芳香族化合物の粒子の比表面積とシリカゲルの粒径によって変化し、一般的に、シリカゲルの平均粒径が100nm以下であれば、芳香族化合物の粒子の比表面積が大きいと、添加量は多くなる。芳香族化合物の平均粒径が300μm以下であれば、平均粒径100nm以下のシリカゲルの使用量は、0.01〜1.0wt%が好ましい。また、300μmを超える場合は、0.001〜0.05wt%が好ましい。
【0014】
シリカゲルの純度は、固結防止機能には大きく影響しないが、安全性に関わる問題が生じるときもある。例えば、芳香族化合物の用途が感熱紙増感剤の場合、純度99.9%以上で、重金属類が検出されないものであれば問題ない。
【0015】
粉末又は粒子状芳香族化合物とシリカゲルの混合方法は、特に限定されるものではなく、一般的に使用されている粉体混合器で混合してよい。また、シリカゲル添加混合は、粉末又は粒子状芳香族化合物の製造工程中の乾燥前の段階でも実施してよい。
【0016】
本発明における芳香族化合物の粉末又は粒子の固結防止の効能としては、粉末又は粒子状製品の製造設備からの排出、移送及び紙袋、ファイバードラム、フレコン等に梱包された製品取り出しの作業性を向上させることにある。
【0017】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
固結評価試験は、次のようにして行った。先ず、18mmφのガラス管に試料を入れ、上に100gの重りを置いて39gf/cm2 の荷重をかけ、3日間放置して強制的に固結させる。次に、フォ−スゲージ装置(シンポ工業株式会社製)を使用して、固結した粉体に徐々に荷重をかけて、固結した塊が破砕したときの荷重を固結強度とする。固結試料の固結強度が大きいほど、破砕荷重が大きくなる。
【0018】
比較例及び実施例で用いたm−ターフェニル、p−ベンジルビフェニルの組成(重量%)と平均粒径(メジアン径)は、次のとおりであった。
m−ターフェニル 純度 99.95% 平均粒径100μm
p−ベンジルビフェニル 純度 99.85% 平均粒径215μm
【0019】
比較例1〜2
試料としてm−ターフェニル(比較例1)又はp−ベンジルビフェニル(比較例2)を3.5gを用い、常温下で3日間荷重をかけて固結させ、フォ−スゲージ装置を使用して、固結した粉体が破砕する時の荷重を測定した。
【0020】
比較例3
Wコーン型混合器(容量1.0リットル)に、m−ターフェニル350gとシリカゲル1.75g(0.5wt%、平均粒径550nm)を入れ、14rpmで30分間回転混合した。この混合物を試料として比較例1と同様な固結評価試験を行った。
【0021】
実施例1
Wコーン型混合器(容量1.0リットル)に、m−ターフェニル350gとシリカゲル1.75g(0.5wt%、日本アエロジル(株)製200CF、平均粒径12nm)を入れ、14rpmで30分間回転混合した。この混合物を試料として比較例1と同様な固結評価試験を行った。
【0022】
実施例2
m−ターフェニルの代わりにp−ベンジルビフェニルを用いた以外は、実施例1と同様にして固結評価試験を行った。
【0023】
実施例3〜8
m−ターフェニル又はベンジルビフェニルに対するシリカゲルの添加量を表1に示すように変えた試料を調製した以外は、実施例1と同様にして固結評価試験を行った。
【0024】
固結評価試験の結果をまとめて表1に示す。表1において、m−TPはm−ターフェニルを表し、PBBPはp−ベンジルビフェニルを表す。
【0025】
実施例9
Wコーン型混合器(容量1.0リットル)に、m−ターフェニル350gとシリカゲル1.75g(0.5wt%、日本アエロジル( 株) 製R972、平均粒径16nm、表面のシラノール基をメチル化して疎水化したもの)を入れ、14rpmで30分間回転混合した。この混合物を試料として比較例1と同様な固結評価試験を行ったところ、固結強度は66gfであった。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、感熱紙増感剤として有用な芳香族化合物の粉末又は粒子にシリカゲルを添加混合することにより、固結を防止することができ、製品の乾燥設備からの排出、移送及び紙袋等の梱包容器からの抜き出し等の作業性を向上することができる。
Claims (2)
- 常温固体で、平均粒径が300μm以下で、250℃以下の融点を有する芳香族化合物からなる感熱紙増感剤の粉末又は粒子の固結を防止するため、平均粒径が5〜100nmであるシリカゲル微粉末を0.01〜0.1 wt %添加混合し芳香族化合物の粉末又は粒子表面に付着させることを特徴とする粉末又は粒子状芳香族化合物からなる感熱紙増感剤の固結防止方法。
- 感熱紙増感剤が、m−ターフェニル又はp−ベンジルビフェニルである請求項1に記載の固結防止方法。
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JP25623998A JP4173225B2 (ja) | 1998-09-10 | 1998-09-10 | 固結防止方法 |
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1998
- 1998-09-10 JP JP25623998A patent/JP4173225B2/ja not_active Expired - Fee Related
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