JP3396087B2 - 低付着性造粒カーボンブラック - Google Patents

低付着性造粒カーボンブラック

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種のゴム成分や合成
樹脂の補強充填材、顔料また塗料などの着色材として用
いられるカーボンブラック、特に設備や器材に対する汚
染性の少ない低付着性の造粒カーボンブラックに関す
る。
【0002】
【従来の技術】カーボンブラックは頗る微粒子であるう
えに凝集性があるため、輸送、貯蔵その他のハンドリン
グ過程で容易に飛散して周辺の設備や器材に付着し、汚
染する現象を越し易い。このような汚染現象や飛散によ
る製品ロスを防止すると共に、ハンドリングに有利な流
動性を与えるため、多くの場合、生成したカーボンブラ
ックを造粒処理して球状ペレットとして製品化されてい
る。
【0003】通常、造粒処理は液状の造粒媒体を添加し
ながらカーボンブラックをピン回転型造粒機中で転動さ
せながらペレット化する湿式造粒法が適用されるが、こ
の造粒によって付着性の問題が全面的に解消されるわけ
ではない。寧ろ、一旦造粒したペレットが破粒して生じ
た微粉の方が造粒前のカーボンブラックより強い付着性
を示すことが経験的に知られている。したがって、付着
性を低下させるためには成粒後のペレットが容易に破壊
しない程度の硬度になるように造粒することが有効とな
るが、余り粒硬度を高めると配合マトリックスに対する
分散性が減退し、ゴムや樹脂成分に円滑に分散させるこ
とができなくなる。このため、造粒処理に当たっては、
分散性を考慮して粒硬度や粒度分布等が一定レベルの範
囲に入るように厳密な条件制御がなされている。
【0004】このように背反関係にある造粒カーボンブ
ラックの分散性と低付着性を同時に改善することは造粒
条件の制御のみによっては困難とされていたが、本出願
人は造粒時にカーボンブラック100重量部に対しカル
ボン酸型の両性界面活性剤を0.001〜0.1重量部
を含有させることにより分散性を損ねずに低付着性を改
善することに既に成功した(特開平1−201369号公報)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、引き続
き造粒カーボンブラックの低付着性について研究を進め
たところ、造粒時に先行技術のカルボン酸型両面界面活
性剤に代えて一定量の第4級アンモニウム塩系のカチオ
ン性帯電防止剤を添加すると一層優れた低付着性を付与
し得ることを確認した。
【0006】本発明は前記の知見に基づいて開発された
もので、その目的は、分散性を損ねることなしに破粒微
粉の飛散による汚染や製品ロス等の現象を効果的に軽減
することができる低付着性造粒カーボンブラックを提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による低付着性造粒カーボンブラックは、カ
ーボンブラック100重量部に対し、第4級アンモニウ
ム塩系のカチオン性帯電防止剤0.01〜0.1重量部
を含有してなることを構成上の特徴とする。
【0008】本発明のカーボンブラックには特に限定は
なく、ソフト系からハード系に至るあらゆる種類のカー
ボンブラックが対象となる。造粒時に含有される第4級
アンモニウム塩系のカチオン性帯電防止剤としては、例
えば第4級アンモニウムクロリド、第4級アンモニウム
ナイトレート、第4級アンモニウムサルフェートなどを
挙げることができる。しかし、本発明の目的に効果的な
カチオン性帯電防止剤は、下記の化1(式中、Rは炭素
数10〜20のアルキル基を示す)で表される変性脂肪
族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェートであ
る。
【0009】
【化1】
【0010】化1で表される変性脂肪族ジメチルエチル
アンモニウムエトサルフェートは、透明黄色を呈するp
H5.0〜6.5の熱安定性に優れる液体で、腐食性の
ある塩素イオンを含まない点で造粒装置その他の器材を
損傷することがないうえ、造粒ペレットの硬度に影響を
与えずに優れた低付着性を与える機能がある。とくに好
ましくは、大豆油脂肪酸中のオレイン酸分が25〜34
%、リノール酸分が42〜55%、リノレン酸分が3〜
9%の大豆油脂肪酸ジメチルエチルアンモニウムエトサ
ルフェートを用いることで、この使用により前記の機能
が一層顕著となる。
【0011】第4級アンモニウム塩系のカチオン性帯電
防止剤は、カーボンブラック100重量部に対し0.0
1〜0.1重量部の範囲で含有される。この含有量が
0.01重量部未満では低付着性の付与効果が発現せ
ず、また0.1重量部を越えると造粒カーボンブラック
の成粒状態が不良となる。より好ましい第4級アンモニ
ウム塩系カチオン性帯電防止剤の含有量は、0.03〜
0.1重量部である。
【0012】本発明に係る付着性造粒カーボンブラック
は、造粒処理段階で造粒水に予めカーボンブラック10
0重量部当たり0.01〜0.1重量部に相当する量比
になるように第4級アンモニウム塩系のカチオン性帯電
防止剤を溶解し、必要に応じて糖蜜あるいはリグニンス
ルホン酸塩など常用のバインダー成分とともに造粒装置
内を転動するカーボンブラックに添加する簡易な操作に
よって製造することができる。造粒後のカーボンブラッ
クペレットは、引き続き加熱回転ドラム中で乾燥処理さ
れて製品となる。
【0013】
【作用】造粒カーボンブラックの乾燥処理は、酸化雰囲
気に保たれた加熱回転ドラム系内で行われるため、造粒
カーボンブラックの表面がこの段階で酸化変性される。
表面が酸化変性されたカーボンブラックペレットが破粒
すると、破粒面が複雑な形状を呈するため内部から露出
した官能基の一部が局部的に急速酸化を起こして一種の
不均一層を形成し、これが破粒時の機械的応力その他の
ストレスを受けて静電気を発生する。この静電気の発生
は、飛散した際の付着力を著しく高め、周辺機器類など
を汚染する原因となる。造粒カーボンブラックの破粒微
粉が未造粒カーボンブラックに比べて強い付着性を有す
るのは、この静電気の影響によるものである。
【0014】本発明の低付着性造粒カーボンブラック
は、造粒段階で優れた帯電防止機能をもつ第4級アンモ
ニウム塩系のカチオン性帯電防止剤が造粒カーボンブラ
ックの組織内部に分散して、破粒面の静電気発生を効果
的に抑制する作用を営む。特にカチオン性帯電防止剤と
して化1で示される変性脂肪族ジメチルエチルアンモニ
ウムエトサルフェート、とりわけ大豆油脂肪酸中のオレ
イン酸分が25〜34%、リノール酸分が42〜55
%、リノレン酸分が3〜9%の大豆油脂肪酸ジメチルエ
チルアンモニウムエトサルフェートを用いた場合には、
破粒したカーボンブラックと同等範囲のpH域(5.0
〜6.5)を有している関係でpH変動が少なく、優れ
た熱安定性のために乾燥過程でも変質することがなく、
かつ腐食性成分である塩素イオンを含有しないから、造
粒カーボンブラックの分散性を損ねたり機器を腐食する
ことなしに、極めて効果的に付着性の改善を図ることが
可能となる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。
【0016】実施例1〜4、比較例1〜2 窒素吸着比表面積(N2SA)42m2/g、よう素吸着量44mg
/g、DBP吸油量115ml/100g の粒子性状を有するカ
ーボンブラック〔東海カーボン(株)製、“シーストS
O”〕を回転ピン型造粒機に投入し、200〜300rp
m の回転速度で湿式造粒して直径0.1〜2.0mmの球
状ペレットに造粒した。造粒水には、第4級アンモニウ
ム塩系のカチオン性帯電防止剤として、Rが大豆油脂肪
酸基で、大豆油脂肪酸中のオレイン酸分25〜34%、
リノール酸分42〜55%、リノレン酸分3〜9%であ
る化1の一般式で示される大豆油脂肪酸ジメチルエチル
アンモニウムエトサルフェート〔PPG社製、“エレガ
ン264−A”〕の所定量とバインダー成分(実施例4
と比較例2はリグニンスルホン酸ナトリウム、その他は
糖蜜)を溶解したもの、および糖蜜のみを溶解したもの
(従来例)を用いた。造粒後、引き続き乾燥回転ドラム
により150〜300℃の温度範囲で乾燥処理を施し
た。
【0017】このようにして造粒条件を変えて造粒乾燥
したカーボンブラックペレットにつき、粒硬度、成粒状
態および付着性を評価し、その結果を適用した造粒乾燥
条件と対比して表1に示した。なお、粒強度および付着
性の測定は下記によった。 粒硬度;JIS K6221(1982)「ゴム用カーボンブ
ラック試験方法」に従って測定した。 付着性;造粒カーボンブラック試料を篩分級し、粒径が
1680μm 以上が3.0±1.0%、1000〜16
80μm が25.0±3.0%、500〜1000μm
が45.0μm ±3.0%、250〜500μm が2
0.0±3.0%、149〜250μm が5.0±3.
0%、149μm 以下が2.0±3.0%の粒度分布に
調整する。この試料100g を、脚部に引抜きダンパー
を設けた濾斗(傾斜面角度;45°)に濾紙(東洋濾紙
No.2)をセットした上に入れ、引抜きダンパーを引
いて試料を破粒させながら1分以内に流下させる。つい
で、濾紙を敷いたステンレス薄板を軽く叩いて堆積した
カーボンブラックを除去したのち、恒温恒湿の室内(温
度25±2℃、RH50±5%)で重量を測定し、濾紙
に対するカーボンブラック付着重量(mg/100g)を算出す
る。
【0018】
【表1】
【0019】表1の結果から、実施例による造粒カーボ
ンブラックは粒硬度が分散性に好適な約10g の値を有
し、成粒状態が良好で、極めて低い付着性を示した。こ
れに対し、帯電防止剤の含有量が本発明の要件を下廻る
比較例1では低付着性の効果が不十分であり、また帯電
防止剤の含有量が本発明の要件を越える比較例2では低
付着性は付与されるものの、成粒状態が悪化し、正常な
球状ペレットを得ることができなかった。
【0020】実施例5、比較例3〜4 第4級アンモニウム塩系のカチオン性帯電防止剤とし
て、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリドを用
い、その他は実施例1と同一条件(バインダー成分:糖
蜜)で造粒カーボンブラックを作製した。比較のため
に、帯電防止剤としてカルボン酸型両性界面活性剤であ
るジメチルアルキルベタインを用い、その他は実施例1
と同一条件(バインダー成分は比較例3:リグニンスル
ホン酸ナトリウム、比較例4:糖蜜)により造粒カーボ
ンブラックを作製した。これらの造粒カーボンブラック
について、実施例1と同様に粒硬度、成粒状態および付
着性を評価し、結果を表2に示した。
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば粒性状が
良好で、かつ極めて優れた低付着性を備える造粒カーボ
ンブラックを提供することが可能となる。したがって、
輸送、貯蔵その他のハンドリング過程で飛散して設備や
器材などを汚損したり、製品ロスを招く事態は効果的に
軽減されるから、工業的に極めて有益である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボンブラック100重量部に対し、
    第4級アンモニウム塩系のカチオン性帯電防止剤0.0
    1〜0.1重量部を含有してなることを特徴とする低付
    着性造粒カーボンブラック。
  2. 【請求項2】 第4級アンモニウム塩系のカチオン性帯
    電防止剤が、下記の一般式(化1)で表される変性脂肪
    族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェートである
    請求項1記載の低付着性造粒カーボンブラック。 【化1】 但し、式中Rは炭素数10〜20のアルキル基を示す。
  3. 【請求項3】 第4級アンモニウム塩系のカチオン性帯
    電防止剤が、大豆油脂肪酸ジメチルエチルアンモニウム
    エトサルフェートであって、大豆油脂肪酸中のオレイン
    酸分が25〜34%、リノール酸分が42〜55%、リ
    ノレン酸分が3〜9%である請求項1又は2記載の低付
    着性造粒カーボンブラック。
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CN117070028B (zh) * 2023-10-16 2024-01-26 广州顶顺机电设备有限公司 一种输送带用耐高温耐磨覆盖胶及其制备方法

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