JP3289360B2 - シリカ複合造粒物 - Google Patents

シリカ複合造粒物

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  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Glanulating (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、シリカ複合造粒物に関
する。更に詳しくは、合成ゴムの混練工程時間を短縮
し、かつ分散性を向上せしめたシリカ複合造粒物に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】シリカ微粉末は、各種ゴム生地の補強性
充填配合剤として、それの混練工程において用いられて
いる。しかしながら、シリカ微粉末は、そのままでは取
り扱い難く、また呼吸器に対しても有害であるため、一
般に数100μm〜数mm程度の直径の造粒物として用いられ
ている。しかるに、シリカ粒子は合成ゴムと濡れ性が悪
いばかりではなく、その造粒物はカーボンブラックなど
の造粒物に比べてかなり硬くなり、特に低粘度の合成ゴ
ムに配合した場合分散不良を生ずるという問題がみられ
る。
【０００３】このため、一般には濡れ性の高いカーボン
ブラックを先に合成ゴムと混練し、ゴム生地の粘度を上
げた後にシリカ造粒物を加え、再度混練するという工程
がとられている。この場合には、混練を２回に分けて行
うため混練時間が長くなり、またシリカ造粒物が硬いた
め、分散不良が生じ易いという問題がある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、合成
ゴムの混練工程時間を短縮し、かつ分散性を向上せしめ
たシリカ複合造粒物を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
シリカ微粉末およびカーボンブラック微粉末の一体造粒
物を更にカーボンブラック微粉末で被覆したシリカ複合
造粒物によって達成される。
【０００６】シリカ微粉末としては、結晶性シリカ、溶
融シリカなどであって、その粒径が約200nm以下、好ま
しくは約100nm以下のものが用いられる。また、カーボ
ンブラック微粉末としては、粒径が約100nm以下、好ま
しくは約80nm以下のものであれば任意のものを用いるこ
とができ、特に構造をもたないものが好んで用いられ
る。
【０００７】このような粒径を有し、造粒時の硬度が低
いものであれば、カーボンブラック以外の他のゴム用充
填剤微粉末、例えば活性化炭酸カルシウム、塩基性炭酸
マグネシウム等の微粉末も、カーボンブラック微粉末の
代わりに用い得るが、カーボンブラック微粉末が最も好
ましい。また、これらの他のゴム用充填剤微粉末は、カ
ーボンブラック微粉末と併用することもできる。
【０００８】 シリカ微粉末とカーボンブラック微粉末
との一体造粒は、シリカ微粉末100重量部に対して約50
〜100重量部のカーボンブラック微粉末を用い、水を湿
潤剤として、撹拌転動式造粒機などを用いて行われ、そ
の後乾燥される。各種粒径を有する一体造粒物が得られ
るが、一般には約0.5〜1.5mm程度の粒径のものが選別し
て用いられる。この一体造粒物は、更にカーボンブラッ
ク微粉末で被覆して用いられる。この被覆は、一体造粒
物に更にカーボンブラック微粉末を加え、造粒、乾燥す
ることによって行われる。被覆には、カーボンブラック
微粉末以外のゴム用充填剤微粉末も用いられるが、この
場合にもカーボンブラック微粉末が最も好ましい。ま
た、カーボンブラック微粉末と他のゴム用充填剤微粉末
の併用も、一体造粒物の場合と同様に行われる。
【０００９】このようにして得られたシリカ複合造粒物
は、アクリルゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴムなどの各
種合成ゴムに配合されて用いられる。
【００１０】
【発明の効果】シリカ微粉末をカーボンブラック微粉末
と一体造粒したシリカ複合造粒物として用いることによ
り、これを各種合成ゴムに配合し、混練したとき、混練
を一度で済ませることができるので、混練工程時間を短
縮することができ、しかもその場合の分散性を向上させ
ることもできる。更に、一体造粒物の表面をカーボンブ
ラック微粉末で被覆したものを用いると、それの表面濡
れ性によって合成ゴムの粘度を予め上げることができ、
シリカ微粉末の分散性は更に向上する。
【００１１】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【００１２】 実施例 溶融シリカ(キャボット社製品CABOSIL M-70，粒径7〜50
nm)100gおよびカーボンブラック(三菱化成製品ダイアブ
ラックH，一次粒径30nm)100gの混合物を、水の存在下に
おいて、撹拌転動式造粒機を用いて造粒し、更にカーボ
ンブラック100gを加えて造粒し、乾燥させた。
【００１３】造粒物の内、粒径約0.5〜1.5mmのものを選
び、その30〜60重量部をアクリルゴム(日本メクトロン
製品ノックスタイトA-1095)100重量部に加え、ニーダ型
混練機を用いて、スクリュー回転数14/18rpmで15分間混
練した。
【００１４】
【００１５】 比較例１実施例 で用いられたシリカおよびカーボンブラックを別
々に造粒し、それの１：２混合物30〜60重量部をアクリ
ルゴム100重量部に加え、混練した。
【００１６】比較例２ アクリルゴム100重量部に、カーボンブラックのみを投
入して5分間混練した後、その半分量のシリカを加えて1
0分間混練し、これら両者を合計30〜60重量部混練し
た。
【００１７】比較例３ 比較例２において、カーボンブラックおよびシリカの混
練時間をそれぞれ２倍に延長した。
【００１８】 以上の実施例および比較例における混練
物の分散状態を観察した。その結果は、次の表に示され
る。 [評価] ○：分散良好 △：一部にシリカ塊あり ×：全般的に分散不良
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ Ｃ０８Ｋ 9/02 Ｃ０８Ｋ 9/02 Ｃ０８Ｌ 21/00 Ｃ０８Ｌ 21/00 Ｂ２９Ｋ 21:00 Ｂ２９Ｋ 21:00 105:16 105:16 (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C09C 1/00 - 3/12 C08K 9/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 シリカ微粉末およびカーボンブラック微
    粉末の一体造粒物を更にカーボンブラック微粉末で被覆
    したシリカ複合造粒物。
  2. 【請求項２】 請求項１記載のシリカ複合造粒物を合成
    ゴムに配合したゴム組成物。
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